JP4295551B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高効率ディーゼルエンジン等を搭載した車両であっても、車内を迅速に暖房することのできる車両用空調装置として、流量調整手段及び車内側熱交換器に減圧手段を並列接続してなる熱交換媒体回路を設け、エンジン冷却水温度が十分に上昇していない場合、コンプレッサを駆動してエンジンの駆動負荷を上昇させ、冷却水温度を強制的に早期に上昇させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3292716号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記車両用空調装置では、コンプレッサの再起動時、外気導入モードが選択されている場合や、車内への送風量が大きい場合に、車内への送風温度を安定させることができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、車内への送風温度を安定させて所望の暖房性能を確保することのできる車両用空調装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
空調ユニット内に設けられ、エンジンの冷却水が流動するヒータコアと、
前記エンジンの冷却水温度を検出する水温検出手段と、
前記エンジンからの動力をコンプレッサに伝達又は遮断するクラッチと、
前記コンプレッサ、該コンプレッサから吐出された熱交換媒体を減圧する第1減圧手段、該第1減圧手段で減圧された熱交換媒体流量を調整する流量調整手段、該流量調整手段を通過した熱交換媒体と周囲の空気とで熱交換する車内側熱交換器を環状に接続し、前記第1減圧手段、流量調整手段及び車内側熱交換器に第2減圧手段を並列接続してなる熱交換媒体回路と、
前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の圧力を検出する吐出圧力検出手段、前記コンプレッサに吸入される熱交換媒体の圧力を検出する吸入圧力検出手段、又は、前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の温度を検出する吐出温度検出手段のうち、少なくともいずれか1つと、
前記水温検出手段で検出されるエンジンの冷却水温度に基づいて、前記ヒータコアのみでは暖房が不十分であると判断すれば、前記クラッチを接続してコンプレッサを駆動させると共に、前記いずれかの検出手段からの検出信号に基づいて、前記流量調整手段によりエンジンの冷却水温度の違いに応じて流量を調整する一方、十分であると判断すれば、前記クラッチを遮断し、前記流量調整手段による流量調整を行っているにも拘わらず、コンプレッサの作動条件を満足せずにクラッチが遮断される場合、前記流量調整手段の開度を上方修正する制御手段とを備えた車両用空調装置において、
前記コンプレッサの再起動時に判断するエンジンの冷却水温度の基準値を、外気温度が低い程、高い値に設定したものである。
【0007】
この構成により、コンプレッサの再起動時、外気導入モードであって、外気温度が低い場合には、エンジンの冷却水温度の基準値を高い値に設定し、車内への送風温度が希望する温度よりも低下してしまうことを防止することができる。
【0008】
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、
空調ユニット内に設けられ、エンジンの冷却水が流動するヒータコアと、
前記エンジンの冷却水温度を検出する水温検出手段と、
前記エンジンからの動力をコンプレッサに伝達又は遮断するクラッチと、
前記コンプレッサ、該コンプレッサから吐出された熱交換媒体を減圧する第1減圧手段、該第1減圧手段で減圧された熱交換媒体流量を調整する流量調整手段、該流量調整手段を通過した熱交換媒体と周囲の空気とで熱交換する車内側熱交換器を環状に接続し、前記第1減圧手段、流量調整手段及び車内側熱交換器に第2減圧手段を並列接続してなる熱交換媒体回路と、
