JP4303017B2 - 品質管理装置及び品質管理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品製造がロット単位で行われる際の品質管理装置及び方法に関し、特に製造の際の単位ロットが複数個の製品からなる集合処理体を複数含んで構成されるような製品製造における品質管理装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述のような製品製造の典型的な例として、半導体集積回路装置(以下、LSIとする)の製造、特にLSIチップ(以下、単にチップとする)の製造がある。具体的には、チップが単位製品となり、このチップがマトリックス状に多数配列されたシリコンウェハ(以下、単にウェハとする)が集合処理体に該当し、チップの製造は複数のウェハからなるロットで行われるのが一般的である。以下、チップの製造を例に説明する。
【0003】
多数のチップが配列されたシリコンウェハは、ウェハ処理工程が終了した段階で、各チップに作り込まれた機能が正常に動作するかどうかをLSIテスタを使用し全チップについて検査する。しかし、ウェハ処理の各工程の設備や製造条件や材料等のゆらぎにより、ウェハ中のチップに不良が発生する場合がある。
【0004】
この不良チップの発生を把握する従来技術としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3等の例がある。
【0005】
特許文献1においては、ウェハ番号単位の歩留や異物数の把握を半導体の不良原因を絞り込む手段として用いている。
【0006】
又、特許文献2では、半導体メモリの不良原因を解析する手段として、ロット番号単位の総置換数や、製造日単位の不良数・ウェハ番号単位の不良数を用いることを記載している。
【0007】
更に、特許文献3では、製品の品質特性の傾向であるQCトレンド又はQCゆらぎを検知するための管理項目として、同種類のロット内の実測検査データ(QCデータ)相互間の差分の絶対値、又は、同種類の統計データ(SPCデータ)相互間(ロット間)の差分の絶対値を用い、管理値上限、管理値下限、ターゲット値を基準として異常判定を行うことを開示している。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−223538号公報
【特許文献2】
特開2001−267389号公報
【特許文献3】
特開2002−149222号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示された方法では、ウェハ番号単位の異物数をグラフ化しても、元データを何ら統計計算することなくそのままグラフ化しているため、ロット内の不良チップ数のバラツキを検出するには、元データを全て比較する必要があり煩雑で時間がかかるという問題があった。又、ロット内の不良チップ数のバラツキが数値で表されていなかったり、基準となる管理限界の明示もないため、バラツキの評価基準が棒グラフを見る技術者のセンス、技量に左右されるという問題もあった。
【0010】
又、特許文献2の方法のような、ロット単位や製造日単位の総置換数や不良数では、複数のロットの置換数や不良数をまとめて平均化するものであるため、ロット内の不良チップ数のバラツキを検出することはできないという問題があった。一方、ウェハ番号単位の不良数をグラフ化しても、元データを何ら統計計算することなくそのままグラフ化しているため、ロット内の不良チップ数のバラツキを検出するには元データ(棒グラフの棒)を全て比較する必要があり煩雑で時間がかかるという問題があった。
【0011】
又、特許文献3の方法では、ロット内の最大値と最小値の2つのデータのみから算出される差分を用いているため、ロット内の全てのデータの分布状態(バラツキ具合)を表すことができず、異常の検出精度が低いという問題があった。例えば、ウェハ1枚だけ不良チップ数の特異点があり他のウェハはバラツキが小さく異常ではないロットを、ロット内の多くのウェハが異常であると誤って検出し、警告を出し、生産を止めたり、原因調査に不必要な工数をかけたりするという不具合が発生するという問題が起きる。
【0012】
従って、本発明の目的は、複数個の製品が一体で作り込まれる集合処理体を複数含んで構成されたロットを単位として製品が製造される製造ラインの検査工程において、何らかの異常を内蔵する懸念が高いロットを、高精度で且つ容易に検出することができる品質管理装置及び品質管理方法を提供することにある。具体的には、任意のロットについて、集合処理体の状態で所定の検査手段により所定の検査条件に基づいて製品を判定し抽出することを含む検査を行い、集合処理体毎の製品の抽出数の当該ロット内でのバラツキを変動係数CV(Coefficient of Variance )として算出すると共に、管理図法における管理限界のような適切な規格値を設定して管理することにより、ロット内の集合処理体毎の製品の抽出数のバラツキが大きく、当該ロットにおいて抽出された製品数の比率である総合指標値pのみでは必ずしも検出されない異常ロットを容易に検出し、警告を発することができる品質管理装置及び品質管理方法を提供する。
【0013】
