JP4127459B2 - トンネル照明装置、道路照明装置 - Google Patents

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    • F21W2131/10Outdoor lighting
    • F21W2131/101Outdoor lighting of tunnels or the like, e.g. under bridges

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等の車両が通行するトンネルや高速道路等の道路に設置されるトンネル照明装置、道路照明装置に関する。
【従来の技術】
道路においては、ポールを用いて上方から路面を照明するポール照明が主流であり(ライティングハンドブックp493を参考)、トンネルの場合、高さ約5m程度の天井部あるいは側壁から路面を照明することが主流である。
【0002】
トンネル内を照らすための照明の方式としては、対称照明方式、カウンタービーム照明方式、プロビーム照明方式等がある。
【0003】
例えば対称照明方式は、車両の運転者が、路面に落下している落下物あるいは工事用のポール等の障害物を視認しやすくすることを目的として、トンネル延長方向に対して、図3に示すような余弦配光に近似した配光特性を持った照明器具を、トンネルの両壁面上部にトンネル延長方向に約1〜10mの間隔で配設したものであり、主として路面を照明するものである。(高速道路調査会:トンネル照明設計指針、平成2年)。
カウンタービーム照明方式は、上記対称照明と同様に、車両の運転者が、路面上の障害物を視認しやすくすることを目的としたものである。
【0004】
このカウンタービーム照明方式は、トンネル両壁面の上部または天井に設置したビーム照明器具より車両の進行方向とは逆方向にビーム状の光を発光させて路面を効率的に照明することで路面上の障害物を知覚しやすくするものである。(猪熊明ほか:道路トンネルのカウンタービーム照明に関する研究、建設電気技術107、平成6年)。
【0005】
このカウンタービーム照明方式の場合、道路上の障害物は、シルエット視となり、背景となる路面輝度が高いことが、運転者が視認可能な輝度対比を得るための条件である。
【0006】
一方、プロビーム照明方式は、車両の運転者に対して先行車の挙動を視認させることを目的としたものであり、上記2つの照明方式とは目的が異なる。
【0007】
このプロビーム照明方式の場合、トンネル両壁面に車両のヘッドライトとほぼ同じ構造のビーム照明機具を、路面上20cmより下側には主たる光が配されない配光となるように設置し、車両の進行方向に上向きにビーム光を照射するように設置される。したがって、障害物にはビーム照明機具の光は当らず暗くなる一方、先行車の後部が明るくなり、障害物に高コントラストが与えられる。
【0008】
さらに、上記カウンタービーム照明とプロビーム照明とを組合せて、カウンタービーム照明で車両の運転者に障害物の視認させ、プロビーム照明で先行車の挙動を視認させるトンネル照明装置も提案されている(特開平9-115312号公報)。
【0009】
ところで、近年、道路の舗装技術の向上に伴って、排水性能の高い舗装(高機能舗装)が道路に適用されつつある。
この高機能舗装を施した道路の路面には、通常の舗装よりも穴が多く空くようになるため、路面反射率が低下することが予想される。
【0010】
道路の舗装技術として、コンクリート舗装、アスファルト舗装等があるが、コンクリート舗装の場合の路面反射率は25%、アスファルト舗装の場合は10%強等といわれているが、高機能舗装の場合、路面反射率はアスファルト舗装のそれよりも低い値、つまり10%か、あるいはそれ以下になりかねない。
【0011】
このような高機能舗装がトンネル内の道路に施された場合、少なくともカウンタービーム照明方式を採用しているトンネルでは、道路上の障害物のシルエットに対して背景となる路面輝度が低くなることから、車両の運転者が道路上の障害物を十分視認可能な輝度対比を得られなくなる可能性がある。このことは、道路上の障害物がシルエット視となる対称照明方式を採用しているトンネルでも同じことである。
【0012】
高機能舗装は、トンネル内だけに限らず、高速道路等にも適用されつつある。
高機能舗装を施した道路において、路面輝度を確保しようとする場合、障害物等の見易さを考慮して、主ビームの方向を自動車の進行方向に向けたプロビーム照明方式や、逆に向けたカウンタビーム照明方式等の技術が用いられるが、これらの照明方式は、いずれも機能照明としては高い位置からのものだった。
【0013】
一方、視線誘導と路肩の位置を知らせるために、路肩には丸いオレンジ色の反射材が一定間隔で並べられている。
【0014】
また、視認性確保のための照明装置として、関越自動車道の沼田地区において、霧中の視認性荷保のため低位置にスポットライトを進行方向に向けて照射した例がある。(建設電気技術N0,109,24-29,2.1995年)。
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来のトンネル照明方式の場合、道路上の障害物がシルエット視となることから、トンネル内の道路に高機能舗装が施された場合、車両の運転者が道路上の障害物を十分視認可能な輝度対比及び均斉度を得られなくなる可能性がある。
【0015】