前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の圧力を検出する吐出圧力検出手段、前記コンプレッサに吸入される熱交換媒体の圧力を検出する吸入圧力検出手段、又は、前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の温度を検出する吐出温度検出手段のうち、少なくともいずれか1つと、
前記水温検出手段で検出されるエンジンの冷却水温度に基づいて、前記ヒータコアのみでは暖房が不十分であると判断すれば、前記クラッチを接続してコンプレッサを駆動させると共に、前記いずれかの検出手段からの検出信号に基づいて、前記流量調整手段によりエンジンの冷却水温度の違いに応じて流量を調整する一方、十分であると判断すれば、前記クラッチを遮断し、前記流量調整手段による流量調整を行っているにも拘わらず、コンプレッサの作動条件を満足せずにクラッチが遮断される場合、前記流量調整手段の開度を上方修正する制御手段とを備えた車両用空調装置において、
前記コンプレッサの再起動時に判断するエンジンの冷却水温度の基準値を、車室内への送風量が大きい程、高い値に変更したものである。
【0009】
さらに、本発明は、前記課題を解決するための手段として、
空調ユニット内に設けられ、エンジンの冷却水が流動するヒータコアと、
前記エンジンの冷却水温度を検出する水温検出手段と、
前記エンジンからの動力をコンプレッサに伝達又は遮断するクラッチと、
前記コンプレッサ、該コンプレッサから吐出された熱交換媒体を減圧する第1減圧手段、該第1減圧手段で減圧された熱交換媒体流量を調整する流量調整手段、該流量調整手段を通過した熱交換媒体と周囲の空気とで熱交換する車内側熱交換器を環状に接続し、前記第1減圧手段、流量調整手段及び車内側熱交換器に第2減圧手段を並列接続してなる熱交換媒体回路と、
前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の圧力を検出する吐出圧力検出手段、前記コンプレッサに吸入される熱交換媒体の圧力を検出する吸入圧力検出手段、又は、前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の温度を検出する吐出温度検出手段のうち、少なくともいずれか1つと、
前記水温検出手段で検出されるエンジンの冷却水温度に基づいて、前記ヒータコアのみでは暖房が不十分であると判断すれば、前記クラッチを接続してコンプレッサを駆動させると共に、前記いずれかの検出手段からの検出信号に基づいて、前記流量調整手段によりエンジンの冷却水温度の違いに応じて流量を調整する一方、十分であると判断すれば、前記クラッチを遮断し、前記流量調整手段による流量調整を行っているにも拘わらず、コンプレッサの作動条件を満足せずにクラッチが遮断される場合、前記流量調整手段の開度を上方修正する制御手段とを備えた車両用空調装置において、
前記コンプレッサの再起動時に判断するエンジンの冷却水温度の基準値を、外気温度が低い程、車室内への送風量が大きい程、高い値に変更したものである。
【0010】
前記コンプレッサの再起動時に判断するエンジンの冷却水温度の基準値T2を、次式に従って決定するのが好ましい。
【数2】
Vh=0.5×Vfan−4
T2=−(TG−Vh)+45
Vh:補正値
Vfan:設定送風量
TG:外気温度
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る車両用空調装置の概略図である。この車両用空調装置では、車内側の空調ユニット1内に、ヒータコア2及び車内側熱交換器3が配設されている。
【0014】
ヒータコア2は、エンジン4の冷却水をラジエータ5で冷却する冷却水回路Aより分岐した回路に接続され、内部をエンジン冷却水が流動するようになっている。ラジエータ5には、バイパス通路aが並列接続されている。ラジエータ5への冷却水の流動は、三方弁6によって許容又は遮断される。また、エンジン4側から流出する冷却水の温度は、水温検出センサ7によって検出される。
【0015】
