JP4299161B2 - 平版印刷版用給湿液組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、平版印刷に於ける給湿液組成物に関するものである。
平版印刷は、水と油が本質的に混じり合わない性質を巧みに利用した印刷方式であり、平版印刷版は、親油性のインキを受理する画線部分と親水性で水を受理する非画線部分とから構成される。通常の平版印刷は給湿液とインキの両方を版面に供給し、画線部分は着色性のインキを、非画線部分は給湿液を選択的に受け入れ、画線部分に着肉したインキを例えば紙などに転写させることによってなされる。このような平版印刷において、従来より、平版印刷版として使用されているものには、アルミニウム等の金属を支持体としたプレセンシタイズド版(PS版)、電子写真法(例えばエレクトロファックス)で得られる版材、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなプラスチック樹脂フィルムあるいはポリエチレン樹脂被覆紙からなる支持体を有した感光性ハロゲン化銀を利用した銀塩印刷版等がある。
近年、コンピュータートゥプレート(以下CTP)の発達により新しいタイプの平版印刷版がでてきた。アルミニウムを支持体として熱架橋反応層からなるサーマル印刷版、アルミニウムを支持体としてフォトポリマー層、酸素遮断層からなるフォトポリマー印刷版、また、感光性ハロゲン化銀を利用した銀塩印刷版にもアルミニウムを支持体とした印刷版が発売されている。
これらアルミニウム板を支持体とする平版印刷版においては、アルミニウム表面の親水性を向上させるために、通常その表面を粗面化し、さらに陽極酸化処理を行う。この粗面化され陽極酸化されたアルミニウム表面は高い親水性を示す反面、化学的に不安定で、特に高温高湿下ではその親水性を容易に失い、非画像部のインキ汚れの原因となる。一方印刷現場では、印刷品質の確認、紙の積み替え、紙詰まり、あるいは作業者の休憩等で印刷を中断する事が日常の作業として行われている。このような場合、印刷機に掛けられたままの印刷版は高温高湿下に置かれるため、アルミニウム表面が腐食されてインキ汚れが発生するという問題、及びアルミニウム表面が長時間、空気にさらされると、酸化汚れと呼ばれる斑点状のインキ汚れを発生するという、アルミニウムを支持体とする平版印刷版の特有の問題があった。この酸化汚れの問題は、感光性ハロゲン化銀を利用した銀塩印刷版において特に顕著であった。
このように、非画像部が空気にさらされるのを防止するためと、印刷版の非画線部分への濡れ性を向上させるために、給湿液に、皮膜形成する高分子化合物、例えば、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉誘導体、ポリアクリル酸及びその共重合体、ポリアクリルアミド及びその共重合体、アクリル酸と酢酸ビニルを共重合させケン化した化合物等を添加している(特許文献1〜4)。
しかし、近年では印刷の高速化が進み、前記した化合物では、非画線部分が均一に濡れにくくなり、給湿液の性能としては不十分であった。これらの欠点を改良するために、イソプロピルアルコール(IPA)を給湿液中へ約10〜25%添加して用いられていた。IPAは給湿液の表面張力をさげるので非画線部分への濡れ性がよくなり、給湿液の量が少なくてすむので、インキの乳化が少なくなり、インキと給湿液の供給量のバランスの調整が簡単である等作業面での利点が多くあり広く用いられていた。
近年、産業公害や環境問題に対する関心が高まり、IPAのような有機溶剤の使用が安全衛生面から規制される傾向にある。この為、IPAに代えて種々の界面活性剤を用いることが、例えば、特公昭55−25075号公報、同55−19757号公報に提案されている。しかしながら、これらの給湿液は、表面張力は低下させるが、IPAを用いた給湿液に比べると、インキと水の供給量のバランスが取りにくく、非画線部分への濡れ性が十分ではなかった。
一方、IPAに替わる化合物として、特開平4−363297号、特開平4−220398号、特開平2−310092号、特公平7−85947号公報には、表面張力を下げるための様々な有機溶剤、例えばアルコール類(エチルアルコール、ブチルアルコール等)、グリコールエーテル類(エチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等)、ポリオール類(グリセリン等)が開示されている(特許文献5)。更に、特開昭57−199693号には、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールと完全水溶性のプロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール等の少なくとも1種を含有する給湿液が開示されている。更には、特開平5−221179号、特開平8−132753号には、安全衛生上および消防安全上問題がなく、アルミニウムを粗面化し陽極酸化した支持体を用いた印刷版の印刷性を向上させるとして3価以上の多価アルコールにプロピレンオキサイド付加体、あるいは、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイド付加体の化合物を含有する給湿液組成物が開示されている。これらの給湿液組成物はIPAを含有しないため、安全衛生面では有利になるが、高速印刷時において、非画線部分の濡れ性が十分ではなく、その結果、地汚れや網がらみ(網点がつぶれる)が発生するという問題が生じる。
