JP4301980B2 - 光ピックアップ装置および半導体レーザ - Google Patents

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Description

本発明は、光ピックアップ装置および半導体レーザに関し、特に、波長の異なる数種のレーザ光を記録媒体に照射する互換型の光ピックアップ装置に用いて好適なものである。
現在、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等、様々な光ディスクが商品化され普及している。さらに、最近では、青紫レーザ光を用いて情報を記録再生する次世代DVDの規格化が進められている。この次世代DVDは、波長405nm程度の青紫レーザ光を用いて情報を記録再生するものである。レーザ光の短波長化によって、さらなる高密度化を図ることができる。
このように、ディスクの多様化が進むと、異なる種類のディスクに対し記録再生を行い得る、いわゆる互換型の光ピックアップ装置の開発が要求される。ここで、波長の異なるレーザ光をディスクに照射するには、それぞれの波長のレーザ光を出射する半導体レーザを個別に配する手法が採られ得る。しかし、こうすると、それぞれの半導体レーザを配するためのスペースと、各レーザ光を対物レンズに導くための光学素子が個別に必要となり、外形寸法の大型化と部品点数の増加を招く。そこで、一つのレーザCAN内に出射波長の異なる複数のレーザ素子を同時に装備する手法が検討されている。こうすると、半導体レーザの配置スペースを削減でき、且つ、各レーザ光について光学系を共用できるようになる。
ところが、このように一つのレーザCAN内に複数のレーザ素子を装備すると、各レーザ素子の配置ギャップに応じて、レーザ光の光軸間にズレが生じる。このため、一つのレーザ光の光軸に光学系を位置合わせすると、他のレーザ光の光軸が光学系に対してずれてしまい、これら他のレーザ光にて記録再生を行う際に、光学特性ないし記録再生特性が劣化するとの問題が生じる。
そこで、以下の特許文献1では、数種のレーザ素子を収容した半導体レーザの直後に複屈折素子を配し、この複屈折素子にてそれぞれのレーザ光の光軸を一致させてから、光学系にレーザ光を導くようにしている。すなわち、基準となるレーザ光の偏光面とその他のレーザ光の偏光面が互いに直交するよう複数のレーザ素子を同一CAN内に配すると共に、この半導体レーザの直後に、基準レーザ光はそのまま通過させ、その他のレーザ光は基準レーザ光の光軸に一致するように屈折させる複屈折素子を配する。かかる構成により、各レーザ光の光軸を一致させた後に、レーザ光を後段の光学系に導くことができ、もって、全てのレーザ光の光軸を光学系に対し整合させることができるようになる。
なお、以下の特許文献2には、ディスクからの反射光を受光する光検出器の直前に回折格子を配し、これにより、一つの光検出器に各波長の反射光を導く技術が記載されている。すなわち、同一CAN内に3つのレーザ素子を配し、各レーザ素子から出射される波長の異なるレーザ光を同一光学系にてディスク上に収束させ、その反射光を、前記回折格子にて回折させ、一つの光検出器上に収束させるものである。この場合、光検出器は共用できるが、半導体レーザからディスクまでの光路において、レーザ光の間に光軸ずれが生じているため、上述の如く、光学特性ないし記録再生特性が劣化するとの問題が生じる。
特開平6−131688号公報 特開平11−134702号公報
上記特許文献1に記載の技術によれば、上記の如く、光軸補正によって光学特性ないし記録再生特性の改善を図ることができるが、別途、複屈折素子が必要となり、さらに、基準となるレーザ光の偏光面とその他のレーザ光の偏光面が互いに直交するよう、対応するレーザ素子を同一CAN内に形成する必要がある。しかし、このように偏光面を相違させながら各レーザ素子を成層形成するのは容易ではなく、また、複屈折素子は高価であるため、光ピックアップ装置全体のコスト上昇を招くとの問題も生じる。
