JP4297985B2 - 土壌燻蒸方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、沸点が40℃以上、蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上の農薬活性成分(以下、該農薬成分と記す)を土壌中の有害生物を防除するために、安全にかつ簡便に、更に効率的に使用できるようにしたものであり、農業での土壌消毒に適用される。
【0002】
【従来の技術】
農作物に被害を及ぼす有害生物を防除するために従来から土壌消毒用に使用される該農薬成分、例えばクロルピクリン、D−D剤(ジクロルプロパンとジクロルプロペン混合物)、エチレンジブロマイド、およびこれらの混合物は畑を耕起し、整地する際、土壌に注入して使用されるが、一般的に効力を高めたり刺激臭を抑えたりするためにその上から散水して水封したり、農業用フィルム、例えば、ポリエチレン、塩化ビニルなどで被覆して大気中に活性成分が逃げるのを抑制する。しかし、土壌に薬剤を処理するさいに特殊の処理専用機を準備しなければならないなど煩雑であり、温室内のような空気がこもる条件では使用しにくい面があり、薬剤の揮散、透過のために有害生物の防除効率も低減することになる。また、薬剤を取り扱いやすくするために、該農薬成分をゲル化剤や吸着剤を用いて固形化し水溶性フィルムで包装する方法が特公昭47−1799、特公昭47−1800、特開昭62−192301、特開昭63−230602等に開示されている。これらの包装製剤は刺激臭が少なく手で持つことが出来る等の利点はあるが、土壌への薬剤の使用方法が土壌中に埋め込むか、あるいは特殊な処理専用機械を使用しなければならない。更に該農薬成分の中で最も多く使用されているクロルピクリンは土壌中での拡散性からその液剤や錠剤を30cm間隔で10アールに1万ヵ所以上処理しなければならず、煩雑さがあったためにさらに簡便で安全な薬剤の処理方法が求められていた。一方、土壌表面を覆う被覆材としては特開昭56−96648号、特開昭59−216534号等が開示され、該農薬成分については薬剤潅注された土壌を高ガスバリア性フィルムで覆うことによって薬剤が大気中に逃げることなく、土壌中に薬剤を効率的に行き渡らせることができるとしているが、しかし、これも10アールに1万ヶ所以上処理をしなければならいこたや、ガスバリア性を高めるために2種類以上のフィルムを貼り合わせることからコストが高くなる等のためか実用化には至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
該農薬成分で、土壌中の有害生物を簡便かつ効率よく防除する方法を開発することが本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記したような課題を満足させられる技術を鋭意研究した結果、本発明に到ったものである。即ち本発明は、有害生物を防除するための該農薬成分を必要に応じて組成物にして、水壊性(水と接触することにより破れたり、溶けたり、ピンホールができたりして内容物が放出される性質)を有し、かつ、高ガスバリア性の包装材(以下、該包装材と記す)による包装体にして、畑などの土壌表面に所定間隔で所定量を処理し、ガスバリア性フィルムの被覆材で覆うことにより、従来の方法より、農作物の土壌中有害生物を効率的に防除でき、衛生的にかつ簡便に薬剤を処理することができる技術を完成した。尚、該農薬成分を使用した薬剤の場合、土壌中に処理して(通常、10〜15cmの深度)その上をガスバリア性フィルムで覆う技術は特許文献などで開示されているが、土壌表面に処理して主に土壌とフィルムの間で薬剤を拡散させながら土壌中に拡散させていく技術は例を見なく、この技術によって単位面積当たりの薬剤処理箇所数が大幅に減少でき、農作業の手間や薬剤コストも大幅に減少できることになり、特に大型機械の入りにくく、ガスの篭もりやすい温室などの施設内圃場では画期的な土壌燻蒸消毒の方法である。
【0005】
