JP5506096B2 - 送風装置 - Google Patents
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Description
例えば、送風装置を用いることで建物内の空気を屋外に排気すると共に、屋外の空気を建物内に給気することで建物内を換気したり、送風装置を用いることで調理時に発生した油煙などを捕集して屋外に排気している。
しかしながら、近年の建築事情の変化により前記送風装置を用いた換気装置、レンジフードにおいては、次のような問題が発生していた。
このため、外風による排気抵抗が大きい建物、空気流通経路の圧力損失が大きい建物でも目標とする風量を確保できるように送風装置を設計すると、外風による排気抵抗が小さい建物、空気流通経路の圧力損失が小さい建物に、前記送風装置を設置した際には、風量が目標値以上に多く、エネルギーを無駄に消費してしまう。また、そのために送風装置の運転音が大きいなどの問題が生じている。
しかも、電流値センサが必要であり、その分高価なものとなってしまう。
前記モータ制御ユニット2は、前記DCモータ12に所定の値の直流電圧を供給して駆動しているときに、そのDCモータ12の実際のモータ回転速度が設定回転速度以上のときに、前記DCモータ12に供給する直流電圧の値を増加し、その状態で実際のモータ回転速度が設定回転速度以下のときにDCモータ12に供給する直流電圧を元の値とするようにしたことを特徴とする送風装置である。
前記DCモータ12の実際のモータ回転速度N0を検出する回転速度検出手段25を設け、
前記モータ制御ユニット2は、第1の速度指令電圧V1、第2の速度指令電圧V2及び、第1の設定回転速度N1、第2の設定回転速度N3がそれぞれ設定され、前記第1の速度指令電圧V1で駆動しているときに、実際のモータ回転速度N0が第1の設定回転速度N1以上のときには、前記DCモータ12に供給する直流電圧値を第1の速度指令電圧V1から第2の速度指令電圧V2としてDCモータ12のモータ出力を増大し、前記第2の速度指令電圧V2で駆動しているときに、実際のモータ回転速度N0が第2の設定回転速度N3以下のときには、前記DCモータ12に供給する直流電圧値を第2の速度指令電圧V2から第1の速度指令電圧V1としてDCモータ12のモータ出力を減少するようにしたことを特徴とする送風装置である。
前記演算部23は、第1の速度指令電圧V1を出力しているときには、実際のモータ回転速度N0と第1の設定回転速度N1を比較し、N0≧N1のときに第2の速度指令電圧V2をモータコントロール部22に出力し、第2の速度指令電圧V2を出力しているときには、実際のモータ回転速度N0と第2の設定回転速度N3を比較し、N0≦N3のときに第1の速度指令電圧V1をモータコントロール部22に出力し、
前記モータコントロール部22は、第1の速度指令電圧V1が入力されたときには駆動部21を制御して駆動コイル12aに供給する直流電圧の値を第1の速度指令電圧V1とし、第2の速度指令電圧V2が入力されたときには駆動部21を制御して駆動コイル12aに供給する直流電圧の値を第2の速度指令電圧V2とするようにできる。
したがって、空気流通経路の圧力損失の異なる建物や、外風による排気抵抗が異なる建物に設置しても、目標の風量を確保できる。
したがって、風量の出しすぎによる無駄なエネルギーの消費や、運転音の増大を防ぐことができる。
前記送風機1は、ファンケーシング10内に設けた遠心ファン11をDCモータ12で回転駆動することで、ファンケーシング10の吸込口13から空気を吸い込み、吐出口14から吐出する。
前記遠心ファン11としてはシロッコファンを用い、DCモータ12としては三相ブラシレスDCサーボモータを用いているが、これに限ることはない。
前記送風機1の吸込口13をフード内部に連通すると共に、吐出口14にダクトを接続することで、調理時に発生した油煙などをフード内に捕集し、ダクトを通して屋外に排気するようにしてレンジフードとする。この場合、ダクトが空気流通経路(排気経路)である。
また、送風機1の吸込口13を建物内に連通し、吐出口14をダクトで屋外に連通して建物内の空気を屋外に排気する換気装置としたり、送風機1の吸込口13をダクトで屋外に連通し、吐出口14を建物内に連通して屋外の空気を建物内に給気する換気装置とする。この場合、ダクトが空気流通経路(排気経路、給気経路)である。
具体的には、静圧が大きくなると風量が減り、モータ回転速度は上がる。静圧が小さくなると風量が増え、モータ回転速度は下がる。
