JP4295346B2 - 不正入室検出装置 - Google Patents
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Description
例えばターゲット(人)が管理区域へ入室するにあたって、暗証番号やIDカードによって照合を行い、この照合結果をもとに管理区域の扉の開錠・施錠(開閉)を制御して管理区域への入室を管理したり、指紋認証や虹彩認証などの個人認証装置による照合結果をもとに管理区域の扉の開錠・施錠(開閉)を制御して管理区域への入室を管理したりしていた。
しかし、IDカードによる照合によって管理区域への入室を管理する入室管理システムでは、入室許可者のIDカード管理および運用モラルなどの問題によって、非許可者による不正入室を防止できなかった。例えば、(1)入室許可者がIDカードを紛失したり、勝手に持ち出され、当該IDカードを悪用した非許可者が管理区域へ不正入室することや、(2)入室許可者からIDカードを貸与された非許可者が当該IDカードを使用して管理区域へ不正入室することや、(3)入室許可者が非許可者を同伴して管理区域へ不正入室したりすることを防止することができなかった。
一方、指紋認証や虹彩認証などによる高度な個人認証装置を使用した入室管理システムでは、入室許可者本人か否かを厳密に認証して管理区域への入室を管理することができる。しかしながら、許可者が認証して管理区域への扉を開錠して(開いて)非許可者を入室させる成り代わりによる不正入室や、入室許可者が非許可者を同伴することによる管理区域への不正入室については防止することができず、またこれらの不正入室がされた事実を確認することもできなかった。
また管理区域内の扉付近の天井にステレオカメラを設置して、当該ステレオカメラからの入力映像を画像処理し、三次元距離計測によって管理区域内に入室した人数を求め、同伴による不正入室があった場合はアラームを発報する入室管理システムも提案されている。
またステレオカメラからの入力映像による入室管理システムでは、ステレオカメラによる室内の状態把握(「不在」「正規入室(1人在室)」「不正入室(2人以上の在室)」)の精度を確保するためにステレオカメラを高い位置に設置せねばならず、天井の低い管理区域には対応させることができなかった。つまりステレオカメラの精度を確保するためには、管理区域の天井を高くしなければならず、設備および調整が大掛かりであった。さらにステレオカメラによる人数計測によって同伴による不正入室があった場合はアラームを発報する入室管理システムでは、同伴による不正入室があった事実は確認できるが、アラームが発報されてから警備員が管理区域に駆けつけるまでに不正入室者が管理区域内で自由に行動できるため、防犯効果が低かった。
また、広角レンズによると後頭部が拡大されて映し出される特性があるので、後頭部の直上にカメラを設けることにより生じる左右方向に死角を補うためにターゲットの左肩端部の真上から鉛直下向きに撮影する第2のカメラと、ターゲットの右肩端部の真上から鉛直下向きに撮影する第3のカメラとを設けている。
この3つのカメラの設置の位置の組み合わせによって認証室内全体を撮影することにより、認証室内にターゲット以外の共連れ者がいないことを高精度に検知することができるので、3つというなるべく少ない数のカメラで死角をなくすことができ、それに伴い共連れを防止することができる。
本発明による入室管理システムは、認証室に設置したカメラの入力映像に基づき管理区域へ通じる認証室にて不正入室を検出する不正入室検出装置を使用し、当該装置の検出結果に基づいて管理区域への扉の開閉を制御する。そして例えば、大きな荷物を搬入する場合や、大勢の見学者を案内する場合などの例外時は、本発明による不正入室検出装置のスイッチを切るなどして、不正入室検出装置の検出結果に基づく扉開閉の制御を解除することによって、前記例外措置に対応させることができる。
図1(a)は、第1実施例による入室管理システムの説明図であり、管理区域へ入室しようとする者(以下、ターゲットという)が入室許可者であるか否かをターゲットの個人情報を照合して判断する個人認証装置2を設置した認証室を説明する図である。図1(b)は、第1実施例による入室管理システムの構成を示すブロック図である。
すなわち、管理区域への入室許可者か否かを判断する個人認証装置2を設置した認証室は第1扉と第2扉との2つの扉によって閉鎖されており、ターゲットが管理区域に入室する場合、通路から第1扉を開けて認証室へ入り、認証室から第2扉を開けて管理区域へ入室する。またターゲットが管理区域から退室する場合、管理区域から第2扉を開けて認証室へ入り、認証室から第1扉を開けて外部(通路)へと退室する。
認証室の第1扉及び第2扉にはそれぞれ電気錠51,52が設けられており、個人認証装置2による照合結果と、カメラ1で撮影した認証室の映像に基づく不正入室検出装置3の判定結果とに基づいて、前記各扉の電気錠51,52の施錠/開錠が制御される。
また制御装置4によって、第1扉及び第2扉の電気錠51,52の施錠/開錠をそれぞれ制御し、第1扉の電気錠51が開錠している場合は、第2扉の電気錠52は施錠されて開錠できないように構成するとともに、第2扉の電気錠52が開錠している場合は、第1扉の電気錠51は施錠されて開錠できないように制御する。
そして第1扉の電気錠51が開錠している場合のみ、ターゲットは通路側から第1扉を開けて認証室に入ることができ、第2扉の電気錠52が開錠された場合のみ、ターゲットは認証室側から第2扉を開けて管理区域へ入ることができる。
つまり認証室が無人の場合、カメラ1から入力された認証室内の映像をもとに不正入室検出装置3で「不在」と判定し、この不正入室検出装置3の判定結果(「不在」)をもとに制御装置4は、第1扉の電気錠51を開錠し、第2扉の電気錠52を施錠する。
