JP4301389B2 - 熱処理ひずみばらつきの小さい浸炭用鋼の鋳片製造方法および鋳片 - Google Patents

熱処理ひずみばらつきの小さい浸炭用鋼の鋳片製造方法および鋳片 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はギア、等速ジョイントにおけるインナーレース等の軸対称形状または周期的対称形状の熱処理して用いられる中空軸部品に対し、好適なひずみバラツキの小さい加工部品の製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、浸炭焼入れ等の熱処理は部品の最終加工段階で行なわれることが一般的であることから、発生した熱処理ひずみから外径真円度や端面平坦度の悪化が起こる。熱処理に伴う寸法変化(以下、「熱処理ひずみ」という。)は、物理的に避けて通ることができないため、製造各社とも熱処理ひずみの低減、またはそのバラツキの低減に注力している。
【0003】
鍛造等の塑性加工により製造した部品を熱処理する場合、要求される寸法精度に対し、熱処理時に発生する寸法変化から塑性加工による形状を定めることができる。つまり要求され得る寸法精度を実現するためには、熱処理ひずみ量の大小という問題は、塑性加工変形形状の設定、鍛造用金型形状の設計により補うことができる。しかし、その熱処理ひずみにバラツキが大きい場合、各方向への寸法変化が不均一となり外径真円度悪化や、ねじれや、曲がりが生じる場合もあり、塑性加工工程で熱処理による寸法変化を考慮した設計が不可能となる。したがって、熱処理ひずみのバラツキを低減することが大きな課題である。
【0004】
近年、環境への影響やコストダウンの観点から自動車用精密部品の熱処理後の研磨レス化への要望が高まっており、熱処理ひずみ自体が小さい低熱処理ひずみ材あるいは熱処理ひずみのバラツキが小さい定熱処理ひずみ材の需要拡大が見込まれる。
【0005】
ところで本明細書における定ひずみとは、熱処理ひずみのバラツキが小さく、略一定であることを指している。そこで上記の定ひずみ材とは熱処理によるひずみのバラツキの小さい材料を指している。
【0006】
▲1▼等軸晶形状の等方化
ところで、連続鋳造鋳型を円形とすることで、ほぼ円形の鋳片凝固組織パターンを有する材料を得ることができる。これによりボルト等のファスナー部品、トーションバー、ギア、シャフト、等速ジョイントにおけるインナーレース等の熱処理に用いられる部品について好適な定ひずみ加工部品が製造できると、特開平11−131184号公報に開示されている。また、正方形鋳型により正方形の凝固パターンを得ることにより、矩形鋳型製品よりも熱処理ひずみのバラツキが低くなるとの知見がある。なお、連続鋳造における鋳型形状は矩形が一般的である。
【0007】
以上のように、製造各社では、鋳型形状を等方形状化、すなわち等軸晶形状を等方化、することにより、熱処理ひずみのバラツキ低減の対策としている。これはほとんどの自動車用精密部品は軸対称形状に近いためである。
【0008】
本出願人では、現在380×490mmの大断面矩形鋳型にて連続鋳造を実施しており、したがって凝固パターンは矩形となり、上記の円形鋳型および正方形鋳型と比較し、熱処理ひずみのバラツキが大きいという問題点があった。
【0009】
▲2▼等軸晶率の縮小化
さらに、連続鋳造片の中心部偏析帯である等軸晶が主体である領域では、等軸晶の面積率、すなわち連続鋳造によりブルームの横断面における断面積に対する中心部偏析帯の面積の比率が浸炭焼入れ時の熱処理ひずみに及ぼす影響を調査した結果、小さくなるほど焼入ひずみ量が少なくなるとの知見を得て、等軸晶の面積率、形状を定め等軸晶率の縮小化を図った発明が特開平11−131184号公報に開示されている。
【0010】
ところで、熱処理ひずみのバラツキの発生原因について説明すると、熱処理で発生する体積変化は鋼材のC濃度と相関があることが過去の文献等で明らかであり、したがって材料断面内のC濃度のバラツキが熱処理ひずみのバラツキに大きな影響を及ぼしていると考えられる。
【0011】
また、実施例を含む多くの実験データに基づいて凝固組織とC濃度との関係について調査を行った結果、等軸晶領域と柱状晶領域でC濃度が異なることが明らかとなった。
【0012】
