JP4295962B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機の変速制御装置において、ワンウェイ・クラッチが受け持っていた解放側クラッチ(摩擦係合要素)の機能、すなわち係合側クラッチ(摩擦係合要素)の受け持ちトルクの上昇に合わせて解放側クラッチの受け持ちトルクを減少させる機能を、ソフトウェアによるクラッチ供給油圧の制御によって実現するいわゆるクラッチ・ツゥ・クラッチ変速が知られている。このクラッチ・ツゥ・クラッチ変速では、解放側クラッチと係合側クラッチとを連携して制御することでギヤ段を切り替えて変速する。
【0003】
こうしたクラッチ・ツゥ・クラッチ変速では、解放側クラッチから係合側クラッチへの切り替え制御が精度良く行われないと、変速フィーリングが悪化してしまう。例えば、解放側クラッチの受け持ちトルクの減少に対して、係合側クラッチの受け持ちトルクの上昇が過剰になるとき、インターロック状態となってトルク相での急速なアウトプットトルク(出力軸のトルク)の落ち込み(引き込みショック)が生じる。逆に、係合側クラッチの受け持ちトルクの上昇が過小になるときは、タービン側の入力トルクを支えきれずにタービン回転が吹き上がるとともにトルク抜けが発生し、著しく変速フィーリングを悪化させる。
【0004】
この問題に対し、例えば特開平10−153257号公報に記載の装置では、解放側クラッチに所定の速度比(タービン回転速度/出力軸回転速度)の範囲でスリップを生じさせることで変速中の状態変化に敏感になることを利用している。そして、変速中のスリップ量が減少過程に入ることでイナーシャ相への移行を検知し、係合側油圧を昇圧させ同時に解放側油圧を即時解放している。これによって、エンジンの吹上げ(タービンの吹上げ)を防止しつつ変速状態を早期にイナーシャ相に移行させることができるとしている。
【0005】
また、特開平11−182663号公報に記載の装置では、解放側クラッチの油圧解放速度を係合側クラッチの油圧上昇速度より早くすることで、クラッチのスリップを発生させている。そして、スリップ量が所定の値に到達したら急速に解放側クラッチの油圧を減圧してイナーシャ相へ移行させ、2つのクラッチの同時係合による引き込みを抑制し変速ショックを緩和できるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さらに、本出願人により提案されている装置では、解放側クラッチにスリップを発生させ、係合側クラッチが十分なトルクを受け持つことができる状態になるまで適正なスリップ量を維持する方法を採用している。この場合、適正なスリップ量を維持する指標としてタービン回転の吹き量を使用し、タービン回転の吹き量をタービン回転速度Ntから出力軸回転速度Noに当該変速段のギヤ比Gear1を乗じた値を減算して求める。そして、このタービン回転の吹き量(=Nt−No×Gear1)が設定した目標値に追従するようフィードバック制御している。
【0007】
解放側クラッチを意図的に解放し、タービン回転の吹き量を制御しながらトルクの掛け替えを行う上述のクラッチ・ツゥ・クラッチ変速においては、2つのクラッチの同時係合による引き込み低減により変速ショックを緩和できる。また、係合側クラッチの油圧の上昇が遅れた場合においても、係合側クラッチが十分なトルク容量を持ち始めるまで、解放側クラッチを制御しながら待つことが可能である。このため、著しく変速フィーリングを悪化させる多大なエンジンの吹上げ(タービンの吹上げ)の発生を回避することが可能となる。
【0008】
しかしながら、変速フィーリングの一指標となるアウトプットトルクは、タービン回転速度の変化(タービン回転加速度)に伴って変動する。このため、解放側クラッチのスリップ量を適切に管理しないとアウトプットトルクに変動をきたし、スリップ量の管理の仕方によっては変速フィーリングを悪化させる原因となりうる。
【0009】
特開平10−153257号公報に記載の装置では、単にスリップを発生させて所定の速度比の範囲でスリップを維持するため、所定の速度比に到達するまでの過渡状態はなりゆきまかせである。このため、所定の速度比に到達するまでの間はスリップ量の管理、つまり変速フィーリングの一指標となるアウトプットトルクの管理を実質的に行うことができない。
【0010】
また、同じように解放側クラッチのスリップ量に対しフィードバック制御を実施する特開平11−182663号公報に記載の装置では、図22に示すように当該制御開始の指標となるスリップ検知の値と目標スリップ量(目標値)とが同じである。このため、開始直後のスリップ量の抑制ができず、オーバーシュートが発生してから目標値への修正をするため、アウトプットトルクの揺り返しが発生する。
【0011】
本発明の目的は、良好な変速フィーリングが得られる自動変速機の変速制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の摩擦係合要素の各々に付与する油圧を制御して該摩擦係合要素を係合状態又は解放状態に維持することにより所定の変速段を達成し、一の変速段から他の変速段への変速にあたり解放側摩擦係合要素に付与する油圧を減少させて該解放側摩擦係合要素による伝達トルクを減少させることによりスリップを発生させるとともに、係合側摩擦係合要素に付与する油圧を増大させて該係合側摩擦係合要素による伝達トルクを増大させる自動変速機の変速制御装置であって、前記自動変速機の入力軸回転速度及び出力軸回転速度に基づき前記解放側摩擦係合要素のスリップ量を算出するスリップ量算出手段と、前記算出されたスリップ量と所定のしきい値との大小比較を行う判定手段と、前記しきい値から変速ショックを抑制するように予め定めた所定の目標値へと推移して該目標値を維持する目標スリップ量を算出する目標スリップ量算出手段と、前記判定手段により前記算出されたスリップ量が前記しきい値を超えたと判定されたとき、該算出されたスリップ量と前記算出された目標スリップ量とが等しくなるようにするとともに、スリップ中のアウトプットトルクの変化を抑えつつ、前記目標値に対してオーバーシュートすることなく前記目標値へと移行する規範モデルに基づいて前記解放側摩擦係合要素のスリップ量を前記目標値に対してオーバーシュートすることなく前記目標値に到達させるようにフィードバック制御する解放側制御手段と、前記フィードバック制御の開始と同時に前記係合側摩擦係合要素に付与する油圧をイナーシャ相への移行に必要な値の棚圧へと増大させる係合側制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、前記判定手段により前記しきい値と大小比較される前記スリップ量は、第1所定周波数成分を除去する第1フィルタ処理後のスリップ量であり、前記解放側制御手段により前記目標スリップ量と等しくなるようにされる前記スリップ量は、第2所定周波数成分を除去する第2フィルタ処理後の前記入力軸回転速度及び第3所定周波数成分を除去する第3フィルタ処理後の前記出力軸回転速度に基づき算出されたスリップ量であることを要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の自動変速機の変速制御装置において、前記自動変速機の入力軸及び出力軸を直結可能なロックアップクラッチを備え、前記解放側制御手段は、前記ロックアップクラッチの係合・非係合に応じて異なるフィードバック制御の制御ゲインを設定することを要旨とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の自動変速機の変速制御装置において、前記目標スリップ量算出手段は、前記しきい値から前記目標値へのステップ状に変化する入力を与えたときに前記目標スリップ量を出力する規範モデルにより構成されてなり、前記規範モデルの出力と前記算出されたスリップ量との偏差をフィードバックさせる誤差フィードバック制御手段を備えたことを要旨とする。