さらに、複屈折素子における屈折作用には波長依存性があるものの、光ディスク装置において記録/再生用に用いられているレーザ光の波長を考慮すると、各波長を複屈折素子にて屈折させたときの屈折角は、あまり変わらないものとなる。たとえば、CD用のレーザ光(波長780nm)とDVD用のレーザ光(波長655nm)との間には100nm程度の波長差しかなく、このため、複屈折素子における両レーザ光の屈折角は殆ど同じ大きさとなる。したがって、複屈折素子を用いる場合には、CD用のレーザ光とDVD用のレーザ光を、光軸がほぼ一致する程度にまで接近した状態で複屈折素子に入射させる必要が生じるが、製造上、レーザ素子をここまで接近させて形成することはできず、よって、複屈折素子にてこれらのレーザ光を屈折させることにより光軸を一致させるのは不可能に近い。このため、CD用レーザ光(波長780nm)とDVD用レーザ光(波長655nm)の他、次世代DVD用レーザ光をも同時に出射する3波長レーザを用いる場合、複屈折素子では光軸を一致させることができず、上記特許文献1の技術では対応することができない。
そこで、本発明は、これらの問題に鑑み、レーザ素子の配置を容易に行うことでき、且つ、安価な素子の採用にて円滑に光軸調整を行い得る光ピックアップ装置および半導体レーザを提供することを課題とする。
上記課題に鑑み、本発明は以下の特徴を有する。
請求項1の発明は、出射波長が互いに異なる3つのレーザ素子からなり、出射波長が最も短いレーザ素子を挟んで残り2つのレーザ素子が並ぶようにして筺体内に収容されている半導体レーザと、前記レーザ素子から選択的に出射された各レーザ光の光軸を一致させるホログラムとを備えた光ピックアップ装置であって、前記ホログラムは、前記出射波長が最も短いレーザ素子から出射されたレーザ光の0次光の回折効率が最大で、且つ、残り2つのレーザ素子から出射されたレーザ光のn次光(nは1以上の整数で、且つ、2つのn次光は互いに回折方向が逆である)の回折効率が最大となるように、格子パターンのステップ高さおよびステップ数が設定され、前記レーザ素子は、それぞれの発光点が出射側から見て直線状に並ぶよう配置されるとともに、前記ホログラムによる各波長の回折角に応じて発光点間距離が設定されていることを特徴とする。
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。但し、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
本発明によれば、レーザ素子の配置調整と、回折格子の追加のみによって光軸補正を行えるので、コストの上昇を抑制しながら円滑に光軸調整を行い得る光ピックアップ装置を提供することができる。また、請求項2に記載の発明のように、出射波長が最も短いレーザ素子を挟むようにして他のレーザ素子を配置するようにすると、以下の実施の形態にて説明する如く、発光点間距離を大きくすることができ、筺体内におけるレーザ素子の配置マージンを大きくとることができる。この他、本発明の効果は、以下に示す実施の形態の説明によって、順次、明らかになるものと企図される。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
図1に実施の形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す。なお、この光ピックアップ装置は、CD/DVD/次世代DVD用の互換型として用いられるものである。また、同図中、再生回路201、サーボ回路202およびコントローラ203は、光ディスク装置側の構成である。
図示の如く、光ピックアップ装置は、3波長レーザ101と、軸補正用回折格子102と、コリメータレンズ103と、偏光BS(ビームスプリッタ)104と、ミラー105と、開口制限素子106と、波面補正素子107と、λ/4板108と、対物レンズ109と、集光レンズ110と、光検出器111と、対物レンズアクチュエータ300を備えている。
3波長レーザ101は、CD用のレーザ光(波長780nm)、DVD用のレーザ光(波長655nm)、次世代DVD用のレーザ光(波長408nm)をそれぞれ出射する3つのレーザ素子を同一CAN内に収容している。ここで、それぞれのレーザ素子は一つの直線上に並ぶよう所定のギャップをおいて配置されている。また、各素子から出射されるレーザ光は互いに偏光面が平行となっている。なお、各レーザ素子の配置については後述する。