車内側熱交換器3は、コンプレッサ8の駆動により熱交換媒体が循環する熱交換媒体回路Bの途中に接続されている。コンプレッサ8は、前記エンジン4によって駆動し、その駆動力はクラッチ9により接続又は遮断可能である。また、コンプレッサ8の吐出口と車内側熱交換器3の吸込口との間には、第1減圧手段である第1キャピラリーチューブ13a、流量調整バルブ10及びマフラー11が接続されている。また、コンプレッサ8の吐出口の近傍には、圧力検出センサ12が設けられ、コンプレッサ8から吐出される熱交換媒体の圧力が検出される。前記マフラー11は、流量調整バルブ10を通過した熱交換媒体が車内側熱交換器3内での異音の発生を防止する。前記流量調整バルブ10、マフラー11及び車内側熱交換器3には、第2減圧手段である第2キャピラリーチューブ13bが並列接続されている。なお、14及び15は、第1逆止弁及び第2逆止弁であり、16は、コンプレッサ8に液体が流入することを防止するためのアキュムレータである。
【0016】
前記コンプレッサ8の駆動及び停止させるためのクラッチ9の接続及び遮断、三方弁6の切替え、流量調整バルブ10の開度の調整等は、前記水温検出センサ7での検出温度t、圧力検出センサ12での検出圧力p、外気温度を検出する外気センサ19での検出温度to、乗員が設定した送風量Vfan等に基づいて制御装置17によって行われる。
【0017】
次に、前記制御装置17による車両用空調装置の駆動制御について図2及び図3のフローチャートに従って説明する。
【0018】
エンジン4が始動され、車両用空調装置による暖房が開始されれば(ステップS1)、外気導入モードとし、水温検出センサ7での検出温度tを読み込む(ステップS2)。そして、この検出温度tが第1設定温度T1よりも低いか否かを判断する(ステップS3)。第1設定温度T1は、冷却水をラジエータ5で放熱して冷却する必要がない最大値(例えば、80℃)としている。
【0019】
検出温度tが第1設定温度T1以上であれば、エンジン冷却水を冷却する必要があるので、三方弁6を切り替えることにより(ステップS13)、ラジエータ5に通水させて冷却する。
【0020】
一方、検出温度tが第1設定温度T1よりも低ければ、冷却水がラジエータ5に通水しないように三方弁6を切り替える(ステップS4)。そして、検出温度tが第2設定温度T2よりも低いか否かを判断する(ステップS5)。第2設定温度T2は、ヒータコア2による空調ユニット1内を通過する空気の加熱が十分に行える最小値としている。
【0021】
検出温度tが第2設定温度T2以上であれば、ヒータコア2のみによって十分に車内暖房が行えると判断し、前記同様、クラッチ9を遮断してコンプレッサ8の駆動を停止する(ステップS14)。一方、検出温度tが第2設定温度T2よりも低ければ、ヒータコア2のみによっては十分に車内を暖房できないため、クラッチ9を接続してコンプレッサ8の駆動を開始する(ステップS6)。
【0022】
コンプレッサ8を駆動する場合、流量調整バルブ10の開度を前記圧力検出センサ12での検出圧力pに応じて調整する。
【0023】
ここでは、まず、圧力検出センサ12での検出圧力pを読み込む(ステップS7)。そして、検出圧力pが第1設定圧力P1(例えば、18kgf/cmG)よりも高いか否かを判断する(ステップS8)。検出圧力pが第1設定圧力P1よりも高ければ、流量調整バルブ10を開放することにより、車内側熱交換器3による補助暖房を開始する(ステップS9)。これにより、車内側熱交換器3による加熱が開始され、ヒータコア2による加熱が補助される。したがって、空調ユニット1内を通過する空気を早期に加熱することが可能となる。
【0024】
この場合、コンプレッサ8から吐出された熱交換媒体は、第1キャピラリーチューブ13aによって減圧された後、流量調整バルブ10で流量を調整されて車内側熱交換器3に流入する。このため、車内側熱交換器3に特別な耐圧構造は不要であり、冷却用として使用する一般的な構成の熱交換器を使用できる。
【0025】
一方、検出圧力pが第1設定圧力P1以下であれば、車内側熱交換器3による補助暖房は十分に行えないものと判断し、流量調整バルブ10を閉塞する(ステップS10)。
【0026】
ところで、前記補助暖房では、熱交換媒体が車内側熱交換器3で冷却されるので、コンプレッサ8からの吐出圧力が低下し、このコンプレッサ8が異常停止又は故障に至る第2設定圧力P2(例えば、8kgf/cmG)よりも低い値まで低下することがある。そこで、検出圧力pが、第2設定圧力P2よりも低いか否かを判断し(ステップS11)、検出圧力pが第2設定圧力P2よりも低くなれば、流量調整バルブ10を閉塞し(ステップS10)、補助暖房を停止する。これにより、車内側熱交換器3への流入が阻止され、第2キャピラリーチューブ13bを通過してコンプレッサ8に還流する流量が増大する。この結果、コンプレッサ8の作動条件が満たされ、異常停止や故障等が防止される。
