JP4299282B2 - 調理装置および食器収納構造 - Google Patents

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Description

本発明は、カレー専門店やスパゲティ専門店等で使用することによって、特別な技能を要することなく誰でも一定の品質を維持しながら効率良く調理することができる調理装置に関するものである。
従来、カレー専門店やスパゲティ専門店としてチェーン店展開をしている専門店においては、味の決め手となるソース類をセントラルキッチン(専門工場)からの供給を受けている。すなわち、各店舗において、ソース類を初めから調理する作業は各種の材料と調理時間を必要とし、ベテランのシェフがいなければできないことなので、チェーン店展開している専門店では、基本的な味を左右するソース類は、セントラルキッチンからチェーン店へ予め配送し、店舗での手間を減らし、均一な味を確保するようになっている。カレー専門店の場合、カレーの基本となるカレーソースは、セントラルキッチンで量産された2〜3種のものが、例えば、10kgづつの袋に詰められて冷蔵又は冷凍状態で各店舗に配送されている。スパゲティ専門店の場合にも、例えば、トマトソース系のものとホワイトソース系のものとの2〜3種類のものがセントラルキッチンから10kgづつ袋に詰められて冷蔵又は冷凍状態で各店舗に配送されている。各店舗においては、前述のように、冷蔵又は冷凍されて配送されてきたソース類を解凍や加熱し、70〜80℃に保温しておくという作業が必要になる。従来は、大きな寸胴をガスレンジにかけてお湯を沸かし、その寸胴の中に少し小型の寸胴を入れ、その中にソースを入れて解凍保温するという湯煎方式がとられていた。
この種の従来の調理装置の一例を図22に基づいて具体的な寸法と共にその構成を説明する。まず、横方向に各種の装置が配置されているが、左側から右方向に向けて冷凍麺保存庫を兼ねた食器置き台兼盛付台1、茹で麺機(解凍機)2、6連ガスコンロ台3、スープ湯煎台4が順次配列されている。前記食器置き台兼盛付台1には、常温食器5、盛付済み食器6が載置され、その幅寸法は0.6mである。前記茹で麺機(解凍機)2は茹で籠7を備えその幅寸法は0.4mである。前記6連ガスコンロ台3には、背面に排気筒8が設けられていると共に多数の具材入れ9が配設され、かつ、ガスコンロ10及び着火つまみ11が設けられ、さらに、手付き鍋12を備えていると共にその幅寸法は1.4mである。前記スープ湯煎台4には、背面に排気筒13が設けられていると共に複数個の寸胴14を備えその幅寸法は1.2mである。そして、奥行き寸法は、0.7mであり、それぞれの装置の作業台の高さは0.8mであり、全体の幅寸法は、3.6mである。
特公昭59−24810号公報 特願2004−279892号明細書 特願2005−063417号明細書 特願2005−279892号明細書
従来の調理装置は、図13に示したように、その幅方向の寸法が3.6mもあり、店舗における占有面積がきわめて大きい。しかも、調理装置が大型であるということは、それぞれの作業位置が離れていることになり、調理スタッフも最低2人が必要となる。しかも、作業動線も横方向に広がり、作業性も悪い。また、加熱調理にはガスコンロ10が使用されるため、光熱費も高く、しかも、作業環境もよくない。
また、調理に当たっては食器の出し入れ作業も大きなウェイトを閉めるものであり、その操作性が良いことはこの種の調理装置において非常に重要な要素であり、また、調理装置の前面空間が広く取れることも作業性向上のためには必要なことである。
さらに、調理の内容によっては、食器を温めておく必要があるが、食器の保温のためにはかなりの熱を必要とし、効率良く食器を保温させることが要望される。しかも、食器保温のための熱が外部に放散されることを防ぐことは、熱効率の面からも作業環境を良好に保つ意味からも必要なことである。
請求項1記載の発明は、平坦な作業面を備えた本体ケースに、湯煎水を蓄える大型湯煎槽と、この大型湯煎槽内に挿脱自在に取り付けられ加熱手段により間接的に加熱される複数個の寸胴と、前記大型湯煎槽と前記寸胴とに選択的に熱湯を供給する熱湯供給装置と、種々の具材をそれぞれ収納した複数個のホテルパンを棚枠で水平方向に配列してこれらの棚枠を上下方向に複数段に配列した具材収納部と、空又は調理済みの料理を盛り付けた複数個の食器を保持する回転テーブルが複数段に配列されて前記本体ケースの上面に位置して設けられた食器保持部と、前記本体ケースの前面側に位置して多数の前記食器を出し入れ自在に収納する食器収納部と、を配設して一体構造とした調理装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の調理装置において、本体ケースの手前側に作業面が設けられ、この作業面の奥側に大型湯煎槽を配設し、この大型湯煎槽の上方に具材収納部を配設し、食器を保持する複数段の回転テーブルを備えた食器保持部を前記本体ケースの側方に位置させて配設した。
請求項3記載の発明は、平坦な作業面を備えた本体ケースに、湯煎水を蓄える大型湯煎槽と、この大型湯煎槽内に挿脱自在に取り付けられ加熱手段により間接的に加熱される複数個の寸胴と、上向きの噴流を発生させる噴流発生機構を備えて前記大型湯煎槽に隣接して設けられた解凍噴流槽と、前記大型湯煎槽と前記寸胴と前記解凍噴流槽とに選択的に熱湯を供給する熱湯供給装置と、種々の具材をそれぞれ収納した複数個のホテルパンを棚枠で水平方向に配列してこれらの棚枠を上下方向に複数段に配列した具材収納部と、空又は調理済みの料理を盛り付けた複数個の食器を保持する回転テーブルが複数段に配列されて前記本体ケースの上面に位置して設けられた食器保持部と、前記本体ケースの前面側に位置して多数の前記食器を出し入れ自在に収納する食器収納部と、を配設して一体構造とした調理装置である。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の調理装置において、本体ケースの手前側に作業面が設けられ、この作業面の奥側に大型湯煎槽と解凍噴流槽とを横方向に配列し、これらの大型湯煎槽と解凍噴流槽との上方に具材収納部を配設し、食器を保持する複数段の回転テーブルを備えた食器保持部を前記本体ケースの側方に位置させて配設した。