また、従来の道路照明装置は、道路の路側部分に車両進行方向に所定間隔で設けたポールの上部に照明器具を配置して下方に向けて照明するものであるが、このような照明装置は、路面の平均輝度や輝度の均斉度、グレアや誘導性などを確保する上で有効である一方、路面に高機能舗装を施した道路に対してはトンネル内と同様に路面輝度の確保が困難になり、十分な輝度対比も得られないという問題があった。
【0016】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、トンネル内の道路の路面反射率が低い場合に、車両の運転者がトンネル内に存在する障害物を十分視認できるようにすることのできるトンネル照明装置を提供することを目的としている。
【0017】
また、本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、自動車用道路の路面反射率が低い場合に、道路上に存在する障害物を車両の運転者が知覚しやすく、また、路肩に停車中の車や先行車も知覚しやすい道路照明装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明のトンネル照明装置は、トンネル内の壁面または路肩部分の第1の高さ位置に設置され、車道の少なくとも側方から配光ピークと車道の車線軸とのなす角度が20°〜40°となる車両進行方向でかつ前記第1の高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配する第1の照明手段と;前記トンネル内の第1の高さ位置よりも高い第2の位置に設置され、車両進行方向と車両進行方向とは逆方向とについてほぼ対称に配光する第2の照明手段と;
を具備したことを特徴としている。請求項2記載の発明のトンネル照明装置は、トンネル内の壁面または路肩部分の路面から高さほぼ1m以下の位置に設置され、車道の少なくとも側方から配光ピークと車道の車線軸とのなす角度が20°〜40°となる車道の車両進行方向でかつ前記設置高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配する第1の照明手段と;前記トンネル内の路面から高さ3m以上の位置に設置され、車両の進行方向と車両の進行方向とは逆方向とについてほぼ対称に配光する第2の照明手段と;を具備したことを特徴としている。なお、ほぼ1m以下とは、普通乗用車を運転中の運転者の目線の位置以下であれば、運転者に対して運転の障害となることはなく、好適には、普通乗用車のヘッドライトの位置よりも低くなる0.6m以下とすることが好ましい。請求項3記載の発明のトンネル照明装置は、トンネル内の壁面または路肩部分の第1の高さ位置に設置され、車道の少なくとも側方から配光ピークと車道の車線軸とのなす角度が20°〜40°となる車道の車両進行方向でかつ前記第1の高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配する第1の照明手段と;前記トンネル内の第1の高さ位置よりも高い第2の位置に設置され、車両進行方向と逆方向でかつ下方に向けて光を配する第2の照明手段と;
を具備したことを特徴としている。請求項4記載の発明のトンネル照明装置は、請求項1乃至3いずれか一記載の照明装置において、前記第1の照明手段は、前記第1の照明手段の高さ位置よりも 上方へ光を出さないような遮光手段を有することを特徴としている。請求項5記載の発明のトンネル照明装置は、請求項4記載の照明装置において、前記遮光手段は、ピーク光度の軸とピーク光度の1/2の光度の軸が5°以内となるよう狭角に遮光する手段であることを特徴としている。請求項6記載の発明のトンネル照明装置は、請求項1乃至3いずれか一記載のトンネル照明装置において、前記第1の照明手段およびは第2の照明手段の少なくとも一方、前記トンネル内の車道両側に配設したことを特徴としている。
【0019】
請求項1記載の発明では、トンネル内の第1の高さ位置に第1の照明手段を設置し、車道の少なくとも側方から車道の車両進行方向でかつ前記第1の高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配すると共に、トンネル内の第1の高さ位置よりも高い第2の位置に第2の照明手段を設置して、車両進行方向と車両進行方向とは逆方向とについてほぼ対称に配光することで、車両の運転者に逆シルエット視によって道路上に存在する障害物を視認させるので、障害物の輝度を高めることができる。これにより、互いの輝度対比(コントラスト)の値を大きくできるので、例えば排水性舗装などのようにトンネル内の道路の路面反射率が低い場合でも車両の運転者がトンネル内に存在する障害物を十分視認可能となる。また、快適に走行するための路面輝度及び均斉度を確保することができる。
請求項2記載の発明では、トンネル内の路面から高さほぼ1m以下の位置に第1の照明手段を設置し、車道の少なくとも側方から車道の車両の進行方向に向けて主たる光を配すると共に、トンネル内の路面から高さ3m以上の位置に第2の照明手段を設置し、車両の進行方向と車両の進行方向とは逆方向とについてほぼ対称に配光することで、車両の運転者に逆シルエット視によって道路上に存在する障害物を視認させるので、障害物の輝度を高めることができ、これにより、互いの輝度対比(コントラスト)の値を大きくできるので、例えば排水性舗装などのようにトンネル内の道路の路面反射率が低い場合でも車両の運転者がトンネル内に存在する障害物を十分視認可能となる。また、快適に走行するための路面輝度及び均斉度を確保することができる。
