JP4297474B2 - 多重袋の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、実質的に複数の袋を重ね合わせたものとして機能するプラスチックスフィルム製の多重袋の製造方法に関し、特に、内容物が流動性であったり低温保存を要するものであったり或いは大容量であったりする場合に適した多重袋の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、包装の簡素化の要請から、特に業務用や工業用に使用される液体、半流動体、ペースト体などは、2Kg以上充填することができ、通常は5Kgから20Kgにも達する袋に充填されて流通している。このような充填袋は、流通過程で受ける振動に起因する摩擦、屈曲などに耐える耐ピンホール性や荷扱い中の落下や衝突に耐える耐落袋性などを有していることが要求される。
【0003】
耐ピンホール性、耐落袋性などを得る手段として、袋の構成材料に数種類の層が積層されているフィルムを使用することが考えられる。しかし、このようなフィルムでも1つの層にピンホールが生じると他の層まで伝播してしまい、内容物の漏洩、内容物の汚染、同梱した他の袋の汚染を生じる問題があった。
【0004】
また、耐ピンホール性、耐落袋性などを得る手段として、フィルムの厚みを厚くすることが考えられるが、かかる手段ではダンボールなどとの摩擦による摩擦ピンホール性は改良されるものの、フィルムに加わる曲げ応力が大きくなるために屈曲疲労性が悪化したり、応力に対するフィルムの伸びがなくなる。そのため耐落体性が悪くなるなどの逆効果になることがあり、又フィルムが硬くなって包装作業時の作業適性が悪化するなどの問題点があった。
【0005】
他の解決手段としては、袋を構成するフィルムを二重、又はそれ以上重ねた多重袋とすることにより、同じトータルのフィルム厚みでもフィルムに加わる曲げ応力の増大を防止して屈曲による耐ピンホール性や耐衝撃性を改良することが出来ることが知られている。この多重袋を製造する方法としては、2以上のフィルムを予め引き揃えて重ねて一旦ロール状に巻き取ったものを製袋機や自動充填製袋機で袋状に製袋するか、製袋機や自動充填製袋機の直前で2以上のフィルムを引き揃えて重ねつつ製袋する方法がある。しかし、これらの方法ではフィルムを引き揃えて重ね合わせる手間がかかるだけでなく、フィルム同士は単に重ね合わせただけでフィルム相互間には結合力は作用してないためにフィルムどうしの幅を精度良く合致させて重ね合わせることが難しく、例え一旦うまく重ね合わせたとしても取り扱い途中で重ねたフィルム間のずれが生じ易く、皺のない高品質の多重袋を安定して製造することが困難である問題点があった。
【0006】
この問題点を解決するために、本発明者らは特開平8−142283号公報において、インフレーション法によって製膜されたポリエチレンのチューブ状フィルムをニップロールや圧着ロールで折畳んで巻き取ることにより、フィルムどうしの接触面をブロッキング接着した2層のフィルムとし、この2層のフィルムと、別途製造した2軸延伸フィルムとを積層した包装材料を提案した。このブロッキング接着部分を有する積層フィルムは、製袋時若しくは充填時まではブロッキング接着により1枚の積層フィルムのように挙動して製袋機械適性が改良され、一方、被包装物を充填し密封袋になった後は、衝撃が加わった時にブロッキング接着部分が剥がれることにより二重のフィルムとして挙動する。その結果耐ピンホール性、耐落下衝撃性などが改善される。
【0007】
しかしながら、この積層フィルムを用いて袋を製造すると、フィルムの積層工程から製袋までの工程の途中で、時として意図しないブロッキング接着面の剥れが生じてしまい、剥がれたポリオレフィンフィルム層がずれて巻取りが困難になったり、袋に皺が入って耐落下衝撃性が悪化したり、又シール不良となって被包装物が漏れるトラブルが発生することがあった。これらのトラブルを防止するためにはポリオレフィンフィルム層のブロッキング接着強度をアップすれば良いが、接着強度が高すぎると袋になった後もブロッキング接着部分が剥がれにくく、あたかも1枚の2層フィルムとして挙動してしまう結果、目的とする耐ピンホール性、耐落下衝撃性の改良効果に乏しくなる欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、製袋機械特性を維持しつつ、耐ピンホール性、耐落下衝撃性を改善することができる多重袋の製造方法を提案することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、互いにブロッキング接着している少なくとも2層のポリオレフィン系フィルム層を有する積層フィルムを用い、前記2層のポリオレフィン系フィルム層間のブロッキング接着面をいったん剥離し、再度重ね合わせてから製袋することを特徴とする多重袋の製造方法である。この構成により、製袋機械特性を維持しつつ、耐ピンホール性、耐落下衝撃性を改善された多重袋を製造することができる。また、製造工程や原材料に大きな変更を加えることなく、比較的簡便な手段で上記課題を達することができる。
