JP4298194B2 - 自然超格子ホモロガス単結晶薄膜の製造方法。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自然超格子構造を有するZnO複合酸化物エピタキシャル単結晶薄膜の製法に関する。この製法により得られた単結晶薄膜は、光デバイス(発光ダイオード,レーザーダイオード)、電子デバイス(共鳴トンネル効果による微分負性抵抗を利用した単安定−双安定転移論理素子デバイス,HEMT,FET)、X線光学デバイス(軟X線反射ミラー)に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
異なる物質の結晶層を何層か重ね合わせた構造を総称して『超格子』と呼ぶ。超格子には、結晶構造自体の周期性による「自然超格子」と組成の異なる極薄膜を人工的に交互に積層する「人工超格子」がある。結晶周期ないし各薄膜層の厚さが、ナノメーター程度の場合、各結晶周期層ないし各薄膜層の化学組成や層の厚さの組み合わせによって、単一の物質あるいは各層を均一に混ぜ合わせた混晶の性質とは異なる、固有な特性が得られる。その多くは、量子サイズ効果に起因している。
【0003】
自然超格子としては、ホモロガス結晶相など長周期を有する結晶がある。一方、人工超格子に関しては、1969年、江崎玲於奈博士が、1次元の周期的な構造変化を有する人工単結晶「半導体超格子」の概念を提案した。数ナノメーターの膜厚を有する、バンドギャップの小さな薄膜層(井戸層)とバンギャップの大きな薄膜層(障壁層)を交互に積層した半導体超格子構造を用いて、負性抵抗素子が実現できる事を提案した。
【0004】
人工超格子では、それぞれの薄膜の厚さは電子のドブロイ波よりも薄いおよそ5nm以下である必要がある。薄膜が厚い場合には、おのおのの半導体の性質がほぼそのまま維持され、膜の界面は、単なる境界条件として作用するに過ぎない。膜厚が電子のドブロイ波より薄くなると、電子が波として振舞うため、新しい性質が出現する。そうした効果は一般に量子サイズ効果と呼ばれている。
【0005】
超格子構造では、井戸層に存在する電子は、障壁層がつくる井戸型ポテンシャルを感じている。こうした状態は、量子井戸と呼ばれ、ここでは、電子が波の性質を持つため、電子は離散的なエネルギーしか持つことができない。こうした離散的量子エネルギー準位と同じエネルギーを持った電子は障壁を通り抜け、量子井戸内に侵入することができる。これを共鳴トンネル効果と呼ぶ。
【0006】
半導体結晶特有の電子・光学的性質は、原子が格子上に規則的に配列され、電子に対する周期的ポテンシャルが形成されている事に基づいている。超格子では、この結晶周期ポテンシャルに加えて、超格子に基づく長周期のポテンシャルが生じる。2つのポテンシャルが相乗した環境を電子が運動するために、超格子には、結晶と違った新しい性質が付与されるとも考えられる。
【0007】
以上のような機構を通じ、超格子構造では、電子の移動速度が大きくなる、共鳴トンネル効果によりトンネル電流が流れやすくなる、電子と正孔の結合による発光効率が高くなるなどの特徴が生じる。こうした性質を利用して、超格子構造は、HEMTと呼ばれる高速トランジスター、通信用および光デスク用半導体レーザー材料として、既に実用化している。また、共鳴トンネル効果によって微分負性抵抗をもつ特異な電流−電圧特性が得られることが知られている。この微分負性抵抗を利用したデバイスの代表例が単安定−双安定転移論理素子(MOnostable-BIstable transition Logic Element、MOBILE)である。
【0008】
人工超格子構造は、薄膜成長技術を駆使して異なる2種類以上の半導体をエピタキシャル成長させることにより作成される。エピタキシャル成長とは、単結晶基板上に、薄膜単結晶を育成したとき、両者の結晶方位が一致することを言う。エピタキシャル成長した場合、急峻で、欠陥密度の小さな薄膜界面を得る事ができる。
【0009】