【0027】
また、これら一連の補助暖房の開始及び停止中、前記検出圧力pが第三設定圧力P3(例えば、20kgf/cmG)よりも高いか否かを判断する(ステップS13)。検出圧力pが第三設定圧力P3よりも高ければ、コンプレッサ8内の駆動を続行すると、故障に至る恐れがあると判断し、クラッチ9によりエンジン4からの動力を遮断し、コンプレッサ8を停止する(ステップS14)。これにより、エンジン4に無理な負荷がかからず、又、消費燃料の抑制が可能となる。
【0028】
このとき、流量調整バルブ10の開度を上方修正(又は全開)することにより、熱交換媒体の冷却を促進させる。すなわち、熱交換媒体は、車内側熱交換器3側に比べてコンプレッサ8側の方が圧力(温度)が高い状態にあるため、コンプレッサ8側から車内側熱交換器3側に流入する。また、車内側熱交換器3の外部には、車内空調を行っている限り空気の流れがある。したがって、流量調整バルブ10の開度を上方修正(又は全開)すると、熱交換媒体の放熱が促進され、早期に、その温度及び圧力を降下させ、コンプレッサ8を作動条件を満足する状態まで復帰させることが可能となる。例えば、流量調整バルブ10として電磁開閉弁を使用し、コンプレッサ8の停止後、この電磁開閉弁を閉状態とした場合と開状態とした場合とで熱交換媒体の圧力及び温度の変化を比較した。その結果は、図4(a)のグラフに示す通り、電磁開閉弁を開状態とすることにより、コンプレッサ8の停止時間を短くすることができた。また、図4(b)のグラフに示す通り、コンプレッサ8の駆動時間が長くなるため、早期に吹出温度を上昇させることが可能となった。
【0029】
その後、エンジン4の駆動が続行されると、それ自身の温度が上昇し、前記水温検出センサ7での検出温度tも上昇してくるので、前述のように、前記ステップS3で、自動的に三方弁6が切り替えられ、エンジン冷却水がラジエータ5で冷却される(ステップS13)。
【0030】
ところで、一旦、補助暖房が停止された場合であっても、補助暖房を再開する必要が生じることがある。例えば、ハイブリッドカーでは、低速運転の際等にエンジンが停止するため、エンジン冷却水温度が低下する。この場合、車内暖房では、外気導入モードとなっているため、外気温度の違いにより、同じエンジン冷却水温度であっても、車内への送風温度が変化する。また、送風量の違いにより、ヒータコアを通過する空気温度が同じであっても、通過後、車内に送風される送風温度が変化する。
【0031】
そこで、補助暖房停止後であっても、エンジン冷却水温度に基づいて、ラジエータ5への通水を停止し、又、外気温度と送風量を考慮し、補助暖房を再開可能とする。
【0032】
すなわち、エンジン冷却水温度tを読み込み(ステップS15)、エンジン冷却水温度tが第1設定温度T1よりも低下すれば(ステップS16)、エンジン冷却水がラジエータ5に通水しないように三方弁6を切り替える(ステップS17)。
【0033】
また、外気センサ19で検出される外気温度TGと、車内の操作パネルで設定した送風量Vfanを読み込み(ステップS18、S19)、検出された外気温度TGと送風量Vfanとに基づいて第2設定温度T2を変更する(ステップS20)。
【0034】
具体的に、次式(数1)で示すように、送風量Vfanに基づいて補正値Vhを算出し、得られた補正値Vhに基づいて第2設定温度T2を算出する。
【0035】
【数3】
Vh=0.5×Vfan−4
T2=−(TG−Vh)+45
【0036】
そして、エンジン冷却水温度tが、さらに第2設定温度T2よりも低下すれば(ステップS21)、コンプレッサを駆動することにより(ステップS22)、補助暖房を再開する。
【0037】
これによれば、外気温度が低ければ低い程、又、送風量が大きくなればなる程、第2設定温度T2が高い値となり、送風温度の低下を防止することができる。
【0038】
