JP4298085B2 - 電源 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電源に関し、特に、HCD(Hollow Cathode Discharge)法を実施するのに用いられる電源の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大型のディスプレイとして、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)が注目されている。
PDPの製造工程には、ガラス基板表面にMgO保護膜を形成する工程が必須であるが、その製造工程においては、HCD法という成膜方法が用いられている。
【0003】
以下でHCD法について説明する。まず、真空雰囲気中で離間して配置された成膜材料と放電電極との間に高電圧(500V程度)の直流電圧を印加すると、成膜材料と放電電極との間で高電圧かつ低電流の放電(以下でトリガ放電と称する。)が生じる。トリガ放電が生じると、成膜材料と放電電極との間のインピーダンスが低下する。インピーダンスが低下した状態で成膜材料と放電電極との間に大電流を流すと、成膜材料と放電電極との間にアーク放電が生じる。このアーク放電により、成膜材料が蒸発し、基板に付着することで基板表面に成膜材料が成膜される。
【0004】
このようなHCD法に用いられる放電用電源111の具体的な構成を図6に示す。この放電用電源111は、イグニッション電源191とメイン電源192とリレー193とを有している。リレー193は、各電源191、192のいずれか一方の出力端子を、放電電極及び成膜材料に接続することができるようにされている。
【0005】
この放電用電源111では、起動時には、リレー193がイグニッション電源191の出力端子を成膜材料及び放電電極とに接続している。イグニッション電源191は高電圧を出力できるようにされており、高電圧を成膜材料及び放電電極との間に印加することにより、この間にトリガ放電が生じる。
【0006】
トリガ放電が生じると、成膜材料と放電電極との間のインピーダンスが低下する。インピーダンスが低下したら、手動でリレー193を操作して、イグニッション電源191の出力端子を成膜材料及び放電電極から切断するとともに、メイン電源192の出力端子を成膜材料及び放電電極に接続する。
【0007】
メイン電源192は大電流を出力できるようにされており、メイン電源192の出力端子が成膜材料及び放電電極に接続されると、成膜材料及び放電電極の間には大電流が供給され、アーク放電が生じる。
【0008】
上述の放電用電源111は、イグニッション電源191とメイン電源192という2個の電源を有しているため、通常の電源に比して電源装置の規模が大きくなるという問題が生じていた。
【0009】
また、アーク放電を生じさせるためには、トリガ放電の発生により、成膜材料と放電電極との間が低インピーダンスになった状態で、大電流を流す必要があるが、低インピーダンス状態にある期間はごく短い。上述の電源111では、手動でリレー193を操作して、メイン電源192から大電流を供給していたので、低インピーダンスの状態が維持されている短い期間中に、タイミング良く大電流を供給するのが難しいという問題もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、小型で容易に出力電圧を高電圧と低電圧のいずれかに切り換えることが可能な電源を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、一次巻線と、前記一次巻線と磁気結合された二次巻線と、前記二次巻線に接続され、該二次巻線に誘起された電圧により、マイナス端子とプラス端子との間に負で直流の運転電圧を出力するメイン回路と、前記マイナス端子と前記プラス端子の間に、前記運転電圧よりも大きな負のトリガ電圧を出力するコンデンサとを有する電源であって、カソード端子は前記メイン回路の前記運転電圧を出力する負出力側に接続され、アノード端子は前記マイナス端子に接続された整流素子と、前記コンデンサの前記トリガ電圧を出力する部分と前記マイナス端子の間を接続と遮断