【0010】
また、積層フィルムが、さらに延伸フィルムからなる層を有することは望ましい。この構成により、より高い強度を有し、耐落下衝撃性等が改善された多重袋を製造することができる。
【0011】
また、少なくとも2層のポリオレフィン系フィルム層が、インフレーション法により押し出したフィルムを折畳むことにより、該折畳まれたフィルムの接触面どうしがブロッキング接着したフィルムからなることは望ましい。この構成により、比較的簡便に、互いにブロッキング接着した2層のポリオレフィン系フィルムを得ることができる。
【0012】
また、ポリオレフィンが、線状低密度ポリエチレンであることは望ましい。この構成により、フィルム強度やシール強度、耐環境ストレスクラッキング性に優れた多重袋を製造することができる。
【0013】
また、ブロッキング接着面の剥離を、積層フィルムに張力が付与された状態で行うことは望ましい。この構成により、剥離による皺などのトラブルの発生を防止することができる。
【0014】
また、ブロッキング接着面の剥離及び再度の重ね合わせを、製袋の直前で行うことは望ましい。この構成により、意図しないポリオレフィンフィルム層のずれに基づく巻取り不良や、耐落下衝撃性の低下、シール不良等のトラブルを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の多重袋の製造方法を、二重袋を製造する場合を例にとって図面を参照しながら説明する。まず、図1及び図2は本発明の製造方法に用いる積層フィルムの1例の模式的拡大断面図である。図1の積層フィルム1は、延伸フィルム層2とブロッキング接着したポリオレフィン系フィルム層4を接着層3にて積層したものである。ブロッキング接着したポリオレフィン系フィルム層4は、フィルム層4−1とフィルム層4−2とからなり相互のフィルム層の接着面Bでブロッキング接着している。また、図2は、本発明に用いる積層フィルム1の別の例で、延伸フィルム層2と、やはり接着面Bでブロッキング接着したポリオレフィン系フィルム層4との間に中間フィルム層5を積層したものである。
【0016】
本発明の製造方法では、多重袋の製造に際し積層フィルムを用いる。この積層フィルムは、互いにブロッキング接着した少なくとも2層のポリオレフィン系フィルム層を有している。図1、図2の例では、4に示される層がこれに該当する。このポリオレフィン系フィルム層は、熱によって溶融し相互に融着するヒートシール性樹脂層としての機能を有する。また、延伸フィルム層2や中間層5を用いない場合は、袋の強度性能を発揮するための層としても機能する。このフィルム層に用いるポリオレフィン系樹脂の種類としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状(直鎖状)低密度ポリエチレン、ポリプロビレンが挙げられ、また、エチレンと共重合可能なビニル化合物との共重合体、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル酸又はエチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレンメタアクリル酸又はメタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体が挙げられ、さらに、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタアクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸、その他の不飽和カルボン酸で変成した酸変性ポレオレフィン樹脂などの樹脂の一種類ないしそれ以上からなる樹脂が挙げられる。これらのうちフィルム強度、タフネス、耐衝撃性、シール強度、耐環境ストレスクラッキング性などの観点から、特に線状低密度ポリエチレン樹脂が好ましく用いられる。また、線状低密度ポリエチレンに他の樹脂をブレンド又は共押出して製膜することも出来る。線状低密度ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィンの共重合体で中・低圧下の気相又は液相重合法、高圧改良下のイオン重合法で重合され、概ね0.870〜0.930g/cmの範囲の密度を有する。
【0017】
また、線状低密度ポリエチレンを用いた場合の物理的強度やヒートシール強度、低温特性などの性質は、共重合させるα−オレフィンの炭素数により変わり、一般的には、炭素数3〜13個、好ましくは炭素数4〜8個のα−オレフィン、例えばブテン−1、オクテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、へプテン−1などが用いられる。