更には、特開2002−254852号には、IPAの替わりに芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物を含有させ、PS版において版取れや地汚れ、インキの滲みといった印刷トラブルがない給湿液が提案されている。しかし、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物単独の使用では、前記PS版の地汚れ、インキの滲み等の問題は解決されるもの酸化汚れと呼ばれる斑点状のインキ汚れを改善するには十分ではなかった。又、特開平6−219076号には有機ホスホン酸化合物と非イオン界面活性剤を含有させ、地汚れを改善する給湿液が提案されているが前記と同様酸化汚れと呼ばれる斑点状のインキ汚れを改善するには十分ではなかった。(特許文献6,7)
又、酸化汚れと呼ばれる斑点状のインキ汚れを改善するため特開2003−175685号(特許文献8)には、有機ホスホン酸化合物とリン酸を含有する給湿液が提案されているが、酸化汚れを完全になくすにはまだまだ問題があった。
上記した問題、特に地汚れについては、どのような平版印刷版を使用した場合にも発生するが、特に、感光性ハロゲン化銀を利用した平版印刷版を使用した場合に大きな問題になる。このような問題を改良するために、給湿液組成物に、平均粒径0.1μm以下の無機微粒子を含有させることが、特公昭51−29441号公報に記載されている。
また一方、そのような銀塩平版印刷版の現像処理に引き続く各種版面処理液にコロイダルシリカの如き平均粒径0.1μm以下の微粒子を用いることは良く知られている。例えば、特開昭48−45305の給湿液、特開昭54−83502の中和液、特願昭55−104176の中和液、不感脂化液、給湿液、特公昭45−29001の定着剤(液)、給湿液などの版面処理液、特開昭59−31193の給湿液、特開平7−56349の版面処理液である。更には、特開平5−301481にはコロイダルシリカの如き平均粒径0.1μm以下の微粒子とホスホン酸基を2個以上含んだ化合物を含有する給湿液組成物
が提案されている(例えば特許文献9参照)。
しかしながら、一般にコロイダルシリカやコロイダルアルミナの様な無機の微粒子は、平版印刷版の表面に吸着し印刷版表面に親水性の層を作り、親水性を向上させると考えられているが、平版印刷版において最も望まれている印刷インキによる汚れ防止という目的を十分に達成するには至っていないだけではなく、画像部のインキ乗りを阻害してしまうという重大な欠点を有している。従って、本来的にはこのような無機微粒子を使用しなくても地汚れを生じることがない技術の開発が求められている。
特開2002−192853号公報(第4頁) 特開平11−20331号公報(第11頁) 特開平10−86548号公報(第3頁) 特開昭61−273996号公報(第1頁) 特開平4−363297号公報(第4〜5頁) 特開2002−254852号(第1頁) 特開平6−219076号(第1頁) 特開2003−175685号(第2頁) 特開平5−301481号(第1頁)
本発明の目的は、アルミニウム板を支持体とする平版印刷版の特有の問題である酸化汚れを防止することのできる給湿液組成物を提供することである。
本発明の上記の目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
(1)芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物とホスホン酸化合物を含有することを特徴とする平版印刷版用給湿液組成物。
(2)芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物と、アクリル酸とマレイン酸の共重合体もしくはポリ−α−ヒドロキシアクリル酸を含有することを特徴とする平版印刷版用給湿液組成物。
本発明によれば、アルミニウム支持体を用いた平版印刷版を用いて印刷しても酸化汚れの発生のない平版印刷用給湿液組成物を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。本発明の給湿液組成物の態様(1)は、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物とホスホン酸化合物を含有する給湿液組成物である。本発明の給湿液組成物の態様(2)は、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物と、アクリル酸とマレイン酸の共重合体もしくはポリ−α−ヒドロキシアクリル酸を含有する給湿液組成物である。
前記態様(1)について詳細に説明する。
本発明に用いられる芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物とは、芳香族スルホン酸とホルマリン(ホルムアルデヒド)を縮合重合させることによって得られる化合物のことをいう。ここで用いられる芳香族スルホン酸はナトリウム塩、カリウム塩などの塩となってい
るものでもよい。又、ここでいう「芳香族」とは、単環式芳香族化合物、多環式芳香族化合物(ナフタレンなどの縮合芳香族も含む)更には、酸素、窒素、硫黄原子を含む芳香族複素環化合物も含まれる広い意味での芳香族化合物を指すものである。