つまり認証室にターゲットが入室し、カメラ1から入力された認証室内の映像をもとに不正入室検出装置3で「不在」と判定されなくなった場合、他の者が通路から認証室へ入室できないように、制御装置4は第1扉の電気錠51を施錠する。
なお制御装置4は、第2扉の電気錠52が施錠されている場合は、前記施錠された第1扉の電気錠51を認証室側から開錠できるように制御し、第2扉の電気錠2が施錠されている場合は、ターゲットは認証室側から第1扉を開けて退室できるようなっている。
個人認証装置2については、例えば、指紋認証や虹彩認証などによる個人を認証する装置を使用し、予め蓄積してある入室許可者の指紋や虹彩に関するデータと、認証室に設置してある個人認証装置2にターゲットが入力した指紋や虹彩とを照合し、ターゲットの指紋や虹彩が入室許可者のものと一致する場合、入室許可者であると判断する。
この実施例では、第2扉の開閉後または開錠から一定時間経過後に第2扉の電気錠52を施錠するように制御した。
なお第2扉の電気錠52が開錠しているときは、第1扉の電気錠51は施錠されて第1扉は閉鎖されているものとし、さらに認証室側から第1扉の電気錠51を開錠することができないように制御装置4で制御する。
つまり管理区域内のターゲットは、認証室が無人の場合に、第2扉の電気錠52を開錠して認証室へ入ることができる。また制御装置4は、第2扉の電気錠52を開錠したときは、第1扉の電気錠51が施錠されているように制御する。
この実施例では、ターゲットが管理区域から第2扉を開けて認証室に入ろうとする場合、制御装置4は、第1扉の電気錠51を施錠した後、第2扉の電気錠52が開錠されるように各電気錠を制御し、両方の電気錠51,52が同時に開錠しないようにした。
なお、この実施例では第2扉の開閉後または開錠から一定時間経過後に第2扉の電気錠52を施錠するように制御した。
また前記表示装置(表示器等)による音声や表示を制御装置4によって制御し、不正入室検出装置3において認証室内の状態が「不在」でないと判定した場合は、認証室内が在室中である旨を音声や表示によって知ることができるようにした。
また個人認証装置2による照合結果は、音声や表示などによって確認できるようにした。
一方、不正入室検出装置3において認証室内の状態が「不在」であると判定した場合は、第1扉の電気錠51と第2扉の電気錠52の何れか一方の電気錠の開錠を許容とし、両方の電気錠51,52が同時に開錠できないようにする。なお通路側と管理区域側との双方から扉を開けて認証室に入ろうとする場合は、どちらかの扉の電気錠の開錠を優先するように構築してもよい。
また、個人認証装置2が設置されている認証室の上方(天井)にはカメラ1が設置され、当該カメラ1によって認証室内の全体を撮影する。カメラ1で撮影した認証室内の映像は、別途に設けられた不正入室検出装置3へ入力される。
つまり認証室の第1自動扉61及び第2自動扉62の開閉は、個人認証装置2による照合結果と、カメラ1で撮影した認証室の映像に基づく不正入室検出装置3の判定結果と、各自動扉近傍に設けた自動扉用センサ71,72のセンサ信号とに基づいて、制御装置4が制御する。
一方、不正入室検出装置3において認証室内の状態が「不在」であると判定した場合は、第1自動扉61若しくは第2自動扉62の何れか一方の自動扉の開扉を許容し、両方の自動扉61,62が同時に開扉できないようにする。なお通路側と管理区域側との双方から扉を開けて認証室に入ろうとする場合は、どちらかの自動扉の開扉を優先するように構築してもよい。
つまり認証室が無人の場合、カメラ1から入力された認証室内の映像をもとに不正入室検出装置3で「不在」と判定し、この不正入室検出装置3の判定結果(「不在」)と自動扉用センサのセンサ信号とをもとに、制御装置4は第1自動扉を開扉する。
この実施例では第1自動扉が開いてターゲットが通路から認証室に入ると、自動扉の開扉から一定時間経過後に第1自動扉が閉鎖するように、タイマー制御した。
一方、認証室側に設けた第1自動扉用センサ71がターゲットの存在を感知した場合、第1自動扉を開扉してターゲットが認証室から通路へ退室できるように、制御装置4は第1自動扉を制御する。
つまり制御装置4は、第2自動扉が閉鎖されている場合は、認証室側にある第1自動扉用センサのセンサ信号に基づいて第1自動扉を開扉するように制御し、認証室にいるターゲットが通路に退室できるようになっている。
個人認証装置2については、例えば、指紋認証や虹彩認証などによる個人を認証する装置を使用し、予め蓄積してある入室許可者の指紋や虹彩に関するデータと、認証室に設置してある個人認証装置2にターゲットが入力した指紋や虹彩とを照合し、ターゲットの指紋や虹彩が入室許可者のものと一致する場合、入室許可者であると判断する。
この実施例では、第2自動扉が開いてターゲットが管理区域へ入室すると、第2自動扉が開いてから一定時間経過後に第2自動扉が閉鎖するように、タイマー制御した。
なお第2自動扉が開扉しているときは、第1自動扉が閉鎖されるように制御装置4で制御する。
このとき制御装置4は、カメラ1で撮影した認証室内の映像に基づく不正入室検出装置3の判定が「不在(無人)」でないときは、第2自動扉を開扉できないように制御する。
つまり管理区域内のターゲットは、認証室が無人の場合に、第2自動扉を開けて認証室へ入ることができる。また制御装置4は、第2自動扉を開扉したときは、第1自動扉を開扉しないように制御し、両方の自動扉61,62が同時に開扉しないようにした。
なお、第2自動扉が開いてターゲットが管理区域から認証室に入ると、第2自動扉の開扉から一定時間経過後に第2自動扉が閉鎖するように、タイマー制御した。
