JP4302303B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、深さ方向にガイドトラック層と複数の記録層とを有する情報記録媒体に対して情報の記録および/または再生を行う情報記録再生装置の光ピックアッブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の光ピックアップ装置としては、異なる二つの厚みの光ディスクの再生を可能するものが提案されている(例えば特開平10−134400号公報参照)。この従来の光ピックアップ装置は、光ディスクの厚みの違いに合わせ、コリメータレンズを光軸方向駆動させることにより収束度、発散度を調整し、収差を打ち消すようにしたものである。
【0003】
また、他の従来の光ピックアップ装置としては、少なくとも2個の記録面とガイド面を備えた光記録媒体に光学的に情報を書き込み、読取り、あるいは消去できるものが提案されている(例えば特開平4−301226号公報参照)。この従来の他の光ピックアップ装置は、対物レンズに近い側にガイドトラック層を、対物レンズから離れる側に複数の記録層を有する情報記録媒体に対し、ガイド用光源と記録再生用の走査用光源とを用いて情報の記録/再生を行うもので、ガイド用光源からのガイドビームはガイド用コリメータレンズで平行光束に変換した後、ビーム結合素子、ガルバノミラーおよび対物レンズを経て情報記録媒体のガイドトラック層に集光させている。
【0004】
また、走査用光源からの走査ビームは、走査用コリメータレンズで平行光束に変換した後、光軸方向偏移器により収束度、発散度を調整して上記ビーム結合素子でガイドビームと結合し、上記ガルバノミラーおよび対物レンズを経て情報記録媒体の所望の深さの記録層に集光させるようにしている。
【0005】
このようにして、情報の記録においては、ガイドビームをガイドトラック層に集光させ、その戻り光に基づいてフォーカス制御およびトラッキング制御を行うととともに、対物レンズに入射する走査ビームの平行度を光軸方向偏移器で制御しながら、走査ビームを所望の深さの記録層に集光させて情報を記録し、また所望の深さの記録層に記録されている情報の再生や消去においては、走査ビームを所望の深さの記録層に集光させ、その戻り光に基づいてフォーカス制御およびトラッキング制御を行いながら、情報を再生あるいは消去するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の二つの光ピックアップ装置にあつては、対物レンズに入射するビームの平行度をコリメータレンズまたは光軸方向偏移器で制御するため、対物レンズヘ入射する光は発散光や収集光となり、半導体レーザの拡がり角の取り込み範囲が変わってしまっていた。
【0007】
このため、記録層により対物レンズの瞳径aと、この対物レンズへ入つてくる光ビームのガウス分布のとりこみ範囲(1/e2となる強度で定義した径w)との比率a/wが変わってしまうため、記録層によりスポット径が変わってしまい、例えばグルーブによるトラックエラーの変調度は、スポット径の変動により大きな変動を受けてしまう欠点があった。
【0008】
同様に、記録媒体から信号を読取りの方においても、上述した現象が発生するという欠点があった。
【0009】
このような理由から、安定したトラックサーボができず、また、情報信号の記録再生ができないという不具合があった。
【0010】
(発明の目的)
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、情報記録媒体ディスクの厚みの変動や多層記録による記録層移動を行うことによる回折スポット径の変動を小さく押さえ、安定したトラックサーボや情報信号の記録再生を可能とする光ピックアップ装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の光ピックアップ装置は、記録層を持つ記録媒体と、レーザ光を発射する半導体レーザ光源と、前記レーザ光について前記記録媒体の記録層内で焦点を結ばせる対物レンズと、前記対物レンズを少なくともフォーカス方向に駆動するアクチュエータと、前記対物レンズと光源の間に設けた光軸方向変移器と、前記光軸方向変移器の変移を検出する変移検出手段とを備え、前記光軸方向変移器を可動しディスク厚の異なる上記記録媒体に焦点を結ぶことにより信号の記録再生を行う情報記録再生装置において、対物レンズの瞳径をaとし、対物レンズに入ってくるレーザ光の1/e2となる強度の取り込み範囲をwとしたときに、前記光軸方向変移器の最大可動範囲をa/wが0.8以下の範囲に設定したことを特徴とする。
【0012】
したがって、第1の光ピックアップ装置によれば、ディスク厚の変動や多層記録による記録層移動を行うことによる回折スポット径の変動を、前記光軸方向変移器の最大可動範囲をa/wが0.8以下の範囲に設定したことにより、小さく押さえることができ、安定したトラックサーボや情報信号の記録再生ができることになる。