【0018】
ポリオレフィン系フィルム層4‐1及び4‐2の合計厚みは、被充填物の種類、量などによって適宜選ばれるが具体的には40〜200μm程度、好ましくは80〜160μm程度である。
【0019】
本発明で言うブロッキング接着とは、互いに接触しているポリオレフィン系フィルム層同士が、粘着(擬似接着)して柔軟な状態であることを意味する。粘着はポリオレフィン系フィルム全体に渡って発生しても良いし、フィルムの一部に部分的に発生していても良い。
【0020】
互いにブロッキング接着した少なくとも2層を有するポリオレフィン系フィルムの製造方法は、単層のフィルムを遠赤外線ランプやニクロム線ヒーターなどの加熱手段を用いて加熱して、複数層重ね合せてニップロールや圧着ロール、エンボスロール、加熱ロールなどのロールで加圧してフィルム相互間を弱く接着する方法や、インフレーション法によって製膜されたポリオレフィン系のチューブ状フィルムを折畳みニップロールなどで加圧して重ね合わせたフィルム間の空気を押出しながら二つ折りの扁平な2層フィルムとして巻き取ることによって得られる。後者のインフレーション法によるブロッキングフィルムの方が簡便に製造し易く好ましい。この場合はフィルム層4−1及び4−2は同一厚みで同一種類の樹脂となる。
【0021】
重ね合わせるフィルムのブロッキング接着のし易さは、ポリオレフィン系フィルムの種類や密度、スリップ剤やアンチブロッキング剤などの添加剤の種類や量などによって変わり、密度が高く、添加剤の量が多くなるほどブロッキングし難くなる。インフレーション法により製膜して折畳んだフィルムのブロッキング接着強度を調整するために、折畳んだチューブ状フィルムがニップロールや圧着ロール、エンボスロール、加熱ロールなどのロールを通過する前に、フィルムを遠赤外線ランプやニクロム線ヒーターなどの加熱手段を用いて加熱しても良い。
【0022】
ブロッキングを生ぜしめた際の接着強度は、少なくともフィルム積層工程やスリット工程、且つ引続く製袋又は自動充填製袋工程でブロッキングの意図しない剥離が生じて機械適性を損なわない程度の強さであればよく、具体的には、180°剥離法で引張り速度50mm/分で測定した時1g/15mm以上、好ましくは2〜10g/15mm程度である。この様にして得られたブロッキング接着したポリオレフィン系フィルムは、好ましくは延伸フィルムと積層及び接着がなされて積層フィルムを構成し、積層フィルムの熱融着層として機能する。
【0023】
ブロッキング接着層を有するポリオレフィン系フィルムは、製膜時の温度や加熱した温度が残っている状態で扁平に巻き取られるため、冷却したブロッキングフィルムでは、二つの層が減圧状態でブロッキング接着している傾向にある。そのため、このままの状態で製袋すると、袋になった状態の多少の屈曲ではブロッキングが剥離し難く、あたかも1枚のフィルムとして挙動する場合があるために、耐ピンホール性の改良効果は未だ不十分である。
【0024】
しかし、本発明の製造方法では、製袋前に、互いにブロッキング接着している2層のポリオレフィン系フィルム層の間のブロッキング接着面を剥離せしめる。これにより、強制的に確実にブロッキングを解消する。そして、その後に再度重ね合わせて製袋する。このようにすることにより、ブロッキング接着強度はインフレーション製膜の扁平フィルムの巻き取りから製袋までのいずれ工程でも意図しないブロッキング接着の剥離が生じない高いレベルに設定することが可能で、機械適性を確実に問題のないレベルに維持できる。しかも、被充填物を充填した充填袋は確実にブロッキングが剥離した多重袋となるために、安定した高い耐ピンホール性の改良効果が得られる。
【0025】
本発明で用いる積層フィルムには、延伸フィルム層を有していてもよい。延伸フィルム層は、袋の強度をより高めるために用い、先に説明したポリオレフィン系フィルムだけで十分な性能が得られない場合には、延伸フィルム層を設けるのが望ましい。延伸フィルム層としては、ポリエチレン系樹脂或いはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、芳香族系ナイロン樹脂等のポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂等の重合体フィルム、又はそれらの樹脂の共押出しフィルムを用いることができる。
【0026】
また、延伸フィルム層には、ガスバリア性を付与するために無機酸化物の蒸着膜層や塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールに無機物を混合した層などが蒸着又は塗布されていても良い。
【0027】
さらに、より高度なガスバリア性、剛性、引裂き性などを要求される場合は、延伸フィルムとポリオレフィン系フィルムの間に図2に示すように中間フィルム層5を積層しても良い。中間フィルム層5としては、ポリ塩化ビニリデン樹脂フィルム、アルミニウムなどの金属箔などを用いることができる。
