JP4296389B2 - 放電ランプ用電極 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビ受像器やパソコン等の液晶表示装置(LCD)のバックライトとして使用される冷陰極蛍光ランプ等の放電ランプにおける電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パソコンやワープロ等のOA機器に用いられている液晶表示装置(LCD)には、該LCDを照明するための冷陰極蛍光ランプを光源とするバックライトが組み込まれている。
【0003】
冷陰極蛍光ランプ等の電極部分は、電極部と封着棒部と外部リード線とで構成されている。電極部はカップ形状で、その材質は、ニオブ、モリブデン、ニッケル、タングステン等である。また、封着棒部は、ガラスシールされるため、石英ガラスと熱膨張係数が近似するタングステン、モリブデン、コバールやジメット線である。さらに外部リード線の材質はニッケル等である。これら各部は通常抵抗溶接で接合され電極を構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の液晶表示装置の全体の大きさはOA機器の形状寸法で決まるので、液晶表示装置全体の大きさは一定のままで、液晶画面を取り囲む額縁部分をできるだけ小さくし、液晶画面をなるべく大きくすることが要求されている。この要求に応えるためには、バックライト用の冷陰極蛍光ランプの長さを一定としたままで、発光部の長さをできるだけ長くすること、すなわち、ランプの暗部をできるだけ短くすることが必要となる。
【0005】
また、ノートパソコン等では、電源として電池を使用する場合が多いため、バックライトの消費電力を低減することも要求されている。さらに、高輝度化や消費電力低減のため、電極の放電特性の改善も要求されている。
【0006】
従来のこの種のランプでは、図4に示すように、電極部4’と封着棒3’が別々に製作され、溶接で接合されていたため、接合部自身の長さに加えて、抵抗溶接等の接合時のつかみ代が必要であるから、一定以上の短寸化は困難であり、接合のためのコストもかかっていた。また、接合部は、電気抵抗が他の部分に比べて高くなるため、消費電力もその分だけ大きくなるという問題点もあった。
【0007】
さらに、抵抗溶接による接合時に、タングステンやモリブデンが再結晶し、接合部の破壊の一因となっていた。また、封着棒3’として使用されるタングステン、モリブデン、コバール等の線は、線引き加工によって製造されるが、タングステン、モリブデン等の比較的延性の乏しい金属では、線引き加工によって生ずる長手方向の傷によるリークの問題も抱えていた。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の放電ランプ用電極の問題点を改良し、できるだけランプの暗部を短くすることが可能で、しかも溶接による強度低下の問題や、電力消費量の増大を防止することのできる放電ランプ用電極を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用した。すなわち、本発明にかかる放電ランプ用電極は、タングステン及び/又はモリブデンと重量比で0.01〜10%のニッケル、鉄、銅、コバルトからなる金属のうちの1種又は2種以上を含有し、ガラスバルブ内に配置される電極部と、一方の端部が前記電極部に接続され他端部に外部リード線が接続される封着棒部とが一体に成形されていることを特徴としている。
【0010】
この放電ランプ用電極の材質としては、上記の通りタングステン、及び/又はモリブデンを主成分とするもので、燒結性を改善して密度を向上させるため、この主成分のほかにニッケル、鉄、銅、コバルトからなる金属のうちの1種又は2種以上を0.01〜10wt%含有している。タングステン及び/又はモリブデンに重量比で0.01〜1%のニッケルを添加しておくと、燒結性が大幅に改良され、高密度の燒結体を得ることができることが分かっている。ニッケル、鉄、銅、コバルトからなる金属の含有量をさらに多くした(重量比で1%を越え10%以下)いわゆる重合金と呼ばれるものも燒結性が良好であり、この種の電極材料として優れたものであることが判明した。
【0011】
