JP4297470B2 - チャッキング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク装置に係り詳細にはディスクチャッキング部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のディスクチャッキング装置を図6、図7および図8を用いて説明する。
【0003】
図6は従来のディスクチャッキング装置の要部を示す概略図で、(a)分解図、(b)組立図である。図7は従来のチャック爪を示す概略拡大図で、(a)正面図、(b)平面図である。図8は従来のディスクチャッキング装置を用いたチャッキング動作を説明する側断面拡大図である。
【0004】
50はディスクチャッキング装置の要部で、図6に示すようにチャック爪60、ターンテーブル70、チャック爪回動部材80、圧縮コイルばね52、モータ53、トップカバー90および固定ねじ95などにより構成されている。
【0005】
チャック爪60は、後述するターンテーブル70の挿入凸部71に挿入されたディスク55の中心孔の縁部を押圧し、ディスク55をターンテーブル70にチャッキングする部品である。チャック爪60は、図7で示すように板状の本体部61の図示上方にディスク55を押圧する押圧爪部62が形成されており、押圧爪部62の図示下方に本体部61より両側方向に突出して回動支点軸63が形成されている。また、回動支点軸63の図示右方には後述するチャック爪回動部材80の円凸部81の端部外周に当接するように、下方から右上方へ傾斜する傾斜部64が形成されている。チャック爪60は、圧縮コイルばね52により付勢され、ターンテーブル70の方向へ押し上げらたチャック爪回動部材80により回動しディスク55を押圧してチャッキングする。また、チャック爪回動部材80が下降して円凸部81の端部外周がチャック爪60の傾斜部64から離れると、チャック爪60は自重により回動支点軸63を支点にして図示下方へ回動して、ディスク55を押圧していたチャッキング状態が解除される。尚、チャック爪60はディスク55の中心孔の縁部を3箇所(本例は120度間隔)押圧するように配設されている。チャック爪60の材料には樹脂部材が用いられ樹脂成形加工により形成される。
【0006】
ターンテーブル70は、図8で示すように円板形状をしており上面にはディスク55の中心孔が挿通する挿入凸部71(先端部には挿入し易いように面取りが施されている)が形成されている。挿入凸部71の外周部にはチャック爪60の回動支点軸63が係止する係止部72が3箇所(本例は120度間隔)形成されている。また、ターンテーブル70の挿入凸部71の天面の裏面の中心から円筒部73が形成されており、円筒部73の孔はモータ53の回転軸54に対し圧入寸法に形成されている。尚、円筒部73の外周はチャック爪回動部材80のガイド孔83に係合する摺動面となる。ターンテーブル70の材料には樹脂部材が用いられ樹脂成形加工により形成される。
【0007】
チャック爪回動部材80は、図8で示すように円板85の上面には、チャック爪60を回動させディスク55をチャッキング状態にさせる円凸部81が形成されている。円凸部81の天面の裏面の中心部に円筒部82が形成されており、円筒部82の内径はターンテーブル70の円筒部73に係合するガイド孔83となる。また、円板85の外周縁部には上面から下面方向へ増径するテーパ部84が形成されている。チャック爪回動部材80は、円筒部82の外周に緩挿して配設された圧縮コイルばね52により、常時ターンテーブル70の方向へ押し上げられている。チャック爪回動部材80の材料には樹脂部材が用いられ樹脂成形加工により形成される。
【0008】
トップカバー90は、ターンテーブル70の係止部72に係止させた3箇所のチャック爪60を保持するためのカバーで、図6(a)で示すように円板状をしており外周の3方向に保持部91が形成され、中心部には固定ねじ95が挿通する取付孔が形成されいる。トップカバー90は、チャック爪60を係止部72に係止させた後に、ターンテーブル70の挿入凸部71の天面に被せ固定ねじ95によりねじ止め固定する。トップカバー90の材料には樹脂部材が用いられ樹脂成形加工により形成される。
【0009】
次に、ディスクのチャッキング動作を図8を用いて説明する。
【0010】