【0019】
なお、解放側摩擦係合要素とは、一の変速段から他の変速段への変速にあたり同変速前に係合状態にあり同変速後に解放状態とされる摩擦係合要素をいう。また、係合側摩擦係合要素とは、一の変速段から他の変速段への変速にあたり同変速前に解放状態にあり同変速後に係合状態とされる摩擦係合要素をいう。
【0020】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、前記算出されたスリップ量が前記しきい値を超えたと判定されたとき、該算出されたスリップ量と前記算出された目標スリップ量とが等しくなるようにフィードバック制御が行われる。また、前記フィードバック制御の開始と同時に前記係合側摩擦係合要素による伝達トルクが増大される。これにより、係合側摩擦係合要素の受け持ちトルクが上昇し、逆に解放側摩擦係合要素はスリップ量が目標スリップ量に追従するように制御されて解放されていく。この状態が進行し、係合側摩擦係合要素が十分なトルクを持つとスリップが消失する。このように、変速ショックを抑制するように予め定めた軌跡を描くようにスリップ量がフィードバック制御されることで、そのアウトプットトルク(出力軸のトルク)も変速フィーリングが最良となるように推移する。そして、スリップ量が上記しきい値から目標値に到達するまでの過渡状態においてもフィードバック制御されることで、スリップ変化も安定化され、変速フィーリングが向上される。
【0021】
請求項に記載の発明によれば、フィードバック制御の開始判定に供されるスリップ量は、第1所定周波数成分を除去する第1フィルタ処理後のスリップ量である。従って、例えば第1所定周波数成分をセンサーノイズ・路面外乱等の振動を除去しうる周波数成分とすれば、開始判定の誤判定が防止される。
【0022】
また、フィードバック制御に供されるスリップ量は、第2所定周波数成分を除去する第2フィルタ処理後の前記入力軸回転速度及び第3所定周波数成分を除去する第3フィルタ処理後の前記出力軸回転速度に基づき算出されたスリップ量である。従って、例えば第2所定周波数成分をセンサーノイズを除去しうる周波数成分とし、第3所定周波数成分をスリップ中に発生する駆動系振動を除去しうる周波数成分とする。
【0023】
このように変速制御のフェーズ(フィードバック制御の開始前と開始後)に応じてスリップ量の算出方法を切り替えることで、各フェーズごとに好適な制御が可能となる。
【0024】
請求項に記載の発明によれば、ロックアップクラッチの係合・非係合に応じて異なるスリップ量の応答特性を示す変速機に対して、それぞれ制御ゲインを設定してフィードバック制御することで、各状態ごとに好適な制御が可能となる。
【0025】
請求項に記載の発明によれば、前記規範モデルの出力と前記算出されたスリップ量との偏差をフィードバックさせる誤差フィードバックを追加したことで、量産化に伴う個体差ばらつきや、入力トルクの変化・油(ATF)の温度変化による特性変動・摩擦係合要素の摩耗や油(ATF)劣化の経年変化などの外乱の影響を受ける場合においても、目標スリップ量への追従性を向上しアウトプットトルク変動を抑制し、安定したスリップの発生が可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明による車両用自動変速機の変速制御装置の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る自動変速機の変速制御装置を車両に搭載した例を概略的に示している。この車両は、エンジン10と、ロックアップクラッチ付流体式のトルクコンバータ20と、自動変速機30と、トルクコンバータ20及び自動変速機30に供給される作動油(ATF:オートマチックトランスミッションフルード)の圧力(油圧)を制御するための油圧制御回路40と、油圧制御回路40に制御指示信号を与える電気制御装置50とを含んでいて、図示しないアクセルペダルの操作により増減されるエンジン10の動力(発生トルク)を、トルクコンバータ20、自動変速機30、及び図示しない差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)などを介して駆動輪(タイヤ)へ伝達するようになっている。
【0028】
トルクコンバータ20は、図1及び図2に示したように、エンジン10が発生する動力を流体(作動油)を介して自動変速機30に伝達する流体式伝達機構21と、この流体式伝達機構21に対して並列に連結されたロックアップクラッチ機構22とからなっている。
【0029】
流体式伝達機構21は、エンジン10のクランク軸と一体的に回転するトルクコンバータ入力軸12に連結されたポンプ羽根車21aと、同ポンプ羽根車21aが発生する作動油の流れにより回転されるとともに自動変速機30の入力軸31に連結されたタービン羽根車21bと、ステータ羽根車21c(図1においては省略)とを含んでいる。
【0030】
ロックアップクラッチ機構22は、図2に示したように、ロックアップクラッチ22aを含んで構成されていて、接続された油圧制御回路40による作動油の給排により、トルクコンバータ入力軸12と自動変速機30の入力軸31とを同ロックアップクラッチ22aにより機械的に結合してこれらを一体的に回転させる係合状態と、前記ロックアップクラッチ22aによる機械的な結合を解除する非係合状態とを達成し得るようになっている。
【0031】
自動変速機30は、前進6段後進1段の変速段を達成するものであって、リングギヤR1を有する第1列のシングルピニオンプラネタリギヤG1と、第2列のシングルピニオンプラネタリギヤG2及び第3列のシングルピニオンプラネタリギヤG3とを備えている。また、自動変速機30は、摩擦クラッチC1,C2,C3と、摩擦ブレーキB1,B2とを摩擦係合要素として備えている。この自動変速機30における各摩擦係合要素の係合・解放(非係合)状態と達成される変速段との関係は下記表1に示す通りである、なお、表1において○は係合状態を、空欄は解放状態をそれぞれ示している。
【0032】
【表1】
Figure 0004295962
油圧制御回路40は、図1に示したように、電気制御装置50からの制御指示信号により制御される3個のオン・オフソレノイドバルブ41〜43及び3個のリニアソレノイドバルブ44〜46を含んでいて、前記オン・オフソレノイドバルブ41〜43の作動の組み合わせに基づいてロックアップクラッチ機構22及び自動変速機30の摩擦係合要素に対する油の給排を制御するとともに、前記リニアソレノイドバルブ44〜46を駆動してこれらに供給される油圧をライン圧PL以下の範囲内で調整し得るようになっている。
【0033】