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の調理装置において、大型湯煎槽の上方に位置する具材収納部の下段の棚枠を前記大型湯煎槽の上方から退避するように水平方向に回動自在にした。
請求項6記載の発明は、請求項1又は3記載の調理装置において、本体ケースに立設したスタンドパイプに複数個の食器が載置される回転テーブルを複数段に回転自在に取り付けた。
請求項7記載の発明は、請求項1又は3記載の調理装置において、本体ケースに設けられた食器収納部の奥に、温風により多量の食器を温める食器ウォーマー装置を配設したものである。
請求項8記載の発明は、収納すべき食器の大きさに合わせた大きさで上方に開口した縦長の直方形状の収納容器を前面側上部に開放部を形成した状態で本体ケースに取り付け、前記収納容器に積み重ねられた前記食器を保持する食器保持体を昇降自在に取り付け、積み重ねられた前記食器の最上位置が常に一定位置を保つように食器保持体を上方へ付勢する引張バネを設け、前記収納容器に前記開放部を開閉するように上下動する開閉板を設けた食器収納構造である。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の食器収納構造において、開閉板は前記収納容器の前面板の内面に接するようにバネ性のある押えばね板で内面側を摺動自在に押えられているものである。
請求項10記載の発明は、押えばね板は、中央部が切り欠かれているものである。
請求項11記載の発明は、請求項8記載の食器収納構造において、収納容器は、前面下部と後面上部とで本体ケースに係止部で係止され、これらの係止部は前記収納容器を上方へ移動することにより外れるものである。
請求項12記載の発明は、前記食器収納部は、請求項8、9、10又は11記載の食器収納構造であることを特徴とする請求項1記載の調理装置である。
請求項1記載の発明によれば、装置を小型化できるため、店舗における占有面積を小さくすることができ、調理スタッフの作業動線を短くすることができ、そのため、調理スタッフが一人であっても一定の品質を維持しながら効率良く調理することができ、特に、カレー専門店においては、従来の直接加熱方式であればカレーソースのように粘度のある食材であると絶えず攪拌していないと焦げ付くこととなるが、大型湯煎槽に寸胴を収納し、加熱手段により加熱される湯煎水を介してカレーソースを温めるようにしているため、焦げ付くことはないという効果を有する。
請求項2記載の発明によれば、本体ケースの手前側に作業面が設けられ、この作業面の奥側に大型湯煎槽を配設し、この大型湯煎槽の上方に具材収納部を配設し、前記本体ケースの側方に食器保持部を位置させているため、各作業部位が立体配置され、これにより、作業動線をきわめて短くして一人の調理スタッフによる作業効率をきわめて向上させることができるものである。
請求項3記載の発明によれば、装置を小型化できるため、店舗における占有面積を小さくすることができ、調理スタッフの作業動線を短くすることができ、そのため、調理スタッフが一人であっても一定の品質を維持しながら効率良く調理することができ、特に、カレーうどんやスパゲティ等の専門店においては有用であるという効果を有する。
請求項4記載の発明によれば、本体ケースの手前側に作業面が設けられ、この作業面の奥側に大型湯煎槽と解凍噴流槽とを横方向に配列し、これらの大型湯煎槽と解凍噴流槽との上方に具材収納部を配設し、前記本体ケースの側方に食器保持部を位置させているため、各作業部位が立体配置され、これにより、作業動線をきわめて短くして一人の調理スタッフによる作業効率をきわめて向上させることができるものである。
請求項5記載の発明によれば、大型湯煎槽の上方に位置する具材収納部の下段の棚枠を前記大型湯煎槽の上方から退避するように水平方向に回動自在にしたので、大型湯煎槽の上方空間を大きくしなくてもその大型湯煎槽に装着された寸胴の着脱を容易に行うことができ、具材収納部の高さも作業に適した位置に設定することができるものである。
請求項6記載の発明によれば、本体ケースに立設したスタンドパイプに複数個の食器が載置される回転テーブルを複数段に回転自在に取り付けたので、完成料理の受け渡し、ご飯などを盛り付けた皿の受け取りなどに作業者が移動する必要がなくなるものである。
請求項7記載の発明によれば、本体ケースに設けられた食器収納部の奥に、温風により多量の食器を温める食器ウォーマー装置を配設したので、使用前の食器はそれらを収納している状態で所定温度に温められており、これにより、調理した料理を盛り付けてもその温度が下がることがなく暖かい料理を客に提供することができる。
請求項8記載の発明によれば、収納容器を前方へ倒すことなく食器を取り出すことができるため、個々の食器の重量が大きいものであっても容易に取り出すことができ、しかも、前方の作業空間を狭めることもなく、食器を温める必要がある場合にも熱効率がよく、作業空間への熱放散をも防止することができる。
請求項9記載の発明によれば、請求項8記載の食器収納構造において、開閉板は収納容器の前面板の内面に接するようにバネ性のある押えばね板で内面側を摺動自在に押えられているため、スペースを要することなく収納容器の開放部を開閉することができる。
請求項10記載の発明によれば、押えばね板は、中央部が切り欠かれているため、内部の食器に接触することを防止して内部空間を有効に利用することができる。