ディスク55がターンテーブル70の中心部近傍まで搬送されてくると、駆動板57が中心方向へ移動して、駆動板57の傾斜部58がチャック爪回動部材80のテーパ部84に当接する。そして、駆動板57がさらに移動すると駆動板57の傾斜部58に沿ってチャック爪回動部材80が図示下方へ移動する。チャック爪回動部材80が下方へ移動すると、チャック爪回動部材80により押し上げられていたチャック爪60は、回動支点軸63を支点にして自重により下方へ回動する。そして、チャック爪60の押圧爪部62が、ターンテーブル70の挿入凸部71の外周がら内部に回動すると、ディスク55がターンテーブル70の挿入凸部71に挿入し載置される。次に、駆動板57が外周方向へ移動して元の位置に戻ると、チャック爪回動部材80は下方に配設された圧縮コイルばね52により上方へ押し上げられるので、駆動板57の傾斜部58に沿ってチャック爪回動部材80が上昇する。チャック爪回動部材80が図示上方へ移動すると、チャック爪回動部材80の円凸部81の天面の外周部がチャック爪60の傾斜部58に当接し、さらに上昇するとチャック爪60が回動支点軸63を支点にして上方へ回動する。そして、チャック爪60の押圧爪部62が、ターンテーブル70に載置されたディスク55の中心孔の縁部を押圧してターンテーブル70に固定する。以下、モータ53が回転してディスク55の再生が行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のディスクチャッキング装置によれば、ディスク55をチャッキングする場合には、チャック爪回動部材80によりチャック爪60を押し上げて回動させ、チャック爪60の押圧爪部62でディスク55をターンテーブル70にチャッキングするようになっている。しかし、チャッキング状態を解除する場合には、チャック爪回動部材80を元の位置へ下降させることにより、チャック爪60がチャック爪回動部材80の円凸部81から離れ、チャック爪60の自重により下方へ回動し、ディスク55のチャッキング状態が解除されるようになっている。しかし、チャック爪60に僅かな負荷が加わると、自重による回動ができずに、確実なチャッキング状態の解除ができなくなり、正常なディスク55の装着および脱着ができにくくなるという問題がある。
【0012】
また、ディスク55のチャッキング解除状態ではチャック爪60がフリーな状態となるので、外部振動が加わった場合には、チャック爪60が共振しビビリ音(異音)を発生させるという問題がある。
【0013】
その他に、チャック爪回動部材80の円筒部82のガイド孔83とターンテーブル70の円筒部73との係合部(摺動部)の長さが短いので、ターンテーブル70の円筒部73に対してチャック爪回動部材80が傾き易く、特に両者の嵌合状態やチャック爪回動部材80を移動させる複数の駆動板57の力のバランスが崩れることにより大きく傾く場合がある。チャック爪回動部材80が大きく傾いた場合には摺動時に負荷が増加し円滑な摺動ができなくなる場合がある。この対策としてチャック爪回動部材80を押し上げている圧縮コイルばね52の弾性力を強くすれば、チャック爪回動部材80を押し下げる駆動板57にかかる負荷が増え無駄な駆動力が必要となるという問題が残る。
【0014】
本発明は上述の問題を解決するもので、簡略な構成でディスクをターンテーブルにチャッキングとチャッキングの解除が正常に行えるディスクチャッキング装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の目的を達成するもので、ディスクの中心孔に対して挿入可能なようにターンテーブルに設けられている挿入凸部と、前記挿入凸部から突出し、前記ディスクのチャッキング時に前記ディスクに接するように回動支点を軸にして回動するチャック爪と、
前記チャック爪における力部と嵌合される該チャック爪を作動させるための嵌合部を備えるチャック爪回動部材と、前記チャック爪回動部材を移動させる移動手段と、を備え、前記チャック爪回動部材は、弾性部材により付勢されることにより前記力部を介して前記チャック爪を作動させ前記ディスクのチャッキング状態を保持し、前記移動手段の前記チャック爪回動部材への当接により前記弾性部材の付勢方向と反対方向に移動することで前記力部を介して前記チャック爪を作動させ、前記ディスクのチャッキング状態が解除されることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記チャック爪回動部材と前記移動手段は傾斜形状部分を有し、相互に当接することにより、前記チャック爪回動部材が移動されることを特徴とするものである。
【0017】
また、前記チャック爪回動部材に対して、前記移動手段は複数設けられていることを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1乃至図5を用いて説明する。
【0023】