また個人認証装置2による照合結果は、音声や表示などによって確認できるようにした。
また、個人認証装置2による照合結果と不正入室検出装置3による判定結果をもとに入室許可者による「正規入室」でないと判断され第2扉を開けることができなかったにもかかわらず、認証室に一定時間以上ターゲットが在室した場合は、警備室などに設置した警報装置にアラーム出力してもよい。
また第1及び第2実施例による入室管理システムにおいて、認証室又は管理区域への入退室履歴や「不正入室」の履歴を記録する記録装置を設け、管理区域への入退室を記録するように構築してもよい。なお管理区域から認証室へ出る場合や認証室から通路に出る場合、第2扉や第1扉の開扉時間を長くして一度に複数人を退室できるようにしてもよいが、入退室履歴を記録(管理)する場合は、1人ずつ退室するようにする。
図3に示す不正入室検出装置は、カメラ1から入力された認証室内の映像を画像処理して、認証室内の状態が「不在(無人)」「正規入室(1人のみの在室)」「不正入室(2人以上の在室)」の何れかを判定する不正入室判定部31と、前記不正入室判定部31で処理する画像センス領域を映像上に設定するエリア設定部32と、カメラから入力された映像をモニタに表示するにあたって、前記エリア設定部32で設定した領域や、不正入室判定部31の判定結果を合成表示する映像合成表示部33と、不正入室判定部31による判定結果を制御装置に出力する外部インターフェイス部34とを備え、不正入室判定部31の画像センサ機能によって、認証室を撮影した映像上に設定した画像センス領域の画像データをもとに、認証室内の状態が「不在」「正規入室」「不正入室」の何れかを判定し、その判定結果を制御装置4に出力する。
つまり不正入室検出装置3は、画像センサ機能によって前記認証室への複数人の入室(不正入室)を検出する。そして、この不正入室検出装置3の判定結果と個人認証装置2の照合結果に基づいて、制御装置4は第1扉及び第2扉の開閉を制御する。
またこの実施例では、画像センス領域(センスエリアやアラームエリア)を設定するにあたって、カメラから入力された認証室内の映像を表示する映像表示手段(モニタ)と、オペレータの操作によって前記モニタに表示された映像上に任意の座標を指定する座標指定手段(カーソル表示部)と、前記座標指定手段によって指定した座標に基づき矩形もしくは任意の多角形もしくは曲線図形を合成表示する手段(映像合成部)とを設けたことによって、モニタに表示された認証室の映像をもとに、オペレータは目視しながら当該モニタ映像上に画像センス領域(センスエリアやアラームエリア)を設定することができる。
設定したエリアの削除方法は、設定方法と同様にカーソルを動かして削除ボタンを押すと、第1カーソルの交点を始点、第2カーソルの交点を終点とする矩形の領域が設定済みのエリアから削除され、不揮発性メモリに保存される。
またエリア設定時はエリア毎に対応した色をエリア全体に対して塗りつぶすように表示し、運用時は各エリアとカメラ映像の両方を確認しやすくするために、エリア毎に対応した色をエリアの輪郭のみに表示するように、自動でエリアの合成表示方法を切替える。
なおこの実施例では、モニタに表示される認証室内の映像をもとにオペレータが警戒領域を意味するアラームエリア(格子領域)を設定するにあたって、モニタを目視するオペレータに当該アラームエリアにおける危険性(警戒度が高いこと)を強く認識させるためアラームエリアを赤色で表示するようにした。
またセンスエリア・アラームエリアの合成表示方法に於いて、エリア設定時はエリア毎に対応した色(赤色や青色など)をエリア全体に表示し、運用時は各エリアと映像入力手段(カメラ1)で撮影した映像の両方を確認しやすくするため、エリア毎に対応した色(赤色や青色など)をエリアの輪郭のみに表示するように、自動でエリアの合成表示方法を切替えた。
またセンスエリア・アラームエリアを設定するにあたって、当該センスエリアやアラームエリアの領域データを記憶する手段を設け、各エリアの設定値(位置・大きさ)を変えることなく繰り返し使用できるようにすることが好ましい。
またセンスエリア・アラームエリアの座標値や感度の閾値など各種設定値を、他の機器の操作を外部インターフェイス部34より読み込み、設定する手段を設けてもよい。
また統括制御部は不揮発性メモリに保存された領域データをもとにエリアメモリを設定し、このエリアメモリの領域データに基づいて、判定領域限定部で画像センス領域(センスエリアやアラームエリア)の画像データのみを取得する。
図4の実施例では、認証室内全体をカバーするようにセンスエリアを設定した。そして図4(c)に示すように、認証室にターゲットAとターゲットBが存在する場合、設定したセンスエリア内に各ターゲットが存在することとなり、当該センスエリア(画像センス領域)の画像データに基づいて不正入室判定部31で「不在(無人)」「正規入室(1人のみの在室)」「不正入室(2人以上の在室)」の判定を行う。
なおこの実施例では、カメラから入力される認証室の映像とオペレータが設定したセンスエリアの表示とを合成してモニタに表示するにあたって、センスエリア設定時(図4(b)を参照)は、センスエリアに対応した色(この実施例ではセンスエリアに青色を設定した)をセンスエリア全体に表示し、運用時(図4(c)を参照)は、カメラから入力される映像と、センスエリアの表示との両方を確認しやすくするため、センスエリアの輪郭のみに前記エリアに対応した色(青色)を表示するように、自動でエリアの合成表示方法を切替えた。
