JP4299490B2 - 遺棄分解性の良好な軽量構造材、断熱材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、遺棄分解性の良好な軽量構造材及びその製造方法に関するものである。とくに、この発明は、大気下又は土壌中に遺棄すると自然に分解して無害なものとなる特性を持ち、且つ常温付近ですぐれた機械的強度及び/又は熱絶縁性とを持った構造材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂で作られた発泡体は、包装材、緩衝材、魚箱、保冷箱、壁パネル等として広く使用されている。これは、スチレン系樹脂が高い倍率で均一に容易に発泡させることができ、得られた発泡体が比較的耐候性が良好で強度も大きく、その上に連続気泡率が低くて熱絶縁性が良好だからである。
【0003】
スチレン系樹脂の発泡体は、成形品としてその用途に供さられた後は、回収された後、減容処理され、リサイクル原料として新たに再利用されたりしている。リサイクルという点では省資源に貢献しているといえる。
【0004】
他方、ポリ乳酸系樹脂は生分解し易い樹脂として知られている。従って、ポリ乳酸系樹脂は、スチレン系樹脂とは異なり、使用後の処理として別の方法を与える選択肢の一つとして、念頭に浮かぶ樹脂である。ところが、ポリ乳酸系樹脂は以下に述べるように、スチレン系樹脂とは大きく性質を異にしており、発泡させにくい樹脂である。
【0005】
ポリ乳酸系樹脂は、乳酸が重合又は共重合したものである。乳酸はスチレンと違って、分子中に不斉炭素原子を含んでいる。このために、乳酸は光学的活性を示す。従って、乳酸にはD−体、L−体及びラセミ体(D−体とL−体との等量混合物)の3種のものが存在する。それゆえ、乳酸を重合させて得られたポリ乳酸は、これら3種のものの混合割合と重合方法の相違などによって、色々と性質の異なった重合体を生じる。事実、ポリ乳酸系樹脂には結晶性のものから非晶性のものまで、色々と異なったグレードのものがあり、融点又は軟化点も区々である。
【0006】
一般にポリ乳酸系樹脂は、これを加熱すると、軟化又は溶融して、すぐに粘度の低い液体となる。従って、ポリ乳酸系樹脂は、これを加熱したとき発泡に適した溶融粘度を示す温度範囲が極めて狭い。このために、ポリ乳酸系樹脂は、これを加熱して発泡に適した状態を発現させることが困難であり、従って発泡させにくい樹脂とされている。
【0007】
そこで、ポリ乳酸系樹脂を変性して発泡させ易くしようとの試みがなされた。例えば特開平8−198992号公報は、ポリ乳酸系樹脂が弾性と復元性とに乏しく、また耐衝撃性に劣るとして、乳酸の構造単位と他のポリエステル構造単位との共重合体として、この共重合体を押出発泡することを提案している。他のポリエステル構造単位としては、例えばコハク酸とエチレングリコールとの脱水縮合したものを使用することとしている。この公報は8倍に発泡した発泡体が得られたと記載しているが、この発泡倍率は低くて満足なものではない。その上に、この提案のように、他のポリエステル構造単位を導入したのでは、得られた共重合体がポリ乳酸系樹脂の生分解性を低下させたものとなってしまい満足なものにならない。
【0008】
また、特開2000−7815号公報は、ポリ乳酸系樹脂の溶融粘度を上昇させるために、ポリ乳酸系樹脂に増粘剤を加えて押出発泡させることを提案している。増粘剤としては有機及び無機の広汎な化合物が使用できると記載されているが、その中には明らかにポリ乳酸系樹脂を生分解し難くするものが多く含まれている。従ってこの提案によったのでは、得られた発泡体が生分解性の劣るものとなるだけでなく、連続気泡率の高いものとなって、機械的強度や断熱性の良好なものとはならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、遺棄すると自然に分解して無害なものとなるような構造材で、少なくとも10倍以上の高い倍率に均一に発泡して連続気泡率が低くて20%以下であり、従って良好な機械的強度と断熱性とを持った構造材を提供しようとするものである。また、環境にやさしい断熱材を提供しようとするものである。
【0010】
【課題解決のための手段】
この発明者は、上述の課題のうち、遺棄分解性の良好な構造材を得るためには、ポリ乳酸系樹脂を使用するのが適していると考えた。そこで、色々なグレードのポリ乳酸系樹脂を用い、これを押出機に入れて溶融し、溶融した樹脂に色々な発泡剤を圧入し、色々な押出条件の下で押出発泡を行ない、得られた発泡体の性質を検討した。