本発明に好ましく用いることができる芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物の具体例としては、例えばαナフタレンスルホン酸・ホルマリン縮合物、βナフタレンスルホン酸・ホルマリン縮合物、βナフタレンスルホン酸Na塩・ホルマリン縮合物、βナフタレンスルホン酸K塩・ホルマリン縮合物、βナフタレンスルホン酸Ca塩・ホルマリン縮合物、βナフタレンスルホン酸Li塩・ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸Na塩・ホルマリン縮合物、スルホナフタレンNa塩・スルホフタール酸Na塩・ホルマリン縮合物、1スルホアントラセンNa塩・ホルマリン縮合物、ビスフェニルスルホン酸及びそのNa塩・ターフェニルジスルホン酸及びそのNa塩・ホルムアルデヒド縮合物、アルキル(C1C14)ナフタレンスルホン酸Na塩・ホルマリン縮合物などが挙げられる。
これらの芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物は、重合度が46程度の低分子量のもの、重合度の数十程度の高分子量のものなど、その重合度に関らず使用することが可能である。又、これら芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物は市販品として容易に入手することが可能であり、例えば、花王株式会社製の「デモール」シリーズや第一工業製薬株式会社製の「ラベリン」シリーズなどを入手することができる。
通常、給湿液は濃縮液として供給され、使用するときに約30〜約200倍に希釈される。この希釈倍率は、一般的に給湿液供給者によって予め設定されている。本発明では、この希釈された液を使用液という。以下、各成分の添加量は、使用液中の濃度である。上記した芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物の含有量は給湿液組成物(使用液)中に0.005〜0.6質量%、好ましくは0.02〜0.3質量%、より好ましくは0.02〜0.1質量%である。
本発明に用いられる有機ホスホン酸化合物は、例えば、アミノトリメチレンホスホン酸塩、1−ヒドロキシエチリデン−1−ジホスホン酸塩、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸塩、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸塩、N−カルボキシメチルN,N−ジメチレンホスホン酸塩、N,N−ジカルボキシメチル−N−メチレンホスホン酸塩、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸塩、等が挙げられるがこれらに限定はされない。また、これらの化合物は既に各メーカーにより市販されており、例えばソルーシアジャパン株式会社の登録商標の「ディクエスト類」、堺化学工業株式会社の登録商標の「ドンサム類」として容易に入手することができる。
これらの有機ホスホン酸化合物は、単独もしくは2種以上を組み合わせることもでき、含有量は給湿液組成物(使用液)中に0.005〜0.6質量%、好ましくは0.02〜0.3質量%、より好ましくは0.02〜0.1質量%である。
次に、本発明の態様(2)の給湿液組成物について詳細に説明する。該給湿液組成物は、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物と、アクリル酸とマレイン酸の共重合体もしくはポリ−α−ヒドロキシアクリル酸を含有する。ここで、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物とは、前記態様(1)で用いられるものと同じものである。
本発明に用いられるアクリル酸とマレイン酸の共重合体は、アクリル酸とマレイン酸を共重合して得られ、該共重合体中のカルボキシル基は、アルカリ金属等の塩であっても良い。アクリル酸とマレイン酸の共重合体の好ましい重合比率は、モル比で、アクリル酸:マレイン酸=50:50〜90:10で、より好ましくは、70:30〜90:10である。
アクリル酸とマレイン酸の共重合体の好ましい質量平均分子量は、500〜100000程度で、より好ましくは3000〜100000程度で、更に好ましくは5000〜70000である。
アクリル酸とマレイン酸の共重合体には、必要に応じて第3の重合成分として、前記2成分と共重合可能なエチレン性不飽和化合物を共重合することが出来る。共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、スチレン、ビニルトルエン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、オクチルメタアクリレート、酢酸ビニル等がある。
上記したアクリル酸とマレイン酸の共重合体の含有量は給湿液組成物(使用液)中に0.005〜0.6質量%、好ましくは0.02〜0.3質量%、より好ましくは0.02〜0.1質量%である。アクリル酸とマレイン酸の共重合体は、例えば、(株)日本触媒によってアクアリックTL37、同TL213、同TL300なる商品名で販売されている。