エピタキシャル成長技術として代表的な薄膜成長技術には、スパッタリング法、分子線エピタキシー(MBE)法、化学気相蒸着法などがある。非熱平衡蒸発を用いるスパッタリング法は、現在最も広く普及し、工業的にも活用されている手法である。製膜法としてのスパッタリング法はいわゆるスパッタ現象を利用した方法である。
【0010】
スパッタ現象は、1852年にW.Groveが発見した。スパッタ現象とは、ターゲット表面に入射する高運動エネルギー粒子(イオンまたはターゲット表面近傍で電子により中性化された原子)が弾性衝突によりターゲット構成原子にその運動量を与え、反跳原子は近傍の原子と次々と衝突を繰り返し、結果として、ターゲット表面原子が放出されることを指す。スパッタリング法による製膜法は、放出されたターゲット構成原子を基板上に堆積させ薄膜化するものである。スパッタリング法は、成膜速度が速いので、一般的には、人工超格子の作成には適していない。
【0011】
MBE法(分子線エピタキシー法、molecular beam epitaxy)は、1968年当時、米国ベル研究所にいたJ.R.Arthurにより命名された技術であり、主にGaAs等の化合物半導体を対象に開発された薄膜結晶成長法である。MBE法は、真空蒸着法の改良・発展形とみなすことが出来る。これは、超高真空中で、成長させようとする結晶の原材料の中性分子(または原子)の流れ、すなわち、分子線(原子線)の強度を精度よく制御し、これを精度よく加熱した基板上に入射させることによりエピタキシャル結晶成長を行わせる方法である。
【0012】
MBE法で取り扱うことのできる材料の種類は、化合物半導体、Siなどの元素半導体、さらには、各種の金属、酸化物超伝導体と多岐に亘る。通常の真空蒸着法との違いは、成長室内の真空度が10-7〜10-8Pa以下であり、結晶の表面が原子スケ−ルで常に清浄に保たれた状態で成長が行われ、分子線(ビ−ム)の強度が精度よく制御されていることである。MBE法は、研究開発用に広く使われている他、HEMTなどの実用素子の作成に使われている。
【0013】
化学気相蒸着法(CVD法)は、塩化物あるいは有機金属化合物を原料として、基板上で原料ガスを化学反応させ、所定の組成を有する薄膜を基板上に育成する方法であり、量産性に優れているため、半導体レーザー超格子構造の作成など実用材料の作成に使われている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、通信用および光デスク用半導体レーザー、HEMTなど高速電子デバイスには、化合物半導体超格子構造が用いられてバイスの波長は短波長化しており、GaN/InGaN/GaNの超格子やZnMgO/ZnO/ZnMgO超格子が提案され、一部実用化に至っている。
【0015】
超格子構造における1つ1つの層の厚さは1〜100原子層と極めて薄い。したがって、1つの層の厚さが局部的に1原子層オーダーの凹凸があると、その影響は極めて大きくなる。こうした超格子の製造は原子層オーダーでの成長制御が必要不可欠であり、MBE法、CVD法など、高度な成膜技術が必要である。上述のように人工的に超格子を作るのではなく、自然界に存在する超格子を積極的に利用すれば、比較的、容易に、層厚が精密に制御された超格子構造を作成する事ができ、成膜プロセスを簡素化できると期待される。
【0016】
また、自然超格子構造では、二次元超格子構造(量子井戸構造)に加えて、一次元超格子構造(量子ワイヤー構造)を形成できる可能性がある、更に、酸化物などに化学組成を広げる事ができると期待される。
【0017】
1967年、Kasperは、ZnO-In2O3系化合物の高温相をXRDにより調査し、ウルツ鉱型類似の結晶構造を有する菱面体晶系または六方晶系の酸化物In2O3(ZnO)m(m=2, 3, 4, 5及び7)の存在を初めて報告した(H.Kasper,“Neuartige Phasen mit wurtzitahnlichen Strukturen im System ZnO-In2O3”,Z.Anorg.Allg.Chem.,349,113-23(1967).)。