を切換えるトリガスイッチ素子と、前記一次巻線と磁気結合された補助巻線と、前記補助巻線の電圧を整流平滑する充電回路と、前記充電回路と前記コンデンサの間の接続と遮断を切換える充電用スイッチ素子と、前記マイナス端子からの出力電圧を検出する放電停止検出回路と、前記メイン回路と前記カソード端子の間に接続され、前記カソード端子に流れるカソード電流を検出する比較回路と、前記充電用スイッチ素子と前記トリガスイッチ素子の接続と遮断を切り替えるイグニッション駆動用回路とを有し、前記イグニッション駆動用回路は、前記放電停止検出回路の検出電圧が所定電圧よりも接地電圧に近く、且つ、前記比較回路が前記カソード電流を検出できないときに、前記トリガスイッチ素子と前記充電用スイッチ素子を切り替え、前記コンデンサを前記充電回路で充電した後放電させて前記トリガ電圧を出力させる電源である。
【0012】
本発明の電源によれば、コンデンサが予め高電圧に充電された状態でトリガスイッチ素子をオンさせると、コンデンサからトリガスイッチ素子を介して、運転電圧よりも高い負のトリガ電圧がマイナス端子に出力される。
【0013】
コンデンサとメイン回路との間には整流素子が設けられており、コンデンサからトリガ電圧が出力されると、整流素子のカソード側には運転電圧が出力され、アノード側には運転電圧よりも高いトリガ電圧が出力されるので、整流素子は逆バイアスされ、メイン回路には高電圧のトリガ電圧が印加されない。このため、高電圧によってメイン回路の動作に異常が生じないようにすることができる。
【0014】
トリガ電圧がマイナス端子に出力された後にトリガスイッチ素子をオフさせると、コンデンサはマイナス端子と切り離されるのでマイナス端子には高電圧のトリガ電圧が出力されなくなる。また、トリガスイッチ素子がオフすると、整流素子のアノードはコンデンサと切り離されるので高電圧のトリガ電圧がアノードに印加されなくなり、整流素子が順バイアスされ、メイン回路から、整流素子を介してマイナス端子に電流を供給できるようになり、メイン回路からマイナス端子に電圧を供給できる状態になる。このため、メイン回路から出力される電圧により、マイナス端子には、メイン回路からの運転電圧が出力される。
【0015】
このように、トリガスイッチ素子をオフさせると、逆バイアスされていた整流素子が順バイアスされることにより、マイナス端子の電圧はトリガ電圧から運転電圧に自動的に切り換わるので、出力電圧の切換を手動で切り換えていた従来に比して、出力電圧を容易に切り換えることができる。
【0016】
さらに、本発明の他の電源では、上述した本発明の電源において補助巻線と、充電回路と、充電用スイッチとを有している。
補助巻線は一次巻線と磁気結合しており、一次巻線に電圧が生じると電圧が誘起される。補助巻線に誘起された電圧は充電回路で整流平滑され、充電用スイッチが導通すると、整流平滑された電圧が充電用スイッチを介してコンデンサに印加され、コンデンサは整流平滑された電圧で充電される。
【0017】
このように、一個の電源にコンデンサと補助巻線を設けることで、運転電圧よりも高電圧のトリガ電圧を生成することができるので、二個の電源を用意し、それぞれに高電圧と低電圧を生成させ、高電圧と低電圧のいずれか一方を選択して出力していた従来に比して、電源の小型化が可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下で図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1の符号1に、本発明の実施形態のHCD法に用いられる成膜装置を示す。
【0019】
この成膜装置1は、真空排気可能な真空槽2を有している。真空槽2の内部底面にはるつぼ3が設けられており、るつぼ3内には成膜材料であるマグネシウム4が配置されている。るつぼ3の斜め上方には、るつぼ3に近接してホローカソード5が配置されており、鉛直上方には基板ホルダ6が配置されている。
【0020】
真空槽2内部には、ガス導入管7の一端が取り付けられており、真空槽2外部に設けられた不図示のガス導入系により、真空槽2内にガスを導入できるように構成されている。
【0021】
