JP2008033902A - 警報装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】欠陥の種類ごとに基準値を設定することなく、適確な警報を発することができる警報装置を提供する。
【解決手段】製品を継続的に製造する工場における異常の発生を検知する警報装置1において、定常データ生成部2が、製品の欠陥に関するデータであって所定のサンプリング期間Tsに収集されたサンプリングデータから欠陥の種類ごとに非定常データを除去して定常データを生成し、異常判定部3が、製品の欠陥に関するデータであって所定の監視期間Twに収集された監視データを、定常データに基づいて欠陥の種類ごとに評価することにより、欠陥の種類ごとに工場における異常の発生の有無を判定し、異常判定部3が工場に異常が発生したと判定した場合に、警報発信部4が警報を発する。
【選択図】図2

Description

本発明は、警報装置に関し、特に、製品を継続的に製造する工場における異常の発生を検知する警報装置に関する。
従来より、液晶パネルや半導体チップなどの製品を製造する工場においては、製造装置の異常により製品に多量の欠陥が生じた場合に、自動的に警報を発する警報装置が設けられている。このような警報装置は、製品の製造装置又は検査装置により計測される測定値を基準値と比較して、測定値が異常な値を示した場合に警報を発するのが一般的である。
例えば、最終的な製品の検査結果に基づいて、工場の製造装置における異常の発生を検知し、警報を発することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、最終製品の不良率を監視して、その不良率が基準値を超えたときに、工場の製造装置に異常が発生したものと推定して、警報を発する。
しかしながら、通常、製品には多数の欠陥の種類(不良モード)があり、欠陥の種類ごとにその原因が異なり、また、製造装置が正常な状態にあるときの発生率(実力値)も異なる。このため、欠陥の種類ごとに不良率の基準値を設定する必要がある。例えば、液晶パネルや半導体チップなどの高度に集積化された製品においては、最終製品の検査により検出される欠陥の種類は約1000種類にも及び、しかもその実力値は、装置の改善及び老朽化並びに季節要因等により、日々変動する。このため、欠陥の種類ごとに適確な基準値を設定し、且つ更新し続けることは、極めて困難である。
特開2005−025475号公報
本発明の目的は、欠陥の種類ごとに基準値を設定することなく、適確な警報を発することができる警報装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、製品を継続的に製造する工場における異常の発生を検知する警報装置であって、前記製品の欠陥に関するデータであって所定の監視期間に収集された監視データを、前記製品の欠陥に関するデータであって所定のサンプリング期間に収集されたサンプリングデータに基づいて前記欠陥の種類ごとに評価することにより、前記欠陥の種類ごとに前記工場における異常の発生の有無を判定し、前記工場に異常が発生したと判定した場合に警報を発することを特徴とする警報装置が提供される。
本発明によれば、欠陥の種類ごとに基準値を設定することなく、適確な警報を発することができる警報装置を実現することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る警報装置、この警報装置が監視の対象とする工場、及びこの工場の管理者を含む品質管理システムを例示する図であり、
図2は、本実施形態に係る警報装置を例示するブロック図である。
なお、図1においては、情報の流れは実線で示し、製品の流れは破線で示している。
図1に示すように、品質管理システム101には、監視対象となる工場102が存在している。工場102には、複数台の製造装置103a乃至103f(以下、総称して「製造装置103」ともいう)、及び最終製品の検査装置104が設けられており、例えば液晶パネル又は半導体チップ等の製品を継続的に製造している。また、品質管理システム101には、検査装置104から製品の検査結果が入力され、これを蓄積するデータベース105が設けられている。
そして、品質管理システム101には、警報装置1が設けられている。警報装置1は、データベース105から、製品の欠陥に関するデータ、例えば、欠陥の種類ごとの不良率を示す不良率情報を含むデータが入力され、このデータに基づいて、工場102に異常が発生したときにそれを検知し、管理者106に対して警報を発信するものである。
なお、本明細書において「工場」とは、相互に関連する複数台の製造装置及びこれらの製造装置間で製品又は半製品等を搬送する運搬手段を有し、製造しようとする製品に応じて1又は複数本の製造ラインが設定されるフィールドをいう。製造する製品が複数種類ある場合には、製造ラインが複数本設定される場合もあり、また、これらの複数本の製造ラインが一部の製造装置を共有することもある。この場合は、複数本の製造ラインがこの製造装置において交差することになる。「工場」は、必ずしも1つの奥屋内に設けられたものには限定されず、複数ヶ所の奥屋又は敷地にわたって存在していてもよく、1つのクリーンルーム内の一部の領域のみに設けられていてもよい。
製造装置103は、製品の製造工程のうちの一部の工程を実施するものである。本実施形態においては、例えば、各工程を複数台の製造装置103によって並列に実行しており、例えば、製造装置103a及び103bが同じ工程を実施し、製造装置103c及び103dが他の同じ工程を実施し、製造装置103e及び103fが更に他の同じ工程を実施する。また、検査装置104は、製造された製品の良否検査を行う。
図2に示すように、警報装置1においては、定常データ生成部2、異常判定部3及び警報発信部4が設けられている。なお、図2においては、定常データ生成部2、異常判定部3及び警報発信部4が相互に別個の部分である例を示しているが、定常データ生成部2、異常判定部3及び警報発信部4は、例えば1つのシステムLSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)によって構成されていてもよく、又は、既存のパーソナルコンピュータを利用してプログラムによって実現されていてもよい。