請求項11記載の発明によれば、請求項8記載の食器収納構造において、収納容器を係止する係止部は、収納容器を上方へ移動することにより外れるので、食器の種類を変えたことによる重量変化に対応させるための引張バネの交換作業が容易であり、また、清掃作業等も簡単できるものである。
請求項12記載の発明によれば、請求項1記載の調理装置において、請求項8、9、10又は11記載の食器収納構造を食器収納部として構成することができるものである。

本発明の第一の実施の態様を図1〜図15に基づいて説明する。まず、手前側に平坦な作業面15を備えた本体ケース16が設けられ、この本体ケース16には、湯煎水17を蓄える大型湯煎槽18と、この大型湯煎槽18内に挿脱自在に取り付けられ加熱手段となるヒータ19により間接的に加熱される複数個の寸胴20と、上向きの噴流を発生させる噴流発生機構21を備えて前記大型湯煎槽18に隣接して設けられた解凍噴流槽22と、前記大型湯煎槽18と前記寸胴20と前記解凍噴流槽22とに選択的に熱湯を供給する熱湯供給装置23と、種々の具材をそれぞれ収納した大中小のサイズの異なる複数個のホテルパン24を棚枠25で水平方向に配列してこれらの棚枠25を上下方向に複数段に配列した具材収納部26と、複数個の食器27を保持する回転テーブル28が複数段に配列されて前記本体ケース16の上面に位置して設けられた食器保持部29と、前記本体ケース16の前面側に位置して多数の食器27を出し入れ自在に収納する食器収納部30とが配設されている。
各店舗においては、前述のように、冷蔵又は冷凍で配送されてきたソースを解凍や加熱し70〜80℃に保温しておくという作業が必要となる。従来は、大きな寸胴をガスレンジにかけてお湯を沸かし、その寸胴の中に少し小型の寸胴を入れ、その中にソースを入れて解凍保温するという湯煎方式がとられていた。本実施の態様においては、本体ケース16の奥側に大型湯煎槽18、解凍噴流槽22を設け、ソース類の解凍・加熱・保温作業を容易にすることができる。従来は、スープを収納する寸胴が直接下の熱板ヒータに接触していたものであるが、このような直接加熱方式の場合には、カレーソースのように粘度のある食材であると絶えず攪拌していないと焦げ付くこととなるが、本実施の態様においては、大型湯煎槽18に寸胴20を収納し、ヒータ19は水中ヒータとして湯煎水17を介してソースを温めるようにしてあるため、たとえカレーソースであっても焦げ付くことはない。これらのヒータ19は、三個の寸胴20(図示しないが浮き上がり防止機構が設けられている)のそれぞれの下に配設されており、これらのヒータ19は、前記本体ケース1の前面右側上部に設けられた押し釦タイマースイッチ31にそれぞれ接続されている。これらの押し釦タイマースイッチ31は、具体的には、それぞれ電源32に接続されたスープ加熱ヒータ切換スイッチ33により構成されているものであり、前記ヒータ19を前記電源32に直に接続するか、あるいは、半波整流器34を介して前記電源32に直に接続するかを選択切換しているものである。また、前記本体ケース1内には、その容量が30リットル程度の熱湯タンク35が設けられている。この熱湯タンク35には熱湯送り出しポンプ36が接続されており、この熱湯送り出しポンプ36には、前記寸胴20のそれぞれ及び前記大型湯煎槽18に熱湯を供給する熱湯吐出カラン37が接続されている。この熱湯吐出カラン37は、すべての前記寸胴20及び大型湯煎槽18の上部位置に吐出口が位置するように前記本体ケース1の後方中心部に回動自在に設けられている。前記熱湯送り出しポンプ36は、ポンプ押し釦スイッチ37を介して前記電源32に接続されている。また、前記熱湯タンク35の上部には、電磁弁38を介して水道管39に接続されている水供給口40が接続されている。しかして、熱湯タンク35からは、熱湯送り出しポンプ36を作動させると、いつでも92℃の熱湯を寸胴20又は大型湯煎槽18に急送することができ、ソースを作ったり、大型湯煎槽18内の水を最初に加熱する時間を短縮することができる。
本実施の態様における調理装置は、立体的に空間を利用し、作業動線を短縮することを目指しているが、カレーやスパゲティの専門店において、何種類かのベースになるソースを加熱保温する方法については前述したが、ベースになるソースに種々の具材を追加し、調味料を加えたりして加熱調理してからお客に提供することとなる。この具材や調味料は、今までは調理テーブル上に並べられているために最も大切な調理テーブルの平面的なスペースを取っているがために調理台は大きくなり、作業者の動線距離も大きくなっていた。これに対して、図2又は図5に示すように、各種の具材や調味料を入れた大・中・小のホテルパン24を二段の棚状に配設することで立体的なスペースを活用している。具材・調味料の種類が多くなると、立ち上がりパイプ41で支持された上段だけでは不足となり、図6に示すように、L字形に屈曲したパイプ42で支持された下段の棚も必要となる。しかしながら、下段のホテルパン24は寸胴20の直上に位置しており、これらの寸胴20は、掃除や交換の時に上方へ引き上げながら取り出さなければならないことから、パイプ42は左側の垂直部分43が回動するように取り付けられている。そのため、必要に応じてパイプ42を回動させてホテルパン24を寸胴20の上から逃がしてそれらの寸胴20を引き上げることができる空間を確保している。そして、水平部分44には、垂直なストッパ45とホテルパン24を保持する保持枠46とが形成されている。しかも、立ち上がりパイプ41の中間位置には、パイプ42の右端を保持する保持部47が設けられている。なお、上段・下段共にホテルパン24は着脱自在であり、とくに、棚枠の中に入れ、上縁だけが枠で支えられる方式であるため、ホテルパン24の外側下面が汚れることがない。また、図3に図示した状態で明らかなように、ホテルパン24は僅かに手前に傾けて取り付けられているため、内容物が作業者から見やすく、取り出しやすいという特長もある。