請求項3記載の発明では、既に第2の位置に第2の照明手段を設置したようなトンネルに対して、第1の高さ位置に第1の照明手段を設置し、車道の少なくとも側方から車道の車両進行方向でかつ前記第1の高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配することで道路上の障害物の輝度が高められるので、排水性舗装などで路面輝度が低下した場合、障害物の輝度と路面輝度との対比が大きくなるので、道路上の障害物に対する車両の運転者の視認性を向上することができる。
請求項4記載の発明では、第1の照明手段に遮光手段を設け、第1の照明手段の高さ位置よりも上方へ光を出さなくすることで、車両のドアミラーなどに光が映らなくなり、車両の運転者の視認性を向上することができる。
請求項5記載の発明では、第1の照明手段から発光される光を、ピーク光度の軸とピーク光度の1/2の光度の軸が5°以内となるように遮光手段にて狭角に遮光することで、道路上の障害物の輝度だけを高めることができ、路面反射率が低い場合でも道路上の障害物に対する車両の運転者の視認性を向上することができる。
請求項6記載の発明では、第1の照明手段およびは第2の照明手段の少なくとも一方を、トンネル内の車道両側に配設することで、車道幅員が広いトンネルであっても均斉度を確保することができる。
この結果、上記請求項1乃至6記載の発明によれば、トンネル内の道路の路面反射率が低い場合にトンネルに入る車両の運転者がトンネル内に存在する障害物を十分視認できるようになる。
【0020】
請求項7記載の発明の道路照明装置は、車道の少なくとも一方の路側部に、前記車道の路面よりほぼ1m以下の高さの位置に設置され、前記少なくとも一方の路側部から配光ピークと車道の車線軸とのなす角度が20°〜40°となる車道の車両進行方向でかつ前記高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配する照明手段を具備したことを特徴としている。なお、ほぼ1m以下とは、普通乗用車を運転中の運転者の目線の位置以下であれば、運転者に対して運転の障害となることはなく、好適には、普通乗用車のヘッドライトの位置よりも低くなる0.6m以下とすることが好ましい。請求項8記載の発明の道路照明装置は、請求項7記載の道路照明装置において、前記車道の路側部に設置され、前記照明手段を支持する支柱と、前記支柱の前記照明手段の支持位置のほぼ裏面に設けられ、後方からの光を反射する反射手段とを具備したことを特徴としている。請求項9記載の発明の道路照明装置は、請求項7記載の道路照明装置において、前記照明手段は、前記車道の路側部に向けて配光する第1の光源と、前記車道の車線軸に対して鋭角にかつ少なくとも車道内に配光する第2の光源とを具備したことを特徴としている。請求項10記載の発明の道路照 明装置は、請求項7記載の道路照明装置において、前記照明手段は、自身の位置よりも少なくとも上方へ光を出さないよう遮光する遮光手段を具備したことを特徴としている。
【0021】
請求項7記載の発明では、車道の少なくとも片側の路側部のほぼ1m以下の高さの位置に設置された照明手段の主たる配光を、車両の進行方向でかつ前記高さの位置よりも下方に向けることで、高い鉛直面照度が得られるようになり、走行中の車両の運転者から車道に存在する障害物を認識する上で十分な輝度対比を得ることができる。
請求項8記載の発明では、車道の路側部に照明手段を支持する支柱を設け、この支柱の照明手段の支持位置のほぼ裏面に、後方からの光を反射する反射手段を設けることで、照明装置に照明機能と、視線誘導及び路肩位置通知機能とを兼務させることができ、路肩がすっきりし、安全性と美観とを共に向上することができる。
請求項9記載の発明では、照明手段に第1の光源と第2の光源とを設け、車道の路側部に向けて配光すると共に、車道の車線軸に対して鋭角にかつ少なくとも車道内に配光することで、車道の幅員全体が明るくなり、車道の路肩の明るさ確保、あるいは路面輝度を確保することができる。
請求項10記載の発明では、照明手段に遮光手段を設け、自身の位置よりも少なくとも上方へ光を出さないよう遮光することで、車道を走行中の車両のミラーへの映り込みを無くし、ドライバーへのグレアを低減することができる。
この結果、上記請求項7乃至10記載の発明によれば、自動車用道路の路面反射率が低い場合に、車道を走行中の車両の運転者が道路上に存在する障害物を知覚しやすくなり、また、路肩に停車中の車や先行車も知覚しやくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るトンネル照明装置の一つの実施の形態を示す図である。
【0023】
トンネル照明は、トンネル内を安全に走行するために、危険な路面上の障害物(落下物等)の存在の有無を運転者が知覚できるようにし、さらに先行車の挙動などを容易に知覚できるようにすることを目的としている。
【0024】
路面上の障害物の存否を知覚するためには、運転者が前方の視野を見たときに、障害物の輝度Loと障害物の背景となる路面の輝度Lrとの間に適切な輝度対比(コントラスト)が必要である。輝度対比をCとすると、
【0025】
C=(Lr−Lo)/Lr …(式1)
で表わされる。
【0026】
トンネル内において、路面に落下している障害物と路面の輝度の関係は、障害物が発光体でない限り、一般に、Lr>Loであり、運転者には、シルエット視によって障害物が知覚される。このようにシルエット視によって障害物を視認させるトンネル内の照明方式は、トンネル内の上方から路面を照らす対称照明方式である。