ところで、凝固組織の形状は、連続鋳造鋳型形状に大きく影響を受ける。その結果、矩形鋳型による連鋳材は、矩形断面の鋳片2のブルームであるので、図1の(b)に示すように、外側の柱状晶6の中心部の等軸晶5は矩形となる。そのため場所により製品の丸鋼材4の凝固組織のC濃度に差異が生じることから熱処理時に発生する寸法変化が周方向で不均一となり、これが熱処理ひずみのバラツキに及ぼす大きな要因の一つとなっていると考えられる。
【0013】
すなわち、図1の(a)に示すように、円形鋳型による円形連鋳片1は断面円形であるため、外側の柱状晶6の中心部の等軸晶5も断面円形であり、圧延後の円形製品の丸鋼材3においても、その等軸晶5も同心円状の円形となる。従って、周方向での熱処理ひずみの差が小さく、熱処理後の等軸晶5もほぼ真円となる。
【0014】
一方、上記のように、図1の(b)に示すように、矩形鋳型による連鋳片2は矩形断面のブルームを圧延にて断面円形の製品の丸鋼材4を製造しているため、ブルームの凝固組織の影響で断面矩形の等軸晶5が圧延後の円形製品の丸鋼材4においても現れることとなる。周方向での熱処理ひずみの差が生じ、熱処理後の等軸晶の真円度が悪化する問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、自動車用精密部品、特にCVJインナーレースおよびギア等の中空軸部品に用いられるC含有量が0.5質量%未満の浸炭鋼材の熱処理において、熱処理寸法変化、すなわち熱処理ひずみのバラツキが抑制され、寸法精度が良好であり、場合によっては熱処理後の切削工程または研磨工程等の形状修正工程を省略することのできる加工部品を得るための製造方法およびこの中空軸部品用の定ひずみ浸炭用鋼鋳片を提供することである。
【0016】
なお、C含有量が0.5質量%の浸炭鋼材では、鋼材中のC濃度のバラツキの絶対値が大きくなり、熱処理ひずみのバラツキを軽減しても、熱処理後の切削工程または研磨工程等の形状修正工程を省略することは困難である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明の手段および原理について以下に説明する。
先ず、等軸晶5の形状の等方化を図る手段について検討する。上述したように等軸晶5の形状が熱処理ひずみのバラツキに大きく影響を及ぼしていると考え、等軸晶5の形状の等方化、すなわち正方形化を行なったが、この方法では熱処理ひずみのバラツキにはあまり良好ではなかった。
【0018】
次いで、等軸晶率およびC濃度バラツキの縮小化、すなわち鋳型内電磁撹拌(以下、「M−EMS」という。)強度の最適化を図る手段について検討する。
【0019】
等軸晶5の形状改善の効果は上記のとおり薄いことが判ったが、検討を進めた結果、等軸晶5の形状よりも等軸晶5の面積の方が熱処理ひずみのバラツキの低減に重要であることが判った。これは、等軸晶5と柱状晶6との間にC濃度差があることが大きな原因である。
【0020】
ところで、自動車用精密部品の多くは中空軸形状であり、冷鍛部品7に鍛造成形後に冷鍛部品7の軸中心部をポンチカスの打ち抜き片8として打ち抜く。実機検討およびCAE解析から、この打ち抜き後の冷鍛部品7に等軸晶5がどの程度残存するかが、熱処理ひずみバラツキに大きく影響を及ぼしていることが判明した。
【0021】
図2に示すように、矩形鋳型による場合、打ち抜き後の冷鍛部品7に残存する等軸晶5は、同図の(d)に見られるように、等軸晶5に膨張率小部9と膨張率大部10が生じて等軸晶5の部分は軸対称形状ではない。この冷鍛部品7を熱処理して熱処理部品12すると、等軸晶5と柱状晶6とのC濃度差に対応して、熱処理ひずみの差が生じる。その結果、熱処理後の熱処理部品12は縦軸長さ13と横軸長さ14に差異が生じて等軸晶5の真円度が悪化する。
【0022】
以上のことから、熱処理ひずみのバラツキを低減する手段として、連続鋳造時のM−EMS強度を小さくし、等軸晶率を縮小化して冷鍛部品7内に占める等軸晶5の部分の率を小さくすることにより、熱処理部品12における熱処理ひずみのバラツキの低減を図ることにした。
【0023】
ところで、連続鋳造時のM−EMS強度を下げるにあたり懸念されることとして、品質悪化、具体的には炭素濃度の中心偏析、中心ポロシティーおよび介在物増加があげられる。そのため、高品質と熱処理ひずみバラツキ低減を実現できる最適なM−EMS強度について策定する必要がある。
