以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の監視カメラシステムの第1実施形態の構成を示す図である。
図1には、犬に装着され撮影トリガを受けて動画撮影を開始し画像信号を生成して無線送信する屋外ユニット10(本発明のカメラユニットの一例に相当)、および屋内に固定的に設置され屋外ユニット10から無線で送信されてきた画像信号を受信して画像を表示する屋内ユニット20(本発明にいうモニタユニットの一例に相当)を有する監視カメラシステム1が示されている。
屋外ユニット10には、カメラヘッド部11と、制御送信部12と、ハーネス13とが備えられている。この屋外ユニット10は、図1に示すように、ハーネス13により犬に装着される。ここで、屋外ユニット10を構成するカメラヘッド部11の画角αは、犬の視線前方に向けて設定される。カメラヘッド部11については後述するが、このカメラヘッド部11には、監視用のカメラ、屋外の音を受けるマイクロフォン(本発明にいう音センサの一例に相当)等が備えられている。また、制御ユニット12についても後述するが、この制御送信部12には、送受信ユニット、アンテナ、スピーカ、およびバッテリ等が内蔵されている。
一方、屋内ユニット20には、送受信アンテナ21と、画像表示部22と、スピーカ23と、電源オンボタン24と、記録ボタン25と、モニタオンボタン26と、マイクロフォン(マイクと称する)27と、メニュー表示ボタン28と、再生/送りボタン29と、再生/戻しボタン30と、LED31と、マイクオンボタン32とが備えられている。この屋内ユニット20は、詳細は後述するが、屋外ユニット10から無線で送信される画像信号を送受信アンテナ21で受信し、画像表示部22に画像を表示するとともに屋外の音声をスピーカ23から放音する。
犬は不法侵入者、不審者等を発見すると、その人物に向かって吠える。その吠え声を屋外ユニット10に装備されているマイクで集音し、ある一定音量以上であれば、不法侵入者、不審者等を検知したとして、監視開始状態となる。その際、屋外ユニット10から監視開始トリガ信号が発信される。屋内ユニット20は、その監視開始トリガ信号を受信して、待機状態から監視状態に遷移する。監視状態では、屋内ユニット20は、屋外ユニット10からの画像信号および音声信号に基づく画像および音声を出力する。尚、監視状態に遷移した際に、警告音をスピーカから発音しても良い。これにより監視者は、屋内から屋外の不法侵入者,不審者等を確認し、対処することが可能となる。利便性の向上の目的から、モニタオンボタン26をオンしてモニタモードにすると、強制的に待機状態から監視状態に移行可能となる。また、記録ボタン25をオンすると、その時の画像が屋内ユニット20に備えられた記憶媒体に記憶される。記憶媒体としては、内蔵メモリや取外し可能な記録媒体がある。その際、日時等の情報も同時に記録される。記録画像ファイルは、DCF(Design rule for Camera File)形式、またはEXIF(Exchangeable Image File)形式のフォーマットに準拠するものであることが好ましい。再生は屋内ユニット20で再生することができ、さらに、この屋内ユニット20とパーソナルコンピュータ(PC)等の機器をケーブル等で接続してあるいはその機器に取り外し可能な記録媒体を挿入することにより、その機器による再生も可能である。
さらに、屋外ユニット10にはスピーカが内蔵されているため、屋内ユニット20のマイク27で集音した音声を犬に伝えることが可能である。これにより、特殊な号令訓練をマスターした犬であれば、監視者の号令により、任意の場所に誘導させる等の制御が可能となる。屋内ユニット20を可搬型のタイプにすれば、警察犬、災害救助犬、介助犬等で有用な方法となる。
図2は、図1に示す屋外ユニットの構成を示す図である。
本実施形態の監視カメラシステム1を構成する屋外ユニット10は、動物(主に犬)に装着するユニットであり、装着のためのハーネス13およびバックル14を具備する。また、この屋外ユニット10は、動物の頭部に装着するカメラヘッド部11と、その動物の胴体に装着する制御送受信部12を具備する。これらカメラヘッド部11および制御送受信部12の双方は、ケーブル15により電気的に接続されている。本実施形態では、屋外ユニット10を2つに分離した構成とし、動物の頭部にカメラヘッド部11を装着するとともにその動物の胴体に制御送受信部12を装着する例であるが、カメラヘッド部11および制御送受信部12を一体化するとともに小型軽量化した屋外ユニットを動物の頭部に装着してもよい。
また、カメラヘッド部11の底面には、動物の頭部との密着性を高めるために、クッション材16が具備されている。ここで、クッション材16には、冷却ジェル等の放熱性の良い材料が用いられており、これにより頭部およびカメラヘッド部11の発熱を外気に放熱させて、動物の体温上昇を防ぐ役割を担っている。
このカメラヘッド部11には、マイク11aおよびスピーカ11bが備えられている。また、カメラヘッド部11には、このカメラヘッド部11の装着にあたり、動物の頭部形状の個体差によらず、動物の視線前方にレンズ光軸を合わすことができるように、左右方向をパン調整するパン調整機構11c、および上下方向をチルト調整するチルト調整機構11dが設けられている。これら調整機構11c,11dは、レンズ11eおよび内部の撮像素子(CCD)を一体とした部材を、上下,左右方向に可動できる機構であれば良い。