【0028】
すなわち、積層フィルム1は、図2に示すように、延伸フィルム2、中間フィルム5とブロッキング接着した2層のポリオレフィン系フィルム4を接着層3で接着した構成とすることができる。その積層方法は、接着層3としてラミネート用接着剤、例えば1液性のイソシアネート系、2液性のポリエステル−イソシアネート系、ポリエーテル−イソシアネート系のポリウレタン系接着剤等を、ロールコート、グラビアロールコート法などによって0.5〜7g/m、好ましくは、2〜5g/mの塗布量で用いて積層するドライラミネーション法や、アンカーコート剤、例えば塗布量0.5〜1.5g/mの1液性のイソシアネート系、2液性のポリエステル−イソシアネート系、ポリエーテル−イソシアネート系のポリウレタン系アンカーコート剤や塗布量0.01〜0.2g/mのチタネート系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系のアンカーコート剤を介して、接着層3としてTダイスより押出したポリオレフィン系の樹脂にて積層するサンドラミネーション法を用いればよい。
【0029】
次に、本発明の多重袋の製造方法を実施する装置に関して、図3に示した縦ピロー型自動製袋充填機を例にして説明する。6は積層フィルム1を巻回したロールで、ロール6から巻き出された積層フィルム1は、案内ロール群7−1〜7−7を経由したパスラインで充填部9のフォーマー10に導かれて筒状に成形され、縦シールバー11で縦シールされて充填物を充填した後、横シールバー12で横シールされると同時に切断されて充填袋13が得られる。積層フィルム1は張力をかけられた状態で連続して流れている。フォーマー10の直前の案内ロール7−7とフォーマー10との間において、ブロッキング接着したポリオレフィン系フィルム層4は、セパレーター8でブロッキング接着面Bを強制的に剥がされて、ポリオレフィン系フィルム層4−2(製袋した場合に最内層となる)とそれ以外の積層フィルム部分に一旦分離された後再びフォーマー10の入り口で再度重ね合わされ、二重のフィルムとなってフォーマーに送り込まれ筒状に成形される。
【0030】
ブロッキング接着面Bの剥離は、積層フィルム1を連続的に走行させながら走行ラインの何れかのスパンの間の張力下で実施する。ブロッキング接着面Bの剥離は、フォーマーにより近い位置である方が積層フィルム1の走行トラブルを少なくするために好ましく、図3に示したフォーマー10の直前で実施することがさらに好ましい。
【0031】
セパレーター8付近の拡大斜視図を図4に示す。セパレータ8としては、バー形状のものや回転ロール形状のものが用いられ、それらの断面形状や大きさは特に制限されない。また、材質としては、金属や、金属に梨地加工やメッキしたもの、テフロンやセラミックをコートしてフィルムとの摩擦係数を減少させるもの或いはプラスチック製のものが用いられる。いずれにせよ、セパレータは、フィルムとの摩擦抵抗が少なく耐摩耗性の良いものが良い。又セパレーターの数は1つでも複数であっても良い。
【0032】
この例では、図3のガイドロール7−7までは、ブロッキング接着したままの積層フィルム1であるため、パスラインの途中でブロッキング接着したフィルム層4−1と4−2が剥離したりすることがなく機械適性を悪化させることがない。又、製袋前にセパレータ8でフィルム層4−1と4−2の間のロッキング接着を強制的に剥がすため、ブロッキング接着における強度レベルの厳密なコントロールは必要ない。従って、フィルムの積層、スリット、製袋などの工程でブロッキングが剥離して機械適性を損なうことのない高いブロッキング接着強度レベルに設定することが出来る。
【0033】
本発明の方法を用いて製造した多重袋は、ブロッキングしていたポリオレフィン系フィルム層の間のブロッキング接着が確実に解消する結果、製袋後は二重袋として挙動し良好な耐ピンホール性が確実に得られる。即ち本発明の方法を用いると、安定した製袋機械適性を維持しながら、安定した耐ピンホール性を有する多重袋を確実に得ることが出来る。
【0034】
本発明の方法を用いて製造された袋は、特に業務用や工業用に使用される液体、半流動体、ペースト体などの大型の袋やバックインボックス用の袋として有用であり、上記の例では自動充填包装機で説明したが、勿論未だ充填物が充填されてない多重袋として供給されても良い。袋の形状も特に限定されるものではなく合掌張り、封筒張りのピロー袋、三方袋、四方袋などの平袋などとして用いられる。
【0035】
次に本発明を実施例によって説明する。
【0036】
【実施例1】