【0024】
一般的には、鋳片内部性状向上を目的に高い等軸晶率を得るためには、特開昭57−75271号公報、特開昭53−45627号公報、特開2001−138018号公報に開示のように、M−EMSを実施するのが主流である。すなわちM−EMS強度を高くして鋳型内の溶鋼流動を促進させて柱状晶6の生成を抑制する、すなわち等軸晶率を大きくすることは、品質については良い方に作用するが、上記したとおり、熱処理ひずみのバラツキを低減する目的ではあまり得策でない。
【0025】
そこで、本発明の手段においては、品質及び熱処理ひずみバラツキの両方にとって最適なM−EMS強度の設定が重要である。
そのため発明者らは、後述する実施例を含むM−EMS強度を変更した多くの実験データに基づいて、鋳片における等軸晶率測定および品質調査、すなわちC濃度の中心偏析、中心ポロシティー、介在物の調査、さらに、この矩形鋳型による連鋳片から塑性加工により製造し、熱処理した熱処理部品12の熱処理ひずみバラツキの測定を行なった。その結果、M−EMS強度を磁束密度30〜100μTとし、鋳型内平均溶鋼流速を2cm/s〜15cm/sとすることで、等軸晶5の生成を抑制し、同時に柱状晶6のC濃度のバラツキを低減でき、その結果、熱処理部品12に好適な熱処理ひずみのバラツキおよび品質を得ることができることが判った。
【0026】
さらに、重要な知見として、上記製造条件では柱状晶6の領域でのC濃度のバラツキを大幅に低減できることが判った。上述したように、中空軸部品では冷鍛部品7の等軸晶5の領域を打ち抜いて製造するため、冷鍛部品7中の多くは柱状晶6で構成される。実際には柱状晶6の内部でのC濃度のバラツキも熱処理ひずみにおよぼす影響を無視できない。矩形断面のブルームを圧延して円形断面の鋳片のC濃度を図3の(a)に示す測定位置で測定し、その結果を(b)のグラフで示す。この図3の(b)に示すように、M−EMS強度を磁束密度250μTの現状に比し、100μT以下とするとき柱状晶6の領域におけるC偏析を大幅に低減できることがわかる。従って、M−EMS強度を磁束密度30〜100μTとして鋳型内平均溶鋼流速を2cm/s〜15cm/sとすることで、柱状晶6の領域におけるC偏析を大幅に低減でき、その結果、該冷鍛部品7の熱処理後の熱処理部品12の熱処理ひずみのバラツキ低減に効果が大きいことが判った。
【0027】
すなわち、上記の課題を達成するための本発明の手段は、請求項1の発明では、軸方向に塑性流動を伴う塑性加工を施し、しかる後に中心部分から軸芯挿入部を打ち抜く所定形状の加工により製造する中空軸部品に用いる炭素含有量が0.5質量%未満の浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法において、連続鋳造時の鋳型内平均溶鋼流速を2cm/s〜15cm/s(望ましくは、5cm/s〜15cm/s)とすることを特徴とする定ひずみ浸炭用鋼の鋳片製造方法である。
【0028】
請求項2の発明では、軸方向に塑性流動を伴う塑性加工を施し、しかる後に中心部分から軸芯挿入部を打ち抜く所定形状の加工により製造する中空軸部品に用いる炭素含有量が0.5質量%未満の浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法において、連続鋳造時の鋳型内平均溶鋼流速を2cm/s〜15cm/s(望ましくは、5cm/s〜15cm/s)とし、前記中空軸部品に用いる鋳片中心部偏析帯の面積率を軽減することを特徴とする定ひずみ浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法である。
【0029】
請求項3の発明では、軸方向に塑性流動を伴う塑性加工を施し、しかる後に中心部分から軸芯挿入部を打ち抜く所定形状の加工により製造する中空軸部品に用いる炭素含有量が0.5質量%未満の浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法において、連続鋳造時のM−EMS(鋳型内電磁攪拌)強度を磁束密度30〜100μTに制御して鋳型内平均溶鋼流速を2cm/s〜15cm/s(望ましくは、5cm/s〜15cm/s)とすることを特徴とする定ひずみ浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法である。