真空槽2の外部には、放電用電源11が設けられている。放電用電源11は、後述する不図示のプラス端子とるつぼ3とが接地され、不図示のマイナス端子がホローカソード5に接続されており、マイナス端子82から負の直流電圧をホローカソード5に出力できるように構成されている。
【0022】
この放電用電源11の詳細な構成を図2に示す。この放電用電源11は、電圧生成部12と、トランス13と、イグニッション回路14と、メイン回路15と、駆動制御回路16と、ダイオード50と、プラス端子81と、マイナス端子82とを有している。
【0023】
電圧生成部12は、整流回路22と、平滑回路23と、インバータ部24とを有している。
整流回路22は、商用電源21に接続され、交流電圧を整流して平滑回路23に出力するように構成されており、平滑回路23は、整流された交流電圧を平滑し、脈動分の少ない直流電圧に変換してインバータ部24に供給できるようにされている。
【0024】
インバータ部24は4個のスイッチを有し、各スイッチは下記のトランス13内の一次巻線31とともにHブリッジ回路を構成しており、各スイッチの動作により、平滑回路23から供給された直流電圧を交流電圧に変換して、一次巻線31に供給するように構成されている。
【0025】
トランス13は、一次巻線31と二次巻線32と補助巻線33とを有している。一次巻線31と、二次巻線32と補助巻線33とはそれぞれ互いに磁気結合されており、一次巻線31の両端に印加された電圧により、二次巻線32及び補助巻線33のそれぞれに、電圧が誘起されるように構成されている。
【0026】
イグニッション回路14は、整流器41と、スイッチ回路42と、充放電用コンデンサ45とを有している。
整流器41は、入力側が補助巻線33の両端に接続されており、補助巻線33に誘起された電圧を整流平滑するように構成されている。整流器41の出力側のプラス端子は二次側の共通のプラス端子81に接続され、マイナス端子はスイッチ回路42内の充電用スイッチ461を介して充放電用コンデンサ45の低電圧側端子に接続されている。充放電用コンデンサ45の高電圧側端子は二次側のプラス端子81に接続されており、従って、充電用スイッチ461がオンすると、整流器41のマイナス端子は充放電用コンデンサ45の低電圧側端子に接続され、整流器41で整流平滑された電圧が、充放電用コンデンサ45に印加されるように構成されている。
【0027】
また、充放電用コンデンサ45の低電圧側の端子はスイッチ回路42内の放電用スイッチ462と、抵抗43とを介してマイナス端子82に接続されている。従って、充放電用コンデンサ45が充電された状態で、充電用スイッチ461をオフさせ、放電用スイッチ462をオンさせると、充放電用コンデンサ45に蓄積された電圧をマイナス端子82とプラス端子81との間に印加することができるように構成されている。なお、図2において符号90は、プラス端子81とマイナス端子82との間のインピーダンスを示す仮想的な負荷を示している。
【0028】
他方、メイン回路15は、二個の整流ダイオード61、62と、一個の平滑用コイル63とを有している。
各整流ダイオード61、62は、カソードがそれぞれ二次巻線32の両端の端子83、84に接続され、アノードがともに平滑用コイル63の一端に接続されている。二次巻線32はセンタータップの構成であって、その中点87はプラス端子81に接続されており、各整流ダイオード61、62は二次巻線32に誘起された電圧を全波整流して平滑用コイル63の一端に印加すると、平滑用コイル63の他端とプラス端子81との間に、負の直流電圧が出力されるように構成されている。
【0029】
平滑用コイル63の他端には、ダイオード50のカソードが接続され、ダイオード50のアノードはマイナス端子82に接続されており、平滑用コイル63の他端とプラス端子81との間に負の直流電圧が出力されると、ダイオード50が順バイアスされ、マイナス端子82から負の電圧を出力できるようにされている。
【0030】
上述の成膜装置1を用いて、ガラス基板の表面にMgO膜を成膜するには、まず、不図示の排気系で真空槽2内を真空排気し、真空状態を維持しながら基板8を基板ホルダ6に保持させる。
【0031】