このような上下段のホテルパン24には、1ピーク時の100食分位に必要な具材や調味料等はすべて備えられており、ピーク時の忙しい時に補充する必要がないように配慮されている。なお、下段のパイプ42の左側には、前述のようなストッパ45が設けられているものであるが、ここには図7に示すような大型具材容器48が着脱自在に取り付けられる。この大型具材容器48は、寸胴20の着脱時には予め取り外しておくものである。
つぎに、本体ケース16の前面には、その本体ケース16の下の空間を利用して食器収納部30が設けられている。すなわち、4本の収納容器49が装着され、多数の皿やどんぶり等の食器27が納められ、後述するように上部把手を引くことにより食器27を取り出したり補充したりすることができる。通常は、1ピーク時に必要とする食器27は、これらの4本の収納容器49に分散収納されている。
前記本体ケース1の前面側には、食器収納部30が設けられている。この食器収納部30は、三個の収納容器49を備えている。これらの収納容器49について説明する。まず、この収納容器49は、収納すべき食器27の大きさに合わせた大きさで上方に開口した縦長の直方形状である。この収納容器49の両側の側壁50には、手が入る大きさの上方に開口した切欠き51が形成され、また、これらの側壁50に直交する一辺の側壁50は支持側壁52とされ、この支持側壁52には、垂直方向に連通する二条のスリット53が形成されている。また、前記収納容器49には、積み重ねられた前記食器27を保持する食器保持体54が昇降自在に取り付けられている。この食器保持体54は、その一側縁近傍が二条の前記スリット53に摺動自在に挿入された相対向する二枚の支持部材55と、これらの支持部材55の上縁に取り付けられた台座56とよりなる。そして、前記支持部材55のそれぞれには、前記支持側壁52の外面に接して転動する上方に位置する外部ベアリング57が支軸58に保持されて取り付けられており、前記支持側壁52の内面に接して転動する下方に位置する内部ベアリング59が支軸60に保持されて取り付けられている。すなわち、前記食器保持体54には、二個ずつの外部ベアリング57及び内部ベアリング59が設けられている。また、前記支持部材55の前記支持側壁52から外部に突出した部分の下端に、バネ掛けアングル61が取り付けられている。
このように形成された食器保持体54は、前記支持側壁52の外面に設けられたバネリフト構造62で保持されている。すなわち、このバネリフト構造62は、複数本の引張バネ63によるものであり、本実施の形態においては、使用する食器27の重量に対応するように選別した三種類の引張バネ63が用いられている。これらの引張バネ63は、その下端が前記バネ掛けアングル61に引っ掛けられており、上端が前記支持側壁52の上端に屈曲形成されたバネ掛け板64に引っ掛けられている。
さらに、前記収納容器49の前面に位置する側壁50の上方には、把手65が設けられ、両側の側壁50の下縁には、やや手前側に位置させてV字形状の切欠き(回転支点)66が形成されている。この切欠き66は、前記本体ケース1に形成された回転支点(図示せず)に係合する。すなわち、この本体ケース1の回動支点は、横方向に配設されたリブに形成された係合切欠等によるものであり、収納容器49の両側に設けられた前記切欠き66が係合することにより前記収納容器49を前方に傾斜するように保持している。つぎに、前記収納容器49には、前記本体ケース1の中心部に一端が固定された所定長さのチェン(図示せず)が結合され、このチェンの長さにより手前側の倒れ角度が規制されている。
ついで、食器27を使用する場合の作用を説明する。前述のように、収納容器49を手前側に引き出して傾斜させることにより、表面に露出した最上部の食器27は取出位置に位置している。そして、使用者が必要枚数の食器27を取り出すことにより、積み重なった食器27の全重量は減少して上昇する。この重量変化と引張バネ63の伸び率の減少とのバランスがとれているため、何枚の食器27を取り出しても、常に最上部の食器27は同一の取出位置に位置している。なお、食器27の種類を変えた場合等は、その食器27の重量に応じてバネ定数の異なる引張バネ63を選択して掛け換える。バネ掛けアングル61とバネ掛け板64とには、予め多数の引掛け部が設けられているため、必要に応じて多数本の引張バネ63を掛け渡すことができる。このような機能を達成するために、食器保持体54が昇降するものであるが、その食器保持体54は支持側壁52に片持状態で保持されているものである。そして、食器保持体54の台座56の中心に食器27の重量が作用し、支持側壁52と逆側に傾くように力が作用している。しかしながら、外部ベアリング57が支持側壁52の外面に圧接され、内部ベアリング59が支持側壁52の内面に圧接されるため、食器保持体54は傾くことなく水平に維持されてスリット53に沿って昇降する。しかも、外部ベアリング57と内部ベアリング59とは、ボールベアリングを使用することが可能であるため、食器27の重量程度では滑らかな動きを示し、しかも、動作速度も低いことから、安価なボールベアリングできわめて円滑な動きを示す。従って、バネリフト構造62を収納容器49の片側だけに設ければ良いため、装置の外形が小さくて良い。
また、収納容器49を引いてその収納容器49を引き出した時と元に戻した時との衝撃を和らげるために、図10にその概略を示すように、各収納容器49の底部にピストン式のオイルダンパー67が組み込んである。
つぎに、食器27の収納容器49を2本単位で食器27に温風を吹き付けて食器27全体を温める食器ウォーマー装置68が設けられている。この食器ウォーマー装置68は、送風ファン69とこの送風ファン69の風の通路に配置されたヒータ70とよりなる。