ここで、屋外ユニット10は、主に屋外で使用されるユニットであり、外光を受ける場合が多い。そのため、屋外ユニット10を構成するカメラヘッド部11,制御送受信部12の上部にはソラーパネル11f,12fが装備されている。これにより、カメラヘッド部11,制御送受信部12の内部に設けられたバッテリに適宜充電される構成となっている。当然のことながら、これらカメラヘッド部11,制御送受信部12は、防水構造および防塵構造となっている。
また、カメラヘッド部11には、ライト発光部11gが備えられている。モニタモードにおいて、夜間等で暗い場合であってCCDで受光した光量が規定値以下の場合に、このライト発光部11gを点灯させる。また、カメラヘッド部11には、フラッシュ発光部11hも備えられている。このフラッシュ発光部11hは、静止画撮影時にCCDで受光した光量が規定値以下の場合に発光させる。尚、静止画撮影時には外界の明暗によらず、このフラッシュ発光部11hを発光させることで、不法侵入者や不審者等に警戒心を与えることができるため、防犯効果に有効である。
一方、制御送受信部12には、送受信アンテナ12aと、バッテリスロット12bと、メディアスロット12cと、電源スイッチ12dと、前述したソラーパネル12fとが備えられている。メディアスロット12cは、記録メディアを装着するためのものであり、屋内ユニット20からの記録指示により、そのメディアスロット12cに装着された記録メディアに、カメラヘッド部11で撮影した画像のデータが記録される。尚、屋内ユニット20にも、同じ画像データを記録する機能が設けられている。これは、屋外ユニット10から屋内ユニット20ヘの画像送信がノイズ等で不完全あるいは不明瞭な際に、バックアップとして使用することができる。また、屋内ユニット20が静止画像を受信中は画像をモニタできなくなる可能性が高い。そのために、シャッタチャンスを逃す可能性がある。その際には、静止画データを屋外ユニット10のみに記録して、屋内ユニット20ヘの静止画の送信を行なわなくすることで解決できる。また、十分に時間が空いている時、あるいはモニタ状態以外の時に、屋外ユニット10の記録メディア内の画像を屋内ユニット20に送信するようにすれば良い。
尚、画像の記録を、屋内ユニット10および屋外ユニット20の双方、あるいは屋内ユニット20のみ、あるいは屋外ユニット10のみとする選択は、屋内ユニット20のメニュー操作にて設定可能である。屋外ユニット10では、詳細は後述するが、マイク11aで集音した音の音量検出、周波数分析を行ない、犬が吠えた状況を検出する。検出すると、屋内ユニット20ヘ検出信号を送信する。これにより、屋内ユニット20は。待機状態からモニタ状態に遷移する。また、犬が静止しているとは限らず、更に吠えた状況では頭部が揺れる。このため、屋外ユニット10には、本発明にいう振動センサの一例である後述する角速度センサ(あるいは加速度センサ)が装備されており、撮像画像のブレを検出し、さらにブレ補正を行なう。ブレ補正手段としては、レンズまたはCCDを追従させる光学的な手段もしくはCCDからの画像の切り出しで補正する手段等がある。尚、角速度センサ等の振動センサ(ブレ検出センサ)を用いずに、画像の相関より動きベクトルを算出して補正する手段でも良い。単に、音声のみの検出では、近傍にいる他の犬の吠え声やノイズ音を誤検出してしまう場合がある、そこで、犬が吠えた状況では頭部が揺れるため、ブレ検出センサと音声を併用して犬が吠えた状況を検出することで、より精度良く不法侵入者や不審者等を監視することができる。次に、屋内ユニット20の詳細について説明する。
図3は、図1に示す屋内ユニットの構成を示す図である。
屋内ユニット20には、前述したように、送受信アンテナ21と、画像表示部22と、スピーカ23と、電源オンボタン24と、記録ボタン25と、モニタオンボタン26と、,マイク27と、メニュー表示ボタン28と、再生/送りボタン29と、再生/戻しボタン30と、LED31と、マイクオンボタン32とが備えられている。さらに、この屋内ユニット20には、イヤホンジャック33と、DC入力端子34と、バッテリ35が装填されるバッテリスロット36と、記録メディア37が装填されるメディアスロット38とが備えられている。
この屋内ユニット20では、電源オンボタン24を押すと、LED31が点灯し待機状態となる。その状態でモニタオンボタン26を押すと、屋外ユニット10からの撮像画像が画像表示部22に表示される。同時に屋外ユニット10で集音した音声がスピーカ23に出力されるとともにそのデータがイヤホンジャック33に出力される。
さらに、マイクオンボタン32を押すことで、屋内ユニット20のマイク27で集音された音声が屋外ユニット10のスピーカに出力される。また、記録ボタン25を押すことで、静止画撮影指示が屋外ユニット10に送信され、その屋外ユニット10で静止画撮影が行なわれる。撮影された静止画は、屋外ユニット10内で圧縮処理されて記録メディアに記録されると同時に屋内ユニット20に送信される。屋内ユニット20では、圧縮処理された画像が受信されて記録メディア37に記録されると同時に伸張処理されて画像表示部22に表示される。
本実施形態の監視カメラシステム1は、待機状態において屋外ユニット10で音声を検出した際に検出信号を送信し、屋内ユニット20をモニタ状態にする。その際に、屋内ユニット20のスピーカ23からアラーム音を出力しても良い。尚、ここでは、記録される画像は静止画の例で説明したが、動画を記録するようにしてもよい。動画を記録する操作の一例としては、記録ボタン25の長押しで動画記録を開始し、再度記録ボタン25を押して終了する等がある。
記録メディア37に記録された画像の再生は、再生/送りボタン29や再生/戻しボタン30)を押すことで、最後に記録された画像が再生され、画像表示部22に表示される。その後は、再生/送りボタン29や再生/戻しボタン30の操作により、再生コマを順次送ることができる。
