JP4298859B2 - AlGaInP発光ダイオード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、順方向電圧が低く、且つ高輝度である、酸化物窓層を備えたAlGaInP発光ダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術】
(AlXGa1-XYIn1-YP(0≦X≦1、0<Y≦1)(以下、AlGaInPと略す)多元混晶にあって、特に、インジウム組成比(=1−X)を0.5とする(AlXGa1-X0.5In0.5P(0≦X≦1)は、砒化ガリウム(GaAs)単結晶と良好な格子整合性を果たせる利点がある(Appl.Phys.Lett.,57(27)(1990)、2937〜2939頁参照)。このため、例えば赤橙系色を出射する発光ダイオード(LED)或いはレーザーダイオード(LD)等の発光素子の構成層として利用されている(Appl.Phys.Lett.,64(21)(1994)、2839〜2841頁参照)。
【0003】
従来のpn接合型の、ダブルヘテロ(DH)構造のAlGaInPにあって、DH構造発光部の上方には、窓層(ウィンドウ層)を配置するのが通例となっている(SPIE、Vol.3002(1997)、110〜118頁参照)。窓層は、発光の取り出し効率を向上させるため、発光層からの発光を吸収し難い、発光に対して透明な、禁止帯幅の大きな半導体材料から構成する必要がある。また、窓層は、発光面積の拡大を期して、素子動作電流を、LEDを構成するIII−V族化合物半導体結晶層へ広範に拡散する役目も担う結晶層であるから、出来る限り低抵抗の結晶層から構成するのが常套である。
【0004】
従来技術に於いては、窓層を透明酸化物から構成する例がある。例えば、アメリカ合衆国特許第5,481,122号の発明に依るAlGaInPLEDでは、p形オーミックコンタクト層上に酸化インジウム・錫(indium−tinoxide:略称ITO)層からなる窓層が配置されている。また、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛や酸化マグネシウムからなる透明被膜を設ける手段が開示されている(特開平11−17220号公報明細書参照)。
【0005】
また、ITO層を、AlGaInPLEDを構成するp形III−V族化合物半導体結晶層の表面全面に設けた亜鉛(Zn)膜若しくは金(Au)・Zn合金膜を介して設ける技術が開示されている(特開平11−4020号公報明細書参照)。AlGaInPLEDを構成する半導体結晶材料に比較すれば、この様な金属や合金膜はより導電性に優れる良導体である。従って、ITO窓層上に敷設された電極から流通される素子動作電流をAlGaInP発光部に向けて平面的に広範囲に拡散できる利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
酸化物窓層側から発光を外部に取り出す方式のLEDにあって、窓層に設けた電極の下方の領域からの発光は、電極に遮蔽されて外部へ効率的に取り出すことができない。従って、発光の取り出し方向に設けた電極の写影領域に流通される動作電流は、外部発光効率の向上に然したる貢献をせず、浪費されることとなる。
【0007】
しかし、特開平11−4020号公報に記載される従来の発明では、電極との位置関係に拘わらず、酸化物窓層の直下の全面に一様に金属膜が配置される構成となっている。即ち、電極により発光が遮蔽される領域に至る迄、素子動作電流を略一様に流通させる構成となっている。電極の直下に流入した電流は発光効率の向上に殆ど寄与することなく浪費される。このため、効率的な高輝度化が充分に果たせ得ないのが問題となっている。
【0008】
また、発光層の上方に金属薄膜を設けると、金属薄膜により発光が吸収され、高輝度化が効率的に達成できない。金属薄膜に因る発光の吸収は、金属薄膜層をより薄くすると低減される。しかし、金属薄膜をより薄膜とすると、窓層を構成する酸化物層とIII−V族化合物半導体構成層とのオーミック接触性が悪化する問題がある。
【0009】