以下に本発明を具体的に説明する。本発明に使用できる農薬活性成分の沸点が40℃以上、蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上の土壌燻蒸剤でガス状で拡散し、土壌中でその一生あるいは一時期を生息し、農作物等の有用植物や人間に害を及ぼす昆虫、雑草、病害等を防除する活性を有するものである。尚、農薬成分が使用時に分解して活性を示す場合は、本発明では分解した活性成分を農薬活性成分とみなす。例えばD−D(1,3−ジクロロプロペンと1,2−ジクロロプロパンの混合物)、DBCP(1,2−ジブロモ−3−3クロロプロパン)、DCIP(ジクロロジイソプロピルエーテル)、MITC(メチルイソチオシアネート)、クロルピクリン(トリクロロニトロメタン)、エチレンジブロマイド、ジメチルジクロルビニルホスフェート、などが挙げられ、また、農薬成分がカーバム(アンモニウムメチルジチオカーバメート)、ベーパム(ソジウムメチルジチオカーバメート)、ダゾメット(テトラヒドロ−3、5−ジメチル−1、3、5−チアジアジン−2−チオン)のように水や土壌で分解してMITCを生成して効力を示す化合物も含まれるが上記に限定されるものではない、またそれらを1種類または2種類以上を併用してもよい。
【0006】
本発明に使用する農薬包装体の製法は比較的容易で、該農薬成分をそのままかあるいは必要に応じて任意の量の有機溶剤、界面活性剤、吸油性樹脂、ゲル化剤、鉱物質担体や分解防止剤等を混合し、これを該包装材で作った容器や該包装材のフィルムをヒートシールなどで内容物が漏出しない袋状等にしてこれらの中に所定量の薬剤を入れて密封し、包装体を製造する。
【0007】
本発明に使用できる該包装材は水蒸気や水滴で破膜したり多数のピンホールができて該農薬成分が放出されればよいので、特に水に溶ける必要はない。また、保存中に内包される薬剤が包装材を透過したり、薬剤によって変質しない一定の強度を持つ包装材なら特に限定はされず、中に入れる薬剤の性質に合わせて選択すれば良い。一般的にはポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、デンプン、ゼラチン等の1種または2種以上からなるフィルムから選択される。中でも高いガスバリア性とフィルム強度を有し、水壊性を有するものとして紙、不織布、繊維等を併用したもの、つまり、これらに水溶性フィルム形成物質を張り合わせたり、塗布あるいは含浸などの処理をした包装材が挙げられ、腰がしっかりしているので加工しやすいこともあり、本発明の包装材として特に優れている。フィルムの厚さは内包される薬剤の種類やフィルムの材質などによって実用に供し得る範囲で選択され、特に限定はされないが、例えば耐薬品性、強度、経済性等のよいポリビニルアルコールを使用する場合、5μm以上がよく、経済性や強度から特に好ましくは10μm〜80μm程度である。本発明の1個の包装体の内容量は単位面積当りの投入薬量、包装形状や薬剤の土壌への処理方法によって決まるが、例えば0.5gから100g程度の包装体が適当であるが。包装形態がテープ状の場合は0.5gから50gずつで仕切り、全体の総重量が持ち運びやすい30kg以下が適当であり、一定の長さでヒートシール部にミシン目を入れておくと取り扱いやすい。また、包装体の形状は特に限定はしないが、加工時の経済性も重視する必要があり、円筒、球形、角袋状、等が考えられるが、土壌処理場面によってはテープ状のほうが薬剤処理が簡便である。また、本発明の包装体を被覆材に貼付することも可能で、この場合薬剤の処理方法は被覆材の貼付面を土壌表面に広げるだけで薬剤まで土壌表面処理ができ、簡便である。尚、水壊性のフィルムは湿気に弱いのでこのような包装体は防湿性が高い包材で更に包装
して保存したほうがよい。
【0008】
本発明で使用できる土壌の被覆フィルムは酸素ガス透過度(ガス透過度の測定条件および測定方法は25℃、相対湿度50%でASTMD1434−66に準ずる)が8000cc/平方メートル・hr・atm以下のガスバリア性であれば特に限定されず、単層でも2層以上の張り合わせでもよいが、経済性からは単層フィルムが有利である。また、ガスバリア性は高い程、該農薬成分の拡散性は良く、4000cc/平方メートル・hr・atm以下であれば更に好ましい。例えばポリエチレンテレフタレート、ポリアミド樹脂、ナイロン、塩化ビニリデン、塩化ビニル(硬質)、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、エチレンビニルアルコールなどの共重合物、ポリプロピレン、ポリアクロニトリルなどの1種または2種類以上の共重合物および混合物からなるフィルムが選択されるが、これらに限定されるものではない。また、使用する薬剤との接触によって変質し、バリア性が失われては意味がなく、そのような観点からの選択も必要である。フィルムの厚さは酸素ガス透過度とも関連し、ポリエチレンや軟質塩化ビニルなどの単層のガスバリア性があまり高くないフィルムは厚くすることによってバリア性を出す必要がある。また、適度なフィルム強度を有し、経済性も優れているフィルムを使用する必要があり厚さは素材にもよるが10μm〜200μm好ましくは10μm〜100μm程度が適している。