図4は、図2に示す屋外ユニットの内部ブロック図を示す図である。
図4には、屋外ユニット10を構成するカメラヘッド部11のブロック図および制御送受信部12のブロック図が示されている。これらカメラヘッド部11および制御送受信部12は、ケーブル15により接続されている。
カメラヘッド部11には、前述したマイク11a,スピーカ11b,パン調整機構11c,チルト調整機構11d,レンズ11e,ソラーパネル11f,ライト発光部11g,フラッシュ発光部11hが備えられている。
また、このカメラヘッド部11には、マイク11aで集音された音声と併用して犬が吠えた状況を検出するための角速度センサ11iが備えられている。また、レンズ11eを経由して結像された被写体像をアナログ画像信号に変換するCCD(撮像素子)11jと、CCD111jから出力されたアナログ画像信号の雑音を低減する処理等を行なうCDS A/D部11kと、タイミング信号を生成するTG(タイミングジェネレータ)部11mとが備えられている。
さらに、このカメラヘッド部11には、フラッシュ発光部11hの発光量を制御するとともに、フラッシュコンデンサ11nと相俟ってフラッシュ発光用の電圧にまで昇圧するための発光制御・昇圧回路11pが備えられている。
また、このカメラヘッド部11には、マイク11aからの音声信号を増幅するマイクアンプ11qと、後述するDSP(Digital Signal Processor)12gからの信号を増幅してスピーカ11bに出力するスピーカアンプ11rが備えられている。
一方、制御送受信部12には、前述した送受信アンテナ12a,電源スイッチ12d,ソラーパネル12f、およびDSP12g,記録メディア12h,内部メモリ12i,MPU(Micro Processor Unit)12j,送受信モジュール12k,電源回路12m,バッテリ12nが備えられている。
DSP12gでは、MPU12jと相俟って、送受信アンテナ12aおよび送受信モジュール12kを介して送受信される信号の処理、カメラヘッド部11の角速度センサ11iからの検出信号に基づくブレ量検出処理,ブレ補正処理、CDS A/D部11kからの画像データの圧縮処理、記録メディア12h,内部メモリ12iに対するメモリ制御、マイクアンプ11q,スピーカアンプ11rのA/D処理,D/A処理,音声処理,音量検出処理,音声周波数分析処理等が行なわれる。
MPU12jでは、送受信アンテナ12aおよび送受信モジュール12kを介して送信されてくる信号に基づいて、電源回路12mやライト発光部11gの制御が行なわれる。
電源回路12mには、バッテリ12nおよびソラーパネル11f,12fからの電力が供給される。
図5は、図3に示す屋内ユニットの内部ブロック図を示す図である。
図5に示す屋内ユニット20には、図3に示す、送受信アンテナ21,マイク27,スピーカ23,イヤホンジャック33,DC入力端子34,LED31,電源オンボタン24,記録メディア36,画像表示部(LCD)22が備えられている。また、図3に示す記録ボタン25,モニタオンボタン26,メニュー表示ボタン28,再生/送りボタン29,再生/戻しボタン30,マイクオンボタン32からなる操作部40が備えられている。
さらに、図5に示す屋内ユニット20には、送受信モジュール41と、マイクアンプ42と、スピーカアンプ43と、DSP44と、内部メモリ45と、LCDドライバ46と、MPU47と、電源回路48とが備えられている。
DSP44では、MPU47と相俟って、送受信アンテナ21および送受信モジュール41を介して送受信される信号の圧縮および伸張を含む処理、記録メディア36,内部メモリ45に対するメモリ制御、マイクアンプ42,スピーカアンプ43のA/D処理,D/A処理等が行なわれる。
MPU47では、操作部40からの操作指示に基づいて、電源回路48やLED31の制御も行なわれる。
図6は、図4に示す屋外ユニットの検知動作の制御フローチャートである。
屋外ユニット10の電源をオンすると、ステップS1において、監視状態に設定する。また、犬は警戒または威嚇の際に連続して吠えるため、その状態を検出するために、犬が所定時間内に吠えた回数をカウントする回数カウンタを0にする。この回数カウンタは、DSP12内に設けられている。また、上記の所定時間を計測するために、吠えた状態が検出されてからカウントダウンを実行するタイマカウンタもDSP12内に設けられており、ユーザは適宜設定した設定値(M)を、このタイマカウンタにセットする。設定値(M)は通常秒時で表わされる数値としても良い。尚、これら回数カウンタおよびタイマカウンタの設定は屋内ユニット20でのメニュー項目で設定し、その屋内ユニット20から屋外ユニット10に設定値が送信され、屋外ユニット10内のメモリに格納される。
屋外ユニット10が監視状態になると、ステップS2において、屋内ユニット20に待機状態開始の指令を送信する。これにより、屋内ユニット20は待機状態となる。尚、この状態を屋内ユニット20のLED等で表示することが望ましい。監視状態になると、ステップS3において、マイク音量レベルの監視を開始し、さらにステップS4において、角速度センサの振れレベルの監視を開始する。
次いで、ステップS5において、マイク音量レベルが規定値以上か否かが判定される。マイク音量レベルが規定値未満であると判定された場合はステップS3に戻る。一方、マイク音量レベルが規定値以上であると判定された場合はステップS6に進む。
