JP2000336003A - 土壌中の有害生物防除用エアゾールと土壌燻蒸方法 - Google Patents

土壌中の有害生物防除用エアゾールと土壌燻蒸方法

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JP2000336003A
JP2000336003A JP11150164A JP15016499A JP2000336003A JP 2000336003 A JP2000336003 A JP 2000336003A JP 11150164 A JP11150164 A JP 11150164A JP 15016499 A JP15016499 A JP 15016499A JP 2000336003 A JP2000336003 A JP 2000336003A
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soil
aerosol
film
fumigant
fumigation
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Mikio Sekiguchi
幹夫 関口
Setsuo Shishido
節雄 宍戸
Yoshimi Yajima
義美 矢島
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】土壌燻蒸用の土壌燻蒸剤を簡便にかつ効率的に
土壌消毒する方法を開発すること 【解決手段】常圧で沸点が40℃以上でかつ蒸気圧が
0.5mmHg/20℃以上である土壌燻蒸剤と噴射剤
を含む土壌有害生物防除用エアゾールおよび該エアゾー
ルを用いた土壌燻蒸方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常圧で沸点が40
℃以上でかつ蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上であ
る土壌燻蒸消毒用の土壌燻蒸剤を、噴射剤と共にガス状
または霧状にして、土壌燻蒸剤をガスバリア性のフィル
ムで土壌を被覆した土壌表面とフィルムの間を拡散させ
ながら土壌中に行き渡らせ、土壌中の有害生物を安全か
つ簡便に更に効率的に防除するようにしたものであり、
農業での土壌消毒に適用される。
【0002】
【従来の技術】農作物に被害を及ぼす有害生物を防除す
るために従来から土壌消毒用に使用される土壌燻蒸剤、
例えばクロルピクリン、D−D剤(ジクロルプロパンと
ジクロルプロペン混合物)、エチレンジブロマイド、二
硫化炭素、メチルイソチオシアネート等の1種または2
種以上を含有する混合物、および/または溶剤や安定剤
等の補助剤を含む組成物(以下、総称して該薬剤と記
す)は畑を耕起し、整地する際、土壌に注入して使用さ
れるが、一般的に効力を高めたり刺激臭を抑えたりする
ために散水して土壌表面を水封したり、農業用フィル
ム、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどで被覆
して大気中に土壌燻蒸剤が逃げるのを抑制している。し
かし、土壌に該薬剤を処理する際に特殊な処理専用機を
準備しなければならないなど煩雑で、温室内のような空
気がこもる条件では使用しにくい面があり、土壌燻蒸剤
の揮散、フィルムの透過のために有害生物の防除効率も
低減することになる。土壌燻蒸剤を取り扱いやすくする
ために、ゲル化剤や吸着剤を用いて固形化し水溶性フィ
ルムで包装する方法や水で崩壊する容器に該薬剤を封入
する方法が特公昭47−1799号、特公昭47−18
00号、特開昭62−192301号、特開昭62−1
92301号、特開昭63−230602号、特開平6
−345605号特開平7−112905号、特開平7
−324002号、特開平7−330522号、特開平
7−330523号、特開平8−59405号、特開平
10−1406号、特開平10−120505号等に開
示されている。これらの包装製剤は刺激臭が少なく手で
持つことが出来る等の利点はあるが、土壌への該薬剤の
処理方法が土壌中に一個一個埋め込むか、あるいは特殊
な処理専用機械を使用しなければならない。更に土壌燻
