JP4303023B2 - 音色制御方法、波形メモリ作成方法、電子楽音発生方法、音色制御システム、波形メモリ及び電子楽音発生装置 - Google Patents

音色制御方法、波形メモリ作成方法、電子楽音発生方法、音色制御システム、波形メモリ及び電子楽音発生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4303023B2
JP4303023B2 JP2003103652A JP2003103652A JP4303023B2 JP 4303023 B2 JP4303023 B2 JP 4303023B2 JP 2003103652 A JP2003103652 A JP 2003103652A JP 2003103652 A JP2003103652 A JP 2003103652A JP 4303023 B2 JP4303023 B2 JP 4303023B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveform data
time
frequency
waveform
characteristic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003103652A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004309811A (ja
Inventor
玄 和泉沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd filed Critical Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2003103652A priority Critical patent/JP4303023B2/ja
Publication of JP2004309811A publication Critical patent/JP2004309811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4303023B2 publication Critical patent/JP4303023B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、読み出した波形データにデジタルフィルタによるフィルタリングをして音色を制御する音色制御方法、その方法に使用される波形メモリの作成方法、そのような音色制御によって電子楽音を発生する方法、これらの方法の実施に用いられる音色制御システム、波形メモリ及び該方法が実施されて電子楽音が発生される装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子楽器において、波形メモリに記憶された波形データを読み出し、これにデジタルフィルタを付与して(デジタルフィルタによるフィルタリングをして)波形データを加工することにより音色を変化させることが、一般に行われている。例えば、ある音高に対してひとつの強打波形データを記憶しておき、打鍵強さに応じてデジタルフィルタのカットオフ周波数を制御することで、弱打では倍音が少なく、強打では倍音が多く含まれる楽音を発生することが出来る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上の方式では、打鍵強さに対する音色変化を得ることが出来る。しかし、実際のピアノ音では、打鍵強さによって倍音の減衰時間が異なっており、このような現象を再現することは出来なかった。
【0004】
図12に、強打及び弱打における、ピアノC3の2倍音と7倍音のレベルの時間変化を示す。これによると、2倍音は強打と弱打でほとんど変わらないが、7倍音は強打の方が弱打よりも減衰が早くなっている。尚、この図では減衰を比較し易いように、夫々の倍音につき、レベルの最大値を合わせてある。実際には弱打のレベルは全体的に小さい。
【0005】
上述した従来技術では、強打波形を波形メモリに記憶するため、これをデジタルフィルタでフィルタリングしても、倍音の減衰は強打のままなので(高次倍音ほど素早く減衰する)、実際のピアノ音のような違いを再現することが出来なかった。
【0006】
また、デジタルフィルタのカットオフ周波数を時間変化させることが考えられるが、デジタルフィルタを用いる方式は減算方式なので、波形メモリには倍音を多く含む強打波形を記憶する必要がある。強打波形の倍音のレベルの減衰は弱打のそれに対して早いため、減算方式であるデジタルフィルタでは、早い減衰を遅くすることは出来ない。
【0007】
これを解決するため、波形メモリに強打だけでなく、中打や弱打などの色々な打鍵強さの波形を記憶しておき、打鍵強さに応じて読み出す波形を切り換える方式が考案されている。この方式では、弱打と強打の倍音の減衰の違いを再現できるが、打鍵強さに対して連続的に変化させることが出来ず、又波形メモリが増大するという問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような問題に鑑み、これらの問題を解決するために創案されたもので、特別な回路を追加することなく原信号を再現するとともに、打鍵強さに応じた倍音の減衰を再現することが可能な音色制御方法、波形メモリ作成方法、電子楽音発生方法、音色制御システム、波形メモリ及び電子楽音発生装置を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため本発明に係る音色制御方法の構成は、読み出された波形データに対しカットオフ周波数を時間変化せしめて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性を付与する際の、該フィルタリング特性と逆特性となるように、予め原信号を加工して波形メモリに記憶しておき、これを読み出して上記のフィルタリングを行う場合に、打鍵強さによって該フィルタリングカットオフ周波数の時間変化を制御することを基本的特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、後に楽音を発生させるために使用されるデジタルフィルタ(読み出された波形データに対しカットオフ周波数を時間変化せしめて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性を付与する)に対して、該デジタルフィルタと逆特性となるように、予め原信号を加工して波形メモリに記憶しておき、楽音発生時において、該波形データを読み出して上記デジタルフィルタでフィルタリングする場合に、打鍵強さによって該デジタルフィルタにおけるカットオフ周波数の時間変化を制御することになる。