【0009】
圃場土壌の燻蒸消毒を効果的に行う本発明の方法は、該農薬成分を取り扱いやすいように該包装材で包装体にして、土壌表面に所定の間隔で置き、その上から土壌表面全体をガスバリア性のフィルムで覆うことにあり、土壌中の水分により包装体のフィルムがガスバリア性を失い、該農薬成分が放出し、ガス状で主に土壌とフィルムの間を水平方向に拡散しながら、同時に下方にも拡散して土壌全体が燻蒸消毒される。この場合にガスバリア性のあまり高くないフィルム、例えば厚さの薄いポリエチレンなどのフィルムでは上方に透過してしまい、薬剤の効率が悪くなる。尚、土壌が乾燥気味で水分が少ない場合などは包装材が水分の影響を受けやすく薬剤を放出しやすくするために包装体を数cm程度の土壌で覆うことも有効で(10cm以上の深度では表面拡散が期待できず拡散不十分となる)、、本発明の土壌表面処理の範疇とする。また、従来の土壌深度15〜20cmの潅注処理では該農薬成分の水平方向拡散が少なく、約30cm間隔での処理が普及されているが、本発明の方法では50cm以上の間隔でよいので、面積当たりでは約1/3以下の処理箇所数になり、しかも薬剤の土壌潅注や埋め込み作業を行わずに土壌表面に置くだけなので非常に簡便で省力的になり、大型機械が入りにくく、人手作業に頼る温室などの施設園芸に適している。更に薬剤のロスが少ないので従来の方法より薬量も少なくて済み、経済性、環境への影響など種々の点でメリットは大きい。
【0010】
【実施例】
次に実施例、参考例、及び対象例とこれらの試験例を示すが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0011】
参考例1
クロルピクリン7.5mlを水溶紙ディゾルボWAL(三島製紙社製)で作成した10cm×7.5cmの角袋に入れ、ヒートシールをして燻蒸剤包装体を得た。この包装体を4m×5mの圃場の土壌表面に約50cm間隔で80個(2000個/10アールに相当)を置き、ポリエチレンフィルム(厚み;60μm、酸素ガス透過度;3290cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0012】
参考例2
クロルピクリン15mlを水溶紙ディゾルボWAL(三島製紙社製)で作成した10cm×10cmの角袋に入れ、ヒートシールをして燻薫蒸剤包装体を得た。この包装体を4m×5mの圃場の土壌表面に約70cm間隔で40個(2000個/10アールに相当)を置き、ポリエチレンフィルム(厚み;60μm、酸素ガス透過度;3290cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0013】
参考例3
実施例2と同様の包装体を4m×5mの圃場の土壌表面に約70cm間隔で40個(2000個/10アールに相当)を置き、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み;12μm、酸素ガス透過度;230cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0014】
参考例4
クロルピクリン30mlをポリビニルアルコール製フィルムS−400CW(日合フィルム社製)で作成した15cm×15cmの角袋に入れ、ヒートシールをして燻蒸剤包装体を得た。この包装体を4m×5mの圃場の土壌表面に約1m間隔で20個(1000個/10アールに相当)を置き、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み;12μm、酸素ガス透過度;230cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0015】
参考例5
クロルピクリン7.5mlをポリビニルアルコール製フィルムS−400CW(日合フィルム社製)で作成した10cm×7.5cmの角袋に入れ、ヒートシールをして燻薫蒸剤包装体を得た。この包装体を4m×5mの圃場の土壌表面に約70cm間隔で40個(2000個/10アールに相当)を置き、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み;12μm、酸素ガス透過度;230cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0016】