軸補正用回折格子102は、3波長レーザ101から出射される各レーザ光間の光軸ずれを回折作用によって調整する。すなわち、軸補正用回折格子102には、光軸ずれを補正できるよう設計されたパターンが形成されている。なお、回折格子の構成および光軸ずれの補正作用については後述する。
コリメータレンズ103は、軸補正用回折格子102によって光軸補正された各波長のレーザ光を平行光に変換する。ここで、コリメータレンズ103は、たとえば、各波長のレーザ光に対し色消し効果を実現できるよう、アッベ数と曲率(球面)が調整された複数枚のレンズを貼り合わせて形成されている。
偏光BS104は、その偏光面が3波長レーザ101から出射されるレーザ光の偏光面に一致するように調整・配置されている。したがって、コリメータレンズ103によって平行光に変換された各波長のレーザ光は、それぞれ偏光BS104をほぼ全透過する。
ミラー105は、λ/4板108からのレーザ光の光路を対物レンズ109方向に立ち上げる。
開口制限素子106は、各ディスクの基板厚に応じてレーザ光の外周を遮光し、これにより、対物レンズ109に対する各レーザ光の開口数(NA)を調整する。すなわち、対物レンズ109の開口数は、ディスク毎の基板厚に応じて、あらかじめレーザ光毎に決められており、開口制限素子106は、ディスクの基板厚に対応する開口数となるようレーザ光の外周部を遮光し、各レーザ光を適正な有効径にて対物レンズ109に入射させる。たとえば、当該光ピックアップ装置がCD/DVD/次世代DVD(基板厚0.6mm)互換用である場合、CDの基板厚のみが他のディスクに比べて大きく、これに応じてCD用レーザ光のNAのみが他に比べて小さく設定さている。開口制限素子106は、CD用レーザ光のみ外周部を遮光し、対物レンズ109に対するCD用レーザ光の有効径を調整し、これにより、CD用レーザ光の開口数を設定値に調整する。
なお、開口制限素子106としては、たとえば、回折素子を用いることができる。この回折素子には、レーザ光の外周部が入射する位置に波長選択性の回折パターンが形成されており、このパターンの回折作用によって、当該波長のレーザ光の外周部を発散させる。たとえば、CD/DVD/次世代DVD(基板厚0.6mm)互換の場合には、CD用レーザ光(波長780nm)のみを回折させる回折パターンが、外周部入射位置に形成される。これにより、CD用レーザ光の外周部が回折により発散され、中央部のみが対物レンズ109方向に導かれる。
この他、開口制限素子106として、偏光フィルタを用いることもできる。すなわち、開口制限したいレーザ光の外周部位置に偏光フィルタを配するとともに、当該レーザ光の偏光面を偏光フィルタの偏光面に対して直交させる。この場合、開口制限したいレーザ光の偏光面のみを偏光フィルタの偏光面に対して直交させることから、当該レーザ光の偏光面を他のレーザ光の偏光面に対し90°回転させる手段が別途必要となる。この手段としては、たとえば、波長選択性のλ/2板を用いることができる。
さらに、開口制限素子106として、位相フィルタを用いることもできる。この場合、開口制限したいレーザ光のみフィルタリングされるよう、位相フィルタの厚みを調整する必要がある。
波面補正素子107は、サーボ回路202からのサーボ信号に応じて、レーザ光の波面状態を補正する。上述の如く、3波長レーザ101から出射される各波長のレーザ光は、コリメータレンズ103によって全て平行光とされるため、開口制限素子106を通過した後も平行光となっている。これに対し、対物レンズ109が、たとえば、所定波長のレーザ光にのみ有限系となるよう設計されている場合には、当該波長のレーザ光の波面状態をそれに応じて補正する必要がある。波面補正素子107は、かかる場合に、当該波長のレーザ光の波面状態が適正状態となるよう、当該波長のレーザ光に波面補正作用を付与する。