【0011】
その結果、ポリ乳酸系樹脂については、これまではその中のD−体とL−体との組成に余り注意が払われなかったが、この発明者は、ポリ乳酸系樹脂を構成するD−体とL−体との共重合割合が、押出発泡によって得られる発泡体の性質に大きく影響することを見出した。すなわち、押出発泡によって機械的強度の大きい発泡体を得るには、ポリ乳酸系樹脂としてD−体とL−体とが、そのうちの一方が2〜10%で、他方が98〜90%の割合に共重合しているものを選んで用いるのが、必要であることを見出した。
【0012】
また、この発明者は、ポリ乳酸系樹脂は、これを押出発泡させる際に、発泡倍率を上昇させようとすると、得られた発泡体は連続気泡率が通常50%以上という程の、連続気泡率の高いものとなり、従って機械的強度が低く、また断熱性の低いものとなることに気付いた。そのために発泡倍率が高くて連続気泡率の低い発泡体を得るには、押し出し操作に格別の工夫が必要であることに気付いた。
【0013】
この発明者は、さらに検討を進めた結果、ポリ乳酸系樹脂では押し出す時の樹脂温度が重要であることを見出した。すなわち、スチレン系樹脂などを材料とする在来の押出発泡では、樹脂の融点又は軟化点より高い温度で押出機から押し出して来たが、ポリ乳酸系樹脂では、押出機から押し出す時の樹脂温度を、樹脂の融点又は軟化点より低い温度に冷却し、樹脂がまだ流動性を持っている間に押し出すと、発泡が容易となり、押出物を高い倍率に発泡させることができ、しかも連続気泡率の低いものとなることを見出した。この発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
【0014】
こうして、この発明は、特定組成のポリ乳酸系樹脂の発泡体であって、高倍率に発泡していながら、しかも連続気泡率が小さいという特性を持った新規な発泡体を提供するものである。また、この発明はその新規な発泡体の製造方法を提供するものである。
【0015】
すなわち、この発明は、乳酸のD−体とL−体とが、そのうちの一方が2〜10%で他方が98〜90%の割合に共重合して、110〜170℃の融点を持つポリ乳酸系樹脂からなる発泡体であって、見掛け密度が0.12g/cm3 以下であり、連続気泡率が20%以下であることを特徴とする、遺棄分解性の良好な軽量構造材及び断熱材を提供するものである。
【0016】
また、この発明は、乳酸のD−体とL−体とが、そのうちの一方が2〜10%で他方が98〜90%の割合で共重合したものであって、110〜170℃の融点を持つポリ乳酸系樹脂を押出機内で溶融し、これに発泡剤として上記融点より低い沸点を持った脂肪族エーテルを樹脂に対して0.5重量%以上含ませ、得られた発泡剤含有の溶融樹脂を、樹脂の融点と融点より40℃だけ低い温度との間の温度で押出機から押し出して発泡させることを特徴とする遺棄分解性の良好な軽量構造材の製造方法を提供するものである。
【0017】
一般にポリ乳酸系樹脂のうち、D−体又はL−体が100%近くを占めている樹脂は、結晶性のものであり、D−体及びL−体のうちの一方の含有量が増すに従い、樹脂は次第に非晶化の傾向を示し、一方が12%を越えると、樹脂は非晶性のものとなる、と云われている。また、結晶性のポリ乳酸系樹脂は一般に融点が高く、通常100℃以上の融点を示すが、非晶性のポリ乳酸系樹脂は融点がなく、ガラス転移点も約50℃と低く、従って耐熱性に乏しい、と云われている。
【0018】
しかし、D−体とL−体との比がどのような割合で含まれているポリ乳酸系樹脂が、押出発泡を行うのに適しているかは知られていない。この発明者は、この点について検討した結果、D−体とL−体とは、そのうちの一方が2〜10%で、他方が98〜90%の割合で共重合しているポリ乳酸系樹脂が、押出発泡をするのに適していることを見出した。そこでこの発明では、押出発泡を行うには、D−体が2〜10%で、L−体が98〜90%のポリ乳酸系樹脂を用いるか、又はL−体が2〜10%で、D−体が98〜90%のポリ乳酸系樹脂を用いることとしたのである。
【0019】
上述のD−体とL−体との共重合割合は、ポリ乳酸系樹脂の製造時における原料の仕込量から特定することができるが、また得られたポリ乳酸系樹脂からも測定することができる。それは、D−体又はL−体の場合と同様に、比旋光度を測定することによって定めることができる。それは例えば、次のようにして測定することができる。
【0020】