【0018】
近年、君塚らの研究グループは、R2O3-Fe2O3-M’O系(R:希土類元素,M’:二価陽イオン元素)に出現する結晶相を詳細に調べ、In2O3-Fe2O3-ZnO系にはInFeO3(ZnO)m (m:自然数)で表される一群のホモロガス相が存在することを明らかにした(M.Nakamura,N.Kimizuka,and T.Mohri,“The Phase Relations in the In2O3-Fe2ZnO4-ZnO System at 1350℃”,J.Solid State Chem.,86,16-40(1990).)。
【0019】
ホモロガス相(Homologous Series: 同族化物列相)とは、例えば、nを自然数としてTinO2n-1の組成式で表されるマグネリ相で、こうした相では、nが連続的に変化する一群の化合物群がある。M.Isobeらは、LuFeO3(ZnO)mの単結晶構造解析に成功した(M.Isobe,N.Kimizuka,M.Nakamura,and T.Mohri,“Structures of LuFeO3(ZnO)m (m=1, 4, 5 and 6)”,Acta Cryst.C50,332-336(1994).)。
【0020】
彼らは、LuFeO3(ZnO)mの結晶構造は、LuO1.5層とFeO1.5(ZnO)m層がc軸方向に交互に積層した自然超格子であり、mが奇数の場合には菱面体晶系で、偶数の場合には六方晶系であると報告した。すなわち、mの値は、FeO1.5(ZnO)mの原子層の数であり、LuFeO3(ZnO)mの結晶構造はm原子層のFeO1.5(ZnO)mと、一原子層のLuO1.5が交互に積層した超格子構造とみなすことができる。
【0021】
最近の報告(C.Li,Y.Bando,M.Nakamura,M.Onoda,and N.Kimizuka,“ModulatedStructures of Homologous Compounds in MO3(ZnO)m (M=In, Ga;m=integer) Described by Four-Dimensional Superspace Group”,J.Solid State Chem.139, 347-355(1998).)によると、InGaO3(ZnO)mにおいて、m>7の場合にはGa原子がZnO中で規則配列した構造になる。
【0022】
この一群の化合物群は1950年代から紫外発光材料として知られるZnOの自然超格子であるとみなす事ができる。特に、m>7の場合には、M’イオンはZnO層中に周期帯として存在しており、ZnO層は一次元超格子構造(量子ワイヤー構造)をなしているとみなす事ができる。
【0023】
従来、ホモロガス相M1M2O3(ZnO)m薄膜は、スパッタリングやPLD法により、高温に加熱した基板上に堆積させて製造されていた(H.Hiramatsu,W-S.Seo,and K.Koumoto,“Electrical and Optical Properties of Radio-Frequency-SputteredThin Films of (ZnO)5In2O3”,Chem.Mater.10,3033-3039 (1998).)。
【0024】
しかし、こうした薄膜成長法でホモロガス相M1M2O3(ZnO)mを成長させると、蒸気圧の高いZnOの蒸発が顕著に起こり、組成が制御できないことに加え、均質な超格子が形成できない。配向膜の作製は可能であるが、超格子構造が乱れてしまうため、超格子構造から期待される量子サイズ効果は発現しないという問題があった。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明では、こうした問題を解決するために、基体材料となるZnO単結晶あるいはZnOのエピタキシャル薄膜にLuやGaなどの元素を拡散させてホモロガスM1M2O3(ZnO)m薄膜相を作製し、更に、該薄膜相から単結晶膜を育成することを特徴とする。