定常データ生成部2には、データベース105から製品の欠陥に関するデータ、例えば、不良率情報を含むデータが入力される。そして、このデータのうち、所定のサンプリング期間に収集されたデータ(サンプリングデータ)から、欠陥の種類ごとに非定常データを除去して定常データを生成する。非定常データとは、工場102の製造装置103における異常の発生等により、通常の値(実力値)よりも上昇した不良率を含むデータをいう。サンプリングデータからこのような非定常データを除き、残りを定常データとすることにより、定常データを比較的安定なベースラインとして利用することができる。また、サンプリング期間の長さは、管理者106によって予め設定される。
異常判定部3は、前述の不良率情報を含むデータのうち、所定の監視期間に収集されたデータを、監視データとして取得する。なお、監視期間の長さは、管理者106によって予め設定される。そして、欠陥の種類ごとに、監視データを定常データに基づいて評価することにより、欠陥の種類ごとに、工場102における異常の発生の有無を判定する。
例えば、監視データにおけるある種類の欠陥による不良率が、定常データにおける同じ種類の欠陥による不良率よりも著しく高い場合には、監視期間において、工場102の製造装置103に、その種類の欠陥の原因となるような異常が発生していると判定する。
一方、監視データにおけるある種類の欠陥による不良率が、定常データにおける同じ種類の欠陥による不良率の変動の範囲内にある場合には、製造装置103には、この種類の欠陥の原因となるような異常は発生しておらず、通常の操業条件から予測される確率分布に従って欠陥が発生しているに過ぎないと判定する。
警報発信部4は、異常判定部3が工場102に異常が発生したと判定した場合に、その情報が入力され、警報装置1の外部に対して警報を発する。この警報は、管理者106に通報される。
次に、本実施形態の動作について説明する。
図3は、横軸に時間をとり、縦軸に不良率をとって、不良率の変動を例示するグラフ図である。図3に示すプロットは、製品のロットごとの不良率である。
先ず、図1乃至図3に示すように、予め管理者106がサンプリング期間Tsの長さ及び監視期間Twの長さを設定し、警報装置1に入力する。このとき、監視期間を長くし過ぎると、工場102の異常に対する応答性が低くなるため、監視期間は、統計的に有意な量のデータが収集できる範囲において、可及的に短く設定することが好ましい。また、サンプリング期間は、監視期間に対するベースラインとしての機能を持たせるため、データが安定する程度に長いことが好ましいが、製造装置の改善、老朽化及び季節変動等によって変動する実力値を反映できる程度には短いことが好ましい。サンプリング期間に取得されたサンプリングデータは、監視期間に取得された監視期間を評価する際の基準となるため、サンプリング期間は監視期間よりも長いことが好ましい。
上述の如く、サンプリング期間Tsの長さ及び監視期間Twの長さを設定した状態で、工場102において製品を製造する。製品は、製造装置103a又は103bによって処理された後、製造装置103c又は103dによって処理され、その後、製造装置103e又は103fによって処理されて、完成する。そして、完成した製品は、検査装置104によって検査され、その検査結果がデータベース105に入力される。
そして、データベース105に蓄積された情報が、欠陥の種類ごとの不良率を示す不良率情報を含むデータとして、警報装置1に入力される。警報装置1の定常データ生成部2は、入力されたデータのうちサンプリング期間のデータをサンプリングデータとし、監視期間のデータを監視データとする。次に、サンプリングデータから、欠陥の種類ごとに非定常データD1を除去して定常データD2を生成する。そして、この定常データD2及び監視データD3を、異常判定部3に対して出力する。
次に、異常判定部3が、監視データD3を定常データD2に基づいて評価する。そして、統計的に見て、監視データD3の不良率が定常データD2の不良率よりも著しく高い場合には、工場102の製造装置103に異常が発生していると判定し、そうでなければ、異常は発生していないと判定する。この判定の具体的な方法は、後述する具体例において詳細に説明する。工場102に異常が発生している場合は、それを示す信号を警報発信部104に対して出力する。そして、警報発信部104がこの信号を受信すると、管理者106に対して警報を発する。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、監視期間に収集された監視データを、欠陥の種類ごとに、サンプリング期間に収集されたサンプリングデータに基づいて評価している。これにより、サンプリングデータが、工場102におけるその欠陥に関する現状の実力値を反映させた評価基準として機能する。このため、欠陥の種類ごとに基準値を設定することなく、且つ、欠陥の種類ごとに日々変動する実力値を反映させて、監視データを適確に評価することができる。
また、本実施形態においては、サンプリングデータから非定常データを除去して定常データを生成し、この定常データを監視データを評価する際の基準としている。これにより、サンプリング期間中に工場102に異常が発生するなどの理由により、サンプリングデータに異常なデータが含まれている場合においても、この異常なデータを非定常データとして除去することにより、安定した定常データを得ることができる。このため、監視データの評価基準として、より安定な基準を使用することができ、評価の信頼性が向上する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、本実施形態に係る警報装置、この警報装置が監視の対象とする工場、及びこの工場の管理者を含む品質管理システムを例示する図であり、
図5は、本実施形態に係る警報装置を例示するブロック図である。