上記ニッケル、鉄、銅、コバルトからなる金属の含有量が少なすぎると、所望の燒結性改善効果が得られず、逆に多すぎると電気抵抗が大きくなり、電極材料として適さないものとなる。この電極には、さらに、放電特性改良剤として、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化バリウム、酸化トリウム、硼化ランタンからなる群のうちの1種又は2種以上を0.1〜4wt%含有せしめておくのがより好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に表された本発明の実施形態例に基づいて、具体的に説明する。図1は放電冷陰極蛍光ランプの一部断面図である。この蛍光ランプ1は、例えば外径が約2.6mm、内径が1.6mm、長さが約200mmの直管形である。材質的は、線膨張係数が5〜5.5ppmの硼珪酸ガラスやアルミノシリケートガラスからなる管形のガラスバルブ2の両端に、封着部5,5が設けられ、この封着部に電極部4と封着線(封入棒)3が一体化した電極(一体化電極)10が封止されている。ガラスバルブ2の内面には蛍光膜11が設けられている。
【0013】
一体化電極10は、タングステン及び/又はモリブデンを主成分とするもので、これに鉄、ニッケル、銅、コバルトのうちの1種又は2種以上が添加されている。なお、放電特性を改良するため、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化バリウム、酸化トリウム、硼化ランタンからなる群のうちの1種又は2種以上を含有させておくのが好ましい。この一体化電極10の封着線部3は、例えば外径約0.8mmで、図2に示すように、硼珪酸ガラスからなるビードガラス被覆層7によって封着されている。また、電極部4は、外径1.2mm、内径0.9mmのカップ型で、長さは約5mmである。外部リード線8はニッケル線である。
【0014】
電極部4は、中空部4aが形成されたカップ状であるが、この中空部の中に上記放電特性改良剤である酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化バリウム、酸化トリウム、硼化ランタンからなる群のうちの1種又は2種以上を充填しておくのが好ましい。
【0015】
この一体化電極10は、例えば次のようにして製造される。まず、粒度がミクロンオーダーのタングステン粉末及び/又はモリブデン粉末に適量のニッケル、鉄、銅、コバルトからなる金属と放電特性改良剤とを添加し、水素還元した後、有機バインダーを加えて射出成形する。この成形体の形状は、電極部と封着線部(封入棒)とが一体化した形状とする。得られた成形体を1800℃以上の高温で燒結することにより、相対密度98%程度の電極を得ることができる。
【0016】
【実施例1】
平均粒度0.8ミクロンのタングステン粉末に0.2wt%相当のニッケル量になるように硝酸ニッケルを水又はエタノールに溶解してドーピングした。この場合のニッケル量は、0.05〜1wt%とするのが好ましい。ニッケル量がこれよりも少ない場合は、経済的な燒結温度である2000℃以下ではタングステンが緻密化しない。また、1wt%より多い場合は、比抵抗が上昇し、かつ電気伝導度が低下し、電極としての性能が悪くなる。
【0017】
上記のようにドープしたタングステン粉末に放電特性改良剤として、酸化ランタン(La23 )、酸化イットリウム(Y23 )、酸化セリウム(CeO2 )、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化ハフニウム(HfO2 )、酸化バリウム(BaO)、酸化トリウム(ThO2 )、硼化ランタン(LaB6 )のうちの1種又は2種以上を総量で0.1〜4wt%添加するのが好ましい。これら酸化物もしくは硼化物の添加は、粉末で混合してもよく、液状として振りかけて混合してもよい。放電特性改良剤が0.1%より少ない場合は、再結晶温度上昇と放電特性の向上が望めない。また4%よりも多い場合は、得られる電極の強度が低下するので、好ましくない。
【0018】
得られた粉末を乾燥した後、水素中で800℃で還元した。しかる後、この還元粉末を射出成形用の有機バインダーであるエチレンビニルアセテート・ブチルメタアクリレート・ポリスチレンの共重合体、パラフィンワックス、フタル酸ブチル、ステアリン酸と混練し、金属粉末射出成形用のフィードストックとした。これを150〜160℃に保持した射出成形機に投入し、所定の金型中に射出成形した。得られた成形体の寸法は、外径1.6mm、内径1.2mm、全長6.8mmであった。
【0019】
得られた成形体を水素雰囲気中で800℃まで徐昇温し、脱脂した。その後、水素中で1850℃で30分燒結し、外径1.2mm、内径0.9mm、全長5mmの燒結体からなる一体化電極を得た。その形状を図2に示す。得られた燒結体の相対密度は98%であった。0.1mm程度の非常に薄い壁厚および±0.01mm程度の外径寸法精度が要求される場合には、外周のセンタレス研削を行ってもよい。