本発明では、透明窓層とIII−V族化合物半導体LED構成層との間で、良好なオーミック接触性を発揮させ、且つ、発光を外部へ取り出すに好都合な透明導電性材料層を備えたAlGaInPLEDを提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明者は上記の課題を解決すべく鋭意努力検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、
[1]基板上に、(AlXGa1-XYIn1-YP(0≦X≦1、0<Y≦1)からなる発光層、II−VI族化合物半導体層、酸化物結晶からなる窓層、及び金属電極を有するpn接合型ダブルヘテロ構造の発光ダイオードにおいて、II−VI族化合物半導体層が前記金属電極の下部を除いた領域に形成されていることを特徴とする発光ダイオード、
[2]II−VI族化合物半導体層が、n形セレン化亜鉛から構成されていることを特徴とする[1]に記載の発光ダイオード、
[3]II−VI族化合物半導体層が、p形テルル化亜鉛から構成されていることを特徴とする[1]に記載の発光ダイオード、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の発光部はAlGaInP多元混晶で構成され、特に、インジウム組成比が0.5である(AlXGa1-X0.5In0.5P(0≦X≦1)は、砒化ガリウム(GaAs)単結晶と良好な格子整合性を果たせる利点がある。本発明の実施形態に係わるII−VI族化合物半導体層は、前記発光部上に次の様な手法をもって形成できる。
(1)発光部の全面に一旦、II−VI族化合物半導体層を被着させた後、公知のパターニング技法を利用して電極を形成する予定の領域に対応する領域に在るII−VI族化合物半導体層を電極の底面形状に対応させて選択的に除去する方法。
(2)発光部の表面の電極を形成する予定の領域に、電極の底面形状に対応した平面形状の領域を、二酸化珪素或いは窒化珪素等の耐熱性の被覆材で予め被覆した後、II−VI族化合物半導体層を被着させ、リフト−オフ(lift−off)法等を利用して、電極の形成予定領域に在るII−VI族化合物半導体層のみを部分的に除去する方法。
【0012】
II−VI族化合物半導体層を選択的に除去する非被覆領域の平面形状は、電極の平面形状と相似であるのが望ましい。例えば、円形電極にあっては、II−VI族化合物半導体層を除去する非被覆領域も円形とするのが望ましい。また、電極の平面形状の中心とII−VI族化合物半導体層を除去する非被覆領域の中心とは略合致させるのが望ましい。II−VI族化合物半導体層を除去する非被覆領域の平面積は、電極の底面積と略同様とする。II−VI族化合物半導体層を除去する領域の面積を電極の底面積に比べて極端に大とすれば、それだけ酸化物窓層とLED構成層との高抵抗な接合領域の面積が増し、動作電流が流通できる領域が縮小する。従って、高輝度化に支障を来す。II−VI族化合物半導体層を除去する非被覆領域の平面積は、電極の底面積の大凡、0.7倍から1.2倍の範囲であるのが望ましい。
【0013】
II−VI族結晶層とする半導体材料には、周知の硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、及びセレン化硫化亜鉛(ZnS1-YSeY:0≦Y≦1)などの混晶がある。また、複数のII族元素を構成元素として含むZnXMg1-XS(0≦X≦1)、ZnXMg1-XSe(0≦X≦1)やZnXMg1-X1-YSeY(0≦X≦1、0≦Y≦1)などがある。
【0014】
AlGaInPLEDにあって、AlGaInP発光層から放射される赤橙色の発光を透過できる様に、本発明では、室温での禁止帯幅(=Eg)が約2エレクトロンボルト(eV)を越えるII−VI族半導体を、好適な化合物半導体層の構成材料として用いる。これに合致する禁止帯幅を有するII−VI族半導体としては、酸化亜鉛(ZnO;Eg=3.35eV)、硫化亜鉛(Eg=3.68eV)、セレン化亜鉛(Eg=2.60eV)、セレン化硫化亜鉛(Eg=2.60eV〜3.68eV)、硫化カドミウム(Eg=2.42eV)、テルル化亜鉛(Eg=2.2eV)等が例示できる(禁止帯幅については、寺本 巌著、「半導体デバイス概論」(培風館 1995年3月30日発行初版)、28頁参照)。