その後、エンジン冷却水温度が第2設定温度T2以上となれば、コンプレッサを停止し(ステップS23)、ヒータコア2のみによる暖房を続行する。さらに、エンジン冷却水温度が第1設定温度T1以上となれば、ステップS17に戻ってエンジン冷却水がラジエータ5に通水しないように三方弁6を切り替える。
【0039】
なお、前記実施形態では、三方弁6によって流路を切り替えるようにしたが、適宜開閉弁等を設けることにより、ラジエータ5のみならず、ヒータコア2への流水を停止させるようにしてもよい。
【0040】
また、前記流量調整バルブ10では、開又は閉状態のいずれか一方に切り替えるようにしたが、検出される吐出圧力に応じて開度を、段階的あるいは連続的に変化させるようにしてもよい。これにより、車内側熱交換器3による加熱をコンプレッサ8が停止しない条件下で最大限に行わせることが可能となる。
【0041】
このように、前記車両用空調装置によれば、エンジン4の冷却水温度がそれ程上昇していなければ、コンプレッサ8を駆動することによりエンジン4の駆動負荷を上昇させ、コンプレッサ8を駆動しない場合に比べて冷却水の加熱を促進させることができる。したがって、ヒータコア2により通過空気に与える熱量を増大させることが可能となる。
【0042】
また、前記車内側熱交換器3による加熱も開始されるので、車内暖房をより一層迅速に行うことが可能となる。すなわち、コンプレッサ8で高温・高圧状態とされた熱交換媒体は、流量調整バルブ10及びマフラー11を介して車内側熱交換器3に流入し、外部の空調ユニット1内を通過する空気を加熱し、ヒータコア2のみでは不十分となる空気の加熱を補助する。
【0043】
また、前記コンプレッサ8の作動条件は、吐出熱交換媒体圧力のみに基づいて判断したが、吸入熱交換媒体圧力又は吐出熱交換媒体温度、あるいは、これら3条件のいずれかの組み合わせにより判断するようにしてもよい。例えば、吸入熱交換媒体圧力に基づいて判断する場合、図5に示すように、吸入熱交換媒体圧力が0.58MPaを超えることにより、クラッチ9を接続してコンプレッサ8をオフ状態とし、吸入熱交換媒体圧力が0.5MPaよりも小さくなることによりクラッチ9を遮断してコンプレッサ8をオン状態とすればよい。
【0044】
図6は、他の実施形態に係る車両用空調装置の概略図である。
【0045】
この車両用空調装置では、前記第2逆止弁15の代わりに流量調整バルブ20が使用され、第1キャピラリーチューブ13a、流量調整バルブ10及びマフラー11に、流量調整バルブ21、車外側熱交換器22、第3キャピラリーチューブ23及び第3逆止弁24が並列接続されている。また、空調ユニット内は、車内側熱交換器3の下流側にエアミックスダンパ25が設けられ、分流された一方の通路にヒータコア2が配設されている。
【0046】
そして、車内を暖房する場合、コンプレッサ8から吐出された熱交換媒体が、直接、車内側熱交換器3に流入するように、流量調整バルブ21を閉じ、流量調整バルブ10,20を開放する。また、車内を冷房する場合、コンプレッサ8から吐出された熱交換媒体が、車外側熱交換器22からキャピラリーチューブ23を介して車内側熱交換器3を通過した後、コンプレッサ8に還流するように、流量調整バルブ10,20を閉じ、流量調整バルブ21を開放する。
【0047】
なお、前記各実施形態では、2つの減圧手段を設けるようにしたが、これらを単一の減圧手段で構成してもよい。例えば、キャピラリーチューブの一端部を車内側熱交換器3側に接続し、中間部を迂回路に接続することにより、減圧手段を1つにすることができ、構成を簡略化することが可能となる。
【0048】
また、前記各実施形態では、圧力検出センサ12等からの入力信号に基づいて自動的にクラッチ等を駆動制御するようにしたが、さらに、入力手段としてスイッチ等を設けることにより、乗員が自己の感覚に基づいて手動操作により調整できるようにしてもよい。すなわち、補助暖房が行われていない場合であっても、乗員が寒いと感じるようであれば、前記入力手段を操作することにより、コンプレッサ8の駆動要求信号を出力し、クラッチ9を接続させてコンプレッサ8をオン状態とし、車内側熱交換器3による補助暖房を開始できるようにしてもよい。これにより、乗員の好みに応じて簡単に送風温度を上方修正することが可能となる。
【0049】
