以下に添付図面を参照して、本発明にかかるシステム、および試験決定方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、システムの一動作例を示す説明図である。システム100は、被試験体ごとにスクリーニング試験の実行を制御する。スクリーニング試験とは、潜在的な欠陥または不良を抱えている被試験体を選別、除去するための試験である。
工場出荷前の半導体部品の試験は、基本試験に加えて、スクリーニング試験が行われる。基本試験は、工場出荷後の稼働品質を保証するためすべての被試験体を対象とする。基本試験は、製造性確認、機能確認、電圧、周波数や温度などに対してマージンを持たせて行われる。例えば、基本試験において高温度にマージンを持たせた試験が障害検出に効果的であった場合、更に高温度環境での試験がスクリーニング試験として選ばれる。そして、選ばれたスクリーニング試験がすべての被試験体に対して行われる。
しかしながら、近年、半導体部品の回路規模の増大に伴い傾向性障害が増加し、スクリーニング試験の数が増加したため、試験時間が長くなるという問題点がある。従来技術では、スクリーニング試験が試験の流れの一部として組み込まれ、基本試験とスクリーニング試験とはすべての被試験体に対して行われる。このため、スクリーニング試験が追加されると、試験時間が長くなる。例えば、追加されるスクリーニング試験の内容によっては試験時間が1時間から1日程度長くなる。試験時間が長くなることは、試験に要する費用の増加や被試験体の納期の遅延などの要因にもなる。
本実施の形態では、システム100が、上記のような被試験体の識別情報ごとにスクリーニング試験の要否情報を記憶しておき、通知された被試験体の識別情報の要否情報を基に、試験要の場合に試験実行を指示し、試験不要の場合に試験実行をスキップする。これにより、試験時間を短縮させることができる。ひいては、試験に要する費用の増加の抑制を図り、被試験体の納期遅延の抑制を図ることができる。
システム100は、例えば、記憶部101と、要否判断部102と、試験装置103と、を有する。記憶部101は、例えば、試験装置103によって基本試験が行われる各被試験体の識別情報について、識別情報と、所定のスクリーニング試験の要否を示す情報と、が対応付けられた試験項目決定情報111を記憶する。被試験体としては、例えば、半導体部品などが挙げられる。ここでの複数の被試験体は、例えば、同一部品であってもよいし、同じ基本試験やスクリーニング試験を実施可能な部品であれば、同一の部品でなくてもよい。被試験体の識別情報は、例えば、被試験体のシリアルNo.とも称する。図1の例では、被試験体のシリアルNo.は「s01」から「s03」などである。また、要否を示す情報としては、例えば、数値や漢字、記号などによって試験要と試験不要とが区別可能な情報が挙げられる。図1の例では、試験項目決定情報111において、試験TBについて試験要の場合に「要」がシリアルNo.に対応付けられ、試験TBについて試験不要の場合に「不要」がシリアルNo.に対応付けられる。
試験装置103は、各被試験体に対して基本試験を行う。また、試験装置103は、要否判断部102からの実行指示に基づいて所定のスクリーニング試験を行う。
要否判断部102は、試験装置103によって基本試験が行われる各被試験体のうちのいずれかの被試験体のシリアルNo.が通知されると、記憶部101を参照して、通知されたシリアルNo.に対応付けられた所定のスクリーニング試験の要否を示す情報を取得する。シリアルNo.の通知元の装置は、例えば、試験装置103である。
そして、要否判断部102は、取得した情報が所定のスクリーニング試験が必要であることを示す場合に、所定のスクリーニング試験の実行指示を試験装置103へ通知する。試験装置103は、試験装置103に装着済みの被試験体に対する基本試験の終了後に、当該被試験体のシリアルNo.を要否判断部102へ通知する。
図1(1)の場合、シリアルNo.「s03」が通知され、要否判断部102は、シリアルNo.「s03」に対応付けられた情報が、試験TBが必要であることを示すため、シリアルNo.「s03」について試験TBの実行指示を試験装置103へ通知する。
一方、要否判断部102は、取得した情報が所定のスクリーニング試験が必要でないことを示す場合に、所定のスクリーニング試験の実行指示を試験装置103へ通知しない。図1(2)の場合、シリアルNo.「s02」が通知され、要否判断部102は、シリアルNo.「s02」に対応付けられた情報が、試験TBが不要であることを示すため、シリアルNo.「s02」について試験TBの実行指示を試験装置103へ通知しない。
このように、被試験体によってスクリーニング試験の実行の有無を制御できるため、すべての被試験体をスクリーニング試験の実行対象とする場合と比較して試験時間の短縮化を図ることができる。
図2は、システム例を示す説明図である。システム100は、試験装置103と、判断装置202と、試験制御サーバ203と、試験操作端末装置204と、を有する。試験装置103と、判断装置202と、試験制御サーバ203と、試験操作端末装置204とは、ネットワーク210を介して接続される。試験装置103は、半導体部品の試験を行う装置である。判断装置202は、被試験体の各々について、スクリーニング試験の要否を判断する装置である。
試験制御サーバ203は、試験全体を制御する装置である。試験操作端末装置204は、利用者による試験に関する情報を表示したり、試験に関する情報の入力を受け付ける装置である。
ここで、判断装置202と、試験制御サーバ203と、試験操作端末装置204と、のいずれかを表す場合に装置20i(i=2〜4)とする。
(装置20iのハードウェア構成例)