蒸剤の中で多量に使用されているクロルピクリンやD−
Dは土壌中での拡散性からその液剤や錠剤を30cm間
隔で10アールに1万ヵ所以上埋め込まなければなら
ず、煩雑さがありさらに簡便で安全な該薬剤の処理方法
が求められていた。一方、該薬剤を土壌表面に処理し、
ガスバリア性のフィルムで覆う土壌消毒方法としては特
開昭56−96648号、特開昭59−216534号
等が開示され、クロルピクリンのような常温で気体では
ない土壌燻蒸剤については土壌中に潅注した後、土壌を
ガスバリア性のフィルムで覆うことによって土壌燻蒸剤
が大気中に逃げるのを抑え、土壌中に効率的に行き渡ら
せることができるとしているが、該薬剤を土壌中に潅注
する方法は土壌が拡散を阻害し、土壌燻蒸剤が広く行き
渡らないため、クロルピクリンやD−Dは約30cm間
隔で10アールに1万ヵ所以上埋めこまなければなら
ず、使用薬量を減少できても処理作業に煩雑さあり簡便
で安全な該薬剤の処理方法が求められていた。それらを
解決するために特開平8−59405号、特開平8−2
38049号等の水溶性フィルムに土壌燻蒸剤をテープ
状に包装し土壌表面に処理する方法があるが一般的には
普及していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】該薬剤を使用して土壌
中の有害生物を簡便かつ効率よく防除する方法を開発す
ることが本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな課題を満足させられる技術を鋭意研究した結果、本
発明に至ったものである。本発明は、土壌中の有害生物
を防除するための土壌燻蒸剤と噴射剤および/または必
要に応じて補助剤等を加えたエアゾールを、畑などの土
壌表面をガスバリア性のフィルムの被覆材で覆った中
に、そのまま或いは噴射台を用いてガス状または霧状に
して、拡散させることにより、従来の方法より農作物の
土壌中有害生物を効率的に防除でき、安全かつ簡便に該
薬剤を処理することができる技術を完成した。即ち本発
明は常圧で沸点が40℃以上でかつ蒸気圧が0.5mm
Hg/20℃以上である土壌燻蒸剤を、ガス状または霧
状にして、酸素ガス透過度が8000cc/平方メート
ル・hr・atm(25℃、50%RH)以下のガスバ
リア性のフィルムで土壌を被覆した土壌表面とフィルム
の間に拡散させ、施用面積にもよるが散布開始からでき
るだけ短時間に所定量の土壌燻蒸剤の処理が終了するよ
うに土壌を消毒し、作物を病虫害や雑草害から保護する
ことを特徴とする土壌燻蒸方法である。更に本発明によ
れば土壌燻蒸剤を短時間にガス状または霧状にして拡散
させることにより、効力の安定化や薬量の低減化が可能
となる。この技術は農作業の手間や薬剤コストが大幅に
減少、特に大型機械が入りにくく、ガスのこもりやすい
温室などの施設内圃場では画期的な土壌燻蒸消毒法とな
る。
【0005】以下に本発明を具体的に説明する。本発明
に使用できる土壌燻蒸剤は常圧で沸点が40℃以上でか
つ蒸気圧が0.5mmHg/20℃以上の揮散性を有す
るもので、ガス状で土壌中に拡散する。土壌中でその一
生あるいは一時期を生存し、農作物等の有用植物や人間
に害を及ぼす昆虫、雑草、細菌などを防除することがで
きる。尚、カーバム剤のように使用時または薬剤処理後
に分解して生物活性を示すものも本発明において使用す
ることができる。具体的にはD−D(1,3−ジクロロ
プロペンと1,2−ジクロロプロパンの混合物)、DB
CP(1,2−ジブロモ−3クロロプロパン)、DCI
P(ジクロロジイソプロピルエーテル)、MITC(メ
チルイソチオシアネート)、クロルピクリン(トリクロ
ロニトロメタン)、エチレンジブロマイド、ジメチルジ
クロルビニルホスフェート、二硫化炭素、などが挙げら
れる、また、農薬成分がカーバム(アンモニウムメチル
ジチオカーバメート)、ベーパム(ソジウムメチルジチ
オカーバメート)、ダゾメット(テトラヒドロ−3、5
−ジメチル−1、3、5−チアジアジン−2−チオン)
のように水や土壌で分解してMITCを生成して効力を
示す土壌燻蒸剤も挙げることができる。土壌燻蒸剤は上
記に限定されるものではなく、また、1種類または2種
類以上を併用してもよい。