図4に示すように、品質管理システム101aにおいては、工場102の各製造装置103からデータベース105に対して、製品の処理結果が出力される。これにより、データベース105から本実施形態に係る警報装置1aに入力されるデータには、その製品の不良率を示す不良率情報の他に、その製品を処理した製造装置103を示す履歴情報が含まれる。また、工場102は、複数の種類の製品を製造している。
警報装置1aにおいては、定常データ生成部2、異常判定部3及び警報発信部4aの他に、品種グループ分類部5及び原因推定部6が設けられている。そして、設定されたサンプリング期間Tsの長さ及び監視期間Twの長さは、定常データ生成部2の他に品種グループ分類部5にも入力され、異常判定部3による判定結果を示す信号は、原因推定部6にも入力され、原因推定部6の出力信号が警報発信部4aに入力される。
品種グループ分類部5は、警報装置1aに入力されたデータを、サンプリング期間及び監視期間に製造された製品のうち類似する製品からなる品種グループごとに分類し、定常データ生成部2に対して出力する。これにより、定常データ生成部2は品種グループごとに定常データを生成し、異常判定部3は品種グループごとに異常の有無を判定する。
また、原因推定部6は、異常判定部3が工場102に異常が発生したと判定した場合に、監視データに含まれる履歴情報に基づいて異常が発生した製造装置103を推定し、警報発信部4aに対して出力する。警報発信部4aは、警報を発信するときに、その異常が発生した品種グループを示す情報、及び原因推定部6によって異常が発生したと推定された製造装置103を示す情報を、警報と共に出力する。本実施形態における上記以外の構成及び動作は、前述の第1の実施形態と同様である。
本実施形態においては、品種グループ分類部5が、警報装置1aに入力されたデータを、類似する種類の製品からなる品種グループごとに分類する。そして、定常データ生成部2及び異常判定部3は、この分類されたデータに関して、定常データの生成及び異常の有無の判定を行う。このため、工場102が複数の種類の製品を製造している場合においても、1つの品種又は品種グループにおいて発生した異常を示す情報が、全品種のデータに埋もれることなく、確実に検知される。
また、本実施形態においては、警報装置1aに入力されるデータにその製品の履歴情報が含まれており、この履歴情報に基づいて、原因推定部6が、異常が発生した製造装置103を推定し、警報発信部4aがこの推定結果を管理者106に対して出力する。これにより、管理者106が異常の原因を特定することを支援できる。この結果、異常の発生が検知されてからその原因を特定して対策を講じるまでのリードタイムを、短縮化することができる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
以下、上述の各実施形態を具現化するための具体例について説明する。
先ず、第1の具体例について説明する。
本具体例に係る警報装置は、液晶パネルを製造する工場を監視する警報装置である。
図6は、本具体例に係る警報装置、この警報装置が監視の対象とする工場、及びこの工場の管理者を含む品質管理システムを例示する図であり、
図7は、液晶パネルの製造方法を模式的に例示する図である。
なお、図6においては、情報の流れは実線で示し、製品の流れは破線で示す。
図6に示すように、品質管理システム101bには、監視対象となる工場102bが存在している。工場102bには、複数台の製造装置103及び最終製品の検査装置104が設けられており、製品として液晶パネルを継続的に製造している。検査装置104は、製造された液晶パネルの良否検査を行うものである。
液晶パネルを製造工程は、概略的には、アレイプロセス及びセルプロセスに大別することができる。すなわち、図7に示すように、先ず、ガラス基板201上に、前駆構造体としての電子回路202を形成する。このとき、製造しようとする液晶パネルの大きさに応じて、各ガラス基板201上に、複数個の電子回路202を形成する。図7に示す例では、各ガラス基板201上に、9個の電子回路202を3行3列のマトリクス状に形成する。次に、ガラス基板201を電子回路202ごとに分割する。これにより、液晶パネルのアレイ基板(図示せず)が作製される。ここまでがアレイプロセスである。次に、各アレイ基板上に液晶(図示せず)を滴下し、対向基板(図示せず)を貼り合わせて封止する。これがセルプロセスである。これにより、液晶パネル203が製造される。
上述の説明は概略的なものであるが、実際に液晶パネルを製造するためには、百数十工程が必要である。そして、工場102b(図6参照)においては、各工程を複数台の製造装置103によって並列に処理している。なお、図6においては、50〜53番目の工程を例示しており、例えば、50番目の工程(工程50)は、「#1」〜「#3」の3台の製造装置103によって並列に処理され、51番目の工程(工程51)は、「#1」〜「#9」の9台の製造装置103によって並列に処理される。従って、工場102b内における液晶パネルの通過経路は、ロットごとに異なる。
そして、1つの工程の1つの製造装置103において異常が発生すると、この製造装置103を通過した製品に欠陥が発生する可能性が高くなる。例えば、電子回路202の製造工程の一部を担う製造装置103において異常が発生すると、この製造装置103によって形成された電子回路202において欠陥204が発生し、この欠陥204を含む液晶パネル203が、不適合パネル205となる。
一方、品質管理システム101bには、各製造装置103から製品の処理結果が入力されると共に、検査装置104から製品の検査結果が入力され、これらの情報を蓄積するデータベース105が設けられている。なお、図6においては、図を簡略化するために、「工程50」の「#1」の製造装置103からデータベース105への信号の流れを示す矢印のみが記載されているが、実際には、全ての製造装置103の処理結果がデータベース105に入力される。