半導体集積回路チップが配列されたウェハを複数含んで構成されたロットを単位として半導体集積回路チップが製造される製造工程における品質管理装置であって、任意のロットについて、ウェハの状態でLSIテスタにより所定の検査条件に基づいて半導体集積回路チップの良/不良を判定し不良チップを抽出することを含む検査を行い、検査手段から出力されるウェハ毎の第1検査結果を含む当該ロットのロット検査結果を収集し、記憶するデータ記憶手段と、ロットに含まれる全半導体集積回路チップの検査が終了した後、前記ロット検査結果に基づいて所定の演算処理を行い、演算結果を出力する演算手段と、演算結果及び所定の規格値に基づいて、当該ロットの異常の有無を判定し、判定結果を出力する異常判定手段と、判定結果に基づいてアラームを出力する警報手段と、を含み、第1検査結果は、検査条件に基づくウェハ毎の半導体集積回路チップの抽出数を含み、演算結果は、当該ロットを構成するウェハの数をN(Nは2以上の整数)、当該ロットのk番目(kは、1≦k≦Nの整数)のウェハに含まれる半導体集積回路チップの数をMk(Mkは2以上の整数)、k番目のウェハを検査条件で検査したときの不良チップ数Fk(Fkは0又は1以上の整数)として、次式で定義される当該ロットの不良率、ウェハ毎不良率p(k)、当該ロットにおけるウェハ毎の不良チップ数Fkの平均値であるFav、Fkの標準偏差であるS及び変動係数CVを含み、
【数5】
Figure 0004303017
但し、
【数6】
Figure 0004303017
規格値は、変動係数CVに対する変動規格値を含み、異常判定手段は、当該ロットの変動係数CVが変動規格値を超えている場合、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力することを特徴とする。
【0017】
又、不良率pがより小さい方が好ましい場合は、規格値が、不良率pに対する上限側の第1規格値を更に含み、異常判定手段は、当該ロットの不良率pを第1規格値と、又変動係数CVを変動規格値とそれぞれ比較し、いずれか一方でも規格値を超えている場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力させることもできる。
【0018】
逆に、不良率pがより大きい方が好ましい場合は、規格値が、不良率pに対する下限側の第2規格値を更に含み、異常判定手段は、当該ロットの不良率pを第2規格値と、又変動係数CVを変動規格値とそれぞれ比較し、不良率pが第2規格値未満である、及び変動係数CVが変動規格値を超えている、の少なくとも一方が成立している場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力させてもよい。
【0019】
半導体集積回路チップが配列されたウェハを複数含んで構成されたロットを単位として半導体集積回路チップが製造される製造工程における品質管理方法であって、任意のロットについて、半導体集積回路テスタにより所定の検査条件に基づいて、半導体集積回路チップウェハの状態で良/不良を判定し不良チップを抽出することを含む検査を行い、検査手段から出力されるウェハ毎の第1検査結果を含む当該ロットのロット検査結果を収集し、記憶するデータ記憶工程と、ロットに含まれる全半導体集積回路チップの検査が終了した後、ロット検査結果に基づいて所定の演算処理を行い、演算結果を出力する演算工程と、演算結果及び所定の規格値に基づいて、当該ロットの異常の有無を判定し、判定結果を出力する異常判定工程と、判定結果に基づいてアラームを出力する警報出力工程と、を含み、第1検査結果は、検査条件に基づくウェハ毎の半導体集積回路チップの抽出数を含み、演算結果は、当該ロットを構成するウェハの数をN(Nは2以上の整数)、当該ロットのk番目(kは、1≦k≦Nの整数)のウェハに含まれる半導体集積回路チップの数をMk(Mkは2以上の整数)、k番目のウェハを検査条件で検査したときの不良チップ数をZk(Zkは0又は1以上の整数)として、次式で定義される当該ロットの不良率、ウェハ毎不良率p(k)、当該ロットにおけるウェハ毎の不良チップ数Fkの平均値であるFav、Fkの標準偏差であるS及び変動係数CVを含み、
【数7】
Figure 0004303017
但し、
【数8】
Figure 0004303017
規格値は、変動係数に対する変動規格値を含み、異常判定工程は、変動係数が変動規格値を超えている場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力する、ことを特徴とする。
【0021】
又、不良率pがより小さい方が好ましい場合は、規格値が、不良率pに対する上限側の第1規格値を更に含み、異常判定工程は、当該ロットの不良率pを第1規格値と、又変動係数CVを変動規格値とそれぞれ比較し、いずれか一方でも規格値を超えている場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力させてもよい。
【0022】
逆に、不良率pがより大きい方が好ましい場合は、規格値が不良率pに対する下限側の第2規格値を更に含み、異常判定手段は、当該ロットの不良率pを第2規格値と、又変動係数CVを変動規格値とそれぞれ比較し、総合指標値pが第2規格値未満である、及び変動係数CVが変動規格値を超えている、の少なくとも一方が成立している場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力させることもできる。
【0023】