【0013】
本発明の第2の光ピックアップ装置は、第1の光ピックアップ装置において、半導体レーザ光源の拡がり角の違いを補正するビーム整形手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
【0016】
[第1の実施の形態]
図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態に係り、以下第1の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系の全体を示す概略構成図である。図2は、同第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系の要部を示す垂直方向断面図である。図3は、同第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置で使用するPINフォトダイオードからの信号とコリメータレンズ移動量との関係を示す特性図である。
【0017】
これらの図において、情報記録媒体1は、複数の記録層2と、記録層2の両面にそれぞれ設けられた保護層3からなる。前記記録層2は、それぞれの記録層にグループを有するガイドトラックと、例えば相変化記録と同じ記録/再生のための記録媒質4とを有する。この実施の形態では、かかる情報記録媒体1の記録媒質4にレーザ光を照射し、フォーカス制御、トランキング制御を行いながら、所望の記録層2に対して情報の記録/再生を行う。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態での光ピックアップ装置では、半導体レーザ光源11からレーザ光10が発散光として出射する。このレーザ光10は、シリンドリカルレンズ12を透過し、後述する記録媒体1からの反射光束を記録/再生及びサーボ信号を生成する光路へ導くための偏光ビームスプリッタ13を透過する。次にレーザ光10は、アクチュエータ15で保持されたコリメートレンズ14を透過し、透過後に略平行となる。次に、ビームスプリッタ16と1/4波長板17は一体に構成され、このビームスプリッタ16で一部を反射し、コリメートレンズ14からの平行度を検出する光学系へ導く。一方、ビームスプリッタ16を透過したレーザ光10は、1/4波長板を透過して対物レンズ18により情報記録媒体1の記録層2へ集光する。記録層2から反射したレーザ光10は、対物レンズ10で再度平行ビームとなり、1/4波長板17、ビームスプリッタ16、コリメータ14を透過後、偏光ビームスプリッタ13で反射される。反射後のレーザ光10は、シリンドリカルレンズ21で集光される記録媒体からの光束を記録/再生及びサーボ用の電気信号に変換するPINフォトダイオード22上に集光する。
【0019】
一方、偏光ビームスプリッタ16で一部反射したレーザ光10は、臨海角プリズム19へ入り、この反射光を電気信号へ変換するPINフォトダイオード22を備えている。
【0020】
また、少なくとも対物レンズ18は図示しないボイスモータ付きの可動部にのっており、情報記録媒体1の半径方向に移動可能となっており、移動部位の軽量化により光速シークを可能としている。
【0021】
以下、作用の詳細を説明する。
半導体レーザ光源11からのレーザ光10は、その構造上、断面が楕円なレーザ光10を出射する。その楕円の短軸方向に直線偏光をしている。また、一般に、上記楕円の短軸方向の拡がり角はたとえば9度前後、長軸方向の拡がり角は20度前後である。図1において偏光面は紙面と水平方向である。
【0022】
このレーザ光10は、シリンドリカルレンズ12を透過することで楕円強度分布をほぼ円の強度分布へ変換する。すなわち、このシリンドリカルレンズ12は、紙面方向のみの光線を凸レンズ機能により拡げ、一方紙面方向と垂直方向はパワーをもたせず、そのまま透過させる構成となっている。図2は、この部分について、図1の垂直方向の断面を示す図である。
【0023】
次にレーザ光10は、P偏光100%透過、S偏光100%反射の特性を持つ偏光ビームスプリッタ13の入射面にP偏光で入り、この面をほぼ100%透過していく。続いてレーザ光10は、アクチュエータ15で保持されたコリメータレンズ14を透過し、略平行光となる。この時情報記録媒体1の記録層2において、図示した中央の記録層に集光するようにする。
【0024】
続いてレーザ光10は、P偏光70%透過、S偏光70%反射の特性を持つ偏光ビームスプリッタ16の入射面にP偏光で入り70%が透過し、30%が反射する。
【0025】
偏光ビームスプリッタ16を透過したレーザ光10は、1/4波長板を透過した円偏光となり、対物レンズ18により、情報記録媒体1の所望の記録層2の情報トラック上に集光させる。
【0026】