【0006】本発明での土壌燻蒸剤に噴射剤を添加しそ
のまま容器に収納して使用してもよいが、土壌燻蒸剤に
必要に応じて有機溶剤、水、界面活性剤、酸化防止剤な
どの安定剤、防錆剤などを添加した該薬剤とし、これに
噴射剤を添加してエアゾールとしても良い。また、土壌
燻蒸剤は溶剤または水の中に溶解或いは、有機溶剤、
水、界面活性剤などのその他成分を添加して、乳剤、E
W剤、フロアブル剤のように製剤化した後に噴射剤を添
加してエアゾールとしても良い。
【0007】本発明で使用できる有機溶剤は混合・溶解
したときの油状溶液の粘度を低下させたり、固体の土壌
燻蒸剤を溶解したりするために用いる。具体的には例え
ばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、キシレン、N−メチルピロリドン、アジピ
ン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸
ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジラウ
リル、フタル酸ジイソノニル、リン酸トリブチル、リン
酸トリ−2−エチルヘキシル、ハイゾールSAS−29
6(日本石油化学社製)、二塩基酸エステル(デュポン
社製)、脂肪族あるいは芳香族の石油系高沸点溶剤、ア
ルキルベンゼン、メチルナフタレン等の合成化合物溶
剤、動植物油等が挙げられ、これらを1種または2種以
上使用するがこれらに限定されるものではなく、使用量
も土壌燻蒸剤の物理性、防除効力等を考慮して任意の割
合で使用することができる。
【0008】本発明で使用できる界面活性剤は土壌燻蒸
剤を乳化や分散させるために使用される。具体的にはポ
リオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックポ
リマー、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオ
キシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンオ
レイルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等
の非イオン界面活性剤や、ドデシルベンゼンスルフォン
酸金属塩(以下、Na塩、Ca塩等のアルカリ金属塩、アル
カリ土類金属を示す)、オレイン酸ナトリウム等の脂肪
酸の金属塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル、ナフ
タレンスルホン酸重縮合物の金属塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸金属塩、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート金属
塩等の陰イオン界面活性剤など、数多くの種類の界面活
性剤の中から1種あるいは2種以上を、使用する活性成
分や溶剤に合わせて使用すれば良い。また、これらに限
定されるものではない。
【0009】本発明で使用できる噴射剤としては、例え
ば液化炭酸ガス、液化石油ガス(LPG)、プロパン、
n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−
ペンタン、シクロペンタン、ジメチルエーテル、圧縮空
気、圧縮窒素などを単独または2種類以上を併用して用
いることができる。また、これらに限定されない。噴射
剤の配合割合は、エアゾール剤全量の1〜100%で好
ましくは5〜70%の範囲が適当である。本発明のエア
ゾールは該薬剤と噴射剤を同一容器に入れてもよく、ま
た該薬剤を入れた容器と噴射剤の容器を分けてもよい。
例えば、土壌燻蒸剤または該薬剤を入れた容器と噴射剤
を入れた容器をバルブの付いた管で連結した後、バルブ
を開いて噴射剤を土壌燻蒸剤または該薬剤の容器に吹き
込み該薬剤を噴霧する方法でもよい。また、これらに限
定されない。本発明のエアゾールは一般家庭で用いる殺
虫剤などのエアゾールのように目標の害虫に向けて、適
宜繰り返し噴射して害虫を防除するものではなく、内容
物を一気に全噴出させて土壌中の有害生物を防除するこ
とのできるエアゾールである。そのためバルブや噴射ノ