図5において、縦方向の走査による輝度分布を示すグラフは、縦方向に走査した画像データの座標位置(X座標系)をx軸にとり、その輝度分布をz軸にとってグラフ化し、縦方向の射影の山を検出したものである。横方向の走査による輝度分布を示すグラフは、横方向に走査した画像データの座標位置(Y座標系)をy軸にとり、輝度分布をz軸にとってグラフ化し、横方向の射影の山を検出したものである。
そして不正入室判定処理部は、前記縦方向の射影の山の数と、横方向の射影の山の数とに基づいて、センスエリア内に存在するターゲット(人物)を検出し、センスエリアについて「不在」「正規入室」「不正入室」の何れかを判定する。
つまり不正入室判定部31(不正入室判定処理部)では画像センサ機能によって、センスエリアの画像データ(差分画像を2値化処理した2値画像のセンスエリア部分)からセンスエリア内に存在するターゲット(人物等)を検出し、「不在」「正規入室」「不正入室」を判定する。
また画像センサ機能によるターゲットの検出感度向上のため、光源を足元(床一面など)に配置して投影し、撮影した映像の輝度変化により検出してもよい。
また画像センサの検出精度向上のため、赤外線などの特殊光源を足元(床一面など)に配置して投影し、赤外線カメラなど特殊な撮影手段で撮影した映像の輝度変化により検出感度を上げてもよい。
図中の「閾値」とは、入力画像における照明光の変化などによるノイズを誤検出しないために設けてあるもので、背景画像との差が閾値以下では、「入力画像と背景画像とに差がある(輝度変化がある)」と認識しないように設定してある。そのため、入力画像の明るさにおいて、背景画像との差が閾値以下である領域(範囲)では、背景画像と入力画像との差が検出できず、その領域の明るさ(色)の衣服を着用した人物が入力画像に映っていても、その人物は検出することができない。なお、前記閾値は可変であり、閾値を増加すると人物検出の感度が下がり、減少すると感度が上がる。
なお、X軸に入力画像の明るさを表わし、Y軸に検出結果(背景画像との明暗の差)を表わしてある。また入力画像の明るさにおける検出結果において、「入力画像と背景画像とに差がある(輝度変化がある)」と検出される部分は実線で、「入力画像と背景画像とに差がある(輝度変化がある)」と検出されない部分は点線で表わしてある。
同様に、床面に明るいグレー(無地)を施した認証室内を撮影した場合の入力画像の明るさにおける検出結果(図7(b))や、床面に暗いグレー(無地)を施した認証室内を撮影した場合の入力画像の明るさにおける検出結果(図7(c))や、床面に黒色(無地)を施した認証室内を撮影した場合の入力画像の明るさにおける検出結果(図7(d))に示すように、入力画像において同系系(同程度の明るさ)を着衣した人物は検出ができず、明暗の差がある異系色の着衣では検出しやすいことがわかる。
明暗の差がある2以上の色(異色系)を組み合わせてなる模様を床面に施す場合、明暗を組み合わせてなる1組の模様を複数規則的に配列したデザインとなし(例えば、市松模様やボーダー柄など)、さらに認証室内を撮影した映像(入力画像)に映るターゲットの大きさ(画像センサ機能によって検出すべき人物等の大きさ)に対し、前記明暗の1組が2以上含まれる程度の大きさの模様を複数規則的に配列したデザインとすることが好ましい。
例えば、図6(a)に示すように、明暗の差がある2色(例えば黒色と白色)の方形模様(明暗で1組)を2〜5cm間隔で規則的に配置してなる市松模様を認証室の床面に施したり、図6(b)に示すように、明暗の差がある2色(例えば黒色と白色)のライン模様(明暗で1組)を2〜5cm間隔で規則的に配置してなるボーダー柄模様を認証室の床面に施す。
図8(a)は、白色と黒色の2色を組み合わせてなる模様を床面に施した認証室内を撮影した場合の入力画像の明るさにおける検出結果を示すものであり、図8(b)は、白色と暗いグレーの2色を組み合わせてなる模様を床面に施した認証室内を撮影した場合の入力画像の明るさにおける検出結果を示すものであり、図8(c)は、黒色と明るいグレーの2色を組み合わせてなる模様を床面に施した認証室内を撮影した場合の入力画像の明るさにおける検出結果を示すものである。
図9(a)は、白色と明るいグレーの2色を組み合わせてなる模様を床面に施した認証室内を撮影した場合の入力画像の明るさにおける検出結果を示すものであり、図9(b)は、明るいグレーと暗いグレーの2色を組み合わせてなる模様を床面に施した認証室内を撮影した場合の入力画像の明るさにおける検出結果を示すものであり、図9(c)は、黒色と暗いグレーの2色を組み合わせてなる模様を床面に施した認証室内を撮影した場合の入力画像の明るさにおける検出結果を示すものである。
図10は、認証室に入室したターゲットA,B(人物)が近接している場合を説明する図である。図10に示す実施例では、図4に示す実施例と同様に、認証室内全体をカバーするようにセンスエリアを設定した(センスエリアのみの設定)。
そこでこの実施例では、不正入室判定処理部において、前記縦方向の射影の山の数と、横方向の射影の山の数とに基づいて「不在」「正規入室(1人の在室)」「不正入室(2人以上の在室)」の何れかを判定する際に、射影の山の数が1つと判断された場合、前記射影の山(射影データ)の左右対称度を比較し、予め設定してある閾値よりも左右の差が大きい場合(閾値以上)は、1つの射影の山のなかに近接する2以上のターゲットが含まれていると判断し、「不正入室(2人以上の在室)」と判定する。
そこで、この左右の差(塗潰し部分)の大きさに予め閾値を設定しておき、前記差(塗潰し部分)の面積が閾値よりも大きい場合(閾値以上)、射影の山の数が1つでも「不正入室(2人以上の在室)」と判定する。つまり、射影の山の左右対称度(左右の差が閾値よりも大きいか小さいか)によって、1つの射影の山のなかに近接する2以上のターゲットが存在するか否かを判定し、左右の差が閾値よりも大きい場合、2以上のターゲットが近接して存在していると判断し、「不正入室(2以上の在室)」であると判定する。