電気制御装置50は、何れも図示を省略したCPU、メモリ(ROM,RAM)、及びインタフェースなどから成るマイクロコンピュータである。電気制御装置50は、スロットル開度センサ61、エンジン回転速度センサ62、タービン回転速度センサ63、及び出力軸回転速度センサ64と接続されていて、これらのセンサ61〜64が発生する信号を入力するようになっている。
【0034】
スロットル開度センサ61は、エンジン10の吸気通路に設けられ図示しないアクセルペダルの操作に応じて開閉されるスロットルバルブ11の開度(以下、「スロットル開度」という。)を検出し、同スロットル開度Thを表す信号を発生するようになっている。エンジン回転速度センサ62は、エンジン10の回転速度を検出し、エンジン回転速度Neを表す信号を発生するようになっている。タービン回転速度センサ63は、自動変速機の入力軸31の回転速度を検出し、タービン回転速度(自動変速機30の入力軸回転速度)Ntを表す信号を発生するようになっている。出力軸回転速度センサ64は、図示しないエンジンマウントにより支持されたエンジン10と一体的な自動変速機ケース(図示省略)に固定されていて、自動変速機30の出力軸32の回転速度(アウトプット回転速度)を検出し、同自動変速機30の出力軸回転速度(即ち、車速に比例する値)Noを表す信号を発生するようになっている。
【0035】
上記電気制御装置50は、出力軸回転速度Noとスロットル開度Thとで構成される変速マップ及びロックアップクラッチ作動マップをメモリ内に記憶していて、検出された出力軸回転速度Noと検出されたスロットル開度Thにより定まる点が変速マップに示された変速線を横切るとき、及び、前記点が前記ロックアップクラッチ作動マップのロックアップ領域内にあるか否かに応じ、油圧制御回路40のオン・オフソレノイドバルブ41〜43及びリニアソレノイドバルブ44〜46を制御して、上記表1に示したように摩擦係合要素の係合・解放状態を変更するとともに、ロックアップクラッチ22aの係合・非係合状態を変更するようになっている。
【0036】
次に、上記のように構成された自動変速機の変速制御装置が、自動変速機30の変速段を2速から3速へ変速する際に実行する「クラッチ・ツゥ・クラッチ制御」について説明する。
(概要)
先ず、図3を参照しながら、2速から3速への変速時における油圧制御の概要について説明する。同図において、時刻t0に、出力軸回転速度Noとスロットル開度Thとで定まる点が2速から3速へのアップシフトの変速線を横切ったとする。このとき、アップシフト変速の変速開始指示が出され、電気制御装置50は解放側摩擦係合要素(摩擦ブレーキB1)の油圧制御と係合側摩擦係合要素(摩擦クラッチC3)の油圧制御を開始する(表1参照)。
【0037】
すなわち、電気制御装置50は、解放側摩擦係合要素(摩擦ブレーキB1)に対する制御指令値(指示圧)により、時刻t0から当該係合要素に対する油圧(以下、「解放側油圧」という。)をライン圧PLから急減させその後に徐々に減少させる解放初期ランプ制御を行う。これにより、解放側摩擦係合要素による伝達トルクが減少してスリップが発生する。このスリップ量(タービン回転吹き量)は、タービン回転速度Ntと当該変速段(この場合は2速)のギヤ比を乗じた出力軸回転速度Noとのずれ量に相当し、解放側摩擦係合要素の制御の指標となるものである。電気制御装置50はこのスリップ量を常時監視しつつ、解放側油圧を減少させる。この減圧に伴い時刻t2でスリップ量が設定したしきい値r1を超えると、電気制御装置50は解放側摩擦係合要素のスリップが開始したと判断し、スリップ量を指標に解放側摩擦係合要素のスリップフィードバック制御(スリップFB制御)を開始する。このスリップFB制御にあたっては、変速ショックを抑制する理想的な軌跡を描きながら上記しきい値r1から所定の目標値r2へと推移して同目標値r2を維持するように制御される。この結果、時間の経過とともにスリップ量は目標値r2へと滑らかに上昇する。
【0038】
一方、電気制御装置50は、解放状態にある係合側摩擦係合要素(摩擦クラッチC3)に対する制御指令値(指示圧)により、時刻t0から当該係合要素に対する油圧(以下、「係合側油圧」という。)を急激に上昇させるプリチャージ制御を行う。そして、プリチャージ制御を時刻t1で終了すると、電気制御装置50は係合側油圧をトルク容量(トルクの伝達能力)が発生する寸前の圧(待機圧)まで上昇させ、スリップ(スリップFB制御)が開始する時刻t2までこれを維持する待機圧制御を行う。そして、時刻t2においてスリップが開始すると、電気制御装置50は、係合側摩擦係合要素に対する制御指令値により、イナーシャ相への移行に必要な圧(棚圧)まで時間経過とともに係合側油圧を徐々に上昇させて当該係合要素による伝達トルクを増大させる棚圧制御を開始する。これにより、係合側油圧が上昇し、係合側摩擦係合要素がトルクを持ち始め、スリップ量が減少し始める。このとき、電気制御装置50は上記スリップFB制御によりスリップ量を目標値r2に維持しようとするので、同スリップ量を増大させようとして解放側油圧(解放側摩擦係合要素の伝達トルク)を減少させる。この動作により、係合側摩擦係合要素がつかんだ容量分のトルクを解放側摩擦係合要素が解放していく。この状態が進行し、解放側摩擦係合要素が受け持っていたトルクが係合側摩擦係合要素へ伝達され、係合側摩擦係合要素が十分なトルク容量を持つ時刻t3になると、スリップ量が「0」となる。
【0039】
時刻t3においてスリップ量が消失する(「0」になる)と、電気制御装置50はトルクの受け渡しを行うトルク相を完了したと見なし、スリップFB制御を終了するとともに、解放側油圧を完全ドレンさせるランプ解放制御を行う。そして、電気制御装置50は係合側油圧をタービン回転速度Ntの変化率ΔNtが目標回転変化率ΔMNTとなるようするフィードバック制御(イナーシャFB制御)を開始する。そして、時刻t4にてタービン回転速度Ntと当該変速段(この場合は変速後の3速)のギヤ比を乗じた出力軸回転速度Noとが一致すると、係合側油圧をライン圧PLまで増大させる変速終了処理を行う。以上によって変速制御が終了する。
(スリップ量FB制御の原理)
次に、上述した時刻t2〜t3におけるスリップ量フィードバック制御の原理について説明する。良いフィーリングを得るためには、スリップ中のアウトプットトルクの変化をできるだけ抑えつつスリップ量を目標値r2に到達させ、係合側摩擦係合要素のトルクが立ち上がるまで、そのスリップ量を維持する必要がある。そこで、まず図4に示した規範モデルM(s)を考え、最良のフィーリングが得られるようにその伝達関数を決定する。すなわち、図3に併せ示したように、しきい値r1から目標値r2へとステップ状に変化する入力を与えたとき、目標値r2に対してオーバーシュートすることなく同目標値r2へと移行する理想的なスリップ量の時間変化に対して規範モデルM(s)の伝達関数を決定する。ここで、sは微分演算子であり、規範モデルM(s)はこの微分演算子sの多項式で表される。
【0040】