一方、偏光ビームスプリッタ16を反射したレーザ光10は、P偏光で臨海角プリズム19を反射し、光検出器20で受光される。光検出器20は、2分割フォトダイオードからなり、半導体レーザ光源11からの光量を検出する。光検出器20の和信号を対物レンズ18から出射されるレーザ光10の光量の光量制御を行うために使用するとともに、差信号をコリメートレンズ14の位置制御に使用する。
【0027】
また、情報記録媒体1で反射された反射レーザ光は、往路とは、逆の経路をたどって、対物レンズ18、1/4波長板17を透過する。この反射レーザ光は、往路と復路とで1/4波長板17を2回透過するのでS偏光状態となり,偏光ビームスプリッタ16を、例えばTs≧70[%]として透過させる。この偏光ビームスプリッタ16を透過した反射レーザ光は、コリメータレンズ14を経て偏光ビームスプリッタ13に入射する。このビームスプリッタ13に入射された反射レーザ光は、偏光ビームスプリッタ13の反射面で反射される。この偏光ビームスプリッタ13で反射される反射レーザ光は、シリンドリカルレンズ20を通つて、PINフォトダイオード22に集光される。このPINフォトダイオード22で集光された反射レーザ光は電気信号に変換されて信号処理回路に送られる。
【0028】
この信号処理回路では、PINフォトダイオード22からの電気信号を基に、公知の非点収差法によリフォーカスエラー信号を出力し、記録層2にあらかじめ付けられたトラッキング用のグループにより、トラックエラー信号を出力する。一方、情報記録媒体1の所望の記録層2(図1の深い層、中央の層、浅い層)に記録されている情報信号を出力する。
【0029】
ところで、本発明に係る光ピックアップ装置では、光軸方向変換器であるコリメータレンズ14は、アクチュエータ15により光軸方向に駆動可能になっており、記録層2,2,…を移動するとき情報記録媒体1のディスク厚、すなわち情報記録媒体1のディスク表面から集光点までの厚さが変わるため、記録層2から合わせてコリメータレンズ14の位置を変え、球面収差を補正している。
【0030】
すなわち、深い記録層を記録再生する場合は、記録層の厚さが暑くなるため記録層2に集光したスポットにはオーバー側の球面収差が発生する。この収差を補正するため、アクチュエータ15によりコリメートレンズ14を半導体レーザ光源11側に近づけてコリメートレンズ14からのレーザ光10を発散光とし、対物レンズ18に発散光を入れてアンダー側の球面収差を発生させる。これにより対物レンズ18を透過し記録層2に集光したスポットは、球面収差をキャンセルした良好なスポットをつくる。浅い層を記録再生する場合は、逆にコリメートレンズ14を半導体レーザ光源11から遠ざけて、レーザ光10を収束光束とする。
【0031】
レーザ光10を集光してできる情報記録媒体1のディスク内のスポットは、対物レンズ18を対物レンズ駆動手段により情報記録媒体1のディスクに対してフォーカス方向および可動ユニットをボイスコイルモーターによりトラッキング方向(ディスク半径方向)に駆動して相対位置を制御している。
【0032】
また、コリメータレンズ14の位置制御や、レーザ光10の光量制御は臨界角プリズム19および光検出器20aを用いた臨界角法により行っている。
【0033】
さらに、コリメータレンズ14が移動するとき、レーザ光10の平行度が変化して収束または発散する。したがって、光検出器20aの2分割フォトダイオードの差をとり差信号を得ることにより、図3に示す特性の位置制御信号Dが得られる。この位置制御信号Dを用いて、コリメータレンズ14の位置制御を行えばよい。
【0034】
また、コリメータレンズ14を移動させることにより平行度の変化が生じると、対物レンズ18上でケラレが生じるため、光量変化が生じる。この場合、臨界角プリズム19がない場合、光検出器20aで受光する光量は、対物レンズ出射の光量変化に関係なくほぼ一定のため、正確な光量制御ができなくなる。
【0035】
そこで、臨界角プリズム19による臨界角法を用いた場合、平行度の変化を検知できるので、これを使用して光量制御を行えばよい。すなわち、図3に示すように、上記エラー信号を基に、コリメータレンンズ14の位置制御信号Dと、光検出器20aの検出信号の和信号Kの変動をコリメータレンズ14の位置がゼロ点を境に極性を反転させ、係数倍することにより、変動する対物レンズ18からの出射光量を補正すればよい。
【0036】
(ディスク内のスポット径について)
ところで、ディスク内のスポット径はどうなっているのかを、以下の条件を仮定して計算を行う。なお、図4(a)は本発明に係る光ピックアップ装置による場合のディスク内のスポットの位置とスポット径の関係を示す特性図、図4(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、凹レンズを外した場合のディスク内のスポットの位置とスポット径の関係を示す特性図である。図5(a)は本発明に係る光ピックアップ装置による場合のディスク内のスポットの位置とa/wとの関係を示す特性図、図5(b)は本発明に係る光ピックアップ装置において、凹レンズを外した場合のディスク内のスポットの位置とa/wとの関係を示す特性図である。図6は本発明に係る光ピックアップ装置において、a/wとスポット径の関係を示す図であり、横軸にa/wを、縦軸にスポット径をそれぞれとったものである。