本発明に用いられるポリ−α−ヒドロキシアクリル酸は、アクリル酸にヒドロキシ基を導入して重合することにより得られ、該化合物中のカルボキシル基は、アルカリ金属等の塩であっても良い。ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸の好ましい質量平均分子量は、5000〜200000程度で、より好ましくは10000〜100000である。
ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸には、必要に応じて共重合可能なエチレン性不飽和化合物を共重合することが出来る。共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、スチレン、ビニルトルエン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、オクチルメタアクリレート、酢酸ビニル等がある。ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸と他の重合成分の好ましい重合比率は、モル比でポリ−α−ヒドロキシアクリル酸:他の成分=70:30〜100:0である。
上記したポリ−α−ヒドロキシアクリル酸の含有量は給湿液組成物(使用液)中に0.005〜0.6質量%、好ましくは0.02〜0.3質量%、より好ましくは0.02〜0.1質量%である。ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸は、例えば、ナトリウム塩の形で(株)日本パーオキサイドによって、ペールブラック1200、同5000なる商品名で販売されている。
以下、前記態様(1)及び(2)の給湿液組成物に、共通して用いることができるものについて説明する。本発明の給湿液組成物には、印刷性を高める為に、(ポリ)プロピレングリコールアルキルエーテル及びアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を含有することが好ましい。 本発明に用いられる(ポリ)プロピレングリコールアルキルエーテルの好ましいものは、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノtert-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノtert-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノtert-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル等である。これらの化合物は単独でも2種以上併用してもよい。
本発明に用いられるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物の具体例としては、例えば3,5ジメチルヘキシンオール、2,4,7,9テトラメチルデシン4,7ジオール、プロパギルアルコール、3ブチンオール、1ブチンオール、2ブチン1,4ジオール、3,6ジメチルオクチン3,6ジオールなどが挙げられる。
上記給湿液組成物には、上記した(ポリ)プロピレングリコールアルキルエーテルと組み合わせてプロピレングリコールを用いるのが好ましい。特に、(ポリ)プロピレングリコールアルキルエーテルのアルキル基がプロピル基またはブチル基の場合、給湿液中における溶解性や安定性を助けるためにプロピレングリコールを併用するのが好ましい。
さらに、本発明の給湿液組成物には、給湿液の印刷版の非画線部分への濡れ性を向上させるためにエチレンオキサイドを付加した化合物を添加することができる。エチレンオキサイドを付加した化合物は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシピロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類が挙げられる。これらの化合物は単独でも2種以上併用してもよい。
さらに、本発明の給湿液組成物には、感光性ハロゲン化銀を利用した平版印刷版の印刷性を向上させるためにエチレングリコールアルキルエーテル類を添加することができる。エチレングリコールアルキルエーテル類は、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル等である。これらの化合物は単独でも2種以上併用してもよい。
本発明の給湿液組成物には、前記の化合物の他にpH緩衝剤、水溶性高分子、界面活性剤、可溶化剤、防腐剤、防錆剤、キレート化合物、泡消剤、着色剤、腐食防止剤等の成分を必要に応じて添加することができる。pH緩衝剤としてはクエン酸、酢酸、酒石酸、硝酸、リン酸等とこれらの金属塩等であり、水溶性高分子としては、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アルギン酸ナトリウム等、界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤、フッ素系活性剤等、可溶化剤としては、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等、防腐剤としては、ホルマリン、ベンズトリアゾール誘導体、4−イソチアゾリン−3−オン化合物等である。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、チオサリチル酸等、キレート化剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸とそのカリウム塩、ナトリウム塩等、泡消剤としては、シリコン系泡消剤等である。