そして、品質管理システム101bには、データベース105に蓄積されたデータが入力され、このデータに基づいて、工場102bに異常が発生したときにそれを検知し、管理者106に対して警報を発信する警報装置21が設けられている。データベース105から警報装置21に対して入力されるデータには、工場102bにおいて製造される製品のロットごとに、この製品が属する品種グループを示す情報、欠陥の種類ごとの不良率を示す不良率情報、この製品の製造に関わった製造装置103を示す履歴情報が含まれている。
警報装置21は、例えば、既存のパーソナルコンピュータを利用してプログラムによってソフトウェア的に実現されている。なお、警報装置21は、1つのシステムLSIによってハードウェア的に構成されていてもよい。又は、図5に示すように、各機能を担う部品の集合体として組み立てられていてもよい。
また、警報装置21と管理者106とは、電子的ネットワークを介してつながっている。例えば、管理者106が使用する端末装置(図示せず)と警報装置21とは、LAN(Local Area Network:構内通信網)107を介して接続されている。これにより、管理者106は、LAN107を介して警報装置21に対して各種の設定を行うことができる。また、警報装置21は、LAN107を介して管理者106に対して警報及びそれに付随する各種の情報を通知することができる。
次に、本具体例に係る警報装置の動作について説明する。
図8は、本具体例に係る警報装置の動作を例示するフローチャート図であり、
図9は、横軸に時間をとり、縦軸に不良率をとって、不良率の変動を例示するグラフ図である。
なお、図9に示すプロットは、製品のロットごとの不良率である。例えば、1ロットが20枚のガラス基板からなり、1枚のガラス基板から9個の液晶パネルを製造する場合、1ロットに含まれる液晶パネルの数は180個(=20枚×9個)である。この180個の液晶パネルのうち、18個の液晶パネルに欠陥が発生した場合、不良率は10%(=18/180×100)となる。
先ず、図8のステップS1及び図6に示すように、管理者106が、品種グループ、サンプリング期間Tsの長さ及び監視期間Twの長さ、並びに、異常の判定の基準となる評価式を設定し、LAN107を介して警報装置21に入力する。この入力はウェブサイトを介して行ってもよく、その場合には、ウェブサイトの入力画面を、対話形式により入力できるようなデザインとしてもよい。品種グループとは、工場102bにおいて製造される種々の種類の液晶パネルを、サイズ及び用途等が類似する複数の種類ごとにまとめたものである。また、サンプリング期間は、例えば現時点の16日前から2日前までの14日間(2週間)とし、監視期間は、例えば2日前から現時点までの2日間(48時間)とする。評価式については、後述する。
この状態で、図6に示すように、工場102bの製造装置103を稼働させて、液晶パネルを製造する。すなわち、図7に示すように、各ガラス基板201上に複数個の電子回路202を形成した後、ガラス基板201を電子回路202ごとに分割し、液晶を封入して液晶パネル203を製造する。そして、完成した液晶パネル203を、検査装置104により検査する。このとき、各製造装置103からデータベース105に対して処理結果が出力され、検査装置104からデータベース105に対して検査結果が出力される。
そして、図8のステップS2に示すように、警報装置21は、データベース105に蓄積されたデータを取得する。前述の如く、このデータには、製品のロットごとに、この製品が属する品種グループを示す情報、欠陥の種類ごとの不良率を示す不良率情報、この製品の製造に関わった製造装置103を示す履歴情報が含まれている。
次に、ステップS3に示すように、警報装置21は、データベース105から取得したデータを、品種グループごと及び欠陥の種類ごとに分類する。そして、各品種グループについて、発生した欠陥ごとに、サンプリングデータ及び監視データを作成する。実際には、工場102b及び警報装置21は連続的に稼働しているため、警報装置21は、データベース105から逐次にデータを取得し、これを品種グループごと及び欠陥の種類ごとに分類し、分類したデータを、各品種グループの各欠陥の監視データに加える。一方、監視期間を過ぎたデータは、監視データからサンプリングデータに移される。そして、サンプリング期間を過ぎたデータは、サンプリングデータから外される。このようにして、監視データ及びサンプリングデータが常に更新され続ける。以後の工程は、品種グループ及び欠陥の種類ごとに行う。
次に、ステップS4に示すように、警報装置21は、品種グループ及び欠陥の種類ごとに、サンプリングデータから定常データを作成する。具体的には、図9に示すように、サンプリングデータの不良率の平均値Ave1及び標準偏差σ1を求め、下記数式(1)に基づいて、閾値V1を算出する。なお、k1は定数である。定数k1は、例えば2.5とする。

V1=Ave1+k1×σ1 (1)
そして、サンプリングデータのうち、不良率が閾値V1を超えるデータを非定常データとし、閾値V1以下のデータを定常データとする。すなわち、サンプリングデータから非定常データを除いた残りを定常データとする。そして、定常データから改めて不良率の平均値及び標準偏差を算出する。この定常データの不良率の平均値をAve1’とし、標準偏差をσ1’とする。
次に、図8のステップS5に示すように、監視データの不良率の平均値Ave2及び標準偏差σ2を求める。このとき、監視期間中に工場102bにおいて異常が発生していれば、監視データの不良率の平均値Ave2は定常データの不良率の平均値Ave1’よりも大きくなり、また、多くの場合、監視データの不良率の標準偏差σ2は定常データの不良率の標準偏差σ1’よりも大きくなる。
次に、ステップS6に示すように、監視データを定常データに基づいて評価することにより、工場において異常が発生しているか否かを判定する。この判定は、例えば、下記数式(2)として表される第1の評価式、下記数式(3)として表される第2の評価式、及び下記数式(4)として表される第3の評価式のうち、いずれか1つ又は2つ以上を用いて行う。なお、下記数式(2)〜(4)において、Th1〜Th3は管理者によって設定される基準値である。また、Ndはその不良率が閾値V2を超えたロットの数であり、閾値V2は下記数式(5)により決定される。下記数式(5)において、k2は係数である。定数k2は、例えば2.5とする。