次に、図5に示したように、変速機本体としての制御対象P(s)をI−P制御する閉ループ系を考える。ここで、制御対象P(s)は、入力を解放側油圧(摩擦ブレーキB1の係合圧)とするとともに出力を実際のスリップ量(実スリップ量)Spとして、システム同定の手法を用いて決定したものであり、微分演算子sの多項式で表される。また、Ki,Kpは、積分器及び比例器の各ゲインである。この閉ループ系へ入力として上記目標値r2を与えた場合の出力が上記規範モデルM(s)の出力と一致するように、モデルマッチング法を用いてI−P制御コントローラを設計する。このI−P制御コントローラも、微分演算子sの多項式で表される。
【0041】
このようにして得られたI−P制御コントローラを用いて解放側油圧を制御すれば、実スリップ量Spは規範モデルの出力のように滑らかに上昇し、従って、自動変速機30のアウトプットトルクの変動が抑制される。
【0042】
ここで、一般的にコントローラの設計(ゲイン設計を含めて)にあたっては、量産化時の個体差ばらつき、温度変化による作動油(ATF)の特性変動や経年変化(摩擦係合要素の磨耗、作動油の劣化)などの外乱の影響も考慮される。しかしながら、上述のクラッチ・ツゥ・クラッチ変速ではこれらの影響が大きいため、これらの影響を受けにくい(あるいは吸収しやすい)制御構造にする必要がある。
【0043】
そこで、図6に示したように、目標値r2に対する理想的なスリップ応答である規範モデルM(s)の出力と、上述のI−P制御コントローラの出力である実スリップ量Spとの偏差(モデル誤差量)をとり、それに誤差フィードバックゲインTを乗じてフィードバックするいわゆる誤差フィードバック(誤差FB)のループを構成する。これにより、規範モデルM(s)とのずれを小さくするように制御を働かせることができ、ばらつきや外乱の影響を吸収することが可能となる。
【0044】
すなわち、摩擦係合要素のストロークや油圧制御バルブ特性等のばらつき、油温度変化や作動油の劣化による油特性の変動、及び摩擦係合要素の摩耗等に起因する外乱(制御対象P(s)のずれ)の影響を受け難い変速制御を実現することが可能となる。
【0045】
図7は、スリップFB制御におけるスリップ量及び指示圧(制御指令値)の推移を、誤差FBの有無に応じてそれぞれ示すグラフである。同図には、規範モデルM(s)に対するスリップ量の推移を併せ示している。同図の矢印にて示したように、誤差FBを加えることでスリップ量のオーバーシュートが抑えられ、規範モデルに沿うように制御される。
(実際のスリップ量の求め方)
次に、上記スリップFB制御において使用される実スリップ量Spの求め方について、図8〜図11を参照しながら説明する。なお、図8は上記スリップFB制御を行うときのシステム全体を示すブロック線図である。
【0046】
基本的に、スリップFB制御に先だってスリップ開始判定(しきい値r1との比較)に供されるスリップ量は、タービン回転速度(Nt)と出力軸回転速度に変速前のギヤ比G1を乗じた値(No×G1)との差(Nt−No×G1)から算出する。しかしながら、検知した各回転速度にはセンサーノイズ、路面外乱等の振動が重畳しているため、実際にはスリップしていないにもかかわらず、設定したしきい値(r1)を超えた値(スリップ量)が出力されスリップ検知の誤判定をする恐れがある。そこで、これらの振動を除去して誤判定を防止することを目的とし、フィルタ処理(カットオフ周波数:F1)したスリップ量が採用されている。このスリップ量に基づきスリップ開始判定を実施することで、確実な判定が可能となる。
【0047】
一方、解放側摩擦係合要素が減圧されてスリップ(タービン回転速度の上昇)が開始すると、入力トルクが減少するため、プロペラシャフトや駆動輪(タイヤ)のねじれ、エンジンマウントなどの影響を受け、出力軸回転速度(No)に駆動系振動が重畳する。この振動が重畳した出力軸回転速度Noを用いてスリップ量を演算しスリップFB制御を行うと、当該制御によってタービン回転速度の振動が励起される。そして、この振動が更なる出力軸回転速度Noの変動を引き起こし、最終的には発散・制御不能に陥りスリップ量が管理できず変速フィーリングを安定化できなくなる。
【0048】
対策として、特開平11−182663号公報に記載の装置に言及されているように、スリップFB制御でのスリップ量にフィルタ処理を行うことが考えられる。ここで、出力軸回転速度に重畳する駆動系振動が低周波であるとすると、フィルタの定数はこの周波数より低いカットオフ周波数で設計するのが一般的である。しかしながら、このようにカットオフ周波数の低いフィルタは時定数が大きいため、特に係合側摩擦係合要素が容量を持ち始めた際の変化の早いスリップ量の減少に対して追従性が満足し得なくなる。したがって、図9に示されるように、係合側摩擦係合要素が容量を持ち始め実際にはスリップ量が減少しても、フィルタ処理後のスリップ量の減少は遅れる。結果的に、解放側油圧の減圧が遅れるため、解放側及び係合側の両摩擦係合要素がトルクを持つ状態となり、引き込み量が大きくなってフィーリングを悪化させる原因となる。
【0049】
そこで、駆動系振動が重畳するのは出力軸回転速度(No)であるため、図8に併せ示したようにタービン回転速度についてはノイズ除去を目的としたフィルタ処理(カットオフ周波数:F2、伝達関数:L2(s))を、出力軸回転速度には駆動系振動除去を目的としたフィルタ処理(カットオフ周波数:F3、伝達関数:L3(s))をそれぞれ施し、スリップ量を演算する。換言すると、変速の段階(スリップFB制御の開始前と開始後)でそれぞれ異なる態様でスリップ量を演算している。本実施形態では、ノイズ及び駆動系振動等の周波数特性からカットオフ周波数F1〜F3の大きさが、
F3<F1<F2
の関係を有するように設定している。なお、上記各フィルタ処理に係る伝達関数L2(s),L3(s)は、設計されたスリップFB制御系(図6参照)の特性に対して影響を及ぼさない範囲で調整されている。
【0050】
しかしながら、当然低い振動周波数除去を目的としたフィルタ処理(ここでは出力軸回転速度に対するフィルタ処理:L3(s)・No)では遅れが発生する。このため、当該フィルタ処理を行った回転速度を用いて演算するスリップ量は、実際のスリップ量よりも大きく算出されることになる。
【0051】
このフィルタ処理による実スリップ量との誤差は、出力軸回転速度センサ64の出力値を示す生値の出力軸回転速度Noとフィルタ処理後の出力軸回転速度との差であるオフセット量No_Saを取得して、これによりフィルタ処理後の出力軸回転速度を補正してスリップ量を演算することで、回避することが可能となる。すなわち、図8に併せ示すように、フィルタ処理された回転速度Nt,Noに基づくスリップ量(=L2(s)・Nt−L3(s)・No・G1)に対し、上記オフセット量No_Sa分の補正を加えて下式に基づき最終的なスリップ量Spを演算している。
【0052】
Sp=L2(s)・Nt−L3(s)・No・G1+No_Sa
しかしながら、時刻t2においてオフセット量No_Saを単純に生値の出力軸回転速度Noとフィルタ処理後の出力軸回転速度との差(=No−L3(s)・No)から算出すると、出力軸回転速度Noにはセンサーノイズをはじめとするノイズが重畳しているため、取得タイミングの違いによってオフセット量がばらつき、正しく取得できなくなる。図10は、オフセット量の取得タイミングの違いによるオフセット量のばらつきを説明するグラフである。同図に矢印にて示したように、オフセット量の取得タイミングの違いによって、オフセット量がばらつくことがわかる。
【0053】
