JP4304397B2 - 容器及び充填方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、傾斜面を有し、該傾斜面に設けられた注排出口から、液体、粘性体、粉体等の内容物を好適に充填、排出できる容器及び該容器に内容物を充填する際に好適な充填方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、容器天面に注排出口を取り付ける場合、取り付け部分を凹形状として、保管、運搬時には注排出口が上記凹部内に納められ、容器に内容物を充填したり、内容物を容器外部に排出する際に上記凹部を凸状に引き出し、上記注排出口を突出させる容器用スパウトを備えた容器が各種分野において使用されている。
【0003】
しかしながら、形状や加工方法等の制約から、注排出口を取り付ける容器天面を傾斜させなければならないことがあり、上記容器用スパウトの場合、容器天面と凹部の注排出口の開口面が平行であるため、内容物を充填するために上記凹部を凸状に引き出すと、注排出口が斜めに傾いてしまい、充填ノズルが挿入しにくい場合があった。また、注排出口を凹部内に納められた状態で充填しようとしても、注排出口が天面と同様に傾斜しているので、上記同様であった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、上記注排出口が容器の傾斜面に取り付けられたものであっても、充填が容易にできる容器及び該容器に内容物を好適に充填できる充填方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、(1)傾斜面を有し、該傾斜面に形成した凹み部に取り付けた注排出口が常時は上記凹み部内に納められており、上記容器内の内容物を排出する際に上記凹み部を凸状に引き出すことによって、上記注排出口が突出する容器であって、上記注排出口を上記凹み部内に納められている時に上を向くように取り付けたことを特徴とする容器、及び(2)上記(1)記載の容器に内容物を充填する際に、上記注排出口を上記凹み部内に納めた状態で充填することを特徴とする充填方法を提供する。
【0006】
ここで、上記容器の上記凹み部が断面略L字型であり、該凹み部の底面に上記注排出口を取り付けたものであると、より好適であり、特に上記容器が折り畳み可能に形成されていると、更に好適である。
【0007】
即ち、本発明の容器は、容器の傾斜面に形成した凹み部内に上記注排出口を上記凹み部内に納められている時に上を向くように取り付けたので、注排出口を凹み部内に納めた状態で内容物を充填する時にノズルが注排出口に挿入し易くなる。
【0008】
ここで、上記容器の上記凹み部が断面略L字型であり、該凹み部の底面に上記注排出口を取り付けたものであれば、上記注排出口が上記凹み部内に納められている時に、上記注排出口の上端開口面がほぼ水平となるようにすることができる。
【0009】
更に、上記容器が折り畳み可能に形成されていると、該容器を上記凹み部が凹んだ状態で折り畳むことによって、上記注排出口の部分が出張ってじゃまになることを防止でき、例えばこのような状態で複数の容器を積み重ねて保管、輸送すれば、場所をとらないので、より効果的である。
【0010】
そして、上記容器に内容物を充填する際に、上記注排出口を上記凹み部内に納めた状態で充填すれば、充填ノズルを注排出口に容易に挿入することができるので、充填し易くなる。
【0011】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、本発明につき図面を参照して更に詳しく説明する。図1〜図3は本発明の容器を説明するものであり、図1は、本発明の容器の構成例を示す容器1の側面図であり、図2は、容器1の凹み部及び注排出口の部分を説明するために図1のZ部分を拡大して示した拡大縦断面図、図3は、容器1の凹み部が凸状に引き出された状態を示す図1のZ部分の拡大側面図である。
【0012】
ここで、上記容器1は、容器本体2の上面が水平面に対して傾斜した傾斜面3,3となっており、一の傾斜面3には、図2に示すように断面略L字型の凹み部4が設けられ、この凹み部4の底面4aに注排出口5が取り付けられて容器用スパウト6を形成している。更に、容器本体2には、折り畳み線7が傾斜面3,3の突き合わせ部分を通り、容器本体2を概ね1/2に分割する位置に容器周囲を取り巻いて設けられており、また、持ち運びを容易にするために、傾斜面3,3の突き合わせ部分に該当する位置に亘って把手8が取り付けられている。
【0013】
上記容器本体2は、その材質が特に制限されるものではないが、例えば折り畳み性、保形性及び強度が特に必要な場合、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー等のプラスチック材料が特に好適であり、また、酸素バリヤー性が特に求められる時は、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリアミド等の防気性材料と上記プラスチック材料との複合素材が特に好適である。
【0014】
上記容器本体2の大きさ、即ち、容器1の内容量は、特に制限されるものではないが、通常内容量が1〜40リットル、特に2〜20リットル程度であると、より効果的である。
【0015】
上記容器本体2の成形方法は、特に制限されるものではなく、例えばブロー成形法、真空成形法、圧空成形法などの公知の成形法によって、上述したような所定形状に成形することができる。また、上記折り畳み線7は、例えば上述したように容器本体2を成形する際に、溝と必要に応じて折り畳む時のきっかけとなるリブが形成されるように成形金型に形状を設けておくことによって形成することができる。なお、把手8は、容器本体2と一体に成形してもよく、別に成形したものを、容器本体2の所定位置に熱溶着等の適宜手段によって取り付けることもできる。
【0016】