図1は本発明の実施の形態に係るディスクチャッキング装置の要部を示す概略図で、(a)分解図、(b)組立図である。図2は本発明の実施の形態に係るチャック爪を示す概略拡大図で、(a)正面図、(b)平面図である。図3は本発明の実施の形態に係るターンテーブルを示す概略図で、(a)正面図、(b)A−A断面図である。図4は本発明の実施の形態に係るチャック爪回動部材を示す概略図で、(a)正面図、(b)B−B断面図である。図5は本発明の実施の形態に係るディスクチャッキング装置を用いたチャッキング動作を説明する側断面拡大図である。
【0024】
10はディスクチャッキング装置の要部で、図1に示すようにチャック爪20、ターンテーブル30、チャック爪回動部材40、圧縮コイルばね12およびモータ13などにより構成されている。
【0025】
チャック爪20は、後述するターンテーブル30の挿入凸部31に挿入されたディスク15の中心孔の縁部を押圧し、ディスク15をターンテーブル30にチャッキングする部品である。チャック爪20は、図2で示すように板状の本体部21の図示上方にディスク15を押圧する押圧爪部22(作用部)が形成されており、押圧爪部22の図示下方に本体部21より両側方向に突出して回動支点となる回動支点軸23が形成されている。また、回動支点軸23と対向(図示右側)する位置に、チャック爪20を回動させる力点(力部)となる回動支軸24が本体部21より両側方向に突出して形成されている。回動支軸24は後述するチャック爪回動部材40に形成された支軸嵌合部44に係合しており、チャック爪回動部材40の上下移動に連動してチャック爪20が強制的に回動する。尚、チャック爪20はディスク15の中心孔の縁部を3箇所(本例は120度間隔)押圧するように配設されている。チャック爪20の材料には樹脂部材が用いられ樹脂成形加工により形成される。
【0026】
ターンテーブル30は、図3で示すように円板形状をしており上面にはディスク15の中心孔が挿通する挿入凸部31が形成されており、先端部には挿入し易いように面取りが施されている。挿入凸部31の天面にはチャック爪回動部材40のガイド壁部43が挿通する孔32(本例は120度間隔で3箇所)と、挿入凸部31の外周部にチャック爪20の回動支点軸23が挿入され係合する支点軸係合部33が3箇所(本例は120度間隔)形成されている。また、ターンテーブル30の挿入凸部31の天面の裏面の中心から円筒部34が形成されており、円筒部34の孔はモータ13の回転軸14に対し圧入寸法に形成されている。尚、円筒部34の外周はチャック爪回動部材40のガイド孔46およびガイド壁部43に係合する摺動面となる。ターンテーブル30の材料には樹脂部材が用いられ樹脂成形加工により形成される。
【0027】
チャック爪回動部材40は、チャック爪20を回動させる部材である。チャック爪回動部材40は、図4で示すように円板47の上面に円凸部41が形成されている。円凸部41の天面の裏面(対向面)の中心部には円筒部42が形成され、円筒部42の内径はターンテーブル30の円筒部34の外周に係合するガイド孔46となっている。また、円凸部42のガイド孔46の外周部には、ターンテーブル30の円筒部34の外周に係合するガイド壁部43が3箇所(本例は120度間隔)立設しており、ガイド壁部43の高さ方向の略中間部分の外周には、チャック爪20の回動支軸24が嵌合する支軸嵌合部44が形成されている。また、円板47の外周縁部には上面から下面方向へ増径するテーパ部45が形成されている。尚、チャック爪回動部材40は、円筒部42の外周に緩挿して配設された圧縮コイルばね12により、常時ターンテーブル30の方向へ押し上げられている。チャック爪回動部材40の材料には樹脂部材が用いられ樹脂成形加工により形成される。
【0028】
次に、ディスクのチャッキング動作を図5を用いて説明する。
【0029】
ディスク15がターンテーブル30の中心部近傍まで搬送されてくると、駆動板17が中心方向へ移動して、駆動板17の傾斜部18がチャック爪回動部材40のテーパ部45に当接する。そして、駆動板17がさらに移動すると駆動板17の傾斜部18に沿ってチャック爪回動部材40が下方へ移動する。チャック爪回動部材40が下方へ移動すると、チャック爪回動部材40の支軸嵌合部44に係合したチャック爪20の回動支軸24が、ターンテーブル30の支点軸係合部33に係合した回動支点軸23を支点にして下方へ回動する。そして、チャック爪20の押圧爪部22がターンテーブル30の挿入凸部31の外周から内部に回動すると、ディスク15がターンテーブル30の挿入凸部31に挿入し載置される。次に、駆動板17が外周方向へ移動して元の位置に戻ると、チャック爪回動部材40は下方に配設された圧縮コイルばね12により上方へ押し上げられているので、チャック爪回動部材40が上昇する。チャック爪回動部材40が上方へ移動すると、チャック爪回動部材40の支軸嵌合部44に係合したチャック爪20の回動支軸24が、回動支点軸23を支点にしてターンテーブル30の方向へ回動する。そして、チャック爪20の押圧爪部22がターンテーブル30に載置されたディスク15の中心孔の縁部を押圧してターンテーブル30に固定する。以下、モータ13が回転してディスク15の再生が行われる。