Ave2−Ave1’>Th1 (2)

(Ave2−Ave1’)/Ave1’>Th2 (3)

Nd>Th3 (4)

V2=Ave1’+k2×σ1’ (5)
そして、上記数式(2)〜(4)のうち1つ以上を満たすときに異常が発生しているものと判定し、いずれの数式も満たさないときに異常が発生していないものと判定する。又は、上記数式(2)〜(4)のうち2つ以上を満たすときに異常が発生しているものと判定し、それ以外のときに異常が発生していないものと判定する。又は、上記数式(2)〜(4)のうち3つ全てを満たすときに異常が発生しているものと判定し、それ以外のときに異常が発生していないものと判定する。いずれの判定方法を採用するかは、管理者が予め設定しておく。
そして、ステップS6において異常が発生していないと判定した場合は、ステップS2に戻り、データの取得を続ける。一方、異常が発生していると判定した場合は、ステップS7に進む。
ステップS7においては、ステップS6において異常が発生していると判定された品種グループ及び欠陥種類の監視データの不良率情報及び履歴情報に基づいて、異常が発生している可能性が高い製造装置103を推定する。
すなわち、監視データから、
(1)ステップS6の判定の根拠となった欠陥(以下、「根拠欠陥」という)が発生しており、且つ、ある1台の製造装置103(以下、「特定装置」という)によって処理された製品の数(A枚)と、
(2)根拠欠陥が発生しており、且つ、特定装置によって処理されていない製品の数(B枚)と、
(3)根拠欠陥が発生しておらず、且つ、特定装置によって処理された製品の数(C枚)と、
(4)根拠欠陥が発生しておらず、且つ、特定装置によって処理されていない製品の数(D枚)と、
を求める。
そして、下記表1に示すように、上述の枚数(A〜D)に対して、(2×2)のχ二乗検定を行う。
Figure 2008033902
次に、表1に示す各値を、下記数式(6)に代入して、χの値を求める。

χ={n×(A×D−B×C)}/(A×B×C×D) (6)
そして、工場102bの全ての製造装置103を順次特定装置として、上述の表1の作成及びχの値の算出を繰り返す。この結果、ある製造装置103に関するχの値が、それ以外の製造装置103に関するχの値から大きく外れていたら、この製造装置103に異常が発生しているものと推定する。
次に、図8のステップS8及び図6に示すように、警報装置21は、LAN107を介して、管理者106に対して警報を発信する。このとき、警報と共に、欠陥が発生した品種グループ、発生した欠陥の種類、ステップS7において異常が発生していると推定された製造装置103を示す情報も、管理者106に対して出力する。このとき、警報のみを電子メールによって管理者106に通知し、付随する情報はウェブサイトに掲載する。これにより、管理者106が電子メールによって異常の発生を認識した後、上述のウェブサイトを参照することにより、必要な情報を得ることができる。また、ウェブサイトに掲載する情報は、管理者106が視覚的に認識しやすいように、表形式又はグラフ形式に編集して掲載してもよい。そして、警報を発信した後は、ステップS2に戻り、データの取得を続ける。
次に、本具体例の効果について説明する。
本具体例においては、予め適当なサンプリング期間を設定し、欠陥の種類ごとに、サンプリングデータから定常データを生成し、この定常データを基準として、監視データを評価している。これにより、欠陥の種類ごとに基準値を設定することなく、且つ、装置の改善及び老朽化等の装置要因並びに季節要因等の時期的要因により日々変動する実力値を自動的に反映させて、監視データを適確に評価することができる。また、サンプリングデータから非定常データを除去して定常データを生成することにより、サンプリング期間中に異常が発生した場合においても、この異常の影響を除くことができ、安定した評価を行うことができる。
一般に、欠陥の種類によって、その発生率は大きく異なる。例えば、製造装置が正常に稼働しているときでも、5%程度の発生率で発生する欠陥もあれば、0.1%の発生率でしか発生しない欠陥もある。このため、不良率の絶対値を基準として異常の発生を監視すると、例えば0.1%級の欠陥の発生率が0.2%に増大しても、5%級の欠陥の発生率に埋もれてしまい、検知できなくなる。これを避けるためには、欠陥の種類ごとに基準値を設定すればよいが、従来技術の項で説明したように、欠陥の種類が例えば1000種類を超え、しかも、その実力値が日々変動するような場合は、欠陥の種類ごとに適正な基準値を設定し、且つこれを更新し続けることは極めて困難である。これに対して、本具体例によれば、欠陥の種類ごとに適正な基準を自動的に設定することができる。
また、本具体例においては、工場に異常が発生したか否かの判定を、上記数式(2)〜(4)の3つの評価式を併用することにより自動的に行っている。これにより、様々な発生挙動を持つ欠陥に対応することができる。この結果、欠陥の発生を見落とすことがなく、工場において製品欠陥の原因となるような異常が発生した場合には、確実に警報を発信することができる。
更に、本具体例においては、製品を品種グループに分類し、品種グループごとに評価を行っている。これにより、生産量が少ない品種のデータも統計的に扱えると共に、1つの品種又は品種グループのみにおいて発生した異常も、全製品のデータに埋もれることなく、確実に検知することができる。
更にまた、本具体例においては、異常の発生が認められたときに、監視データの不良率情報及び履歴情報に基づいてχ二乗検定を行うことにより、異常が発生したと考えられる製造装置を推定し、警報と共に管理者に通知している。これにより、多数の製造装置の中から異常が発生している可能性が高い装置を自動的に抽出することができる。
