JP4302412B2 - 換気装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダクト等を介して室内の空気の換気を行う換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の換気装置としては、外部の手動運転スイッチの操作に従って、ファン駆動モータの運転制御が行われる連動用制御装置を備えたものがある。連動用制御装置は、外部からの連動信号を受信する受信手段と、手動運転スイッチとファン駆動モータとの間に挿入され、受信手段および手動運転スイッチの出力に応答して、連動信号または手動運転スイッチの少なくとも一方が換気装置の運転を指示するとき、ファン駆動モータが運転するように制御する制御手段を含んでいる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、換気扇の排気風量を検出するための特別な手段を用いることなく換気扇の排気風量を設定風量に維持するようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11―294811号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】
特開平8―152165号公報(第1頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の換気装置においては、制御回路を持つ連動アダプタをコネクタ間に挿入することにより、加熱調理器等の外部機器からの運転信号を受信ユニットで受信することにより、連動信号で強運転または弱運転を選択し、換気装置が連動運転を行うものである。しかしながら、別部品化による連動アダプタでの扱いは高価になるばかりでなく、室内が負圧傾向にあったり、外風等の影響で換気風量が低下するという問題点がある。また、DCブラシレスファンモータを使用し、運転回転数を設定回転数に制御することにより、換気扇の負荷量(静圧の変化)にかかわらず換気風量を設定風量に維持するようにしたものでは、強弱二モードの換気風量の設定ができず、簡便性に欠けるという問題点がある。
【0006】
本発明は、係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その課題とするところは、外部スイッチ及び電源に接続するための三接点の接続端子を有し、外部スイッチにより送風機の風量を強弱二段階に切換えることができる簡易性の高い換気装置について、その二段階の風量の双方を変更できるようにし、利便性を一層高めることであり、その換気装置の機能を拡充することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために本発明は、外部スイッチ及び電源に接続するための三接点の接続端子を有し、外部スイッチにより送風機の風量を強弱二段階に切換えることができる換気装置について、その送風機の駆動モータの回転数を制御する回転数制御手段を設け、この回転数制御手段によって外部スイッチによる強弱二段階の風量について、その各々の風量をさらに変更できるようにする手段を採用する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本実施の形態の換気装置の構成を示すブロック構成図、図2は設定部の正面図、図3は本実施の形態の送風機の駆動モータの回転数を制御する回転数制御手段の回路構成図、図4は本実施の形態の換気装置の定風量制御時の送風特性図である。図5は本実施の形態の換気装置の定風量制御解除時の送風特性図である。この換気装置1は、吸気口が室内に臨んで天井等に設けられた化粧グリルに連絡され、吹出口側がダクトを介して室外に連絡される。換気装置1の中核をなす送風機は、駆動モータ2と遠心式羽根車とファンケーシングで構成され、換気装置1の本体ケーシング内に組込まれている。駆動モータ2はDCブラシレスモータが採用され、この駆動モータ2の回転数を制御するための回転数制御手段3が本体ケーシング内に組込まれている。
【0009】
回転数制御手段3には設定部4があり、設定部4には図2に示すように回転式ボリューム5,6二つが配備されている。各回転式ボリューム5,6は、化粧グリルを外した状態で操作できるように送風機の吸込口の近傍に配設されていて、回転式ボリューム5で弱運転の風量設定を、回転式ボリューム6で強運転の風量設定を行うことができる。本実施の形態では、回転式ボリューム5の回転操作により100m/h、150m/h、200m/h、250m/h、300m/hと等差級数的で段階的な風量の設定を行うことができる。また、回転式ボリューム6の回転操作により400m/h、500m/h、600m/hと等差級数的で段階的な風量の設定を行うことができる。風量設定は、設置時の初期設定で行うものであるため、換気装置1に設定部4を配置することにより、回転数制御手段3に近接して設けることができ、簡素で安価な構成とすることができる。
【0010】
この換気装置1には、換気装置1に電源を供給するための速結端子7が設けられている。速結端子7は、従来のこの種の換気装置同様に共通のCOM8、強のH9、弱のL10の三端子により構成されている。COM8端子は、外部電線により電源の接地側に接続され、H9端子とL10端子は例えば、壁面に取付けられる外部スイッチであるコントロールスイッチ11に接続される。コントロールスイッチ11は、二接点のシーソースイッチ12と、メイン電源の入切スイッチ13とからなり、シーソースイッチ12の接点側の片側が速結端子7のL10端子に、入切スイッチ13の共通側が速結端子7のH9端子にそれぞれ接続される。入切スイッチ13とシーソースイッチ12の共通側は短絡され、入切スイッチ13の端子側は外部電線により電源の電圧側に接続される。