【0037】
次に、スポット径を計算するための条件を述べると、例えばコリメータレンズ14の焦点距離を12.2[mm]、対物レンズ18の焦点距離を2.6[mm]とし、NA数値を0.6とし、対物レンズの瞳径を3.12[mm]とし、対物レンズ18からコリメータレンズ14までの距離を88[mm]とする。なお、少なくとも対物レンズ18はその他の光学系と分離してディスク半径方向へ移動可能な可動部(図示せず)に載っており、この位置から30[mm]短くなる位置へ移動する(ディスク外周部に相当する)ことで、ディスク外周部にトラックすることができる。また、半導体レーザ光源11の拡がり角の半値全幅は、上述したように水平方向に9[度]、垂直方向に20[度]であり、水平方向の拡がり角のみ凹レンズ12によって水平方向20[度]と同じ角度になるように広げられたレーザ光10に変換されている。
【0038】
上記コリメータレンズ14で平行光とされたあとの1/e2となる強度での直径wと、対物レンズ18の瞳径aと直径wとの比(a/w)とはそれぞれ以下のようになる。
【0039】
すなわち、直径wについては、
w=2×12.2[mm]×sin(20[度]/2×1.699)
=7.13[mm]
a/w=0.44
となる。
【0040】
ここで、情報記録媒体1の屈折率をポリカーボネートの値である1.56とおき、上記値を用いて媒体内で±40[um]の距離の中でスポットを動かした場合に、スポット径は、図4(a)により、光路長変動を含めてレンジで2[%]のレベル変動に納まっ
ている。
【0041】
また、この条件におけるa/wは、図5(a)に示すように、0.28〜0.55の間の変動となっている。
【0042】
比較のため、図示水平方向(図1の紙面方向)のみを拡げる凹レンズ12を外した場合の水平方向のスポット径図は、図4(b)よリ、レンジで14[%]の値を示し、大きな変動となることがわかる。
【0043】
また、この条件におけるa/wは、図5(b)に示すように、0.65〜1.28の間で大きく変動することとなる。
【0044】
一方、本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置において、a/wとスポット径の関係を調べてみると、図6に示すように、a/wの値が、例えば0.8境に大きくなればなるほどスポット径も大きくなることかわかる。したがって、コリメータレンズ14を大きく変移させた場合の最大のa/w値を0.8以下に設定することにより、a/wの変化に対しスポット径変化の少ない領域(図6において、a/w=0.8〜0.33の領域)を使用することができる。
【0045】
以上説明したように本発明の実施の形態に係る光ピックアップ装置では、シリンドリカルレンズ12を設けて、水平方向の拡がり角を大きくとり、かつ、コリメータレンズ14を大きく変移させた場合の最大でもa/w値を 0.8以下に設定することにより、ディスク厚の変動や多層記録による記録層移動を行うことによる回折スポット径の変動を小さく押さえることができ、安定したトラックサーボや情報信号の記録再生を可能とすることができる。
【0046】
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系全体を示す概略構成図である。図8は、同第2の実施の形態において光検出器で得られた検出信号の差を取った差信号の特性図で、横軸にコリメータレンズの移動量を、縦軸に差信号の値をとった図である。図9は、同第2の実施の形態において光検出器から得られた検出信号の特性図であって、横軸にコリメータレンズの移動量を、縦軸に検出信号の値をとった図である。
【0047】
この第2の実施の形態が第1実施の形態と異なる部分のみを以下では説明する。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
図7に示す第2実施の形態において、情報記録媒体1は、グルーブを有するガイドトラック層5と、該ガイドトラック層5上に記録/再生用レーザ光の吸収層6を介して設けられた記録媒質4が分割されて,複数の記録層2を形成するようになつている。
【0049】
この第2の実施の形態では、この情報記録媒体1に、ガイドトラック層5からフォーカス制御およびトラッキング制御を行うためにサーボ用レーザ光(第1のビーム)40を照射するとともに、記録/再生用レーザ光(第2のビーム)10とを照射して所望の記録層に対して情報の記録/再生を行うことを特徴としている。
