JP4296600B2 - フイルタープレスのろ材 - Google Patents

Description

この発明は、フイルタープレスのろ材に関し、ろ過室にろ材を複数枚重設して、ろ材孔の目開きの大きさと開口面積を任意に調節可能としたフイルタープレスのろ材を提供する。

従来、金属ろ材は、耐久性、洗浄性、耐熱性、及び剥離性に優れており、選別、分離、濃縮、或いは、ろ過分野の分離装置に多く使用されている。
例えば、ろ過室を形成するフイルタープレート４にウエッジワイヤーを張設したフイルタープレスは、特許文献１に記載してあるように、本願発明の出願人が提案しており、ろ布と比較して、耐久性とケーキの剥離性に優れている。
特開２００１−２５９３１２号公報（請求項１、図３）

固形物の粒径や原液の性状に応じてろ材の開口度を決定する場合には、予め試験で確認する等の作業が必要であり、使用状態を確認してから適正なろ材を選定していた。ろ材の目開きを変更する場合、多大な時間と労力をかけて、ろ材の選定とろ材の交換が必要である。これらに用いるろ材の目開きは、メーカーにより予めサイズが決められており、その間の任意の目開きサイズは仕様がなく、求めることができない。この発明は、ろ材交換の必要がなく、ろ材を取付けたままで容易に目開きの調整が可能なフイルタープレスのろ材を提供する。

この発明に係るフイルタープレスのろ材は、中央部にろ液溝を有するろ過床と周縁部に周部シール面を形成した一対の凹面状のフイルタープレートでろ過室を形成したフイルタープレスにおいて、固定ろ材を止着したコ字状の支持枠をフイルタープレートの周部シール面の内側に嵌着し、固定ろ材に重設した摺動ろ材を支持枠に設けた軸受部材に摺動自在に支架させると共に、フイルタープレートの側部の周部シール面に調節ボルトを螺合して摺動ろ材の側端面に当接させるもので、摺動ろ材の側端部を押圧して固定ろ材と摺動ろ材のろ過孔の開口率を調整すれば、原液の性状や圧入圧に応じて、ろ材の開孔部の目開き寸法、面積を任意に設定できる。

フイルタープレートの周部シール面に目盛り板を配設し、調節ボルトに設けた矢印を目盛り板に対設したもので、汚泥性状や、ろ過圧等に応じて摺動ろ材を調整させる時に、重設する固定ろ材と摺動ろ材のろ材孔の開口率が目盛り板で判断できる。一対の凹面状のフイルタープレートで形成するろ過室は、固定ろ材と摺動ろ材を重設したフイルタープレートと、芯板にダイアフラムを張設したダイアフラムプレートで形成してもよいもので、ダイアフラムプレート２７でろ過室２８の脱水ケーキを圧搾して、高圧脱水が可能となる。

この発明のフイルタープレスのろ材は上記のように構成してあり、重設したろ材を、フイルタープレスに配設したフイルタープレートのろ過床に張設し、フイルタープレートの周部シール面を貫通させた作動部材に摺動ろ材の側端部を押圧させて、固定ろ材と摺動ろ材のろ過孔の開口率を調整すれば、原液の性状や圧入圧に応じて、ろ材の開孔部の目開き寸法、面積を任意に可変とすることができる。
ａ．複数のろ材で構成したろ材孔は、従来のように、ろ材自体を交換する必要がなく、相対的にろ材孔の位置をずらすことで、任意のろ材の目開き、開口部の面積が得られる。
ｂ．ろ材の目開きを任意に可変にすることで、２次側のろ材効果を確認でき、適正なろ材の目開きを容易に決定できる。ろ材を取付けた状態で目開きの調整ができる。
ｃ．ろ材の開孔部の面積を０〜１００％の範囲で任意に可変にできるので、適正なろ材の開孔面積が得られる。
ｄ．メーカーの既存のろ材孔の仕様に制約されることもない。

この発明に係るフイルタープレスのろ材を図面に基づき詳述すると、 図１はフイルタープレスのろ過室の縦断面図であって、フイルタープレス９は、中央部にろ液溝を有するろ過床１０と周縁部に周部シール面１１を形成した一対の凹面状のフイルタープレート１２、１２でろ過室１３を形成してある。フイルタープレート９の周部シール面１１に前後に連通する原液供給路１４と、ろ過室１３に連通するろ液排出孔１５が設けてある。ろ過室１３を形成する一方のフイルタープレート９に、ろ過室１３と原液供給路１４に連通させる原液供給孔１６が設けてある。フイルタープレート９のろ過床１０に平板状の固定ろ材１７が張設してあり、固定ろ材１７の上部に摺動ろ材１８が重設してある。