【0011】
こうした三端子の速結端子7を採用することにより、例えば、リホーム等で既存の換気装置を本換気装置1に取替える場合、電気配線部分やコントロールスイッチ11についてはそのまま既存のものを利用することが可能になる。なお、入切スイッチ13は、シーソースイッチ12の近傍に設置する場合には、カバー等を付けるなどして、うっかり切状態にしてしまうことのないようにすると良い。常時換気では、この意味で入切スイッチ13は、シーソースイッチ12から離れたところに設置する方が好ましい。
【0012】
通常の換気装置では、駆動モータ2はコンデンサー起動形の誘導電動機が使用されることが多く、羽根の負荷とモータ負荷特性の関係から運転回転数に制約がある。従って、換気風量の大小により換気装置1に内蔵されているシロッコファンの大きさ、即ち、本体の大きさが異なる。このため、化粧グリルの大きさも異なり、複数台設置する場合には、大きさの異なる化粧グリルが取付けられることになり、天井面等の意匠性が損なわれる。また、事務所等への適用では、入居者が変ったり、OA機器等の有無、設置台数などにより換気風量の適性化を図る必要がある。
【0013】
こうしたことに対しては、駆動モータ2をDCブラシレスモータとすることで容易に対応することができる。DCブラシレスモータは、回転数の制約がコンデンサー起動形の誘導電動機より少ないため、本体の大きさを同じにして、回転数を変えることによって風量の変更を行うことができる。本実施の形態では、弱運転については100m/h、150m/h、200m/h、250m/h、300m/hの五段階に等差級数的に設定でき、強運転については400m/h、500m/h、600m/hの三段階に等差級数的に設定することができる。
【0014】
風量設定は、二つの回転式ボリューム5,6の操作で行われ、それらの回転角度に比例して設定風量が変る。無段階の場合には、ボリュームの回転角度のわずかな違いで風量が変り、調整作業がし難い。本実施の形態では図2に示すように、回転式ボリューム5,6の回転角度が、外周に表示されている風量数値14に近い値に段階的に変る。図2においては弱運転での設定風量は250m/hであり、強運転での設定風量は500m/hとなる。このようにすることにより、希望する風量に容易に回転式ボリューム5,6を合わせることができる。風量設定は段階的であるが、通常、それほど細かな風量値の設定の必要性はないので実使用上の問題はない。また、段階式スイッチでなく回転式ボリューム5,6により段階的に風量設定ができるため、スイッチの形態にかかわらず段階数が自由に設計でき、特別なスイッチでなく大量生産されている回転式ボリューム5,6を採用することができる。
【0015】
回転数制御手段3は、図3に示すような定風量制御手段15によって定風量換気を行うことができる。図3によって示す回転数制御手段3は、換気装置1を定風量制御するものであり、交流電圧を直流電圧に変換するコンバーター部16と、DCブラシレスモータである駆動モータ2への通電を制御する演算制御部17と、駆動モータ2を駆動させるインバーター駆動部18と、回転数を検知する回転数検知手段19と、駆動モータ2の電流を検知する電流検知手段20と、風量を設定する設定部4とから構成されている。
【0016】
換気装置1はダクト等の圧力損失要素の変動にかかわらず設定部4により設定された風量で送風を行うように回転数制御手段3によって制御される。回転数制御手段3の制御動作は、回転数検知手段19により検知される駆動モータ2の回転数において駆動モータ2に通電する電流を、電流検知手段20により検知した駆動モータ2の回転数における電流値から設定部4による設定値に応じた回転数と電流値に演算制御部17により通電制御するものである。
【0017】
定風量制御の利点は、ダクト配管長さや端末部品に無関係に必要風量での換気が実施できることであり、外風等の外乱の影響も考慮する必要がないことである。通常、この種の換気装置1の羽根はシロッコファンと呼ばれる多翼ファンが使用される。同一風量で排気する場合、静圧印加につれ騒音が上昇する。この上昇の度合は概ね、10×10g(Q×Ps2.5)+Ksという式で表される。ここで、Ksは比騒音と呼ばれる、その羽根の持つ固有の値で、単位風量、単位静圧当りの騒音であるが、厳密には風量と静圧の変化につれ異なる値を示す。Qは風量、Psは静圧である。即ち、静圧の変化が最も大きく影響し、その率は風量が1乗であるのに対し、2.5乗である。
【0018】
同一風量で排気する場合、静圧印加につれ騒音がどの程度上昇するのか、図4によって説明する。弱3で風量が200m/hの場合、静圧がダクト配管長さ20mのみで外風が無い場合、静圧は20Pa程度である。この場合の騒音は30dB程度である。外風が7m/s程度印加されれば、外風による静圧は30Pa程度になるため、合計静圧は、50Paとなり、騒音は37dB程度となる。次に外風が10m/s程度印加されれば、外風による静圧は60Pa程度になるため、合計静圧は80Paとなり、騒音は41dB程度となる。さらには、外風が12m/s程度印加されれば、外風による静圧は86Pa程度になるため、合計静圧は106Paとなり、騒音は46dB程度となる。
【0019】
即ち、騒音においては、外風が無い場合は30dB程度であるのに対し、外風が12m/s程度印加されれば、46dBと一気に16dBも上昇する。ここで、高層住宅などでは通常、外風が急激に大きく変動することはなく、常に略一定の外風が吹いているため、外風変化による静圧印加の変化につれ騒音が変動することは少ない。ただし、中低層住宅では、外風が急激に大きく変動すること、即ち、外風がない状態と外風が急激に吹くときがあり、このような状態では外風による静圧印加の変化につれ騒音が変動する現象が現れる。