まず、問題のポリ乳酸系樹脂をクロロホルムに溶解し、濃度が10mg/mlのクロロホルム溶液を調製する。旋光計(JASCO DIP−140)を使用して、25℃で波長589mmの偏光を照射して上記溶液の比旋光度を測定する。また、比較のために、D−体100%(又はL−体100%)からなるポリ乳酸系樹脂について、上と同様にして比旋光度を測定してもよいが、通常はこの比旋光度は、既に測定されていて、+又は−156度とされている。そこで、上記問題の樹脂の比旋光度が156度からどの程度ズレているかを測定し、そのズレの程度をもって(1)及び(2)式によりD−体又はL−体の含有量を決定する。
D−体割合(%)={比旋光度−(−156)}÷{156−(−156)}×100 (1)
L−体割合(%)=100−(D−体割合) (2)
【0021】
この発明では、こうして決定された含有割合を基準にして、D−体とL−体のうち、一方が2〜10%で、他方が98〜90%の割合で、共重合したポリ乳酸系樹脂を選んで使用する。その理由は色々な組成のポリ乳酸系樹脂について押出発泡の実験を行って得られた結果に由来している。すなわち、D−体及びL−体の共重合体の中で一方が2%より少ないと、ポリ乳酸系樹脂は溶融状態から急激に結晶化するために、発泡に適した溶融粘度を樹脂に保持させることが困難となるからである。また、逆に10%より多くなると、樹脂は非晶化の傾向を示し、融点又は軟化点が低くなり、実用に適したものとならないからである。
【0022】
この発明では、ポリ乳酸系樹脂として、上記の共重合割合を持つと同時に、110〜170℃の融点を持つものを選んで用いる。ポリ乳酸系樹脂の中には融点が170℃以上のもの、例えば融点が180℃のものもあるが、融点が170℃以上のものは、結晶性に富むために、上述のように発泡に適した粘度を示さないことが多いので、これを避けることとした。融点は、JIS K 7121に定める方法によって測定した値を用いる。110〜170℃の融点範囲内では、120〜160℃の範囲内のものが好ましく、さらには125〜155℃の範囲内のものが最も好ましい。
【0023】
共重合割合と融点とが上述の範囲内にあるポリ乳酸系樹脂の中でも、とくにメルトマスフローレートが1〜15g/10分のポリ乳酸系樹脂を用いることが好ましい。その中では、5〜10g/10分のメルトマスフローレートを示すものを用いることがとくに好ましい。この場合、メルトマスフローレートは、JISK 7210が規定する方法に従い、190℃で2.16kgの荷重をかけて測定した値である。
【0024】
この発明では、押出機として色々な形式のものを用いることができる。例えば、単軸押出機でも、二軸押出機でも、またこれらを連結したタンデム押出機でも用いることができる。押出機としては、ポリ乳酸系樹脂を溶融し、よく混練できるとともに、これに発泡剤を均一に含ませることができて、そのあとで引き続き樹脂を或る温度まで冷却して、押し出すことができるものを用いることが好ましい。
【0025】
この発明では、押出機内で溶融されたポリ乳酸系樹脂に発泡剤を含ませる。発泡剤としては、エーテル類、とくにジメチルエーテルを用いることが最も好ましいが、その理由は次のとおりである。すなわち、エーテル類とくにジメチルエーテルは、ポリ乳酸系樹脂との相溶性に富み、また蒸発の潜熱が大きいために、押し出された樹脂を短時間のうちに一様に冷却することができ、従って高い倍率に一様に樹脂を発泡させることができるからである。また、ハロゲン化炭化水素に比べ、環境に優しいからである。この場合、ジメチルエーテルの使用量は、樹脂に対して0.5〜25%というような、広い範囲で変化させることができる。そのうちでは、1.0〜22%が好ましく、1.5〜19%が最も好ましい。
【0026】
但し、発泡性及び連続気泡率に悪影響を与えない範囲で他の発泡剤、例えばプロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ヘキサンのような脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素類、アゾジカーボンアミド、ヘキサメチレンテトラミンのような分解されて気体を発生する固体化合物、空気、窒素、二酸化炭素等を併用して使用してもよい。
【0027】
この発明では、押出機内でポリ乳酸系樹脂に上述の発泡剤を均一に混合する。このためには樹脂を溶融し、これに発泡剤を圧入してよく混練することが必要である。良く混合するには混合能力の大きいスクリュー、例えば多数のピンを備えたスクリューを用いたり、スクリューフライトに多数の切り込みを設けたスクリューを用いて溶融樹脂と発泡剤とをよく混合する。発泡剤が圧入される時の樹脂は、当然樹脂の融点より高い温度にあり、通常は30〜70℃だけ高い温度になっている。