そこでスリップ検知時刻t2のスリップ量がしきい値r1であることを用いて、Sp(=L2(s)・Nt−L3(s)・No・G1+No_Sa)がしきい値r1となるオフセット量No_Saを取得する。このとき、オフセット量No_Saは、
No_Sa=L2(s)・Nt−L3(s)・No・G1−r1
となる。
【0054】
当該スリップFB制御では、このときのオフセット量No_Saをもとに下式に従ってスリップ検知以後のスリップ量を補正・算出する。
Sp=L2(s)・Nt−L3(s)・No・G1+No_Sa
図11は、このように算出されたオフセット量No_Saの補正を加えたスリップFB制御におけるスリップ量Spの推移を示すグラフである。同図から明らかなように、スリップ中の駆動系振動を除去しつつ、係合側摩擦係合要素が容量を持ち始めた際のスリップ量低下にも遅れることなく、解放側摩擦係合要素を制御することが可能となる。このため、駆動系振動の重畳しない安定した出力軸回転速度No(スリップ量Sp)を用いてスリップFB制御を行うことになり、当該FB制御による振動の励起も抑制される。そして、円滑なクラッチ・ツゥ・クラッチ変速を達成することができる。
(具体的作動)
次に、上記自動変速機の変速制御装置の2速から3速への変速時における具体的な作動について説明する。
【0055】
まず、電気制御装置50のCPUにより実行されるメインルーチンの、特にフィルタリング処理について図12のフローチャートに基づき説明する。このルーチンは、所定時間(例えば5msec)の経過毎に繰り返し実行される。
【0056】
処理がこのルーチンに移行すると、まずステップ101においてCPUは、現在のタービン回転速度Nt及び出力軸回転速度Noを検出する。そして、ステップ102に移行して、下式に基づき現在の実スリップ量Spを演算する。なお、Gear比は、当該変速段に対応するギヤ比G1である。
【0057】
Sp=Nt−No・Gear比
次に、CPUはステップ103に移行して、下式に従いフィルタ処理後のスリップ量Sp_fltを算出する。
【0058】
Sp_flt(n)=a1*Sp_flt(n-1)+b1*Sp(n)+b2*Sp(n-1)
ここで、変数n,n−1は、今回及び前回のルーチンにおける各検出値・演算値であることを示している(以下も同様)。また、係数a1,b1,b2は、当該フィルタ処理(伝達関数L1(s))を離散化することで得られたものである。従って、このスリップ量Sp_fltは、スリップFB制御以外の制御段階に供されるセンサーノイズ、路面外乱等の振動の影響を抑制したスリップ量となっている。例えば、このスリップ量Sp_fltと前記しきい値r1とが大小比較されることで、安定したスリップFB制御への移行が可能となる。
【0059】
フィルタ処理後のスリップ量Sp_fltを算出したCPUは、ステップ104に移行して、下式に従いフィルタ処理後の出力軸回転速度No_fltを算出する。
【0060】
No_flt(n)=c*No_flt(n-1)+d1*No(n)+d2*No(n-1)
ここで、係数c,d1,d2は、当該フィルタ処理(伝達関数L3(s))を離散化することで得られたものである。従って、この出力軸回転速度No_fltは、スリップFB制御に供される駆動系振動を除去した出力軸回転速度となっている。
【0061】
なお、本実施形態ではタービン回転速度Ntのフィルタ処理を割愛しており(L2(s)=1)、検出値のままスリップFB制御に供されるようになっている。ただし、タービン回転速度Ntのノイズ除去を目的としたフィルタ処理を追加してもよく、この場合はステップ104に準じてフィルタ処理後のタービン回転速度を算出する。
【0062】
フィルタ処理後の出力軸回転速度No_fltを算出したCPUは、その後の処理を一旦終了する。
次に、電気制御装置50のCPUにより実行される解放側油圧制御ルーチンについて図13のフローチャートに基づき説明する。このルーチンは、アップシフト変速(ここでは、2速から3速)の変速開始指示が出されることで起動される。従って、このタイミングにおいて、CPUはステップ200からの処理を開始する。そして、CPUはステップ201において、解放初期ランプ制御を開始する。すなわち、CPUは解放側油圧をライン圧PLから急減させその後に徐々に減少させる(図3参照)。
【0063】
次いで、CPUはステップ202に進んでスリップ開始判定を行う。具体的には、フィルタ処理後の現在のスリップ量Sp_fltがしきい値r1より大きいか否かを判断する。ここで、スリップ量Sp_fltは、当該変速段のギヤ比(ここではG1)に対応してメインルーチン(ステップ103)において演算されたものである。
【0064】
この段階でスリップが発生していると、CPUはステップ300のサブルーチンに進み、図14のスリップFB制御を実行する。そして、ステップ301において、スリップFB制御への移行後初めての処理かどうかの初回実行判断を行い、初回実行と判断されるとステップ302に移行する。そして、CPUは制御開始時である現在の指示圧(制御指令値)Piniをフィードバック初期値PFBとして記憶する。
【0065】
次に、CPUはステップ303に進み、当該変速段に対応する比例ゲインKp、積分ゲインKi、誤差フィードバックゲインT、規範モデル係数(an,bn)を読みこみ、ステップ304に進む。なお、規範モデル係数(an,bn)は、規範モデルM(s)を離散化することで得られたものである。
【0066】
ステップ304において、CPUは出力軸回転速度のオフセット量No_Saを下式により取得する。なお、出力軸回転速度No_fltは、前述のメインルーチン(ステップ104)において演算されたものである。
【0067】
No_Sa=Nt−No_flt・G1−r1
次いで、CPUはステップ305に進む。また、ステップ301において初回実行と判断されないと、上述の初期処理が不要であることからそのままステップ305に移行する。ステップ305においてCPUは、当該変速段に対応する目標スリップ量R_Spを読みこみ、更にステップ306に進む。
【0068】
ステップ306においてCPUは、下式に従い現在のスリップ量Spを演算する。
Sp=Nt−(No_flt・G1+No_Sa)
次に、CPUはステップ307に進み、下式に従い規範モデルの出力値MDLoutを演算する。
【0069】
Figure 0004295962
次に、CPUはステップ307にて、上記規範モデルの出力値MDLout(n)からスリップ量Spを減じ、これに誤差フィードバックゲインTを乗じて誤差FB出力値EFBoutを求める。
【0070】
EFBout=(MDLout(n)−Sp)・T
次いで、CPUは図15のステップ309に進み、下式に従い積分器の入力値Iinを演算する。
【0071】
Iin=R_Sp−Sp−EBout
そして、CPUはステップ310に進み、下式に従い比例器の出力値Poutを演算する。
【0072】
Pout=Sp×Kp
さらにCPUはステップ311に進み、下式に従い積分器の出力値Ioutを演算する。なお、SMPLTは、サンプリング時間である。
【0073】
Iout(n)=Ki*(Iout(n-1)+(SMPLT/2)*(Iin(n)+Iin(n-1)))
そして、CPUはステップ312に進み、下式に従い解放側の指示圧(制御指令値)となるIP制御出力値Poutを演算する。