【0026】
本発明の製造方法によって、ZnOエピタキシャル薄膜上にエピタキシャル成長した複合酸化物からなる自然超格子ホモロガス単結晶薄膜が得られる。
【0027】
また、本発明の製造方法によって、上記のZnOエピタキシャル薄膜が消失し、該ZnOエピタキシャル薄膜を成長させた単結晶基板上に直接エピタキシャル成長した状態の複合酸化物からなる自然超格子ホモロガス単結晶薄膜が得られる。
【0028】
また、本発明の製造方法によって、ZnO単結晶上にエピタキシャル成長した複合酸化物からなる自然超格子ホモロガス単結晶薄膜が得られる。
【0029】
また、本発明の製造方法によって、mの値の膜厚方向でのばらつきが、m±1以内である上記のホモロガス単結晶薄膜が得られる。また、本発明の製造方法によって、mの値が、膜厚方向に連続的に変化する上記のホモロガス単結晶薄膜が得られる。また、本発明の製造方法によって、原子レベルの表面平坦性を有し、該平坦面領域が、0.5μm×0.5μm以上である上記のホモロガス単結晶薄膜が得られる。
【0030】
本発明は、ZnOエピタキシャル薄膜上に式1;M1M2O3(ZnO)nで表される複合酸化物薄膜を堆積し、得られた積層膜を1200℃以上1600℃以下で加熱拡散処理することによって、式2;M1M2O3(ZnO)m(ただし、式1、式2のM1は、Ga,Fe,Sc,In,Lu,Yb,Tm,Er,Ho及びYのうち少なくとも1種類、M2は、Mn,Fe,Ga,In,Alのうち少なくとも1種類とし、nは、1を含む1以上の自然数、mは、1以上の、nと同じかnより大きい自然数)で表される複合酸化物薄膜をエピタキシャル成長させることを特徴とするホモロガス単結晶薄膜の製造方法である。
【0031】
また、本発明は、ZnO単結晶上に式1;M1M2O3(ZnO)nで表される複合酸化物薄膜を堆積し、ZnO単結晶と堆積した膜を1200℃以上1600℃以下で加熱拡散処理することによって、式2;M1M2O3(ZnO)m(ただし、式1、式2のM1は、Ga,Fe,Sc,In,Lu,Yb,Tm,Er,Ho及びYのうち少なくとも1種類、M2は、Mn,Fe,Ga,In,Alのうち少なくとも1種類とし、nは、1を含む1以上の自然数、mは、1以上の、nと同じかnより大きい自然数)で表される複合酸化物薄膜をエピタキシャル成長させることを特徴とするホモロガス単結晶薄膜の製造方法である。
【0032】
また、本発明は、加熱拡散処理中にZnOの蒸発を抑制するため、高融点化合物を該積層膜またはZnO単結晶上に堆積した膜に被せながら加熱拡散処理を行うことを特徴とする上記のホモロガス単結晶薄膜の製造方法である。
また、本発明は、加熱拡散処理中にZnOの蒸発を抑制するため、ZnO蒸気中で加熱拡散処理を行うことを特徴とする上記のホモロガス単結晶薄膜の製造方法である。
【0032】
本発明の製造方法により得られたZnO複合酸化物単結晶薄膜は、光デバイス、X線光学デバイス、または電子デバイスに用いることができる。
【0033】
本発明のホモロガス相M1M2O3(ZnO)m単結晶薄膜は、ZnO単結晶またはZnOエピタキシャル薄膜上に形成されるか、ZnOエピタキシャル薄膜全体にLuやGaなどの元素が拡散したときは、結果としてZnOのエピタキシャル薄膜は消失し、ZnO単結晶膜をエピタキシャル成長させたYSZ、Al2O3等の単結晶基板が残り、その上にホモロガス相M1M2O3(ZnO)m薄膜が直接エピタキシャル成長した状態になる。
【0034】
こうして作製したホモロガス相M1M2O3(ZnO)m単結晶薄膜は、均一な層厚、すなわち、mの値が均一、ないし、連続的に層厚が変化する、すなわち、mの値が連続的に変化する超格子を有している。LuやGaなどの元素を含む薄膜の膜厚と拡散させる温度および時間を変化させる事で、mの値、すなわち、自然超格子の厚みを制御することが出来る。LuGaO3(ZnO)mの場合は、m値が7を含む7以上の自然数となるとウルツ鉱型ZnOの周期ナノワイヤーあるいは量子ドット構造となる。こうした構造を利用して、人工超格子構造と同じように、紫外発光デバイス、量子電子デバイスを作製できる。