【0028】
この発明では、上述の発泡剤を含んだポリ乳酸系樹脂を引き続き冷却する。この冷却には色々な方法を採ることができる。例えば押出機のバレルを空気或いは冷却水で冷却する。発泡剤を含んだポリ乳酸系樹脂は押出機のバレルから冷却されつつ、押出機のスクリューにより十分に混練される。こうして発泡剤含有樹脂を一様に樹脂の融点以下に冷却する。発泡剤含有樹脂は前述したように、樹脂の融点とその融点より約40℃だけ低い温度とするが、更には樹脂の融点より約35℃だけ低い温度からその融点より約10℃だけ低い温度が好ましく、特には樹脂の融点より約30℃だけ低い温度からその融点より約20℃だけ低い温度との間とすることが好ましい。
【0029】
押出機中で溶融状態にある発泡剤含有のポリ乳酸系樹脂は、押出機内で冷却され始めて暫らくの間は融点以下に冷却されても、なお暫らくは流動性を持っている。このために、融点よりも数拾度低い温度にして、押出機から押し出すことができる。すなわち、押出機の直後(タンデム型押出機の場合は最後段の押出機の直後)に付設されたブレーカープレートの位置で、樹脂の温度を測定すると、発泡剤含有樹脂の温度が、樹脂の融点と融点より40℃だけ低い温度との間にある間は、樹脂が云わば過冷却された状態にあって、なお流動性を持っているため、押出機から押し出すことができる。
【0030】
そこで、この発明では、発泡剤含有のポリ乳酸系樹脂が、樹脂の融点と融点より40℃だけ低い温度との間にある間に、樹脂を押出機から押し出すこととする。それは、この状態にあるとき、発泡剤含有のポリ乳酸系樹脂が発泡するに適した溶融粘度を示すからである。このような状態で押し出すことは、この発明における大きな特徴である。その理由は次のとおりである。
【0031】
一般に熱可塑性合成樹脂を押出発泡させる場合には、結晶性の樹脂では結晶融点以上の温度で押し出し、非晶性の樹脂ではガラス転移点以上の温度で押し出すのが普通である。なぜならば融点以下の温度やガラス転移点以下の温度で押し出そうとすると、樹脂が金型の中で固化して押し出すことができなくなるからである。
【0032】
事実これまでは、例えば樹脂として融点が255℃の結晶性のポリエチレンテレフタレートを用いて、これを押出発泡させるには、樹脂の温度を270〜290℃として押し出して来たし、また樹脂として融点が160℃のポリプロピレンを押出発泡させるには、樹脂の温度を165〜175℃として押し出して来た。また、樹脂としてガラス転移点が90〜95℃の非晶性のポリスチレンを押出発泡させるには、樹脂の温度を120〜160℃として押し出して来た。何れも押出時の樹脂の温度は、樹脂の融点又はガラス転移点よりも高い温度とされて来た。ところが、この発明では、上述のように樹脂の融点又はガラス転移点よりも低い温度で押し出すので、この点で従来の技術と大きく異なり、この発明の特徴事項が構成されている。
【0033】
この発明では、押出機からポリ乳酸系樹脂を押し出すに際し、押出機の先端に付設した金型に樹脂を通して押し出す。このとき樹脂は、融点と融点より40℃だけ低い温度との間の温度になっていて、押し出しを行うに充分な流動性を持っており、また発泡を行うに適した溶融粘度を持っている。
【0034】
金型としては、得ようとする発泡体の断面形状のオリフィスを持ったものを用いる。金型のオリフィスから押し出されたあとの樹脂は、従来の押出発泡の操作と全く同様に、外形を整えられるとともに空気或いは水で直接又は間接的に冷却されて発泡体となる。
【0035】
また、断面積の大きい板状発泡体をつくる場合、発泡剤としてジメチルエーテルを使用し、樹脂温度を十分に下げただけでは、高倍率に発泡し、連続気泡率が低く、熱伝導率が低い発泡体をつくることは難しい。
【0036】
板状発泡体を製造する際には溶融樹脂と発泡剤とを良く混合・混練した上で、発泡剤を含有した溶融樹脂の温度を均一にして、金型に該溶融樹脂を送り込まないと、溶融樹脂中に発泡剤が不均一に分散し、発泡体の厚みや幅方向で品質のバラツキ、具体的には連続気泡率、発泡倍率や強度のバラツキが大きく、粗悪な板状発泡体となってしまう。樹脂温度の均一性についてはブレーカープレートの2点(ブレーカープレートの樹脂通過断面の中心部と樹脂通過断面の中心部と樹脂通過最外部との中間点)で樹脂温度を測定することにより管理することができる。その際、上述の2点で測定した温度差は5℃、更には3℃、特には2℃以下とすることが好ましい。樹脂温度のバラツキを少なくする方法としてはいくつか挙げることができる。