【0074】
IPout=PFB+Iout−Pout
次に、CPUはステップ313にて解放側指示圧(IPout)を所定の上下限の範囲に制限し、ステップ314に進んで演算されたスリップ量Sp(ステップ306)が「0」以下になったか否かの判断によりスリップの消失判定をする。この段階ではスリップが開始した直後であり、後述するように係合側摩擦係合要素に対する供給油圧は小さいので、同係合側摩擦係合要素はトルク伝達を開始していない。従って、スリップ量Spは「0」より大きいため、CPUは所定時間(ここでは5msec)だけ経過するのを待って図14のステップ305に戻る。以降、CPUは、スリップ量Spが「0」以下となるまで、ステップ305〜313の処理を繰り返し実行する。
【0075】
このようにして、スリップ量のフィードバック制御が行われると、図3に示したように、スリップ量は規範モデルM(s)に略一致するように滑らかに増大して行く。この結果、自動変速機のアウトプットトルクの上下変動は小さく、変速フィーリングが良好なものとなる。
【0076】
ここで、電気制御装置50のCPUにより実行される係合側油圧制御ルーチンについて図16のフローチャートに基づき併せて説明する。このルーチンも、アップシフト変速(ここでは、2速から3速)の変速開始指示が出されることで起動される。従って、このタイミングにおいて、CPUはステップ400からの処理を開始する。そして、CPUはステップ401において、係合側油圧を急激に上昇させるプリチャージ制御を開始する(図3参照)。そして、プリチャージ制御を終了すると、CPUはステップ402に進んで係合側油圧をトルク容量が発生する寸前の圧(待機圧)まで上昇させ、スリップ(スリップFB制御)が開始するまでこれを維持する待機圧制御を行う。
【0077】
さらに、スリップ(スリップFB制御)が開始すると、CPUはステップ403に進み、係合側摩擦係合要素に対する制御指令値により、イナーシャ相への移行に必要な圧(棚圧)まで時間経過とともに係合側油圧を徐々に上昇させて当該係合要素による伝達トルクを増大させる棚圧制御を開始する。
【0078】
次に、CPUはステップ404に進み、イナーシャ相への開始判定を行い、開始していなければステップ403に戻って棚圧制御を繰り返す。この結果、時間の経過に伴い係合側摩擦係合要素がトルク伝達を開始し、スリップ量が減少し始める。
【0079】
解放側油圧制御に戻って説明すると、この間、スリップFB制御によってスリップ量を目標値に維持するように解放側油圧が制御される。このため、係合側摩擦係合要素のトルク伝達の開始によりスリップ量が減少し始めると、CPUは同スリップ量を増大させようとして解放側油圧を減少させる。
【0080】
このような経過によりステップ314においてスリップ量が「0」以下になると、CPUはスリップFB制御を終了して、図13の解放側油圧制御ルーチンに戻りステップ203に進む。そして、CPUは解放側油圧を完全ドレンさせるランプ解放制御を行い、更にステップ204に進んで解放側での変速終了処理を行ってその後の処理を終了する。
【0081】
一方、係合側油圧制御のステップ404においてイナーシャ相が開始していると、CPUはステップ405に進んで周知のイナーシャフィードバック制御を行う。
【0082】
次いで、CPUはステップ406に進み、タービン回転速度Ntが変速後である3速のギヤ比G2と出力軸回転速度Noとの積に一致するか否かを判定し、一致していなければステップ405に戻る。その後、タービン回転速度Ntが変速後である3速のギヤ比G2と出力軸回転速度Noの積に一致すると、CPUはステップ407に進んで係合側での変速終了処理を行ってその後の処理を終了する。
【0083】
以上によって2速から3速へのクラッチ・ツゥ・クラッチ変速が終了する。
なお、本実施形態では、2速から3速へのアップシフトでの制御態様について説明したが、表1にて示したその他の変速段へのアップシフトにおいても、同様の変速制御が行われる。
【0084】
次に、本実施形態のスリップFB制御のI−P制御(図5参照)に係る各ゲイン(Ki,Kp)の設計方法について簡単に説明する。本実施形態の各ゲイン(Ki,Kp)の設計方法は、係合側油圧からスリップ量までの伝達関数(制御対象P(s))を周波数領域で実データの伝達関数とフィッテングさせることによって導出する。一方、目標値までの到達時間(言い換えればアウトプットトルクの変化のさせ方)や変速時間などを考慮し、変速フィーリングが最良となる規範モデルを構築する。
【0085】
そして、I−P制御の設計にはモデルマッチング法を採用してゲインを求め、離散化して実装する。ここで、モデルマッチング法とは制御対象P(s)に対してI−P制御を用いて閉ループを構成したときに、閉ループのスリップ量の応答特性が規範モデルと一致あるいは近似できるように積分ゲイン、比例ゲインを算出する。以下、この設計手法の詳細を図17のフローチャートに従って説明する。
【0086】
まずステップ501では、同定実験を行う。つまり、自動変速機30を車体に搭載して係合側油圧からスリップ量までの実際の応答特性を計測する。
ステップ502では、周波数フィッティングによるモデルパラメータ同定を行う。ここでモデルパラメータ同定とは、周波数伝達関数の係数を求めることをいい、この係数を求めることにより上記応答特性の伝達関数が求まる。
【0087】
ステップ503では、変速フィーリングが最良となる規範モデルを導出する。ステップ504では、モデルマッチング法によるI−P制御ゲインの算出を行う。I−P制御を入れたときに規範モデルに一致するように積分ゲイン及び比例ゲインを決める。
【0088】
ステップ505では、性能評価条件を満足するか否かを判断する。性能評価条件を満足しないときはステップ503に戻って規範モデルを作り直し、以下、ステップ503〜505の処理を、ステップ505で性能評価条件を満足すると判断されるまで繰り返す。性能評価条件を満足すれば、ステップ506に移行する。
【0089】
ステップ506においては、コントローラの離散化を行う。すなわち、設計はアナログで連続時間で行うため、マイコン(コントローラ)にデジタルフィルタ(ソフトウェア)として実装するため、アナログ値をデジタル値に変換する離散化を行う。そして、離散化で得られたデータを組み込んだプログラムをマイコンに実装する。
【0090】
なお、本実施形態では、上記各ゲイン(Ki,Kp)の設計を、変速段ごとのみならず、当該変速段での前記ロックアップクラッチ22aの係合・解放状態に応じてもそれぞれ個別に行っている。これは、スリップFB制御の制御対象(解放側油圧からスリップ量までの伝達特性)は、ロックアップクラッチ22aが係合状態(L/U−ON状態)であるか、解放状態(L/U−OFF状態)であるか、あるいはスリップ状態であるかによって大きく変化することによる。
【0091】
図18は、ロックアップクラッチ22aの係合・解放の各状態に対する制御対象の周波数特性を示すグラフである。同図から明らかなように、上記係合状態での制御対象は、解放状態での制御対象に比べてハイゲインとなる周波数特性を示している。
【0092】
