JP4295774B2 - ワイヤーロープの探傷装置 - Google Patents

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本発明は、ワイヤーロープの探傷装置に係り、特に、ワイヤーロープを長手方向に磁化し、ワイヤーロープの円周方向に配置された複数の磁気検出手段により損傷部からの漏洩磁束を検出する探傷装置における演算部の構成に関する。
エレベーター、リフト、ケーブルカー、クレーン等に使用されているワイヤーロープは、疲労や摩耗により、構成要素である鋼線が順次破断する。この破断量は経年的に増加し、破断量が所定の量を超えたとき、ワイヤーロープは寿命に至ったと判断されて交換が行なわれる。そのため、定期的な検査により鋼線の破断量を計測し、ワイヤーロープが安全に使用できるか否かを評価する必要がある。
従来、使用中のワイヤーロープの破断量を検査する方法としては、目視による検査が一般的であった。しかし、目視による検査では、作業に長時間を要するばかりでなく、ワイヤーロープの破断量を定量的に計測することができないという問題がある。
この問題を解決するものとして、近年、電磁気探傷法を用いた探傷装置(ワイヤーロープテスタ)によりワイヤーロープの破断量を自動的かつ定量的に計測する装置が提案されている。例えば、特許文献1では、1組の永久磁石を用いてワイヤーロープを長手方向に磁化し、鋼線の破断部から漏洩する磁束を検出するためのプローブコイルを磁石間に配置して、鋼線の破断を検査する装置が開示されている。
また、特許文献2では、各ストランドの損傷を評価できるように、ワイヤーロープの外周に複数個の磁気検出手段を円環状に設置した探傷装置が提案されている。
特開平7−198684号公報(第7頁、図1) 特開2002−5896号公報(第8頁、図2)
従来のワイヤーロープの使用環境においては、シーブあるいはプーリと接触する最外層の鋼線に破断が生じていた。しかしながら、近年のワイヤーロープは使用法が多岐にわたり、さらにはワイヤーロープの構造も複雑になっているため、ワイヤーロープの内部に存在する鋼線が破断する場合もある。
上記特許文献1並びに上記特許文献2に示す探傷装置は、磁気検出手段で得られる出力波形のピークの有無により、鋼線の破断の有無を評価しているので、鋼線の破断位置がワイヤーロープの内部に存在し、破断部位と磁気検出センサの距離が遠い場合には、磁気検出センサの出力が小さくなり、ワイヤーロープの損傷度を正確に判定することができない。
本発明は、このような従来技術の不備を解決するためになされたものであって、その目的は、鋼線の破断位置に関わりなく、ワイヤーロープの損傷度を正確に判定できる探傷装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、ワイヤーロープを長手方向に磁化する磁化手段と、ワイヤーロープの円周方向に配置され、前記ワイヤーロープの破断部からの漏洩磁束を検出して、検出された漏洩磁束の大きさに応じた出力信号を出力する複数個の磁気検出手段と、これら複数個の磁気検出手段の出力信号値を比較する比較器と、前記複数個の磁気検出手段の出力信号値の和に基づいて前記ワイヤーロープの損傷度を判定する演算部とを備え、前記比較器は、前記ワイヤーロープの周方向に関して前記出力信号値が大きい順に予め定められた個数の磁気検出手段を特定し、前記演算部は、前記出力信号値が最も大きい磁気検出手段及びその両隣に配置された磁気検出手段の出力信号値から鋼線の破断位置を求めると共に、前記3個の磁気検出手段を少なくとも含む予め定められた個数の磁気検出手段の出力信号値に、これらの各磁気検出手段と前記鋼線の破断位置との距離に応じた係数を乗じ、当該係数が乗じられた各出力信号値の和に基づいて前記ワイヤーロープの損傷度を判定することを特徴とする。このように、磁気検出手段の出力信号値に各磁気検出手段と鋼線の破断位置との距離に応じた係数を乗じると、鋼線の破断位置に応じて磁気検出手段の出力信号値を調整できるので、鋼線の破断位置がワイヤーロープの外周部分であるか内周部分であるかに関係なく、ワイヤーロープの損傷度を正確に判定することができる。