又、前記演算結果を、対応する前記規格値と共にグラフ表示する表示工程を更に備えてもよく、このとき更に前記警報出力工程で出力されるアラームが、異常と判定されたロットの前記演算結果を所定の表示装置上で点滅させることを含むようにしてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の品質管理装置の一実施形態を示すブロック図である。又、図2は、本発明の品質管理方法の一実施形態を示すフローチャートであり、例えば図1の品質管理装置を用いて好適に実施できる。図1を参照すると、本実施形態の品質管理装置1は、複数個の製品が一体で作り込まれる集合処理体を複数含んで構成されたロットを単位として製品が製造される製造工程における品質管理に適用される装置であって、
任意のロットについて、集合処理体の状態で所定の検査手段2a,2b,2c等(以下、まとめて表す際は、単に検査手段2とする)により所定の検査条件に基づいて個々の製品を判定し抽出することを含む検査を行い、検査手段2から出力される集合処理体毎の第1検査結果を含むロット検査結果を収集し、記憶するデータ記憶手段であるデータ管理サーバ5と、
このデータ管理サーバ5と通信回線7を介して接続され、当該ロットに含まれる全製品の検査が終了した後、ロット検査結果に基づいて所定の演算処理を行い、演算結果及び所定の規格値に基づいて、当該ロットの異常の有無を判定し、判定結果に基づいてアラームを出力する演算処理ユニット10と、
演算処理ユニット10から出力される演算結果や所定の規格値情報等を管理図や散布図等のグラフ表示すると共に異常点がある場合には異常点を点滅させる等によりアラーム情報等が表示される表示手段である、例えばディスプレイ20を備えて構成される。
【0025】
又、演算処理ユニット10は、
ロット検査結果に基づいて所定の演算処理を行い、演算結果を出力する演算手段である演算部11と、
演算結果及び所定の規格値に基づいて、当該ロットの異常の有無を判定し、判定結果を出力する異常判定手段である異常判定部12と、
判定結果に基づいてアラームを出力する警報手段である警報出力部13と、を備えている。
【0026】
尚、第1検査結果には、所定の検査条件に基づく集合処理体毎の製品の抽出数が少なくとも含まれ、演算部11から出力される演算結果は、当該ロットを構成する集合処理体の数をN(Nは2以上の整数)、当該ロットのk番目(kは、1≦k≦Nの整数)の集合処理体に含まれる製品の数をMk(Mkは2以上の整数)、所定の検査条件でk番目の集合処理体を検査したときの製品の抽出数をZk(Zkは0又は1以上の整数)とて、(1)式乃至(3)式でそれぞれ定義される当該ロットの総合指標値p及び変動係数CV、並びに集合処理体毎の個別指標値p(k)を含む。
【0027】
又、LSIチップの製造におけるウェハで構成されたロットの場合のように、ロットを構成する各集合処理体に含まれる製品の数Mkが当該ロット内でほぼ均一であれば、各集合処理体毎の製品の抽出数Zkをそのまま用いて、(4)式により変動係数CVを算出してもよい。(4)式のZav及びSは、それぞれ該当ロットにおける集合処理体毎の製品の抽出数の平均値即ち集合処理体当たり平均製品抽出数、及び当該ロットの集合処理体毎製品抽出数の標準偏差を表す。
【0028】
又、異常判定部12における判定の基準となる規格値は、変動係数CVに対する変動規格値,及びロットの総合指標値pに対する上限側の第1規格値又は下限側の第2規格値を含む。異常判定部12は、当該ロットの総合指標値pを第1規格値又は第2規格値と、又変動係数CVを変動規格値とそれぞれ比較し、いずれか一方でも規格値を超えている場合に、異常があるとの判定結果を出力する。但し、単に「総合指標値pが規格値を超えている」と記載した場合の内容は、
第1規格値が設定されている場合は、総合指標値p>第1規格値を意味し、
第2規格値が設定されている場合は、総合指標値p<第2規格値を意味するものとする。
【0029】
尚、製品の検査を行う検査手段2やデータ管理サーバ5は通信回線6に接続され、ロット検査結果は通信回線6を介してリアルタイムで収集される。又、演算ユニット10もこの通信回線6に接続し、通信回線6を介してデータ管理サーバ5と接続するようにしてもよい。更に、演算部11,異常判定部12及び警報出力部13を含む演算処理ユニット10は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)やEWS(engineering workstation )と、それらの上で動作するプログラムとして構成することもできる。
【0030】
又、この品質管理装置1を用いた本発明の品質管理方法は、
複数個の製品が一体で作り込まれる集合処理体を複数含んで構成されたロットを単位として製品が製造される製造工程における品質管理方法であって、
図示されていない生産管理システム等から、集合処理体の処理完了ロットの中から検査対象のロットが指定される検査指示工程S10と、
所定の検査手段により、所定の検査条件に基づいて、指定されたロットの製品を集合処理体の状態で検査し、集合処理体毎の第1検査結果を含む当該ロットのロット検査結果が出力される検査実施工程S20と、
検査手段から出力されたロット検査結果を収集し、記憶するデータ記憶工程S30と、
検査終了後、ロット検査結果に基づいて所定の演算処理を行い、演算結果を出力する演算工程S40と、
演算結果及び所定の規格値に基づいて、当該ロットの品質の異常の有無を判定し、判定結果を出力する異常判定工程S50と、
