JP4295299B2 - 新校倉造の木造建造物 - Google Patents

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本発明は、間伐材などの木材を利用して組み立てる新校倉造の木造建造物に関する。
木材を用いた木造建造物として、例えば、ログハウスが知られている(例えば、特許文献1参照)。このログハウスは、コンクリート基礎の上に載置固定された土台と、この土台の上に所要の通りに組み立てられた壁部構造と、この壁部構造の上端部に取り付けられた屋根と備えている。壁部構造は、所定方向(例えば、横方向)に延びる第1組木木材の端部と所定方向に対して垂直な方向(例えば、奥行き方向)に延びる第2組木木材の端部とが組み合わされて構成され、第1組木木材及び第2組木木材は組み合わされながら上下方向に積み重ねられて壁部を構成する。
特開2003−119930号公報
しかしながら、従来の木造建造物には、次の通りの解決すべき問題がある。第1に、壁部構造の組付構造が複雑であるとともに、その組付構造に起因して、第1組木部材と第2組木部材とを簡単に且つ強固に組み付けるのが難しいという問題がある。また、このような壁部構造においては、外部からの雨水の浸入を確実に防止する必要がある。第2に、木造建造物の壁部構造などに間伐材を用いる場合、組木部材を接いで用いるようになるが、簡単に且つ強固に接ぐことができる接手構造の実現が望まれている。第3に、木造建築物の屋根に木製プレートを用いた場合、雨水が屋根の傾斜に沿って流れるように構成する必要がある。
本発明の第1の目的は、最適な壁構造を備えた新校倉造の木造建造物を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、二つの木部材を接いで校木、梁又は桁として用いる木造建造物を提供することである。
更に、本発明の第3の目的は、降った雨水を屋根の傾斜に沿って確実に流すことができる木造建造物を提供することである。
本発明の請求項1に記載の新校倉造の木造建造物は、上記第1の目的に対応して、第1木部材の一端部と第2木部材の一端部とを上下方向に組み合わせて構成される壁構造を備えた木造建造物において、
前記第1木部材の一端部には、その上部及び下部に第1上切欠き部及び第1下切欠き部を形成することによって長手方向に延びる第1組付突部が設けられ、前記第1組付突部の長手方向に対して垂直な第1断面の厚みは一端に向けてテーパ状に漸増するとともに、その幅方向に対して垂直な第2断面の厚みは一側端に向けてテーパ状に漸減しており、
また、前記第2木部材の一端部には、その上部及び下部に第2上切欠き部及び第2下切欠き部を形成することによって長手方向に延びる第2組付突部が設けられ、前記第2組付突部の長手方向に対して垂直な第1断面の厚みは一端に向けてテーパ状に漸増するとともに、その幅方向に対して垂直な第2断面の厚みは一側端に向けてテーパ状に漸減しており、
前記第1木部材の前記第1組付突部の下側に、この第1木部材に関連して上下方向に隣接して配設された一対の第2木部材の下側の前記第2木部材の前記第2組付突部が組み付けられ、前記第1木部材の前記第1組付突部の上側に、前記一対の第2木部材の上側の前記第2木部材の前記第2組付突部が組み付けられることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の新校倉造の木造建造物では、前記第1木部材の前記第1組付突部の下面には第1下組付凹部が設けられ、下側の前記第2木部材の前記第2組付突部の上面には第2上組付凹部が設けられ、前記第1下組付凹部及び前記第2上組付凹部に固定用下だほ部材が挿入され、また前記第1木部材の前記第1組付突部の上面には第1上組付凹部が設けられ、上側の前記第2木部材の前記第2組付突部の下面には第2下組付凹部が設けられ、前記第1上組付凹部及び前記第2下組付凹部には固定用上だほ部材が挿入されることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の新校倉造の木造建造物では、前記第1木部材は上下方向に重ねて配設され、上下方向に隣接する一対の第1木部材の下側の前記第1木部材の上面には長手方向に延びる上収容凹部が設けられ、前記一対の第1木部材の上側の前記第1木部材の下面には長