本発明の給湿液組成物は、感光性ハロゲン化銀を利用した平版印刷版で印刷する方法に好適である。上記平版印刷版の代表的なものとして、銀錯塩拡散転写法を利用した平版印刷版が挙げられる。この平版印刷版は、支持体上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する平版印刷版であり、2つのタイプがある。その1つのタイプは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなプラスチック樹脂フィルムあるいはポリエチレン樹脂被覆紙からなる支持体上に、ハレーション防止層を兼ねた下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層をこの順に有する平版印刷版である。例えば、米国特許第3,728,114号、同第4,134,769号、同第4,160,670号、同第4,336,321号、同第4,501,811号、同第4,510,228号、同第4,621,041号、特公昭62−296143号、特公昭63−226658号、同63−249852号、特公平1−261643号、特開平5−100430号公報等に記載されている。上記平版印刷版としては、三菱製紙(株)社製のシルバーディジプレートSDPシリーズや、アグファゲバルト社製のセットプリントプラス等が市販されている。ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなプラスチック樹脂フィルムあるいはポリエチレン樹脂被覆紙を支持体とする印刷版は、アルミニウムを支持体とする印刷版に比べ、印刷性が劣る傾向にある。従って、本発明の目的の一つは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなプラスチック樹脂フィルムあるいはポリエチレン樹脂被覆紙を支持体とする印刷版と本発明の給湿液組成物を用いた印刷方法を提供する。
もう1つのタイプは、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核層を有し、その上にハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する平版印刷版である。例えば、米国特許第4,567,131号、同第5,427,889号、同第6,174,643号、同第6,187,503号、特開平5−265216号、特開平5−313206号、特開平7−56345号、同7−56347号、特開平9−6005号、特開2000−275855公報等に記載されている。上記平版印刷版としては、三菱製紙(株)社製のシルバーディジプレートSDP−αシリーズや、アグファゲバルト社製のリソスター等が市販されている。
以下に本発明を実施例により説明するが、勿論これだけに限定されるものではない。
表1に示す組成の給湿液組成物を作製した。表中の単位はグラムである。印刷に際し、これらの給湿液組成物を水で50倍に希釈して用いた。
Figure 0004299161
化合物A:α−ナフタレンスルホン酸・ホルマリン縮合物
化合物B:アミノトリメチレンホスホン酸5ナトリウム
化合物C:ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸7ナトリウム
化合物D:アクリル酸マレイン酸共重合体ナトリウム塩(アクリル酸:マレイン酸重合比=80:20、質量平均分子量10000)
化合物E:ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸ソーダ(質量平均分子量50000)
<試験方法>
平版印刷版として、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に有する平版印刷版(三菱製紙(株)社製のシルバーデジプレートSDP−αRII)を用いた。この平版印刷版に三菱製紙(株)社製のイメージセッター(SDP−α2400;赤色レーザーダイオードを搭載)でデジタル画像を走査露光し、現像処理して印刷版を作製した。現像処理に用いたプロセッサーはSDP−αEcoRF、現像液はSDP−αEDV、水洗液はSDP−αST、仕上げ液はSDP−αGUMである。これらはいずれも三菱製紙(株)社の製品である。
印刷機;RYOBI560(RYOBI社製印刷機、ダールグレン連続給水装置付)、インキ;ハイエコー金赤M(東洋インキ社製)、及び上記表1給湿液を用いて印刷した。
印刷方法
500枚印刷→30分放置→再印刷、を1サイクルとしてそれを3サイクル実施したときに、酸化汚れと呼ばれるスポット状のインキ汚れが発生するかどうかを観察した。結果を表2に示す。
Figure 0004299161
上記結果より本発明の給湿液組成物は、酸化汚れの発生を防止できることが分かる。

Claims (1)

  1. ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物と、アクリル酸とマレイン酸の共重合体もしくはポリ−α−ヒドロキシアクリル酸を含有することを特徴とするアルミニウム板を支持体とする平版印刷版用給湿液組成物。
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