そのため、波形メモリを増大させずに且つ特別な回路を追加することなく、打鍵強さに対して連続的に変化させながら原信号を再現すると共に、打鍵強さに応じた倍音の減衰を再現出来るようになる。尚、上記「打鍵強さ」という言葉には、MIDIデータの入力によってフィルタを変化させる場合なども含まれるものとする。
【0011】
そのような音色制御方法の構成に使用される波形メモリは、次のようにして作成される。すなわち、
波形メモリに記憶される波形データにつき、
読み出された該波形データに対しカットオフ周波数を時間変化せしめて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性を付与する際の、該フィルタリング特性と逆特性となるように、予め原信号が加工されて上記波形メモリに記憶せしめる
ことで行われる(請求項2)。
【0012】
また請求項3の構成は、上記のような音色制御方法の構成(請求項1)によって音色制御された電子楽音の発生方法につき規定したものである。すなわち、読み出された波形データに対しカットオフ周波数を時間変化せしめて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性を付与する際の、該フィルタリング特性と逆特性となるように、予め原信号が加工された波形データの記憶された波形メモリから、該波形データが読み出されて上記のフィルタリングが行われる場合に、打鍵強さによって該フィルタリングカットオフ周波数の時間変化を制御することを特徴とする電子楽音発生方法が、請求項3に規定されている。
【0013】
他方請求項4の構成は、請求項1に係る音色制御方法の実施システム構成を規定している。すなわち、
波形データを記憶する波形メモリと、
該波形メモリから読み出される波形データに対してカットオフ周波数が時間変化せしめられて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性が付与される際の該フィルタリング特性と逆特性になるように、原信号を加工して上記波形メモリに記憶せしめる周波数特性時変制御手段と、
該波形データを読み出してフィルタリングする場合に使用される、カットオフ周波数を時間変化せしめるデジタルフィルタと、
該デジタルフィルタによって上記のフィルタリングをする際、打鍵強さによって該デジタルフィルタにおけるカットオフ周波数の時間変化を制御するフィルタ制御手段と
を有することを特徴としている。
【0014】
またそのような音色制御システムの構成に使用される波形メモリは、次のような構成を有する。すなわち、読み出された該波形データに対しカットオフ周波数を時間変化せしめて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性を付与する際の、該フィルタリング特性と逆特性となるように、予め原信号が加工されて記憶せしめられた波形データ構造を有している(請求項5)。
【0015】
さらに請求項6の構成は、上記のような音色制御システムの構成(請求項4)によって音色制御された電子楽音を発生させる装置につき規定したものである。すなわち、
読み出された波形データがフィルタリングされる際、強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性が付与されて、カットオフ周波数を時間変化せしめるデジタルフィルタと、
該デジタルフィルタに対し、それと逆特性となるように、予め原信号が加工されて波形データを記憶せしめた波形メモリと、
上記波形データが読み出されてデジタルフィルタでフィルタリングされる場合に、打鍵強さによって該デジタルフィルタにおけるカットオフ周波数の時間変化を制御するフィルタ制御手段と
を少なくとも有している。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1に、本発明の概念図を示す。
【0017】
波形データ作成部1では、録音などで得られた原信号を加工して、波形メモリ4に記憶する。
【0018】
その原信号の加工に使用される周波数特性時変制御手段3は、後述する時変フィルタ6のフィルタリング特性(読み出された波形データに対しカットオフ周波数を時間変化せしめて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性)の逆特性となるように、楽音信号の周波数特性を時間的に変化させ、これによって得られた波形データを波形メモリ4に記憶する機能を有している。該構成は、任意のコンピュータや電子楽音発生装置(電子楽器を含む)などに備えられるCPU(図示なし)乃至DSP(Digital Processing Unit;図示なし)と、該CPU乃至DSPに上記のような加工処理を行わせるプログラムを記憶した記憶手段で構成される。尚、ここでは時変とは時間変化することを指す。すなわち、時変フィルタ6とはカットオフ周波数を時間的に変化させるデジタルフィルタであり、また上記周波数特性時変制御手段3の時変制御とは、時間経過に従って周波数特性を変化させる制御のことである。
【0019】