この場合、図6に示す車両用空調装置について説明すると、エアミックスダンパ25がフルホット位置(図6中、点線にて表示)にある場合にのみ、コンプレッサ8の駆動要求信号を受け付け可能とすればよい。すなわち、ヒータコア2による加熱のみで、車内暖房を十分に行えるようであれば、コンプレッサ8を駆動しなくても、エアミックスダンパ25の回動位置を変更することにより、送風温度を上方修正可能であるので、コンプレッサ8の駆動要求信号は受け付けないようにする。一方、エアミックスダンパ25がフルホット位置にある場合には、それ以上送風温度を高くすることは不可能であるので、コンプレッサ8の駆動要求信号を受け付け可能とする。これにより、エンジン4に無駄な負荷がかかって燃料が無駄に消費されることもない。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、外気温度や送風量に基づいて、コンプレッサの起動初期の基準値よりも再起動時の基準値を高い値に設定したので、コンプレッサを再起動する場合であっても、車内への送風温度を安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る車両用空調装置の概略図である。
【図2】 図1の制御装置による空調制御を示すフローチャートである。
【図3】 図1の制御装置による空調制御を示すフローチャートである。
【図4】 図1の流量調整バルブを閉状態又は開状態とした場合で比較した熱交換媒体の圧力の変化(a)及び温度の変化(b)を示すグラフである。
【図5】 図1のコンプレッサへの吸入熱交換媒体圧力に対するクラッチの接続及び遮断の時期を示すグラフである。
【図6】 他の実施形態に係る車両用空調装置の概略図である。
【符号の説明】
2…ヒータコア
3…車内側熱交換器
4…エンジン
5…ラジエータ
6…三方弁
7…水温検出センサ
8…コンプレッサ
9…クラッチ
10…流量調整バルブ
12…圧力検出センサ
13a…第1キャプラリーチューブ(第1減圧手段)
13b…第2キャプラリーチューブ(第2減圧手段)
17…制御装置
19…外気センサ
22…車外側熱交換器

Claims (4)

  1. 空調ユニット内に設けられ、エンジンの冷却水が流動するヒータコアと、
    前記エンジンの冷却水温度を検出する水温検出手段と、
    前記エンジンからの動力をコンプレッサに伝達又は遮断するクラッチと、
    前記コンプレッサ、該コンプレッサから吐出された熱交換媒体を減圧する第1減圧手段、該第1減圧手段で減圧された熱交換媒体流量を調整する流量調整手段、該流量調整手段を通過した熱交換媒体と周囲の空気とで熱交換する車内側熱交換器を環状に接続し、前記第1減圧手段、流量調整手段及び車内側熱交換器に第2減圧手段を並列接続してなる熱交換媒体回路と、
    前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の圧力を検出する吐出圧力検出手段、前記コンプレッサに吸入される熱交換媒体の圧力を検出する吸入圧力検出手段、又は、前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の温度を検出する吐出温度検出手段のうち、少なくともいずれか1つと、
    前記水温検出手段で検出されるエンジンの冷却水温度に基づいて、前記ヒータコアのみでは暖房が不十分であると判断すれば、前記クラッチを接続してコンプレッサを駆動させると共に、前記いずれかの検出手段からの検出信号に基づいて、前記流量調整手段によりエンジンの冷却水温度の違いに応じて流量を調整する一方、十分であると判断すれば、前記クラッチを遮断し、前記流量調整手段による流量調整を行っているにも拘わらず、コンプレッサの作動条件を満足せずにクラッチが遮断される場合、前記流量調整手段の開度を上方修正する制御手段とを備えた車両用空調装置において、
    前記コンプレッサの再起動時に判断するエンジンの冷却水温度の基準値を、外気温度が低い程、高い値に設定したことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 空調ユニット内に設けられ、エンジンの冷却水が流動するヒータコアと、