ステップS6では、角速度センサの振れレベル検出が設定されているか否かが判定される。角速度センサの振れレベル検出が設定されていないと判定された場合は、そのままステップS8に進む。一方、角速度センサの振れレベル検出が設定されていると判定された場合はステップS7に進む。
ステップS7では、角速度センサの振れレベルが規定値以上か否かが判定される。規定値未満であると判定された場合は、ステップS3に戻る。一方、規定値以上であると判定された場合は、取得した音声(吠え声)の周波数分析を実行するためにステップS8に進む。
ステップS8では、周波数分析検出が設定されているか否かが判定される。周波数分析検出が設定されていないと判定された場合は、そのままステップS10に進む。一方、周波数分析検出が設定されていると判定された場合はステップS9に進む。
ステップS9では、周波数分析結果が特定のパターン(犬の威嚇による吠え声の周波数分布パターン)に一致するか否かが判定される。特定のパターンに一致していないと判定された場合は、ステップS3に戻る。一方、特定のパターンに一致していると判定された場合は、警戒を検知したことになるためステップS10に進む。尚、上記の音量以外の振れレベル及び周波数分析による判定の追加はユーザが設定することが可能であり、屋内ユニット20でのメニュー項目で設定し、屋内ユニット20から屋外ユニット10に設定値が送信され、屋外ユニット10内のメモリに格納される。
ステップS10では、回数カウンタの検知回数(N)が2以上に設定されているか否かが判定される。検知回数(N)が2以上に設定されていないと判定された場合は後述するステップS16に進む。一方、検知回数(N)が2以上に設定されていると判定された場合はステップS11に進む。ステップS11では、タイマカウンタが0か否かが判定される。タイマカウンタが0であると判定された場合はステップS12に進む。ステップS12では、回数カウンタを0にし、タイマカウンタの設定値をMに設定してステップS3に戻る。一方、タイマカウンタが0でないと判定された場合はステップS13に進む。ステップS13では、タイマカウンタの設定値をMに設定してカウントダウンを開始する。次に、ステップS14において、回数カウンタに1を加算(+1)してステップS15に進む。ステップS15では、回数カウンタが検知回数Nに等しいか否かが判定される。回数カウンタが検知回数Nに等しくないと判定された場合はステップS3に戻る。一方、回数カウンタが検知回数Nに等しいと判定された場合はステップS16に進む。
ステップS16では、屋内ユニット20へモニタ状態開始の指示を送信する。次にステップS17に進み、このステップS17において屋内ユニット20はカメラモニタモードで駆動する。これにより、屋内ユニット20の表示画面に、屋外ユニット10のカメラで撮影された画像が表示される。次にステップS18において、屋外ユニット10からモニタ状態オフの指示を受信したか否かが判定される。屋外ユニット10からモニタ状態オフの指示を受信していないと判定された場合はステップS17に戻る。一方、屋外ユニット10からモニタ状態オフの指示を受信したと判定された場合はステップS11に戻る。
図7は、屋外ユニットの静止画記録時の動作フローチャートである。
屋外ユニット10の電源をオンすると、ステップS21において、監視状態に設定する。次に、ステップS22において、屋外ユニット10での検知、または屋内ユニット20からのモニタモード指令の受信によりモニタモードに設定して、ステップS23に進む。
ステップS23では、屋内ユニット20からの記録指示を受信したか否かが判定される。屋内ユニット20からの記録指示を受信していないと判定された場合は、このステップS23を繰り返し実行する。一方、屋内ユニット20からの記録指示を受信したと判定された場合はステップS24に進む。
ステップS24では、マイク音量レベルが規定値以上か否かが判定される。マイク音量レベルが規定値未満であると判定された場合はステップS24を繰り返し実行する。一方、マイク音量レベルが規定値以上であると判定された場合はステップS25に進む。
ステップS25では、角速度センサの振れレベルが規定値以下か否かが判定される。角速度センサの振れレベルが規定値を超えていると判定された場合はステップS25を繰り返し実行する。一方、角速度センサの振れレベルが規定値以下であると判定された場合はステップS26に進む。ステップS26では、静止画記録モードを実行する。同時に、音声を一定時間録音する。屋外ユニット10にはブレ補正機能が具備されており、多少のブレに対しては補正することが可能であるが、ブレを極力抑えるため、この静止画記録モードにおいては、屋外ユニット10のカメラヘッド部(犬の頭部)ができるだけ静止していることが必要である。また、音声も同様に録音するため、上述したように、マィク音量レベルが規定値以下で且つ角速度センサの振れレベルが規定値以下と判定されると、静止画撮影(記録)を開始するように制御する。これにより、吠えている時点で記録指示を実行しても、その時の状態は記録されず、吠え声が滅少し且つある程度静止した状態になった時点で記録される。尚、ここでは、静止画データと音声データの双方を記録する例であるが、いずれか一方としても構わない。撮影した静止画のデータ及び音声データを屋内ユニット20に送信して記録するか否か(静止画モニタ設定がオンか否か)は、ユーザ設定により設定可能である。設定は屋内ユニット20でのメニュー項目で設定し、屋内ユニット20から屋外ユニット10に設定値が送信され、屋外ユニット10内のメモリに格納される。