この状態でガス導入管7から酸素ガスを導入し、放電用電源11を起動させる。
放電用電源11内の駆動制御回路16には、自動制御回路75と電源駆動回路76とが設けられており、放電用電源11を起動させると、自動制御回路75が電源駆動回路76の制御を開始し、電源駆動回路76が、自動制御回路75の制御下でインバータ部24を動作させる。すると、補助巻線33と、二次巻線32との両方に、それぞれ電圧が誘起される。
【0032】
駆動制御回路16には、イグニッション駆動用回路72が設けられており、充電用スイッチ461、放電用スイッチ462は、イグニッション駆動用回路72によってオン/オフされるように構成されている。
【0033】
起動前は充電用スイッチ461、放電用スイッチ462はともにオフしており、放電用電源11を起動させると、イグニッション駆動用回路72が、充電用スイッチ461をオンさせるとともに放電用スイッチ462をオフさせる。
【0034】
すると、補助巻線33に誘起された電圧が整流器41で整流され、整流器41の正極側端子から、充放電用コンデンサ45、充電用スイッチ461を順次介して整流器41の負極側端子へと、図3に示す電流I1が流れ込み、充放電用コンデンサ45が充電され始める。
【0035】
次いで、充電開始時刻から予め設定された所定時間が経過して充電が完了したら、イグニッション駆動用回路72が充電用スイッチ461をオフさせるとともに、放電用スイッチ462をオンさせると、充放電用コンデンサ45に蓄積された負の高電圧(ここでは−500V程度)がマイナス端子82から出力される。
【0036】
このときマイナス端子82から出力される負の高電圧は、ダイオード50のアノードにも印加される。他方、ダイオード50のカソードには、メイン回路15から−20V程度の負電圧が印加される。カソードに印加される負電圧は、ダイオード50のアノードに印加される電圧(−500V程度)より接地電位に近いので、ダイオード50は逆バイアスされる。
【0037】
ダイオード50が逆バイアスされると、マイナス端子82から出力される負の高電圧はメイン回路15に印加されないので、高電圧によりメイン回路15の動作に異常が生じないようにすることができる。
【0038】
上述したように、プラス端子81はるつぼ3とともに接地され、るつぼ3はマグネシウム4と同電位にされており、他方、マイナス端子82は図1のホローカソード5に接続されているので、プラス端子81とマイナス端子82との間の仮想的な負荷90は、マグネシウム4とホローカソード5との間のインピーダンスに等しくなる。マイナス端子82から負の高電圧が出力されると、マグネシウム4と、ホローカソード5との間に負の高電圧が印加され、この間に高電圧の放電(以下でトリガ放電と称する。)が生じる。
【0039】
トリガ放電が生じると、図4に示すように、充放電用コンデンサ45の高電圧側の端子から、仮想的な負荷90と、放電用スイッチ462を介して、充放電用コンデンサ45の低電圧側端子へと電流I2が流れ込む。この電流I2は、充放電用コンデンサ45の放電によって供給されるので、充放電用コンデンサ45の両端子間の電圧は次第に低下し、マイナス端子82の電位は上昇して接地電位に近づく。
【0040】
駆動制御回路16には、放電停止検出回路77が設けられており、マイナス端子82の電位を検出するように構成されている。放電停止検出回路77は、マイナス端子82の電位が、所定電圧よりも接地電位に近づいたら、トリガ放電が停止したと判断し、トリガ放電が停止した旨をイグニッション駆動用回路72に通知する。本実施形態では、放電後の出力電圧が−25Vを超えて接地電位に近づいたら、トリガ放電が停止したと判断している。
【0041】
イグニッション駆動用回路72は、放電停止検出回路77からトリガ放電が停止した旨を通知されたら、放電用スイッチ462をオフさせ、充放電用コンデンサ45の低電圧側の端子をマイナス端子82から切り離す。するとダイオード50のアノードは充放電用コンデンサ45の低電圧側の端子と切り離される。
【0042】
このときダイオード50のカソードにはメイン回路15から−20V程度の負電圧が印加されているので、ダイオード50は順バイアスされ、メイン回路15から−20V程度の負電圧がマイナス端子82に出力される。