第2に、前記第1の構成のワイヤーロープの探傷装置において、前記各磁気検出手段と鋼線の破断位置との距離に応じた係数が記憶された記憶部を備え、前記演算部は、前記鋼線の破断位置を求めた後、前記各磁気検出手段について、前記鋼線の破断位置との距離に応じた係数を前記記憶部から読み出し、前記各磁気検出手段の出力信号値にそれぞれ乗じることを特徴とする。このように、磁気検出手段と鋼線の破断位置との距離に応じた係数を予め記憶部に記憶しておくと、演算部における演算を効率的に行うことができるので、ワイヤーロープの損傷度を迅速に評価できる。
第3に、前記第1又は第2の構成のワイヤーロープの探傷装置において、前記各磁気検出手段についての校正値及び位置情報が記憶された記憶部と、前記校正値及び前記位置情報に基づいて前記各磁気検出手段の出力信号値を補正する補正器を備えることを特徴とする。このように、各磁気検出手段の校正を行う補正器を備えると、信頼性の高い磁気検出を行うことができるので、探傷装置の信頼性を高めることができる。
第4に、前記第1乃至第3の構成のワイヤーロープの探傷装置において、前記磁気検出手段の出力信号を磁気検出手段毎に時定数が異なる時間遅れ回路に入力し、前記演算部は、前記時間遅れ回路を通過した前記磁気検出手段の出力信号に前記係数を乗じることを特徴とする。このように、各磁気検出手段の出力信号を所定の時定数を有する時間遅れ回路に入力すると、ワイヤーロープの各断面に関しての損傷度を評価することができる。
第5に、前記第1乃至第4の構成のワイヤーロープの探傷装置において、前記複数個の磁気検出手段のうち、少なくとも1つの磁気検出手段の出力信号については、時定数が異なる2つの時間遅れ回路に入力し、前記演算部は、前記時間遅れ回路を通過して前記演算部に入力される全ての前記磁気検出手段の出力信号が前記ワイヤーロープの同一断面に関するものになるように、前記2つの時間遅れ回路を通過した出力信号のいずれかを選択することを特徴とする。このように、磁気検出手段に対する時間遅れ回路の接続及び各時間遅れ回路を通過した出力信号の選択を行うと、無効データの発生を防止できるので、演算部における演算を効率的に行うことができる。
第6に、前記ワイヤーロープを前記磁気検出手段に対して一定速度で移動し、前記演算部は、前記ワイヤーロープの所定長さ毎の前記磁気検出手段の出力信号値の総計を、前記所定長さの範囲における前記磁気検出手段の出力信号値とすることを特徴とする。これにより、ワイヤーロープの長さ方向の全範囲にわたって損傷度を評価することができる。
本発明のワイヤーロープの探傷装置は、磁気検出手段の出力信号値に各磁気検出手段と鋼線の破断位置との距離に応じた係数を乗じ、当該係数が乗じられた各出力信号値の和に基づいてワイヤーロープの損傷度を判定するので、鋼線の破断位置に応じて磁気検出手段の出力信号値を調整することができ、鋼線の破断位置がワイヤーロープの外周部分であるか内周部分であるかに関係なく、ワイヤーロープの損傷度を正確に判定することができる。
以下、本発明の実施形態を、図を用いて説明する。
図1に示すように、本例のワイヤーロープの探傷装置は、ワイヤーロープ1を長手方向に磁化する磁化器(磁化手段)2と、ワイヤーロープ1の周囲を取り囲むようにワイヤーロープ1の円周方向に22・5度間隔で配置された16個の磁気センサ(磁気検出手段)3a〜3pと、これら16個の磁気センサ3a〜3pの出力信号値を補正する補正器4と、補正器4で使用する各磁気センサ3a〜3pについての校正値及び位置情報が記憶された第1記憶器(記憶部)5aと、補正器4にて補正された磁気センサ3a〜3pの出力信号値の大小を比較する比較器6と、補正器4にて補正された磁気センサ3a〜3pの出力信号値の和に基づいてワイヤーロープの損傷度を判定する演算部7と、演算部7で使用する係数が記憶された第2記憶器(記憶部)5bと、演算部7の出力信号を外部に出力する出力器8とから主に構成されている。
ワイヤーロープ1としては、複数の鋼線を撚り合わせることにより構成されるもの、複数の鋼線を撚り合わせてストランドとし、さらに複数のストランドを撚り合わせることにより構成されるものなど、公知に属する任意のワイヤーロープを対象とすることができる。