本実施の態様における調理装置は、カレー専門店やスパゲティ専門店などにおいて本装置1台で他の調理装置を使わなくても調理できるようにすることを理想としている。しかしながら、スパゲティを茹でる機能を持たせていないため、スパゲティ専門店では他に茹で麺機を併設する必要がある。また、カレー専門店でも、最近は「うどんカレー」が好まれるようになり、うどんを茹でる装置の並設までも必要となる。
カレー専門店では、ご飯を炊くのは別装置を併設するとしても、うどんカレーのうどんは生うどんを茹でるよりも冷凍うどんを使う店が殆どであることを考えると、冷凍うどん解凍機をコンパクトに一体化してもらいたいという要求がでるのは当然である。
スパゲティ専門店でも、乾麺や生麺を茹で上げるには約10分間もかかることから、冷凍麺を使用し、1分以内に解凍調理する方を選択するチェーン店も多くなってきている。
このような業界の流れから、本装置に冷凍麺解凍調理の機能を搭載してさらに市場のニーズに沿う製品とすることを目指す。冷凍麺解凍調理機としては、本出願人による特公昭59−24810号公報に記載した装置が実用化されている。その装置の概要を図11、図12、図13に示す。すなわち、解凍噴流槽22内の水を図示しないヒータにより沸騰寸前の96℃に保ち、底部に設けた噴流箱71から噴流モータ72で駆動されるポンプ73により噴流噴出穴74から噴出する噴流を麺の中央部に当てることにより解凍しにくかった麺の中央部から解凍が進み、沸騰湯の中に浸漬したよりもスピーディに、かつ、湯気を殆ど上げることなく解凍調理できるものである。また、このような解凍調理に使用する麺籠75は、底面が網76であり、透明蓋77で開閉自在とされていると共に、把手78を備えている。この透明蓋77は、部分的に透明部を形成しても良いものである。そして、食材を入れるとき以外は、透明蓋77が閉じているため、解凍噴流槽22に入れたときに水面の露出面積を少なくし、96℃の沸騰前の湯面からのわずかの湯気の立ち上がりを防いで熱損失と蒸発水量とをきわめて小さくすることができ、環境の劣化を防止している。なお、この解凍噴流槽22の底部に設けた噴流モータ72は、タイマースタート釦79を押したときだけタイマー80の作用で約60秒運転し、ブザーが鳴って停止するようになっていて無駄な運転を防ぎ、湯気上がりを最小に抑えている。
このような解凍噴流槽22は、前述のように、冷凍麺解凍器として機能させているが、冷凍麺を解凍する必要がないチェーン店もある。その場合には、噴流箱71の上にガード用の網を被せ、強力な攪拌流付きの湯煎槽として使用することができる。例えば、冷凍のレトルトパックを10〜20個位を解凍し、保温しておくのに便利である。そのために必要となる網籠などはユーザで使用中のレトルトパックに合わせて製作することが可能であり、その提供は容易である。また、レトルト冷凍パックに限らず、ホテルパン24を2〜4個並べ、寸胴20を使って保温するほどでもない量の食材を効率良く湯煎保温しておくこともできる。
つぎに、図1及び図14に基づいてカレー専門店で使う場合の例を説明する。まず、カレーライスの場合の米飯は、本装置で炊飯・保温することができないから、本体ケース1と隣接して右側にご飯盛付台を設置する。ご飯盛付担当者は、注文が入る度にお皿にご飯を盛り付けて本装置の右側テーブル上、すなわち、作業面15に置くこととなる。本装置の専任の作業者は、オーダに合わせて寸胴20に保温してあるカレーソースをIH調理器81の上のフライパン82に入れると同時にIH調理器81のスイッチを入れて加熱し始めるとともに、オーダに合わせたトッピング(例えば、とんかつ等)をホテルパン24から取り出して加熱中のカレーソースに加え、オーダに合ったカレー粉を追加して攪拌して加熱し、約2分後にすでにご飯の盛り付けてあった食器27にフライパン82の中味をあけて盛り付けてお客に提供することになる。
このフライパン82での加熱は、従来、ガスコンロによって行われていたが、ガスコンロは熱効率が割る、ガスコンロで発生した熱量の30%ぐらいしか鍋の加熱に使われず、あとの70%は調理場の空間に放散されてしまう。そのため、2kWのIH調理器81のものでは、2分で済むものが、ガスコンロでは3〜4分かかり、作業環境を悪化することとなり、しかも、IH調理器81ならば3台で済むところ、ガスコンロでは5〜6台を使う結果となっていた。また、ガスコンロを着火するには、いちいち圧電着火つまみを回して着火し、消すときは、つまみを回さねばならなかった。また、ガス式の場合は、炎がでているため、安全性においてIH調理器81には及ばないという欠点もあった。
IH調理器81では、加熱作業を均一化するために、フライパン82をIH調理器81の上に置くと、自動的にスイッチが入り、2分間だけ加熱すると自動的にオフになるという制御をも容易に行うことができ、作業者の負担を軽減し、かつ、加熱し過ぎを防ぎ、常に一定の均一加熱をすることが自動でできるものである。このような理由により、本実施の態様においては、入・切タイマーが付いたIH調理器81を3台並べて使っている。
つぎに、スパゲティ専門店においては、冷凍スパゲティを噴流が発生する解凍噴流槽22で解凍を開始すると共に、フライパン82にバターなどを敷いて加熱を開始し、約50秒後に解凍されたスパゲティをフライパン82に投入して約1分間位炒めた後、オーダのあったトッピングなどを追加して、さらに、1分間加熱して食器27に盛り付けてお客に提供することになる。
なお、本体ケース16の作業面15にIH調理器81を埋め込み型として設置し、作業面15をフラットかすることも可能である。しかしながら、このような対策はユーザの要望により選択されるものであり、種々の変形が考えられる。
また、本実施の態様として特長的なものは、立体的スペースの利用と作業性の向上のために、図1及び図14に示す構造の多段式回転テーブル28を本体ケース16の端に形成した点である。すなわち、本体ケース16の右端にスタンドパイプ83を垂直に立て、固定カラー84で所定間隔(例えば、10〜18cmの間隔)をおいて二個の回転ブッシュ85を取り付け、これらの回転ブッシュ85に回転テーブル28を取り付ける。また、回転テーブル28には、三分割用及び四分割用として利用できる6本のセパレータスリット86が形成されたゴム座87が設けられており、食器27の干渉を防止する三個又は四個のセパレータ88が取り付けられている。なお、前記スタンドパイプ83は、前記本体ケース16に設けられた下部スタンドパイプ固定アングル89とテーブル固定ブッシュ90とにより回転自在に垂直に保持されているものである。