手方向に延びる下収容凹部が設けられ、前記第1木部材の前記上収容凹部及び前記下収容凹部に第1流入阻止部材が装着され、また前記第2木部材は上下方向に重ねて配設され、上下方向に隣接する一対の第2木部材の下側の前記第2木部材の上面には長手方向に延びる上収容凹部が設けられ、また前記一対の第2木部材の上側の前記第2木部材の下面には長手方向に延びる下収容凹部が設けられ、前記第2木部材の前記上収容凹部及び前記下収容凹部に第2流入阻止部材が装着されることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の新校倉造の木造建造物では、前記第1木部材及び前記第2木部材の上面には、前記上収容凹部から外側に向けて下方に傾斜する上傾斜面が設けられ、またそれらの下面には、前記下収容凹部から外側に向けて上方に傾斜する下傾斜面が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の新校倉造の木造建造物では、前記第1木部材の前記第1組付突部の側面には、前記一対の第2木部材の前記上収容凹部及び下収容凹部に対応して第1挿入凹部が設けられ、前記一対の第2木部材の前記上収容凹部及び前記下収容凹部に挿入された前記第2流入阻止部材の端部が前記第1挿入凹部に挿入され、また前記第2木部材の前記第2組付突部の側面には、前記一対の第1木部材の前記上収容凹部及び下収容凹部に対応して第2挿入凹部が設けられ、前記一対の第1木部材の前記上収容凹部及び前記下収容凹部に挿入された前記第1流入阻止部材の端部が前記第2挿入凹部に挿入されることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の新校倉造の木造建造物では、上下方向に重ねられた複数の前記第1木部材には、これらを上下方向に貫通して伸びる第1連結貫通孔が設けられ、前記第1連結貫通孔に第1通し部材が挿入され、最下位の前記第1木部材と前記第1通し部材の下端部とが第1連結部材により連結固定され、また前記第1木部材の上端部は最上位の前記第1木部材から上方に突出し、この突出端部に設けられた挿入口に第1くさび部材が挿入固定され、複数の前記第1木部材は前記第1連結部材と前記第1くさび部材との間に挟持されることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載の新校倉造の木造建造物では、上下方向に重ねられた複数の前記第2木部材には、これらを上下方向に貫通して伸びる第2連結貫通孔が設けられ、前記第2連結貫通孔に第2通し部材が挿入され、最下位の前記第2木部材と前記第2通し部材の下端部とが第2連結部材により連結固定され、また前記第2木部材の上端部は最上位の前記第2木部材から上方に突出し、この突出端部に設けられた挿入口に第2くさび部材が挿入固定され、複数の前記第2木部材は前記第2連結部材と前記第2くさび部材との間に挟持されることを特徴とする。
また、本発明の請求項8記載の木造建造物は、上記第2の目的に対応して、第1木部材と第2木部材とを接いで一つの校木、梁又は桁として用いる木造建造物において、
前記第1木部材の一端部には、一側部に第1切欠き部を形成することによって長手方向に延びる第1組付突部が設けられ、前記第1組付突部の先端部は、一端に向けてその上端側が突出する第1くさび状部が設けられ、前記第1くさび状部の下面は、前記一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第1下向き傾斜面が設けられ、また前記第1切欠き部の底部は、他端に向けてその上端側が延びるくさび状に形成され、その底部上面は、前記一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第1上向き傾斜面が設けられており、
また、前記第2木部材の一端部には、一側部に第2切欠き部を形成することによって長手方向に延びる第2組付突部が設けられ、前記第2組付突部の先端部は、一端に向けてその上端側が突出する第2くさび状部が設けられ、前記第2くさび状部の下面は、前記一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第2下向き傾斜面が設けられ、また前記第2切欠き部の底部は、他端に向けてその上端側が延びるくさび状に形成され、その底部上面は、前記一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第2上向き傾斜面が設けられており、