なお射影の左右対称度を比較するための基準軸は、カメラの中心線に設定されるように設計してもよいし、モニタに表示された映像に基づいてオペレータがフロントパネル(ボタン、カーソル等)で操作して基準軸を設定できるように設計してもよいし、また取得した射影のピーク点が設定されるように不正入室検出装置(例えば制御部)で基準軸を自動的に設定できるように設計してもよい。
図11に示す実施例は、不正入室の検出精度を向上させるため、センスエリアのみの画像データをもとにターゲットを検出して認証室内の不正入室を検出するのではなく、センスエリアの周囲にアラームエリアを設定し、センスエリアとアラームエリアの画像データをもとにターゲットを検出し、認証室内の不正入室を検出するものである。(センスエリアとアラームエリアを併用した「不在」「正規入室」「不正入室」の判定。)
当然、一部分だけにセンスエリアを設定した場合は、センスエリアを設定していない領域に同伴者が居ても検出することができずに、「正規入室」と判定してしまう。
そこで、図11(a)に示すように個人認証装置の前の一部分にセンスエリア(斜線領域)を設定するとともに、当該センスエリアの周囲にアラームエリア(格子領域)を設定する。
そしてターゲットが個人認証装置2に個人情報を付与して照合するときは、必ず認証装置の前に立つ行動パターンを利用し、認証時(照合時)またはその直後にアラームエリアにおいてターゲットを検出した場合は、同伴者がいる「不正入室」と判定する。
つまりターゲットAがターゲットBを同伴して2人で入室した場合、同伴者であるターゲットBがターゲットAから離れた位置(例えば認証室の隅)に立っていても、ターゲットAと近接した位置に立っていても、「不正入室」として判定できる。
なお図11に示す実施例でも、図4に示す実施例と同様に、カメラから入力される認証室の映像とオペレータが設定したセンスエリアやアラームエリアの表示とを合成してモニタに表示するにあたって、センスエリアやアラームエリアの設定時は、エリア毎に対応した色(この実施例ではセンスエリアを青色と設定し、アラームエリアを赤色と設定した)を各エリア全体に表示し、運用時は、カメラから入力される映像と、センスエリアやアラームエリアの表示との両方を確認しやすくするため、各エリアの輪郭のみにエリア毎に対応した色(センスエリアの輪郭に青色、アラームエリアの輪郭に赤色)を表示するように、自動でエリアの合成表示方法を切替えた。
また「不正入室」と判定した時に警備室などに設置した警報装置にアラーム出力するようにシステムを組んでおくと、カメラへのいたずらや、カメラのケーブルが抜けたときなどの対処が迅速に行える。
なお、不正入室判定部31の画像センサ機能によって、アラームエリアの画像データをもとにターゲットを検出するにあたって、センスエリアと同様にして、アラームエリアの画像データについて縦方向の射影の山の数と横方向の射影の山の数を取得する。そしてアラームエリアでは、何れか射影の山が検出された場合は、「不正入室」と判定する。
不正入室判定処理部では、センスエリアの画像データについて縦射影平滑部から入力された縦方向の射影の山の数と、横射影平滑部から入力された横方向の山の数とを受け取り(ステップS1)、前記縦方向の射影の山の数と横方向の射影の山の数を比較して多い方の数をセンスエリア内の人数と決定する(ステップS2)。そして前記センスエリアの人数が0よりも多いかを判断し(ステップS3)、0より多くない場合(NO)は、センスエリア内の判定結果を「不在(無人)」とする(ステップS4)。一方、0より多い場合(YES)は、続いてセンスエリア内の人数が1より多いかを判断し(ステップS5)、1より多い場合(YES)、センスエリア内の判定結果を「不正入室」(2人以上の在室)にする(ステップS6)。一方、1より多くない場合(NO)、センスエリア内の判定結果を「正規入室」(1人のみの在室)にする(ステップS7)。
そして各判定結果(ステップS4,S6,S7)をセンスエリアの判定結果としてメモリに保存する(ステップS8)。
そして、前記左右の差が閾値よりも大きい場合(YES)、射影データが左右対称でなく1つの山のなかに2以上のターゲットが含まれると判断して、センスエリア内の判定結果を「不正入室」(2人以上の在室)とし(ステップS17)、前記左右の差が閾値よりも小さい場合(NO)、射影データが左右対称であり1つの山のなかに2以上のターゲットが含まれていないと判断して、センスエリア内の判定結果を「正規入室」とする(ステップS16)
そして各判定結果(ステップS15,S16,S17)をセンスエリアの判定結果としてメモリに保存する(ステップS18)。
不正入室判定処理部では、アラームエリアの画像データに関して縦射影平滑部から入力された縦方向の射影の山の数と、横射影平滑部から入力された横方向の山の数とを受け取り(ステップS21)、縦方向の射影の山が存在するか否かを判断し(ステップS22)、存在しない場合(NO)は、さらに横方向の射影の山が存在する否かを判断し(ステップS23)、存在しない場合(NO)は、アラームエリアの判定結果を「不在」にする(ステップS24)。一方、ステップS22で縦方向の射影の山が存在する場合(YES)、またはステップS23で横方向の射影の山が存在する場合(YES)、アラームエリアの判定結果を「不正入室」にする(ステップS25)。
そして各判定結果(ステップS24,S25)をアラームエリアの判定結果としてメモリに保存する(ステップS26)。