なお、回転テーブル28の大きさは、直径280mmのお皿が3枚、直径250mmのお皿が4枚又はどんぶりが載る大きさとなっている。また、食器27の大きさによっては、回転テーブル28を三段にすることも可能である。
このような回転テーブル28の使い方の一例を述べる。まず、カレー専門店の場合は、右隣にご飯を盛り付けるテーブルがあってここで他の作業員によりお皿にご飯が盛り付けられ、本装置の担当作業員に渡される。このときに、この回転テーブル28の下段から次々と回転テーブル28に載せていくことにすれば、右端に載せたご飯皿は、本装置の作業者が回転テーブル28の左端に軽く手を触れて回すことにより手元にご飯が盛り付けられたお皿が回ってきて、ご飯皿の受け渡しテーブルとして使うことになる。
かくして、ご飯皿を受け取った本装置の作業者は、フライパン82で湯煎寸胴20からソースをレードルで取り出してトッピングとともに加熱調理し、ご飯皿にソースを盛り付けてホール担当者に渡すことになるが、このときにも、回転テーブル28に載せるものとする。このようにして、本装置の作業者からホール側の担当者への出来上がった料理の受け渡しも回転テーブル28を利用することによって短い動線で効率良く受けとることができる。つまり、この回転テーブル28は、本調理装置への最初のお皿の受け渡しと、料理完成食器のホール側への受け渡しに使って非常に便利であり、お互いの動線の短縮と受け渡しの区分けに使って便利である。仮に、12枚の食器27をテーブル面に並べたとすれば、本調理装置の作業面15の全体を使っても足りない位の平面面積となり、回転テーブル28による必要面積の減少の度合いは顕著である。また、僅かな力で回転テーブル28を回すことができるので、食器27を手元に引き寄せたり、相手方に渡すのに労力がいらず、いわば、優れたデッシュアップ・テーブルを備えたことになる。
なお、食器27が洋皿の場合には、回転テーブル28を三段にすることができ、どんぶりのように高さのある場合には、二段とする等の変更は自在である。また、回転テーブル28の設置位置の選定も必要に応じて適宜選択されるべきものである。
以上は、本実施の態様の応用例として、カレー専門店とスパゲティ専門店に限って説明してきたが、他の業種に対する応用例を次に説明する。
<どんぶり専門店、例えば、牛どん店の場合>
牛丼のたれは、レトルト化されたものが本部から配送され、店舗ではこれを湯煎で保温して使う。牛丼以外の他のメニュー、例えば、玉子とじ親子丼なども併売する場合は、IH調理器81とフライパン82による調理が役立つ。
<スープ専門のチェーン店の場合>
最近、ヘルシー志向のブームに乗ってスープ専門店のチェーン化が話題になっているが、スープの場合にも、3種類位のレトルト化されたものがセントラルキッチンから配送され、それを店舗で湯煎保温し、トッピングの具材を多種用意しておき、お客の要望に応える。
<うどん・そば店の場合>
ファースト・フード的にうどんやそばを提供するチェーン店では、本実施の態様の調理装置で毎時100食ぐらいは楽にこなすことができる。この場合、うどんやそばは、冷凍化されたものが配送され、本装置の解凍噴流槽22が威力を発揮する。本装置は、2食を50秒で解凍調理できるから、毎時120食位は楽にこなすことができる。トッピングの種類は10種類位までは可能であるから、メニューにも変化を持たせることができる。例えば、トッピング用の天ぷらなどもセントラルキッチンから配送されたものを湯煎で保温しておけばよい。
<カレーうどん・スープうどん店の場合>
最近、ご飯を使わないで、うどんにカレーソースをかけたカレーうどんを販売する店が脚光を浴びている。また、カレーソースの代わりに洋風のスープを使ううどん店も台頭している。このような店においては、うどんに冷凍うどんを使うことにより本装置1台で毎時120食を1人でこなすことができる。
<ラーメン店の場合>
スープはセントラルキッチンから配送された濃縮スープを10倍の熱湯で薄めて使うのが一般的であり、そのスープがなくなった場合の補充には、本装置の熱湯タンク35が威力を発揮する。
生ラーメンを茹でる場合は、本装置に隣接して茹で麺機を設置する必要があるが、冷凍ラーメンを使う場合は、冷凍麺解凍調理器として機能する本装置内の解凍噴流槽22を使うことが可能となる。
ラーメン店の場合、チャーハンや焼きそばなどのメニューがあることが多いが、この場合は本体ケース16の作業面15の上にIH調理器81を載せて対応することが可能となる。
以上の説明の如く、各種の業態において本装置を使うことにより次のような効果を発揮する。
(1)いずれの業態においても、従来は、スープ又はソースを作るのに100リットル位の容量の寸胴をコンロにかけて時間をかけて一度に多量のものを作っていた。例えば、ラーメン店の場合は、その寸胴のところに作業員が移動して行ってどんぶりにスープを入れるという移動を伴う作業があった。本装置においては、これを12リットルの小型の寸胴20を3個使うことにより、手元でスープ作業が可能となり、1缶のスープがなくなったときには、熱湯タンク35から熱湯を熱湯送り出しポンプ36で注送し、短時間の内にスープを作ることができる。つまり、スープを途切れなく作ることができ、かつ、小型の寸胴20の採用により掃除がしやすく、危険性もなくなった。
これは、カレー店の場合もスパゲティ店でも、うどん・そば店でも同様の効果を得ることができる。
