JP3747549B2 - レンジフード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭の台所等の調理中に排気をするレンジフードに、調理後の微風換気機能を持たせたレンジフードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4に、レンジフードを利用する部屋全体の構成を示す。この図において、1は気密性の高い部屋で、その壁1aには、レンジフード2が取り付けられている。
また、換気扇4は窓をはさんだ反対側の壁1bに設けられている。
一方、レンジフード2の下方には、レンジコンロ5が設けられているので、調理時にはレンジコンロ5から油煙・水蒸気6が発生するため、レンジフード2にて排気する。
【0003】
また、従来のレンジフード2は図5に示すように、そのフード状の本体2aの内部に、油分を除去するフィルター14と、油煙を排出するためのモーター8に直結した静圧特性の強い遠心ファン9と、油煙等を誘導するファンケーシング10とを有し、また、本体2aの外部には、排気用ダクトと接続ためのダクト接続口11と、モーター8停止時に外気の進入を防止するシャッター12と、排気風量を調整できる操作スイッチ15と、を有している。
【0004】
上記のように構成された従来のレンジフード2においては、操作スイッチ15を操作して、遠心ファン9を回転させ、調理時に発生するレンジコンロ5からの油や水蒸気6を排気する。また、調理しない時は換気扇4を運転して部屋全体の湿気、臭気等の排気を行うが、誤って調理時に、一般的に静圧特性は弱いが大風量を送風する軸流送風機を搭載している換気扇4を運転してしまうと、特に、静圧値が低い時、即ち、外気が換気扇4に向かって吹き込まない時は、レンジコンロ5からの油や水蒸気6の一部は換気扇4に吸い込まれるため、即ち、換気扇4方向に進むため、室内を汚すことになる。
【0005】
また、外気が換気扇4に向かって吹き込んだ時は、即ち静圧値が高い時は、換気扇4の換気能力が低下するため、台所の換気が充分に行われず、湿気、臭気等が台所内に充満していた。
【0006】
また、従来のレンジフード2の操作スイッチ15を操作して最少風量にセットしても、その機能目的から、図3に示すように、このレンジフード用送風機モータの回路は、主コイル31a〜31cと、この主コイル31cに直列接続した移相用補助コイル32と、これらのコイル31、32に接続した各リード線34a〜34dと、主コイル31aから移相用補助コイル32までの回路と並列に接続されたコンデンサー33とから構成されており、また、各リード34a〜34dが接続したコネクター36の先端には、接続用の端子が設けられ、この設けられた端子には操作スイッチ15が接続され、この操作スイッチ15に接続したリード線と主コイル31aに接続したリード線34aとの間に電圧が架かるように、電源が接続されている。
また、主コイル31のリード線34bとグランド間には、抵抗27が接続されている。
【0007】
従って、操作スイッチ15を操作することにより、主コイルと補助コイルとの巻線比が変わるため、モータの回転数が変わり、羽根の回転数が変わるので、送風量が変わる。
なお、この構成で、送風量を低く押さえようとしてモーターの回転数をより低くするために、主コイルと補助コイルとの巻線比を更に大きくしようとすると、主コイルの巻線数を多くしなければならないため、即ち巻線長さが長くなるため、線輪容量が大きくなりモーターが大きくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したとおり、従来のレンジフードでは、換気機能を有していないため、換気扇が必要であったり、また、外気の風向が換気扇の換気能力を低下させていない調理時には煙や水蒸気の一部が換気扇の方向に向かうため、それにより室内を汚染したり、腐蝕などによって室内を傷めたりする。
また、外気の風向きによって、換気扇の換気送風量が低下するため、湿気、臭気が排出され難いという問題があった。
また、住宅の高層化・高気密化とともに、換気扇の換気能力が高い時は、一部分から集中的にすき間風を呼びこんで足元を寒くしたり、また室内外圧力差が大きくなるため、ドアや窓を開けにくくする等の問題点があった。
また、換気扇による大風量換気では、消費電力が多くなり、経済的でないという問題があった。
【0009】
また、従来のレンジフードに、住宅の高気密化を考慮して微風換気機能を持たせようとした時、主コイルの巻線数を多くしなければならないので、モーターが大きくなり、レンジフードが大きくなるという問題があった。
また、主コイルと補助コイルとの巻線比を大きくしなければならないため、モータの磁気音が高くなり、レンジフードから不快な音が出るという問題があった。
【0010】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、住宅の高層化・高気密化に対応して室内を常に快適に維持しながら、多機能化された経済的で信頼性の高いレンジフードを提供することを目的とする。
【0011】
また、モータの主コイルと補助コイルとの巻線数を変えることなく、既存のレンジフードにも利用できるモータの磁気音を低く抑えた使い勝手が良く、信頼性の高いレンジフードの送風機回路部を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