不正入室判定処理部では、アラームエリアの判定結果をメモリから読み込み(ステップS31)、アラームエリアの判定結果が「不正入室」か否かを判断し(ステップS32)、「不正入室」でない場合(NO)、センスエリアの判定処理を行う(ステップS33)。なおセンスエリアの判定処理については、図11のフローチャートに示す判定方法を用いた。
そして各判定結果(ステップS35,S37,S38)をセンスエリアとアラームエリアを併用した判定結果としてメモリに保存する(ステップS39)。
例えば図4に示すようにセンスエリアのみを設定した不正入室判定方法において、外部センサ(例えば認証室への不正侵入を検知するセンサ)による検出結果を取得し、外部センサの検出結果とセンスエリアの判定結果とに基づいて、認証室内の状態が「不在」「正規入室」「不正入室」の何れかを判定し、その判定結果を外部インターフェイス部34のデータ出力部(DO)から制御装置4へ出力する。
不正入室判定処理部は、外部センサの状態をデータ入力部(DI)から読み込み(ステップS41)、外部センサがACTIVEか否かを判断する(ステップS42)。
なお図16に示す実施例では、外部センサがACTIVEであるとは、外部センサが認証室への不正侵入を検知したことを意味する。
そしてセンスエリアの判定結果が「不在」か否かを判断し(ステップS44)、「不在」の場合(YES)、センスエリアと外部センサを併用した判定結果(つまり認証室内の状態)を「不在」にする(ステップS45)。一方、「不在」でない場合(NO)、さらにセンスエリアの判定結果が「正規入室」か否かを判断し(ステップS46)、「正規入室」の場合(YES)、センスエリアと外部センサを併用した判定結果(つまり認証室内の状態)を「正規入室」にする(ステップS47)。なお、ステップS42において外部センサがACTIVEであると判断した場合(YES)、またはステップS46においてセンスエリアの判定結果が「正規入室」でない場合(NO)、センスエリアと外部センサを併用した判定結果(つまり認証室内の状態)を「不正入室」にする(ステップS48)。
そして各判定結果(ステップS45,S47,S48)をセンスエリアと外部センサを併用した判定結果としてメモリに保存する(ステップS49)。
例えば図4に示すようにセンスエリアのみが設定された入室管理システムにおいて、外部センサが認証室へのターゲットの入室を検知し、前記外部センサでターゲットの入室を検知した場合にのみ、センスエリアの判定処理を行う。
図17のフローチャートを参照して、外部センサ反応時のみの判定方法について説明する。
そして各判定結果(ステップS55,S57,S58)をセンスエリアと外部センサを併用した判定結果としてメモリに保存する(ステップS59)。
またセンスエリアやアラームエリアを複数設定した場合、不正入室判定部31において、エリア毎に画像処理して、不正入室判定処理部においてエリア毎に「不在」「正規入室」「不正入室」を判定し、認証室内の状態(「不在」「正規入室」「不正入室」)を判定する。
そして制御装置4は不正入室検出装置3による判定結果と、個人認証装置2による照合結果とに基づいて第1及び第2扉の電気錠の開錠/施錠を制御し、若しくは自動扉からなる第1扉や第2扉の開閉を制御する。
また制御装置4は、不正入室検出装置3による判定結果をもとに、警報機を制御してアラーム警告をする。
この発明による不正入室検出装置を用いた入室管理システムでは、モニタに認証室内の映像を表示するにあたって、前記エリア設定部32で設定した画像センス領域と、不正入室判定部31の判定結果とが合成表示される。
例えばセンスエリア(斜線領域)を青色で表示し、アラームエリア(格子領域)を赤色で表示した。
またセンスエリア・アラームエリアの合成表示方法に於いて、エリア設定時はエリア毎に対応した色をエリア全体に表示し、運用時は各エリアと映像入力手段(カメラ1)で撮影した映像の両方を確認しやすくするため、エリア毎に対応した色をエリアの輪郭のみに表示するように、自動でエリアの合成表示方法を切替えた。
なおこの実施例では、センスエリアの検出結果表示(青色の矩形)の位置を、検出した射影の山(図5を参照)の座標位置(X座標系とY座標系)に対応させ、センスエリアの輪郭の上側と右側とにそれぞれ表示した。また検出結果表示の矩形の大きさ(幅)を、検出した射影の山(図5を参照)における一定の閾値以上の幅に対応させて表示した。
なおこの実施例では、センスエリアの検出結果表示(青色の矩形)の位置を、検出した射影の山の座標位置(X座標系とY座標系)に対応させ、センスエリアの輪郭の上側と右側とにそれぞれ表示し、検出結果表示の矩形の大きさ(幅)を、検出した射影の山における一定の閾値以上の幅に対応させて表示した。またアラームエリアにおける検出結果表示(赤色の矩形)の位置および大きさ(幅)についても、センスエリアと同様にして、検出した射影の山の座標位置(X座標系とY座標系)と、その射影の山の一定の閾値以上の幅に対応させ、アラームエリアの輪郭の下側と右側にそれぞれ表示した。
例えば、モニタの表示画面の右上に不正入室判定装置3(不正入室判定部31)による判定結果(「不在」「正規入室」「不正入室」)を文字表示するように構築することによって、モニタを監視するオペレータが不正入室を容易に確認できる。
そこで認証室にカメラを設置するにあたって、(1)認証室内の全体の映像を取得できること、(2)認証室に設置したカメラから入力される映像において、個人認証装置2による認証時の立ち位置に立っているターゲットの陰となって、別のターゲットが隠れてしまう範囲(死角)が狭いこと、または立ち位置に立ったターゲットが別のターゲットの陰となって隠れてしまう範囲(死角)が狭いこと、に留意しなければならない。