(2)食器27を作業テーブルに運んでくる手間が不要となった。食器ディスペンサとしての食器収納部30に予め食器27を入れておけば、ピーク時に食器27を補充する必要はなくなる。さらに、食器27はどんな業種の場合にも温める手間がかかったが、本装置の食器収納部30は保温機能付であるので暖かい食器27に盛り付けることが可能であり、提供料理の品質が向上する。
(3)トッピング具材や調味料などが、今まで調理テーブル上の半分のスペースをとっていたが、本装置は、大・中・小の10〜15種のホテルパン24を立体的に棚枠25に収納することができるため、トッピング具材や調味料が調理テーブルのスペースをとることがないようにした。予め、1ピークに必要な殆どの具材調味料をこのホテルパン24に用意しておけば、ピーク時に、殆ど補充のために作業員が移動する必要がない。
(4)本装置上に2〜3台のIH調理器81を載せて加熱調理が可能であるから、加熱調理のための作業員の移動の必要もない。
(5)回転テーブル28を2段式、または3段式として立体的に使うことで、完成料理の受け渡し、ご飯などを盛り付けた皿の受け取りなどに作業者が移動する必要がなくなり、皿料理の場合は、12枚のものを予め回転テーブル28に用意しておくことも可能となった。
以上のように、調理作業者の動線距離は従来より極端に減少(ゼロに近い)したため、この分の時間及び労力を調理に専念することによって、今まで、例えば3〜4人でしていた仕事を1〜2人ですることが可能となり、人員を半減することが可能となる。
スープの湯煎保温や冷凍麺解凍、食器27の保温など、加熱はすべて電熱化し、湯気が殆ど立ち上がらないように配慮してあるため、電気代、水道代が従来に比べて半減する。
本装置は、図2に示すように、間口1.4m×奥行70cmのスペースに配置され、殆どの調理作業が集中して行うことができるようにしているため、作業者の動線は半減した。前述のように、図16に示すものは、従来の厨房製品を平面的に並べて本装置並みの機能を発揮させたものであるが、その場合の平面スペースは間口3.6m×奥行70cmを必要としていたから、1/3〜1/2のスペースで済ませられる。よって、本装置は、都会のビル内店舗やスーパーマーケットのフードコートなど、スペースに余裕のない所に導入してその効果を発揮する。
本発明の第二の実施の態様を図17〜図20に基いて説明する。前述の第一の実施の態様と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。第一の実施の態様と相違する点は、食器収納部30の形状である。まず、収納容器91は、前述の収納容器49に較べると側壁92の前方側が切り欠かれており、前面板93の上部には、開放部94が形成されている。そして、バネ掛け板95の上には鉤状に屈曲したフックアングル96が止着されている。また、第一の実施の態様における切欠き(回動支点)と同様に切欠き97が形成されているが、本実施の態様における切欠き97は、上下方向に移動することにより本体ケース16のリブに係脱する係止部として作用するものである。
ついで、前記収納容器91の前記前面板93の内面に摺動自在に接合する開閉板98が設けられている。この開閉板98は、前方に突出する把手99を備え、下方位置はこの把手99が前記前面板93の上縁に接合することにより位置決めされ、上方に引き上げた場合には、前記開放部94を閉止する。そして、前記開閉板98は、前記収納容器91の前面板93の内面に接するようにバネ性のある押えばね板100で内面側を摺動自在に押えられている。すなわち、この押えばね板100は、前記収納容器91の底面に固定されているものであるが、この押えばね100の中央部は食器27が接することがないように切りかかれており、両側にばね脚101を有し、これらのばね脚101の先端に前記開閉板98に接する滑り子102が設けられている。そのため、押えばね100のばね脚101の弾性力により前記開閉板98は適度の圧力で保持され、滑り子102との接触で上下開放自在であり、任意位置で停止するものである。このような構造の押えばね100であるため、ばね脚101が食器27が逃げていることにより、外周が丸い食器27の中心部分を逃げることができ、収納容器91の内容積を100%有効に利用することができる。
さらに、前記本体ケース16の上方には、前記フックアングル96が係合する固定側アングル103が設けられている。このフックアングル96と固定側アングル103との係合状態は、図18に示す状態であり、係合状態におけるフックアングル96の上端と本体ケース16との間には、隙間αがあり、前記収納容器91をα分だけ上昇させれば、下方の係止部である切欠き97の係合が解除されるように寸法関係が定められている。そのため、本体ケース16に対して収納容器91の着脱は、上下方向に動かすことにより容易に行うことができる。
このような構成において、食器27を使用しない場合には、開閉板98を上方に引き上げて開放部94を閉止し、食器27を温める温風が逃げないようにしている。そのため、熱効率もよく、作業者に温風がかからず、作業環境が良い。そして、食器27を使用する場合には、把手99を持って開閉板98を引き下げる。これにより、開放部94が開放されて内部の食器27を容易に取り出すことができる。この場合、可動する部材は開閉板98のみであるため、食器27の重量が大きくても作業性に影響はない。すなわち、食器27が陶磁器のように重いものである場合には、第一の実施の態様のように収納容器49を手前側に倒す方式の場合には、収納している食器27の数によって操作力が相違し、作業性において多少の問題が生じるものであるが、本実施の形態においては、このような問題はない。また、食器27を取り出す場合においても、本体ケース16の前面側に突出物が全くないため、常に一定の作業空間を確保することができる。