【0030】
請求項4の発明では、軸方向に塑性流動を伴う塑性加工を施し、しかる後に中心部分から軸芯挿入部を打ち抜く所定形状の加工により製造する中空軸部品に用いる炭素含有量が0.5質量%未満の浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法において、連続鋳造時のM−EMS(鋳型内電磁攪拌)強度を磁束密度30〜100μTに制御して鋳型内平均溶鋼流速を2cm/s〜15cm/s(望ましくは、5cm/s〜15cm/s)とし、前記中空軸部品に用いる鋳片中心部偏析帯の面積率を軽減することを特徴とする定ひずみ浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法である。
【0031】
請求項5の発明では、軸方向に塑性流動を伴う塑性加工を施した後に中心部分から軸芯挿入部を打ち抜き所定形状とした中空軸部品用の炭素含有量が0.5質量%未満の浸炭用鋼において中心部偏析帯の面積率を小さくしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項の手段により製造の定ひずみ浸炭用鋼の鋳片である。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下により説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼材を溶製し、連続鋳造により矩形鋳型により矩形断面のブルームに鋳造した。連続鋳造時の鋳片の中心部偏析帯すなわち等軸晶の鋳片断面に占める割合の等軸晶率およびC%バラツキを変化させるために、M−EMS強度(μT)を、表2に示すとおり変化させた。各M−EMS強度(μT)での鋳型内平均溶鋼流速は、それぞれ0cm/s、8.3cm/s、16.5cm/s、25cm/s、33cm/s、42cm/sであった。
【0033】
【表1】
Figure 0004301389
【0034】
その後、それぞれを断面円形に圧延し、これらの圧延材の横断面にてマクロ試験を行い、圧延材横断面中の等軸晶の占める割合を面積率で等軸晶率として示した。等軸晶領域の測定は、JIS G 0553に規定された鋼のマクロ組織試験方法に準じて、約20%HCI液中で約30〜40秒間腐蝕し、等軸晶域の面積率を測定した。さらに、圧延材の直径からダライコを採取し、各場所でのC濃度を調査し、柱状晶領域でのC%バラツキ(σ)を求めた。以上の測定結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
Figure 0004301389
【0036】
これらの鋼材を45mmの長さに切断した後、図4に示すような工程にて冷間鍛造にて図に示すような高さ30mmの形状の冷鍛部品7に成形し、中心部の等軸晶5の部分のφ25mmをポンチカスの打ち抜き片8として打ち抜いた。その後、浸炭焼入れ処理を施した。
【0037】
その後、図5に示すように、1つの部品で(a)の高さLの各L/4ずつ高さ方向にイ、ロ、ハの3箇所、(b)の周方向に均等に区分してa、b、c、dの4箇所の計12箇所において外径真円度を測定した。その結果も表2に合わせて示している。
【0038】
その結果、M−EMSの強度を磁束密度を30〜100μT以下とし、鋳型内平均溶鋼流速を2cm/s〜15cm/sとすることで品質的にも良好でかつ熱処理による寸法変化、すなわち、浸炭焼入れによる熱処理後の外径真円度を要求されるレベルに小さくできた。
【0039】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の方法は、矩形断面の連続鋳片の連続鋳造において、鋳造時のM−EMS強度を適正に設定し、鋳型内の平均溶鋼流速を適正とすることにより、中心部偏析帯面積率を小さくでき、かつ柱状晶領域におけるC偏析を抑制でき、この方法により製造の鋳片を用いて製造した中空軸部品の浸炭焼入れ後の形状修正を行なわなくても良い浸炭用鋼であるなど、本発明は従来にない優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】連鋳材鋳片を圧延して丸鋼材製品に圧延したときの等軸晶の変化を示す図で、(a)は円形鋳型によるものを示し、(b)は矩形鋳型によるものを示す。