前記判定結果に基づいてアラームを出力する警報出力工程S60と、
演算結果を、対応する規格値と共に管理図や散布図等のグラフ表示し、更に必要に応じて、警報出力工程S60で異常と判定されたロットの演算結果を所定の表示装置上で点滅させて異常を報知する表示工程S70と、を含む。
【0031】
尚、第1検査結果には、所定の検査条件に基づく集合処理体毎の製品の抽出数が少なくとも含まれ、演算結果には、上記(1)式及び(2)式でそれぞれ定義される当該ロットの総合指標値p及び変動係数CV、並びに(3)式で定義される集合処理体毎の個別指標値p(k)が含まれ、規格値には総合指標値pに対する第1規格値又は第2規格値、及び変動係数CVに対する変動規格値が少なくとも含まれる。又、異常判定工程S50では、当該ロットの総合指標値pを第1規格値又は第2規格値と、又、変動係数CVを変動規格値とそれぞれ比較し、いずれか一方でも規格値を超えている場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果が出力される。
【0032】
本実施形態の品質管理装置1が好適に用いられる製品及び集合処理体の典型例として、LSIチップ及び多数の同一LSIチップが配列されて形成される半導体ウェハがあり、以下、LSIチップを例として、品質管理装置1及びこの品質管理装置1による品質管理方法の動作を具体的に説明する。又、このときの検査手段2は、LSIテスタになるので、以下の説明では、説明の都合に応じて検査手段2を適宜、LSIテスタ2と表記する。以下、所定の検査条件を例えば製品規格として、製品であるチップの良/不良の判定検査が実施され、不良チップが抽出された場合を例として説明する。そして、変動係数CVの算出は、集合処理体毎の製品の抽出数Zkであるウェハ毎の不良チップ数Fkをそのまま用いることとする。尚、総合指標値pは、ロットの総チップ数に対する総不良チップ数の比率である不良率となり、この不良率に対しては、上限側の第1規格値が設定される。
【0033】
先ず、検査指示工程S10で、例えば図示されていない生産管理システム等から検査対象ロットが指定されると、検査実施工程S20で指定されたロットの検査がLSIテスタ2で実施される。データ記憶工程S30では、各LSIテスタ2からロット検査結果を構成する第1検査結果であるウェハ毎の検査データが、ハードディスク等の記憶部(図示せず)を内蔵するデータ管理用サーバ5にリアルタイムで送信され、これらのデータがデータ管理用サーバ5の図示されていない記憶部に逐次記憶・蓄積される。ウェハ毎の検査データには、製品名、ロット番号、ウェハ番号、ウェハ番号に対応する不良チップ数・良品チップ数・検査チップ数・検査年月日時刻・LSIテスタ号機番号・検査プログラムファイル名などが含まれる。
【0034】
指定されたロットの検査が終了すると、演算工程S40でロット検査結果に基づいて所定の演算処理が行われ、演算結果が出力される。具体的には、データ管理用サーバ5から当該指定されたロットのロット検査結果が演算部11に取り込まれ、総合指標値である当該ロットの不良率p、変動係数CV、個別指標値であるウェハ毎不良率p(k)(但し、kはウェハ番号を表す整数で、ロットを構成するウェハ数をNとしたとき、1≦k≦N)が算出される(S41,S42,S43)。尚、これらの統計量は、k番目のウェハの不良チップ数,良品チップ数及び検査チップ数を、それぞれFk,Pk,及びMkとして、(5)式乃至(7)式により算出される。尚、(6)式のFav及びSは、それぞれ該当ロットにおけるウェハ毎の不良チップ数Fkの平均値即ちウェハ当たり平均不良チップ数、及び当該ロットのウェハ毎不良チップ数Fkの標準偏差を表す。
Figure 0004303017
【0035】
但し、
【数11】
Figure 0004303017
【0036】
次に、異常判定工程S50では、異常判定部12において、演算工程S40での演算結果及び所定の規格値に基づき当該ロットの異常の有無が判定され、判定結果が出力される。具体的には、例えば当該ロットの不良率pが第1規格値と比較され、変動係数CVが所定の規格値である変動規格値と比較され、いずれか一方でも規格値を超えていれば当該ロットには異常があると判定され、異常有りの判定結果が出力される。尚、ロットの異常の有無を判定するための規格値には、通常その製品や製造工程の特性に応じた管理指標に対する管理限界が用いられる場合が多い。ここで、不良率pに対する第1規格値及び変動係数CVに対する変動規格値として、いずれも管理図法に基づく管理限界を用いた場合について、その設定方法の例を説明する。
【0037】
図3は、任意の管理特性の実績データに基づいて、当該管理特性の中心線(以下、CLとする)や管理限界(下方管理限界(LCL)又は上方管理限界(以下、UCLとする))を算出する方法を示す一例のフローチャートである。尚、不良率p及び変動係数CVに対する管理限界は、UCLのみ考慮すればよいので、以下の具体例の管理限界はUCLについてのみ説明する。先ず、例えば品質管理装置1の図示されていない入力手段により、CLや管理限界を算出する管理特性及びその算出に用いるロット範囲が指定される(S110)。次に、指定された範囲のロットのロット検査結果データが演算部11に読み込まれ(S120)、所望の管理特性の中心線や管理限界が算出される(S130)。具体的には、指定された範囲のロット数をNLとし、指定された範囲のロットの中でi番目(但し、iは1≦i≦NLの整数)のロットの不良率及び変動係数をそれぞれPi及びCViとすると、不良率p及び変動係数CVのCL及びUCLはそれぞれ(10)式乃至(13)式で算出され、不良率pのUCL及び変動係数CVのUCLが、第1規格値及び変動規格値としてそれぞれ設定される。但し、(11)式のσp 及び(13)式のσcvは、それぞれ指定された範囲のロットの不良率Piの標準偏差及び変動係数CViの標準偏差であり、それぞれ(14)式及び(15)式で算出される。