【0037】
▲1▼押出前のポリ乳酸系樹脂の結晶化度は少なくとも20%以上とする。ポリ乳酸系樹脂の結晶化度が低いと、押出機のホッパー下付近でポリ乳酸系樹脂のブロッキングが生じる。このブロッキングが押出量変動を引き起こし、樹脂温度のバラツキを生じさせる。
【0038】
▲2▼適正な温度範囲になるまで押出量を下げ、押出機内で溶融樹脂の滞留時間を長くし、樹脂温度の均一化を図る。タンデム式押出機を使用する場合の二段目押出機の好ましい溶融樹脂の平均滞留時間は5〜15分間、更には6〜13分間、特には8〜11分間である。但し、滞留時間が長すぎると、溶融樹脂が押出機内で固化するため好ましくない。
【0039】
▲3▼適正なスクリュー回転数と押出量で押し出し、過度の剪断発熱を防ぐ。タンデム式押出機を使用する場合の2段目押出機の口径と押出量とスクリュー回転数の関係は下記の式の範囲内とすることが好ましい。
1<押出機口径の二乗×スクリュー回転数/押出量<2
(押出機口径:mm、スクリュー回転数:rpm、押出量g/hr)
【0040】
▲4▼混合・混練性に優れたスクリューを使用する。タンデム式押出機を使用する場合、二段目押出機のスクリューはその長さの30%以上の部分においてピンや切り込み部分を有するものを使用する。特に発熱が生じにくく、混合・混練効果に優れた切り込み部分をスクリューの長さの40%以上有するスクリューを使用することがより好ましい。
【0041】
この発明では、押出機からポリ乳酸系樹脂を押し出すに際し、押出機の先端に付設した金型に樹脂を通して押し出す。このとき樹脂は、発泡に適した温度でかつ樹脂温度のバラツキが少ない状態になっていて、押し出しを行うに充分な流動性を持っており、また発泡を行うに適した溶融粘度を持っている。
【0042】
金型としては、得ようとする発泡体の断面形状のオリフィスから押し出された後の樹脂は、従来の押出発泡の操作と全く同様に、外形を整えられるとともに空気あるいは水で直接的にあるいは間接的に冷却されて発泡体となるが、効率よく板状発泡体を製造するためには口金部が平行溝であるフラット金型を使用することが好ましい。フラット金型の口金間隙は得ようとする発泡体の厚みにもよるが、大体0.7〜2mm、好ましくは0.9〜1.5mmの間隙が好ましい。また口金の内面はできる限り溶融樹脂との剪断発熱が抑えられるよう、一部或いは全部がポリ四弗化エチレン樹脂からなるコーティング材で樹脂の通過面をコーティングすることが好ましい。発泡剤を含んだ溶融樹脂は通常発泡シートやロッド状発泡体をつくる場合よりも低い剪断速度で押し出す。ポリ乳酸系樹脂の板状発泡体を押し出す際の好ましい剪断速度[剪断速度=6×押出量/(口金幅×口金間隙の二乗)、ポリ乳酸系樹脂の樹脂密度は1.1g/cm3 とする]は150〜900sec- 1 、更には200〜800sec- 1 、特には250〜700sec- 1 である。
【0043】
金型から押し出された発泡剤含有溶融樹脂は、口金の先端に密接に取り付けられた、2枚の板を向きあわせてなる成形装置を通過させ、成形と同時に冷却することにより成形する。ポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度は大体60℃であることから、2枚の板を向きあわせてなる成形装置通過直後の板状発泡体の表面温度は60℃以下、発泡体内部の温度を考慮すると50℃以下、特には40℃以下となるように成形装置で冷却する。発泡体の表面温度が60℃より高いと、発泡体の反りや曲がりが発生しやすく好ましくない。ポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度はポリスチレン系樹脂のガラス転移温度に比べ30〜40℃低いことから、成形装置においてポリスチレン系樹脂の板状発泡体を製造する場合より多くの熱量を発泡体から奪熱する必要がある。その方法としては例えば、成形装置の2枚の板の内部に30℃以下、好ましくは25℃以下の冷却水を通水し、2枚の板の表面温度を下げるとともに、2枚の板の長さを通常のポリスチレン系樹脂の板状発泡体をつくる際に使用する場合よりも長くする。或いは押出量を下げて、板状発泡体が成形装置を通過する時間を長くすることで、板状発泡体からの脱熱量を大きくする。或いは、2対の2枚の板からなる成形部分からなる成形装置を使用する方法などがある。
【0044】
本発明の板状発泡体が優れた断熱性能を発揮し断熱材として好適に使用するためには、その厚みは3mm以上、更には10mm以上、特には20mm以上とすることが好ましい。