ズルはあってもなくてもよい。また、エアゾール缶を加
温して使用してもよい。エアゾールの容量は該薬剤とし
て10g〜100kgで好ましくは50g〜1kgであ
る。エアゾール缶内の圧力は1〜200kg/cm
好ましくは1〜10kg/cmである。また、噴霧粒
子径は特に限定はされないが、噴霧粒子は細かい方が望
ましく、具体的には2000μm以下、好ましくは10
0〜0.01μm程度が良い。
【0010】本発明でエアゾールに使用できる容器は、
金属缶、プラスティックなどの耐圧・密封性があればど
んな厚さや素材でもよい。エアゾールの缶の種類として
はスリーピース缶、ツーピース缶、モノブロック缶など
何れもの種類の缶を使用してもよい。金属缶の場合は錆
などの問題があるため、例えば内容物がクロルピクリン
の場合は、缶の内壁に亜鉛溶融メッキなどのメッキ加工
をするか、合成樹脂を被覆するなどの防錆加工したり、
本発明で溶媒として水を用いるときは脱イオン水や脱酸
素水に加えて安息香酸ナトリウム、クエン酸アンモニウ
ム、亜硝酸ナトリウム、クエン酸アンモニウムなどの防
錆成分を加えたり、あるいはpHを調節するための緩衝
剤例えばリン酸1ナトリウム−リン酸2ナトリウム、安
息香酸アンモニウム−水酸化ナトリウム、安息香酸アン
モニウム−アンモニア水、リン酸2カリウム−水酸化ナ
トリウムなどを錆を防止するために添加する必要があ
る。
【0011】本発明では使用者が安全に該薬剤の散布作
業ができるようにエアゾール缶に時限式噴出装置を取り
付けることができる。時限式噴出装置の形状は安全に取
り扱える物で、且つ薬剤を均一にムラ無く遠くに飛ばせ
る形状であれば特に限定されない。例えばエアゾール缶
にネジで固定できる栓中央先端部に一時密栓用の円形の
樹脂を付けておき、使用時は時限噴出装置をエアゾール
容器に固定し中央部のネジを締めていくことにより、エ
アゾールの容器にネジで穴を開ける。この時、樹脂が開
口部に密着し一時的に該薬剤は出ない状態となるが、そ
の後内容物によって樹脂を徐々に溶かすか樹脂の変形に
よって、樹脂と容器の外壁の間に隙間ができ容器内の該
薬剤が噴出して、土壌表面と被覆材の間に薬剤が拡散す
る。このような時限式噴射装置に使用できる樹脂は、内
容物によって徐々に溶けるなどの変形する樹脂か、外部
から有機溶剤、水または温水によって徐々にとけるなど
の変形する樹脂がよい、使用できる樹脂としては、例え
ば天然ゴム、合成ゴム、ポリエチレン、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン、エチレンビニル
アルコール共重合物、ナイロン、ポリエチレンテレフタ
レート、冷水可溶か温水可溶のポリビニルアルコールな
どの1種または2種類以上を併用してよく、またこれら
の材料には限定されない。形状は特に限定されないが円
形、四角形、円錐でもよく、厚さや大きさは特に限定さ
れないが容器の大きさ、内容量、容器内の圧力などによ
って決めればよい。例えば円形であれば半径2〜20m
m程度がよく、厚さは0.1〜5mm程度がよい。時限
式噴射装置をエアゾールに固定する栓の素材は内容物に
よって溶けたり変形しなければ特に限定はしない。例え
ば鉄、アルミニウム、銅などの金属やステンレス、真鍮
などの合金、塩化ビニル(硬質)、ポリプロピレン、ポ
リエチレンなどがよく、またこれらの素材には限定され
ない。エアゾールに穴を開けるネジの素材は金属が望ま
しく例えば鉄、アルミニウム、銅などの金属やステンレ
ス、真鍮などの合金がよくこれらの1種または2種類以
上を併用してよく、またこれらの素材には限定されな
い。
【0012】本発明で用いる噴霧台はエアゾール容器に
穴を開けて該薬剤を被覆フィルムと土壌表面の間に均一
に、且つ広範囲に散布するために使用する。噴霧台の形
状は特に限定されないが、形状は円盤状、板状、すり鉢
状や三角錐、四角錐、多角錘、円錐などで高さ・深さや
大きさは散布量や散布面積によって決めればよい。ま
た、噴霧台の円盤状、板状、三角錘、四角錐、多角錘、
円錐などの表面に溝を掘ったり、噴霧台の辺周りにかえ
しを付けて噴霧方向を変えて、噴霧された該薬剤を遠く
に飛ばすような構造にしてもよい。広範囲に散布する場