【0020】
この現象を解決するために、図2に示すように設定部4の回転式ボリューム6に定風量制御解除手段が21設けられている。定風量制御解除手段21の機能を働かせた場合の送風性能を図5に示す。上述の現象が生じる場合は、外風がない状態と急激に外風が吹く時の変化であるため、外風が吹いた時だけ風量が低下したとしても常時運転であることから、全体の換気風量はさほど問題はない。
【0021】
定風量制御をした場合と定風量制御を解除した場合の特性の一例を示すと、図4の定風量制御の場合において、弱3でダクト配管長さ20m、外風10m/s(静圧で60Pa程度)の場合の合計静圧は、80Paである。定風量制御においては、風量は200m/h、騒音は41dB程度である。即ち、定風量制御を解除すれば、風量は80m/h低下し、60%になるが、騒音は約11dB低下する。さらには、外風12m/s時には、定風量制御においては、風量は200m/h、騒音は46dB程度である。これに対し、定風量制御を解除した場合には、風量は100m/h、騒音は30dB程度である。つまり、定風量制御を解除すれば、風量は100m/h低下し、50%になるが、騒音は16dBも低下する。
【0022】
常に外風が吹いている高層住宅の場合には、外風の影響をなくすために定風量制御は必要である。定風量制御の解除を強の回転式ボリューム6に設けることにより、解除用のスイッチ等を別に設ける必要がなく、簡素な構成の安価な定風量制御の解除機能を付与することができる。定風量制御を解除すれば、局所換気として使用される強運転については段階的な風量設定ができなくなるが、常時換気に使用する弱運転については五段階の風量設定が可能である。図5において、例えば弱運転では、弱3でダクト配管長さ20m時に、定風量制御時の弱3(図4)と同一風量の200m/hになるように静圧―風量曲線を決定する。これにより、定風量制御の有無に関係なく弱3の設定では200m/hの排気ができる。定風量制御を行うための制御方法には、センサーを使う仕方やセンサー無しでする仕方があるが、羽根効率の低下により小風量時の高静圧域での定風量制御は、サージングの影響を考えると困難であり、小風量時に全閉圧を強運転時と同一にする必要はなく、考えられるダクト配管相当長及び外風の影響を考慮した静圧―風量曲線を決定すればよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、外部スイッチ及び電源に接続するための三接点の接続端子を有し、外部スイッチにより送風機の風量を強弱二段階に切換えることができる簡易性の高い換気装置について、その二段階の風量の双方を変更でき、利便性を高めることができ、換気装置の機能も拡充する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態の換気装置のブロック構成図である。
【図2】 実施の形態の換気装置の設定部を示す正面図である。
【図3】 実施の形態の換気装置の回転数制御手段の回路構成図である。
【図4】 実施の形態の換気装置の定風量制御時の送風特性図である。
【図5】 実施の形態の換気装置の定風量制御解除時の送風特性図である。
【符号の説明】
1 換気装置、 2 駆動モータ、 3 回転数制御手段、 5 回転式ボリューム、 6 回転式ボリューム、 7 速結端子、 11 コントロールスイッチ、 17 演算制御部、 21 定風量制御解除手段。

Claims (5)

  1. 駆動モータ、及び該駆動モータにて回転する遠心式羽根車を有する送風機と、
    三接点を有し前記送風機の風量を強弱二段階に切換える外部スイッチ及び電源が接続される接点端子と、
    前記駆動モータの回転数を制御し、前記外部スイッチによる強弱二段階の風量について、その各々の風量をさらに段階的に変更するとともに各風量について換気風量を一定風量に保つ定風量制御を行う回転数制御手段とを備え、
    前記回転数制御手段は、前記段階的な風量の設定を行うとともに前記定風量制御の解除を行う回転式ボリュームを有している
    ことを特徴とする換気装置。
  2. 請求項に記載の換気装置であって、駆動モータをDCブラシレスモータとし、風量の段階的変更値を等差級数的に設定した換気装置。
  3. 請求項1または2に記載の換気装置であって、前記定風量制御を行う定風量制御手段は、駆動モータの回転数を検知する回転数検知手段と、前記駆動モータへの通電を制御する制御手段と、前記駆動モータの通電電流を検知する電流検知手段と、風量を設定する設定手段を備え、前記回転数検知手段による駆動モータの回転数において同駆動モーターに通電する電流を、前記電流検知手段により検知した前記駆動モータの回転数における電流値から前記設定手段による設定値に応じた回転数と電流値に前記制御手段により通電制御するものである換気装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の換気装置であって、換気装置にダクトを接続するものであり、その定風量制御解除時の設定風量を、ダクト等を接続したときの定風量制御時と略同一風量とした換気装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の換気装置であって、定風量制御の静圧―風量曲線を弱運転時と強運転時の全閉静圧が異なり定風量制御による騒音上昇を抑制した換気装置。
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