【0045】
こうして樹脂を少なくとも10倍以上に発泡させることができる。従って得られた発泡体は、見掛け密度が0.12g/cm3 以下の均一微細に発泡したものとなっている。しかも、この発泡体はこのように高い倍率に発泡しており乍ら、独立気泡性のものであって連続気泡が少なく、従って連続気泡率が20%以下となっている。また、特に注意することにより連続気泡率を10%以下、さらには5%以下にすることもできる。
【0046】
このように連続気泡率が20%以下の低いものとなっているため、この発泡体は機械的強度にすぐれ、また熱絶縁にすぐれたものとなっている。得られた発泡体の機械的強度について云えば、5%圧縮強度が0.08〜1.2MPa、さらには0.09〜1.1MPaであり、圧縮弾性率が1.8〜30MPa、さらには2.0〜25MPaであり、曲げ強度が0.5〜3.2MPa、さらには0.6〜3.0MPaであり、曲げ弾性率が0.6〜30MPa、さらには0.7〜28MPaである。また、熱絶縁性について云えば、得られた発泡体の熱伝導率が0.040W/mk以下であって、JIS A9511に規定されているポリスチレン系樹脂発泡体の熱伝導率に匹敵する値となっている。
【0047】
この発明で得られたポリ乳酸系樹脂発泡体は、上述のような性質を持っているから、これまでポリスチレン系樹脂発泡体が用いられていた分野で広く用いることができる。すなわち、軽量構造材としては、包装材、緩衝材、建築土木材、食品用容器、工業用部材等として使用することができる。
【0048】
断熱材としては、建築土木用断熱材(屋根用断熱材、屋上用断熱材、壁断熱材、床断熱材、水道・温水配管用保温材、バス用保温材、シンク用防露材等)、自動車用部材(天井材、インパネ材、ドア材等)、パイプカバー及びタンク類用断熱材、ボンベ用断熱材、食品用断熱材等(生鮮食品トレー、弁当箱、保温カップ及びトレー、インスタント食品容器、飲料カップ、魚箱、保冷容器)として使用することができる。特に環境に優しい発泡剤を使用して低い熱伝導率を達成しているので、建築土木用断熱材として好適に使用できる。
【0049】
しかも、この発泡体は、ポリ乳酸系樹脂で作られているから、日光風雨に直接長期にわたって曝されない限り、すぐに劣化することがない。しかし、廃品となったあとで遺棄され、とくに日光風雨に長期間曝されたり、地中に埋没されたりすると次第に分解し、炭酸ガスと水のような無害なものとなる。従って、この発泡体は遺棄分解性の良好な軽量構造材として有用なものである。この発明は、このような利益を与えるものである。
【0050】
なお、この発明では、従来技術で行われて来たように、ポリ乳酸系樹脂に種々の添加剤を加えて、得られる発泡体の性質に変化を与えることができる。例えば、タルク、炭酸カルシウム、弗素樹脂粉末等の気泡調整剤を加えて、発生する気泡を調整することができる。そのほか、難燃剤、帯電防止剤、着色剤などを加えることができる。
【0051】
【発明の効果】
この発明によれば、ポリ乳酸系樹脂として、乳酸のD−体とL−体とが、そのうちの一方が2〜10%で他方が98〜90%の割合で共重合したものを用いるので、押出機内で溶融したとき、樹脂が発泡に適した溶融粘度を示すこととなる。また、発泡剤含有の溶融樹脂を、樹脂の融点と融点より40℃だけ低い温度との間の温度で押し出すこととしたので、樹脂は押出時に発泡に適した溶融粘度を持って押し出される。このために、この発明方法によれば、所望通りに高い倍率で均一に発泡した発泡体を得ることができる。しかも、ポリ乳酸系樹脂として110〜170℃の融点を持つものを用いたので、得られた発泡体は実用に適したものとなっている。
【0052】
さらに、この発明では、押出機を用いて押出発泡によることとしたので、連続して能率よく発泡体を得ることができる。また、この発明では増粘剤を用いないので、ポリ乳酸系樹脂は遺棄分解性をそのまま保持するので、環境に優しい発泡体として種々の用途に向けることができる。
【0053】
なお、この発明方法によれば、得られた発泡体は微細な気泡を持ち均一に発泡したものとなる。また、気泡調整剤の添加や発泡条件の調整により、得られる発泡体の密度を0.12g/cm3 以下、とりわけ0.012g/cm3 以上の範囲内で所望通りに調整することができる。しかも、発泡体は上述のように連続気泡率が20%以下の低いものとなるので、機械的強度や断熱性のすぐれたものであり、従って構造材として広く使用することができる。また、この発明によれば厚みが3mm以上で幅が150mm以上の発泡板を容易に作ることができる。この発明はこのような利益を与えるものである。