さらに図1の楽音発生部2では、波形メモリ4に記憶された波形データを波形データ読み出し手段5により読み出し、時変フィルタ6によりフィルタリングして楽音を発生する。
【0020】
この構成で、時変フィルタ6のフィルタリング制御を行うのがフィルタエンベロープ制御手段7である。後述する図2の音色選択スイッチ151で構成される音色選択手段151aにより選択された音色情報と、同図の鍵盤部140で構成される音高検出手段140a及び同じくタッチセンサ141で構成される打鍵強さ検出手段141aにより押鍵された音高情報と打鍵強さ情報が検出されると、それらの情報がフィルタエンベロープ制御手段7に出力される。
【0021】
該フィルタエンベロープ制御手段7は、後述する図2のROM120上の音色データメモリ122に音色データの一部として記憶されたカットオフ周波数及びカットオフエンベロープのデータを読み出すと共に、上述のようにして入力された音高と打鍵強さの情報から、波形データに付与する時変フィルタ6の時間経過に対する周波数特性を算出し[後述する図3(b)(c)参照]、該時変フィルタ6のフィルタエンベロープを制御する。
【0022】
このようなフィルタエンベロープ制御手段7の構成は、後述する図2におけるCPU110と、該CPU110に上記のような処理を行わせるプログラムが記憶されたプログラムメモリ121、及び時変フィルタ6のカットオフ周波数・カットオフエンベロープをその一部として含む音色データが記憶された音色データメモリ122を内蔵するROM120とにより構成されている。
【0023】
尚、上記周波数特性時変制御手段3は本発明の周波数特性時変制御手段に、また上記時変フィルタ6は本発明のデジタルフィルタに、さらにフィルタエンベロープ制御手段7は本発明のフィルタ制御手段に相当している。
【0024】
図2は、図1の上記楽音発生部2の構成を有する電子楽器のシステム構成を示す説明図である。
【0025】
上記電子楽器のシステム構成は、システムバス100上に、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、鍵盤スキャン回路142を介して接続されたタッチセンサ141及び鍵盤部140、パネルスキャン回路152を介して接続されたパネル150、ペダルスキャン回路161を介して接続されたダンパーペダル160、外部入出力用のMIDIインターフェース170、各音色に対応する(音色パラメータとして指定される)波形データを記憶する波形メモリ4内に記憶され且つ該メモリから(所定のメモリアドレスに従って)音色パラメータで設定された波形データの読み出しを行う波形データ読み出し手段5と、読み出された波形データに対しカットオフ周波数を時間変化させるフィルタリングを行う時変フィルタ6とが、各接続されており、該システムバス100を通じてこれらのデバイスに各種命令やデータの受け渡しがなされる。また上記時変フィルタ6の出力側には、フィルタリング処理の施された楽音をアナログに変換するD/A変換回路180と、それを増幅する増幅器及び外部に発音せしめるスピーカなどのサウンドシステム181が電気的に接続されている。
【0026】
上記CPU110は、ROM120上の後述するプログラムメモリ121に記憶されている制御プログラムに従って、本実施例構成に係る電子楽器の各部を制御すると共に、同じくプログラムメモリ121に記憶されている電子楽音発生方法用のアプリケーションプログラムを実行し、必要に応じて、RAM130を作業領域として使用し、さらにROM120に記憶された種々の固定データを使用しながらデータ処理を行う構成である。
【0027】
上記ROM120内には、本電子楽器の制御用プログラム及び本発明法による電子楽音発生方法用のアプリケーションプログラムが格納されたプログラムメモリ121と、後述するパネル150の音色選択スイッチ151によって選択される、該音色用のカットオフ周波数及びカットオフエンベロープの情報が音色データの一部として一緒に格納された音色データメモリ122とが少なくとも備えられ、その他CPU110が使用する種々の固定データが記憶されている。
【0028】
上記RAM130は、本電子楽器におけるステータス情報を記憶したり、CPU110の作業領域として使用されるものである。尚、本電子楽器を制御するための各種レジスタやフラグ等は、RAM130に定義されており、このRAM130は、CPU110により、システムバス100を介してアクセスされる。
【0029】
上記鍵盤部140は、本電子楽器の鍵盤で構成されており、複数の鍵盤と、これらの押鍵や離鍵に連動して開閉し、押鍵による音高が検出される鍵盤スイッチからなる(図1の音高検出手段140aに相当する)。またこれらの鍵盤には、押鍵時の鍵盤移動方向に設定された2点間スイッチからなる押鍵の際の押鍵速度を関知するタッチセンサ141が設けられている。この鍵盤部140及びタッチセンサ141と上記システムバス100の間に介在する鍵盤スキャン回路142は、鍵盤スイッチの状態を調べ、そのON/OFFを示す信号からON又はOFF情報とその鍵盤ナンバーを出力すると共に、上記タッチセンサ141の検出信号から打鍵強さのデータ[鍵盤タッチの強さ(速さ)を示すタッチデータ]を生成するものである。このON/OFF情報及び鍵盤ナンバー、タッチデータは、押鍵情報として、システムバス100を介してCPU110に送られる。
【0030】
上記パネル150は、音色選択スイッチ151(図1の音色選択手段151aに相当する)、電源スイッチなど各種スイッチやモード選択のためのスイッチなどがタッチパネルで構成されると共に、ボリューム可変器などが設けられている。このパネル150とシステムバス100の間に介在する前記パネルスキャン回路152は、上記パネル150に設けられた各スイッチやタッチパネルのセット/リセット状態を調べ、ON状態になっているパネルスイッチデータを検出してCPU110に送出するものである。
【0031】