具体的には、対物レンズ109が、DVD用のレーザ光(波長655nm)と次世代DVD用のレーザ光(波長408nm)に対しては無限系、CD用のレーザ光(波長780nm)に対しては有限系となるよう設計されている場合、波面補正素子107は、CD用レーザ光を用いる場合にのみ駆動され、CD用レーザ光の波面状態を、対物レンズ109の仕様に合うような波面状態に補正する。
なお、波面補正素子107としては、たとえば、特許第2895150号公報に記載のような液晶素子を用いることができる。すなわち、液晶素子を光軸方向に挟むようにして同心リング状の透明電極を複数配するとともに、レーザ光の光軸が同心リング状の透明電極の中心を貫くよう液晶素子を配置し、前記透明電極に電圧を印加することで、液晶素子の屈折率をリング状に相違せしめ、これにより、レーザ光の波面状態を湾曲させる。ここで、透明電極位置の屈折率は、印加する電圧の大きさによって調整できるため、印加電圧を調整することによって、レーザ光の波面状態を適正状態に調整することができる。
この他、波面補正素子107としては、特開2003−149443号公報に記載のような複屈折素子を用いることもできる。また、ビームエキスパンダやレンズ介挿機構等のメカニカル調整機構を用いることもできる。
なお、対物レンズ109が全てのレーザ光に対し有限系である場合には、波面補正素子107は不要である。この場合、図1に示す光学系から波面補正素子107が省略される。
λ/4板108は、偏光BS104を全透過したレーザ光(直線偏光)を円偏光に変換する。また、ディスクから反射されたレーザ光(円偏光)を、入射時の偏光方向に直交する直線偏光に変換する。したがって、ディスクから反射されたレーザ光は、偏光ビームBS104によってほぼ全反射される。
対物レンズ109は、各波長のレーザ光を記録層上に適正に収束させるよう設計されている。なお、対物レンズ109は、上述の如く、各レーザ光に対し無限系あるいは有限系となるよう設計されている。
対物レンズアクチュエータ300は、サーボ回路202からのサーボ信号(トラッキングサーボ信号およびフォーカスサーボ信号)に応じて、対物レンズ109を駆動する。
集光レンズ110は、偏光BS104によって反射されたレーザ光(ディスクからの反射光)を光検出器111上に集光する。光検出器111は、受光したレーザ光の強度分布から再生RF信号、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を導出するためのセンサーパターンを有している。各センサーからの信号は、ディスク装置側の再生回路201およびサーボ回路202に出力される。
再生回路201は、光検出器111から受信したセンサー信号を演算処理して再生RF信号を導出し、これを復調して再生データを生成する。
サーボ回路202は、光検出器111から受信したセンサー信号を演算処理してトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を導出し、これに基づいてトラッキングサーボ信号およびフォーカスサーボ信号を生成して対物レンズアクチュエータ108に出力する。また、コントローラ203からの指令に応じて、波面補正素子107に駆動信号を出力する。
コントローラ203は、キー入力部(図示せず)からの入力指令等に応じて各部を制御する。
図2に、対物レンズアクチュエータ108の構成を示す。
レンズホルダー302は、対物レンズ109を保持するとともに、ワイヤー303によって、ベース301にフォーカス方向およびトラッキング方向に移動可能に支持されている。また、レンズホルダー302は、中央部の開口にフォーカスコイル305が装着されており、さらに、フォーカスコイル305の側面には、一対のトラッキングコイル304が貼着されている。これらフォーカスコイル305とトラッキングコイル303には、ワイヤー303を介して、フォーカスサーボ信号とトラッキングサーボ信号が供給される。