容器本体2の一の傾斜面3に設けられた容器用スパウト6は、図2に示すように、凹み部4と注排出口5からなり、凹み部4は、常時は断面略L字型に底面4aと側面4bが形成されており、底面4aはほぼ水平である。そして、注排出口5は、凹み部4内に納められている時、その中心線Xが垂直となり、上端開口面5aが水平となるように底面4aに取り付けられている。
【0017】
上記容器用スパウト6は、上記凹み部4が容器本体2の傾斜面3に形成されることによって、内容物を充填したり、容器外部に排出する際に機能するものである。
【0018】
この場合、上記注排出口5の大きさは特に制限されるものではなく、通常注排出口5の内径として、10〜120mm、特に20〜60mmが好適である。そして、凹み部4を形成する壁である底面4a、側面4bの肉厚は、凹み部4を凸状に引き出す際の作業性を考えると、薄い方が良いが、内容品の排出性や、流通に耐える十分な強度を考慮すれば、0.1〜1mmが好適である。なお、凹み部4の材質としては、変形し易さを考慮すれば、ポリエチレン等のポリオレフィン、ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルなどの合成樹脂材等が特に好適である。
【0019】
また、その形状は、上記のように凸状に引き出す際に、軽い力で行えることが望ましいことを考慮すれば、俯瞰形状としては、例えば楕円状、円状、略四角形等であることが、好適である。
【0020】
上記容器用スパウト6を製造するには、まず、常法により、凹み部4を成形する。この場合、凸状に成形することもできる。ここで、凹み部4は容器本体2とは別に成形することもできるが、容器本体2を成形する時に一体に成形することが望ましい。また、注排出口5は、凹み部4を成形する時に同時に成形することもできるが、凹み部4の成形時、または成形後に嵌着や接着、熱溶着によって形成すると、凹み部と異なる樹脂を使用することもできるので、好適である。
【0021】
このようにして容器本体2の一の傾斜面3に形成された上記容器用スパウト6は、常時は凹み部4内に注排出口5が納められる。そして、この状態で内容物を充填することによって、注排出口5に充填ノズルを容易に挿入することができる。また、上記容器1内から内容物を排出する時には、図3に示すように、凹み部4を引き出すことによって、凹み部4が凸状に変形し、注排出口5が突出するので、内容物が漏れ零れて凹み部4を汚すこともない。
【0022】
また、上記容器1は、凹み部4の深さ、注排出口5の取り付け位置等を傾斜面3の傾斜角度に合わせて適宜調整すれば、図2に示すように、凹み部4が凹んだ状態では、注排出口5が、容器本体2の傾斜面3より低い位置にあり、例えば容器1を外箱(図示せず)に収納して使用するいわゆるバッグインボックスの内容器として利用する場合、外箱の天面に注排出口5が接触しないようにすることができる。
【0023】
以上、説明したように、上記容器1によれば、注排出口5が凹み部4内に納められている状態で内容物を充填すれば、注排出口5の上端開口面5aが水平となっているので、充填ノズルを挿入し易く、また、内容物を排出する際には、凹み部4を凸状に引き出すと、注排出口5が突出するので、注排出口5のキャップ(図示せず)を外した際に、容器1内の内容物の零れを防止できるので、例えば洗剤、液体肥料、農薬、接着剤のように、排出する際に、零れて容器1の周辺を汚したり、人体に触れると問題がある各種液体、粘性体、粉体等を収納する容器として有用である。
【0024】
また、上記容器1は、空容器の時には、容器本体2の半部を、もう一方の半部の内側に折り畳み線7を境にして反転させて折り込むことができるので、凹み部4を凹ませた状態にして、注排出口5が容器本体2の傾斜面3よりも低い位置にあるようにすれば、複数の空容器を積み重ねることができるので、保管場所をとらず、また、運搬も容易となる。
【0025】
なお、本発明は、上記構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更して差し支えない。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、容器の傾斜面に形成された容器用スパウトの凹み部内に注排出口が納められるため、例えば上記容器をバッグインボックスの内容器として外箱に入れる場合、外箱の天面に注排出口が接触しないようにすることが可能となるので好適である。また、上記容器に内容物を充填する時、上記注排出口が凹み部内に納められた状態で充填すれば、注排出口が上を向いているので、充填を容易に行うことができ、また、上記容器から内容物を排出する時は、上記凹み部を引き出すことによって、該凹み部が凸状に変形して注排出口が容器の傾斜面より突出するので、内容物の零れを防止することができる。従って、本発明の容器は、内容物として、例えば、洗剤、液体肥料、農薬、接着剤のように排出する際、零れて容器周辺を汚したり、人体に触れると問題がある各種液体、粘性体、粉体等を収納する容器として好適であり、例えば自動充填機で充填する容器として特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の一構成例を示す側面図である。
【図2】図1のZ部分の拡大縦断面図である。
【図3】上記容器の使用方法を説明する拡大側面図である。
【符号の説明】
1 容器
3 傾斜面
4 凹み部
4a 底面
4b 側面
5 注排出口

Claims (4)

  1. 傾斜面を有し、該傾斜面に形成した凹み部に取り付けた注排出口が常時は上記凹み部内に納められており、上記容器内の内容物を排出する際に上記凹み部を凸状に引き出すことによって、上記注排出口が突出する容器であって、上記注排出口を上記凹み部内に納められている時に上を向くように取り付けたことを特徴とする容器。
  2. 上記凹み部が断面略L字型であり、該凹み部の底面に上記注排出口を取り付けた請求項1記載の容器。
  3. 上記容器が折り畳み可能に形成された請求項1又は2記載の容器。
  4. 請求項1、2又は3記載の容器に内容物を充填する際に、上記注排出口を上記凹み部内に納めた状態で充填することを特徴とする充填方法。
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