図3は、装置のハードウェア構成例を示す説明図である。装置20iは、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、ディスクドライブ304と、ディスク305と、を有する。装置20iは、I/F(Inter/Face)306と、キーボード307と、マウス308と、ディスプレイ309と、を有する。また、CPU301と、ROM302と、RAM303と、ディスクドライブ304と、I/F306と、キーボード307と、マウス308と、ディスプレイ309とは、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、装置20iの全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがってディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク305は、ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク305としては、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
I/F306は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク210に接続され、このネットワーク210を介して他の装置に接続される。そして、I/F306は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F306には、例えばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
キーボード307やマウス308は、利用者の操作により、各種データの入力を受け付けるインターフェースである。ディスプレイ309は、CPU301の指示により、データを出力するインターフェースである。
また、装置20iのハードウェア構成は、図3に挙げられたものに限定されるものではない。図示を省略するが、装置20iには、カメラから画像や動画を取り込む入力装置やマイクから音声を取り込む入力装置が設けられていてもよい。また、図示を省略するが、装置20iには、プリンタなどの出力装置が設けられていてもよい。
また、本実施の形態では、装置20iのハードウェア構成として、パーソナル・コンピュータを例に挙げているが、これに限らず、サーバなどであってもよい。装置20iがサーバである場合、装置20iと利用者の操作可能な装置やディスプレイ309などがネットワーク210を介して接続されてもよい。
(システム100の機能的構成例)
図4は、システムの機能的構成例を示す説明図である。システム100は、試験実働部401と、試験DB(Database)413と、要否判断部102と、を有する。試験実働部401は、基本試験やスクリーニング試験を実際に行う機能を有する。要否判断部102は、スクリーニング試験の要否を決定する機能を有する。
試験実働部401は、例えば、試験装置103と、試験制御部411と、を有する。試験制御部411は、図2に示した試験制御サーバ203や試験操作端末装置204などによって実現される。試験操作端末装置204は、受付部431と、表示部432と、を有する。受付部431は、利用者の操作による入力を受け付ける。表示部432は、試験制御サーバ203や試験装置103などの指示に応じた情報を表示する。
試験制御サーバ203は、制御部491を有する。制御部491は、試験装置103に対して各種試験の試験条件などを設定する。制御部491の処理は、例えば、図3に示すCPU301がアクセス可能なROM302、RAM303、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムにコーディングされている。そして、CPU301が記憶装置から該プログラムを読み出して、プログラムにコーディングされている処理を実行する。これにより、制御部491の処理が実現される。また、制御部491の処理結果は、例えば、RAM303、ROM302、ディスク305などの記憶装置に記憶される。
また、試験装置103は、試験実行部421と、試験監視部422と、試験結果格納部423と、を有する。試験監視部422は、試験制御サーバ203とのインターフェースとして試験操作端末装置204を介して試験条件を取得する。また、試験監視部422は、試験実行部421に対して試験条件を設定する。そして、試験監視部422は、試験開始や試験終了の指示や試験状態を監視する。
試験実行部421は、基本試験やスクリーニング試験を実行する。試験結果格納部423は、試験実行部421によって行われた試験結果を一時的に格納する。また、試験結果格納部423は、試験終了後に、試験結果DB442へ格納する。
試験DB413は、各種データを記憶する記憶部101である。試験DB413は、図2において図示を省略するが、データベースサーバによって実現されてもよい。また、試験DB413は、試験制御サーバ203、判断装置202などのディスク305などの記憶装置によって実現されてもよい。また、試験DB413は、例えばディスク305や不揮発メモリなどによって実現される。試験DB413は、例えば、部品DB441、試験結果DB442、試験要否規格DB443、試験要否識別DB444などを記憶する。
部品DB441には、部品の製造元の会社などによって作成された被試験体ごとの特性データが格納される。試験結果DB442には、試験結果格納部423からの試験結果が格納される。試験要否規格DB443には、スクリーニング試験要否規格を表す情報が格納される。試験要否識別DB444には、部品DB441に格納される特性データとスクリーニング試験要否規格によってスクリーニング試験の各々について被試験体ごとに試験対象であるか否かの判定結果が格納される。
図5は、試験条件テーブル例を示す説明図である。試験条件テーブル500は、試験ごとの試験条件を表す情報である。試験条件とは、試験を行う際の条件であり、電圧、クロックの周波数、温度などの条件である。
試験条件テーブル500には、試験、対象品図番、テストパターン、プログラム、電圧、周波数、温度A、温度B、試験時間、試験時回数のフィールドを有する。各フィールドに情報が設定されることによりレコード(501−1〜501−5など)として記憶される。
試験のフィールドには、試験を識別するための試験名が設定される。対象品図番のフィールドには、試験の対象となりうる被試験体の名称が設定される。テストパターンのフィールドには、試験の種別を表す情報が設定される。試験の種別としては、例えば、基本試験、スクリーニング試験などが挙げられる。