【0015】
上記のII−VI族化合物半導体結晶の中で、ZnSeは、AlGaInP発光層からの発光を透過するのに充分な大きさのEgを有している。併せて、低抵抗のn形の伝導層が得られ易い適度のEgを有している。また、ZnSeの屈折率は約2.7であり、一方、その上に設ける予定の窓層を構成する一般的な酸化物材料であるITOの屈折率は2前後である。従って、ZnSe層を下地層とし、上層をITO層とする積層構造では、屈折率が発光の取り出し方向に向けて漸次、小となり、発光の取り出しに都合の良い積層構造がもたらされる。故に、本発明の実施形態では、n形のII−VI族化合物半導体層をZnSeから構成する。
【0016】
n形のII−VI族化合物半導体層は、AlGaInPLEDを構成するn形のIII−V族化合物半導体結晶層上に被着させる。p形III−V族化合物半導体構成層上に被着させると、pn接合が形成され、順方向電圧の低減が果たせないからである。従って、II−VI族化合物半導体層とそれを堆積するIII−V族化合物半導体構成層との導電形は一致させる。
【0017】
p形のIII−V族化合物半導体構成層上には、ZnTeから構成されるII−VI族化合物半導体層を被着させる。ZnTeは他のII−VI族化合物半導体とは異なり、アンドープ(undope)状態でもp形の伝導性を呈する。また、Egも2.2eVであり(上記の「半導体デバイス概論」、28頁参照)、波長を約620nmとする赤橙色の発光も透過できる。従って、ZnTeからはp形のII−VI族化合物半導体層が好適に構成できる。
【0018】
n形或いはp形のII−VI族化合物層の層厚が極端に薄いと、酸化物窓層とIII−V族化合物半導体構成層とのオーミック接触性が不十分となる。また、逆に極端に厚くすると発光の吸収の度合が増す。従って、II−VI族化合物半導体層の層厚は、約1nmを越え、約500nm未満とするのが望ましい。更に好ましくは、2nm以上で100nm以下とする。
【0019】
II−VI族化合物半導体層は、酸化物窓層とIII−V族化合物半導体構成層とのオーミック接触性を向上させる役目も担う層である。従って、同層のキャリア濃度は、少なくとも約1×1017cm-3を越えるものとする。望ましくは、1×1018cm-3以上とする。約1×1019cm-3を越える高いキャリア濃度を得ようと過度にn形或いはp形不純物をドーピングすると、II−VI族化合物半導体層の表面は平坦性が欠けるものとなり、酸化物窓層との密着性が悪化するため好ましくはない。n形のドーパント(dopant)の例としては、アルミニウム(Al)がある。高い正孔濃度のZnTeを得るに適するp形ドーパントとしては、アンチモン(Sb)がある。上記の如くの好適な層厚とキャリア濃度のII−VI族化合物半導体層は、一般的な有機金属熱分解エピタキシャル成長(MOCVD)法、分子線エピキャキシャル成長(MBE)法や高周波スパッタリング(sputtering)法により成膜できる。例えば、この様な気相エピタキシャル法に於いて、不純物のドーピング量の制御によりキャリア濃度が調整できる。また、成膜時間の制御により層厚が制御できる。
【0020】
II−VI族化合物半導体構成層上に設ける窓層は、AlGaInP発光層からの発光を透過するのに充分な大きさのEgを有する透明な材料から構成する。窓層は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)等のII族酸化物、酸化インジウム(In23)等のIII族酸化物、酸化錫(SnO2)等のIV族酸化物や、p形の伝導を呈する酸化アルミニウム・銅(CuAlO2)(Nature、Vol.389(30.Oct.,1997)、939〜942頁参照)などの複合酸化物から構成できる。
【0021】
本発明に係わる窓層は、導電性を呈する酸化物から構成するのが好ましい。LEDの駆動電流を拡散させる作用を担わせるためである。例えば、比抵抗にして約1ミリオーム・センチメートル(mΩ・cm)前後或いはそれ以下の低抵抗率の酸化物が好ましく利用できる。低抵抗率である酸化物にはITOやAlドープのZnOがある。また、II−VI族半導体結晶層上にそれよりも屈折率を小とする導電性の透明酸化物層を重層させれば、屈折率の関係から、発光層から出射される発光を透過するのにより好都合であり、電流拡散の作用を有する窓層が構成できる。例えば、ZnSe(屈折率約2.7)層上にITO(屈折率約2.0)層を重層させた構造からなる窓層がある。また、ZnSe層上にZnO(屈折率=2.0)層を重層させた窓層がある。