【0035】
得られたホモロガス相単結晶薄膜の表面は、多段テラス状のモルフォルジーを有している。その段差は、超格子の一層厚に対応している。また、テラスの表面は、一原子レベルの平坦性、いわゆる原子平坦面を有している。ホモロガス化合物では層厚が厚いので、テラスの幅を、基板結晶のテラス幅より大きくする事ができ、0.5ミクロンメートルより長くする事ができる。mの値が大きいホモロガス化合物薄膜では、原子平坦面の面積を更に大きくする事ができる。大面積の原子平坦面は、例えば、トンネル電子顕微鏡ないし光近接場顕微鏡で、DNAなどのバイオ化合物を観測する際の試料台として使用することができる。特に、ホモロガス化合物は、電気抵抗が小さいので、この目的に適している。
【0036】
【発明の実施の形態】
原子平坦面を持つYSZ、Al2O3等の単結晶基板上に、MBE法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)などにより、原子平坦面を有するZnO単結晶薄膜をエピタキシャル成長させる。ZnO単結晶を用いる場合には該操作は必要ではない。次に、該ZnO薄膜またはZnO単結晶上に、式1;M1M2O3(ZnO)nと記述される薄膜を、MBE法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)などにより成長させる。
【0037】
ここで、式1;M 1 M 2 O 3 (ZnO) n のnは、1を含む1以上の自然数で、M1は、Ga,Fe,Sc,In,Lu,Yb,Tm,Er,Ho及びYのうち少なくとも1種類、M2は、Mn,Fe,Ga,In,Alのうち少なくとも1種類である。Fe,Ga,Inは、それぞれ、M1及びM2両方ともに置換することができ、それぞれ、ホモロガス相Fe2O3(ZnO)n、Ga2O3(ZnO)n、In2O3(ZnO)nとなる。得られた薄膜は、単結晶膜である必要はなく、多結晶膜でも、アモルファス膜でも良い。
【0038】
最後に、800℃以上1600℃以下の温度で、加熱拡散処理を行なう。加熱雰囲気は、該薄膜中から酸素が離脱するのを防ぐ必要があるので、非還元性雰囲気、好ましくは大気雰囲気とする。適切な温度は800℃以上、1600℃以下、より好ましくは1200℃以上、1500℃以下である。800℃未満では拡散が遅く、均一な組成の式2;M1M2O3(ZnO)m (ただし、M 1 、M 2 は、式1に同じ)で示される複合酸化物薄膜が得られない。また、1600℃を超えるとZnO成分の蒸発が抑えられなくなり、均一な組成のM1M2O3(ZnO)mが得られない。
【0039】
ZnO成分は、蒸気圧が高いので、大気中で加熱拡散処理をすると、処理中に該薄膜から、ZnO成分が蒸発し、加熱拡散処理後の薄膜成分が大幅に変化してしまい、良質な結晶膜が得らない事がある。ZnO成分の蒸発を防ぐためには、大気にZnO蒸気を加えると良い。具体的には、加熱拡散処理を行なう容器中に、容器体積の5%程度のZnO蒸気を発生させる量のZnO化合物を加えておく。該ZnO化合物は、粉末あるいは焼結体である事が好ましい。高温での加熱拡散処理中に、ZnO粉末からZnO蒸気が発生し、容器中のZnO蒸気圧が高まり、該薄膜からのZnO成分の蒸発を抑制する事ができる。
【0040】
また、ZnO成分の蒸発を防ぐために、高融点化合物、例えば、YSZやAl2O3の薄膜を蒸着し、該薄膜全体をカバーし、大気中で加熱拡散処理をしても良い。該薄膜の上下表面積が、断面表面積より大きい場合には、上下表面を、高融点化合物薄板で被っても良い。より好ましくは、該薄膜を高融点化合物で被い、ZnO蒸気を含む大気中で加熱拡散処理をすればよい。高融点化合物で該薄膜の表面を被う事により、ZnO蒸気圧発生のためのZnO粉末と、該薄膜が直接接触する事を防ぐ事もできる。