合は噴霧台が大きくなるため、噴霧台の下の土壌に該薬
剤が移行し散布むらになる可能性があるため、噴霧台の
適当な場所に穴をあけるか、噴霧台の底面に溝を造る
か、噴霧台に足を付けるなどして土壌と密着しないよう
にしておくと空気の通気性が良くなり噴霧台の下も該薬
剤がむらなく移行し散布できる。本発明の噴霧台に使用
できる材料は内容物や温度・水分によって変形などで散
布性能が悪くなるようでなければ特に限定されない。例
えば木材、金属、塩化ビニル(硬質)、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイ
ロン、エチレンビニルアルコール共重合物などの1種ま
たは2種類以上を併用してよく、またこれらの材料には
限定されない。噴霧台はエアゾールの容器が簡単に取り
付けができ、缶開け器具や時限式噴霧装置も合わせて付
けておくと散布が簡単にでき便利である。
【0013】本発明で使用できる被覆フィルムはガスバ
リア性があれば特に限定されない。ガスバリア性はフィ
ルム自体の性質によって異なり、その厚さによってもま
た数種類の張り合わせなどでも異なる。土壌を被覆する
ための強度、経済性などを考慮するのは当然であるが、
ガスバリア性は高いほど良く、酸素ガス透過度(ガス透
過度の測定条件および測定方法は25℃、相対湿度50
%でASTMD1434−66に準じ、フィルム厚につ
いては測定したフィルムの厚さを基準に反比例するとし
て補正計算する)が8000cc/平方メートル・hr
・atm以下、好ましくは4000cc/平方メートル
・hr・atm以下がよい。例えばポリエチレンテレフ
タレート、ポリアミド樹脂、ナイロン、塩化ビニリデ
ン、塩化ビニル樹脂(硬質)、ポリアクリロニトリル、
ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重
合物、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの1種または
2種類以上の共重合物および混合物或いは貼り合わせな
どからなるフィルムが選択されるが、これらに限定され
るものではない。フィルムの厚さは、酸素透過度とも関
連し、ポリエチレンや軟質塩化ビニルなどの単層フィル
ムのガスバリア性があまり高くないフィルムは、ガス透
過性がほぼ厚さに反比例することを目安に厚くすること
によってガスバリア性を高める必要がある。また、使用
する薬剤や土壌水分などとの接触によって変質しガスバ
リア性が失われたりしにくい、取り扱いやすいフィル
ム、経済的にも優れているフィルム等を使う必要があ
り、厚さは素材にもよるが10μm〜500μm好まし
くは10μm〜200μm程度が適している。
【0014】圃場土壌の燻蒸消毒を効果的に行う本発明
の方法は、エアゾール缶に缶開け器具、缶開け付き噴霧
台、時限式噴射装置などの器具を必用に応じて付けた
後、耕運された土壌表面に置きガスバリア性のフィルム
で覆い、缶開け機でエアゾール缶を開け該薬剤をガス状
または霧状に散布させ土壌表面とフィルムの間に送り込
むことにより気中に水平方向に拡散しながら、同時に下
方にも拡散して土壌全体が燻蒸消毒される。例えばガス
バリア性のあまり高くない軟質ポリ塩化ビニルやポリエ
チレンなど厚さ20μm以下の被覆フィルムでは上方に
透過してしまい、土壌燻蒸剤の効率が悪くなるばかり
か、温室などの施設園芸や住宅地近郊の圃場では作業者
や住民に影響を与えかねない。また、従来の土壌深度1
5〜20cmの処理では土壌燻蒸剤の水平方向拡散が少
なく、約30cm間隔での処理が普及されているが、本
発明の方法では該薬剤を霧状またはガス状で被覆フィル
ム内に拡散させるだけで土壌燻蒸ができるため非常に簡
便で省力的になり、大型機械が入りにくく、人手作業に
頼る温室などの施設園芸に適している。更に土壌燻蒸剤
のロスが少ないので従来の方法より土壌燻蒸剤も少なく
てすみ、経済性、環境への影響など種々の点でメリット
は大きい。本発明において使用されうるエアゾールの量
(本数)は土壌燻蒸剤の効力と施用面積によって決めら
れるが、通常10アール当り10〜30lの土壌燻蒸剤
で土壌燻蒸できるようにエアゾールの量(本数)を決め
ることができる。例えば、300mlのクロルピクリン