また、食器27の種類を変える場合には、食器27の重量が変わるため、引張バネ63の強さを変更しなければならない。その場合には、収納容器91を僅かに上方へ移動させることにより、上下の係止部の係合を解除できるため、簡単に全体を手前に取り出すことができる。このように全体を取り出してから、引張バネ63を適当なものに交換し、再度、本体ケース16に取り付ける。この際、収納容器91の清掃も簡単に行うことができる。
本発明の第一の実施の態様を示す斜視図である。 食器をどんぶりとして示した正面図である。 その側面図である。 食器部分を省略した平面図である。 寸胴を着脱するためにホテルパンの位置を移動させた斜視図である。 ホテルパンの保持枠を示す斜視図である。 大型具材容器の斜視図である。 食器を収納する収納容器の一部を切り欠いた斜視図である。 その一部の水平断平面図である。 収納容器の動きを示す斜視図である。 本体ケースの一部の縦断側面図である。 熱湯供給装置を示す配管図である。 麺籠の斜視図である。 食器保持部の側面図である。 セパレータスリットが形成されたゴム座の斜視図である。 本発明の第二の実施の態様を示す斜視図である。 本体ケースに組み込まれた状態の食器収納部の中心を断面にした一部の縦断側面図である。 上方の係止部を拡大した部分側面図である。 収納容器を背面側から見た斜視図である。 本体ケースに組み込まれた状態の食器収納部の中心から外れた部分を断面にした一部の縦断側面図である。 押えバネ板の斜視図である。 従来の一例を示す説明図である。
符号の説明
15 作業面
16 本体ケース
17 湯煎水
18 大型湯煎槽
19 加熱手段
20 寸胴
21 噴流発生手段
22 解凍噴流槽
23 熱湯供給装置
24 ホテルパン
25 棚枠
26 具材収納部
27 食器
28 回転テーブル
29 食器保持部
30 食器収納部
68 食器ウォーマー装置
83 スタンドパイプ
91 収納容器
94 開放部
98 開閉板
100 押えばね板

Claims (12)

  1. 平坦な作業面を備えた本体ケースに、湯煎水を蓄える大型湯煎槽と、この大型湯煎槽内に挿脱自在に取り付けられ加熱手段により間接的に加熱される複数個の寸胴と、前記大型湯煎槽と前記寸胴とに選択的に熱湯を供給する熱湯供給装置と、種々の具材をそれぞれ収納した複数個のホテルパンを棚枠で水平方向に配列してこれらの棚枠を上下方向に複数段に配列した具材収納部と、空又は調理済みの料理を盛り付けた複数個の食器を保持する回転テーブルが複数段に配列されて前記本体ケースの上面に位置して設けられた食器保持部と、前記本体ケースの前面側に位置して多数の前記食器を出し入れ自在に収納する食器収納部と、を配設して一体構造としたことを特徴とする調理装置。
  2. 本体ケースの手前側に作業面が設けられ、この作業面の奥側に大型湯煎槽を配設し、この大型湯煎槽の上方に具材収納部を配設し、食器を保持する複数段の回転テーブルを備えた食器保持部を前記本体ケースの側方に位置させて配設したことを特徴とする請求項1記載の調理装置。
  3. 平坦な作業面を備えた本体ケースに、湯煎水を蓄える大型湯煎槽と、この大型湯煎槽内に挿脱自在に取り付けられ加熱手段により間接的に加熱される複数個の寸胴と、上向きの噴流を発生させる噴流発生機構を備えて前記大型湯煎槽に隣接して設けられた解凍噴流槽と、前記大型湯煎槽と前記寸胴と前記解凍噴流槽とに選択的に熱湯を供給する熱湯供給装置と、種々の具材をそれぞれ収納した複数個のホテルパンを棚枠で水平方向に配列してこれらの棚枠を上下方向に複数段に配列した具材収納部と、空又は調理済みの料理を盛り付けた複数個の食器を保持する回転テーブルが複数段に配列されて前記本体ケースの上面に位置して設けられた食器保持部と、前記本体ケースの前面側に位置して多数の前記食器を出し入れ自在に収納する食器収納部と、を配設して一体構造としたことを特徴とする調理装置。
  4. 本体ケースの手前側に作業面が設けられ、この作業面の奥側に大型湯煎槽と解凍噴流槽とを横方向に配列し、これらの大型湯煎槽と解凍噴流槽との上方に具材収納部を配設し、食器を保持する複数段の回転テーブルを備えた食器保持部を前記本体ケースの側方に位置させて配設したことを特徴とする請求項3記載の調理装置。
  5. 大型湯煎槽の上方に位置する具材収納部の下段の棚枠を前記大型湯煎槽の上方から退避するように水平方向に回動自在にしたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の調理装置。
  6. 本体ケースに立設したスタンドパイプに複数個の食器が載置される回転テーブルを複数段に回転自在に取り付けたことを特徴とする請求項1又は3記載の調理装置。
  7. 本体ケースに設けられた食器収納部の奥に、温風により多量の食器を温める食器ウォーマー装置を配設したことを特徴とする請求項1又は3記載の調理装置。
  8. 収納すべき食器の大きさに合わせた大きさで上方に開口した縦長の直方形状の収納容器を前面側上部に開放部を形成した状態で本体ケースに取り付け、前記収納容器に積み重ねられた前記食器を保持する食器保持体を昇降自在に取り付け、積み重ねられた前記食器の最上位置が常に一定位置を保つように食器保持体を上方へ付勢する引張バネを設け、前記収納容器に前記開放部を開閉するように上下動する開閉板を設けたことを特徴とする食器収納構造。
  9. 開閉板は前記収納容器の前面板の内面に接するようにバネ性のある押えばね板で内面側を摺動自在に押えられていることを特徴とする請求項8記載の食器収納構造。
  10. 押えばね板は、中央部が切り欠かれていることを特徴とする請求項9記載の食器収納構造。
  11. 収納容器は、前面下部と後面上部とで本体ケースに係止部で係止され、これらの係止部は前記収納容器を上方へ移動することにより外れることを特徴とする請求項8記載の食器収納構造。
  12. 前記食器収納部は、請求項8、9、10又は11記載の食器収納構造であることを特徴とする請求項1記載の調理装置。
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