磁化器2としては、電磁式のものを用いることもできるし、永久磁石式のものを用いることもできる。磁化器2の構成については、公知に属する事項であり、かつ本発明の要旨でもないので省略する。
磁気センサ3a〜3pとしては、ワイヤーロープ1の破断部からの漏洩磁束を検出して、検出された漏洩磁束の大きさに応じた電気信号を出力するものが用いられる。磁気センサ3a〜3pの構成についても、公知に属する事項であり、かつ本発明の要旨でもないので省略する。
補正器4は、記憶器5aに蓄えられた各センサの校正値と位置情報に基づき磁気センサ3a〜3pの出力信号を補正し、比較器6に出力する。
比較器6で行われる処理の内容を、図3のフローチャートを用いて説明する。比較器6では、入力された16個の出力信号のうち、最も値の大きなものを一次ピークと設定する。次に、一次ピークとなった磁気センサに隣接する2つの磁気センサのうち、出力の大きい方を二次ピークとする。比較器6からの出力は、一次ピークを第一出力、二次ピークを第二出力とし、以下この2つの磁気センサに近いものから三次、四次と順に設定する。
図2には、ワイヤーロープ1の断面内での損傷部位と16個の磁気センサ3a〜3pとの位置関係を示す。損傷部位13に対して磁気センサ3bが最も近いため、この磁気センサ3bの出力が最も大きくなる。したがって、一次ピークは磁気センサ3bの出力となり、これが第一出力となる。磁気センサ3bに隣接する磁気センサは3aと3cである。損傷部13が磁気センサ3aと3bの間に存在する場合、磁気センサ3aの出力が2番目に大きくなるため、二次ピークは磁気センサ3aの出力となり、これが第二出力となる。以後、第三出力は一次ピークの磁気センサ3bに近い磁気センサ3c、第四出力は磁気センサ3p、第五出力は磁気センサ3d・・・となる。
次に、演算器7で行われる処理の内容を、図4のフローチャートを用いて説明する。演算器7では、比較器6からの出力に対して、記憶器5bに蓄えられた所定の係数を乗じた後に、出力の和を求める。このときの和をとる出力の個数は、検査対象であるワイヤーロープ1の種類に応じて予め適切な値を定めておく。この和がワイヤーロープの損傷度を評価するための指標となるので、この値が所定値より大きい場合には損傷ありと判断され、出力器8に計算された値が出力される。
次に、演算器7で磁気センサ3a〜3pの出力に乗じられる係数の算出手順について説明する。磁気センサ3a〜3pが検出する磁束の大きさVは、損傷部13と各磁気センサ3a〜3pとの距離rの二乗に反比例し、式(1)のように表される。
Figure 0004295774
ここで、Kは磁気センサの校正値、mは損傷部から漏洩する磁束の大きさである。なお、磁気センサ3a〜3pが指向性を有する場合は、この関係は次の式のように補正される。
Figure 0004295774
ここで、θは磁気センサ3a〜3pの検出面の法線方向から損傷部13までのずれ角を表す。また、f(θ)は指向性による感度の違いを補正するための関数である。ロープ内部の任意の位置に生じた損傷による磁束mにより、各磁気センサ3a〜3pが検出する磁束は式(2)で求められる。任意の損傷部で生じる磁束mを各磁気センサ3a〜3pの出力の線形和で表すということは、式(3)が成立することを意味する。
Figure 0004295774
このときv、v、・・・vは、磁気センサの第1出力、第2出力、…第n出力であり、a、a、・・・aは、各出力に乗じられる係数である。式(2)より、任意のmに対するv、v、・・・vは算出できるが、係数a、a、・・・aは未定数である。損傷mと各磁気センサ出力Vの関係がp組の場合、式(3)はマトリクス形式で式(4)のように記載できる。
Figure 0004295774
Mはp×lの磁束mのベクトル、Aはn×lの係数aのベクトル、Vはp×nのセンサ出力Vのマトリクスである。このときpがnより大きければ、Vの擬似逆行列V+とMの積を求めることで、式(5)のように係数ベクトルAが求められる。
Figure 0004295774