従って、ロックアップクラッチ22aの係合状態において最適に設計された制御ゲインを用いて、同解放状態にある制御対象(自動変速機30)に対して解放側摩擦係合要素のスリップFB制御を行うと、同状態での制御対象にはハイゲインとなり、振動・発散し制御不能となって、著しくフィーリングを悪化させる。
【0093】
一方、図19(a)に示すようにロックアップクラッチ22aの解放状態において最適に設計された制御ゲインを用いて、同係合状態にある制御対象(自動変速機30)に対して解放側摩擦係合要素のスリップFB制御を行うと、同状態での制御対象にはローゲインとなり、スリップ量を抑えきれずオーバーシュートが発生してから修正されるため、エンジン吹きやアウトプットトルクの揺り返しが発生する。
【0094】
以上の特性を鑑み、スリップ制御前にロックアップクラッチ22aの状態を把握し、そのときの状態に応じて解放側摩擦係合要素のスリップFB制御のゲインを切り換えるようになっており、これにより、ロックアップクラッチ22aの状態にかかわらず最適なスリップ制御が行うことが可能となる。図19(b)では、ロックアップクラッチ22aの係合状態において最適に設計された制御ゲインを用いて、同係合状態にある制御対象(自動変速機30)に対して解放側摩擦係合要素のスリップFB制御を行った場合を図示している。同図から明らかなように、スリップ量のオーバーシュートすなわちエンジン吹き(タービン吹き)が抑制されている。
【0095】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、算出されたフィルタ処理後のスリップ量Sp_fltがしきい値r1を超えたと判定されたとき、スリップFB制御が行われる。また、スリップFB制御の開始に連携して係合側油圧が増大される。これにより、係合側摩擦係合要素の受け持ちトルクが上昇し、逆に解放側摩擦係合要素はスリップ量Spが目標スリップ量R_Sp(目標値r2)に追従するように制御されて解放されていく。この状態が進行し、係合側摩擦係合要素が十分なトルクを持つとスリップが消失する。このように、変速ショックを抑制する理想的な軌跡を描くようにスリップ量Spがフィードバック制御されることで、そのアウトプットトルクも変速フィーリングが最良となるように推移する。そして、スリップ量Spが上記しきい値r1から目標値r2に到達するまでの過渡状態においてもフィードバック制御されることで、スリップ変化も安定化でき、変速フィーリングを向上できる。
【0096】
(2)本実施形態では、フィルタ処理後のスリップ量Sp_fltを用いてスリップFB制御の開始判定を行った。従って、センサーノイズ・路面外乱等の振動を除去することで、開始判定の誤判定を防止できる。
【0097】
また、フィルタ処理後の出力軸回転速度No_fltに基づき算出されたスリップ量を用いてスリップFB制御を行った。従って、スリップ中に発生する駆動系振動を除去することで、その影響の抑制されたスリップFB制御を行うことができる。
【0098】
このように変速制御のフェーズ(スリップFB制御の開始前と開始後)に応じてスリップ量の算出方法を切り替えることで、各フェーズごとに好適な制御が可能となる。
【0099】
(3)本実施形態では、ロックアップクラッチ22aの係合・非係合に応じて異なる制御ゲインを設定してスリップFB制御することで、各状態ごとに好適な制御が可能となる。
【0100】
(4)本実施形態では、誤差フィードバックを追加したことで、量産化に伴う個体差ばらつきや、入力トルクの変化・油(ATF)の温度変化による特性変動・摩擦係合要素の摩耗や油(ATF)劣化の経年変化などの外乱の影響を受ける場合においても、目標スリップ量への追従性を向上しアウトプットトルク変動を抑制し、安定したスリップの発生が可能となる。
【0101】
(5)本実施形態では、フィードバック制御系のスリップ量の応答特性が、規範モデルM(s)の応答特性と一致または近似するようにI−Pコントローラの比例ゲイン及び積分ゲインを調整した。従って、I−Pコントローラの比例ゲイン及び積分ゲインを闇雲に調整する手法に比べ、短期間で所要性能を有するI−Pコントローラを設計できる。
【0102】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図20及び図21に従って説明する。なお、第2実施形態は、スリップFB制御としてH∞制御を応用したことが第1実施形態と異なる構成であり、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。すなわち、第1実施形態では、対象となる自動変速機30の特性を周波数領域で把握し、モデルマッチングにより理想的なスリップ応答が得られるI−P制御の各ゲインを導出したが、本実施形態では以下の態様でI−P制御の各ゲインを導出する。
【0103】
まず図20に示すように、制御対象P(s)に対しH∞コントローラK(s)を用いて閉ループを構成する。そして、このときに所要の応答が得られるよう、目標値(スリップ量)w1から実スリップ量(観測量)yまでの間の伝達関数が規範モデルM(s)と等価となるように、追従性を確保するための重み関数を調整してH∞コントローラK(s)を設計する。すなわち、制御対象P(s)の応答を規範モデルM(s)の応答に近づけるコントローラを得るための問題を、目標値w1から制御量z1(規範モデルM(s)の出力と観測量yとの偏差)までの伝達関数に係るH∞制御問題に帰着させる。そして、H∞ノルムが条件を満足するように追従性を確保するための重み関数を調整してH∞コントローラK(s)を設計する。
【0104】
また、実モデルとの誤差や特性変動を乗法的変動Δ(s)として扱い、乗法的変動Δ(s)への入力を制御量z2として捉えるとともに、乗法的変動Δ(s)からの出力を摂動入力w2(一般化プラントヘの入力)として捉える。そして、制御量z2に対する摂動入力w2の影響が抑制されるように、摂動入力w2から制御量z2までの間の伝達関数を安定性を確保するための重み関数にて調整してH∞コントローラK(s)を設計する。すなわち、特性変動等の影響を抑制するコントローラを得るための問題を、摂動入力w2から制御量z2までの伝達関数に係るH∞制御問題に帰着させる。そして、H∞ノルムが条件を満足するように安定性を確保するため重み関数を調整してH∞コントローラK(s)を設計する。
【0105】
本実施形態では、定数スケーリング行列付きH∞制御問題として図21に示す外部入力w(s)、制御入力u(s)、制御量z(s)、観測量y(s)からなる「一般化プラント」から、コントローラK(s)を求める。ここで、wm1(s),wm2(s)は、それぞれ追従性を確保するための重み関数、安定性を確保するため重み関数である。また、Dはスケーリング行列である。この定数スケーリング行列付き一般化プラントに対する周知のH∞制御問題を解析することでH∞コントローラK(s)を設計する。
【0106】
H∞コントローラの設計は、上記重み関数wm1(s),wm2(s)を調整して行われる。この重み関数wm2(s)は制御対象の特性のばらつきでほぼ一意に決まるために、比較的設計の自由度があるのは重み関数wm1(s)である。従って、目標スリップ量(w1)から実スリップ量y(制御量z1)までの伝達関数のゲイン特性が低周波でばらつかないように重み関数wm1(s)を調整してH∞コントローラを設計する。
【0107】