ステップS27では、静止画モニタ設定がオンか否かが判定される。静止画モニタ設定がオフであると判定された場合はそのままステップS29に進む。静止画モニタ設定がオフ状態ではモニタ画像の送信を優先させるため、後述するように、屋外ユニット10の記録メディアヘの記録は逐次実行されるが、屋内ユニット20ヘの圧縮された静止画データ及び音声データの送信は、モニタモードオフ時に実行される。さらに、上記送信中にモニタモードヘの移行指令が生じた場合には、送信を中断して、モニタモードとする。中断された送信データは、次のモニタモードオフ時に送信される。
一方、ステップS27において、静止画モニタ設定がオンであると判定された場合はステップS28に進む。ステップS28では、静止画データ及び音声データを屋内ユニット20に送信する。屋内ユニット20では、これらのデータを記録メディアに記録する。
次に、ステップS29において、屋外ユニット記録設定がオンか否かが判定される。屋外ユニット記録設定がオンでないと判定された場合はステップS23に戻る。一方、屋外ユニット記録設定がオンであると判定された場合はステップS30に進む。ステップS30では、静止画データ及び音声データを記録メディアに記録してステップS31に進む。
ステップS31では、屋内ユニット20からモニタモードオフを受信したか否かが判定される。モニタモードオフを受信していないと判定された場合はステップS23に戻る。一方、モニタモードオフを受信したと判定された場合はステップS32に進む。
ステップS32では、静止画モニタ設定がオンか否かが判定される。静止画モニタ設定がオンであると判定された場合はステップS21に戻る。一方、静止画モニタ設定がオフであると判定された場合はステップS33に進む。
ステップS33では、新規に記録メディアに記録する。また、送信を中断した静止画データ及び音声データの、屋内ユニット20への送信を開始する。次に、ステップS34において、屋外ユニット10の検知、または屋内ユニット20からのモニタモード指令を受信したか否かが判定される。屋外ユニット10の検知または屋内ユニット20からのモニタモード指令を受信したと判定された場合はステップS35に進む。ステップS35では、屋内ユニット20への送信を中断してステップS22に戻る。一方、屋外ユニット10の検知または屋内ユニット20からのモニタモード指令を受信していないと判定された場合はステップS36に進む。ステップS36では、屋内ユニット20への送信を完了してステップS21に戻る。
尚、屋外ユニット10と屋内ユニット20の送受信データの転送能力が十分であれば、モニタ画像データと、圧縮された静止画データ及び音声データとを同時に送信することが可能であり、さらにデータの圧縮も不要となる。
図8は、図4に示す屋外ユニットとは異なる屋外ユニットの内部ブロック図を示す図である。尚、図4に示す屋外ユニット10の構成要素と同じ構成要素には同一の符号を付して説明する。
図8に示す屋外ユニット110は、詳細は後述するが、マイク11aによる犬の吠え声の検出を行なう回路部分、及び、角速度センサ11iによる振動の検出を行なう回路部分を含む屋外ユニット110の一部のみに電力を供給しておき、マイク11aによる犬の吠え声の検出、及び、角速度センサ11iによる振動の検出を受けて、屋内ユニット110全体に電力を供給する第1のスイッチ112_3,第2のスイッチ112_4,MPU112_2(本発明にいう電力供給制御部の一例に相当)を備えている。
この図8には、屋外ユニット110を構成するカメラヘッド部111のブロック図および制御送受信部112のブロック図が示されている。
カメラヘッド部111には、レンズ11e,CCD11j,CDS A/D部11k,TG部11m,フラッシュ発光部11h,発光制御・昇圧回路11p,フラッシュコンデンサ11n,スピーカ11b,スピーカアンプ11r,ライト発光部11gからなる回路部分111_1と、角速度センサ11iと、マイク11aと、マイクアンプ11qと、ソラーパネル11fとが備えられている。
一方、制御送受信部112には、信号処理,ブレ補正処理,圧縮処理,メモリ制御,メディア記録制御,A/D,D/A変換処理を行なう部分回路112_1aと、ブレ検出,音声検出,音量検出,音声周波数分析を行なう部分回路112_1bと、AD部112_1cを有するDSP112_1が備えられている。
また、制御送受信部112には、送受信アンテナ12a,記録メディア12hおよび内部メモリ12iからなる記憶部112_6,送受信モジュール12k,MPU112_2,第1のスイッチ112_3,第2のスイッチ112_4,バッテリ12n,電源回路112_5,電源スイッチ12dが備えられている。電源回路112_5には、バッテリ12nおよびソラーパネル11fからの電力が供給される。
ここで、屋外ユニット110の電源系統としては、第1のスイッチ112_3でオン,オフされる電源系統Aと、第2のスイッチ112_4でオン,オフされる電源系統Bとがある。電源系統Aとしては、屋外ユニット110が検知を行なうのに必要な回路系(角速度センサ11i,マイク11a,マイクアンプ11q,部分回路112_1b,AD部112_1c)である。一方、電源系統Bとしては、回路部分111_1,部分回路112_1a,記録メディア12h,内部メモリ12iである。
第1のスイッチ112_3,第2のスイッチ112_4は、MPU112_2によりオン,オフ制御が行なわれる。尚、MPU112_2および送受信モジュール12kは、電源スイッチ12dがオンされると常時電源が供給され、随時屋内ユニット10との通信が可能となる。上記のごとく、電源系統を分けて、各々を第1,第2のスイッチ112_3,112_4等で制御することで、監視状態では、検知するのに必要な箇所のみの電源供給が可能になり、従って屋外ユニット110のバッテリ12nやソラーパネル11fの電力消費を抑えることができる。尚、第1,第2のスイッチ112_3,112_4は、電子スイッチ,リレー等の電流を開閉できるものであれば良い。また、IC内部のクロックを回路ブロック別に停止する等で系統を分離しても良い。さらに、電源回路内のコンバータ等の個別回路ブロックでオン/オフ制御しても良い。