【0020】
上記のようにして得られた一体化電極10に外部リード線であるニッケル線8を抵抗溶接で接合した。抵抗溶接を確実にするため、封着棒の端部に凸部、抵抗溶接時のバリの広がりを防止するため凹部を設けてもよい。その後、封着棒部3を無酸化雰囲気中でヒーターで加熱して硼珪酸ガラス7を溶着した。これによって、一体化電極とガラス巻き部(封着部5)が物理的に気密に接着した。この接着をより確実にするため、一体化電極の封着線部3の外周に環状の凹部又は凸部を設けておいてもよい。上記ガラス巻き部の長さは2〜3mm、外径は約2mmであった。
【0021】
上記ガラス巻き部に発光管(ガラスバルブ)の端部を溶着して封止し、つづいてアンニーリング処理を行った。ついで、発光管内の排気工程、水銀導入工程、及びリード線半田仕上げ工程を経て冷陰極蛍光ランプが完成した。
【0022】
【実施例2】
平均粒度1.0ミクロンのモリブデン粉末に0.2wt%相当のニッケル量になるように硝酸ニッケルを水又はエタノールに溶解してドーピングした。この場合のニッケル量は、0.02〜1w%とするのが好ましい。ニッケル量がこれよりも少ない場合は経済的な燒結温度である2000℃以下ではモリブデンが緻密化しない。また、1wt%より多い場合は、電気伝導度が低下し、電極としての性能が悪くなる。
【0023】
ドープしたモリブデン粉末に放電特性改良剤として、酸化ランタン(La23 )、酸化イットリウム(Y23 )、酸化セリウム(CeO2 )、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化ハフニウム(HfO2 )、酸化バリウム(BaO)、酸化トリウム(ThO2 )、硼化ランタン(LaB6 )のうちの1種又は2種以上を粉末状又は液状で、総量で0.1〜4wt%となるように添加するのが好ましい。この添加量が0.1%より少ない場合は、再結晶温度上昇と放電特性の向上が望めず、逆に3%よりも多い場合は、得られる電極の強度が低下するので、いずれも好ましくない。
【0024】
得られた粉末を乾燥した後、水素中で800℃で還元した。しかる後、この還元粉末を射出成形用の有機バインダーであるエチレンビニルアセテート・ブチルメタアクリレート・ポリスチレンの共重合体、パラフィンワックス、フタル酸ブチル、ステアリン酸と混練し、金属粉末射出成形用のフィードストックとした。これを150〜160℃に保持した射出成形機に投入し、所定の金型中に射出成形した。得られた成形体の寸法は、外径1.6mm、内径1.2mm、全長6.8mmであった。
【0025】
得られた成形体を水素雰囲気中で800℃まで徐昇温し、脱脂した。その後、水素中で1650℃で30分燒結し、外径1.2mm、内径0.9mm、全長5mmの燒結体からなる一体化電極10を得た。なお、封着線部3には、封止を確実にするため、リング状の凸部(図3に示す)9を設けている。この凸部9の代わりにリング状の凹部を設けておいてもよい。得られた燒結体の相対密度は98.5%であった。
【0026】
上記のようにして得られた一体化電極に外部リード線であるニッケル線8を抵抗溶接で接合した。その後、この一体化電極10の封着線部3を無酸化雰囲気中でヒーターで加熱してアルミノ硼珪酸ガラスを溶着した。これによって、一体化電極とガラス巻き部が物理的に気密に接着した。ガラス巻き部の長さは2〜3mm、外径は2mm程度であった。
【0027】
上記ガラス巻き部に発光管の端部を溶着して封止し、つづいてアンニーリング処理を行った。ついで、発光管内の排気工程、水銀導入工程、及びリード線半田仕上げ工程を経て冷陰極蛍光ランプが完成した。
【0028】
【実施例3】
平均粒度2.2μmのタングステン粉末、5wt%の平均粒度6μmのカルボニルニッケル粉末、2wt%の平均粒度9μmのカルボニル鉄粉末をアトライター中で混合した。混合粉末にプレス用の有機バインダーであるPVA(ポリ・ビニル・アルコール)を0.8%およびステアリン酸を0.4%加え噴霧造粒し、プレス成形用の造粒粉とした。これをプレス機に投入し、所定の金型中でプレス成形した。得られた成形体の寸法は、外径2.2mm、内径1.8mm長さ7.2mmであった。
【0029】
得られた成形体を水素雰囲気中で800℃まで徐昇温し、脱脂および予備焼結した。その後水素雰囲気中1500℃で1時間焼結し、外径1.8mm、内径1.5mm、長さ6mmの焼結体を得た。得られた焼結体の相対密度は、98.5%であった。
【0030】