前記第1木部材の一端部と前記第2木部材の一端部とを相互に組み合わせると、前記第1組付突部の前記第1くさび状部の第1下向き傾斜面が前記第2木部材の前記第2切欠き部の前記第2上向き傾斜面に食い込むように作用するとともに、前記第2組付突部の前記第2くさび状部の前記第2下向き傾斜面が前記第1木部材の前記第1切欠き部の前記第1上向き傾斜面に食い込むように作用することを特徴とする。
また、本発明の請求項9に記載の木造建造物では、前記第1木部材の前記第1組付突部の一側面には矩形状の第1凹部が設けられ、前記第1凹部は一対の第1作用面を有し、また前記第2木部材の前記第2組付突部の一側面には矩形状の第2凹部が設けられ、前記第2凹部は一対の第2作用面を有し、前記第1凹部と前記第2凹部とは相互に協働して組付貫通孔を規定し、前記組付貫通孔に組付挿入部材が挿入されることを特徴とする。
また、本発明の請求項10に記載の木造建造物は、上記第2の目的に対応して、第1木部材と第2木部材とを接いで一つの校木、梁又は桁として用いる木造建造物において、
前記第1木部材の一端部には、その下部を除く部位に長手方向に延びる第1組付突部及び第1組付凹部が設けられ、前記第2木部材の一端部には、その下部を除く部位に長手方向に延びる第2組付突部及び第2組付凹部が設けられており、
前記第1木部材の一端部と前記第2木部材の一端部とを相互に組み合わせると、前記第1木部材の第1組付突部が前記第2木部材の前記第2組付凹部に組み付けられるとともに、前記第2木部材の前記第2組付突部が前記第1木部材の前記第1組付凹部に組み付けられることを特徴とする。
また、本発明の請求項11に記載の木造建造物では、前記第1木部材には、前記第1組付突部から前記第1組付凹部にわたって第1凹部が設けられ、前記第1凹部は第1作用面を有し、また前記第2木部材には、前記第2組付突部から前記第2組付凹部にわたって第2凹部が設けられ、前記第2凹部は第2作用面を有し、前記第1凹部と前記第2凹部とは相互に協働して組付貫通孔を規定し、前記組付貫通孔に組付挿入部材が挿入されることを特徴とする。
更に、本発明の請求項12に記載の木造建造物は、上記第3の目的に対応して、木製プレートを屋根の傾斜方向及び横方向に並べて取り付けた板葺き屋根構造を備えた木造建造物において、
前記板葺き屋根構造は、前記木製プレートを組み合わせて構成される屋根本体部を備え、前記屋根本体部は、隣接する一対の木製プレート間に介在される接続部材を備えており、
前記屋根本体部の上側には、前記一対の木製プレートと前記接続部材との接続部を覆うように木製上プレートが設けられ、前記木製プレート及び前記木製上プレートには、幅方向に間隔をおいて複数の雨水流れ用凹部が設けられており、
前記接続部材の上部は前記一対の木製プレートより上方に突出し、前記木製上プレートの下面には、前記接続部材の上部を受け入れる受入凹部が設けられていることを特徴とする。
更にまた、本発明の請求項13に記載の木造建造物では、屋根の野地板の上面に杉の皮が敷き詰められるとともに、前記杉の皮を介して、屋根の傾斜方向に伸びる縦部材が横方向に間隔をおいて前記野地板に取り付けられ、更に前記縦部材に、横方向に延びる横部材が屋根の傾斜方向に間隔をおいて取り付けられ、前記屋根本体部が前記横部材に取り付けられることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の新校倉造の木造建造物によれば、第1木部材の一端部には第1組付突部が設けられ、第1組付突部の長手方向に対して垂直な厚みは一端に向けてテーパ状に漸増するとともに、その幅方向に対して垂直な厚みは一側端に向けてテーパ状に漸減し、また第2木部材の一端部には第2組付突部が設けられ、第2組付突部の長手方向に対して垂直な厚みは一端に向けてテーパ状に漸増するとともに、その幅方向に対して垂直な厚みは一側端に向けてテーパ状に漸減しているので、第1木部材の第1組付突部の下側に、下側の第2木部材の第2組付突部を組み付け、第1木部材の第1組付突部の上側に、上側の第2木部材の第2組付突部が組み付けることによって、第1木部材と第2木部材とを強固に組み付けることができる。このような構造の新校倉造の木造建造物では、戦後に植林された杉、桧の間伐材を使用することができ、第1木部材及び第2木部材として、寸法が4m材で、8cm角、12cm角、12cm×18cm、15cm×21cmの規格寸法のもので対応でき、このような間伐材の有効利用を図ることができる。また、このような構造の新校倉造の木造建造物では、ログハウスのような特殊な木工機械を必要とすることなく、全国の大工が使用しているプレナ、ホソ取機などで対応することができ、比較的簡単に建造することができる。