上記波形データ読み出し手段5は、上記CPU110からの指示される読み出しアドレスに従って、波形メモリ4に格納された波形データの読み出しを行う(上記アドレスからの読み出しを行う)構成である。またこの波形データ読み出し手段5と上記時変フィルタ6とを含んだ構成で、後述する図8及び図10に示す音源LSIが構成される。
【0032】
本実施例では、図1に示された波形メモリ4及び時変フィルタ6は、図1の説明でその構成が説明されているため、その詳細な説明は省略する。ただし、図2には図示されていない上記フィルタエンベロープ制御手段7は、本実施例では、上述のように、CPU110と、該CPU110に後述するような時変フィルタ6の処理を行わせるプログラムが記憶されたプログラムメモリ121、及び時変フィルタ6のカットオフ周波数・カットオフエンベロープをその一部として含む音色データが記憶された音色データメモリ122を内蔵するROM120とにより構成されている。ここで時変フィルタ6における処理とは、音色データメモリ122に音色データの一部として記憶されたカットオフ周波数及びカットオフエンベロープのデータを読み出すと共に、鍵盤スキャン回路142より入力された音高と打鍵強さの情報から、波形データに付与する時変フィルタ6の時間経過に対する周波数特性を算出し[同じく後述の図3(b)(c)参照]、該時変フィルタ6のフィルタエンベロープを制御する処理である。
【0033】
尚、上記構成にさらに、原信号を取り込んで加工処理し波形メモリ4に記憶させる図1の波形データ作成部1を構成するサンプリング構成(図示なし)を備えることで、本発明の音色制御システムを構成するシンセサイザ等として提供することもできる。その場合原信号を加工処理する周波数特性時変制御手段3の構成は、図2におけるCPU110と、該CPU110にそのような加工処理を行わせるプログラムが記憶されたプログラムメモリ121とにより構成されることになる。
【0034】
本発明による楽音合成の方法を、図3及び図4を参照しながら説明する。図3(a)は原信号に加えられる周波数時変制御手段3による周波数加工特性を示している。図4(a)はその加工処理後波形メモリ4に記憶される波形データの周波数特性を示している。また、図3(b)及び図3(c)は、強打時及び弱打時の、読み出した波形データに付与される(フィルタリングされる)時変フィルタ6の特性を示しており、図4(b)及び図4(c)は、強打時及び弱打時の、波形データの出力周波数特性を示している。
【0035】
まず、図1の波形データ作成部1において、波形メモリ4に記憶する波形データが作成される。
【0036】
上述のように、フィルタを用いる方式は減算方式なので、倍音を多く含む強打音を録音したものを原信号として使用する。強打音の楽音信号[図4(b)参照]に対し、図3(a)の波形データの加工特性に示されるように、時間経過に従って高周波数帯域のレベルが大きくなるように加工する(通常の強打時の波形データとは高周波数帯域の経時的なレベル特性が反対になる)。この特性は、強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差から求められており、強打音の時間変化を弱打音にするような設定となっている(上記図12の説明参照)。ここで注意しなければならないのは、本発明では、減衰波形を持続波形にするノーマライズ(正規化)処理などのような余計な処理は一切行われていないと言うことである。また後述するように、強打の場合と弱打の場合とで減衰時間の速さが異なることが意識されて原波形の加工処理が行われていることである。
【0037】
その結果、図4(a)に示すように波形メモリ4に記憶される低次倍音のレベルの時間変化は原信号とほとんど変わらない[図4(a)の奥側のレベルは時間の経過と共にほとんど変化していない]が、高次倍音については、上記図4(a)のように時間経過に従って(本来減衰すべき)レベルが原信号より大きくなるように加工され波形メモリ4に記憶されるため、図3(c)に示すような弱打時のフィルタ特性を有するフィルタがかけられた場合、原信号に対して減衰が遅くなり、結果的に図4(c)に示すように弱打の高次倍音の減衰と同等な波形データが作成されることになる。
【0038】
上記波形データ作成部1では、上記周波数特性時変制御手段3によって以上のような加工処理の行われた波形データ[図4(a)参照]が、波形メモリ4に記憶される。
【0039】
次に、以上のようにして加工処理された波形データが、上記波形メモリ4から読み出されて、楽音発生部2において、楽音が発生せしめられる構成について説明する。
【0040】
まず、強打の時は、上記フィルタエンベロープ制御手段7によって、図3(b)に示すような特性を有するものに時変フィルタ6の特性が制御され、波形メモリ4から読み出された波形データ[図4(a)参照]に、そのようなフィルタリング特性が付与される。この特性は、図3(a)の波形データ作成時の加工特性と比べた場合、それとは逆特性となっている。そのため、(波形メモリ4に記憶されている)波形データの加工特性と付与する時変フィルタ6の特性とが相殺され、図4(b)に示すような原信号すなわち強打音が合成されることになる(強打時では高次倍音の減衰が早くなる)。
【0041】
一方弱打の時は、同じくフィルタエンベロープ制御手段7により、図3(c)に示すような特性を有するものに時変フィルタ6の特性が制御され、波形メモリ4から読み出された波形データ[図4(a)参照]に、そのようなフィルタリング特性が付与される。この特性は、高周波数帯域のレベルが下げられるような特性になっており、時間経過に対して変化しない(経時的な変化はなく一様に高周波数帯域のレベルが下げられるような特性となっている)。そのため、波形データに対して高次倍音のレベルは一様に小さく、しかも高次倍音の時間変化は加工された波形データの通りになる(弱打時では高次倍音の減衰は低次倍音の減衰との差が少なくなる)ので、図4(c)に示すように、各倍音のレベルだけでなく、高次倍音の減衰をも再現された弱打音が合成されることになる。