【0022】
窓層は、複数の酸化物層を重層させて構成できる。II−VI族化合物半導体層をn形のIII−V族化合物半導体層を被堆積層として被着させる場合、電極の写影領域で部分的にIII−V族化合物半導体層と接触する下層を、III−V族化合物半導体に対するアクセプタ不純物を含む酸化物から構成すると都合が良い。この構成に依れば、上記の写影領域に於いて、酸化物層から拡散してくるp形不純物により、n形III−V族化合物半導体層の表層部が高抵抗或いはp形伝導層に変換される。このため、電極直下の領域に流入する動作電流が阻止でき、周辺の発光を透過し易い様に開放された領域へ優先的に電流を拡散させることができるからである。重層構造の好例としてZnOを下層とし、上層をITOとする重層構造の酸化物窓層がある。上層のITO層は、ZnOに比較すれば、化学的な浸食に対する耐性が強いため、ZnO層を保護する保護膜としても有効に作用する。
【0023】
【実施例】
(実施例1)
本実施例では、エピタキシャル積層構造体20上に、ZnSeとITOとの重層構造の窓層を備えたAlGaInPLED10を例にして、本発明を詳細に説明する。図1は本実施例に係わるLED10の断面模式図である。
【0024】
積層構造体20は、p形GaAs単結晶基板101、p形GaAs緩衝層102、p形(Al0.7Ga0.30.5In0.5P下部クラッド層103、アンドープ(Al0.2Ga0.80.5In0.5P発光層104、及びn形(Al0.7Ga0.30.5In0.5P上部クラッド層105から構成した。エピタキシャル構成層102〜105は、トリメチルガリウム((CH33Ga)/トリメチルアルミニウム((CH33Al)/トリメチルインジウム((CH33In)/ホスフィン(PH3)系減圧MO−VPE法により730℃で成長させた。p形ドーピング源には、ジエチル亜鉛((C252Zn)を用いた。n形ドーピング源はジシラン(Si26)とした。
【0025】
基板101には、<011>方向に4゜傾斜した、Znドープ(100)GaAs単結晶を用いた。基板101のキャリア濃度は約1×1019cm-3であった。ZnドープGaAs緩衝層102の層厚は1.5μmとし、キャリア濃度は約2×1018cm-3とした。Znドープ下部クラッド層103の層厚は3.5μmとし、キャリア濃度は約3×1018cm-3とした。発光層104の層厚は約0.2μmとし、キャリア濃度は約5×1016cm-3とした。Siドープ上部クラッド層105の層厚は約1μmとし、キャリア濃度を7×1017cm-3とした。
【0026】
n形の上部クラッド層105の表面上には、一般的なマグネトロンスパッタリング法によりAlドープのn形ZnSeからなるII−VI族化合物半導体層106を被着させた。同層106の層厚は約0.5μmとし、キャリア濃度は約4×1018cm-3とした。ZnSe層106は一般的なX線回折分析に依れば、多結晶層であった。
【0027】
次に、公知のパターニング技術とエッチング技術を駆使して、酸化物窓層に敷設する円形金属電極直下に相当する領域に在るZnSe層106を選択的に除去した。除去したZnSe層106の平面形状は、電極と平面形状と中心を略一致させた電極底面形状と相似の直径を約130μmとする円形とした。
【0028】
ZnSe層106のパターニング加工を終了した後、公知のマグネトロンスパッタリング法を利用してITO膜からなる窓層107をII−VI族化合物半導体層106上に被着させた。窓層107を構成するITO膜の層厚は約0.20μmとした。同膜107は、比抵抗を約8×10-4Ω・cmとするITOから形成した。
【0029】