ポリエチレンにα−オレフィン共重合体側鎖として、炭素数が6個の4−メチルペンテン1を導入した密度が0.915g/cm、MIが3.6g/10分の線状低密度ポリエチレン(以下、LLAと略す)を用いてインフレーション法により厚みが40μmのフィルムを成形し、引取り用ニップロールでフィルムを引取ると同時にチューブ状のフィルムを折畳んで加圧後、フィルムの両端の折曲げ部分をスリット刃で切り離すことにより内面が相互にブロッキング接着した合計厚み80μmの線状低密度ポリエチレンフィルムを得た。180°剥離法で引張り速度50mm/分で測定したこのフィルムのブロッキング接着強度は、4g/15mmであった。
【0037】
このフィルムと、積層面に2液性ポリウレタン系アンカーコート剤を塗布した厚さ15μmの二軸延伸ナイロン(以下、ONと略す)との間に、密度が0.915、MIが12.0の線状低密度ポリエチレン(以下、LLBと略す)を厚さ25μmになるように押出して、積層構成がON15μm/LLB25μm/LLA40−LLA40μmの合計厚み120μmの積層フィルムを得た。
【0038】
この積層フィルムを幅400mmにスリットして、オリヒロ株式会社製の縦ピロー式自動製袋充填機にて水2Kgを充填し幅160mm、長さ470mmの充填袋を得た。充填に際して、充填機のフォーマーと案内ロールの間に梨地加工した直径10mmのステンレス製のセパレーターバーを設置し、このバーにより、ブロッキング接着したLLA40μm−LLA40μm部分を一旦ON15μm/LLB25μm/LLA40μmと、LLA40μmの2つのフィルムに分離してブロッキング接着を剥離し、再度重ね合わせたのち、充填・製袋した。積層から充填までの工程でブロッキング接着が剥離するトラブルはなかった。このようにして得られた充填袋を、ダンボ−ル箱に横に2袋並べ、その上に2袋づつ積み重ねて合計6袋詰めた。
【0039】
次に、5℃の温度雰囲気下に、上記の6袋詰めダンボール箱を48時間放置後、5℃の雰囲気下で、ダンボール箱を高さ1mから水平に合計10回落下させてダンボール落下衝撃による袋のピンホール発生による破袋状況と、袋単体を合計10袋、袋の縦、横方向交互に1mの高さから最高10回落下させて単体落下による袋のピンホール発生による破袋状況を観察した。又これとは別に、ダンボール箱を4箱振動試験機にて5から50Hzの振動数で縦振動40分、次いで横(袋の長さ方向)20分、横(袋の幅方向)20分の合計80分振動させて振動による袋のピンホール発生による破袋状況を観察した。その結果を表1に示す。ダンボール落下試験で1袋だけ破袋したものの、その他は破袋がまったく生じておらず良好な結果となった。
【0040】
【比較例1】
セパレーターバーでブロッキング接着したLLA40μm−LLA40μmを剥離しない以外は、実施例1と同様にして充填袋を得て、ダンボール箱詰した。これを用いて実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。いずれの試験でも破袋が発生していることがわかる。
【0041】
【表1】
Figure 0004297474
【発明の効果】
製造工程において安定した機械適性を維持しながら、製袋後は、耐ピンホール性等の良好な多重袋を確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる複合フィルムの層構成例を示す概略拡大断面図である。
【図2】 本発明に用いる複合フィルムの別の例の層構成を示す概略拡大断面図である。
【図3】 本発明の実施に適した縦ピロー型充填機の例である。
【図4】 図3のセパレーター8付近の拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 積層フィルム
2 延伸フィルム
3 接着剤層
4 ポリオレフィン系フィルム層
5 中間フィルム層
6 巻回ロール
7−1〜7−7 案内ロール
8 セパレーター
9 充填部
10 フォーマー
11 縦シールバー
12 横シールバー
13 充填袋
14 充填物

Claims (5)

  1. 互いにブロッキング接着している少なくとも2層のポリオレフィン系フィルム層を有する積層フィルムを用い、前記2層のポリオレフィン系フィルム層間のブロッキング接着面をいったん剥離し、再度重ね合わせ、重ね合わせたまま筒状に成形し、該筒内に内容物を充填しシールして製袋する多重袋の製造方法。
  2. 積層フィルムが、さらに延伸フィルムからなる層を有する請求項1記載の多重袋の製造方法。
  3. 少なくとも2層のポリオレフィン系フィルム層が、インフレーション法により押し出したフィルムを折畳むことにより、該折畳まれたフィルムの接触面どうしがブロッキング接着したフィルムからなることを特徴とする請求項1記載の多重袋の製造方法。
  4. ポリオレフィンが、線状低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1記載の多重袋の製造方法。
  5. ブロッキング接着面の剥離を、積層フィルムに張力が付与された状態で行うことを特徴とする請求項1記載の多重袋の製造方法。
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