次に、以上の態様で設計されたH∞コントローラK(s)を、その特性を失わないように低次元化し、I−P制御として各ゲインを導出して実装する。
なお、設計されたH∞コントローラK(s)を、その特性を失わないように低次元化するのみで実装してもよい。
【0108】
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果が得られるようになる。
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
【0109】
・前記第1実施形態においては、タービン回転速度Ntをそのまま用いてスリップ量Spを算出した。これに対し、例えばセンサーノイズを除去しうるフィルタ処理後のタービン回転速度を用いてスリップ量を算出してもよい。この場合、センサーノイズを除去することで、その影響の抑制されたスリップFB制御を行うことができる。
【0110】
・前記第2実施形態においては特に言及していないが、実スリップ量yの算出に供されるタービン回転速度Nt及び出力軸回転速度Noに適宜のフィルタ処理を加えてもよい。
【0111】
・前記各実施形態において採用されたシステム構成は一例であってその他の構成を採用してもよい。
【0112】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1乃至に記載の発明では、良好な変速フィーリングが得られる自動変速機の変速制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動変速機の油圧制御装置を車両に搭載した場合の概略図。
【図2】図1に示した自動変速機のスケルトン図。
【図3】2速から3速への変速が行われる際の解放側及び係合側指示圧、解放側及び係合側油圧、回転速度、実スリップ量を示すタイムチャート。
【図4】規範モデルのブロック線図。
【図5】フィードバック制御系のブロック線図。
【図6】フィードバック制御系のブロック線図。
【図7】誤差フィードバックの作用を示すタイムチャート。
【図8】全システムのブロック線図。
【図9】フィルタ処理の作用を示すタイムチャート。
【図10】オフセット処理の作用を示すタイムチャート。
【図11】フィルタ処理及びオフセット処理の作用を示すタイムチャート。
【図12】図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンのフローチャート。
【図13】図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンのフローチャート。
【図14】図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンのフローチャート。
【図15】図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンのフローチャート。
【図16】図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンのフローチャート。
【図17】図1に示した電気制御装置のCPUが実行するルーチンのフローチャート。
【図18】ロックアップクラッチの係合・非係合に応じた周波数特性を示すグラフ。
【図19】ロックアップクラッチの係合・非係合に応じた応答特性を示すグラフ。
【図20】H∞制御のコントローラを設計するためのブロック線図。
【図21】H∞制御の一般化プラントのブロック線図。
【図22】従来のスリップFB制御を示すタイムチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、21…流体式伝達機構、22a…ロックアップクラッチ、30…自動変速機、31…入力軸、32…出力軸、40…油圧制御回路、50…スリップ量算出手段、判定手段、目標スリップ量算出手段、解放側制御手段、係合側制御手段、及び誤差フィードバック制御手段を構成する電気制御装置、63…タービン回転速度センサ、64…出力軸回転速度センサ、M(s)…規範モデル、P(s)…制御対象。

Claims (4)

  1. 複数の摩擦係合要素の各々に付与する油圧を制御して該摩擦係合要素を係合状態又は解放状態に維持することにより所定の変速段を達成し、一の変速段から他の変速段への変速にあたり解放側摩擦係合要素に付与する油圧を減少させて該解放側摩擦係合要素による伝達トルクを減少させることによりスリップを発生させるとともに、係合側摩擦係合要素に付与する油圧を増大させて該係合側摩擦係合要素による伝達トルクを増大させる自動変速機の変速制御装置であって、
    前記自動変速機の入力軸回転速度及び出力軸回転速度に基づき前記解放側摩擦係合要素のスリップ量を算出するスリップ量算出手段と、
    前記算出されたスリップ量と所定のしきい値との大小比較を行う判定手段と、
    前記しきい値から変速ショックを抑制するように予め定めた所定の目標値へと推移して該目標値を維持する目標スリップ量を算出する目標スリップ量算出手段と、
    前記判定手段により前記算出されたスリップ量が前記しきい値を超えたと判定されたとき、該算出されたスリップ量と前記算出された目標スリップ量とが等しくなるようにするとともに、スリップ中のアウトプットトルクの変化を抑えつつ、前記目標値に対してオーバーシュートすることなく前記目標値へと移行する規範モデルに基づいて前記解放側摩擦係合要素のスリップ量を前記目標値に対してオーバーシュートすることなく前記目標値に到達させるようにフィードバック制御する解放側制御手段と、
    記フィードバック制御の開始と同時に前記係合側摩擦係合要素に付与する油圧をイナーシャ相への移行に必要な値の棚圧へと増大させる係合側制御手段とを備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記判定手段により前記しきい値と大小比較される前記スリップ量は、第1所定周波数成分を除去する第1フィルタ処理後のスリップ量であり、
    前記解放側制御手段により前記目標スリップ量と等しくなるようにされる前記スリップ量は、第2所定周波数成分を除去する第2フィルタ処理後の前記入力軸回転速度及び第3所定周波数成分を除去する第3フィルタ処理後の前記出力軸回転速度に基づき算出されたスリップ量であることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記自動変速機の入力軸及び出力軸を直結可能なロックアップクラッチを備え、
    前記解放側制御手段は、前記ロックアップクラッチの係合・非係合に応じて異なるフィードバック制御の制御ゲインを設定することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記目標スリップ量算出手段は、前記しきい値から前記目標値へのステップ状に変化する入力を与えたときに前記目標スリップ量を出力する規範モデルにより構成されてなり、
    前記規範モデルの出力と前記算出されたスリップ量との偏差をフィードバックさせる誤差フィードバック制御手段を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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