窓層107の表面上には、膜厚を約0.15μmとする窒化珪素(Si34)被膜を保護膜108として堆積した。窒化珪素保護膜108はモノシラン(SiH4)とアンモニア(NH3)を原料とする公知のプラズマCVD法により被着させた。これより、II−VI族化合物半導体層(屈折率を約2.7とするZnSe層)、窓層(屈折率を約2.0前後とするITO層)及びSi34保護膜(屈折率約1.9)からなる発光層より遠方に向けて屈折率を漸次小とする窓層107と保護膜108との重層構造を形成した。
【0030】
電極を形成する予定の領域に在る保護膜108を一般的なフォトリソグラフィー技術を利用して除去した後、同領域に直径を約120μmとするAl円形電極109を設けた。GaAs基板101の裏面の全面には金・亜鉛合金(Au98重量%−Zn2重量%合金)を真空蒸着した後、420℃で2分間合金化(アロイ)処理を施してp形オーミック電極110となした。然る後、一辺を約350μmとする略正方形の個別のチップに裁断しLED10となした。
【0031】
Al電極109及びp形オーミック電極110間に順方向に20ミリアンペア(mA)の電流を通流したところ、電極109周囲の窓層107の略全面からほぼ均等な赤橙色の発光が得られた。分光器により測定された発光波長は約620nmであった。また、発光スペクトルの半値幅は約17nmであり、単色性に優れる発光が得られた。順方向電圧(@20mA)は1.94±0.03ボルト(V)と均一であった。また、発光強度は約42ミリカンデラ(mcd)に到達した。
【0032】
(実施例2)
本実施例では、エピタキシャル積層構造体40上に、p形ZnTeからなるII−VI族化合物半導体層を備えたAlGaInPLED30を例にして、本発明を詳細に説明する。図2は本実施例に係わるLED30の断面模式図である。
【0033】
積層構造体40は、n形GaAs単結晶基板201、n形GaAs緩衝層202、ブラッグ反射層211、n形(Al0.7Ga0.30.5In0.5P下部クラッド層203、アンドープ(Al0.2Ga0.80.5In0.5P発光層204、及びp形(Al0.7Ga0.30.5In0.5P上部クラッド層205から構成した。エピタキシャル構成層202〜205、211は、トリメチルガリウム((CH33Ga)/トリメチルアルミニウム((CH33Al)/トリメチルインジウム((CH33In)/ホスフィン(PH3)系減圧MO−VPE法により730℃で成長させた。n形ドーピング源はジシラン(Si26)とした。p形ドーピング源には、ビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(bis−(C552Mg)を用いた。
【0034】
基板201には、<011>方向に3゜傾斜した、Siドープ(100)GaAs単結晶を用いた。基板201のキャリア濃度は約2×1018cm-3であった。SiドープGaAs緩衝層202の層厚は1.5μmとし、キャリア濃度は約2×1018cm-3とした。Siドープ下部クラッド層203の層厚は3.5μmとし、キャリア濃度は約3×1018cm-3とした。発光層204の層厚は約0.2μmとし、キャリア濃度は約5×1016cm-3とした。Mgドープ上部クラッド層205の層厚は約1μmとし、キャリア濃度を7×1017cm-3とした。
【0035】
ブラッグ反射層211は、Siドープn形Al0.9Ga0.1As層と、Siドープn形Al0.4Ga0.6As層とを交互に12層積層させて構成した。n形Al0.9Ga0.1As層の層厚は8nmとし、n形Al0.4Ga0.6As層の層厚は42nmとした。
【0036】
n形の上部クラッド層205の表面上には、一般的な減圧MOCVD法に依り約350℃でp形ZnTeからなるII−VI族化合物半導体層206を被着させた。同層206の層厚は約0.2μmとし、キャリア濃度は約2×1017cm-3とした。テルル化亜鉛層206は一般的なX線回折分析に依れば、単結晶層であった。
【0037】
次に、公知のパターニング技術とエッチング技術を駆使して、酸化物窓層に敷設する円形金属電極直下に相当する領域に在るテルル化亜鉛層206を選択的に除去した。除去したテルル化亜鉛層206の平面形状は、電極の平面形状と中心を略一致させた直径を約130μmとする円形とした。
【0038】