プログラムのフィールドには、試験に対応するプログラム名が設定される。電圧のフィールドには、被試験体に与える電源電圧の値が設定される。周波数のフィールドには、被試験体に与えるクロックの周波数が設定される。温度Aのフィールドには、試験環境として外気の温度が設定される。温度Bのフィールドには、試験環境として部品の温度が設定される。試験時間のフィールドには、試験に要する時間が設定される。試験時回数のフィールドには、テストパターンを実行する回数が設定される。
図6は、試験結果DBの試験結果テーブル例を示す説明図である。試験結果テーブル600には、被試験体ごとに各試験の試験結果が設定される。試験結果テーブル600には、例えば、被試験体の識別情報であるシリアルナンバー(省略してシリアルNo.)、試験の試験結果のフィールドを有する。試験の試験結果としては、例えば、試験をパスした場合「OK」が設定され、試験をパスしなかった場合「NG」が設定される。
また、図示を省略するが、試験結果テーブル600には、被試験体ごとに各試験の試験結果に関連付けて試験日、試験条件などが設定されてもよい。試験条件としては、例えば、温度、試験時の電源電圧、クロックの周波数、試験に要した時間などが挙げられる。
図7は、部品DBの特性データテーブル例を示す説明図である。特性データテーブル700は、被試験体ごとに、製造履歴を表す履歴情報と、特性を表す特性情報と、が含まれる。特性データテーブル700は、シリアルNo.、ウェハロット、アセンブリロット、ウェハ、X−loc、Y−locのフィールドを有する。シリアルNo.、ウェハロット、アセンブリロット、ウェハ、X−loc、Y−locのフィールドに設定される情報は、製造履歴を表す履歴情報である。
また、特性データテーブル700は、電流値A、電流値B、電流値C、TrスピードA、TrスピードB、TrスピードC、電圧のフィールドを有する。電流値A、電流値B、電流値C、TrスピードA、TrスピードB、TrスピードC、電圧のフィールドに設定される情報は、特性を表す特性情報である。各フィールドに情報が設定されることによりレコード(701−1〜701−10など)として特性データテーブル700に記憶される。
シリアルNo.のフィールドには、被試験体の識別情報が設定される。図7の例では、シリアルNo.のフィールドには、シリアルNo.「0001」〜「0010」が設定される。ウェハロットのフィールドには、被試験体の製造時の製品単位であるウェハロットの識別情報が設定される。アセンブリロットには、被試験体の組立時の製品単位であるアセンブリの識別情報が設定される。ウェハのフィールドには、被試験体を含むウェハの識別情報が設定される。X−locのフィールドには、ウェハ上のX軸の位置情報が設定される。Y−locのフィールドには、ウェハ上のY軸の位置情報が設定される。ここで、ウェハには、X軸とY軸との直交する2軸が定義されてある。
電流値A、電流値B、電流値Cのフィールドには、試験によって測定された各電流の値が設定される。例えば、各電流としては、消費電流、リーク電流、いずれかの端子の電流などが挙げられる。TrスピードA、TrスピードB、TrスピードCのフィールドには、試験によって測定された、被試験体に含まれるいずれかのトランジスタの動作速度である。電圧のフィールドには、電圧の値が設定される。電圧としては、例えば、電源電圧、いずれかの端子の電圧などが挙げられる。
図8は、試験要否規格DBの試験要否規格テーブル例を示す説明図である。試験要否規格テーブル800は、試験の要否を判定するための各特性の規格範囲を示す情報である。試験要否規格テーブル800は、試験、ウェハロット、アセンブリロット、ウェハ、X−loc、Y−loc、電流値A、電流値B、電流値C、TrスピードA、TrスピードB、TrスピードC、電圧のフィールドを有する。試験のフィールドには、試験名が設定される。各フィールドに情報が設定されることによりレコード(801−1〜801−4など)として記憶される。
ウェハロット、アセンブリロット、ウェハ、X−loc、Y−loc、電流値A、電流値B、電流値C、TrスピードA、TrスピードB、TrスピードC、電圧のフィールドには、各種要否判定の規格が設定される。要否判定の規格として用いられない内容のフィールドには、「−」が設定される。
図9は、試験要否識別DBの試験項目決定テーブル例を示す説明図である。試験項目決定テーブル900は、被試験体ごとに各試験が必要か否かを示す情報である。試験項目決定テーブル900は、シリアルNo.、試験TB〜試験TEのように各スクリーニング試験のフィールドを有する。各フィールドに情報が設定されることによりレコード(901−1〜901−10)として記憶される。シリアルNo.のフィールドには、被試験体の識別情報が設定される。各スクリーニング試験のフィールドには、試験の要否判断フラグが設定される。例えば、各スクリーニング試験のフィールドに「0」が設定された場合、スクリーニング試験の試験要を示し、各スクリーニング試験のフィールドに「1」が設定された場合、スクリーニング試験の試験不要を示す。
図4の説明に戻って、要否判断部102は、被試験体ごとに各スクリーニング試験の要否を判定する機能を有する。要否判断部102は、例えば、規格算出部451と、要否決定部452と、実行選択部453と、を有する。
規格算出部451と要否決定部452と実行選択部453との各処理は、例えば、図3に示すCPU301がアクセス可能なROM302、RAM303、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムにコーディングされている。そして、CPU301が記憶装置から該プログラムを読み出して、プログラムにコーディングされている処理を実行する。これにより、制御部の処理が実現される。また、各処理結果は、例えば、RAM303、ROM302、ディスク305などの記憶装置に記憶される。
規格算出部451は、スクリーニング試験の要否の判定基準を決定する。ここで、判定基準を算出するタイミングとしては、例えば、試験結果DB442が更新されたタイミングや部品DB441が更新されたタイミングなどが挙げられる。これにより、最新の情報により最適な判定基準を設けることができる。
規格算出部451は、制御部461と、算出部462と、を有する。制御部461は、部品DB441から特性データテーブル700と、試験結果DB442から試験結果テーブル600と、を取得する。