Figure 0004303017
【0038】
【数12】
Figure 0004303017
【0039】
尚、(11)式及び(13)式のそれぞれの右辺の第2項の係数“A”及び“B”は、本発明の品質管理装置1による品質管理方法が適用される製造工程の特性に応じて任意に設定可能な係数である。本実施形態の例では、管理特性が正規分布に従うと仮定した場合に、工程が管理状態にあるときこれを異常であると判断してしまう第1種の誤りαを0.3%(JIS-Z-9021〜9023の管理図法で規定されている値で、一般的なαの値)以下とするため、A=B=3を使用した。又、算出された各中心線(CL)や管理限界(UCL)は、例えばデータ管理サーバ5の図示されていない記憶部に記憶され、保存される(S140)。
【0040】
次に、警報出力工程S60では、警報出力部13に異常判定工程S50における判定結果が入力され、当該ロットに異常あの判定結果であれば、製造部門、担当技術部門等の関係部門に、製品名、ロット番号等を含むロット情報と共に管理限界を超えた管理特性実績値等を電子メール等の手段により通知したり、所定の警告音等を鳴動させ等してアラームを出力する。又、表示工程S70では、ディスプレイ20に、演算結果の不良率pや変動係数CVを管理図等に表示すると共に、警報出力工程S60で異常と判定されたロットの演算結果をディスプレイ20上で点滅させて異常を報知する。図4は、ディスプレイ20に描画される不良率pの管理図の例であり、図5は、ディスプレイ20に描画される変動係数CVの管理図の例である。尚、これらは、同時に並べてディスプレイ20に表示できることは言うまでもない。
【0041】
次に、ロットの不良率p及び変動係数CVに基づいて、当該ロットの異常の有無を判定する方法を、具体的に説明する。図4に示される不良率pの管理図では、例えば、ロット番号9及びロット番号34は異常と判定されず、ロット番号18及びロット番号26は異常と判定されている(各々異常点a及び異常点bが対応)。又、図5に示される変動係数CVの管理図では、例えば、ロット番号9及びロット番号18は異常と判定されず、ロット番号26及びロット番号34は異常と判定されている(各々異常点c及び異常点dが対応)。このように、ロット番号34は、不良率pの管理図(図4)では異常と判定されないが、変動係数CVの管理図(図5)では異常と判定されている。つまり、不良率pの管理図では検出されないモードの異常が、変動係数CVの管理図によって検出されている。
【0042】
次に、この異常判定の内容について、各ロットの検査結果データを参照して詳細に説明する。図6は、図4及び図5の異常点に対応するロットについて、ロット毎にウェハ毎不良チップ数を示したグラフである。又、図7は、図6で使用した4ロットの元データから算出した各不良率pを、不良率pの所定の規格値である管理限界(UCL)と共に示した図であり、図8は、図6で使用した4ロットの元データから算出した各変動係数CVを、変動係数CVの所定の規格値である管理限界(UCL)と共に示した図である。尚、図7の不良率pの管理限界(UCL)及び図8の変動係数CVの管理限界(UCL)は、それぞれ図4の不良率pの管理限界(UCL)及び図5の変動係数CVの管理限界(UCL)と同じになっている。以下、図4乃至図8を参照して説明する。
【0043】
ロット番号9は、不良チップ数が35個付近に全て固まって分布している。他の3ロットに比べて不良チップ数が少なくバラツキも小さい。従って、本ロットの不良率p及び変動係数CVは、いずれもそれぞれの管理限界(UCL)を下回るので、いずれにおいても異常と判定されない(図7、図8)。
【0044】
ロット番号18は、不良チップ数が80個付近に全て分布し、不良チップ数は多いが、バラツキは小さい。従って、本ロットの不良率pは管理限界(UCL)を越えるので異常と判定される(図7の異常点a)が、変動係数CVは管理限界(UCL)を下回り異常と判定されない(図8)。
【0045】
ロット番号26は、不良チップ数が90個付近に多く分布し、一部が25〜70の範囲に分布し、不良チップ数が多く、又、バラツキも大きい。このため、本ロットは不良率p及び変動係数CVが、いずれも管理限界(UCL)を越えるので、いずれにおいても異常と判定される(図7の異常点b、図8の異常点c)。
【0046】
ロット番号34は、不良チップ数が40個付近に多く分布し、一部が60〜100個の範囲に分布している。即ち、ロットの総不良チップ数は多くないが、バラツキが大きい。従って、本ロットの不良率pは平均化されるため管理限界(UCL)を下回るので異常と判定されない(図7)が、変動係数CVは管理限界(UCL)を越えるので異常と判定される(図8の異常点d)。
【0047】