【0042】
また、音色選択スイッチ151によって選択される音色や鍵盤部140で検出される押鍵された音高によっても、上記音色データメモリ122から夫々のパラメータが読み出されてフィルタエンベロープ制御手段7に与えられ、該フィルタエンベロープ制御手段7により、時変フィルタ6のエンベロープが変更される。これらは、基本的には、波形データ作成部1で上記音色や音高に適した加工を行い、それに応じた特性になるようにする。
【0043】
このように本発明による楽音合成方法が明らかになったところで、波形データ作成部1における、周波数特性時変制御手段3による波形メモリ4に記憶する波形データの作成方法を、次に説明する。
【0044】
上述したように図3(a)の特性で原信号の周波数特性を時間経過に従って変化させるには、フィルタバンクを用いて各バンクの時間経過に対するレベルを変化させれば良い。図5に該フィルタバンクの例を示す。このフィルタバンクは、可聴帯域を複数の周波数帯域に分割し、原信号に対して夫々の帯域の信号を得る。このように、フィルタバンクにより周波数帯域を分割しているのは、強打時の波形に高次倍音が多く含まれることによるからである。
これらの帯域に応じて、夫々の帯域の信号の時間経過に対するレベルを変化させる。このように、夫々の帯域の信号の時間経過に対するレベルを変化させるのは、後述のように、強打時の高次倍音の減衰は速く、弱打時の高次倍音の減衰は緩慢であり、波形メモリに強打時の波形を予め記憶させておいて、そのようなメモリから、波形データを読み出して楽音合成する際に、減衰の速い強打時の高次倍音成分から、減衰の遅い弱打時の高次倍音成分のようなレベルに制御できるようにするために、それを、波形データ作成時に最初から制御しようとしているからである。
【0045】
図6に、各帯域の時間経過に対するレベルの変化を示す。この特性は、図3(a)の特性を、周波数帯域毎に時間方向に求めたものである。ここで改めて説明するまでもなく、強打時の図3(b)の時変フィルタ特性に対し、図3(a)の波形データ作成時の加工特性は、全く逆特性になっていることに注意すべきである。低周波数帯域(図面の奥側)は時間経過に対してレベルの変化は無いが、高周波数帯域については周波数が高いほど(図面手前側ほど)時間経過に対してレベルが大きくなるように設定される。
【0046】
図7は、図6の一部の帯域を取り出して表示したものである。1kHzでは時間経過に対する変化はほとんど無いが、2kHzではレベルがだんだん大きくなり、3kHz、4kHzと周波数が大きくなるに従って、レベルの変化も大きくなる。
【0047】
このようにして周波数特性時変制御手段3によりレベルが変更された各帯域の信号が全て加算され、これが波形データとして波形メモリ4に記憶される。
【0048】
次に本実施例に係る電子楽器のシステム構成(楽音発生部2)のメインルーチンのフローチャートについて説明する。
【0049】
図8に上記楽音発生部2を構成する本電子楽器のメインルーチンのフローチャートが示されている。まず電源を入れると、CPU110、RAM130、各スキャン回路142・152及び161や、波形データ読み出し手段5及び時変フィルタ6を含んで構成される音源LSIなどが初期化される(ステップS101)。その後、パネルイベント処理(ステップS102)、ペダルイベント処理(ステップS103)、鍵盤イベント処理(ステップS104)、その他の処理(ステップS105)が繰り返される。該パネルイベント処理及び鍵盤イベント処理については後述する。
【0050】
図9は、図8のステップS102に示されたパネルイベント処理のフローチャートである。
【0051】
ここでは、まず、上記音色選択スイッチ151(音色選択手段151a)が押下されているかが判断される(ステップS201)。押下されている場合(ステップS201;Y)は、音色選択処理が行われる(ステップS202)。ここでは、選択されている音色を示すフラグがオンにされ、また選択された音色のスイッチのLEDが点灯することになる。その後、フィルタエンベロープ制御手段7に選択した音色の情報がセットされる(ステップS203)。そして、図8のメインルーチンに戻る。
【0052】
上記音色選択スイッチ151が押下されていない場合(ステップS201;N)は、次にその他のスイッチが押下されているかが判断される(ステップS204)。押下されている場合(ステップS204;Y)は、その他の処理が行われる(ステップS205)。そして、図8のメインルーチンに戻る。
【0053】
その他のスイッチが押下されていない場合(ステップS204;N)は、何も行わずにメインルーチンに戻る。
【0054】
図10は、上記図8のステップS104における鍵盤イベント処理のフローチャートが示されている。
【0055】
ここでは、まず鍵盤スキャン回路142によりオンイベントすなわち鍵盤部140が押鍵されているかが判断される(ステップS301)。オンイベントの場合(ステップS301;Y)は、タッチセンサ141(打鍵強さ検出手段141a)によって打鍵強さが検出される(ステップS302)。続いて音高検出手段140aにより音高が検出される(ステップS303)。これらの情報はフィルタエンベロープ制御手段7に入力される。
【0056】
次に、ROM120の音色データメモリ122から音色データが読み出される(ステップS304)。そして、上記フィルタエンベロープ制御手段7を構成するCPU110によりフィルタエンベロープが算出される(ステップS305)。この時、図11に示すように、打鍵強さが強いほどフィルタのエンベロープスピードが大きくなるようにする。ここで求められたスピードデータがフィルタエンベロープ制御手段7での制御によって、時変フィルタ6のカットオフ周波数に適用されることによって、打鍵強さが強いほど、高周波数帯域が減衰する特性が実現されることになる。
【0057】