電源スイッチで運転・停止する交流誘導式のモータで駆動される遠心送風機を有するレンジフードにおいて、前記遠心送風機の回転数をそのモータの主巻線と補助巻線の巻線比率を操作して制御する操作スイッチ部と、前記電源スイッチがONのときで前記操作スイッチ部がOFFの時、前記操作スイッチ部が制御する回転数よりも更に低い回転数で前記遠心送風機を駆動させる送風機制御装置と、この送風機制御装置が動作したとき、点灯する微風換気表示ランプと、を備えたものである。
【0015】
また、前記送風機制御装置が、前記遠心送風機のモータの補助コイルのエンドと接続され、電源電圧を降下させる抵抗部と、この抵抗部と直列に接続され、前記電源電圧を入り切りするリレーと、を具備し、前記リレーの磁励コイルの一方が前記操作スイッチ部の接点の負荷側端子に接続され、他方が電源端子に接続され、前記電源電圧が架かるようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図2は、本実施の形態1におけるレンジフードの構成図であり、この図において20はレンジフードであり、このレンジフード20は、従来技術の図5で説明した2a、8a、9、10、11、12及び14の他に、送風機制御装置16と、電源スイッチ17と、微風換気表示ランプ18が組み込まれている。
なお、送風機制御装置16は通常レンジフード運転風量(接点15bON時の風量)の約10%にした微風換気モード運転を行うもので、微風換気時風量、即ち微風換気時の遠心ファンの回転数を決定するファンモータの抵抗22、及びファンモータの抵抗22と直列に接続されたリレー23を有し、本体2a内部のフィルター14の内側の風下側に設けられている。
また、電源スイッチ17は電源をOFFしてモーターを停止させるもので、制御回路部16近傍に設けられている。
また、微風換気表示ランプ18は微風換気モード運転時に点灯し、換気していることを知らせるもので、レンジフード本体2aの前面に設けられている。
【0017】
また、図1は実施の形態1における制御回路部16の回路構成図である。
この図に示されるように、コネクター38は電源コードを接続するもので、コネクター38には交流電源をON、OFFする電源スイッチ17が接続されており、また、リレー23は遠心ファンモーターの抵抗22へ電源を供給したり、しなかったりするもので、その接続接点端子の一方23bは抵抗22に接続し、他方は電源スイッチ17と接続している。
また、遠心ファンモーターの抵抗22は、図3に示したように、交流誘導式のモーター8の補助コイル32のエンドと配線により25部分で接続され、微風換気運転時、即ち、操作スイッチ15の各接点OFF時におけるモーター供給電圧を制限するものである。
【0018】
また、微風換気表示ランプ18は清掃時等における電源スイッチ17の切り忘れを防ぐために、レンジフード本体2a前面の見易い場所に取り付けられ、換気運転中であることを知らせるために、リレー23回路と並列に接続されている。また、操作スイッチ15は、その各スイッチ接点端子(15a〜15c)の一方は電源スイッチ17と、また他方はモータの各コイル端子(34d〜34b)と接続されていると共に、リレー23の磁励コイルと接続されている。また、このスイッチ15を操作することにより、接点15a〜15cのいずれか1つが接続されるか、あるいは、いずれも接続されないかの4段階の操作ができるようになっている。
なお、操作スイッチ15に接続したリード線と主コイル31aに接続したリード線34aとの間に電圧が架かるように、電源スイッチ17を介して電源に接続されている。
【0019】
次に、上記の構成における動作について説明する。
電源スイッチ17が投入され、操作スイッチ15が操作され、全ての接点15a〜15cの接続が離れるように操作されると、リレー23の磁励コイル21に電圧が架からなくなるため、リレー23の逆接点23が閉じ、接続されるので、主コイル31から移相用補助コイル32を介したファンモーター抵抗22間に電圧が架かるため、ファンモータは駆動(回転)する。
なお、この時、回転数に寄与する主コイル31から移相用補助コイル32までの間に架かる電圧は、電源電圧からファンモーター抵抗22で消費された電圧を引いた電圧となる。即ち、通常レンジフード運転風量の約10%に相当した風量を出力する回転数を維持する電圧になる。
なお、この時、リレー23の接点回路と並列に接続された微風運転確認ランプ24にも、電圧が架かるので、点灯する。
【0020】
次に、操作スイッチ15が操作され、接点15a〜15cのいずれかが接続されると、リレー23の磁励コイル21に電圧が架かるため、リレー23の逆接点23が開いて、接続されなくなるので、微風換気運転モードは解除され、通常のレンジフード運転のいずれかになる。
また、この時、リレー23の接点回路と並列に接続された微風換気表示ランプ24にも、電圧が架からなくなるので、消灯する。
【0021】
なお、以上の説明では、操作スイッチ15が4段階の操作で構成されている時の説明をしたが、2段階の操作、即ち、操作スイッチ15の接点が1つで、その接点がONの時はレンジフード運転、OFFの時は微風換気運転になるものでも良い。