図6に示したロットの中で、バラツキが大きいロットは、ロット番号26及びロット番号34である。これらの元データは、不良チップ数の軸である縦軸の方向に広く分布している。この広く分布した状態は、(6)式右辺の標準偏差Sを大きくし、更に変動係数CVを大きい値にする。即ち、(6)式の右辺の分子の標準偏差Sは、ロット内の不良チップ数の分布状態(広がり具合)を表すものである。この標準偏差Sを、当該ロットのウェハ枚数Nで平均化したウェハ当たり平均不良チップ数Favで割ったものが変動係数CVである。変動係数は、平均値のまわりに、平均値の何%程度ばらついているかを、判断することができる。例えば、変動係数が1の場合、標準偏差は平均値と同じでバラツキが非常に大きく、変動係数が0.1の場合、標準偏差は平均値の僅か10%でバラツキが小さい、などといったバラツキの大小を、平均値と比較して判断することができる。従って、各ロットの変動係数CVを算出し、管理限界と比較することで、ロット番号26及びロット番号34はロット内の不良チップ数のバラツキが大きい状態である、ことを検出することができる。ロット番号34のような、不良率p小、変動係数CV大のロットは、変動係数CVを算出することによってのみ検出できる。
【0048】
本実施形態の品質管理装置1を用いた品質管理方法では、上述のように変動係数CVをバラツキの指標として採用してロット毎に変動係数CVを算出するとも共に、この変動係数CVに対する適切な規格値を設けることにより、ロット内の不良チップ数のバラツキが大きいロットを変動係数CVを使用して即座に検出することができる。具体的には、変動係数CVは、(6)式の右辺の分子において、標準偏差Sを使用している。この標準偏差Sは、(9)式から明らかな様に、ロット内の全てのウェハの不良チップ数を使用して算出しているため、ロット内の全てのウェハに渡る不良チップ数のバラツキ状態、分布状態を反映している。このことにより、変動係数CVは、ロット内の不良チップ数のバラツキを表し得る一つの代表値として扱うことができる。
【0049】
従って、ロット内の不良チップ数のバラツキが大きいロットの存在を即座に認識し、このモードの不良の原因解析を早期に着手することが可能となるので、製造品質、歩留の安定、向上に寄与すること大である。
【0050】
尚、ロット内のウェハ全てが一様に不良発生が多い異常の場合には、ウェハ毎の不良チップ数のバラツキは小さくなるため変動係数CVのみでは、異常を検出できない。しかし、ロット全体の不良率としては高いので、ロットの不良率pに対する適切な規格値を設定しておくことで、この種のロット異常は容易に検出できる。
【0051】
尚、本発明は、上記実施形態の説明に限定されるものでなく、その要旨の範囲内で種々変更が可能である。例えば、上記実施形態では、各ロットの不良率pや変動係数CVを算出し、それぞれに対して定められた管理限界(UCL)と比較して、それぞれの算出値が管理限界を超えているか否かで当該ロットの異常の有無を判定するだけであったが、例えば、図4、図5の例のような、適切な管理限界が設定された管理図に当該ロットの不良率や変動係数CVをプロットすることで、管理限界内であっても、管理限界に近い実績値のロットが連続して出現したり、ロットの実績値が徐々に管理限界に接近していくような傾向が表れたりするような場合、管理図法における各種手法を用いて早期に異常を予測できるという効果も得られる。
【0052】
又、不良率pと変動係数CVを散布図にプロットして、ディスプレイ20に表示させるようにしてもよい。図9は、不良率pを横軸に、変動係数CVを縦軸に各々配置し、不良率pの管理限界(UCL)101と変動係数CVの管理限界(UCL)103と共に、該当するロットのデータをプロットした散布図である。
【0053】
図9に示した散布図は、交差する2本の管理限界(UCL)101,103によって4つの領域に区分されている。この4区分の意味は、不良率p・変動係数CVともに異常でない領域1、不良率pは異常であるが変動係数CVは異常でない領域2、不良率p・変動係数CVともに異常である領域3、変動係数CVは異常であるが不良率pは異常でない領域4、である。
【0054】
図9に示した例では、散布図の上記4つのどの領域に点があるかによってその点(ロット)がどのような異常のモードを有しているかを、一つの図で即座に認識可能とする効果がある。例えば、図9に示した異常点e、異常点g、異常点fは、各々、不良率pは異常であるが変動係数CVは異常でないロット、不良率p・変動係数CVともに異常であるロット、変動係数CVは異常であるが不良率pは異常でないロット、であることを示している。この散布図により、ロットの異常のモードを少なくとも3種類に層別して知ることが可能である。
【0055】
異常点eは、不良率pは異常であるが変動係数CVは異常でないロットであるため、ロット内の全てのウェハに渡って不良がある、即ち、不良のウェハ番号依存性が少ないと言える。従って、ロット内のウェハ全部を同時に処理(バッチ処理)する工程に不良の要因がある、バッチ処理するウェハ全てに一様に不良を作る要因がある、などと予め想定した上で解析に着手することができる。
【0056】
異常点fは、変動係数CVは異常であるが不良率pは異常でないロットであるため、ロット内の不良チップ数にバラツキがある、即ち、不良のウェハ番号依存性が高いと言える。このことから、枚葉式の処理工程において特定の順番(特定のウェハ)の処理のみに不良の要因がある、又は、バッチ処理においても特定のウェハ処理位置に依存して不良の要因がある、などと予め想定した上で解析に着手することができる。