算出部462は、特性データテーブル700に基づく各被試験体の特性の第1分布を特定する。ここでの特性とは、電流、Trスピード、電圧などが挙げられる。また、各被試験体の特性は、複数の特性の組み合わせであってもよい。後述する図11には、電流とTrスピードの組み合わせの分布例を示す。
算出部462は、試験結果に基づく各被試験体のうちの不良と判定された被試験体の特性の第2分布を特定する。不良と判定された被試験体とは、基本試験や過去のスクリーニング試験において試験で障害が発生していると検出された被試験体である。
つぎに、算出部462は、特定した第1分布と、特定した第2分布と、に基づいて、所定のスクリーニング試験の要否の判定基準を決定する。ここで、いずれの特性についての第1分布および第2分布を特定するかについては、予め決められていてもよいし、各分布を表示して利用者に指定させてもよい。
ここで、利用者にいずれの特性を用いて判定基準を決定するかを指定させる場合について説明する。算出部462は、各被試験体の各特性について、第1分布と、第2分布と、を特定する。そして、算出部462は、各特性について、特定した第1分布と、特定した第2分布と、を表示する。算出部462は、例えば、特性ごとに各分布をディスプレイ309に表示させる。
そして、算出部462は、キーボード307やマウス308などの利用者の操作入力によって指定された特性についての第1分布および第2分布に基づいて、判定基準を決定する。判定基準の詳細な決定方法は、後述する図11に示す。
また、制御部461は、各被試験体の製造履歴を表す履歴情報を取得する。ここでの履歴情報は、特性データテーブル700に含まれる。被試験体の製造履歴としては、特性データテーブル700に示したように、被試験体が製造されたウェハロットの識別情報、被試験体が組み立てられたアセンブリの識別情報などが挙げられる。また、被試験体の製造履歴としては、被試験体が製造されたウェハの識別情報、被試験体が製造されたウェハ上の位置などが挙げられる。
算出部462は、履歴情報に基づく各被試験体の製造履歴の第3分布と、試験結果に基づく各被試験体のうちの不良と判定された被試験体の製造履歴の第4分布と、を特定する。算出部462は、第3分布と、第4分布と、に基づいて、所定のスクリーニング試験の要否の判定基準を決定する。
また、いずれの製造履歴によって第3分布および第4分布を用いて判定基準を決定するかについては、予め決められていてもよいし、各分布を表示して利用者に指定させてもよい。また、特性と製造履歴とについての各分布を表示して利用者に特性の種類または製造履歴の種類を指定させてもよい。
例えば、試験TBは電流値AやTrスピードCの障害に対して効果のある試験であれば、算出部462は、電流値AおよびTrスピードCの第1分布内のうちの不良が発生した第2分布によって試験TBの要否の判定基準を決定する。また、試験TDがウェハ上の特定の位置による障害に対して効果のある試験であれば、算出部462は、X−locおよびY−locの第3分布内の不良のうちの不良が発生した第4分布によって試験TCの要否の判定基準を決定する。そして、算出部462は、決定した判定基準を、試験要否規格DB443に格納する。
つぎに、要否決定部452は、各被試験体について、所定のスクリーニング試験の要否を決定する。要否決定部452は、例えば、制御部471と決定部472とを有する。
制御部471は、試験要否規格DB443から試験要否規格テーブル800と、各被試験体の特性データテーブル700と、を取得する。
判定基準が特性の場合、決定部472は、各被試験体の特性と、決定した判定基準との比較により、スクリーニング試験の要否を決定する。また、判定基準が製造履歴の場合、決定部472は、各被試験体の製造履歴と決定した判定基準との比較により、スクリーニング試験の要否を決定する。
そして、決定部472は、各被試験体について、識別情報と、所定のスクリーニング試験の要否の決定結果を示す情報と、を対応付けて試験要否識別DB444内の試験項目決定テーブル900に格納する。
実行選択部453は、制御部481と、選択部482と、を有する。制御部481は、各被試験体のうちのいずれかの被試験体の識別情報が通知されると、試験要否識別DB444を参照して、通知された識別情報に対応付けられた所定のスクリーニング試験の要否を示す情報を取得する。被試験体の識別情報は、上述したシリアルNo.である。そして、選択部482は、取得した要否を示す情報が所定のスクリーニング試験が必要であることを示す場合に、所定のスクリーニング試験の実行指示を試験装置103へ通知する。ここでは、選択部482は、実行指示を試験装置103へ直接通知してもよいし、実行指示を試験制御部411を介して試験装置103へ通知してもよい。一方、選択部482は、取得した要否を示す情報が所定のスクリーニング試験が必要でないことを示す場合に、所定のスクリーニング試験の実行指示を試験装置103へ通知しない。
以上を踏まえて、図10から図13を用いてスクリーニング試験の要否判断についての詳細な説明を行う。
図10は、試験要否判断手順例を示すシーケンス図である。試験装置103は、被試験体が搭載されると、被試験体が搭載されたことを試験制御部411へ通知する(ステップS1001)。
つぎに、試験制御部411は、被試験体が搭載されたことが通知されると、被試験体のシリアルNo.の選択を受け付ける(ステップS1011)。そして、試験制御部411は、基本試験に関する試験条件を確認する(ステップS1012)。
つぎに、試験装置103は、試験装置103電源をONにする(ステップS1002)。そして、試験装置103は、試験条件となった場合に基本試験を行う(ステップS1003)。
試験装置103によるステップS1001からステップS1003と、要否判断部102によるスクリーニング試験要否規格の算出およびスクリーニング試験の要否の決定と、については、並列に行われてもよい。また、要否判断部102によるスクリーニング試験要否規格の算出およびスクリーニング試験の要否の決定との処理のタイミングについては、例えば、試験装置103による基本試験に含まれる各試験が終了する都度行われてもよいし、特に限定しない。
要否判断部102は、特性データテーブル700、試験結果テーブル600の取り込みを行う(ステップS1021)。要否判断部102は、試験要否規格を算出する(ステップS1022)。要否判断部102は、試験要否規格を登録する(ステップS1023)。ここで、試験要否規格の算出について図11を用いて説明する。
図11は、特性分布と不良分布と規格範囲例を示す説明図である。要否判断部102は、特性データテーブル700に基づいて、各特性についての被試験体の分布1100を特定する。図11の特性値は、電流値とトランジスタスピードである。
つぎに、要否判断部102は、試験結果テーブル600に基づいて、分布1100のうちの不良の発生分布1101を特定する。要否判断部102は、不良の発生分布1101の各特性の最大値および最小値と、所定のマージンと、に基づいて、スクリーニング試験の要否を判定するための範囲規格を決定する。所定のマージンについては、予め特性に応じて定められる。
図11の例では、不良分布の電流値の最小値−αを規格値(a)とする。αは電流値のマージンである。不良分布の電流値の最大値+αを規格値(b)とする。不良分布のTrスピード最小値−βを規格値(c)とする。βがTrスピードのマージンである。不良分布のTrスピード最大値+βを規格値(d)とする。
例えば、所定のスクリーニング試験の要否を判定するための電流値についての規格範囲は、規格値(a)≦電流値≦規格値(b)である。例えば、所定のスクリーニング試験の要否を判定するためのTrスピードについての規格範囲は、規格値(c)≦Trスピード≦規格値(d)である。そして、図10に説明したステップS1023のように、要否判断部102は試験要否規格を試験要否規格DB443へ登録する。
図11の例では、電流値とトランジスタスピードとについて規格値を決定したが、これに限らない。例えば、試験項目に応じて特性の種類を決定して特性分布が特定されてもよい。
図10の説明に戻って、要否判断部102は、特性データテーブル700、試験要否規格テーブル800の取り込みを行う(ステップS1024)。そして、要否判断部102は、被試験体ごとに試験要否を決定する(ステップS1025)。要否判断部102は、試験要否結果を登録する(ステップS1026)。
図12は、スクリーニング試験の要否の決定例を示す説明図である。図12の例では、スクリーニング試験として、試験TBを例に挙げる。要否判断部102は、被試験体のシリアルNo.の各々について、被試験体についての特性データが試験TBの規格範囲内であるか否かを判断する。試験TBについての電流の規格範囲は、9.0≦電流値<12.0である。試験TBについてのTrスピードの規格範囲は、24≦Trスピード<31である。
要否判断部102は、例えば、被試験体についての特性データが試験TBの規格範囲内である場合に、試験TBが必要であると判断する。そして、要否判断部102は、被試験体のシリアルNo.と試験TBが必要であることを示す情報と、を対応付けて試験項目決定テーブル900へ格納する。ここでは、試験TBが必要であることを示す情報として、「0」が用いられる。また、試験TBが必要でないことを示す情報として、「1」が用いられる。図12に示すようにシリアルNo.「0001」の被試験体については、電流およびTrスピードの特性が試験TBの規格範囲内である。このため、要否判断部102は、シリアルNo.「0001」と、試験TBが必要であることを示す情報「0」とを対応付けて試験項目決定テーブル900へ格納する。
一方、要否判断部102は、例えば、被試験体についての特性データが試験TBの規格範囲内でない場合に、試験TBが不要であると判断する。そして、要否判断部102は、被試験体のシリアルNo.と試験TBが不要であることを示す情報と、を対応付けて試験項目決定テーブル900へ格納する。
つぎに、図10の説明に戻って、試験装置103は、基本試験が終了すると、被試験体のシリアルNo.を要否判断部102へ通知する。そして、要否判断部102は、被試験体のシリアルNo.の通知を受け付けると、試験項目決定テーブル900の取り込みを行う(ステップS1027)。
そして、要否判断部102は、被試験体のシリアルNo.に基づいてスクリーニング試験の要否を判断する。そして、要否判断部102は、スクリーニング試験が必要である場合に、スクリーニング試験の実行指示を試験制御部411へ通知する(ステップS1028)。試験制御部411は、要否判断部102からの指示を受け付けて、スクリーニング試験を試験装置103へ指示する(ステップS1013)。
そして、試験装置103は、指示を受け付けると、スクリーニング試験を実行する(ステップS1004)。試験装置103は、試験結果を、試験結果DB442へ蓄積する。また、試験項目が完了するまで、ステップS1027とステップS1028とステップS1013とステップS1004の処理を繰り返し、すべての試験項目について処理が終了すると、試験制御部411が、試験完了とする。
図11に示したように、スクリーニング試験の対象となる被試験体の特性分布は全体の被試験体の特性分布の一部である。半導体部品の特性が全体の被試験体の特性分布内に均等に分布している場合に、例えば約70[%]程度の被試験体に対しては対象のスクリーニング試験を行わなくてよいとする。例えば、1ヶ月あたり100個出荷される半導体部品に対して3時間/個のスクリーニング試験を行う場合、70個×3時間で210時間/月の試験時間短縮を図ることができる。
図13は、不良発生分布が複数ある例を示す説明図である。分布1100には、点線の楕円枠内の試験条件Aにおいて障害が発生する分布と、点線の楕円枠内の試験条件Bにおいて障害が発生する分布とがある。
障害が発生する分布が同一の特性分布に複数あっても、スクリーニング試験が複数あれば、障害が発生する分布の各々について異なるスクリーニング試験が割り当てられ、各障害を検出可能となる。例えば、試験条件Aにおいて障害が発生する分布に対してスクリーニング試験Aが割り当てられる。例えば、試験条件Bにおいて障害が発生する分布に対してスクリーニング試験Bが割り当てられる。
(試験制御部411が行う処理手順例)
図14は、試験制御部が行う処理手順例を示すフローチャートである。試験制御部411は、被試験体の型名を受け付ける(ステップS1401)。ここでの型名は、被試験体の部品種などであってもよい。例えば、被試験体がCPUである場合、部品種は、CPUの種類名などである。ここでは、試験制御部411は、試験操作端末装置204に対する利用者の操作入力を受け付ける。試験制御部411は、型名に基づき試験条件を読み出す(ステップS1402)。試験制御部411は、試験条件を試験操作端末装置204に表示する(ステップS1403)。
試験制御部411は、選択された型名は正しいか否かを判断する(ステップS1404)。正しくないと判断された場合(ステップS1404:No)、試験制御部411は、ステップS1401へ戻る。正しいと判断された場合(ステップS1404:Yes)、試験制御部411は、試験開始を受け付けたか否かを判断する(ステップS1405)。
試験開始を受け付けていないと判断された場合(ステップS1405:No)、試験制御部411は、ステップS1405へ戻る。試験開始を受け付けたと判断された場合(ステップS1405:Yes)、試験制御部411は、基本試験の開始を試験装置103へ指示する(ステップS1406)。
試験制御部411は、要否判断部102からスクリーニング試験の選択を受け付けたか否かを判断する(ステップS1407)。スクリーニング試験の選択を受け付けたと判断された場合(ステップS1407:Yes)、試験制御部411は、スクリーニング試験を指示する(ステップS1408)。試験制御部411は、スクリーニング試験の完了を受け付けたか否かを判断する(ステップS1409)。スクリーニング試験の完了を受け付けていないと判断された場合(ステップS1409:No)、試験制御部411は、ステップS1409へ戻る。スクリーニング試験の完了を受け付けたと判断された場合(ステップS1409:Yes)、試験制御部411は、ステップS1407へ戻る。
また、ステップS1407において、スクリーニング試験の選択を受け付けていないと判断された場合(ステップS1407:No)、試験制御部411は、全試験の終了を受け付けたか否かを判断する(ステップS1410)。全試験の終了を受け付けていないと判断された場合(ステップS1410:No)、試験制御部411は、ステップS1407へ戻る。
全試験の終了を受け付けたと判断された場合(ステップS1410:Yes)、試験制御部411は、未試験の被試験体があるか否かを判断する(ステップS1411)。未試験の被試験体がないと判断された場合(ステップS1411:No)、試験制御部411は、一連の処理を終了する。未試験の被試験体があると判断された場合(ステップS1411:Yes)、試験制御部411は、ステップS1401へ戻る。
(試験装置103が行う処理手順例)
図15および図16は、試験装置が行う処理手順例を示すフローチャートである。試験装置103は、試験開始指示を受け付ける(ステップS1501)。そして、試験装置103は、被試験体が取り付けられた試験機の電源を投入する(ステップS1502)。つぎに、試験装置103は、現在の温度/電圧/周波数を読み込む(ステップS1503)。温度は、例えば、試験環境における温度である。読み込まれる電圧は、例えば、被試験体に供給される電源電圧の値である。周波数は、被試験体に供給されるクロック信号の周波数である。そして、試験装置103は、温度/電圧/周波数の表示指示を試験操作端末装置204へ通知する(ステップS1504)。
つぎに、試験装置103は、設定した条件に到達したか否かを判断する(ステップS1505)。設定した条件に到達していないと判断された場合(ステップS1505:No)、試験装置103は、ステップS1503へ戻る。設定した条件に到達したと判断された場合(ステップS1505:Yes)、試験装置103は、基本試験を開始する(ステップS1506)。そして、試験装置103は、基本試験を終了する(ステップS1507)。つぎに、試験装置103は、基本試験結果を試験結果DB442へ格納する(ステップS1508)。
試験装置103は、試験にパスしたか否かを判断する(ステップS1509)。試験にパスしたと判断された場合(ステップS1509:Yes)、試験装置103は、ステップS1601へ移行する。一方、試験にパスしていないと判断された場合(ステップS1509:No)、試験装置103は、ステップS1611へ移行する。
試験装置103は、被試験体のシリアルNo.を要否判断部102へ通知する(ステップS1601)。試験装置103は、スクリーニング試験の実行指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS1602)。スクリーニング試験の実行指示を受け付けていないと判断された場合(ステップS1602:No)、試験装置103は、ステップS1611へ移行する。スクリーニング試験の実行指示を受け付けたと判断された場合(ステップS1602:Yes)、試験装置103は、現在の温度/電圧/周波数を読み込む(ステップS1603)。そして、試験装置103は、温度/電圧/周波数の表示指示を試験操作端末装置204へ通知する(ステップS1604)。
試験装置103は、条件に到達したか否かを判断する(ステップS1605)。条件に到達していないと判断された場合(ステップS1605:No)、試験装置103は、ステップS1603へ戻る。一方、条件に到達したと判断された場合(ステップS1605:Yes)、試験装置103は、指示されたスクリーニング試験を開始する(ステップS1606)。
つぎに、試験装置103は、スクリーニング試験を終了する(ステップS1607)。試験装置103は、スクリーニング試験結果を格納する(ステップS1608)。試験装置103は、試験にパスしたか否かを判断する(ステップS1609)。試験にパスしたと判断された場合(ステップS1609:Yes)、試験装置103は、スクリーニング試験完了を要否判断部102へ通知し(ステップS1610)、ステップS1602へ移行する。
試験にパスしなかったと判断された場合(ステップS1609:No)、試験装置103は、試験結果DB442へ試験結果を送信する(ステップS1611)。試験装置103は、試験装置103の電源をOFFする(ステップS1612)。そして、試験装置103は、試験の終了を試験制御部411へ通知し(ステップS1613)、一連の処理を終了する。
(要否判断部102が行う処理手順例)
図17は、要否判断部による試験規格算出処理手順例を示すフローチャートである。ここで、上述したように、要否判断部102によるスクリーニング試験要否規格の算出処理については、例えば、試験装置103による基本試験に含まれる各試験が終了するタイミングなどで行われてもよいし、特に限定しない。要否判断部102は、試験結果データと部品データとを読み込む(ステップS1701)。要否判断部102は、スクリーニング試験に関する複数の試験項目のうち、規格値を未算出の試験項目があるか否かを判断する(ステップS1702)。
未算出の試験項目があると判断された場合(ステップS1702:Yes)、要否判断部102は、未算出の試験項目からいずれかの試験項目を規格算出対象の選択項目として選択する(ステップS1703)。要否判断部102は、特性データテーブル700に基づき各特性の分布および各製造履歴の分布を特定する(ステップS1704)。つぎに、要否判断部102は、試験結果データに基づき、各分布内の不良分布を特定する(ステップS1705)。
そして、要否判断部102は、各特性の分布および不良分布と各製造履歴の分布および不良分布を表示する(ステップS1706)。つぎに、要否判断部102は、選択した試験項目についての規格範囲とする分布の指定を受け付ける(ステップS1707)。要否判断部102は、指定された分布とマージン値とに基づいて各規格値を算出する(ステップS1708)。要否判断部102は、各規格値に基づくスクリーニング要否の規格範囲を特定する(ステップS1709)。要否判断部102は、規格範囲を格納し(ステップS1710)、ステップS1702へ戻る。ステップS1702において、未算出の試験項目がないと判断された場合(ステップS1702:No)、要否判断部102は、一連の処理を終了する。
図18は、要否判断部による試験項目決定処理手順例を示すフローチャートである。要否判断部102は、特性データテーブル700および試験要否規格テーブル800を取得する(ステップS1801)。要否判断部102は、特性データテーブル700内の被試験体のシリアルNo.の選択を受け付ける(ステップS1802)。
要否判断部102は、スクリーニング試験に関する複数の試験項目のうち、要否を未決定の試験項目があるか否かを判断する(ステップS1803)。未決定の試験項目があると判断された場合(ステップS1803:Yes)、要否判断部102は、未決定の試験項目からいずれかの試験項目を決定対象の試験項目として選択する(ステップS1804)。
要否判断部102は、選択した試験項目についての規格範囲を取得する(ステップS1805)。要否判断部102は、受け付けたシリアルNo.についての特性または製造履歴が規格範囲を満たすか否かを判断する(ステップS1806)。受け付けたシリアルNo.についての特性または製造履歴は、上述したように、特性データテーブル700を参照することにより得られる情報である。受け付けたシリアルNo.についての特性または製造履歴が規格範囲を満たさないと判断された場合(ステップS1806:No)、要否判断部102は、試験項目の試験不要(1)に決定して、試験項目について試験不要(1)を試験要否識別DB444に格納する(ステップS1807)。そして、要否判断部102は、ステップS1803へ戻る。一方、受け付けたシリアルNo.についての特性または製造履歴が規格範囲を満たすと判断された場合(ステップS1806:Yes)、要否判断部102は、試験項目の試験要(0)に決定して、試験項目について試験要(0)を試験要否識別DB444に格納する(ステップS1808)。そして、要否判断部102は、ステップS1803へ戻る。
ステップS1803において、未決定の試験項目がないと判断された場合(ステップS1803:No)、要否判断部102は、一連の処理を終了する。
図19は、要否判断部による試験要否選択処理手順例を示すフローチャートである。要否判断部102は、被試験体のシリアルNo.の通知を受け付ける(ステップS1901)。つぎに、要否判断部102は、試験要否DBから試験項目決定テーブル900を読み出す(ステップS1902)。つぎに、要否判断部102は、受け付けたシリアルNo.について未選択な試験項目からいずれかの試験項目を選択する(ステップS1903)。
そして、要否判断部102は、試験項目決定テーブル900において選択した試験項目のスクリーニング試験が必要か否かを判断する(ステップS1904)。試験項目決定テーブル900において選択した試験項目のスクリーニング試験が不要であると判断された場合(ステップS1904:不要)、要否判断部102は、ステップS1907へ移行する。試験項目決定テーブル900において選択した試験項目のスクリーニング試験が必要であると判断された場合(ステップS1904:必要)、要否判断部102は、試験制御サーバ203へスクリーニング試験の実行を指示する(ステップS1905)。
そして、要否判断部102は、スクリーニング試験完了通知を受け付けたか否かを判断する(ステップS1906)。スクリーニング試験完了通知を受け付けていないと判断された場合(ステップS1906:No)、要否判断部102は、ステップS1906へ戻る。スクリーニング試験完了通知を受け付けたと判断された場合(ステップS1906:Yes)、要否判断部102は、未選択の試験項目があるか否かを判断する(ステップS1907)。
未選択の試験項目があると判断された場合(ステップS1907:Yes)、要否判断部102は、ステップS1903へ戻る。未選択の試験項目がないと判断された場合(ステップS1907:No)、要否判断部102は、一連の処理を終了する。
以上説明したように、システム100は、被試験体のシリアルNo.ごとにスクリーニング試験の要否情報を記憶し、通知されたシリアルNo.の要否情報を基に、試験要の場合に試験の実行を指示し、試験不要の場合に試験の実行を省略する。これにより、被試験体ごとにスクリーニング試験の実行を制御することができ、試験時間の短縮を図ることができる。
また、システム100は、各被試験体の特性の分布と、不良の分布と、に基づきスクリーニング試験の要否の判定基準を決定し、被試験体ごとに、被試験体の特性と判定基準との比較の結果に基づいてスクリーニング試験の要否情報を格納する。これにより、特性に応じた傾向性障害の検出精度の向上を図り、試験時間の短縮化を図ることができる。
また、システム100は、各被試験体の各特性について特定した分布および不良の分布を表示し、指定された特性についての特性分布および不良分布に基づいて、判定基準を決定する。これにより、各特性に起因する不良に最適なスクリーニング試験を実施することができる。
また、システム100は、各試験の試験結果が記憶されるたびに、判定基準を決定する処理を行う。これにより、最新の試験結果によって最適な判定基準が得られる。
また、製造ロット、ウェハ、ウェハ上の位置などによっては半導体部品の特性傾向が変化する可能性がある。そこで、システム100は、各被試験体の製造履歴の第3分布と、不良と判定された被試験体の製造履歴の第4分布と、に基づいて、スクリーニング試験の要否の判定基準を決定する。これにより、不良が多い製造ロットに含まれる被試験体だけにスクリーニング試験を実施する等の対応が可能となる。したがって、製造履歴に応じた傾向性障害の検出精度の向上を図り、試験時間の短縮化を図ることができる。
また、システム100は、決定した判定基準と、各被試験体について、識別情報と、所定のスクリーニング試験の要否の決定結果を示す情報と、が対応付けられた試験項目決定情報を記憶部に格納する。
また、試験装置103は、いずれかの被試験体に対して基本試験を実行後に、いずれかの被試験体の識別情報を通知し、スクリーニング試験の実行指示を受け付けた場合に、いずれかの被試験体に対して所定のスクリーニング試験を実行する。これにより、試験装置に取り付けられた被試験体に対して基本試験の後につづけて最適なスクリーニング試験を行う。このため、被試験体の取り換えなどを行わなくてよいため、試験時間の短縮を図ることができる。
なお、本実施の形態で説明した試験決定方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本プログラムは、磁気ディスク、光ディスク、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)各被試験体の識別情報について、前記識別情報と、所定のスクリーニング試験の要否を示す情報と、が対応付けられた試験項目決定情報を記憶する記憶部と、
前記各被試験体のうちのいずれかの被試験体の識別情報が通知されると、前記記憶部を参照して、通知された前記識別情報に対応付けられた前記所定のスクリーニング試験の要否を示す情報を取得し、取得した前記要否を示す情報が前記所定のスクリーニング試験が必要であることを示す場合に、前記所定のスクリーニング試験の実行指示を試験装置へ通知する要否判断部と、
を有することを特徴とするシステム。
(付記2)前記記憶部は、前記各被試験体の特性を表す特性情報と、前記試験装置による各被試験体の各試験の試験結果と、を記憶し、
前記要否判断部は、
前記特性情報に基づく前記各被試験体の特性の第1分布と、前記試験結果に基づく前記各被試験体のうちの不良と判定された被試験体の特性の第2分布と、を特定し、
特定した前記第1分布と、特定した前記第2分布と、に基づいて、前記所定のスクリーニング試験の要否の判定基準を決定し、
前記各被試験体について、前記各被試験体の特性と決定した前記判定基準との比較により、前記所定のスクリーニング試験の要否を決定し、
前記各被試験体について、前記識別情報と、前記所定のスクリーニング試験の要否の決定結果を示す情報と、を対応付けた前記試験項目決定情報を前記記憶部に格納する、
ことを特徴とする付記1に記載のシステム。
(付記3)前記要否判断部は、
前記各被試験体の各特性について、前記第1分布と、前記第2分布と、を特定し、
前記各特性について、特定した前記第1分布と、特定した前記第2分布と、を表示し、
前記各特性のうち、特定した前記第1分布と特定した前記第2分布との表示に応じて指定された特性についての前記第1分布および前記第2分布に基づいて、前記判定基準を決定する、
ことを特徴とする付記2に記載のシステム。
(付記4)前記要否判断部は、
前記記憶部に前記各試験の試験結果が記憶されるたびに、前記第1分布と前記第2分布とを特定する、
ことを特徴とする付記2または3に記載のシステム。
(付記5)前記記憶部は、前記各被試験体の製造履歴を表す履歴情報と、前記試験装置による各被試験体の各試験の試験結果と、を記憶し、
前記要否判断部は、
前記履歴情報に基づく前記各被試験体の製造履歴の第3分布と、前記試験結果に基づく前記各被試験体のうちの不良と判定された被試験体の製造履歴の第4分布と、を特定し、
特定した前記第3分布と、特定した前記第4分布と、に基づいて、前記所定のスクリーニング試験の要否の判定基準を決定し、
前記各被試験体について、前記各被試験体の製造履歴と決定した前記判定基準との比較により、前記所定のスクリーニング試験の要否を決定し、
前記各被試験体について、前記識別情報と、前記所定のスクリーニング試験の要否の決定結果を示す情報と、を対応付けた前記試験項目決定情報を前記記憶部に格納する、
ことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載のシステム。
(付記6)前記試験装置を有し、
前記試験装置は、
前記いずれかの被試験体に対して所定の試験を実行し、
前記所定の試験の終了後に、前記いずれかの被試験体の識別情報を前記要否判断部へ通知し、
前記所定のスクリーニング試験の実行指示を受け付けると、前記いずれかの被試験体に対して前記所定のスクリーニング試験を実行する、
ことを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載のシステム。
(付記7)コンピュータが、
各被試験体のうちのいずれかの被試験体の識別情報の通知を受け付け、
前記各被試験体の識別情報について前記識別情報と所定のスクリーニング試験の要否を示す情報とが対応付けられた試験項目決定情報を記憶する記憶部を参照して、通知された前記識別情報に対応付けられた前記所定のスクリーニング試験の要否を示す情報を取得し、
取得した前記要否を示す情報が前記所定のスクリーニング試験が必要であることを示す場合に、前記所定のスクリーニング試験の実行指示を試験装置へ通知する、
処理を実行することを特徴とする試験決定方法。