図２及び図３は、フイルタープレスの固定ろ材と摺動ろ材に用いるろ材の展開図であって、ろ材１、２に多数のろ材孔１ａ、２ａ・・・が配列してある。図２に示すろ材１には、０．５〜５ｍｍ^□の方形状のろ材孔１ａが設けてあり、図３に示すろ材２には、０．５〜５ｍｍ^φの円形状のろ材孔２ａが設けてある。
図４及び図５は重設したろ材の展開図であって、図２及び図３に示すような固定ろ材３、４に、同じ形状の摺動ろ材５、６が重設してあり、重設した一方の摺動ろ材５、６を摺動させれば、その位相差によりろ材孔３ａ、４ａ、５ａ、６ａの開孔部７、８の面積を０〜１００％の範囲で任意に可変にできる原理を応用してある。

図６はフイルタープレスのろ過室の拡大図であって、フイルタープレート１２の周部シール面１１の内側にコ字状の支持枠１９が嵌着してあり、この支持枠１９に固定ろ材１７の周縁部を止着して、ろ過床１０に張設してある。固定ろ材１７に摺動ろ材１８が重設してあり、この上下端面に設けた軸受部材２０、２０が支持枠１９に支架してあり、摺動ろ材１８を左右に摺動可能としてある。

図７はフイルタープレスの摺動ろ材の作動部材であって、フイルタープレート１２の側部の周部シール面１１に調節ボルト２１が螺合してあり、調節ボルト２１の先端部が摺動ろ材１８の側端面に当接してある。調節ボルト２１に沿って目盛り板２２がフイルタープレート４の側端面に配設してあり、調節ボルト２１の矢印２３が目盛り板２２に対設してある。汚泥性状や、ろ過圧等に応じて摺動ろ材１８を調整させる時に、調節ボルト２１を回動して摺動ろ材１８を移動させ、固定ろ材１７と摺動ろ材１８の位相差を調整し、重設する固定ろ材１７と摺動ろ材１８のろ材孔の開口率が目盛り板２２で分かるようにしてある。

図８はろ過室を形成するフイルタープレートの他の実施例であって、フイルタレス２４は、固定ろ材１７と摺動ろ材１８を張設したフイルタープレート１２と、芯板２５にダイアフラム２６を張設したダイアフラムプレート２７でろ過室２８を形成してある。ダイアフラムプレート２７の芯板２５に、原液供給路２９とろ過室２８に連通するろ液排出口２９と、ダイアフラム２６の裏面に高圧流体を圧入する圧力水入口３０が配設してある。ダイアフラムプレート２７でろ過室２８の脱水ケーキを圧搾して、水分の少ない高圧脱水をすることができる。

この発明のフイルタープレスのろ材は、ろ過室に重設したろ材の開口部の目開きの大きさと、開口度の面積を任意に調節可能としたので、汚泥性状に応じた目開きの調整が可能となる。ろ材交換の必要がなく、ろ材を取付けたままで容易に目開きの調整が可能となりフイルタープレスに適したろ材となる。

この発明に係るフイルタープレスのろ材の、固定ろ材と摺動ろ材を重設したろ過室の縦断面図である。 この発明に係るフイルタープレスのろ材の展開図である。 同じく、他の実施例のろ材の展開図である。 同じく、重設したろ材の展開図である。である。 同じく、他の実施例の重設したろ材の展開図である。 同じく、フイルタープレスのろ過室の拡大図である。 同じく、フイルタープレスに配設した摺動ろ材の作動部材の要部拡大図である。 同じく、他の実施例のフイルタープレスのろ過室の縦断面図である。

１、２ ろ材
１ａ、２ａ ろ材孔
３、４、１７ 固定ろ材
５、６、１８ 摺動ろ材
７、８ 開口部
９、２４ フイルタープレス
１０ ろ過床
１１ 周部シール面
１２ フイルタープレート
２１ 調整ボルト

Claims (3)

1. 中央部にろ液溝を有するろ過床（１０）と周縁部に周部シール面（１１）を形成した一対の凹面状のフイルタープレート（１２、１２）でろ過室（１３）を形成したフイルタープレスにおいて、固定ろ材（１７）を止着したコ字状の支持枠（１９）をフイルタープレート（１２）の周部シール面（１１）の内側に嵌着し、固定ろ材（１７）に重設した摺動ろ材（１８）を支持枠（１９）に設けた軸受部材（２０、２０）に摺動自在に支架させると共に、フイルタープレート（１２）の側部の周部シール面（１１）に調節ボルト（２１）を螺合して摺動ろ材（１８）の側端面に当接させることを特徴とするフイルタープレスのろ材。
2. 上記フイルタープレート（１２）の周部シール面（１１）に目盛り板（２２）を配設し、調節ボルト（２１）に設けた矢印（２３）を目盛り板（２２）に対設したことを特徴とする請求項１に記載のフイルタープレスのろ材。
3. 上記一対の凹面状のフイルタープレート（１２、１２）で形成するろ過室（２８）は、固定ろ材（１７）と摺動ろ材（１８）を重設したフイルタープレート（１２）と、芯板（２５）にダイアフラム（２６）を張設したダイアフラムプレート（２７）で形成したことを特徴とする請求項１または２に記載のフイルタープレスのろ材。