【0022】
また、清掃時等において、送風機の駆動を停止しなければならない時には、特に、送風機の駆動有無が判別しにくい微風換気において、微風換気表示ランプ18を点灯させ、電源スイッチ17の切り忘れを防いでいる。
なお、微風換気表示ランプ18とは別に、電源スイッチ17に電源ランプ(図示せず)を並列に設け、表示するようにしても良い。
【0023】
上記送風機制御装置を前述のように構成にしたので、モータの磁気音が低く、静かな微風換気運転をさせるレンジフードの送風機制御装置が得られる。
また、この送風機制御装置は、既存のレンジフードの遠心送風機にも、モーターを分解することなく、簡単に取り付けられるので、使い勝手の良いレンジフードの送風機制御装置が得られる。
【0024】
以上説明したように本発明のレンジフードは、調理中には操作スイッチ15を操作して、その調理に必要な排気風量で運転し、調理が終わって操作スイッチ15をOFFすると、微風換気運転になり、しかも、この換気運転は静圧特性の良い遠心送風機で微風換気を実施しているので、特に、住宅の高層化・高気密化に対応して室内を常に快適に維持しながら、多機能化された経済的で信頼性の高いレンジフードが得られる。
【0025】
また、微風運転中は微風換気表示ランプが点灯して運転中であることが目で容易に確認できるようにしているので、サービス時の安全性が確保され、信頼性が高く、使い勝手の良いレンジフードが得られる。
【0026】
また、電源スイッチを設けたので、清掃時等に電源スイッチを切ることにより、サービス時の安全性が更に確実に確保され、信頼性が高く、使い勝手の良いレンジフードが得られる。
【0027】
【発明の効果】
本発明においては、以上説明したように構成されているので、以下のような効果を奏する。
【0028】
以上説明したように本発明のレンジフードは、調理中には操作スイッチ15を操作して、その調理に必要な排気風量で運転し、調理が終わって操作スイッチ15をOFFすると、微風換気運転になり、しかも、この換気運転は静圧特性の良い遠心送風機で微風換気を実施しているので、特に、住宅の高層化・高気密化に対応して室内を常に快適に維持しながら、多機能化された経済的で信頼性の高いレンジフードが得られる。そして、微風運転中は微風換気表示ランプが点灯して運転中であることが目で容易に確認できるようにしているので、サービス時の安全性が確保され、信頼性が高く、電源スイッチで運転・停止されるので使い勝手も良い。
【0032】
また、送風機制御装置は、遠心送風機のモータの補助コイルのエンドと接続され、電源電圧を降下させる抵抗部と、この抵抗部と直列に接続され、前記電源電圧を入り切りするリレーとで構成したので、モータの磁気音を低くし、また、既存のレンジフードの遠心送風機にも、モーターを分解することなく、簡単に取り付けられる使い勝手の良いレンジフードが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるレンジフードの送風機の回転数を制御するレンジフードの送風機制御回路図である。
【図2】 この発明の実施の形態1におけるレンジフードの構成図である。
【図3】 従来のレンジフードの送風機の回転数を制御するレンジフードの送風機制御回路図である。
【図4】 従来の台所に設置されたレンジフードと換気扇の概略配置図である。
【図5】 従来のレンジフードの構成図である。
【符号の説明】
1 室 、 4 換気扇、 5 レンジコンロ、 8 モーター、 10 ファンケーシング、 15 操作スイッチ、 15a〜c 接点、 16送風機制御装置、 17 電源スイッチ、 18 微風換気表示ランプ、 21リレーの磁励コイル、 2、20 レンジフード、 22、27 抵抗、 23 リレー。
Claims (2)
- 電源スイッチで運転・停止する交流誘導式のモータで駆動される遠心送風機を有するレンジフードにおいて、前記遠心送風機の回転数をそのモータの主巻線と補助巻線の巻線比率を操作して制御する操作スイッチ部と、前記電源スイッチがONのときで前記操作スイッチ部がOFFの時、前記操作スイッチ部が制御する回転数よりも更に低い回転数で前記遠心送風機を駆動させる送風機制御装置と、この送風機制御装置が動作したとき、点灯する微風換気表示ランプと、を備えたことを特徴とするレンジフード。
- 請求項1に記載のレンジフードであって、前記送風機制御装置が、前記遠心送風機のモータの補助コイルのエンドと接続され、電源電圧を降下させる抵抗部と、この抵抗部と直列に接続され、前記電源電圧を入り切りするリレーと、を具備し、前記リレーの磁励コイルの一方が前記操作スイッチ部の接点の負荷側端子に接続され、他方が電源端子に接続され、前記電源電圧が架かるように構成したことを特徴とするレンジフード。
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1997
- 1997-02-18 JP JP03392797A patent/JP3747549B2/ja not_active Expired - Fee Related
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