【0057】
異常点gは、不良率p・変動係数CVともに異常である状態のロットであるため、1ロット全体の不良率が高くかつロット内の不良チップ数のバラツキも大きいと言える。この異常は、ロット内の不良発生分布が、例えば二山分布である、或いは分布の山の裾がなだらかである、などが考えられる。従って、ロットの処理工程において不良要因の不良への寄与に大きなバラツキがあることを予め想定した上で解析に着手することができる。
【0058】
このように異常点が何処の領域に属するかにより、例えば、枚葉式、バッチ処理の工程のどちらを優先して調査すればよいか分かるので、不良原因を発見する時間の短縮に寄与することとなる。
【0059】
又、上記実施形態の具体的な説明は、集合処理体に含まれる製品の数Mkがロット内でほぼ均一になっている例を用いたが、ロット内でMkにバラツキがある場合は、抽出された製品の数Zkの代わりに個別指標値p(k)を用いれば、全く同様にしてロットの異常を検出することができる。
【0060】
又、抽出された製品の数Zkとして不良チップ数を用いたが、例えば冗長回路を内蔵する半導体記憶装置等における冗長回路への置換数を用いることもできる。或いは、不良チップ数の逆の良品チップ数であってもよい。但し、抽出された製品の数Zkとして良品チップ数を用いる場合ロットの総合指標値pは、良品率(或いは歩留り)となり、その規格値は下限側の第2規格値が設定される。
【0061】
即ち、本発明の品質管理装置及び品質管理方法は、所定の検査条件に基づく製品の判別、及びその判別結果に基づく製品の抽出が行われる検査工程であれば、抽出される製品が良品或いは不良品に関わらず、ロットの検査結果に基づく当該ロットの異常の有無の判定に適用することができる。又、総合指標値pに対する規格値は、例えば不良率のようにより小さい方が好ましい指標であれば第1規格値が設定され、良品率のようにより大きい方が好ましい指標であれば第2規格値が設定されるのは言うまでもないことである。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数個の製品が一体で作り込まれる集合処理体を複数含んで構成されたロットを単位として製品が製造される製造ラインの検査工程において、何らかの異常を内蔵する懸念が高いロットを、高精度で且つ容易に検出することができるという効果が得られる。
【0063】
又、ロットの総合指標値と変動係数の組み合わせで、ロットの異常の原因調査における調査の優先順位が容易に且つ精度よく判定でき、不良原因を発見する時間が短縮されるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の品質管理装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の品質管理方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図3】任意の管理特性の中心線や管理限界を実績データに基づいて算出する方法を示す一例のフローチャートである。
【図4】不良率pの管理図の例である。
【図5】変動係数CVの管理図の例である。
【図6】図4及び図5の異常点に対応するロットについて、ロット毎にウェハ毎不良チップ数を示したグラフである。
【図7】図6で使用した4ロットの元データから算出した各不良率pを、管理限界(UCL)と共に示した図である。
【図8】図6で使用した4ロットの元データから算出した各変動係数CVを、管理限界(UCL)と共に示した図である。
【図9】不良率pを横軸に、変動係数CVを縦軸に各々配置し、該当するロットのデータをプロットした散布図である。
【符号の説明】
1 品質管理装置
2,2a,2b,2c 検査手段
5 データ管理サーバ
6,7 通信回線
10 演算処理ユニット
11 演算部
12 異常判定部
13 警報出力部
20 ディスプレイ

Claims (10)

  1. 半導体集積回路チップが配列されたウェハを複数含んで構成されたロットを単位として前記半導体集積回路チップが製造される製造工程における品質管理装置であって、
    任意のロットについて、前記ウェハの状態でLSIテスタにより所定の検査条件に基づいて前記半導体集積回路チップの良/不良を判定し不良チップを抽出することを含む検査を行い、前記検査手段から出力される前記ウェハ毎の第1検査結果を含む当該ロットのロット検査結果を収集し、記憶するデータ記憶手段と、
    前記ロットに含まれる全半導体集積回路チップの検査が終了した後、前記ロット検査結果に基づいて所定の演算処理を行い、演算結果を出力する演算手段と、
    前記演算結果及び所定の規格値に基づいて、当該ロットの異常の有無を判定し、判定結果を出力する異常判定手段と、
    前記判定結果に基づいてアラームを出力する警報手段と、を含み、
    前記第1検査結果は、前記検査条件に基づく前記ウェハ毎の前記半導体集積回路チップの抽出数を含み、
    前記演算結果は、当該ロットを構成する前記ウェハの数をN(Nは2以上の整数)、
    当該ロットのk番目(kは、1≦k≦Nの整数)のウェハに含まれる前記半導体集積回路チップの数をMk(Mkは2以上の整数)、前記k番目のウェハを前記検査条件で検査したときの前記不良チップ数Fk(Fkは0又は1以上の整数)として、次式で定義される当該ロットの不良率、ウェハ毎不良率p(k)、当該ロットにおけるウェハ毎の不良チップ数Fkの平均値であるFav、前記Fkの標準偏差であるS及び変動係数CVを含み、