続いてその他のデータが算出される(ステップS306)。その後、算出されたデータが上記音源LSIを構成する波形データ読み出し手段5及び時変フィルタ6にロードされて、楽音発生処理が行われる(ステップS307)。そして、図8のメインルーチンに戻る。
【0058】
他方上記ステップS301でオンイベントでない場合(ステップS301;N)は、次に鍵盤スキャン回路142によりオフイベントであるかが判断される(ステップS308)。オフイベントの場合(ステップS308;Y)は、更にペダルスキャン回路161によりダンパーペダル160がオンであるかが判断される(ステップS309)。ダンパーペダル160がオンの場合(ステップS309;Y)には、そのままメインルーチンに戻る。ダンパーペダル160がオフの場合(ステップS309;N)には、リリーススピードが上記波形データ読み出し手段5及び時変フィルタ6にロードされて、消音処理する(ステップS310)。そして、図8のメインルーチンに戻る。
【0059】
また上記ステップS308でオフイベントでない場合(ステップS308;N)は、何も行わずにメインルーチンに戻る。
【0060】
以上説明した本実施例に係る構成によれば、読み出した波形データに時変フィルタ6によるフィルタリングが付与されて音色を制御する電子楽器を構成する楽音発生部2の構成に対し、上記波形データ作成部1では、読み出された波形データに付与される、時間変化する時変フィルタ6のフィルタ特性(強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるようにカットオフ周波数を時間変化せしめるフィルタリング特性)と逆特性になるように、周波数特性時変制御手段3により予め原信号が加工された状態で波形メモリ4に波形データが記憶されることになる。また上記電子楽器を構成する楽音発生部2では、該波形メモリ4から加工された該波形データが読み出され、時変フィルタ6によるフィルタリングが付与される際に、フィルタエンベロープ制御手段7により、打鍵強さに従って、時変フィルタ6におけるカットオフ周波数が時間変化制御されることになる。
【0061】
その場合上記波形データ作成部1において波形メモリ4に記憶される波形データの加工特性は、強打音の楽音信号に対し、上記図3(a)に示されるように、時間経過に従って高周波数帯域のレベルが大きくなるように加工されるため、低次倍音のレベルの時間変化は原信号と変わらないが、高次倍音については、上記のように時間経過に従ってレベルが大きくなるように加工されることになり、図3(c)に示すような弱打時のフィルタ特性を有するフィルタがかけられた場合、原信号に対して減衰が遅くなり、結果的に弱打の高次倍音の減衰と同等な波形データが作成されることになる。従って、上記楽音発生部2において、このように加工処理された波形データが、上記波形メモリ4から読み出されて、楽音が発生せしめられた場合、強打の時は、上記フィルタエンベロープ制御手段7によって、図3(b)に示すような特性[同図(a)の波形データ作成時の加工特性と逆特性になっている]を有するものに時変フィルタ6の特性が制御され、波形メモリ4から読み出された波形データに、そのようなフィルタリング特性が付与されるので、該波形データの加工特性と付与する時変フィルタ6の特性とが相殺され、原信号すなわち強打音が合成されることになる(強打時では高次倍音の減衰が早くなる)。これに対し弱打の時は、同じくフィルタエンベロープ制御手段7により、図3(c)に示すような特性[高周波数帯域のレベルが下げられ、時間経過に対して変化しない(経時的な変化はなく一様に高周波数帯域のレベルが下げられる)ような特性]を有するものに時変フィルタ6の特性が制御され、波形メモリ4から読み出された波形データに、そのようなフィルタリング特性が付与されるので、波形データに対して高次倍音のレベルは一様に小さく、しかも高次倍音の時間変化は加工された波形データの通りになり(弱打時では高次倍音の減衰は低次倍音の減衰との差が少なくなる)、各倍音のレベルだけでなく、高次倍音の減衰をも再現された弱打音が合成されることになる。
【0062】
このような構成によって、波形メモリ4を増大させずに且つ特別な回路を追加することなく、打鍵強さに対して連続的に変化させながら原信号を再現すると共に、打鍵強さに応じた倍音の減衰を再現することが出来るようになる。
【0063】
尚、本電子楽器(電子楽音発生装置)は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば本実施例では、波形データ作成部1において、フィルタバンクが用いられて原信号の加工がなされているが、他の方法でも良い。例えば、時変フィルタ6の係数が時間経過と共に変更されて、周波数特性が変更されても良い。
【0064】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1及び請求項4記載の音色制御方法乃至音色制御システムによれば、楽音を発生させるために使用されるデジタルフィルタに対して、該デジタルフィルタの特性(強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるようにカットオフ周波数を時間変化せしめるフィルタリング特性)と逆特性となるように、予め原信号を加工して波形メモリに記憶しておき、楽音発生時において、該波形データを読み出して上記デジタルフィルタでフィルタリングする場合に、打鍵強さによって該デジタルフィルタにおけるカットオフ周波数の時間変化を制御することになるため、強打の時は、波形データ作成時の加工特性と逆特性になってデジタルフィルタの特性が制御され、波形メモリから読み出された波形データに、そのようなフィルタリング特性が付与され、該波形データの加工特性と付与するデジタルフィルタの特性とが相殺され、強打音の原信号が合成されることになると共に、弱打の時は、高周波数帯域のレベルが下げられ、時間経過に対して変化しないような特性にデジタルフィルタの特性が制御され、波形メモリから読み出された波形データに、そのようなフィルタリング特性が付与されるので、波形データに対して高次倍音のレベルは一様に小さく、しかも高次倍音の時間変化は加工された波形データの通りになり、すなわち高次倍音の減衰は低次倍音の減衰との差が少なくなり、各倍音のレベルだけでなく、高次倍音の減衰をも再現された弱打音が合成されることになる。