【0043】
トリガ放電停止時には、仮想的な負荷90のインピーダンスすなわち真空槽2内におけるマグネシウム4とホローカソード5との間のインピーダンスは低下しているので、−20V程度の比較的低い負電圧を印加しても、マグネシウム4とホローカソード5との間にアーク放電が生じ、図5に示すように、二次巻線32の中点87から、プラス端子81、仮想的な負荷90、ダイオード50、平滑用コイル63、ダイオード61を順次介して、二次巻線32の負極側の端子84へと大電流I3が流れる。
【0044】
アーク放電によりマグネシウム4が蒸発し、蒸発したマグネシウム粒子は、ガス導入管7から真空槽2内に導入された酸素ガスによって酸化されてMgOの粒子となり、これが基板8の表面に付着して、MgO薄膜が成膜される。
【0045】
仮に、成膜中にアーク放電が停止した場合には、再び上述の動作によりトリガ放電、アーク放電を順次発生させ、MgO薄膜の成膜を続ける。所定膜厚のMgO薄膜が成膜されたら、自動制御回路75は、動作を停止する旨を電源駆動回路76に通知する。動作を停止する旨が通知されたら、電源駆動回路76はインバータ部24の動作を停止させる。インバータ部24の動作が停止するとマイナス端子82からは電圧が出力されなくなり、成膜処理が終了する。
【0046】
以上までは、トリガ放電が生じた後に、メイン回路15から電流が供給されて正常にトリガ放電やアーク放電が生じて、成膜できた場合について説明した。
しかしながら、マイナス端子82の電位が−25Vより接地電位に近づいた状態で充電用スイッチ461と放電用スイッチ462をともにオフさせても、メイン回路15から供給される電流が、マグネシウム4とホローカソード5との間に流れない場合がある。例えば、充放電用コンデンサ45を正常に充放電させても、トリガ放電が正常に生じなかった場合には、仮想的な負荷90すなわちマグネシウム4とホローカソード5との間のインピーダンスが低くならないので、充電用スイッチ461と放電用スイッチ462をともにオフさせても、メイン回路15からの電流は流れない。以下では、そのような異常が生じた場合の動作について説明する。
【0047】
駆動制御回路16には、比較回路71が設けられており、比較回路71は、ダイオード50のカソードに流れる電流を検出するように構成されている。放電停止検出回路77から出力電圧が−25Vよりも接地電位に近づいたことを通知された後に、ダイオード50のカソードに電流が流れたことが検出できない場合には、比較回路71はその旨をイグニッション駆動回路72に通知する。この場合イグニッション駆動回路72は、再度充電用スイッチ461をオンさせるとともに、放電用スイッチ462をオフさせ、充放電用コンデンサ45を再度充電する。
【0048】
新たに充電を開始してから所定時間が経過し、充電が完了したら、イグニッション駆動回路72は充電用スイッチ461をオフさせるとともに、放電用スイッチ462をオンさせることにより、充放電用コンデンサ45を再度放電させ、マグネシウム4とホローカソード5との間にトリガ放電を生じさせようとする。
その後マイナス端子82の電位が−25Vよりも接地電位に近づいたら、イグニッション駆動回路72は放電用スイッチ462をオフさせる。
【0049】
比較回路71は、ダイオード50のカソードに電流が流れていない場合には、その旨をイグニッション駆動回路72に通知する。するとイグニッション駆動回路72は、再度スイッチ461、462をオン/オフさせて充放電用コンデンサ50を充放電して、トリガ放電を発生させようとする。
【0050】
駆動制御回路16には、さらに時限回路73と停止回路74とが設けられている。時限回路73は、起動開始時刻からの経過時間を計測するように構成されており、予め定められた所定時間が経過しても、比較回路71からダイオード50のカソードに電流が流れない旨の通知があった場合には、その旨を停止回路74に通知する。この場合停止回路74は負荷に異常があると判断し、負荷異常である旨を自動制御回路75に通知する。すると自動制御回路75は、電圧生成部12の駆動を停止する旨を電源駆動回路76に通知し、電源駆動回路76はインバータ部24の駆動を停止させ、電圧出力を停止させる。