【図2】矩形鋳型による丸鋼材の結晶構造の模式図と冷鍛部品軸部の打ち抜きイメージ並びに等軸晶部残存状態を示す図で、(a)は丸鋼材の結晶構造の模式側面図、(b)は丸鋼材の結晶構造の模式平面図、(c)は(a)の丸鋼材を冷鍛した冷鍛部品の軸部の打ち抜きイメージを示す側面図、(d)は冷鍛部品の軸部の等軸晶部残存状態を示す平面図である。
【図3】矩形鋳型によるブルームを圧延した丸鋼材の各部でのC濃度を示す図で、(a)は測定位置を示す図で、(b)は測定結果を示すグラフである。
【図4】(a)は矩形鋳型によるブルームから圧延した丸鋼材の側面図、(b)は冷鍛部品の等軸晶部の中心の打ち抜き前の模式的側面図、(c)はその打ち抜き後の模式的側面図である。
【図5】図4で示す等軸晶部の中心を打ち抜いた冷鍛部品のひずみ測定箇所を示す図で、(a)は高さ方向、(b)は周方向を示す図である。
【符号の説明】
1 円形鋳型による鋳片
2 矩形鋳型による鋳片
3 丸鋼材
4 丸鋼材
5 等軸晶
6 柱状晶
7 冷鍛部品
8 打ち抜き片
9 膨張率小部
10 膨張率大部
11 打ち抜き部
12 熱処理部品
13 縦軸長さ
14 横軸長さ

Claims (5)

  1. 軸方向に塑性流動を伴う塑性加工を施し、しかる後に中心部分から軸芯挿入部を打ち抜く所定形状の加工により製造する中空軸部品に用いる炭素含有量が0.5質量%未満の浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法において、連続鋳造時の鋳型内平均溶鋼流速を2cm/s〜15cm/sとすることを特徴とする定ひずみ浸炭用鋼の鋳片製造方法。
  2. 軸方向に塑性流動を伴う塑性加工を施し、しかる後に中心部分から軸芯挿入部を打ち抜く所定形状の加工により製造する中空軸部品に用いる炭素含有量が0.5質量%未満の浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法において、連続鋳造時の鋳型内平均溶鋼流速を2cm/s〜15cm/sとし、前記中空軸部品に用いる鋳片中心部偏析帯の面積率を軽減することを特徴とする定ひずみ浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法。
  3. 軸方向に塑性流動を伴う塑性加工を施し、しかる後に中心部分から軸芯挿入部を打ち抜く所定形状の加工により製造する中空軸部品に用いる炭素含有量が0.5質量%未満の浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法において、連続鋳造時のM−EMS(鋳型内電磁攪拌)強度を磁束密度30〜100μTに制御して鋳型内平均溶鋼流速を2cm/s〜15cm/sとすることを特徴とする定ひずみ浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法。
  4. 軸方向に塑性流動を伴う塑性加工を施し、しかる後に中心部分から軸芯挿入部を打ち抜く所定形状の加工により製造する中空軸部品に用いる炭素含有量が0.5質量%未満の浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法において、連続鋳造時のM−EMS(鋳型内電磁攪拌)強度を磁束密度30〜100μTに制御して鋳型内平均溶鋼流速を2cm/s〜15cm/sとし、前記中空軸部品に用いる鋳片中心部偏析帯の面積率を軽減することを特徴とする定ひずみ浸炭用鋼の連続鋳造による鋳片製造方法。
  5. 軸方向に塑性流動を伴う塑性加工を施した後に中心部分から軸芯挿入部を打ち抜き所定形状とした中空軸部品用の炭素含有量が0.5質量%未満の浸炭用鋼において中心部偏析帯の面積率を小さくしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項の方法により製造の定ひずみ浸炭用鋼の鋳片。
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