【0027】
この対称照明方式の場合、路面の輝度Lrがより大きいほど、また障害物の輝度Loがより小さいほど、輝度対比(コントラスト)が大きくなり運転者にとって障害物の認知が容易になる。
【0028】
しかし、路面反射率が比較的低いアスファルト舗装などでは、路面の輝度Lrが低いため、これを大きくする必要があるが、このためには、照明器具の台数を増やすなど、照明に必要な電力や設備を増大する必要がある。
【0029】
対称照明方式によって照明された、路面の平均水平面照度として、例えば360[lx]、鉛直面照度として例えば150[lx]が得られるようなトンネルで、路面の舗装が例えばコンクリート舗装などの場合(路面反射率:20%)で、輝度対比の計算を試みることにする。なお、路上の障害物の反射率を20%とする。
【0030】
路面の輝度:Lr=360×0.2×1/π …(式2)
障害物の輝度:Lo=150×0.2×1/π…(式3)
これら(式2),(式3)から求めたLr 、Loを(式1)に代入すると、輝度対比はC=0.58となる。
【0031】
一般に、シルエット視で障害物を認識できるとされる基準の輝度対比は、0.3であり、互いを比較すると、C=0.58>0.3であり、この場合は、シルエット視で障害物を認識できるものと予想される。
【0032】
一方、近年、高速道路などの自動車専用の道路は、排水性アスファルト舗装(高機能舗装)という路面が荒い(アスファルトを構成する粒子の間隙が大きな)舗装となりつつある。この高機能舗装の路面反射率は、一般のアスファルト舗装以下、例えば10%程度かあるいはそれ以下である可能性がある。
【0033】
以下、高機能舗装の路面反射率を10%として輝度対比を計算してみる。
このように路面反射率が10%の場合で上記対称照明方式の明るさで輝度対比を計算すると、輝度対比はC=0.17となる。
この輝度対比の値(C=0.17)と基準の輝度対比0.3とを比較すると、基準の輝度対比よりも高機能舗装での輝度対比が低くなり、対称照明方式だけでは、運転者は、障害物を視認しづらいと判断できる。
【0034】
そこで、路面の輝度Lrを低く、障害物の輝度Loを大きくするために、本実施形態のトンネル照明装置としては、逆シルエット視によって障害物を視認させることを試みた。
【0035】
例えば図1に示すように、車両Xの進行方向に指向性を持つ光をビーム状に発光するプロビーム照明器具A(第1の照明手段)を車両XのドアミラーDよりも低い位置、例えば路面から0.6m程度の高さの位置に設置した。なお、プロビーム照明器具Aの前部にはルーバFを取り付け、路面から少なくとも1mを超える高さの位置にはビームの主光が出ないように遮光した。
【0036】
なお、路面からの高さ0.6mとは、普通乗用車のヘッドライトの位置にほぼ相当し、路面から1mの高さとは普通乗用車の運転者の目線位置にほぼ相当する。
【0037】
プロビーム照明器具Aは、トンネル内の側壁の面あるいは手すり部分などに埋め込むなどして高さ1m以下の高さの位置に取り付け、車両Xの進行方向に光を配するものとする。なお、車両Xが同じ方向に走行可能な車線が2車線以上あるような車道幅員が広いトンネルでは、トンネル側壁の左右両面にプロビーム照明器具Aを取り付けるようにしてもよい。
【0038】
なお、ルーバ以外、例えばプロビーム照明器具Aの発光部前部にハネ状の遮光板を取り付け、ハネの角度を調整してプロビーム照明器具Aの配光を狭角にして光の指向性を持たせることで、路面から少なくとも1mを超える高さの位置にはビームの主光が向かないようにしてもよい。一例としては、例えばプロビーム照明器具Aの光の広がりをピーク光度の軸とピーク光度の軸とが5°以内になるようにすることが好ましい。
【0039】
このように路面から例えば1m以下などの低い位置にプロビーム照明器具Aを設置して、車両X進行方向の路面に向けて車両Xのヘッドライトのロービームのようにビーム状に照明することを低位置プロビーム照明と称す。
【0040】
この低位置プロビーム照明によって、障害物の輝度を高め、背景輝度を低くして輝度対比Cの値を、人が障害物を認識可能とされる基準の輝度対比(−0.3)よりも低くし、障害物の視認性を向上できるかどうかの計算を試みた。
【0041】
計算に際して、トンネル内の壁面に、車両進行方向に沿って例えば10m程度の間隔で低位置にプロビーム照明器具Aだけを取り付けた場合を想定し、路面輝度を計算した。
【0042】
この結果、路面輝度は0.8[cd/m2]、均斉度は平均/最小で0.26となった。
この結果をみると、低位置プロビーム照明だけでは、障害物視認に必要な輝度対比はどうにか得られるものの、障害物視認のための適正な路面輝度が得られず、均斉度も低いことが解る。
【0043】
そこで、本実施形態のトンネル照明装置では、低位置プロビーム照明と対称照明とを併用することを試みた。
【0044】
低位置プロビーム照明と対称照明を併用する上で、図1に示すように、対称照明器具B(第2の照明手段)として器具光束10500[lm]のものを路面から5.1mの高さで、車両進行方向に沿って5m間隔に設置し、低位置プロビーム照明器具Aとして2100[lm]のものを路面から0.6mの高さで車両進行方向に沿って10m間隔に設置した。
【0045】
対称照明器具Bの配光特性は、図3に示すように、車両の進行方向(φ90°)と車両の進行方向とは逆方向(φ270°)とについて、ほぼ対称に配光するような特性である。