が封入されたエアゾールを用いる場合、10アール当り
33〜100本のエアゾールを使用するのが好ましい。
【0015】
【実施例】次に実施例と試験例を示すが、本発明はこれ
らのみに限定されるものではない。
【0016】実施例1 クロルピクリン300mlに噴射剤としてLPGを30
mlを添加し、これを亜鉛溶融メッキした鉄製の缶に封
入して、本発明のエアゾールを作製した。
【0017】実施例2 4m×5mの圃場の耕運された土壌表面に、実施例1で
作製したエアゾール2本と缶開け器具を置き、ポリエチ
レンテレフタレート/ポリエチレンラミネートフィルム
(厚み;60μm、酸素ガス透過度;230cc/平方
メートル・hr・atm)で全体を被覆した後、エアゾ
ール2本を開けて、土壌燻蒸を行った。
【0018】実施例3 4m×5mの圃場の耕運された土壌表面に、実施例1で
作製したエアゾール2本に40℃で可溶するポリビニル
アルコールの時限式噴射装置を取り付けた容器を15℃
の水の入った容器に置き、ポリエチレンテレフタレート
/ポリエチレンラミネートフィルム(厚み;60μm、
酸素ガス透過度;230cc/平方メートル・hr・a
tm)で全体を被覆した後、直射日光によって水温が約
50℃になったときに時限式噴射装置に取り付けたポリ
ビニルアルコールが温水に溶けてエアゾール缶からクロ
ルピクリンが噴射し、土壌と被覆材の間を拡散して土壌
燻蒸を行った。
【0019】実施例4 4m×5mの圃場の耕運された土壌表面に、缶開け器具
の付いた半径20cmお盆状の噴射台の上に実施例1で
作製したエアゾール2セットを置き、ポリエチレンテレ
フタレート/ポリエチレンラミネートフィルム(厚み;
60μm、酸素ガス透過度;230cc/平方メートル
・hr・atm)で全体を被覆した後、エアゾール2本
を開けて、土壌燻蒸を行った。
【0020】実施例5 4m×5mの圃場の耕運された土壌表面に、缶開け器具
の付いた半径20cmお盆状の噴射台の上に、クロルピ
クリン600mlに噴射剤として液化炭酸ガス120m
lを添加し亜鉛溶融メッキした鉄製の缶に封入したエア
ゾールを置き、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチ
レンラミネートフィルム(厚み;60μm、酸素ガス透
過度;230cc/平方メートル・hr・atm)で全
体を被覆した後、エアゾール1本を開けて、土壌燻蒸を
行った。
【0021】実施例6 ポリエチレンテレフタレート/ポリエチエレンラミネー
トフィルムの代わりにポリエチレンフィルム(厚み;6
0μm、酸素ガス透過度;3290cc/平方メートル
・hr・atm)を使用する以外は実施例2と同じ方法
で土壌燻蒸を行った。
【0022】実施例7 ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンラミネート
フィルムの代わりにポリエチレンフィルム(厚み;40
μm、酸素ガス透過度;4940cc/平方メートル・
hr・atm)を使用する以外は実施例2と同じ方法で
土壌燻蒸を行った。
【0023】実施例8 ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンラミネート
フィルムの代わりにポリエチレンフィルム(厚み;20
μm、酸素ガス透過度;9880cc/平方メートル・
hr・atm)を使用する以外は実施例2と同じ方法で
土壌燻蒸を行った。
【0024】実施例9 4m×5mの圃場の耕運された土壌表面に、缶開け器具
の付いた半径20cmお盆状の噴射台の上に実施例1で
作製したエアゾールを置き、ポリエチレンでエチレンビ
ニルアルコール共重合物をサンドイッチ状に共押し出し
したフィルム(厚み;60μm、酸素ガス透過度;5c
c以下/平方メートル・hr・atm)を使用して全体
を被覆した後、エアゾールを開けて、土壌燻蒸を行っ
た。
【0025】対照例1 4m×5mの圃場にクロルピクリンを2.3mlずつ3
0cm間隔に深さ15cmの深度で合計600ml土壌
潅注し(11,000箇所/10アールに相当)、ポリ
エチレンフィルム(厚み;50μm、酸素ガス透過度;
3950cc/平方メートル・hr・atm)で全面を
被覆した。