【0041】
ここで、式2;M 1 M 2 O 3 (ZnO) m のmは、1以上の、nと同じかnより大きい自然数であり、積層膜の組成が拡散により均一になった場合はZnO膜厚とM1M2O3(ZnO)n膜厚の比により、表1に示すように一義的に定まる。なお、表1には示していないがZnO膜厚がM 1 M 2 O 3 (ZnO) n 膜厚に比べて極、薄い場合はmはnと同じになる。
【表1】
【0042】
拡散により組成が均一になった後に、結晶化が起これば、膜厚方向に、mが一定なM1M2O3(ZnO)m単結晶薄膜を得る事ができる。拡散後の組成が、mで指定される化合物組成より、ZnO成分が少ない時は、得られた単結晶薄膜は、mの組成とm−1の組成の混ざった超格子構造となる。また、拡散後の組成が、mで指定される化合物組成より、ZnO成分が多い時は、mの組成とm+1の組成の混ざった超格子構造となる。一方、拡散が完全でなく、ZnO膜から、M1M2O3(ZnO)n膜表面に向かって、Znイオンに濃度勾配がある状態から、結晶化が生じた場合は、膜厚方向に、mの値が変化する、すなわち、超格子層厚が空間的に連続的に変化する「チャープト超格子構造」が得られる。チャープト超格子構造は、幅広い波長を回折するブラック回折格子デバイスとして用いる事ができる。
【0043】
得られた単結晶薄膜は、M2O1.5・ZnO層をM1O1.5層で挟んだ自然超格子構造とみなす事ができるので、M2O1.5・ZnO層に存在する電子に、量子サイズ効果が生じる。このため、得られた単結晶薄膜は、人工超格子構造と同様に、発光ダイオード、半導体レーザーなど光デバイス用材料、MOBILE,HEMT,FETなどの電子デバイス材料として使用する事ができる。また、得られたM1M2O3(ZnO)mでのM2O1.5・ZnO層の厚さは、0.5nm以上であれば0.27nm毎に制御できるので、X線を反射するミラー材料として使用する事ができる。
【0044】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例1
1. ZnO薄膜の作製
YSZ (111)単結晶基板(10mm□×0.5 mmt)上に、下記の方法により基板温度800℃でZnO薄膜を成長させた。PLD法により、酸素圧力3×10-3Paに設定した真空チャンバー中で、ZnO焼結体ターゲットにKrF(248nm)エキシマレーザーを照射してZnOを蒸発させ、800℃に加熱したYSZ (111)単結晶基板上に堆積速度2nm/minの条件で1時間薄膜成長を行った。X線反射率測定から求めたZnO薄膜の厚みは120nmであった。作製したZnO薄膜の結晶性をHRXRDにより評価したところ、YSZ(111)基板上にZnOは(0001)配向しており、そのチルト角は0.02〜0.1度であった。In-plane測定によりエピタキシャル成長であることを確認した。エピタキシャル関係はZnO(11-20) // YSZ(1-10)であった。
【0045】
2. LuGaO3(ZnO)9/ZnO積層薄膜の作製
作製したYSZ (111)上のZnO薄膜を基板として、下記の方法により基板温度600℃でLuGaO3(ZnO)9を成長させた。PLD法により、酸素圧力3×10-3Paに設定した真空チャンバー中で、LuGaO3(ZnO)9焼結体ターゲットにKrF(248nm)エキシマレーザーを照射してLuGaO3(ZnO)9を蒸発させ、600℃に加熱したYSZ (111)単結晶基板上に堆積速度2nm/minの条件で30分薄膜成長を行った。X線反射率測定からLuGaO3(ZnO)9薄膜の膜厚は60nmであることが分かった。作製したLuGaO3(ZnO)9薄膜はナノサイズの微結晶から成っており、XRD測定では結晶性を評価することができなかった。
【0046】
3. LuGaO3(ZnO)17単結晶薄膜の作製