従来、異常が発生している装置の特定は、管理者が経験に基づいて行っていた。しかしながら、前述の如く、液晶パネルの製造工程は百数十の工程を含み、各工程がそれぞれ複数台の製造装置によって実行されているため、調査の対象となる製造装置は極めて多数になり、異常が発生した装置の特定には長時間を要していた。このため、異常が発生している装置が特定され、問題が解決されるまでに、多量の不適合製品が製造されてしまい、それによる経済的な損失は極めて甚大であった。
これに対して、本具体例によれば、警報装置が管理者の原因特定作業を支援することができるため、問題が解決されるまでの時間が短縮化され、被害の拡大を効果的に抑えることができる。
更にまた、本具体例においては、異常が発生したときに、警報自体は管理者に直接電子メールを送信することにより通知し、警報に付随する情報についてはウェブサイトに掲載している。これにより、管理者は、異常の発生を確実且つ迅速に認識することができると共に、警報に付随する情報については、ウェブサイトのページ構成及びレイアウトを工夫することにより、必要な情報を効率的に取得することができる。また、情報を表形式又はグラフ形式等に編集してウェブサイトに掲載することにより、管理者は欠陥の発生挙動の傾向を容易に把握することができる。
次に、第2の具体例について説明する。
図10は、横軸に時間をとり、縦軸に不良率をとって、本具体例の効果を例示するグラフ図である。なお、図10に示すプロットは、製品のロットごとの不良率である。
本具体例においては、図8のステップS7に示す工程において異常が発生した製造装置を推定した後、ステップS8に示す工程において、管理者に対して出力するデータを、異常が発生していると推定される製造装置ごとに分類して表示する。例えば、図10に例示するように、異常が発生していると推定される製造装置ごとに、不良率を表すプロットを区別して表示する。
図10に示す例では、データD4は異常の影響を受けていないデータであり、データD5は、第1の製造装置の異常の影響を受けているデータであり、データD6は、第2の製造装置の異常の影響を受けているデータである。データD5とデータD6とは、不良率が上昇している時期が重なっているため、仮に、データD5とデータD6とを区別せずに表示すると、第1の製造装置の異常の影響と第2の製造装置の異常の影響とを切り分けて把握することが困難である。これに対して、本具体例によれば、警報装置がデータD5とデータD6とを区別して表示しているため、管理者は、同時期に複数の製造装置に異常が発生した場合に、各製造装置の異常が欠陥の発生に及ぼす影響を、独立して把握することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の具体例と同様である。
次に、第3の具体例について説明する。
本具体例においては、図6に示す工場102bの各製造装置103から、データベース105に対して出力される情報に、その液晶パネルのガラス基板上における形成位置を示す情報が含まれている。すなわち、図7に示すように、1枚のガラス基板201から複数個の液晶パネル203を多面取りする場合に、分割前のガラス基板201において、その液晶パネル203の電子回路202が形成された位置を示す位置情報が、データベース105に対して出力される。
一方、本具体例に係る警報装置は、監視データのみ、又は監視データ及びサンプリングデータの双方をガラス基板上の形成位置ごとに分類し、ガラス基板上の位置ごとに異常の発生の有無を判定する。そして、警報装置は、異常が発生している場合には、警報と共に、ガラス基板上の位置ごとに分類した情報を管理者に対して出力する。
製品に発生する欠陥のうち、いくつかの種類の欠陥は、ガラス基板上の特定の領域に集中して発生する。例えば、製造ラインの上方の一ヶ所から、製造ラインに対してゴミが降りかかることによる欠陥は、ゴミの発生源の直下域に集中して発生する。本具体例によれば、ガラス基板上の位置ごとに欠陥を監視するため、上述の如く、発生挙動がガラス基板上の位置に依存するような欠陥が発生した場合にも、その欠陥に関する情報が全体のデータに埋もれることがなく、敏感に検出することができる。また、ガラス基板上における欠陥発生位置を管理者に対して通知することにより、原因の特定が容易になる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の具体例と同様である。
次に、第4の具体例について説明する。
本具体例においては、図6に示す工場102bの少なくとも一部の製造装置103において、製造装置103の内部に複数ヶ所の加工点があり、この複数ヶ所の加工点において並列に製品を加工している。そして、この製造装置103から、データベース105に対して出力される情報に、その液晶パネルが加工された加工点を示す情報(加工点情報)が含まれている。
一方、本具体例に係る警報装置は、異常が発生している製造装置を推定する際に、複数ヶ所の加工点を持つ製造装置に関しては、加工点ごとに前述のχ二乗検定を行って、異常が発生している加工点を推定する。これにより、ある製造装置の1ヶ所の加工点にみに異常が発生している場合においても、この加工点を推定することができる。そして、異常が発生したと推定された製造装置を示す情報を出力するときに、異常が発生したと推定された加工点を示す情報も併せて出力する。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の具体例と同様である。
次に、第5の具体例について説明する。
本具体例に係る警報装置の構成は、前述の第1の具体例と同様であるが、本具体例においては、この警報装置を半導体チップを製造する工場の監視に使用する。
図11は、半導体チップの製造方法を模式的に例示する図である。
図11に示すように、半導体チップの製造工程は、先ず、例えば単結晶シリコンからなるウェーハ301上に、前駆構造体としての電子回路302を複数個形成する。次に、ウェーハ301をダイシングして電子回路302ごとに分割する。これにより、半導体チップ303が作製される。上述の説明は概略的なものであるが、実際に半導体チップを製造するためには、数百工程が必要である。そして、半導体チップを製造する工場においては、各工程を複数台の製造装置によって並列に処理している。従って、工場における半導体チップの通過経路は、ロットごとに異なる。