    Figure 0004303017
    但し、
    Figure 0004303017
    前記規格値は、前記変動係数CVに対する変動規格値を含み、
    前記異常判定手段は、当該ロットの前記変動係数CVが前記変動規格値を超えている場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力する、
    ことを特徴とする品質管理装置。
  2. 前記規格値は、前記不良率pに対する上限側の第1規格値を更に含み、
    前記異常判定手段は、当該ロットの前記不良率pを前記第1規格値と、又前記変動係数CVを前記変動規格値とそれぞれ比較し、いずれか一方でも規格値を超えている場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力するものである、請求項に記載の品質管理装置。
  3. 前記規格値は、前記不良率pに対する下限側の第2規格値を更に含み、
    前記異常判定手段は、当該ロットの前記不良率pを前記第2規格値と、又前記変動係数CVを前記変動規格値とそれぞれ比較し、
    前記不良率pが前記第2規格値未満である、及び前記変動係数CVが前記変動規格値を超えている、の少なくとも一方が成立している場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力する、請求項に記載の品質管理装置。
  4. 前記演算結果を対応する前記規格値と共にグラフ表示する表示手段を更に備えた請求項1乃至いずれか1項に記載の品質管理装置。
  5. 前記警報手段から出力されるアラームは、異常と判定されたロットの前記演算結果を前記表示手段上で点滅させることを含む請求項4記載の品質管理装置。
  6. 半導体集積回路チップが配列されたウェハを複数含んで構成されたロットを単位として前記半導体集積回路チップが製造される製造工程における品質管理方法であって、
    任意のロットについて、半導体集積回路テスタにより所定の検査条件に基づいて、前記半導体集積回路チップを前記ウェハの状態で良/不良を判定し不良チップを抽出することを含む検査を行い、前記検査手段から出力される前記ウェハ毎の第1検査結果を含む当該ロットのロット検査結果を収集し、記憶するデータ記憶工程と、
    前記ロットに含まれる全半導体集積回路チップの検査が終了した後、前記ロット検査結果に基づいて所定の演算処理を行い、演算結果を出力する演算工程と、
    前記演算結果及び所定の規格値に基づいて、当該ロットの異常の有無を判定し、判定結果を出力する異常判定工程と、
    前記判定結果に基づいてアラームを出力する警報出力工程と、を含み、
    前記第1検査結果は、前記検査条件に基づく前記ウェハ毎の前記半導体集積回路チップの抽出数を含み、
    前記演算結果は、当該ロットを構成する前記ウェハの数をN(Nは2以上の整数)、
    当該ロットのk番目(kは、1≦k≦Nの整数)のウェハに含まれる前記半導体集積回路チップの数をMk(Mkは2以上の整数)、前記k番目のウェハを前記検査条件で検査したときの前記不良チップ数k(kは0又は1以上の整数)として、次式で定義される当該ロットの不良率、ウェハ毎不良率p(k)、当該ロットにおけるウェハ毎の不良チップ数Fkの平均値であるFav、前記Fkの標準偏差であるS及び変動係数CVを含み、
    Figure 0004303017
    但し、
    Figure 0004303017
    前記規格値は、前記変動係数に対する変動規格値を含み、
    前記異常判定工程は、前記変動係数が前記変動規格値を超えている場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力する、
    ことを特徴とする品質管理方法。
  7. 前記規格値が、前記不良率pに対する上限側の第1規格値を更に含み、
    前記異常判定工程は、当該ロットの前記不良率pを前記第1規格値と、又前記変動係数CVを前記変動規格値とそれぞれ比較し、いずれか一方でも規格値を超えている場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力する、請求項に記載の品質管理方法。
  8. 前記規格値が、前記不良率pに対する下限側の第2規格値を更に含み、
    前記異常判定手段は、当該ロットの前記不良率pを前記第2規格値と、又前記変動係数CVを前記変動規格値とそれぞれ比較し、
    前記不良率pが前記第2規格値未満である、及び前記変動係数CVが前記変動規格値を超えている、の少なくとも一方が成立している場合に、当該ロットに異常があるとの判定結果を出力する、請求項に記載の品質管理方法。
  9. 前記演算結果を、対応する前記規格値と共にグラフ表示する表示工程を更に備えた請求項6乃至8いずれか1項に記載の品質管理方法。
  10. 前記警報出力工程で出力されるアラームは、異常と判定されたロットの前記演算結果を所定の表示装置上で点滅させることを含む請求項記載の品質管理方法。
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