【0050】
この第2の実施の形態では、第1の実施の形態における偏光ビームスプリッタ16に代えてダイクロイックプリズム23を使用している。当該ダイクロイックプリズム23と対物レンズ18との間にビームスプリッタ24を設けている。
【0051】
1/4波長板17は、コリメータレンズ14とダイクロイックプリズム23の間に配置される。なお、サーボ用レーザ光40の波長は、記録/再生用レーザ10の波長よりも長くする。
【0052】
また、サーボ用レーザ光40および記録/再生用レーザ光10は、ビームスプリッタ24で反射させ、対物レンズ18に入射する。
【0053】
一方、ビームスプリッタ24を透過したサーボ用レーザ光40は、集光レンズ25およびシリンドリカルレンズ26を通つて、光検出器20bに集光される。集光レンズ25は、対物レンズ18と同じ径の絞り27が配置されている(対物レンズの絞りは省略されている)。光検出器20bは4分割フォトダイオードである。また、ビームスプリンタ24および対物レンズ18の検出系は、分離光学系の可動部28に配置されている。このとき、ビームスプリッタ24から対物レンズ18までの距離と、ビームスプリッタ24から集光レンズ25までの光学距離は同距離であるため、発散、収東による対物レンズ18の透過光と同じ光量の変動を光検出器20bで検出することができる。
【0054】
サーボ用レーザ光40は、光源ユニット41から出射される。この光源ユニット41は、半導体レーザ光源42と、光検出器43と、ホログラム44とから構成されている。この光源ユニット41とコリメータレンズ45との間には、水平方向(図1の紙面方向)の拡がり角のみ大きく変換するシリンドリカルレンズ46が配置されている。この光源ユニット41からのサーボ用レーザ光40は、シリンドリカルレンズ46で水平方向(図1の紙面方向)の拡がり角のみ大きく変換された後、コリメータレンズ45で略平行光にされ、しかる後に、ダイクロイックプリズム23、ビームスプリッタ24で反射され、対物レンズ18により情報記録媒体1のガイドトラック5に集光される。なお、凹レンズ46は、半導体レーザ光源41の拡がり角の違いを補正するビーム整形手段を構成している。
【0055】
また、情報記録媒体1で反射されるサーボ用レーザ光40は、往路とは逆の経路をたどつて、対物レンズ18、ビームスプリッタ24、ダイクロイックプリズム23、コリメータレンズ45および凹レンズ46を介して光源ユニット41のホログラム44に入射させて回折させ、その回折光を光検出器43で受光して、公知のビームサイズ法やフーコー法などによリフォーカスエラー信号を検出し、プッシュプル法などによりトラッキングエラー信号を検出する。
【0056】
なお、光検出器43からの検出信号の差を取ると、図8に示すような検出差信号Dが得られるので、この検出差信号Dによりコリメータレンズ45を駆動すればよい。
【0057】
また、光検出器43からの検出信号Sa,Sbは、図9に示すように、コリメータレンズ45を透過したレーザ光が収束光となるように移動すればするほど高くなり(出射光量が大きくなり)、コリメータレンズ45を透過したレーザ光が発散光となるように移動すればするほど低くなる(出射光量が小さくなる)。また、光検出器43からの検出信号の特性は、図9に示すように、内周側の検出信号Saのほうが変化率が大きく、外周側の検出信号Sbほうが変化率が小さい。したがって、この光検出器43の検出信号SaまたはSbの特性を使用し、コリメータレンズ43の位置に対する半導体レーザ光源42の出射光量を制御すればよい。
【0058】
なお、サーボ用レーザ光40側のコリメータレンズ45の駆動に応じて、対物レンズ18の位置を動かすことにより、相対的に記録/再生用レーザ光10の情報記録媒体1のディスク内のスポット位置を移動させることができる。
【0059】
この場合も、サーボ用光源側のコリメータレンズ45を大きく変移させた場合の最大のa/w値を 0.8以下に設定することにより、a/wの変化に対しスポット径変化の少ない領域(図6において、a/w=0.8〜0.33の領域)を使用することができる。
【0060】
以上説明したように本発明の第2の実施の形態に係る光ピックアップ装置では、シリンドリカルレンズ46を設けて、水平方向の拡がり角を大きくとり、かつ、コリメータレンズ45を大きく変移させた場合の最大でもa/w値を 0.8以下に設定することにより、ディスク厚の変動や多層記録による記録層移動を行うことによる回折スポット径の変動を小さく押さえることができ、安定したトラックサーボや情報信号の記録再生を可能とすることができる。
【0061】
また、第2の実施の形態に特有の効果としては、2波長により、記録再生専用のレーザ光10のスポットとサーボ専用のレーザ光40のスポットとに分け、記録再生用のレーザ光10のスポットのa/wは変動させないようにすることで、記録再生の性能変動を