このとき、1つの工程の1つの製造装置において異常が発生すると、この製造装置を通過した半導体チップに欠陥が発生する可能性が高くなる。例えば、電子回路302の製造工程の一部を担う製造装置において異常が発生すると、この製造装置によって形成された電子回路302において欠陥304が発生し、この欠陥304を含む半導体チップ303が、不適合チップ305となる。
本具体例においては、前述の第1の具体例と同様な方法により、警報装置が不適合チップの発生傾向を監視することにより、工場における異常の発生を検出し、異常が発生した場合には、工場の管理者に対して警報を発信する。
なお、前述の第2乃至第4のいずれかの具体例に係る警報装置を、本第5の具体例のように、半導体チップの製造工場を監視する用途に使用することも可能である。すなわち、本第5の具体例において、第2の具体例のように、欠陥に関するデータをその原因と推定される製造装置ごとに分けて表示してもよく、第3の具体例のように、異常の判定をウェーハにおける形成位置ごとに行ってもよく、第4の具体例のように、異常が発生している場所の特定を製造装置内の加工点ごとに行ってもよい。
前述の各具体例においては、サンプリング期間及び監視期間が連続している例を示したが、本発明はこれに限定されず、サンプリング期間及び監視期間は相互に独立して任意に設定することができる。
また、前述の各具体例においては、工場に異常が発生しているか否かの判定を、上記数式(2)〜(4)が表す評価式を用いて行う例を示したが、本発明はこれに限定されず、上記数式(2)〜(4)のうち、いずれか1つ又は2つの式のみを用いてもよく、上記数式(2)〜(4)以外の評価式を用いてもよい。
更に、前述の各具体例においては、ロットごと又は形成位置ごとの不良率を用いて上記判定を行う例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ロットごとの良品率を用いて判定を行ってもよい。
更にまた、前述の各具体例においては、異常が発生した製造装置又はその加工点の特定を、χ二乗検定によって行う例を示したが、本発明はこれに限定されず、他の方法によって行ってもよい。
更にまた、前述の各具体例においては、警報を電子メールによって発信し、警報に付随する情報をウェブサイトに掲載する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、警報及びそれに付随する情報の双方を、電子メールによって管理者に通知してもよい。又は、警報装置に表示装置、プリンタ、若しくはスピーカを接続し、これらによって警報内容の表示、印刷、若しくは音声による案内を行うことにより、電子的ネットワークを介さずに、警報装置が設置されている場所において警報を発信してもよい。
更にまた、工場の製造装置及び検査装置からの情報は、データベースを介さず、警報装置に直接入力されるようになっていてもよく、又は、作業者がこれらの情報が記録された媒体を警報装置まで運搬し、警報装置がこの媒体から情報を読み取ってもよい。
本発明の第1の実施形態に係る警報装置、この警報装置が監視の対象とする工場、及びこの工場の管理者を含む品質管理システムを例示する図である。 第1の実施形態に係る警報装置を例示するブロック図である。 横軸に時間をとり、縦軸に不良率をとって、不良率の変動を示すグラフ図である。 本発明の第2の実施形態に係る警報装置、この警報装置が監視の対象とする工場、及びこの工場の管理者を含む品質管理システムを例示する図である。 第2の実施形態に係る警報装置を例示するブロック図である。 本発明の第1の具体例に係る警報装置、この警報装置が監視の対象とする工場、及びこの工場の管理者を含む品質管理システムを例示する図である。 液晶パネルの製造方法を模式的に例示する図である。 第1の具体例に係る警報装置の動作を例示するフローチャート図である。 横軸に時間をとり、縦軸に不良率をとって、不良率の変動を例示するグラフ図である。 横軸に時間をとり、縦軸に不良率をとって、第2の具体例の効果を例示するグラフ図である。 第5の具体例における半導体チップの製造方法を模式的に例示する図である。
符号の説明
1、1a、21 警報装置、2 定常データ生成部、3 異常判定部、4、4a 警報発信部、5 品種グループ分類部、6 原因推定部、101、101a、101b 品質管理システム、102、102b 工場、103、103a〜103f 製造装置、104 検査装置、105 データベース、106 管理者、107 LAN、201 ガラス基板、202 電子回路、203 液晶パネル、204 欠陥、205 不適合パネル、301 ウェーハ、302 電子回路、303 半導体チップ、304 欠陥、305 不適合チップ、D1 非定常データ、D2 定常データ、D3 監視データ、D4 異常の影響を受けていないデータ、D5 第1の製造装置の異常の影響を受けているデータ、D6 第2の製造装置の異常の影響を受けているデータ、Ts サンプリング期間、Tw 監視期間

Claims (12)

  1. 製品を継続的に製造する工場における異常の発生を検知する警報装置であって、
    前記製品の欠陥に関するデータであって所定の監視期間に収集された監視データを、前記製品の欠陥に関するデータであって所定のサンプリング期間に収集されたサンプリングデータに基づいて前記欠陥の種類ごとに評価することにより、前記欠陥の種類ごとに前記工場における異常の発生の有無を判定し、
    前記工場に異常が発生したと判定した場合に警報を発することを特徴とする警報装置。
  2. 前記サンプリングデータから前記欠陥の種類ごとに非定常データを除去して定常データを生成し、
    前記異常の発生の有無の判定における前記監視データの前記サンプリングデータに基づく評価は、前記監視データを前記定常データに基づいて評価することによって行うことを特徴とする請求項1記載の警報装置。
  3. 前記データは、前記製品における欠陥の種類ごとの不良率を示す不良率情報を含むことを特徴とする請求項2記載の警報装置。