【0065】
従って波形メモリを増大させずに且つ特別な回路を追加することなく、打鍵強さに対して連続的に変化させながら原信号を再現すると共に、打鍵強さに応じた倍音の減衰を再現することが出来るようになる。
【0066】
また請求項2及び請求項5記載の上記波形メモリ作成方法及び波形メモリの構成によれば、請求項1乃至請求項4に記載されたような音色制御方法乃至音色制御システムや請求項3乃至請求項6に記載されたような電子楽音発生方法乃至電子楽音発生装置に使用できる波形データを有するメモリが提供できるようになる。
【0067】
さらに請求項3及び請求項6記載の電子楽音発生方法乃至電子楽音発生装置によれば、上記と同様に、波形メモリを増大させずに且つ特別な回路を追加することなく、打鍵強さに対して連続的に変化させながら原信号を再現すると共に、打鍵強さに応じた倍音の減衰を再現出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念説明図である。
【図2】楽音発生部2の構成を有する電子楽器のシステム構成を示す説明図である。
【図3】本発明による楽音合成の方法の説明図である。
【図4】波形メモリに記憶される波形データ特性と本発明による時変フィルタ加工処理により強打時及び弱打時に出力される合成音の周波数特性を示す説明図である。
【図5】フィルタバンクを用いて各バンクの時間経過に対するレベルを変化させ、図3(a)に示すような特性で原信号の周波数特性を時間経過に従って変化させた例を示す説明図である。
【図6】各帯域の時間経過に対するレベルの変化を示す説明図である。
【図7】図6の一部の帯域を取り出して表示したグラフである。
【図8】楽音発生部2を構成する本電子楽器のメインルーチンのフローチャートである。
【図9】図8のステップS102に示されたパネルイベント処理のフローチャートである。
【図10】図8のステップS104における鍵盤イベント処理のフローチャートである。
【図11】フィルタエンベロープ制御手段7を構成するCPU110で算出されたフィルタエンベロープの状態を示す説明図である。
【図12】強打及び弱打におけるピアノC3の2倍音と7倍音のレベルの時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 波形データ作成部
2 楽音発生部
3 周波数特性時変制御手段
4 波形メモリ
5 波形データ読み出し手段
6 時変フィルタ
7 フィルタエンベロープ制御手段
100 システムバス
110 CPU
120 ROM
121 プログラムメモリ
122 音色データメモリ
130 RAM
140 鍵盤部
140a 音高検出手段
141 タッチセンサ
141a 打鍵強さ検出手段
142 鍵盤スキャン回路
150 パネル
151 音色選択スイッチ
151a 音色選択手段
152 パネルスキャン回路
160 ダンパーペダル
161 ペダルスキャン回路
170 MIDIインターフェース
180 D/A変換回路
181 サウンドシステム

Claims (6)

  1. 読み出された波形データに対しカットオフ周波数を時間変化せしめて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性を付与する際の、該フィルタリング特性と逆特性となるように、予め原信号を加工して波形メモリに記憶しておき、これを読み出して上記のフィルタリングを行う場合に、打鍵強さによって該フィルタリングカットオフ周波数の時間変化を制御することを特徴とする音色制御方法。
  2. 波形メモリに記憶される波形データにつき、
    読み出された該波形データに対しカットオフ周波数を時間変化せしめて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性を付与する際の、該フィルタリング特性と逆特性となるように、予め原信号が加工されて上記波形メモリに記憶せしめる
    ことを特徴とする波形メモリ作成方法。
  3. 読み出された波形データに対しカットオフ周波数を時間変化せしめて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性を付与する際の、該フィルタリング特性と逆特性となるように、予め原信号が加工された波形データの記憶された波形メモリから、該波形データが読み出されて上記のフィルタリングが行われる場合に、打鍵強さによって該フィルタリングカットオフ周波数の時間変化を制御することを特徴とする電子楽音発生方法。
  4. 波形データを記憶する波形メモリと、
    該波形メモリから読み出される波形データに対してカットオフ周波数が時間変化せしめられて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性が付与される際の該フィルタリング特性と逆特性になるように、原信号を加工して上記波形メモリに記憶せしめる周波数特性時変制御手段と、
    該波形データを読み出してフィルタリングする場合に使用される、カットオフ周波数を時間変化せしめるデジタルフィルタと、
    該デジタルフィルタによって上記のフィルタリングをする際、打鍵強さによって該デジタルフィルタにおけるカットオフ周波数の時間変化を制御するフィルタ制御手段と
    を有することを特徴とする音色制御システム。
  5. 読み出された該波形データに対しカットオフ周波数を時間変化せしめて強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性を付与する際の、該フィルタリング特性と逆特性となるように、予め原信号が加工されて記憶せしめられた波形データ構造を有することを特徴とする波形メモリ。