しかしながら認証室が広い場合や、認証時の立ち位置に身長の高いターゲット(人物)が立った場合は、認証室中央に設置したカメラC1からの入力映像では、立ち位置にいるターゲットの陰となって隠れてしまう範囲(死角)、または立ち位置のターゲットが陰となって隠れてしまう範囲(死角)が広くなり、例えば2人以上のターゲットが近接(密着)している場合、認証室中央に設置した一台のカメラC1からの入力映像では十分な精度をもって不正入室(2人以上の在室)を検出できない虞がある。
例えば、広い認証室の中央の真上(天井)に1台のカメラC1を設置し、当該認証室の壁際に設置してある個人認証装置2の前に立って個人情報の照合を行うターゲットを撮影する場合、個人認証装置の前に立ったターゲットと、当該ターゲットを撮影するカメラC1との距離が大きく離れ、前記ターゲット近傍の死角が広くなってしまう。
撮影すべきターゲットから離れた位置から認証室内全体を撮影した場合、例えば入室許可者であるターゲット(1人目)の傍にもう1人のターゲット(入室非許可者)が立っていても、2人目のターゲット(入室非許可者)は1人目のターゲット(入室許可者)の陰(死角)となる。
図20(b)では、認証室中央の天井に設置したカメラC1からの入力映像において、1人目のターゲット(入室許可者)の陰(死角)となる2人目のターゲット(入室非許可者)の部分を網掛け模様で示している。この実施例では、入室非許可者は入室許可者の陰となって、頭のごく一部しか撮影できないため、前記カメラC1からの入力映像をもとに射影の山を算出したときに射影の山として検出できず、当該入力映像に基づいて2人目のターゲットを検出することができない。
個人情報装置2に個人情報を付与して照合する際(認証時)、ターゲットはほぼ決まった位置(立ち位置)に立つこととなる。従って認証時のターゲットの頭(後頭部)の位置や、両肩(右肩・左肩)の位置は略一定であり、予めその位置を予測することができる。そこでこの実施例では、認証時におけるターゲットの立ち位置の中心線と、当該立ち位置に立ったターゲットの後頭部に沿った水平線が交わる地点の天井に1台のカメラC1を設置した。
つまり広い認証室内に1台のカメラC1を設置する場合、認証時の立ち位置に立ったターゲット(人物)の後頭部の真上にカメラC1を設置し、当該カメラC1によって、立ち位置に立ったターゲットの後頭部の真上から鉛直下向きに撮影し、認証室内全体を撮影した入力映像を取得する。そして前記入力映像において、認証装置の前に立って個人情報の照合を行うターゲットの近傍の、当該ターゲットによって陰となる範囲(死角)が狭くなるようにし、不正入室を検出できるようにした。
つまり入室許可者(1人目)と、当該入室許可者に同伴する入室非許可者(2人目)の上半身の一部までを撮影できることから、2人のターゲットについてそれぞれ射影の山を検出することができ、カメラ配置によるターゲットの分離検出精度の向上によって、不正入室の検出精度が向上する。
ターゲットが個人認証装置2に個人情報を付与して照合するときは、必ず認証装置の前に立つ行動パターンを利用し、認証時の立ち位置(例えば認証装置の前)に立ったターゲット全体を覆うようにセンスエリア(斜線部分)を設定するとともに、当該センスエリアの周囲にアラームエリア(格子部分)を設定する場合、図22に示すように、認証時の立ち位置(例えば認証装置の前)に立ったターゲットの後頭部の真上から鉛直下向きに1台のカメラC1を設置するとともに、前記ターゲットの後頭部に沿った水平線上にセンスエリアとアラームエリアの境界がくるように、センスエリアとアラームエリアを設定することが好ましい。これによって、立ち位置に立ったターゲットの背後に密着して立ったターゲット(2人目)の分離検出精度の向上を図ることができる。
天井が低い認証室の場合、図21に示す実施例のように、認証時におけるターゲットの立ち位置の中心線と、当該立ち位置に立ったターゲットの後頭部に沿った水平線が交わる地点の天井に1台のカメラC1を設置して認証室内全体を撮影しても、認証時の立ち位置にいるターゲットの陰となって隠れてしまう範囲(死角)、または立ち位置のターゲットが陰となって隠れてしまう範囲(死角)が広くなる。
天井が低い認証室に1台のカメラを鉛直下方向に向けて配置し、当該カメラで認証室内全体を撮影した場合、前記ターゲット(入室許可者)の傍にもう一人のターゲット(入室非許可者)が立っていても、2人目のターゲット(入室非許可者)は1人目のターゲット(入室許可者)の陰(死角)となる。図23では、陰(死角)となる2人目のターゲット(入室非許可者)の部分を網掛け模様で示している。この実施例では、入室非許可者は入室許可者の陰となって、頭のごく一部しか撮影できないため、前記カメラC1からの入力映像をもとに射影の山を算出したときに射影の山として検出できず、当該入力映像に基づいて2人目のターゲットを検出することができない。
図24は3台のカメラの配置例を説明する図であり、図25は2台のカメラの配置例を説明する図である。
立ち位置に立ったターゲットの後頭部及び左肩端部・右肩端部の真上に設置された3台のカメラC1,L1,R1で撮影した場合、立ち位置に立ったターゲット(入室許可者)の傍にもう一人のターゲット(入室非許可者)が立っていても、前記3台のカメラC1,L1,R1で認証室内全体を撮影した入力映像において、2人目のターゲット(入室非許可者)が1人目のターゲット(入室許可者)の陰となってしまう範囲(死角)を狭くすることができ、2人目のターゲットが完全に隠れてしまうことなく撮影することができる。