実施例
クロルピクリン30mlを水溶紙ディゾルボWAL(三島製紙社製)で作成した15cm×15cmの角袋に入れ、ヒートシールをして燻蒸剤包装体を得た。この包装体を1m間隔でポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み;12μm、酸素ガス透過度;230cc/平方メートル・hr・atm)の片面に接着テープで貼り、このフィルムの包装体側を下にして4m×5mの圃場の土壌全面(1000個/10アールに相当)を被覆した。
【0017】
参考例6
クロルピクリン150mlをポリビニルアルコール性フィルムS−400CW(日合フィルム社製)で作成した内幅5cm、長さ5mのテープ状袋に入れ、10cm毎に約3mlが分割されるようにヒートシールをしてテープ状燻蒸剤包装体を得た。この包装体を4m×5mの圃場の土壌表面に約1m間隔で4本を置き、エチレンビニルアルコール共重合物/ポリエチレン共押し出しフィルム(厚み;60μm、酸素ガス透過度;10cc以下/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0018】
参考例7
クロルピクリン150mlをポリビニルアルコール性フィルムS−400CW(日合フィルム社製)で作成した内幅5cm、長さ5mのテープ状袋に入れ、10cm毎に約3mlが分割されるようにヒートシールをしてテープ状燻蒸剤包装体を得た。この包装体を4m×5mの圃場の土壌表面に約1m間隔で4本を置き、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み;12μm、酸素ガス透過度;230cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0019】
参考例8
クロルピクリン135mlを水溶紙ディゾルボWAL(三島製紙社製)で作成した内幅5cm、長さ5mのテープ状袋に入れ、10cm毎に約2.7mlが分割されるようにヒートシールをしてテープ状燻蒸剤包装体を得た。この包装体を5m×4.5mの圃場の土壌表面に約90m間隔で5本を置き、ポリエチレンフィルム(厚み;60μm、酸素ガス透過度;3290cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0020】
参考例9
ディ・トラペックス油剤75mlをポリビニルアルコール性フィルムS−400CW(日合フィルム社製)で作成した内幅5cm、長さ5mのテープ状袋に入れ、10cm毎に約1.5mlが分割されるようにヒートシールをしてテープ状燻蒸剤包装体を得た。この包装体を4m×5mの圃場の土壌表面に約50cm間隔で8本を置き、エチレンビニルアルコール共重合物/ポリエチレン共押し出しフィルム(厚み;60μm、酸素ガス透過度;10cc以下/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0021】
対照例1
4m×5mの圃場にクロルピクリンを2.7mlずつ30cm間隔に深さ15cmの深度で土壌潅注し(11,000箇所/10アールに相当)、ポリエチレンフィルム(厚み;60μm、酸素ガス透過度;3290cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0022】
対照例2
4m×5mの圃場にクロルピクリンを1.4mlずつ30cm間隔に深さ15cmの深度で土壌潅注し(11,000箇所/10アールに相当)、ポリエチレンフィルム(厚み;20μm、酸素ガス透過度;9880cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0023】
対照例3
クロルピクリン7.5mlを水溶紙ディゾルボWAL(三島製紙社製)で作成した10cm×7.5cmの角袋に入れ、ヒートシールをして燻蒸剤包装体を得た。この包装体を4m×5mの圃場の土壌表面に約50cm間隔で80個(2000個/10アールに相当)を置き、ポリエチレンフィルム(厚み;20μm、酸素ガス透過度;9880cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0024】
対照例4