【0046】
この場合で計算した結果、路面輝度は6.5[cd/m2]となり、均斉度は平均/最小で0.59となった。そして、輝度対比Cは平均で−3.9が得られた。
【0047】
また、対称照明器具Bを7.5m間隔、低位置プロビーム照明器具Aを10m間隔というように、対称照明器具Bの取付間隔をさらに広く設置した場合について計算したところ、路面輝度は4.6[cd/m2]となり、均斉度は平均/最小で0.51となった。輝度対比Cは平均で−5.56が得られた。
【0048】
このように対称照明と低位置プロビーム照明とを併用した場合のイメージを図2に示す。
同図において、障害物は、中央付近の正方形Pであり、これが視標となり、背景(トンネル内の壁や路面等)に対して障害物が明るく視認できることが解る。
【0049】
なお、車両Xが同じ方向に走行可能な車線が2車線を超えるような車道幅員が広いトンネルでは、トンネル側壁の左右両面にプロビーム照明器具Aと対称照明器具Bとを取り付けるようにしてもよい。
【0050】
このようにこの実施の形態のトンネル照明装置によれば、トンネル内の路面から高い位置(5.1m)に対称照明器具Bを設置すると共に、路面から低い位置(0.6m)にプロビーム照明器具Aを設置して、路面上に存在する障害物(落下物など)を明るく照らすることで、排水性舗装などで路面輝度が低下した場合であっても道路上の障害物を十分視認可能な輝度対比及び均斉度が得られるようになり、障害物に対する車両の運転者の視認性を向上することができる。
【0051】
また、路面から低い位置に設置したプロビーム照明器具Aに、上方への光を出さないようにルーバFを設けることで天井面および壁面の輝度を低く抑えることができるようになり、障害物を明るくすると共に障害物の背景を暗くして障害物の視認性を向上することができる。
【0052】
さらに、プロビーム照明器具Aから出る光に指向性をもたせ、道路上の障害物のみを照らすようにすることで障害物の輝度を背景よりも高めることができ、障害物の視認性を向上することができる。
【0053】
また、対称照明器具Bおよび低位置プロビーム照明器具Aを共に車道の左右両側に設置することで、例えば2車線を超えるような道路のように車道幅員が広い場合にも均斉度を良好に保つことができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。
上記実施形態では、低位置プロビーム照明器具Aと対称照明器具Bとを組み合わせてトンネル内を照明する例について説明したが、基準の輝度対比である0.3(絶対値)以上が得られるようであれば、例えば既にカウンタービーム照明方式が適用されているトンネルに対して上記低位置プロビーム照明器具Aを追加し、低位置プロビーム照明器具Aとカウンタービーム照明器具とを併用することも考えられる。また、低位置プロビーム照明器具Aとカウンタービーム照明器具と対称照明器具Bとを併用してもよい。
【0055】
ここで、トンネル内におけるプロビーム照明器具Aの取り付け例について具体的に説明する。
図4に示すように、トンネル内には、車道の少なくとも片側に、保守員等が通行したり非難するための段状の通路31が設けられている。この通路31は、路面から1m程度の高さで設けられているため、この通路31の壁面に低位置プロビーム照明器具Aを埋め込む。
【0056】
また、上記通路31が設けられていないトンネル等では、図5に示すように、車道から数10センチぼど高くされた路肩部分32が設けられていることが多いので、この路肩部分32に高さ1m程度のポール33を立てて、このポール33に低位置プロビーム照明器具Aを取り付ける。
【0057】
次に、本発明に係る道路照明装置の一つの実施の形態について説明する。
図6(a)、図6(b)に示すように、この道路照明装置は、車道の路側部、例えば路肩等に、車道の路面からの高さが1m程度になるように設置された棒状筐体、例えば支柱51等と、この支柱51の路面から0.6mの高さの位置に設けられ、車道の車両進行方向でかつ支柱51の高さよりも少なくとも下方に向けて主たる光を配する照明器具52と、この照明器具52の位置のほぼ裏面に設けられ、後方からの光を車道(路面あるいは車両の方向)に向けて反射する反射材53とを有している。
【0058】
すなわち、この道路照明装置は、一方通行の自動車用道路に設置するものであり、進行方向に照明器具52の主たる光を配し、照明器具52の内部に少なくとも1つの光源を有し、路面から高さ1m以下に設置したものである。
【0059】
図7に示すように、一方通行の3車線の自動車用道路の場合、自動車のヘッドライトと同等の機能を有する照明器具52を車道60の両側の路肩61に所定間隔に並べ、路肩61の路面から1m以下の比較的低い位置から、車道の車両進行方向に向けて路面を照明するよう構成するものである。
【0060】
このような道路照明装置では、道路施設(路肩に設けられた壁等)に埋め込む場合と、ガードレールの支柱のような形状の筐体(ポール)の中に照明器具52(発光器具、光学系等)を入れる場合の2種類が考えられる。
【0061】
後者の場合、路肩に立てるポールには、照明器具52の他、反射材53を設ける。また、路肩にガードレールがある場合は、ガードレールの支柱と様々なものの設置が必要となるため、道路の路肩部分が乱雑になり、ドライバーの視線に影響を与え、安全性と美観を損なう恐れがある。
【0062】