上記のようにして得られた一体化電極に外部リード線であるニッケル線8を抵抗溶接で接合した。図*に示すように端部に凸部を設けているので接合がより確実である。その後、この一体化電極10の封着線部3を無酸化雰囲気中でヒーターで加熱してアルミノ硼珪酸ガラスを溶着した。これによって、一体化電極とガラス巻き部が物理的に気密に接着した。ガラス巻き部の長さは2〜3mm、外径は2mm程度であった。
【0031】
上記ガラス巻き部に発光管の端部を溶着して封止し、つづいてアンニーリング処理を行った。ついで、発光管内の排気工程、水銀導入工程、及びリード線半田仕上げ工程を経て冷陰極蛍光ランプが完成した。
【0032】
【実施例4】
平均粒度1.8ミクロンのモリブデン粉末に0.03wt%相当のニッケル量になるように硝酸ニッケルを水又はエタノールに溶解してドーピングした。この場合のニッケル量は、0.02〜1w%とするのが好ましい。ニッケル量がこれよりも少ない場合は経済的な燒結温度である2000℃以下ではモリブデンが緻密化しない。また、1wt%より多い場合は、電気伝導度が低下し、電極としての性能が悪くなる。
【0033】
ドープしたモリブデン粉末に放電特性改良剤として、酸化ランタン(La23 )、酸化イットリウム(Y23 )、酸化セリウム(CeO2 )、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化ハフニウム(HfO2 )、酸化バリウム(BaO)、酸化トリウム(ThO2 )、硼化ランタン(LaB6 )のうちの1種又は2種以上を粉末状又は液状で、総量で0.1〜4wt%となるように添加するのが好ましい。この添加量が0.1%より少ない場合は、再結晶温度上昇と放電特性の向上が望めず、逆に3%よりも多い場合は、得られる電極の強度が低下するので、いずれも好ましくない。
【0034】
得られた粉末を乾燥した後、水素中で800℃で還元した。しかる後、この還元粉末を射出成形用の有機バインダーであるエチレンビニルアセテート・ブチルメタアクリレート・ポリスチレンの共重合体、パラフィンワックス、フタル酸ブチル、ステアリン酸と混練し、金属粉末射出成形用のフィードストックとした。これを150〜160℃に保持した射出成形機に投入し、所定の金型中に射出成形した。得られた成形体の寸法は、外径1.6mm、内径1.2mm、全長6.8mmであった。
【0035】
得られた成形体を水素雰囲気中で800℃まで徐昇温し、脱脂した。その後、水素中で1850℃で30分燒結し、外径1.2mm、内径0.9mm、全長5mmの燒結体からなる一体化電極10を得た。なお、封着線部3には、封止を確実にするため、リング状の凸部(図3に示す)9を設けている。この凸部9の代わりにリング状の凹部を設けておいてもよい。得られた燒結体の相対密度は98.5%であった。
【0036】
上記のようにして得られた一体化電極に外部リード線であるニッケル線8を抵抗溶接で接合した。その後、この一体化電極10の封着線部3を無酸化雰囲気中でヒーターで加熱してアルミノ硼珪酸ガラスを溶着した。これによって、一体化電極とガラス巻き部が物理的に気密に接着した。ガラス巻き部の長さは2〜3mm、外径は2mm程度であった。
【0037】
【実施例5】
平均粒度1.8μmのタングステン粉末、1.8wt%の平均粒度5μmのカルボニルニッケル粉末、1.2wt%の平均粒度13μmの電解銅粉末をアトライター中でエチルアルコールとともに混合した。混合時にプレス成形用の有機バインダーであるPVPおよびステアリン酸を合計1.5wt%添加した。混合後スラリーをスプレードライヤーにて噴霧造粒し造粒粉を得た。造粒粉を所定のプレス金型中でプレス成形した。得られた成形体の寸法は、外径1.6mm、内径1.2mm、全長6.8mmであった。
【0038】
得られた成形体を水素雰囲気中で700℃まで徐昇温し、脱脂および予備焼結した。その後水素雰囲気中1400℃で1時間焼結し、外径1.3mm、内径1mm、長さ5.7mmの焼結体を得た。得られた焼結体の相対密度は、99%であった。得られた焼結体の封入棒部端面には、抵抗溶接を容易にするための凸部が形成されていた。封入棒部の直径は、1mmであり、凸部の直径は、0.8mm、および凸部の高さは、0.3mmであった。
【0039】
上記のようにして得られた一体化電極に外部リード線であるニッケル線8を抵抗溶接で接合した。その後、この一体化電極10の封着線部3を無酸化雰囲気中でヒーターで加熱してアルミノ硼珪酸ガラスを溶着した。これによって、一体化電極とガラス巻き部が物理的に気密に接着した。ガラス巻き部の長さは2〜3mm、外径は2mm程度であった。
【0040】
【実施例6】