また、ベース301には、U字状のヨーク306が、フォーカスコイル305およびトラッキングコイル304を挟むようにして取り付けられている。また、ヨーク306の内側面には、マグネット307が固着されている。レンズホルダー302の開口は、マグネット間またはマグネット307とヨーク306の間の磁気ギャップ位置が切り欠かれており、これにより、磁界がフォーカスコイル305およびトラッキングコイル304に効率よく印加される。なお、トラッキングコイル304は、開口の切り欠き位置に位置するよう、フォーカスコイル305に貼着されている。
図3に、3波長レーザ101の構成を示す。なお、同図(b)は、同図(a)を右側から見た右側面図である。
図において、101a〜101cは、レーザ素子である。図示のとおり、レーザ素子101a〜101cは、出射口側から見て一直線上に並ぶよう、基体101dにマウントされている。ここで、各レーザ素子間の間隔は、レーザ素子101aおよびレーザ素子101cから出射されるレーザ光が、上記軸補正用回折格子102によって、レーザ素子101bから出射されるレーザ光の光軸に一致するよう回折される間隔に設定されている。
図4に、レーザ素子101a〜101cと軸補正用回折格子102の関係を示す。
図示の如く、軸補正用回折格子102には、レーザ光が入射する側の面に、ホログラム格子パターンが形成されている。なお、同図には、ステップ数=3の格子パターンが示されている。ここで、格子ピッチをpとすると、レーザ光の回折角θと波長λの関係は、
λ=p sinθ …(1)
θ=sin−1λ/p …(2)
と規定される。したがって、レーザ素子101aと101cからのレーザ光の光軸を軸補正用回折格子102による回折にてレーザ素子101bからのレーザ光の光軸に一致させようとすると、レーザ素子間の発光点間隔d1、d2は、
d1=Ltanθ1 …(3)
d2=Ltanθ2 …(4)
と規定されるから、レーザ素子101a、101cの出射波長λa、λbと、軸補正用回折格子102の格子ピッチpから、レーザ素子間の発光点間隔d1、d2は、
d1=Ltan(sin−1λa/p) …(5)
d2=Ltan(sin−1λb/p) …(6)
として設定される。
ここで、上記式(5)(6)を参照すると、レーザ素子間の間隔d1、d2は、レーザ素子の出射波長に比例することが分かる。したがって、レーザ素子間の間隔d1、d2を大きくするには、レーザ素子101a、101cの出射波長を大きくしてやれば良く、このことから、3波長レーザ101に格納されるレーザ素子101a〜101cのうち、中央のレーザ素子101bとして出射レーザ波長の最も小さいレーザ素子(波長:408nm)を配置し、これを挟むようにして、出射波長の大きい残り2つのレーザ素子(波長:655nm、波長:780nm)を配置してやれば良いことが分かる。これにより、レーザ素子間の間隔d1、d2を少しでも大きくでき、レーザ素子101a〜101cの配置を容易に行うことができる。
なお、このようにして光軸補正を行うと、軸補正用回折格子102の回折効率の関係から、光軸合わせを行おうとするレーザ光のパワーが、出射直後のパワーに比べ幾分小さくなる。他方、青紫レーザ光(波長:408nm)を出射するレーザ素子の出射パワーは、今現在のところ、それほど大きくできないことから、上記のように、出射レーザ波長の最も小さいレーザ素子(青紫レーザ)をセンターに配置し回折による軸補正を行わないようにすると、青紫レーザ光のパワーを維持することができ、レーザパワーの面からもメリットがある。
図5〜図8に、軸補正用回折格子102の格子パターンと回折効率の関係を示す。
図5は、格子パターンのステップ数を2ステップとしたときのシミュレーション結果である。なお、シミュレーションの条件は、シミュレーション結果を示す特性グラフの下方欄外に示すとおりである。また、グラフ中に付記された408−0th、655−1st、780+1stは、それぞれ波長408nmレーザ光の0次回折光、波長655nmレーザ光の−1次回折光、波長780nmレーザ光の+1次回折光の回折効率特性であることを示すものである。
同図から、格子パターンが2ステップの場合には、ステップ高さHを0.85μm程度に設定すると、波長408nmの青紫レーザ光(次世代DVD用)の回折効率を100%近くに維持しながら、波長655nmのレーザ光(DVD用)と波長780nm(CD用)のレーザ光の回折効率を40%前後にまで高めることができることが分かる。