式(5)のように擬似逆行列を用いて係数ベクトルAを求めることは、P組のデータに対して式(3)の最小二乗近似解を求めることに相当する。したがって、実験的もしくは解析的に、位置と大きさが既知である損傷と、そのときの磁気センサの計測値により、式(5)を解けばよい。
係数ベクトルAの計算例を次に示す。図5に示すように磁気センサ3a〜3fの6個に対して、磁気センサ3cと磁気センサ3dに挟まれる領域14を考え、領域14内に損傷13が存在する場合を考える。損傷13から最も近いのが磁気センサ3dであるとき、磁気センサ3dが第1出力となる。式(2)中のf(θ)=cosβとしたとき、損傷mに対する磁気センサ3aから磁気センサ3fの出力v〜vを計算する。領域内に損傷が発生する確率が等しいと仮定する場合は、領域内に均等に損傷を発生させた場合の出力を式(2)により計算する。図6に示すように、磁気センサがロープ中心から6mmの距離にあり、ロープ中心を向いている場合を考える。ロープ中心を原点とし、x=0となるように磁気センサ3cを配置し、他の磁気センサは22.5度づつずれて配置されている。このとき、x=1mm、y=3.5mmの位置にm=1×10−6[Wb]の磁束を発生させる境傷が存在する場合、各磁気センサの出力を式(2)により求めると、K=1.0とした場合、図7のように求められる。同様に、他の場所に損傷が存在する場合の各センサ出力を求める。その値により式(5)を計算すると、第1、第2出力であるセンサ3c,3dに乗じる係数は+1.389×10−5、第3,第4出力である磁気センサ3b,3eの係数は−3.169×10−5、第5,第6出力であるセンサ3a,3fの係数は+1.942×10−4となる。この係数により計算される値が、損傷mとなる。図8には、この係数を用いて式(4)により求めたMの推定値のヒストグラムを示す。推定値の最小値は0.987×10−6[Wb]であり、最大値は1.021×10−6[Wb]である。よって、最大誤差は2.1%であることから、式(3)を用いた損傷の大きさの推定が、実用上問題ない精度で可能であることがわかる。
また、損傷mの大きさが算出された場合、式(2)より各磁気センサから損傷mまでの距離が算出できる。第1出力の磁気センサと第2出力の磁気センサの間に損傷mは存在しているので、両センサからの距離から、損傷の位置が算出できる。
なお、この実施例1では、磁気センサを16個用いた場合について説明したが、磁気センサの数は少なくとも4個以上であるならば数に制限はない。
図9に、実施例2に係るワイヤーロープ探傷装置の構成を示す。本例のワイヤーロープ探傷装置は、演算部10の前段に時間遅れ回路9a〜9pを備え、演算部10は、これらの時間遅れ回路9a,9b,9c・・・を通過した磁気センサ3a〜3pの出力信号に係数を乗じることを特徴とする。
実施例1のワイヤーロープ探傷装置と同様に、本例のワイヤーロープの探傷装置も、ワイヤーロープ1を長手方向に磁化する磁化器2と、ワイヤーロープ1の周囲を取り囲むようにワイヤーロープ1の円周方向に22・5度間隔で配置された16個の磁気センサ3a〜3pとを備えている。磁気センサ3a〜3pの出力は、時間遅れ回路9a〜9pを通過した後に、演算器10に入力される。
演算器10は、時間遅れ回路9aの出力、時間遅れ回路9bの出力、時間遅れ回路9cの出力の順に時間遅れ回路9pの出力まで順に読み込み、これら16個の時間遅れ回路9a〜9p の出力を入力の順番に処理する。演算器10で行われる処理の内容を、図10のブロック線図を用いて説明する。ある時刻tの入力値x[t]に係数k0を乗じ、また、1ステップ前の入力値x[t−1]に係数k1を乗じる。この処理をmステップ前の入力値x[t−m]まで繰り返し、それら全ての総和がy[t]となる。このy[t]からnステップ前の値y[t−n]までの総和V[t]が演算器10の出力であり、出力器8に渡される。センサ出力の和を求めるためのステップ数mについては、設置された16個の磁気センサのうちから、特定の鋼線が破断した場合に出力が得られる範囲で設定すればよい。