図9は、図8に示す屋外ユニットの電源制御のフローチャートである。
屋外ユニット110の電源スイッチをオンすると、ステップS41において、MPUから第1のスイッチをオンする信号を発生する。すると、ステップS42において、マイク,角速度センサ,AD部、およびDSP内のブレ検出、音声,音量検出、音声周波数分析の回路が動作可能となり、監視状態に設定される。次に、ステップS43において、検知信号を受信、または屋内ユニットからのモニタモード指令を受信したか否かが判定される。検知信号を受信または屋内ユニットからのモニタモード指令を受信していないと判定された場合はこのステップS43を繰り返し実行する。一方、検知信号を受信または屋内ユニットからのモニタモード指令を受信したと判定された場合はステップS44に進む。
ステップS44では、第2のスイッチをオンしてステップS45に進む。ステップS45ではモニタモードに設定し、ステップS46に進む。
ステップS46では、屋内ユニットからのモニタモード終了指令を受信したか否かが判定される。屋内ユニットからのモニタモード終了指令を受信していないと判定された場合はこのステップS46を繰り返し実行する。一方、屋内ユニットからのモニタモード終了指令を受信したと判定された場合はステップS47に進む。ステップS47では、第2のスイッチをオフしてステップS42に戻る。
図10は、本発明の監視カメラシステムの第2実施形態をホームセキュリティのシステムに応用した場合のシステムの概要を示す図である。
図10には、犬に装着された、カメラヘッド部11,制御送信部12,ハーネス13を備えた屋外ユニット10と、送受信アンテナ221を備えたインターホン220(本発明にいうモニタユニットの他の一例に相当)を有する監視カメラシステム2が示されている。カメラヘッド部11のカメラの画角は監視したい範囲を概略カバーする様に設定される。尚、パン,チルト方向に可変可能としても良い。
屋内には、インターホン220との間で通信を行なう固定電話機240が配備されている。一方、屋外には、レンズ211,ライト212,マイク・スピーカ213を備えた屋外ユニット210およびカメラ付きインターホン230が配備されている。これら屋外ユニット210およびカメラ付きインターホン230は、インターホン220との間で通信を行なう。
この監視カメラシステム2は、主にユーザ(家主等)が不在時の警備システムであり、特徴としては、犬の威嚇あるいは警戒による吠え声により、監視(警戒)状態となり、外出先の管理者等の携帯電話260に警戒検知を通報し、画像及び音声を送信するシステムである。さらに、管理者の音声を受信してマイク・スピーカ213のうちのスピーカに出力することができる。
尚、屋内ユニットであるインターホン220は、モニタ付きインターホン親機で兼用するものであることが好ましい。あるいは、固定電話機240が屋内ユニットを兼用するものであってもよい。インターホン220は、固定電話機240にケーブルで接続され、画像、音声等のデータの送受信が可能である。固定電話機240は当然ながら公衆回線あるいはインターネットに接続されており、基地局もしくはサーバ等により携帯電話機260、図示しないモバイルPC、PDA等に接続可能であり、更に警備会社等の警備管理機関への接続も可能である。屋外ユニット10の構成および検知手段は、前述した通りである。また、屋外ユニット210は設置タイプのものであり、内部構成は屋外ユニット10の角速度センサ、ブレ補正機能、フラッシュ発光ユニットを除いた構成である。インターホン220との信号の送受信は有線で行なわれるが、無線で行なってもよい。この屋外ユニット210の検知方法は、図6のフローとほぼ同様であるが、角速度センサの振れを検出する手段は削除されている。ここでは、屋外ユニット10及び屋外ユニット210を併用した構成であるが、屋外ユニット10のみでもよい。本実施形態では、外出先の管理者の携帯電話等に警戒検知の通報を受信し、通話状態にすると回線が接続され画像,音声の送受信が可能となる。この状態で屋外ユニット10及び屋外ユニット210の画像と音声が携帯電話機260に送られ、状況を確認することができる。さらに、携帯電話機260の音声は屋外ユニット10及び屋外ユニット210のスピーカに出力される構成となっている。尚、警戒検知の通報を管理者が警備会社と契約し、警備会社に通報するようにしても良い。
図11は、図10に示す監視カメラシステムが適用されたホームセキュリティのシステムにおける制御フローチャートである。
システムの電源をオンする。これにより、屋外ユニット,インターホン,固定電話機の全ての電源がオン状態になる。先ず、ステップS51において、監視状態に設定する。次に、ステップS52において、屋外ユニットにて犬の吠え声または唸り声に基づいて警戒検知の発生が行なわれる。次に、ステップS53において、インターホンに警戒通知を送信する。インターホンは、この旨を屋外ユニット10に送信する。さらに、ステップS54において、屋外ユニット10のカメラ画角を発生音源の方向に自動設定してステップS55に進む。尚、屋外ユニット10に代えて屋外ユニット210で上記操作を行なうこともできる。
ステップS55では、インターホンにて外線通知設定がオンか否かが判定される。外線通知設定がオフであると判定された場合はステップS51に戻る。一方、外線通知設定がオンであると判定された場合はステップS56に進む。