【0054】
【発明の態様】
以下に実施例と比較例とを挙げて、この発明のすぐれている所以を具体的に明らかにする。以下で、単に部と云うのは、重量部を表わしている。また、押出機から発泡剤を含有した溶融樹脂を押し出す時の樹脂の温度は、押出機先端と金型との間に、ブレーカープレートを付設し、このブレーカープレートの直後に図1に示したようなブレーカープレートの中心部、及び中心部と樹脂通路の最外部との中間点(以下、これをD/4部という)に熱電対を固定して、この熱電対の示す温度をもって示した。
【0055】
連続気泡率の測定
連続気泡率は、ASTM D−2856に準拠し、東京サイエンス(株)製の空気比較式比重計1000型を使用し、1〜1/2〜1気圧方法で測定した。
【0056】
見掛け密度の測定
日本工業規格 JIS K 6767に所載の方法に準拠して、次式により発泡体の見掛け密度(g/cm3 )を求めた。(ここで、見掛け密度は見掛け全体密度のことをいう)
見掛け密度=[発泡体の重量(g)]/[発泡体の嵩体積(cm3 )]
【0057】
熱伝導率の測定
熱伝導率は日本工業規格 JIS A 1412(熱絶縁材の熱伝導率及び熱抵抗の測定方法)に所載の方法に準拠して測定した。ただし、平均温度(試験片温度)は20−2℃〜20+3℃とした。
【0058】
5%圧縮強度及び圧縮弾性率
5%圧縮強度及び圧縮弾性率はJIS A9511(発泡プラスチック保温材)に準拠して測定し、三方向(MD,TD,VD)の平均値とした。
試験装置:テンシロン万能試験機 UCT−10T((株)オリエンテック)
試験片:25(幅)×25(長さ)×25(厚み)(単位はmm)
試験速度:10mm/min
試験数:3
【0059】
曲げ強度及び曲げ弾性率
曲げ強度及び曲げ弾性率はJIS A9511(発泡プラスチック保温材)に準拠して測定し、二方向(MD、TD)の平均値とした。
試験装置:テンシロン万能試験機 UCT−10T((株)オリエンテック)
試験片:50(幅)×200(長さ)×20(厚み)(単位はmm)
支点間距離:150mm
試験速度:10mm/min
先端治具:加圧くさび・・・10R 支持台・・・10R
試験数:3
【0060】
【実施例1】
ポリ乳酸系樹脂として融点が132.9℃で、D−体含有率が8.4%、L−体含有率が91.6%で、メルトマスフローレイトが6.3g/10分のものを使用した。
【0061】
上記樹脂100重量部に気泡調整剤としてタルク2.0部を混合し、この混合物を、一段目押出機の口径が50mm、二段目押出機の口径が65mmであるタンデム式押出機に投入した。二段目押出機のスクリューは全長さにおいてフライトを有し、フライトが180℃回転する毎にフライトの一部を切り込んだ押出機内で樹脂を初め155℃に加熱して樹脂を溶融し、その後樹脂温度を175℃まで上昇させ、この状態で、押出機のバレルの途中から溶融樹脂にジメチルエーテルを13重量%の割合で圧入した。
【0062】
引き続き、押出機内で溶融樹脂を冷却し、中心部分の樹脂温度を110.0℃、D/4部分の樹脂温度を111.4℃としてフラット金型(口金間隙1.2mm、口金幅80mm、)から24.8kg/hrの押出量で押し出した。その際二段目押出機のスクリュー回転数は10.8回転で、二段目押出機の溶融樹脂の平均滞留時間は529秒であった。(押出機口径の二乗×スクリュー回転数/押出量=1.8)また口金部分の剪断速度は326sec- 1 であった。
【0063】
押出された発泡体は、口金の先端に密接に取り付けられた2枚の板(幅500mm、長さ400mm、内部に20℃の冷却水を通水)を向きあわせてなる偏向板を2対有する成形装置を通過させ、成形と同時に冷却することにより板状発泡体に成形した。成形装置を通過した直後の発泡体の表面温度は35℃であった。
【0064】
得られた発泡体は均一に発泡しており、密度が0.032g/cm3 で連続気泡率は4.6%であった。また得られた発泡体の熱伝導率は0.033W/mkと、発泡剤としてフロンを全く使用することなくJIS A9511により規格化されている2種の熱伝導率(0.034W/mk以下)に適合する値を示した。また5%圧縮強度は0.11MPa、圧縮弾性率は2.3MPa、曲げ強度0.65MPa、曲げ弾性率は0.85MPaであった。
【0065】
【実施例2】
ポリ乳酸系樹脂として融点が142.4℃で、D−体含有率が4.4%、L−体含有率が95.6%で、で、メルトマスフローレイトが7.5g/10分のものを使用した。