特に路肩にポールを立てる場合、現在、視線誘導のためにガードレールに取り付けられているオレンジ色の反射材の高さとほぼ同じレベルの高さになると考えらるので、支柱の後面に反射材を設けることで、反射材のためだけに専用のポールを設ける必要がなくなる。
【0063】
また、ガードレールを設ける必要がある道路には、本発明の道路照明装置を、ガードレールの足の一つとして使用してもよい。
【0064】
このようにこの実施の形態の道路照明装置によれば、道路の路肩に1mほどの高さのポールをガードレールの足の一つとして立ててこのポールに照明機器52と反射材53とを設けることとで、路肩はすっきりし、安全性が向上し、同時に美観も向上することができる。
【0065】
続いて、上記照明機器52の具体的な照明方法について説明する。
図8は、一方通行の3車線道路の路肩に、高さ0.6mの位置にHID35W相当の2灯用の低位置プロビーム照明器具を10m間隔で設置した例を示す図である。
【0066】
計算に用いた道路の形状は一方通行の3車線の道路であり、図8の左から右が進行方向を示し、図の上から路肩、第1車線、第2車線、第3車線、中央分離帯を示す。光源のエーミング(配光方向)は、1灯が路肩の方向に向けられ、他のもう1灯が車線軸から約20°の方向に向けられている。
【0067】
この場合の高さ0.6mにおける平均鉛直面照度と路面の平均水平面照度を表1に示す。
【表1】
Figure 0004127459
この表1をみると、従来のポール照明(270WのNHを高さ16m、取付間隔42mで設置)で得られる路肩の平均鉛直面照度は、約10[lx]であるのに対して、この低位置プロビーム照明では、路肩718[lx]、第1車線244[lx]、第2車線135[lx]、第3車線でも81[lx]という大きな鉛直面照度が得られる。輝度対比は、この表1から、最も低い計算点でも−13となり、車両のドライバーは、道路上の障害物を十分に視認できることが分かる。
【0068】
図9に3車線道路の左側の路肩の壁面に低位置プロビーム照明器具を配置したイメージを示す。
次に、路肩側と中央分離帯側の両側の高さ0.6mの位置にそれぞれ10m間隔で低位置プロビーム照明器具を配置した例について説明する。
【0069】
この例では、図10に示すように、路肩に2灯の光源を持つ低位置プロビーム照明器具を配置し、中央分離帯側に1灯の光源を持つ低位置プロビーム照明器具を配置している。
【0070】
路肩側の2灯の低位置プロビーム照明器具のうち、1灯は路肩に向けられ、他の1灯は車線軸に対して約40°の方向に向けられている。
【0071】
また、中央分離帯側の1灯の低位置プロビーム照明器具は、その1灯を車線軸に対し40°の方向に向けている。
【0072】
この場合の高さ0.6mにおける平均鉛直面照度と路面の平均水平面照度を表2に示す。
【表2】
Figure 0004127459
この表2をみると、従来のポール照明(270WのNHを高さ16m、取付間隔42mで設置)で得られる路肩の平均鉛直面照度は、約10[lx]であるのに対して、この低位置プロビーム照明では、路肩720[lx]、第1車線246[lx]、第2車線159[lx]、第3車線185[lx]という全体にムラの少ない大きな鉛直面照度が得られる。輝度対比は、この表2から、最も低い計算点で−7となった。
【0073】
図11に3車線道路の左側の路肩と右側の路肩の両壁面に低位置プロビーム照明器具を配置したイメージを示す。
【0074】
このようにこの実施の形態の道路照明装置によれば、道路の路肩に低位置プロビーム照明装置を配置すると共にその低位置プロビーム照明装置の主たる配光を車両の進行方向に向けることにより高い鉛直面照度が得られるようになり、走行中の車両のドライバーが道路上に存在する障害物を認識する上で十分な輝度対比を得ることができる。
【0075】
また、低位置プロビーム照明器具の内部に複数の光源を備え、それぞれの配光特性が少なくとも2つ以上のピークを有することで、道幅全体が照明されるようになり、自動車用道路の路面反射率が低い場合であっても、道路上に存在する障害物を走行中の車両の運転者が知覚しやすくなる。
【0076】
また、これだけでなく、例えば複数光源それぞれを可動式として光源の向きを自由に変更できるようにすることで、路肩や車線の必要な明るさや均斉度、取付間隔、光源の配光等に応じて各光源の向きを変えることができ、現地での照明装置のセッティング作業が容易になると共に取り付け作業時間を短縮することができる。
【0077】
また、この例のように低位置プロビーム照明器具の配光特性のピークの少なくとも1つを道路の路肩部分に向けることで、路肩部分の鉛直面照度を高くし、路肩に停車している車両を遠くからでも認識させることができる。つまり、少なくとも1つの光源で路肩部分を照明することにより、道幅方向が明るくなり、走行中の車両のドライバーから路肩に停車中の車両や先行車が知覚しやすくなる。
【0078】
さらに、低位置プロビーム照明器具は、道路の片側だけでなく、左右両側に設置することで、道幅全体の明るさにムラがなくなり、走行中の車両のドライバーから路肩に停車中の車両や先行車が知覚しやすくなる。
【0079】
また、低位置プロビーム照明器具の配光特性のピークと車線軸となす角度を、20°〜40°の範囲とすることで、狭角配光での適正な照明を行うことができる。このように、配光のピークと車線軸とのなす角を限定することによりミラーへの映り込みをなくし、ドライバーへのグレアを低減することができる。
なお、この実施形態で示した配光角度の範囲は一実施形態に過ぎず、例えば0°〜70°の範囲であってもよい。