ステップS56では、屋外ユニットをモニタモードに設定する。次に、ステップS57において、インターホンは設定された電話番号を固定電話機に発信指示する。ここで、外線通知のオン,オフ設定および外線通知先の電話番号は、インターホンのメニュー設定項目で設定され、設定内容はインターホンの内部メモリに保持される。さらに、ステップS58において、固定電話機は設定された電話番号にコール信号を発信してステップS61に進む。
一方、携帯電話機側では、ステップS59において着信を受信し、次いでステップS60において通信状態に設定する。
ステップS61では、回線が接続されたか否かが判定される。回線が接続されていないと判定された場合は、ステップS58に戻る。一方、回線が接続されたと判定された場合はステップS62に進む。ステップS62では、屋外ユニットの画像と音声を携帯電話機側に送信する。また、携帯電話機側から音声を受信してスピーカに出力する。また、携帯電話機側では、このステップS62と併用して実行されるステップS63において表示画面に画像を表示するとともにスピーカから音声を出力する。また、音声信号をインターホン側に送信する。管理者は送信された携帯電話機の画像及び音声を確認し、画像の記録を行なうために、ステップS64において、携帯電話機の特定の操作部材(ナンバーキーの何れか等)を操作して、画像記録を指示する旨の発信を行なう。
ステップS65では、記録指示を受信したか否かが判定される。記録指示を受信したと判定された場合はステップS66において、記録指示をインターホンから屋外ユニットに送信する。さらに、ステップS67において、記録メディアに画像を記録してステップS68に進む。尚、ステップS65において、記録指示を受信していないと判定された場合もステップS68に進む。
ステップS68では、携帯電話機側で実行されるステップS69において連続フラッシュ発光指示を受信したか否かが判定される。連続フラッシュ発光指示を受信したと判定された場合は、ステップS70に進む。ステップS70では、一定時間フラッシュを連続して発光する。これにより、管理者の指示により外界の明暗(昼夜)を問わず、強制的に屋外ユニットの内蔵フラッシュを一定時間連続発光することができる。尚、画像の記録は行なわれない。また、同時にスピーカより警告音を発生するようにしても良い。これにより、不審者の警戒心を増加させ、防犯効果を高めることができる。
さらに、ステップS71に進む。尚、連続フラッシュ発光指示を受信していないと判定された場合もステップS71に進む。
ステップS71では、回線が切断されたか否かが判定される。一方、携帯電話機側のステップS72では、通信状態を終了した旨の送信を行なう。この旨を受けて回線が切断されたと判定された場合は、ステップS51に戻る。一方、回線が切断されていないと判定された場合はステップS62に戻る。
図12は、屋外ユニットのカメラの画角を自動調整する様子を示す図である。
図12に示す屋外ユニット300には、レンズ310aを有するカメラ310が備えられている。また、この屋外ユニット300には、マイク311a,311b,311cも備えられている。マイク311a,311b,311cは、点線A,B,Cで示すマイク指向性を有する。また、図12には、発生音源312も示されている。さらに、カメラ310のパン角度設定用の方向a,b,c,d,eも示されている。
この屋外ユニット300は、カメラ310の画角を、携帯電話機の操作により外出先から可変することを可能とする、さらに、カメラ310の画角を、犬の吠え声の方向に自動的に画角調整する手段を設けることで、より早く不審者をカメラ310に捕らえることが可能となる。図12に示すように、屋外ユニット300には、マイクの指向性がカメラ310のパン方向振り角度に概略一致するように、3方向に3個のマイク311a,311b,311cが設置されている。犬の吠え声を3個のマイク311a,311b,311cで同時に集音し、それぞれの音量の大小関係に基づいて、カメラ310を自動的にパンニングする。
図13は、図12に示すカメラの画角の自動調整用のフローチャートである。
先ず、ステップS81において、規定値以上の音量がマイク311a,311b,311cのいずれかに発生した場合、ステップS82に進む。ステップS82では、マイク311a,311b,311cの音量レベルをそれぞれM1、M2、M3とし、それらの内、最も音量レベルの大きいレベルを選択する。
M1が最も大きいレベルであるとすると、ステップS83において、M2とM1にKなる係数を掛けた値(K・M1)とを比較する。ここで、Kは1以下の値であり、マイクの指向性や取り付け方向等で決定される。M2が値(K・M1)未満であれば、パン角度設定用の方向b(パン角度bと記述する)に音源は存在しないとして、ステップS84に進む。ステップS84では、カメラをパン角度設定用の方向a(パン角度aと記述する)に設定してステップS81に戻る。一方、ステップS83において、M2が値(K・M1)以上であれば、方向aに音源は存在しないとして、ステップS85に進む。ステップS85では、カメラをパン角度bに設定してステップS81に戻る。
また、ステップS82において、M2が最も大きいレベルであるとすると、ステップS86において、M1と値(K・M2)とを比較する。M1が値(K・M2)以上であれば、ステップS85に進む。ステップS85では、カメラをパン角度bに設定してステップS81に戻る。一方、M1が値(K・M2)未満であれば、ステップS87に進む。ステップS87では、M3と値(K・M2)とを比較する。M3が値(K・M2)未満であれば、ステップS88に進む。ステップS88では、カメラをパン角度設定用の方向c(パン角度cと記述する)に設定してステップS81に戻る。一方、M3が値(K・M2)以上であれば、ステップS89に進む。ステップS89では、カメラをパン角度設定用の方向d(パン角度dと記述する)に設定してステップS81に戻る。