【0066】
上記樹脂100重量部に気泡調整剤としてタルク2.0部を混合し、この混合物を、実施例1で使用した押出機に投入した。押出機内で樹脂を初め165℃に加熱して樹脂を溶融し、その後樹脂温度を180℃まで上昇させ、この状態で、押出機のバレルの途中から溶融樹脂にジメチルエーテルを8重量%の割合で圧入した。引き続き、押出機内で溶融樹脂を冷却し、中心部分の樹脂温度を129.1℃、D/4部分の樹脂温度を130.3℃として実施例1と同じフラット金型から押し出した。その際二段目押出機のスクリュー回転数は9.6回転であった。(押出機口径の二乗×スクリュー回転数/押出量=1.6)押し出された発泡体は、口金の先端に密接に取り付けられた2枚の板を向きあわせてなる偏成形装置を通過させ、成形と同時に冷却することにより幅180mm、厚み28mmの板状発泡体に成形した。成形装置を通過した直後の発泡体の表面温度は33℃であった。
【0067】
得られた発泡体は均一に発泡しており、密度が0.11g/cm3 で連続気泡率は18.2%、熱伝導率は0.039W/mkとJIS A9511により規格化されている1種の熱伝導率(0.040W/mk以下)に適合する値を示した。また5%圧縮強度は1.0MPa、圧縮弾性率は24MPa、曲げ強度2.8MPa、曲げ弾性率は26MPaと強度に優れた発泡体であった。
【0068】
【比較例1】
ポリ乳酸系樹脂として融点が171.0℃で、D−体含有率が1.6%、L−体含有率が98.4%、メルトマスフローレイトが8.4g/10分のものを使用し、この樹脂100重量部に気泡調整剤としてタルク2.0部を混合し、この混合物を、実施例1で使用した押出機に投入した。押出機内で樹脂を初め170℃に加熱して樹脂を溶融し、その後樹脂温度を190℃まで上昇させ、この状態で、押出機のバレルの途中から溶融樹脂にジメチルエーテルを10重量%の割合で圧入した。引き続き、押出機内で溶融樹脂を冷却し、中心部分の樹脂温度を149.6℃、D/4部分の樹脂温度を151.8℃として実施例1で使用した金型から押し出したが、金型から溶融樹脂が断続的に噴出し、安定した状態で発泡体をつくることができなかった。
【0071】
【比較例
発泡剤としてブタンを使用した以外は実施例2と同じ方法で発泡体を試作した。その際の樹脂温度は中心部分の樹脂温度が129.1℃、D/4部分の樹脂温度が131.2℃であった。
【0072】
得られた発泡体は密度が0.11g/cm3 で連続気泡率は24.2%、熱伝導率は0.042W/mkとJIS A9511により規格化されている1種の熱伝導率(0.040W/mk以下)に適合せず、断熱性に劣った発泡体であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明において、樹脂温度を測定するために付設した熱電対のブレーカープレート上の位置を示す。

Claims (3)

  1. 乳酸のD−体とL−体とが、そのうちの一方が2〜10%で他方が98〜90%の割合に共重合して、110〜170℃の融点を持つポリ乳酸系樹脂からなる発泡体であって、見掛け密度が0.12g/cm3 以下であり、連続気泡率が20%以下、厚みが10mm以上、幅が150mm以上であることを特徴とする、遺棄分解性の良好な板状軽量構造材。
  2. 乳酸のD−体とL−体とが、そのうちの一方が2〜10%で他方が98〜90%の割合に共重合して、110〜170℃の融点を持つポリ乳酸系樹脂からなる発泡体であって、見掛け密度が0.12g/cm3 以下であり、連続気泡率が20%以下、厚みが10mm以上、幅が150mm以上であることを特徴とする、遺棄分解性の良好な板状断熱材。
  3. 乳酸のD−体とL−体とが、そのうちの一方が2〜10%で他方が98〜90%の割合で共重合したものであって、110〜170℃の融点を持つポリ乳酸系樹脂を押出機内で溶融し、これに発泡剤として上記融点より低い沸点を持った脂肪族エーテルを樹脂に対して0.5重量%以上含ませ、得られた発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂の融点と融点より40℃だけ低い温度との間の温度で押出機の先端に付設したフラット金型から平板状で押し出し、次いで2枚の板を向きあわせてなる成形装置を通過させ、成形と同時に冷却することを特徴とする、棄分解性の良好な板状軽量構造材の製造方法。
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