上記2で作製したLuGaO3(ZnO)9 / ZnO / YSZ積層薄膜上に、YSZ単結晶(10mm×10mm×0.5mmt)を積層薄膜全体をカバーできるように被せた。さらに、蒸気圧の高いZnOの蒸発を抑制するため、カバーしたYSZ基板上にZnO粉末(平均粒径1mm)約2gをコーティングした。これをアルミナ製るつぼ(SSA-S)に入れて、ふたをして、大気中、1450℃で30分間加熱拡散処理を施した。加熱拡散処理終了後は室温まで炉内で冷却した。
【0047】
4. LuGaO3(ZnO)17単結晶薄膜の結晶性
作製した単結晶薄膜の結晶性は高分解能X線回折(HRXRD,Rigaku製ATX-G,CuKa1)を用いて調べた。図1に、Out-of-plane XRDパターンを示す。LuGaO3(ZnO)17の(000l)面の強い回折ピークがYSZ(111)ピークとともに観測された。LuGaO3(ZnO)17(0001) が YSZ (111)上に強く配向していることを示し、ロッキングカーブ測定からLuGaO3(ZnO)17(0001)面のチルト角は0.1度であった。In-plane測定から作製したLuGaO3(ZnO)17薄膜はエピタキシャル成長していることが明らかになった。エピタキシャル関係は次の通りである。
LuGaO3(ZnO)17 (0001) // YSZ (111)LuGaO3(ZnO)17(11-20) // YSZ (1-10)
【0048】
5. 自然超格子の評価
作製したLuGaO3(ZnO)17単結晶薄膜のXRD測定からLuO1.5層−LuO1.5層間距離は5nmであることが分かった。AFM観察を行ったところ(図2)、原子レベルの表面平坦性を有する平坦なテラスと約5nmのステップからなる構造が明瞭に観察できた。原子レベルで平坦なテラスの平坦面領域の面積は1mm×1mm以上であった。作製したLuGaO3(ZnO)17薄膜が単結晶であることの証拠の一つである。
【0049】
6. LuGaO3(ZnO)17単結晶薄膜の光吸収及び発光特性
作製したLuGaO3(ZnO)17単結晶薄膜をクライオスタット(ダイキン製,4.2K)に取り付けて、系内を真空排気した後、温度を10Kまで冷却した。図3に、10Kおよび300Kにおける光吸収スペクトルを示す。比較として、ZnOエピタキシャル薄膜の吸収スペクトルも示した。
【0050】
Nd:YAGの3倍波(波長355nm)を薄膜に照射することで励起を行った。ルミネッセンスはレンズで集光してバンドルファイバーに導き、分光して電荷結合デバイス(CCD)を用いて検出した。図4に、10Kおよび300Kのフォトルミネッセンススペクトルを示す。ZnOと類似したスペクトルが見られる。
【0051】
実施例2
実施例1記載の手法で作製したZnOエピタキシャル薄膜上にM1 、M2としてそれぞれInを選択して、In2O3薄膜を成長させた。PLD法により、酸素圧力3×10-3Paに設定した真空チャンバー中で、In2O3焼結体ターゲットにKrF(248nm)エキシマレーザーを照射してIn 2 O 3 を蒸発させ、600℃に加熱したYSZ (111)単結晶基板上に堆積速度2nm/minの条件で30分薄膜成長を行った。ZnO薄膜上にIn2O3はヘテロエピタキシャル成長しており、エピタキシャル関係は次の通りであった。
In2O3 (111) // ZnO (0001) // YSZ (111)In2O3(110) // ZnO (11-20) // YSZ (1-10)
【0052】
作製した二層膜を実施例1記載の手法により、1300℃、20min、大気中で加熱拡散処理した。作製した薄膜のHRXRD測定を行ったところ、In2O3(ZnO)4、In2O3(ZnO)5、及びIn2O3(ZnO)6の混合したエピタキシャル薄膜となっていた。
【0053】
比較例1
LuGaO3(ZnO)5をターゲット材料として用い、基板温度RTで、YSZ (111)単結晶基板上に薄膜を成長させた。X線反射率測定から求めた薄膜の厚みは200nmであった。XRD測定から、作製した薄膜はアモルファスであることが分かった。蛍光X線分析による組成分析を行ったところ、Lu/Ga原子比は1であったが、Zn/Lu比は3であり、ターゲット組成に比べてZnOが減少した。