前記静圧は、前述の空気流通経路の圧力損失、外風による排気抵抗が大きくなれば大きくなり、小さくなれば小さくなる。
モータ制御ユニット2は、前記DCモータ12に所定の値の直流電圧を供給する。
これによって、送風機1は駆動し、その静圧と風量が所定のP−Q曲線に沿って変化する。
このとき、モータ制御ユニット2は、DCモータ12の実際のモータ回転速度と設定した回転速度を比較している。
この状態で、静圧が大きくなり、そのDCモータ12の実際のモータ回転速度が、設定した回転速度以上のときに、モータ制御ユニット2は、そのDCモータ12に供給する直流電圧の値を増加する。
しかも、モータ制御ユニット2を、DCモータ12の実際のモータ回転速度が設定した回転速度以上、以下のときに、DCモータ12に供給する直流電圧の値を増加、減少するようにしただけであるので、簡易で、製造コストが安い送風装置である。
これによって、増加した値の直流電圧で駆動している状態で、静圧の変化が僅かなときのDCモータ12の実際のモータ回転速度の変化ではDCモータ12に供給する直流電圧の値が変化しないようにできるので、送風機の運転の切り替え(直流電圧の切り替え)が頻繁にならないから、使用者に不快感を与えることがない。
これによって、静圧が大きくなったときでも目標の風量を得ることができる。
前記モータ制御ユニット2は、図2に示すように、交流電圧を直流電圧に変換する整流部20、この直流電圧をDCモータ12の駆動コイル12aに供給してDCモータ12を駆動する駆動部21、この駆動部21を制御してDCモータ12に供給する直流電圧の値を増減するモータコントロール部22、このモータコントロール部22に速度指令電圧を出力する演算部(マイクロコンピュータ)23、この演算部23に起動、停止等の送風機動作指令を出力する操作部24を備えている。
前記回転速度検出手段25は、DCモータ12の回転子(電機子)12bの回転を位置検出手段(ホールセンサ)12cで検出することでモータ回転速度を検出するものである。このモータ回転速度は遠心ファン11の回転速度である。
例えば、前記操作部24は起動釦24aを有し、この起動釦24aを操作することで、起動信号を演算部23に出力する。
前記演算部23の第1電圧設定部23aには、第1の速度指令電圧V1があらかじめ設定してある。
この第1の速度指令電圧V1は、送風機1のP−Q曲線が、目標とする風量が得られるのに好ましいP−Q曲線となるように設定する。
つまり、送風機1のP−Q曲線は、送風機1固有の性能と速度指令電圧で決まる。
例えば、図3に示す第1のP−Q曲線(a)に沿って静圧の大きさに従って風量が変化する。回転速度は図3に示す第1の速度曲線(c)に沿って変化する。
以上の説明で、静圧は空気流通経路の圧力損失、外風による排気抵抗の大きさに対応するものである。
このために、目標とする風量QをQ1とすると、第1のP−Q曲線(a)のA点でマッチングし、静圧Pが第1の静圧P1よりも大きくなると目標とする風量Q1が得られない。
このときの回転速度はN1で、第1の設定回転速度N1として演算部23の第1回転速度設定部23bに設定する。
前記演算部23は、第1の速度指令電圧V1を出力していることにより、実際のモータ回転速度N0と第1の設定回転速度N1を比較し、実際のモータ回転速度N0が第1の設定回転速度N1以上となったときには静圧が第1の静圧P1以上になったので、演算部23は、その第2電圧設定部23cに設定された第2の速度指令電圧V2をモータコントロール部22に出力する。
第2の速度指令電圧V2は第1の速度電圧V1を増加した値(V1<V2)である。
これによって、DCモータ12のモータ出力が増大し、送風機1のP−Q曲線は、図3に示すように、第2のP−Q曲線(b)になるので、その第2のP−Q曲線(b)のB点に移り、第1の風量Q2が送風機1の風量となるから、第1の静圧P1以上のときにも目標の風量Q1(Q1<Q2)を確保できる。回転速度は図3に示す第2の速度曲線(d)に沿って変化する。
このときのモータ回転速度、つまり第2の速度指令電圧V2に切り替えた時のモータ回転速度は第1の回転速度N2である。
そして、静圧Pが第1の静圧P1よりも小さくなって実際の回転速度N0が前述の第1の回転速度N2以下となった場合、例えば静圧が第2の静圧P2(P1>P2)よりも小さくなり、実際の回転速度N0が前記演算部23の第2回転速度設定部23dに設定した第2の設定回転速度N3以下となった場合には、送風機1の風量Qは第2のP−Q曲線(b)とのマッチング点Cに見合う第2の風量Q3となる。