4m×5mの圃場に ディ・トラペックス油剤3mlずつ30cm間隔に深さ15cmの深度で手動式潅注器によって土壌潅注し(11,000箇所/10アールに相当)、ポリエチレンフィルム(厚み;60μm、酸素ガス透過度;3290cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0025】
対照例5
4m×5mの圃場にクロルピクリン錠剤(南海化学社製)を1個ずつ30cm間隔に深さ15cmの深度で土壌に埋め込み(11,000箇所/10アールに相当)、軟質ポリ塩化ビニルフィルム(厚み;100μm、酸素ガス透過度;2000cc/平方メートル・hr・atm)で全面を被覆した。
【0026】
【試験例】
試験条件
殺菌試験:土壌ふすま培地で60日間培養したトマト萎凋病菌汚染土壌を乾土で10g相当量をガーゼで包み、土壌深度20、30cmの部位に埋め込んだ圃場に実施例、対照例の通りに薬剤を土壌処理し、2週間後に被覆フィルムを剥いで土壌深度20、30cmに埋め込んだ試料を取り菌密度を調べ効力評価を行った。
供試菌:トマト萎凋病菌
評価方法:
作業性評価:作業者の取り扱った印象を記録した。
防除効果評価:希釈平板法にて7日間25℃で培養し乾土1g当たりのトマト萎凋病菌密度を調査した。実施例で示したような土壌消毒を行い、下記試験を実施した。
【0027】
試験結果:
作業性評価:実施例1、参考例1〜9および対照例3、5はいずれも刺激性などは特に感じず、直接手で扱うことがでたが、対照例1、2、4は潅注器への薬液の投入や土壌潅注時に目や鼻に刺激があり、防毒マスクや保護めがねを必要とした。
環境評価:実施例1、参考例1〜9、対照例3、5は臭いや刺激を感じなかったが、対照例1、2、4はクロルピクリン特有の臭いと目の刺激を僅かではあるが感じた。
【0028】
防除効果評価:
【表1】
表1
実施例
トマト萎凋病菌密度
土壌深度 20cm 30cm
参考例1 0 6
参考例2 1 2×10
参考例3 0 0
参考例4 0 0
参考例5 0 2
実施例 0 0
参考例6 0 0
参考例7 0 0
参考例8 0 2
参考例9 0 0
対照例2 1×10 2×102

対照例3 2×10 5×102
対照例5 9 6×10
無処理 4×106 4×106
【0029】
実施例のように包装体を土壌表面に処理し、ガスバリア性のフィルムを用いることにより、クロルピクリンの刺激性を感ずることなく簡便に薬剤を処理でき、トマト萎凋病原菌の防除効果も従来の方法(対照例1、2)と同等以上であり、薬剤の低減化も可能となった。対照例はいずれも作業性、効力のいずれかで劣った。
【0030】
【発明の効果】
本発明の土壌薫蒸方法は、該農薬成分の刺激などを感ずることなく衛生的にかつ簡便に薬剤を処理でき、有害性物を効率的に防除でき、使用薬剤の低減化が可能となった。また、本発明に使用される薬剤の包装体は比較的容易に製造でき、単位面積当たりの処理個数を低減できることからコスト的にも実用可能となった。

Claims (5)

  1. 沸点が40℃以上、蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上の農薬活性成分を含有する土壌燻蒸剤が、高ガスバリア性でかつ水壊性を有する包装材で包装された農薬包装体を、酸素ガス透過度が8000cc/平方メートル・hr・atm(25℃、50%RH)以下のガスバリア性フィルムの被覆材に、所定間隔で貼付し、この農薬包装体側を下にして土壌表面を覆うことを特徴とする土壌燻蒸方法。
  2. 高ガスバリア性でかつ水壊性を有する包装材が紙または不織布とポリビニルアルコールを併用したフィルムである請求項1記載の土壌燻蒸方法。
  3. 高ガスバリア性でかつ水壊性を有する包装材で包装した農薬包装体がテープ状である請求項1又2に記載の土壌燻蒸方法。
  4. 沸点が40℃以上、蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上の農薬活性成分がクロルピクリンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の土壌燻蒸方法。
  5. 被覆材として使用するガスバリア性フィルムの酸素ガス透過度が4000cc/平方メートル・hr・atm(25℃、50%RH)以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の土壌燻蒸方法。
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