  6. 読み出された波形データがフィルタリングされる際、強打音と弱打音の周波数特性の時間変化の差となるフィルタリング特性が付与されて、カットオフ周波数を時間変化せしめるデジタルフィルタと、
    該デジタルフィルタに対し、それと逆特性となるように、予め原信号が加工されて波形データを記憶せしめた波形メモリと、
    上記波形データが読み出されてデジタルフィルタでフィルタリングされる場合に、打鍵強さによって該デジタルフィルタにおけるカットオフ周波数の時間変化を制御するフィルタ制御手段と
    を少なくとも有することを特徴とする電子楽音発生装置。
JP2003103652A 2003-04-08 2003-04-08 音色制御方法、波形メモリ作成方法、電子楽音発生方法、音色制御システム、波形メモリ及び電子楽音発生装置 Expired - Fee Related JP4303023B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003103652A JP4303023B2 (ja) 2003-04-08 2003-04-08 音色制御方法、波形メモリ作成方法、電子楽音発生方法、音色制御システム、波形メモリ及び電子楽音発生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003103652A JP4303023B2 (ja) 2003-04-08 2003-04-08 音色制御方法、波形メモリ作成方法、電子楽音発生方法、音色制御システム、波形メモリ及び電子楽音発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004309811A JP2004309811A (ja) 2004-11-04
JP4303023B2 true JP4303023B2 (ja) 2009-07-29

Family

ID=33466688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003103652A Expired - Fee Related JP4303023B2 (ja) 2003-04-08 2003-04-08 音色制御方法、波形メモリ作成方法、電子楽音発生方法、音色制御システム、波形メモリ及び電子楽音発生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4303023B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7024864B2 (ja) * 2018-05-18 2022-02-24 ヤマハ株式会社 信号処理装置、プログラムおよび音源

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004309811A (ja) 2004-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5569870A (en) Keyboard electronic musical instrument having partial pedal effect circuitry
JP2722795B2 (ja) 楽音合成装置
JP7230413B2 (ja) 音信号発生装置、音信号発生方法および音信号発生プログラム
JPH0413717B2 (ja)
JP4935556B2 (ja) 電子楽器の共鳴音付加装置および電子楽器
JP4303023B2 (ja) 音色制御方法、波形メモリ作成方法、電子楽音発生方法、音色制御システム、波形メモリ及び電子楽音発生装置
JP5701509B2 (ja) 電子鍵盤楽器
JP3279861B2 (ja) 楽音信号発生装置
JP4303024B2 (ja) 音色制御方法及び音色制御システム
JP2021081601A (ja) 楽音情報出力装置、楽音発生装置、楽音情報生成方法およびプログラム
JP2629418B2 (ja) 楽音合成装置
JP2670306B2 (ja) 楽音合成装置及び楽音合成方法
JP4201153B2 (ja) 電子楽器の共鳴音発生装置
WO2005066928A1 (ja) 電子楽器の共鳴音発生装置、電子楽器の共鳴音発生方法、コンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP4094441B2 (ja) 電子楽器
JP6410345B2 (ja) サウンドプレビュー装置及びプログラム
JP3760714B2 (ja) 楽音制御パラメータ生成方法、楽音制御パラメータ生成装置および記録媒体
JP2953217B2 (ja) 電子楽器
JP5151523B2 (ja) 電子楽器
JP5318460B2 (ja) 共鳴音発生装置
JP3581763B2 (ja) 電子楽器
JP2023067673A (ja) 楽音発生装置
JPH0413193A (ja) 楽音発生装置
JP3602365B2 (ja) 電子楽器
JPH0627946A (ja) 電子鍵盤楽器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071009

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090421

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090423

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120501

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees