JP4302486B2 - 駅前広場の運用方法 - Google Patents

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この発明は、鉄道交通と道路交通との結節点施設としての駅前広場の運用方法に関するものである。
駅前広場は鉄道交通と道路交通との結節点施設としての役割があり、ここにはバスやタクシーの乗降場や横断歩道などの歩行者用施設、バス発着所などのバス関連施設、タクシー発着所やタクシープールなどのタクシー関連施設、一般車関連施設、自転車関連施設等の車用施設の様々な施設が限られた面積に集約されている。
これらの各種の施設は、それぞれの設置エリアが区分され、その面積は一般的には施設利用者数に比例し、固定的なものとして割り振られている。
ところで、タクシー関連施設については、公共スペースである駅前広場の多くの面積を専有することが多い。このため、タクシー乗場のタクシー待機区域の広さを制限すると共に、効率的にタクシーを配車するようにした発明がある(例えば特許文献1参照)。
これは、タクシー待機区域の駐車台数をタクシー管制センターで把握し、タクシーに対して配車指示を行うものである。
特開昭63−240700号公報
しかしながら既存の駅前広場においては、タクシー関連施設だけでなく、その他のバス関連施設、一般車関連施設のほとんどの面積が不足しており、各々の交通動線の錯綜が問題になっている。特に、タクシープールの面積が不足しているため、待機タクシーが車道まで溢れ、バスや一般車両の通行を遮断し、その結果、駅前広場全体の交通機関の利用効率が低下し、さらに混雑を招くという悪循環に陥る状況となる。
かかる不都合は駅前広場の面積全体を拡大すれば解消されるが、駅前広場が市街地の中心に位置するため、施設面積の全体を拡大することは困難であり、このため、現状の限られたエリア内での効率的な運用が要求されている。
なお、前記特開昭63−240700号公報に記載の従来技術は、タクシー待機区域にタクシーを効率的に配車することで、タクシー乗場として広い公共スペースを専有しないようにするものではあるが、当該待機区域に待機するタクシーの台数が少ない時間帯については、タクシー待機区域が利用されないことになり、限られた面積の駅前広場の有効利用が十分に図られているとはいえない。
この発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、歩行者用施設、バス関連施設やタクシー関連施設等の専用施設の各種の施設が配置されて、限られた面積の駅前広場を、拡大することなく、各施設に必要な専有面積を確保し、駅前広場の混雑を解消するとともに各施設の利用効率も向上できる駅前広場の運用方法を提供することにある。
請求項1記載の発明は、歩行者用施設および車用施設が設けられた駅前広場の運用方法であって、前記各施設のエリアを地表部に線状に埋設した発光体によるレーンライティングで区分し、前記レーンライティングの表示箇所を発光箇所の変更により可変として、タクシーの台数や歩行者の有無などを検出する検出手段からの検出信号に基づいて制御装置からのエリア切り替え信号により各施設の利用頻度に応じてレーンライティングによる区分表示箇所を切り替え変更し、各施設の設置エリアを混雑状況に対応させて駅前広場内で変更することを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、歩行者用施設、バス関連施設やタクシー関連施設等の車用施設の各施設の駅前広場におけるエリアの面積を、レーンライティングの表示箇所を切り替えて変更することで各施設の利用頻度に応じて変えるようにする。これにより、同じ場所を異なった用途に使用でき、駅前広場の全体面積を拡大することなく限られた面積の駅前広場を効率的に利用でき、同じ時間帯で特定の施設のエリアのみが混雑する一方で他の施設のエリアが十分に利用されないという現象を防止できる。
請求項2記載の発明は、前記レーンライティング切り替え時に、車両や歩行者に切り替えを報知することを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、レーンライティングの切り替えを予め報知するから、切り替えによる各施設のエリアの変更や横断歩道の変更を車両や歩行者に認識させることができ、切り替えによる混乱や事故発生を防げる。
以上述べたようにこの発明の駅前広場の運用方法は、歩行者用施設および、バス関連施設やタクシー関連施設等の車用施設の各種の施設が配置される駅前広場において、同じ時間帯における前記各施設の利用頻度が異なることに着目して、限られた面積の駅前広場を、拡大することなく各施設で利用頻度によって専有面積を変更することにより効率的に有効活用するから、各施設に必要な専有面積を利用頻度に応じて確保でき、駅前広場の混雑を解消するとともに各施設の利用効率も向上できるものである。
以下、図面についてこの発明の実施の形態を詳細に説明する。図1はこの発明の駅前広場の運用方法の実施形態を示す平面図で、駅前広場の構成から説明すると、一例として駅前広場1がロータリー式であり、カーブする入線路2の先にバス関連施設3やタクシー関連施設4が並行して配置されている。
バス関連施設3は、駅寄りに配置されて複数台のバス5が縦列に停発車するバス発着所6が2列に設けられ、この2列のバス発着所6に接してこれと平行に歩行者用施設としてバス乗降場7がそれぞれ形成される。
タクシー関連施設4は、前記バス関連施設3と並行して駅から遠い箇所にタクシー発着所8が設けられ、このタクシー発着所8に接してタクシープール14と、歩行者用施設としてのタクシー乗降場9とが形成される。
また、歩行者用施設として、さらに、駅からバス乗降場7やタクシー乗降場9に到達するための歩行者用の横断歩道10がバス関連施設3を横切るようにして設けられる。
このように構成される駅前広場1において、歩行者用施設であるバス乗降場7やタクシー乗降場9、横断歩道10のエリアは路面上でエリア外と同一面となるようにフラットに形成する。バス乗降場7やタクシー乗降場9は境界部をレーンライティング11で線状に形成し、横断歩道10は歩道幅を線状のレーンライティング11の複数本で平行に配列した。このレーンライティング11は、例えば発光ダイオード(LED)ランプや光ファイバー、レーザー光などを利用して地表部に予め埋設しておくもので、発光箇所が切り替え変更可能なように構成し、歩行者用施設、バス関連施設3やタクシー関連施設4のそれぞれのエリアの境界部が変更できるように構成する。
前記発光ダイオードランプは、例えばこのランプを、ライン方向と直交する方向にライン幅で線状に並べたものの複数本を適宜間隔でライン方向に並設させて埋設し、光ファイバーはこれをエリアの境界部に沿ってライン方向に所定長を埋設し、また、レーザー光は、例えば路面の水平面下側において垂直方向に拡散しかつ水平方向に直線状の可視レーザー光を放射するライン描画手段を設け、このライン描画手段から放射された可視レーザー光により路面上にラインを描くものである。
図中13は、タクシープール14から溢れた待機タクシー12の台数や、レーンライティング11が切り替わる箇所のエリア内の歩行者の有無などを検出する検出手段としてのITVカメラ、17はレーンライティング切り替えにより変更されたバス発着所6やバス乗降場7を表示する電光掲示板、18は切り替えを知らせる発声器を示す。
ITVカメラ13や電光掲示板17、発声器18は、車両の走行や歩行者の邪魔にならず、かつ、駅前広場1内を看取できる位置に適宜台数を設置し、例えば、ポールの上に本体を設置する構造とする。なお、前記待機タクシー12などの台数を検出する手段は、ITVカメラ13に限定されるものではなく、その他のセンサーの使用も可能である。
レーンライティング11の切り替え、電光掲示板17の表示などを制御する制御装置16を駅前広場1の管理センターなどに設置する。制御装置16として、コンピュータを例示することができる。図2は、かかる制御装置16によるレーンライティング切り替えの制御ブロック図で、検出手段としてのITVカメラ13からの検出信号が制御装置16に入力されて、制御装置16からのエリア切り替え信号がレーンライティング11に、バス発着所6やバス乗降場7の変更位置表示信号が電光掲示板17に、また、変更の警告を行う報知信号が発声器18に入力される。なお、制御装置16からの報知信号は歩行者等が所有する携帯電話や端末機器に入力されるようにしてもよく、直接、文字や振動等で知らせることもできる。
次に各施設のレーンライティング切り替えの動作を図3(a)〜(d)の行程図について説明する。図3(a)は基本となる状態で、前記のようにバス関連施設3では、バス乗降場7が2列でそれぞれのバス乗降場7は4台または5台のバス5が縦列に停車できる長さにレーンライティング11によって形成されている。
また、タクシー関連施設4では、タクシープール14には8台のタクシー15が停車できるような長さにタクシー乗降場9がレーンライティング11によって形成されている。
また、横断歩道10がレーンライティング11によって駅側からバス乗降場7を横切るようにしてタクシー乗降場9に達するように形成される。
この状態でITVカメラ13によってタクシープール14に入るタクシー15や待機タクシー12が常時検出され、画像処理によって制御装置16でその台数が算出される。画像処理方法は周知の技術を用いるもので、例えば、濃淡パターンマッチング(正規化相関)処理による車両の追跡手法を採用し、オプティカルフローをリアルタイムに求めることで渋滞時でも高精度の台数計測が可能である。また、電光掲示板17にはバス乗降場7やタクシー乗降場9の位置が常時表示されている。
ところで、駅前広場1は、混雑時間帯と通常時間帯とでは各施設の利用頻度が異なる。図4に示すように朝夕の混雑時間帯においては利用客が多いため、タクシー15の稼働率が高く、タクシープール14の利用頻度が低い。一方、バス5も多数台が発着するため、バス乗降場7の利用頻度が高い。
これに対して、図5に示すように昼間の通常時間帯では乗降客が少ないため、タクシー15の稼動率が低く、タクシープール14には多数台のタクシー15が待機してタクシープール14の利用頻度が高くなる。また、バス5の発着台数も少なくなり、バス乗降場7の利用頻度が低くなる。このように通常時間帯と混雑時間帯とでは、タクシープール14およびバス乗降場7の利用頻度が逆転する。
そこで、この発明では、前記のようにITVカメラ13などの検出手段でタクシープール14に入るタクシー15の台数を検出し、待機タクシー12の台数が増加して、バス発着所6に入ろうとするバス5の走行を妨げるおそれがあるようになると、第1段階として図3(b)に示すようにタクシー乗降場9を構成するレーンライティング11の表示箇所を変更し、タクシー乗降場9の長さを短くする。これにより、これまでタクシー乗降場9の一部になっていたエリアA(図1参照)のレーンライティング11を消灯してタクシープール14のエリアに切り替える。よって、タクシープール14の面積を拡大でき、タクシープール14のタクシー収容台数を増加できてタクシー15が入線路2等の車道を遮断することを防止でき、駅前広場1の混雑を解消できる。
同時に、横断歩道10のレーンライティング11の点灯箇所も変更して、新たに形成されたタクシープール14の場所に到達する横断歩道10のエリアC(図1参照)のレーンライティング11を無表示(消灯)とする。
かかるレーンライティング11の変更は、変更するエリアA、Cに車両や歩行者がいないことをITVカメラ13からの画像をもとにして制御装置16で確認した上で、さらに、発声器18で切り替えを行うことを音声により歩行者に報知し、また、変更するエリアA、Cのレーンライティング11を点滅させることで視覚による報知を行ってから切り替える。
図3(c)に示すようにさらにタクシープール14に向かうタクシー15の台数が増加して待機タクシー12の数が減少しなければ、タクシープール14の側に面したバス乗降場7を形成するレーンライティング11の点灯箇所を変更して、エリアB(図1参照)の箇所のレーンライティング11を消灯してバス乗降場7の面積を縮小し、その分だけタクシープール14の面積を拡大する。また、エリアD(図1参照)の横断歩道10のレーンライティング11を無表示(消灯)とする。
この場合、バス乗降場7の面積が縮小することで、バス発着所8も変更となるが、変更事項は電光掲示板17に表示する。また、かかるエリアB、Dの変更も、このエリアB、Dに歩行者がいないことを確認、この箇所のレーンライティング11を点滅し、発声器18で報知した上で行う。
さらにタクシープール14に入るタクシー15の台数が増加すれば、図3(d)に示すように前段階で縮小されたバス乗降場7をタクシー乗降場9に変更し、タクシープール14の面積をさらに拡大する。また、エリアE(図1参照)の横断歩道10のレーンライティング11を無表示(消灯)とする。このエリアD、Eの変更もこのエリアに歩行者がいないことを確認、この箇所のレーンライティング11を点滅し、発声器18で報知した上で行う。
このようにして限られた面積の駅前広場1を、時間帯によって各施設の利用頻度に応じて、異なる施設でやり取りしながら効率的に有効活用する。
この発明の駅前広場の運用方法の実施形態を示す平面図である。 この発明の駅前広場の運用方法の実施形態を示すレーンライティング切り替えの制御ブロック図である。 この発明の駅前広場の運用方法の実施形態を示すレーンライティング切り替えの行程図である。 この発明の駅前広場の運用方法の実施形態を示す混雑時間帯の斜視図である。 この発明の駅前広場の運用方法の実施形態を示すの通常時間帯の斜視図である。
1 駅前広場 2 入線路
3 バス関連施設 4 タクシー関連施設
5 バス 6 バス発着所
7 バス乗降場 8 タクシー発着所
9 タクシー乗降場 10 横断歩道
11 レーンライティング 12 待機タクシー
13 ITVカメラ 14 タクシープール
15 タクシー 16 制御装置
17 電光掲示板 18 発声器

Claims (2)

  1. 歩行者用施設および車用施設が設けられた駅前広場の運用方法であって、前記各施設のエリアを地表部に線状に埋設した発光体によるレーンライティングで区分し、前記レーンライティングの表示箇所を発光箇所の変更により可変として、タクシーの台数や歩行者の有無などを検出する検出手段からの検出信号に基づいて制御装置からのエリア切り替え信号により各施設の利用頻度に応じてレーンライティングによる区分表示箇所を切り替え変更し、各施設の設置エリアを混雑状況に対応させて駅前広場内で変更することを特徴とした駅前広場の運用方法。
  2. 前記レーンライティング切り替え時に、車両や歩行者に切り替えを報知することを特徴とする請求項1記載の駅前広場の運用方法。
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