【0051】
このように、充放電用コンデンサ45を1回充放電させても、トリガ放電が生じない等の異常が発生して、ダイオード50のカソードに電流が流れない場合には、数回充放電用コンデンサ45を充放電させてトリガ放電を生じさせるようにし、そのようにしても所定期間内にトリガ放電が生じない場合には、負荷異常とみなして電圧出力を停止させることができる。
【0052】
上述した本実施形態の放電用電源11は、補助巻線33に生じる電圧でトリガ放電を生じさせることができ、2個の電源を用いる必要が無いので、2個の電源を放電用電源として用いていた従来に比して、電源装置を小型化することができる。また、インバータ部24を用いて高周波の交流電圧を生成しているので、トランス13を小さくすることができ、インバータを用いない電源に比して、さらなる小型化が可能になる。
【0053】
また、起動時にはイグニッション部14から高電圧(−500V程度)を出力し、トリガ放電が停止した後には自動的にメイン回路15からの低電圧(−20V程度)を出力しているので、手動で出力電圧を切り換えていた従来に比して容易に電圧を切り換えることができる。
【0054】
なお、本実施形態では、本発明の電源が、MgO膜の成膜装置に適用された場合について説明しているが、本発明の電源が適用される装置はこれに限られるものではない。
【0055】
また、一次巻線31と磁気結合された補助巻線33に生じる電圧を、充電回路の一例である整流器41で整流してコンデンサ50の充電をしているが、本発明の充電回路はこれに限られるものではない。
【0056】
【発明の効果】
電源の小型化が可能になる。また、運転電圧を出力する電源に高電圧が印加されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】HCD法に用いられる成膜装置を説明する図
【図2】本発明の電源の一例を示す回路図
【図3】本発明の電源の電流状態を説明する第1の状態図
【図4】本発明の電源の電流状態を説明する第2の状態図
【図5】本発明の電源の電流状態を説明する第3の状態図
【図6】従来の電源の一例を示す構成図
【符号の説明】
11……放電用電源(電源) 15……メイン回路 31……一次巻線 32……二次巻線 33……補助巻線 41……整流器(充電回路) 45……コンデンサ 461……スイッチ(充電用スイッチ素子) 462……スイッチ(トリガスイッチ素子) 50……ダイオード 81……プラス端子 82……マイナス端子
Claims (1)
- 一次巻線と、
前記一次巻線と磁気結合された二次巻線と、
前記二次巻線に接続され、該二次巻線に誘起された電圧により、マイナス端子とプラス端子との間に負で直流の運転電圧を出力するメイン回路と、
前記マイナス端子と前記プラス端子の間に、前記運転電圧よりも大きな負のトリガ電圧を出力するコンデンサとを有する電源であって、
カソード端子は前記メイン回路の前記運転電圧を出力する負出力側に接続され、アノード端子は前記マイナス端子に接続された整流素子と、
前記コンデンサの前記トリガ電圧を出力する部分と前記マイナス端子の間を接続と遮断を切換えるトリガスイッチ素子と、
前記一次巻線と磁気結合された補助巻線と、
前記補助巻線の電圧を整流平滑する充電回路と、
前記充電回路と前記コンデンサの間の接続と遮断を切換える充電用スイッチ素子と、
前記マイナス端子からの出力電圧を検出する放電停止検出回路と、
前記メイン回路と前記カソード端子の間に接続され、前記カソード端子に流れるカソード電流を検出する比較回路と、
前記充電用スイッチ素子と前記トリガスイッチ素子の接続と遮断を切り替えるイグニッション駆動用回路とを有し、
前記イグニッション駆動用回路は、前記放電停止検出回路の検出電圧が所定電圧よりも接地電圧に近く、且つ、前記比較回路が前記カソード電流を検出できないときに、前記トリガスイッチ素子と前記充電用スイッチ素子を切り替え、前記コンデンサを前記充電回路で充電した後放電させて前記トリガ電圧を出力させる電源。
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