    前記エンジンの冷却水温度を検出する水温検出手段と、
    前記エンジンからの動力をコンプレッサに伝達又は遮断するクラッチと、
    前記コンプレッサ、該コンプレッサから吐出された熱交換媒体を減圧する第1減圧手段、該第1減圧手段で減圧された熱交換媒体流量を調整する流量調整手段、該流量調整手段を通過した熱交換媒体と周囲の空気とで熱交換する車内側熱交換器を環状に接続し、前記第1減圧手段、流量調整手段及び車内側熱交換器に第2減圧手段を並列接続してなる熱交換媒体回路と、
    前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の圧力を検出する吐出圧力検出手段、前記コンプレッサに吸入される熱交換媒体の圧力を検出する吸入圧力検出手段、又は、前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の温度を検出する吐出温度検出手段のうち、少なくともいずれか1つと、
    前記水温検出手段で検出されるエンジンの冷却水温度に基づいて、前記ヒータコアのみでは暖房が不十分であると判断すれば、前記クラッチを接続してコンプレッサを駆動させると共に、前記いずれかの検出手段からの検出信号に基づいて、前記流量調整手段によりエンジンの冷却水温度の違いに応じて流量を調整する一方、十分であると判断すれば、前記クラッチを遮断し、前記流量調整手段による流量調整を行っているにも拘わらず、コンプレッサの作動条件を満足せずにクラッチが遮断される場合、前記流量調整手段の開度を上方修正する制御手段とを備えた車両用空調装置において、
    前記コンプレッサの再起動時に判断するエンジンの冷却水温度の基準値を、車室内への送風量が大きい程、高い値に変更したことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 空調ユニット内に設けられ、エンジンの冷却水が流動するヒータコアと、
    前記エンジンの冷却水温度を検出する水温検出手段と、
    前記エンジンからの動力をコンプレッサに伝達又は遮断するクラッチと、
    前記コンプレッサ、該コンプレッサから吐出された熱交換媒体を減圧する第1減圧手段、該第1減圧手段で減圧された熱交換媒体流量を調整する流量調整手段、該流量調整手段を通過した熱交換媒体と周囲の空気とで熱交換する車内側熱交換器を環状に接続し、前記第1減圧手段、流量調整手段及び車内側熱交換器に第2減圧手段を並列接続してなる熱交換媒体回路と、
    前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の圧力を検出する吐出圧力検出手段、前記コンプレッサに吸入される熱交換媒体の圧力を検出する吸入圧力検出手段、又は、前記コンプレッサから吐出される熱交換媒体の温度を検出する吐出温度検出手段のうち、少なくともいずれか1つと、
    前記水温検出手段で検出されるエンジンの冷却水温度に基づいて、前記ヒータコアのみでは暖房が不十分であると判断すれば、前記クラッチを接続してコンプレッサを駆動させると共に、前記いずれかの検出手段からの検出信号に基づいて、前記流量調整手段によりエンジンの冷却水温度の違いに応じて流量を調整する一方、十分であると判断すれば、前記クラッチを遮断し、前記流量調整手段による流量調整を行っているにも拘わらず、コンプレッサの作動条件を満足せずにクラッチが遮断される場合、前記流量調整手段の開度を上方修正する制御手段とを備えた車両用空調装置において、
    前記コンプレッサの再起動時に判断するエンジンの冷却水温度の基準値を、外気温度が低い程、車室内への送風量が大きい程、高い値に変更したことを特徴とする車両用空調装置。
  4. 前記コンプレッサの再起動時に判断するエンジンの冷却水温度の基準値T2を、次式に従って決定したことを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
    【数1】
    Vh=0.5×Vfan−4
    T2=−(TG−Vh)+45
    Vh:補正値
    Vfan:設定送風量
    TG:外気温度
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