【0080】
さらに、低位置プロビーム照明器具を取り付けた状態で、照明器具よりも上方へ光を出さないようポールあるいは壁面にルーバあるいは遮光板等の遮光手段を設けて光の方向を制御してもよい。このように、上方への配光を抑止制御することによりミラーへの映り込みをなくし、ドライバーへのグレアを低減することができる。
【0081】
また、低位置プロビーム照明器具の配光のピークの向きと設置高さを1m以下に調節することにより車両のドアミラーやバックミラーへの映り込みを無くし、ドライバーへのグレアを低減することができる。
【0082】
さらに、照明器具を低位置に配置し、照明器具と路面との距離を近くしたことで路面に光を効率よく照射することができる。
【0083】
例えば3車線道路等では低位置プロビーム照明器具を車道の両側に設置し、また、2車線道路では、低位置プロビーム照明器具を車道の片側に設置する等、道路の幅員に応じて設置状況を変化させることで、経済的な照明を行うことができる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、トンネル内の第1の高さ位置に第1の照明手段を設置し、車道の少なくとも側方から車道の車両進行方向でかつ前記第1の高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配すると共に、トンネル内の第1の高さ位置よりも高い第2の位置に第2の照明手段を設置して、車両進行方向と車両進行方向とは逆方向とについてほぼ対称に配光することで、車両の運転者に逆シルエット視によって道路上に存在する障害物を視認させるので、障害物の輝度を高めることができ、これにより、互いの輝度対比(コントラスト)の値を大きくできるので、トンネル内の道路の路面反射率が低い場合でも車両の運転者がトンネル内に存在する障害物を十分視認可能となる。また、快適に走行するための路面輝度及び均斉度を確保することができる。
請求項2記載の発明によれば、トンネル内の路面から高さ1m以下の位置に第1の照明手段を設置し、車道の少なくとも側方から車道の車両の進行方向に向けて主たる光を配すると共に、トンネル内の路面から高さ3m以上の位置に第2の照明手段を設置し、車両の進行方向と車両の進行方向とは逆方向とについてほぼ対称に配光することで、車両の運転者に逆シルエット視によって道路上に存在する障害物を視認させるので、障害物の輝度を高めながらも背景輝度を低く抑えることができ、これにより、互いの輝度対比(コントラスト)の値を大きくできるので、トンネル内の道路の路面反射率が低い場合でも車両の運転者がトンネル内に存在する障害物を十分視認可能となる。また、快適に走行するための路面輝度及び均斉度を確保することができる。
請求項3記載の発明によれば、既に第2の位置に第2の照明手段を設置したようなトンネルに対して、第1の高さ位置に第1の照明手段を設置し、車道の少なくとも側方から車道の車両進行方向でかつ前記第1の高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配することで道路上の障害物の輝度が高められるので、排水性舗装などで路面輝度が低下した場合、障害物の輝度と路面輝度との対比が大きくなるので、道路上の障害物に対する車両の運転者の視認性を向上することができる。
請求項4記載の発明によれば、第1の照明手段に遮光手段を設け、第1の照明手段の高さ位置よりも上方へ光を出さなくすることで、車両のドアミラーなどに光が映らなくなり、車両の運転者の視認性を向上することができる。
請求項5記載の発明によれば、第1の照明手段から発光される光を、ピーク光度の軸とピーク光度の1/2の光度の軸が5°以内となるように遮光手段にて狭角に遮光することで、道路上の障害物の輝度だけを高めることができ、路面反射率が低い場合でも道路上の障害物に対する車両の運転者の視認性を向上することができる。
請求項6記載の発明によれば、第1の照明手段およびは第2の照明手段の少なくとも一方を、トンネル内の車道両側に配設することで、車道幅員が広いトンネルであっても均斉度を確保することができる。
この結果、トンネル内の道路の路面反射率が低い場合であっても車両の運転者がトンネル内に存在する障害物を十分視認できるようになる。
【0085】
請求項7記載の発明によれば、主たる配光を車両の進行方向に向けることにより高い鉛直面照度が得られるようになり、走行中の車両の運転者から車道に存在する障害物を認識する上で十分な輝度対比を得ることができる。
請求項8記載の発明によれば、車道の路側部に照明手段を支持する支柱を設け、この支柱の照明手段の支持位置のほぼ裏面に、後方からの光を反射する反射手段を設けることで、照明装置に照明機能と、視線誘導及び路肩位置通知機能とを兼務させることができ、路肩がすっきりし、安全性と美観とを共に向上することができる。
請求項9記載の発明によれば、照明手段に第1の光源と第2の光源とを設け、車道の路側部に向けて配光すると共に、車道の車線軸に対して鋭角にかつ少なくとも車道内に配光することで、車道の幅員全体が明るくなり、車道の路肩の明るさを確保すると共に路面輝度を確保することができる。