立ち位置に立ったターゲットの左肩端部・右肩端部の真上に設置された2台のカメラL1,R1で撮影した場合、立ち位置に立ったターゲット(入室許可者)の傍にもう一人のターゲット(入室非許可者)が立っていても、前記2台のカメラL1,R1で認証室内全体を撮影した入力映像において、2人目のターゲット(入室非許可者)が1人目のターゲット(入室許可者)の陰となってしまう範囲(死角)を狭くすることができ、2人目のターゲットが完全に隠れてしまうことなく撮影することができる。
なお図25に示す実施例では、図24に示すカメラの配置例と比べて、カメラ台数を減らせるため、設備費やメンテナンスのコストを抑えられる。
複数のカメラからの入力映像をもとにセンスエリアおよびアラームエリアを設定する場合、カメラ毎にセンスエリア、アラームエリアの設定区画の役割を分担することが好ましい。
図26に示す実施例では、各カメラからの入力映像をもとにセンスエリアおよびアラームエリアを設定するにあたって、ターゲット後頭部の真上から撮影するカメラC1からの入力映像には、認証時の立ち位置(例えば認証装置の前)に立ったターゲット全体を覆う区画(ドット部分)にセンスエリアを設定するとともに、当該ターゲットの後方の区画(ドット部分)にアラームエリアを設定した。なお立ち位置に立ったターゲットの後頭部に沿った水平線上に、センスエリアとアラームエリアの境界がくるようにようセンスエリアとアラームエリアとを設定した。さらにターゲットの左肩端部の真上に設置したカメラL1からの入力映像には、左肩端部より左側の区画(斜線部分)にアラームエリアのみを設定した。同様に、右肩端部の真上に設置したカメラR1からの入力映像には、ターゲットの右肩端部より右側の区画(斜線部分)にアラームエリアのみを設定した。
こうすることにより、認証時の立ち位置に立ったターゲットの背後および左右に、別のターゲットが密着して立っても、3台のカメラの何れかで別のターゲットを撮影することができ、ターゲットの分離検出精度の向上を図ることができる。
図28(a)に示すように、認証時における立ち位置に立ったターゲットの後頭部に沿った水平線と、当該ターゲットの左肩端部に沿った垂直線とが交わる地点の真上(天井)に設置したカメラL1で認証室内を撮影し、当該入力映像に、認証時の立ち位置(例えば認証装置の前)に立ったターゲット全体を覆うようにセンスエリアを設定するとともに、当該センスエリアを囲むようにアラームエリアを設定した。
また図28(b)に示すように、認証時における立ち位置に立ったターゲットの後頭部に沿った水平線と、当該ターゲットの右肩端部に沿った垂直線とが交わる地点の真上(天井)に設置したカメラR1で認証室内を撮影し、当該入力映像に基づいて、認証時の立ち位置(例えば認証装置の前)に立ったターゲット全体を覆うようにセンスエリアを設定するとともに、当該センスエリアを囲むようにアラームエリアを設定した。
なお立ち位置に立ったターゲットの後頭部に沿った水平線上と、当該ターゲットの左肩端部または右肩端部に沿った垂直線上に、それぞれセンスエリアとアラームエリアの境界がくるようにようセンスエリアとアラームエリアとを設定することが好ましい。
こうすることにより、認証時の立ち位置に立ったターゲットの背後および左右に、別のターゲットが密着して立っても、2台のカメラの何れかで別のターゲットを撮影することができ、ターゲットの分離検出精度の向上を図ることができる。
こうすることにより、認証時の立ち位置に立ったターゲットの背後および左右に、別のターゲットが密着して立っても、何れかのカメラで別のターゲットを撮影することができ、また密着した2以上のターゲットから1つの射影の山しか検出されない場合も、当該2台のカメラL1,R1からの入力映像に基づいて射影の山の左右対称度を比較することによって、同伴による不正入室を検出することができる。
2 個人認証装置
3 不正入室検出装置
31 不正入室判定部
32 エリア設定部
33 映像合成表示部
34 外部インターフェイス部
4 制御装置
51 第1扉の電気錠
52 第2扉の電気錠
61 第1自動扉
62 第2自動扉
71 第1自動扉用センサ
72 第2自動扉用センサ
Claims (2)
- 外部からの出入を可能とする第1扉と、管理区域への出入を可能とする第2扉とによって閉鎖され、ターゲットが管理区域への入室許可者であるか否かを判断する個人認証装置(2)が設置された認証室の不正入室を検出する不正入室検出装置(3)において、
前記認証室内で前記ターゲットが前記個人認証装置による認証時の立ち位置に立ったときの前記ターゲットの後頭部の真上から鉛直下向きに撮影する第1のカメラと、
前記ターゲットの左肩端部の真上から鉛直下向きに撮影する第2のカメラと、
前記ターゲットの右肩端部の真上から鉛直下向きに撮影する第3のカメラと、
を備え、
前記第1のカメラ、前記第2のカメラ、および前記第3のカメラによって前記認証室全体を撮影することを特徴とする不正入室検出装置。 - 外部からの出入を可能とする第1扉と、管理区域への出入を可能とする第2扉とによって閉鎖され、ターゲットが管理区域への入室許可者であるか否かを判断する個人認証装置(2)が設置された認証室の不正入室を検出する不正入室検出装置(3)において、
前記認証室内で前記ターゲットが前記個人認証装置による認証時の立ち位置に立ったときの前記ターゲットの後頭部に沿った鉛直面と左肩端部に沿った鉛直面の交差線上に位置し、真上から鉛直下向きに撮影する第1のカメラと、
前記後頭部に沿った鉛直面と右肩端部に沿った鉛直面の交差線上に位置し、真上から鉛直下向きに撮影する第2のカメラと、
を備え、
前記第1のカメラ、および前記第2のカメラによって前記認証室全体を撮影することを特徴とする不正入室検出装置。
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