即ち、破断がワイヤーロープ1の表面部分の鋼線にのみ生じた場合、破断した鋼線と反対側に設置された磁気センサはほとんど出力が得られないので、この磁気センサの出力をセンサ出力の和を求めるための出力として利用する必要はない。したがって、ステップ数mとしては、設置された磁気センサの数よりも少ない数を設定できる。例えば、センサ数が16個の場合にステップ数mとして6に設定すると、6/16周分のセンサ出力で処理を行うことができる。また、センサ出力の総和y[t]の和を取るためのステップ数nは、ワイヤーロープ1の1ピッチに相当する量とすればよい。例えば、ワイヤーロープ1の1ピッチが60mmであり、5mmピッチで計測を行なう場合は、60mmを5mmで割った12がnとなる。
なお、この実施例では、ステップ数m、nを、それぞれm=6、n=12としたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、目的に応じて適宜決定すればよい。
図11に、実施例3に係るワイヤーロープ探傷装置の構成を示す。本例のワイヤーロープ探傷装置は、磁気センサ3a,3b,3c,3d,3eの出力をそれぞれ時定数が異なる2つの時間遅れ回路9aと9q、9bと9r、9cと9s、9dと9t、9eと9uに入力することを特徴とする(図11では、9tと9uについての図示を省略している。)。
実施例1のワイヤーロープ探傷装置と同様に、本例のワイヤーロープの探傷装置も、ワイヤーロープ1を長手方向に磁化する磁化器2と、ワイヤーロープ1の周囲を取り囲むようにワイヤーロープ1の円周方向に22・5度間隔で配置された16個の磁気センサ3a〜3pとを備えている。磁気センサ3a〜3pの出力は、時間遅れ回路9a〜9uを通過した後に、演算器11に入力される。
本例のワイヤーロープの探傷装置においては、磁気センサ3a〜3pの出力は、時間遅れ回路9a〜9pに入力される。また、磁気センサ3a〜3eの出力は、時間遅れ回路9a〜9eとはそれぞれ時定数が異なる時間遅れ回路9q〜9uにも重複して入力される。したがって、演算器11には、磁気センサ16個+重複分5個の計21個の値が入力される。
演算器11は、時間遅れ回路9aの出力、時間遅れ回路9bの出力、時間遅れ回路9cの出力の順に時間遅れ回路9uの出力まで順に読み込み、これら21個の時間遅れ回路9a〜9u の出力を入力の順番に処理する。演算器11で行われる処理の内容を、図12のブロック線図を用いて説明する。ある時刻tの入力値x[t]が時間遅れ回路9dの出力だった場合、1ステップ前の入力値x[t−1]は時間遅れ回路9cの出力であり、2ステップ前の入力値x[t−2]は時間遅れ回路9bの出力である。また、3ステップ前の入力値x[t−3]は時間遅れ回路9aの出力である。従って、このとき処理されるデータは、同一断面を計測した時の磁気センサ3aから3dの出力となり、出力y[t]は有効なデータとなる。しかしながら、ある時刻tの入力値x[t]が時間遅れ回路9aの出力だった場合、1ステップ前の入力値x[t−1]は時間遅れ回路9uの出力であり、このデータは同一断面のものではないため、この出力は無効なデータである。このように、計測タイミングに応じて、算出されるデータは有効の場合と無効の場合が存在する。つまり、一周の磁気センサのデータが切り替わる部分では、評価値が無効となるため、その影響を排除するため、本例の演算器11においては、出力y[t]に係数αが掛けられ、y’[t]となる。この係数は、有効なデータの場合は1に設定され、無効なデータに対しては0に設定される。この係数αの切り替えは、磁気センサの個数に応じて所定のタイミングで制御される。したがって、有効なy[t]がロープの1ピッチ分だけ加算されて出力V[t]となり、これが出力器6に出力される。
なお、実施例1〜3は、本発明に係るワイヤーロープの探傷装置の代表的な実施例を説明するためのものであって、本発明の要旨がこれに限定されるものではない。例えば、磁気センサ及び時間遅れ回路の数については、前記各実施例に挙げたものに限定されるものではなく、必要に応じて適時設定できる。