請求項10記載の発明によれば、照明手段に遮光手段を設けて、自身の位置よりも少なくとも上方へ光を出さないよう遮光することで、車道を走行中の車両のミラーへの映り込みを無くし、ドライバーへのグレアを低減することができる。この結果、上記請求項7乃至10記載の発明によれば、自動車用道路の路面反射率が低い場合に、車道を走行中の車両の運転者が道路上に存在する障害物を知覚しやすくなり、また、路肩に停車中の車や先行車も知覚しやくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一つの実施の形態のトンネル照明装置の構成を示す図。
【図2】この実施形態のトンネル照明装置を適用したトンネル内の視認状況を示す図。
【図3】対称照明器具の配光特性を示す図。
【図4】通路が設けられているトンネルに低位置プロビーム照明装置を設置した場合の例を示す図。
【図5】通路が設けられていないトンネルに低位置プロビーム照明装置を設置した場合の例を示す図。
【図6】(a)は本発明に係る一つの実施の形態の道路照明装置の正面図。
(b)は(a)の道路照明装置の背面図。
【図7】図6の道路照明装置を一方通行の道路に適用した配置例を示す図。
【図8】一方通行の道路の路肩(片側)に、HID35W相当の2灯用の低位置プロビーム照明器具を設置した例を示す図。
【図9】3車線道路の左側の路肩の壁面に低位置プロビーム照明器具を配置したイメージ図。
【図10】一方通行の道路の路肩(両側)に2灯の光源を持つ低位置プロビーム照明器具を配置し、中央分離帯側に1灯の光源を持つ低位置プロビーム照明器具を配置した例を示す図。
【図11】3車線道路の左側の路肩と右側の路肩の両壁面に低位置プロビーム照明器具を配置したイメージ図。
【符号の説明】
A…低位置プロビーム照明器具、B…対称照明器具、X…車両、D…ドアミラー、F…ルーバ、31…通路、32…路肩部分、33…ポール、51…支柱、52…照明器具、53…反射材。

Claims (10)

  1. トンネル内の壁面または路肩部分の第1の高さ位置に設置され、車道の少なくとも側方から配光ピークと車道の車線軸とのなす角度が20°〜40°となる車両進行方向でかつ前記第1の高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配する第1の照明手段と;
    前記トンネル内の第1の高さ位置よりも高い第2の位置に設置され、車両進行方向と車両進行方向とは逆方向とについてほぼ対称に配光する第2の照明手段と;
    を具備したことを特徴とするトンネル照明装置。
  2. トンネル内の壁面または路肩部分の路面から高さほぼ1m以下の位置に設置され、車道の少なくとも側方から配光ピークと車道の車線軸とのなす角度が20°〜40°となる車道の車両進行方向でかつ前記設置高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配する第1の照明手段と;
    前記トンネル内の路面から高さ3m以上の位置に設置され、車両の進行方向と車両の進行方向とは逆方向とについてほぼ対称に配光する第2の照明手段と;
    を具備したことを特徴とするトンネル照明装置。
  3. トンネル内の壁面または路肩部分の第1の高さ位置に設置され、車道の少なくとも側方から配光ピークと車道の車線軸とのなす角度が20°〜40°となる車道の車両進行方向でかつ前記第1の高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配する第1の照明手段と;
    前記トンネル内の第1の高さ位置よりも高い第2の位置に設置され、車両進行方向と逆方向でかつ下方に向けて光を配する第2の照明手段と;
    を具備したことを特徴とするトンネル照明装置。
  4. 請求項1乃至3いずれか1記載のトンネル照明装置において、
    前記第1の照明手段は、
    前記第1の照明手段の高さ位置よりも上方へ光を出さないような遮光手段を有することを特徴とするトンネル照明装置。
  5. 請求項4記載のトンネル照明装置において、
    前記遮光手段は、
    ピーク光度の軸とピーク光度の1/2の光度の軸が5°以内となるよう狭角に遮光する手段であることを特徴とするトンネル照明装置。
  6. 請求項1乃至3いずれか1記載のトンネル照明装置において、
    前記第1の照明手段および第2の照明手段の少なくとも一方、前記トンネル内の車道両側に配設したことを特徴とするトンネル照明装置。
  7. 車道の少なくとも一方の路側部に、前記車道の路面よりほぼ1m以下の高さの位置に設置され、前記少なくとも一方の路側部から配光ピークと車道の車線軸とのなす角度が20°〜40°となる車道の車両進行方向でかつ前記高さ位置よりも少なくとも下方に向けて主たる光を配する照明手段を具備したことを特徴とする道路照明装置。
  8. 請求項7記載の道路照明装置において、
    前記事道の路側部に設置され、前記照明手段を支持する支柱と;
    前記支柱の前記照明手段の支持位置のほぼ裏面に設けられ、後方からの光を反射する反射手段と;
    を具備したことを特徴とする道路照明装置
  9. 請求項7記載の道路照明装置において、
    前記照明手段は、
    前記車道の路側部に向けて配光する第1の光源と;
    前記車道の車線軸に対して鋭角にかつ少なくとも車道内に配光する第2の光源と;
    を具備したことを特徴とする道路照明装置。
  10. 請求項7記載の道路照明装置において、
    前記照明手段は、
    自身の位置よりも少なくとも上方へ光を出さないよう遮光する遮光手段を具備したことを特徴とする道路照明装置。
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