抑えることができるとともに、サーボ用として可動部に光量検出手段を設けることで、光路長が変わるときの対物レンズ18からの出射パワー変動も同時に抑えることができる。
【0062】
なお、第2の実施の形態では、前記サーボ用の光源ユニット41からのサーボ用レーザ光40の光軸を変換するコリメータレンズ(光軸方向変換器)45をアクチュエータ15で移動させるようにしたが、信号記録再生用の半導体レーザ光源11からのレーザ光10の光軸を変換するコリメータレンズ(光軸方向変移器)14をアクチュエータで移動させるようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、情報記録媒体ディスクの厚みの変動や多層記録による記録層移動を行うことによる回折スポット径の変動を小さく押さえたので、安定したトラックサーボや情報信号の記録再生を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系の全体を示す概略構成図である。
【図2】同第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系の要部を示す垂直方向断面図である。
【図3】同第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置で使用するPINフォトダイオードからの信号とコリメータレンズ移動量との関係を示す特性図である。
【図4】図4(a)は同第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置による場合のディスク内のスポットの位置とスポット径の関係を示す特性図、図4(b)は本発明の第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置において、凹レンズを外した場合のディスク内のスポットの位置とスポット径の関係を示す特性図である。
【図5】図5(a)は同第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置による場合のディスク内のスポットの位置とa/wとの関係を示す特性図、図5(b)は同第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置において、凹レンズを外した場合のディスク内のスポットの位置とa/wとの関係を示す特性図である。
【図6】同第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置において、a/wとスポット径の関係を示す図である。
【図7】本発明の第2実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系全体を示す概略構成図である。
【図8】同第2の実施の形態において光検出器で得られた検出信号の差を取った差信号の特性図である。
【図9】同第2の実施の形態において光検出器から得られた検出信号の特性図である。
【符号の説明】
1 情報記録媒体
2 記録層
3 保護層
4 記録媒質
5 ガイドトラック層
6 吸収層
8 サーボ駆動系
10,40 レーザ光
11 半導体レーザ光源
12,46 シリンドリカルレンズ(ビーム整形手段9)
13 偏光ビームスプリッタ
14,45 コリメータレンズ(光軸方向変移器)
15 アクチュエータ
16 偏光ビームスプリッタ
17 1/4波長板
18 対物レンズ
19 臨界角プリズム
20a,20b 光検出器
21 シリンドルカルレンズ
22 PINフォトダイオード
23 ダイクロイックプリズム
24 ビームスプリッタ
25 集光レンズ
41 光源ユニット
42 半導体レーザ光源
43 光検出器
44 ホログラム
Claims (2)
- 記録層を持つ記録媒体と、レーザ光を発射する半導体レーザ光源と、前記レーザ光について前記記録媒体の記録層内で焦点を結ばせる対物レンズと、前記対物レンズを少なくともフォーカス方向に駆動するアクチュエータと、前記対物レンズと光源の間に設けた光軸方向変移器と、前記光軸方向変移器の変移を検出する変移検出手段とを備え、前記光軸方向変移器を可動しディスク厚の異なる上記記録媒体に焦点を結ぶことにより信号の記録再生を行う情報記録再生装置において、
対物レンズの瞳径をaとし、対物レンズに入ってくるレーザ光の1/e2となる強度の取り込み範囲をwとしたときに、前記光軸方向変移器の最大可動範囲をa/wが0.8以下の範囲に設定したことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 半導体レーザ光源の拡がり角の違いを補正するビーム整形手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
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