【0054】
こうして作製したアモルファス薄膜を実施例1記載のアニール(1450℃,30min,大気中)を行い結晶化させた。HRXRD測定を行ったところ、LuGaO3(ZnO)3が生成していることが分かった。強いLuGaO3(ZnO)3(000l)回折ピークがYSZ(111)回折ピークとともに観測された。LuGaO3(ZnO)3(000l) // YSZ(111)が配向した。ロッキングカーブ測定から求めた薄膜のチルト角は約1度であった。なお、In-plane測定を行ったところ、面内の配向は観測されなかった。したがって、作製した薄膜はc軸配向LuGaO3(ZnO)3膜であり、単結晶ではない。
【0055】
比較例2
LuGaO3(ZnO)9をターゲット材料として用い、基板温度500〜900℃で、PLD法によりYSZ (111)単結晶基板上に薄膜を成長させた。X線反射率測定から求めた薄膜の厚みは基板温度の上昇に伴って減少した。蛍光X線分析による組成分析を行ったところ、Lu/Ga原子比はいずれの成長温度においても1であったが、Zn/Lu比は基板温度の上昇に伴い減少する傾向を示した。
【0056】
これらのデータから、基板温度の上昇に伴い、蒸気圧の高いZnOの蒸発が起こったと結論できる。作製した薄膜のXRD測定を行ったところ、ホモロガス相の回折ピークは全く観測されなかった。また、基板温度600℃以上で成長させた薄膜の回折ピークから、高温ではZnGa2O4が生成してしまうことが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で製造したホモロガス単結晶薄膜の結晶性をOut-of-plane XRDパターンで示すグラフである。
【図2】図2は、実施例1で製造したホモロガス単結晶薄膜の図面代用AFM写真である。
【図3】図3は、実施例1で製造したホモロガス単結晶薄膜の10Kおよび300Kにおける光吸収スペクトルを示すグラフである。
【図4】図4は、実施例1で製造したホモロガス単結晶薄膜の10Kおよび300Kのフォトルミネッセンススペクトルを示すグラフである。
Claims (4)
- ZnOエピタキシャル薄膜上に式1;M1M2O3(ZnO)nで表される複合酸化物薄膜を堆積し、得られた積層膜を1200℃以上1600℃以下で加熱拡散処理することによって、式2;M1M2O3(ZnO)m(ただし、式1、式2のM1は、Ga,Fe,Sc,In,Lu,Yb,Tm,Er,Ho及びYのうち少なくとも1種類、M2は、Mn,Fe,Ga,In,Alのうち少なくとも1種類とし、nは、1を含む1以上の自然数、mは、1以上の、nと同じかnより大きい自然数)で表される複合酸化物薄膜をエピタキシャル成長させることを特徴とするホモロガス単結晶薄膜の製造方法。
- ZnO単結晶上に式1;M1M2O3(ZnO)nで表される複合酸化物薄膜を堆積し、ZnO単結晶と堆積した膜を1200℃以上1600℃以下で加熱拡散処理することによって、式2;M1M2O3(ZnO)m(ただし、式1、式2のM1は、Ga,Fe,Sc,In,Lu,Yb,Tm,Er,Ho及びYのうち少なくとも1種類、M2は、Mn,Fe,Ga,In,Alのうち少なくとも1種類とし、nは、1を含む1以上の自然数、mは、1以上の、nと同じかnより大きい自然数)で表される複合酸化物薄膜をエピタキシャル成長させることを特徴とするホモロガス単結晶薄膜の製造方法。
- 加熱拡散処理中にZnOの蒸発を抑制するため、高融点化合物を該積層膜またはZnO単結晶上に堆積した膜に被せながら加熱拡散処理を行うことを特徴とする請求項1または2記載のホモロガス単結晶薄膜の製造方法。
- 加熱拡散処理中にZnOの蒸発を抑制するため、ZnO蒸気中で加熱拡散処理を行うことを特徴とする請求項1または2記載のホモロガス単結晶薄膜の製造方法。
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