さらに、ステップS82において、M3が最も大きいレベルであるとすると、ステップS90において、M2と値(K・M3)とを比較する。M2が値(K・M3)以上であれば、ステップS89に進む。ステップS89では、カメラをパン角度dに設定してステップS81に戻る。一方、M2が値(K・M3)未満であれば、ステップS91に進む。ステップS91では、カメラをパン角度設定用の方向e(パン角度eと記述する)に設定してステップS81に戻る。このようにして、カメラのパン角度を自動設定する。自動設定後、再度規定値以上の音量の監視を実施し、繰り返しこのフローを実施することで、音源が移動した際に、追従することが可能である。このため、不審者の位置する方向が判別でき、その方向にカメラの画角を調整することが可能となる。従って、管理者が手動でカメラの画角を調整して不審者を探す必要がなくなり、素早く目的の画角に設定することができる。
図14は、監視カメラシステムにおけるダミーのカメラユニットの内部ブロック図を示す図である。
図14には、ダミーのカメラユニット410を構成するヘッド部411のブロック図および制御部412のブロック図が示されている。これらヘッド部411および制御部412は、ケーブル415により接続されている。
ヘッド部411には、角速度センサ11iと、ダミーレンズ411eと、フラッシュ発光部11hと、発光制御・昇圧回路11pと、フラッシュコンデンサ11nとが備えられている。また、このヘッド部411には、マイク11aと、マイクアンプ11qと、スピーカ11bと、スピーカアンプ11rと、ライト発光部11gと、ソラーパネル11fとが備えられている。
一方、制御部412には、DSP412gと、MPU412jと、電源回路12mと、電源スイッチ12dと、バッテリ12nと、ソラーパネル12fとが備えられている。
図15は、図14に示すカメラユニットの検知動作の制御フローチャートである。
図15に示すカメラユニット410の電源をオンすると、ステップS101において、監視状態に設定する。また、犬が所定時間内に吠えた回数をカウントする回数カウンタを0にする。さらに、上記の所定時間を計測するために、吠えた状態が検出されてからカウントダウンを実行するタイマカウンタの設定値をMに設定する。
次に、ステップS102において、マイク音量レベルの監視を開始し、さらにステップS103において、角速度センサの振れレベルの監視を開始する。
次いで、ステップS104において、マイク音量レベルが規定値以上か否かが判定される。マイク音量レベルが規定値未満であると判定された場合はステップS102に戻る。一方、マイク音量レベルが規定値以上であると判定された場合はステップS105に進む。
ステップS105では、角速度センサの振れレベル検出が設定されているか否かが判定される。角速度センサの振れレベル検出が設定されていないと判定された場合は、そのままステップS107に進む。一方、角速度センサの振れレベル検出が設定されていると判定された場合はステップS106に進む。
ステップS106では、角速度センサの振れレベルが規定値以上か否かが判定される。規定値未満であると判定された場合は、ステップS102に戻る。一方、規定値以上であると判定された場合は、取得した音声(吠え声)の周波数分析を実行するためにステップS107に進む。
ステップS107では、周波数分析検出が設定されているか否かが判定される。周波数分析検出が設定されていないと判定された場合は、そのままステップS109に進む。一方、周波数分析検出が設定されていると判定された場合はステップS108に進む。
ステップS108では、周波数分析結果が特定のパターン(犬の威嚇による吠え声の周波数分布パターン)に一致するか否かが判定される。特定のパターンに一致していないと判定された場合は、ステップS102に戻る。一方、特定のパターンに一致していると判定された場合は、警戒を検知したことになるためステップS109に進む。
ステップS109では、回数カウンタの検知回数が2以上に設定されているか否かが判定される。検知回数が2以上に設定されていないと判定された場合は後述するステップS115に進む。一方、検知回数が2以上に設定されていると判定された場合はステップS110に進む。ステップS110では、タイマカウンタが0か否かが判定される。タイマカウンタが0であると判定された場合はステップS111に進む。ステップS111では、回数カウンタを0にし、タイマカウンタの設定値をMに設定してステップS102に戻る。一方、タイマカウンタが0でないと判定された場合はステップS112に進む。ステップS112では、タイマカウンタの設定値をMに設定してカウントダウンを開始する。次に、ステップS113において、回数カウンタに1を加算(+1)してステップS114に進む。ステップS114では、回数カウンタが検知回数Nに等しいか否かが判定される。回数カウンタが検知回数Nに等しくないと判定された場合はステップS102に戻る。一方、回数カウンタが検知回数Nに等しいと判定された場合はステップS115に進む。
ステップS115では、一定時間連続フラッシュ発光を行なうと同時にライトを点灯し、警告音をスピーカから出力する。次いで、ステップS116において、一定時間後、フラッシュ発光を停止し、ライト消灯し、さらに警告音を停止してステップS101に戻る。