  4. 前記定常データの生成を、
    前記サンプリングデータにおける不良率の平均値及び標準偏差を求め、
    前記標準偏差に所定の係数を乗じた値を前記平均値に加えて第1の閾値を求め、
    その不良率が前記閾値を超えた前記データを前記非定常データとして前記サンプリングデータから除くと共に残りを前記定常データとする
    ことによって行うことを特徴とする請求項3記載の警報装置。
  5. 前記判定において、
    前記監視データの不良率の平均値から前記定常データの不良率の平均値を減じた差の値が第1の基準値よりも大きい場合、
    前記定常データの不良率の平均値に対する前記監視データの不良率の平均値から前記定常データの不良率の平均値を減じた差の比の値が、第2の基準値よりも大きい場合、
    前記監視データのうち、その不良率が前記定常データの不良率の標準偏差に所定の係数を乗じた値を前記定常データの不良率の平均値に加えて求められた第2の閾値を超えたものの数が、第3の基準値を超えた場合、
    のうち、1つ以上の場合に該当するときに異常が発生しているものと判定し、いずれの場合にも該当しないときに異常が発生していないものと判定する
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の警報装置。
  6. 前記判定において、
    前記監視データの不良率の平均値から前記定常データの不良率の平均値を減じた差の値が第1の基準値よりも大きい場合、
    前記定常データの不良率の平均値に対する前記監視データの不良率の平均値から前記定常データの不良率の平均値を減じた差の比の値が、第2の基準値よりも大きい場合、
    前記監視データのうち、その不良率が前記定常データの不良率の標準偏差に所定の係数を乗じた値を前記定常データの不良率の平均値に加えて求められた第2の閾値を超えたものの数が、第3の基準値を超えた場合、
    のうち、2つ以上の場合に該当するときに異常が発生しているものと判定し、それ以外のときに異常が発生していないものと判定する
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の警報装置。
  7. 前記判定において、
    前記監視データの不良率の平均値から前記定常データの不良率の平均値を減じた差の値が第1の基準値よりも大きい場合、
    前記定常データの不良率の平均値に対する前記監視データの不良率の平均値から前記定常データの不良率の平均値を減じた差の比の値が、第2の基準値よりも大きい場合、
    前記監視データのうち、その不良率が前記定常データの不良率の標準偏差に所定の係数を乗じた値を前記定常データの不良率の平均値に加えて求められた第2の閾値を超えたものの数が、第3の基準値を超えた場合、
    のうち、全ての場合に該当するときに異常が発生しているものと判定し、それ以外のときに異常が発生していないものと判定する
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の警報装置。
  8. 前記製品が複数の工程を経て製造され、前記複数の工程のうち少なくとも1の工程が複数の製造装置によって並列処理され、前記データには前記製品を処理した前記製造装置を示す履歴情報が含まれており、
    前記工場に異常が発生したと判定した場合に、
    前記監視データの前記履歴情報に基づいて異常が発生した前記製造装置を推定し、
    前記警報と共に、前記異常が発生したと推定された製造装置を示す情報を出力することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の警報装置。
  9. 前記異常が発生した製造装置の推定を、
    前記監視データに基づいて、
    前記異常の判定の根拠となった欠陥が発生しており、且つ、一の前記製造装置によって処理された製品の数と、
    前記根拠となった欠陥が発生しており、且つ、前記一の製造装置によって処理されていない製品の数と、
    前記根拠となった欠陥が発生しておらず、且つ、前記一の製造装置によって処理された製品の数と、
    前記根拠となった欠陥が発生しておらず、且つ、前記一の製造装置によって処理されていない製品の数と、
    を求め、
    これらの数に対して(2×2)のχ二乗検定を行うことにより、前記一の製造装置に異常が発生したか否かを推定する
    ことによって行うことを特徴とする請求項8記載の警報装置。
  10. 前記装置は、並列に処理を行う複数の加工点を有し、
    前記データは、その前記製品を処理した前記加工点を示す加工点情報を含んでおり、
    前記異常が発生した製造装置を推定するときに、異常が発生した前記加工点も推定し、
    前記異常が発生したと推定された製造装置を示す情報を出力するときに、前記異常が発生したと推定された加工点を示す情報も出力することを特徴とする請求項8または9に記載の警報装置。
  11. 前記工場が複数の種類の製品を製造しており、
    前記データを類似する種類の製品からなる品種グループごとに分類し、
    前記分類されたデータごとに前記判定を行い、
    前記警報と共に、前記異常が発生した前記品種グループを示す情報を出力することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の警報装置。
  12. 前記製品は、1枚の基板に複数の前駆構造体が形成された後、前記基板が前記前駆構造体ごとに分割されて製造されるものであり、
    前記データは、分割前の前記基板におけるその製品の前記前駆構造体の位置を示す位置情報を含んでおり、
    前記サンプリングデータ及び前記監視データを前記位置ごとに分類し、
    前記位置ごとに分類されたデータごとに前記判定を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の警報装置。
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