テルル化亜鉛層206のパターニング加工を終了した後、公知のマグネトロンスパッタリング法を利用してAlドープn形酸化亜鉛膜からなる窓層207をII−VI族化合物半導体層206上に被着させた。スパッタリング圧力は約0.8トール(Torr)とし、堆積温度は約300℃とした。高周波電力は約100ワット(W)とし、堆積時間を25分間として約0.25μmの層厚のZnO層207を得た。同膜207は、比抵抗を約1×10-3Ω・cmとするZnOから形成した。
【0039】
酸化亜鉛からなる窓層207上には、ITOからなる保護層208を形成した。表面保護層208たるITO被膜は、比抵抗を約7×10-4Ω・cmとするn形導電性膜であり、層厚は約0.10μmとした。
【0040】
電極を形成する予定の領域に在る保護層208を一般的なフォトリソグラフィー技術を利用して除去した後、同領域に直径を約120μmとするAu円形電極209を設けた。n形GaAs基板201の裏面の全面には金・ゲルマニウム合金(Au95重量%−Ge5重量%合金)を真空蒸着した後、420℃で10分間アロイ処理を施してn形オーミック電極210となした。然る後、一辺を約350μmとする略正方形の個別のチップに裁断しLED30となした。
【0041】
金電極209及びn形オーミック電極210間に順方向に20mAの電流を通流したところ、電極209の周辺の、窓層207の略全面からほぼ均等な赤橙色の発光が得られた。分光器により測定された発光波長は約620nmであった。また、発光スペクトルの半値幅は約18nmであり、単色性に優れる発光が得られた。順方向電圧(@20mA)は1.95±0.03Vと均一であった。また、発光強度は約60mcdに到達した。
【0042】
【発明の効果】
本発明に依れば、発光を外部へ取り出すのに好都合で、且つ、AlGaInPLEDを構成するIII−V族化合物半導体層と良好なオーミック接触性をなす窓層が構成できるため、順方向電圧が低く、且つ均一な高輝度のAlGaInP発光ダイオードが提供できる。
【0043】
また、本発明の構成に依れば、発光の透過性を低下させることなく、電極直下への動作電流の流入を阻止する機能を発揮する接合構成が構築でき、動作電流を効率的に拡散できるので、発光効率に優れる高輝度のAlGaInP発光ダイオードが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に記載のLEDの断面模式図である。
【図2】実施例2に記載のLEDの断面模式図である。
【符号の説明】
10 AlGaInPLED
20 積層構造体
30 AlGaInPLED
40 積層構造体
101 p形GaAs単結晶基板
102 p形緩衝層
103 p形下部クラッド層
104 発光層
105 n形上部クラッド層
106 n形II−VI族化合物半導体層
107 窓層
108 保護膜
109 金属電極
110 p形オーミック電極
201 n形GaAs単結晶基板
202 n形緩衝層
203 n形下部クラッド層
204 発光層
205 p形上部クラッド層
206 p形II−VI族化合物半導体層
207 窓層
208 保護膜
209 金属電極
210 n形オーミック電極
211 ブラッグ反射層

Claims (3)

  1. 基板上に、(AlXGa1-XYIn1-YP(0≦X≦1、0<Y≦1)からなる発光層を含む発光部、該発光部の上に形成されたII−VI族化合物半導体層、該II−VI族化合物半導体層の上に形成された酸化物結晶からなる窓層、及び該窓層の上部に形成された金属電極を有するpn接合型ダブルヘテロ構造の発光ダイオードにおいて、II−VI族化合物半導体層が前記金属電極の下部で該電極の底面積の0.7倍〜1.2倍の領域を除いた領域に形成されていることを特徴とする発光ダイオード。
  2. II−VI族化合物半導体層が、n形セレン化亜鉛から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
  3. II−VI族化合物半導体層が、p形テルル化亜鉛から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード。
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