実施例1に係るワイヤーロープ探傷装置の構造図である。 ワイヤーロープの構造及び破断部の位置と磁気センサの位置関係を示す図である。 比較器6での処理内容を示すフローチャートである。 演算器7での処理内容を示すフローチャートである。 ロープ内部の損傷と近傍センサの位置関係を示す図である。 ロープ内部の損傷と近傍センサの位置関係を示す図である。 ロープ内部に損傷が存在する場合の近傍センサ出力の計算例である。 実施例1にて推定された磁束の大きさの分布を示すヒストグラムである。 実施例2に係るワイヤーロープ探傷装置の構造図である。 演算器10での処理内容を示すブロック線図である。 実施例3に係るワイヤーロープ探傷装置の構造図である。 演算器11での処理内容を示すブロック線図である。
符号の説明
1 ワイヤーロープ
3a〜3p 磁気センサ
4 補正器
5a,5b 記憶器
6 比較器
7,10,11 演算器
9a〜9u 時間遅れ回路
13 ワイヤーロープの損傷部

Claims (6)

  1. ワイヤーロープを長手方向に磁化する磁化手段と、ワイヤーロープの円周方向に配置され、前記ワイヤーロープの破断部からの漏洩磁束を検出して、検出された漏洩磁束の大きさに応じた出力信号を出力する複数個の磁気検出手段と、これら複数個の磁気検出手段の出力信号値を比較する比較器と、前記複数個の磁気検出手段の出力信号値の和に基づいて前記ワイヤーロープの損傷度を判定する演算部とを備え、
    前記比較器は、前記ワイヤーロープの周方向に関して前記出力信号値が大きい順に予め定められた個数の磁気検出手段を特定し、
    前記演算部は、前記出力信号値が最も大きい磁気検出手段及びその両隣に配置された磁気検出手段の出力信号値から鋼線の破断位置を求めると共に、前記3個の磁気検出手段を少なくとも含む予め定められた個数の磁気検出手段の出力信号値に、これらの各磁気検出手段と前記鋼線の破断位置との距離に応じた係数を乗じ、当該係数が乗じられた各出力信号値の和に基づいて前記ワイヤーロープの損傷度を判定することを特徴とするワイヤーロープの探傷装置。
  2. 前記各磁気検出手段と鋼線の破断位置との距離に応じた係数が記憶された記憶部を備え、前記演算部は、前記鋼線の破断位置を求めた後、前記各磁気検出手段について、前記鋼線の破断位置との距離に応じた係数を前記記憶部から読み出し、前記各磁気検出手段の出力信号値にそれぞれ乗じることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーロープの探傷装置。
  3. 前記各磁気検出手段についての校正値及び位置情報が記憶された記憶部と、前記校正値及び前記位置情報に基づいて前記各磁気検出手段の出力信号値を補正する補正器を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワイヤーロープの探傷装置。
  4. 前記磁気検出手段の出力信号を磁気検出手段毎に時定数が異なる時間遅れ回路に入力し、前記演算部は、前記時間遅れ回路を通過した前記磁気検出手段の出力信号に前記係数を乗じることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のワイヤーロープの探傷装置。
  5. 前記複数個の磁気検出手段のうち、少なくとも1つの磁気検出手段の出力信号については、時定数が異なる2つの時間遅れ回路に入力し、前記演算部は、前記時間遅れ回路を通過して前記演算部に入力される全ての前記磁気検出手段の出力信号が前記ワイヤーロープの同一断面に関するものになるように、前記2つの時間遅れ回路を通過した出力信号のいずれかを選択することを特徴とする請求項4に記載のワイヤーロープの探傷装置。
  6. 前記ワイヤーロープを前記磁気検出手段に対して一定速度で移動し、前記演算部は、前記ワイヤーロープの所定長さ毎の前記磁気検出手段の出力信号値の総計を、前記所定長さの範囲における前記磁気検出手段の出力信号値とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のワイヤーロープの探傷装置。
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