【0026】試験例 試験条件 殺菌試験:土壌ふすま培地で60日間培養したトマト萎
凋病菌汚染土壌を乾土で10g相当量をガーゼで包み、
土壌深度20、30cmの部位に埋め込んだ圃場に実施
例、対照例の通りに薬剤を土壌処理し、2週間後に被覆
フィルムを剥いで土壌深度20、30cmに埋め込んだ
試料を取り菌密度を調べ効力評価を行った。 供試菌:トマト萎凋病菌 評価方法: 作業性評価:作業者の取り扱った印象を記録した。 防除効果評価:希釈平板法にて散布開始後7日間25℃
で培養し乾土1g当たりのトマト萎凋病菌密度を調査し
た。
【0027】試験結果: 作業性評価:実施例2〜9では簡便に処理作業ができ、
目や鼻に刺激を受けることがなかった。一方、対照例1
は薬剤の処理時に目や鼻に刺激があり、防毒マスクや保
護めがねを必要とし、また薬剤処理箇所数が多いので作
業に手間が掛かった。
【0028】防除効果評価:表1に示す 表1 実施例 トマト萎凋病菌密度 土壌深度 20cm 30cm 実施例2 0 0 実施例3 0 0 実施例4 0 0 実施例5 0 0 実施例6 0 0 実施例7 0 1 実施例8 0 9 実施例9 0 0 対照例1 0 0 無処理 3×10 3×10
【0029】表1のように無処理に比較して、実施例2
〜8はいずれもトマト萎凋病菌に対照例1と同等の防除
効果を示した。また、実施例9のようにガスバリア性の
被覆材を用いると薬量を1/2にしても防除効果は良好
であった。このように、実施例2〜9は、作業性が良好
で省力的かつ簡便に土壌燻蒸処理ができ、防除効果も良
好であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の土壌燻蒸方法は、土壌燻蒸剤の
刺激などを感ずることなく安全にかつ簡便に薬剤を処理
でき、有害生物を効率的に防除することが可能となっ
た。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 47/08 A01N 47/08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常圧で沸点が40℃以上でかつ蒸気圧が
    0.5mmHg/20℃以上である土壌燻蒸剤と噴射剤
    を含む土壌有害生物防除用エアゾール
  2. 【請求項2】時限式噴出装置が取り付け可能なことを特
    徴とする請求項1記載の土壌有害生物防除用エアゾール
  3. 【請求項3】土壌燻蒸剤がクロルピクリンである請求項
    1又は2記載の土壌有害生物防除用エアゾール
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の土壌
    有害生物防除用エアゾールから土壌燻蒸剤をガス状また
    は霧状に散布して、土壌を被覆したフィルムと土壌表面
    の間に該土壌燻蒸剤を拡散させることを特徴とする土壌
    燻蒸方法
  5. 【請求項5】土壌有害生物防除用エアゾールを噴霧台か
    ら土壌燻蒸剤をガス状または霧状に散布して、土壌を被
    覆したフィルムと土壌表面の間に該土壌燻蒸剤を拡散さ
    せることを特徴とする請求項4記載の土壌燻蒸方法
  6. 【請求項6】土壌燻蒸剤の所定量を散布開始から10分
    以内にガス状または霧状にして、土壌を被覆したフィル
    ムと土壌表面の間に該土壌燻蒸剤を拡散させることを特
    徴とする請求項4又は5記載の土壌燻蒸方法
  7. 【請求項7】前記フィルムが、酸素ガス透過度が800
    0cc/平方メートル・hr・atm(25℃、50%
    RH)以下のガスバリア性のフィルムである請求項4〜
    6のいずれか1項に記載の土壌燻蒸方法
  8. 【請求項8】被覆材として使用するガスバリア性の前記
    フィルムの酸素透過度が4000cc/平方メートル・
    hr・atm(25℃、50%RH)以下である請求項
    7記載の土壌燻蒸方法
  9. 【請求項9】前記フィルムがエチレン・ビニルアルコー
    ル共重合樹脂からなるフィルムである請求項4〜8のい
    ずれか1項に記載の土壌燻蒸方法
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