平均粒度2.2μmのタングステン粉末、4wt%の平均粒度6μmのカルボニルニッケル粉末、2wt%の平均粒度9μmのカルボニル鉄粉末および1wt%の平均粒度1.6μmのコバルト粉末をアトライター中で混合する。混合粉末に射出成形用の有機バインダーであるエチレンビニルアセテート・ブチルメタアクリレート・ポリスチレンの共重合体、パラフィンワックス、フタル酸ブチル、ステアリン酸を加え混練し、金属粉末射出成型用のフィードストックとした。これを射出成形機に投入し、150〜160℃に加熱後、所定の金型中に射出成形した。得られた成形体の寸法は、外径1.95mm、内径1.56mm、長さ9.1mmであった。
【0041】
得られた成形体を水素雰囲気中で700℃まで徐昇温し、脱脂および予備焼結した。その後水素雰囲気中1450℃で1時間焼結し、外径1.5mm、内径1.2mm、長さ7mmの焼結体を得た。得られた焼結体の相対密度は、99.5%であった。この焼結体の外周を#440GC砥石でセンタレス研削し、外径を1.4mmとした。壁厚0.1mmのカップ電極部が得られた。封入棒部は、直径1mmであり、端部に抵抗溶接時、バリの横方向への広がりを防止するための凹部が設けられていた。凹部の直径は、0.7mmで深さは0.3mmであった。凹部の寸法精度は要求されない。
【0042】
上記のようにして得られた一体化電極に外部リード線であるニッケル線8を抵抗溶接で接合した。その後、この一体化電極10の封着線部3を無酸化雰囲気中でヒーターで加熱してアルミノ硼珪酸ガラスを溶着した。これによって、一体化電極とガラス巻き部が物理的に気密に接着した。ガラス巻き部の長さは2〜3mm、外径は2mm程度であった。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる放電ランプ用電極は、ガラスバルブ内に配置される電極部と、ガラスで封止される封着線部とが一体に成形されているので、溶接のためのつかみ代等が不要となり、全長を20%程度短くすることが可能となった。具体例をあげれば、従来の全長6mmを5mmにすることができた。また、接合のためのコストも節減できた。しかも、線引き加工が不要であるので、軸方向の傷が生じず、導入線部のスローリークが減少した。さらに、酸化ランタン(La23 )、酸化イットリウム(Y23 )、酸化セリウム(CeO2 )、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化ハフニウム(HfO2 )、酸化バリウム(BaO)、酸化トリウム(ThO2 )、硼化ランタン(LaB6 )のうちの1種又は2種以上を適量添加しておくことにより、再結晶温度が高くなり、接合時の熱によるタングステンやモリブデンの脆化による接合部の破壊を避けることができた。また、電極の仕事関数の低下により、放電特性も改善された。
【0044】
なお、封入部外周に凹または凸部を設けることによりガラス風刺性が確実となる。また、封入棒部端面に凹部、または凸部を設けることにより、抵抗溶接が確実となり、バリ発生も防止できた。さらに、電極部外周面を研削することにより、壁厚の薄肉化による放電特性改善が得られ、しかも外周寸法精度の向上により、細管への組み込みが容易になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】放電ランプの一部断面図である。
【図2】本発明の実施形態を表す要部の断面図である。
【図3】上記と異なる実施形態を表す要部の断面図である。
【図4】従来の放電電極を表す断面図である。
【符号の説明】
1 放電ランプ
2 ガラスバルブ
3 封着線部
4 電極部
8 外部リード線
9 凸部
10 一体化電極

Claims (2)

  1. タングステン及び/又はモリブデンと重量比で0.01〜10%のニッケル、鉄、銅、コバルトからなる金属のうちの1種又は2種以上を含有し、ガラスバルブ内に配置される電極部(タングステンと重量比で2%のニッケルと3%の銅を含有し、ガラスバルブ内に配置される電極部を除く)と、一方の端部が前記電極部に接続され他端部に外部リード線が接続される封着棒部とが一体に成形されていることを特徴とする放電ランプ用電極。
  2. 酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化バリウム、酸化トリウム及び硼化ランタンからなる群のうちの1種又は2種以上を0.1〜4wt%含有する請求項1に記載の放電ランプ用電極。
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