図6は、格子パターンのステップ数を3ステップとしたときのシミュレーション結果である。なお、シミュレーションの条件は、シミュレーション結果を示す特性グラフの下方欄外に示すとおりである。また、グラフ中に付記された408−0th、655−1st、780+1stは、それぞれ波長408nmレーザ光の0次回折光、波長655nmレーザ光の−1次回折光、波長780nmレーザ光の+1次回折光の回折効率特性であることを示すものである。
同図から、格子パターンが3ステップの場合には、ステップ高さHを0.90μm程度に設定すると、波長408nmの青紫レーザ光(次世代DVD用)の回折効率を100%近くに維持しながら、波長655nmのレーザ光(DVD用)の回折効率を66%程度にまで高めることができることが分かる。この場合、波長780nmのレーザ光(CD用)は、回折効率が25%程度であるが、対象ディスクが再生専用CDである場合には、大きなレーザパワーは必要でないため、この程度の回折効率であっても適正パワーのレーザ光をディスクに照射できる。
なお、ステップ高さHを0.815μm程度に設定すると、波長780nmのレーザ光(CD用)の回折効率を40%程度に高めることができる。この場合、波長655nmのレーザ光(DVD用)の回折効率は53%程度まで低下するが、図5に示す2ステップの場合に比べると、15%程度、回折効率を向上させることができる。
図7は、格子パターンのステップ数を4ステップとしたときのシミュレーション結果である。なお、シミュレーションの条件は、シミュレーション結果を示す特性グラフの下方欄外に示すとおりである。また、グラフ中に付記された408−0th、655−1st、780+2ndは、それぞれ波長408nmレーザ光の0次回折光、波長655nmレーザ光の−1次回折光、波長780nmレーザ光の+2次回折光の回折効率特性であることを示すものである。
同図から、格子パターンが4ステップの場合には、ステップ高さHを0.9μm程度に設定すると、波長408nmの青紫レーザ光(次世代DVD用)の回折効率を100%近くに維持しながら、波長655nmのレーザ光(DVD用)と波長780nm(CD用)のレーザ光の回折効率を40%程度にまで高めることができることが分かる。
図8は、格子パターンのステップ数を8ステップとしたときのシミュレーション結果である。なお、シミュレーションの条件は、シミュレーション結果を示す特性グラフの下方欄外に示すとおりである。また、グラフ中に付記された408−0th、655−3rd、780+4thは、それぞれ波長408nmレーザ光の0次回折光、波長655nmレーザ光の−3次回折光、波長780nmレーザ光の±4次回折光の回折効率特性であることを示すものである。
同図から、格子パターンが8ステップの場合には、ステップ高さHを0.87μm程度に設定すると、波長408nmの青紫レーザ光(次世代DVD用)の回折効率を100%近くに維持しながら、波長655nmのレーザ光(DVD用)の回折効率を60%にまで高めることができ、また、波長780nm(CD用)のレーザ光の回折効率を40%程度にまで高めることができることが分かる。
上記図5〜図8のシミュレーション結果から、格子パターンのステップ数を大きくすれば、軸補正対象波長のレーザ光の回折効率を大きくことができることが分かる。しかし、ステップ数を大きくするほど、格子パターンが複雑化するため、パターン精度の劣化とコストの上昇が懸念される。また、図8からも分かるとおり、ステップ数が大きくなると、回折効率特性が急峻になるため、最適ステップ高さのマージンも小さくなる。よって、僅かな波長変動や製造誤差(ステップ高さの誤差等)にも回折効率が敏感に変化し、このため、適正な回折効率、レーザパワーが得られなくなるとの問題が起こり得る。この点からすると、ステップ数は3ステップ程度に設定するのが好ましい。ステップ数が3ステップ程度だと、図6に示す如く、回折効率特性はそれほど急峻でないため、僅かな波長変動や製造誤差が生じても、それほど大きく回折効率がぶれることもない。また、3ステップ程度の格子パターンは、パターンがシンプルなため、比較的安価に製造でき、製造誤差も生じ難い。