この第2の風量Q3は、前述した目標の風量Q1よりも多く、送風機1は風量を出しすぎで、無駄にエネルギー(電力)を消費すると共に、運転音が増大する。
前記モータコントロール部22は駆動部21を制御し、DCモータ12の駆動コイル12aに第1の速度指令電圧V1を供給し、DCモータ12のモータ出力が減少して風量は減少する。例えば、送風機1のP−Q曲線を前述の第1のP−Q曲線(a)とする。
すなわち、前述の第1の回転速度N2と第2の設定回転速度N3が同じか近い値であると、前述した排気抵抗、圧力損失の少量の変化で実際のモータ回転速度V0が前述の第2設定回転速度N3に至ってしまい、そのたびに速度指令電圧を可変させるため、送風機1の運転の切り替えが頻繁に行われ、切り替え時の騒音が出ることにより使用者に不快感を与えるが、本発明のようにすれば、使用者の不快感を解消することができる。
このようであるから、静圧が小さいときの風量を減じることができる。
前記演算部23は停止信号が入力されると、速度指令電圧の出力を中止し、DCモータ12の駆動コイル12aに直流電圧を駆動しないようにして停止する。
Claims (5)
- DCモータ12で遠心ファン11を回転する送風機1と、そのDCモータ12を制御するモータ制御ユニット2を備えた送風装置であって、
前記モータ制御ユニット2は、前記DCモータ12に所定の値の直流電圧を供給して駆動しているときに、そのDCモータ12の実際のモータ回転速度が設定回転速度以上のときに、前記DCモータ12に供給する直流電圧の値を増加し、その状態で実際のモータ回転速度が設定回転速度以下のときにDCモータ12に供給する直流電圧を元の値とするようにしたことを特徴とする送風装置。 - 前記DCモータ12に供給する直流電圧の値を増加したときの実際の回転速度よりも、元の値とするときの設定回転速度を遅くした請求項1記載の送風装置。
- DCモータ12で遠心ファン11を回転する送風機1と、このDCモータ12を制御するモータ制御ユニット2を備えた送風装置であって、
前記DCモータ12の実際のモータ回転速度N0を検出する回転速度検出手段25を設け、
前記モータ制御ユニット2は、第1の速度指令電圧V1、第2の速度指令電圧V2及び、第1の設定回転速度N1、第2の設定回転速度N3がそれぞれ設定され、前記第1の速度指令電圧V1で駆動しているときに、実際のモータ回転速度N0が第1の設定回転速度N1以上のときには、前記DCモータ12に供給する直流電圧値を第1の速度指令電圧V1から第2の速度指令電圧V2としてDCモータ12のモータ出力を増大し、前記第2の速度指令電圧V2で駆動しているときに、実際のモータ回転速度N0が第2の設定回転速度N3以下のときには、前記DCモータ12に供給する直流電圧値を第2の速度指令電圧V2から第1の速度指令電圧V1としてDCモータ12のモータ出力を減少するようにしたことを特徴とする送風装置。 - 前記第2の速度指令電圧V2に切り替えた時の実際の回転速度N2よりも第2の設定回転速度N3を遅くした請求項3記載の送風装置。
- 前記モータ制御ユニット2は、DCモータ12の駆動コイル12aに直流電圧を供給する駆動部21と、この駆動部21を制御するモータコントロール部22と、このモータコントロール部22に第1の速度指令電圧V1、第2の速度指令電圧V2を出力する演算部23と、この演算部23に送風機動作指令を出力する操作部24を備え、
前記演算部23は、第1の速度指令電圧V1を出力しているときには、実際のモータ回転速度N0と第1の設定回転速度N1を比較し、N0≧N1のときに第2の速度指令電圧V2をモータコントロール部22に出力し、第2の速度指令電圧V2を出力しているときには、実際のモータ回転速度N0と第2の設定回転速度N3を比較し、N0≦N3のときに第1の速度指令電圧V1をモータコントロール部22に出力し、
前記モータコントロール部22は、第1の速度指令電圧V1が入力されたときには駆動部21を制御して駆動コイル12aに供給する直流電圧の値を第1の速度指令電圧V1とし、第2の速度指令電圧V2が入力されたときには駆動部21を制御して駆動コイル12aに供給する直流電圧の値を第2の速度指令電圧V2とする請求項3又は4記載の送風装置。
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