また、本発明の請求項2に記載の新校倉造の木造建造物によれば、第1木部材の第1組付突部の第1下組付凹部及び下側の第2木部材の第2組付突部の第2上組付凹部に固定用下だほ部材が挿入され、また第1木部材の第1組付突部の第1上組付凹部及び上側の第2木部材の第2組付突部の第2下組付凹部に固定用上だほ部材が挿入されるので、第1木部材と第2木部材とをより強固に組み合わせることができる。
また、本発明の請求項3に記載の新校倉造の木造建造物によれば、上下方向に隣接する一対の第1木部材の下側の第1木部材の上収容凹部及び上側の第1木部材の下収容凹部に第1流入阻止部材(所謂、目地)が装着されているので、上下方向に積み重ねられた第1木部材間からの雨水の侵入を、この第1流入阻止部材によって阻止することができる。また、上下方向に隣接する一対の第2木部材の下側の第2木部材の上収容凹部及び上側の第2木部材の下収容凹部に第2流入阻止部材(所謂、目地)が装着されているので、上下方向に積み重ねられた第2木部材間からの雨水の侵入を、この第2流入阻止部材によって阻止することができる。
また、本発明の請求項4に記載の新校倉造の木造建造物によれば、第1木部材(及び第2木部材)の上面には、上収容凹部から外側に向けて下方に傾斜する上傾斜面が設けられ、また第1木部材(及び第2木部材)の下面には、下収容凹部から外側に向けて上方に傾斜する下傾斜面が設けられているので、上下方向に隣接する第1木部材(及び第2木部材)の間には、外側に向けて拡大する空間が規定され、外部からの雨水が第1木部材(及び第2木部材)間に溜まることを防止することができる。
また、本発明の請求項5に記載の新校倉造の木造建造物によれば、第1木部材の第1組付突部の側面に第1挿入凹部が設けられ、一対の第2木部材の上収容凹部及び下収容凹部に挿入された第2流入阻止部材の端部が第1挿入凹部に挿入されるので、第2流入阻止部材の端部を第1木部材に組み付けることができる。また、第2木部材の第2組付突部の側面には第2挿入凹部が設けられ、一対の第1木部材の上収容凹部及び下収容凹部に挿入された第1流入阻止部材の端部が第2挿入凹部に挿入されるので、第1流入阻止部材の端部を第2木部材に組み付けることができる。
また、本発明の請求項6に記載の新校倉造の木造建造物によれば、複数の第1木部材に第1連結貫通孔が設けられ、かかる第1連結貫通孔に第1通し部材が挿入され、最下位の第1木部材と第1通し部材の下端部とが第1連結部材により連結固定され、第1木部材から上方に突出する第1通し部材の突出端部に第1くさび部材が挿入固定されているので、複数の第1木部材を第1連結部材と第1くさび部材との間に強固に挟持することができる。
また、本発明の請求項7に記載の新校倉造の木造建造物によれば、複数の第2木部材に第2連結貫通孔が設けられ、かかる第2連結貫通孔に第2通し部材が挿入され、最下位の第2木部材と第2通し部材の下端部とが第2連結部材により連結固定され、また第2木部材から上方に突出する第2通し部材の突出端部に第2くさび部材が挿入固定されるので、複数の第2木部材を第2連結部材と第2くさび部材との間に強固に挟持することができる。