なお、格子パターンのステップ高さは、上記図5〜図8に示すシミュレーション結果から、各波長の回折効率を比較し、各波長のレーザ光が満たすべき条件との関係から、最も好ましいステップ高さを設定するようにすると良い。たとえば、上記の如く青紫レーザ光のパワーは今現在それ程大きくできないことから、まずは、青紫レーザ光の回折効率を90%以上と決め、次に、これを満たすステップ高さのレンジから、残り2つのレーザ光に最適のステップ高さを見つけるようにすれば良い。このとき、上記の如く、CD用レーザ光のパワーをそれほど高く設定する必要がない場合(対象ディスクが再生専用CDの場合等)には、DVD用レーザ光の回折効率が少しでも大きくなるステップ高さを見つけるようにする。また、CD用、DVD用の何れのパワーも大きくする場合には、両パワーがバランス良く高くなるステップ高さを見つけるようにする。
以上、本実施の形態によれば、レーザ素子の配置間隔を比較的大きくとることができ、もって、各波長のレーザ光を出射するレーザ素子を、同一レーザCAN内に簡易に配置することができる。また、回折格子の製造コストは安価であることから、軸補正用素子として上記回折格子102を別途追加しても、光ピックアップ装置全体のコストをそれほど上昇させることもなく、特に、ステップ数を3ステップ程度とすれば、コスト上昇を抑えながら、上述の如く、回折効率の向上、製造誤差による回折効率の低下抑制、円滑なステップ高さの設定を実現することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、他に種々の変更が可能であることは言うまでもない。
たとえば、上記実施の形態では、青紫レーザ光用のレーザ素子をセンターに配するようにしたが、他のレーザ素子をセンターに配するようにしても良い。ただし、この場合には、上記式(5)(6)から、上記実施の形態に比べ、発光点間隔が小さくなり、これに応じて、レーザ素子の配置マージンが厳しくなる。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
実施の形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す図 実施の形態に係る対物レンズアクチュエータの構成を示す図 実施の形態に係る3波長レーザの構成を示す図 実施の形態に係るレーザ素子と軸補正用回折格子の関係を示す図 実施の形態に係る回折効率のシミュレーション結果を示す図 実施の形態に係る回折効率のシミュレーション結果を示す図 実施の形態に係る回折効率のシミュレーション結果を示す図 実施の形態に係る回折効率のシミュレーション結果を示す図
符号の説明
101 3波長レーザ
101a レーザ素子(出射波長:780nm)
101b レーザ素子(出射波長:655nm)
101c レーザ素子(出射波長:408nm)
102 軸補正用回折格子
102a ホログラム格子パターン

Claims (1)

  1. 出射波長が互いに異なる3つのレーザ素子からなり、出射波長が最も短いレーザ素子を挟んで残り2つのレーザ素子が並ぶようにして筺体内に収容されている半導体レーザと、前記レーザ素子から選択的に出射された各レーザ光の光軸を一致させるホログラムとを備えた光ピックアップ装置であって、
    前記ホログラムは、前記出射波長が最も短いレーザ素子から出射されたレーザ光の0次光の回折効率が最大で、且つ、残り2つのレーザ素子から出射されたレーザ光のn次光(nは1以上の整数で、且つ、2つのn次光は互いに回折方向が逆である)の回折効率が最大となるように、格子パターンのステップ高さおよびステップ数が設定され、
    前記レーザ素子は、それぞれの発光点が出射側から見て直線状に並ぶよう配置されるとともに、前記ホログラムによる各波長の回折角に応じて発光点間距離が設定されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
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