【0030】
以上説明したように本発明の第1の実施の形態に係るディスクチャッキング装置10によれば、ディスク15をターンテーブル30にチャッキングおよびチャッキング解除させるのに、チャック爪20を回動させて行うが、チャック爪20がターンテーブル30の支点軸係合部33と、チャック爪回動部材40の支軸嵌合部44とで保持され、チャック爪回動部材40の動きに連動して強制的に回動するので、ターンテーブル30に対してディスク15を確実にチャッキングおよびチャッキング解除させることができる。また、チャック爪20が支点軸係合部33と支軸嵌合部44とで常時保持されているので、振動が加わってもビビリ音(異音)の発生を防止すくことができる。
【0031】
また、ディスクチャッキング装置の構成が簡略化され、組立が容易になると共に構成部品点数が削減されコスト低減が図れる。
【0032】
その他に、チャック爪回動部材40のガイド孔46の外周部にガイド壁部43を設けることにより、ターンテーブル30の円筒部34の外周との係合部(摺動部)の長さが長くなり、チャック爪回動部材40が円筒部34に対して傾きにくくなる。その結果、摺動時の負荷が減少するので円滑な摺動が行われ無駄な駆動力が削減される。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡略な構成でディスクをターンテーブルにチャッキングとチャッキングの解除が正常に行えるディスクチャッキング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るディスクチャッキング装置の要部を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るチャック爪を示す概略拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るターンテーブルを示す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るチャック爪回動部材を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るディスクチャッキング装置を用いたチャッキング動作を説明する側断面拡大図である。
【図6】従来のディスクチャッキング装置の要部を示す概略図である。
【図7】従来のチャック爪を示す概略拡大図である。
【図8】従来のディスクチャッキング装置を用いたチャッキング動作を説明する側断面拡大図である。
【符号の説明】
10・・ディスクチャッキング装置
12・・圧縮コイルばね
13・・モータ
14・・回転軸
15・・ディスク
17・・駆動板
18・・傾斜部
20・・チャック爪
21・・本体部
22・・押圧爪部
23・・回動支点軸
24・・回動支軸
30・・ターンテーブル
31,41・・挿入凸部
32・・孔
33・・支点軸係合部
34,42・・円筒部
40・・チャック爪回動部材
43・・ガイド壁部
44・・支軸嵌合部
45・・テーパ部
46・・ガイド孔
47・・円板
Claims (3)
- ディスクの中心孔に対して挿入可能なようにターンテーブルに設けられている挿入凸部と、
前記挿入凸部から突出し、前記ディスクのチャッキング時に前記ディスクに接するように回動支点を軸にして回動するチャック爪と、
前記チャック爪における力部と嵌合される該チャック爪を作動させるための嵌合部を備えるチャック爪回動部材と、
前記チャック爪回動部材を移動させる移動手段と、を備え、
前記チャック爪回動部材は、弾性部材により付勢されることにより前記力部を介して前記チャック爪を作動させ前記ディスクのチャッキング状態を保持し、前記移動手段の前記チャック爪回動部材への当接により前記弾性部材の付勢方向と反対方向に移動することで前記力部を介して前記チャック爪を作動させ、前記ディスクのチャッキング状態が解除されることを特徴とするチャッキング装置。 - 前記チャック爪回動部材と前記移動手段は傾斜形状部分を有し、相互に当接することにより、前記チャック爪回動部材が移動されるものであることを特徴とする請求項1に記載のチャッキング装置。
- 前記チャック爪回動部材に対して、前記移動手段は複数設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のチャッキング装置。
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