また、本発明の請求項8記載の木造建造物によれば、第1木部材の一端部の第1組付突部の先端部には第1くさび状部が設けられ、第1くさび状部の下面は、一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第1下向き傾斜面が設けられ、第1切欠き部の上面は、一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第1上向き傾斜面が設けられ、また第2木部材の一端部の第2組付突部の先端部には第2くさび状部が設けられ、第2くさび状部の下面は、一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第2下向き傾斜面が設けられ、第2切欠き部の底部上面は、一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第2上向き傾斜面が設けられているので、第1木部材の一端部と第2木部材の一端部とを相互に組み合わせると、第1組付突部の第1くさび状部が第2木部材の第2切欠き部に食い込むように作用するとともに、第2組付突部の第2くさび状部が第1木部材の第1切欠き部に食い込むように作用し、かくして、第1木部材と第2木部材を強固に接ぐことができる。
また、本発明の請求項9に記載の木造建造物によれば、第1木部材の第1組付突部の一側面に、一対の第1作用面を有する第1凹部が設けられ、また第2木部材の第2組付突部の一側面に、一対の第2作用面を有する第2凹部が設けられ、第1凹部及び第2凹部とは相互に協働して組付貫通孔を規定するので、この組付貫通孔に組付挿入部材を挿入することによって、この組付挿入部材が第1木部材の第1凹部の一対の第1作用面及び第2木部材の第2凹部の一対の第2作用面に作用し、これによって、第1木部材及び第2木部材をより強固に接ぐことができる。
また、本発明の請求項10に記載の木造建造物によれば、第1木部材の一端部に第1組付突部及び第1組付凹部が設けられ、第2木部材の一端部に第2組付突部及び第2組付凹部が設けられているので、第1木部材の一端部と第2木部材の一端部とを相互に組み合わせると、第1木部材の第1組付突部が第2木部材の第2組付凹部に組み付けられるとともに、第2木部材の第2組付突部が第1木部材の第1組付凹部に組み付けられ、かくして、第1木部材と第2木部材とを強固に接ぐことができる。
また、本発明の請求項11に記載の木造建造物では、第1木部材には、第1作用面を有する第1凹部が設けられ、第2木部材には、第2作用面を有する第2凹部が設けられ、これら第1凹部及び前記第2凹部は組付貫通孔を規定するので、かかる組付貫通孔に組付挿入部材を挿入することによって、第1木部材と第2木部材とをより強固に接ぐことができる。
更に、本発明の請求項12に記載の木造建造物によれば、屋根本体部の上側には、一対の木製プレートと接続部材との接続部を覆うように木製上プレートが設けられるので、かかる接続部からの雨水の漏れを防止することができる。また、木製プレート及び木製上プレートには複数の雨水流れ用凹部が設けられているので、これらプレートに降った雨は雨水流れ用凹部に流入して流れ、雨水の流下が容易となる。更に、木製上プレートの下面には、一対の木製プレート間に介在される接続部材の上部を受け入れる受入凹部が設けられているので、この木製上プレートの位置決めを確実に行うことができ、例えば釘を用いて取り付ける場合に、外側から釘が見えないように打ち付けることが可能となる。
更にまた、本発明の請求項13に記載の木造建造物によれば、屋根の野地板と屋根本体部との間に空間が存在するので、この空間が断熱空間として機能し、建造物の断熱効果を高めることができる。また、野地板の上面に杉の皮が敷き詰められているので、この杉の皮によって、上記空間の湿度調整を行うことが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う木造建造物の実施形態について説明する。
木造建造物全体の構成
まず、図1及び図2を参照して、図示の木造建造物全体の構成について説明する。図1は、一実施形態の木造建造物を示す正面図であり、図2は、図1の木造建造物の側面図であり、図3は、図2におけるIII−III線による断面図である。
図1〜図3において、図示の木造建造物は新校倉造が適用され、例えば束石基礎構造2の上に建造物本体4が建造されている。この建造物本体4は矩形状の壁部構造6と、この壁部構造6の上端部に組み付けられた屋根構造8とを備え、壁部構造6として、後に詳述する新校倉造が採用されている。
建造物本体4の壁部構造6の一壁部10(図1において手前側でって、図3において左側の壁部)に入口が設けられ、この入口に引き戸式の開閉扉12が開閉自在に装着されている。また、壁部構造6の相互に対向する一対の壁部14,16(図2において手前側及び奥側であって、図3において下側及び上側の壁部)には窓が設けられ、この窓に引き戸式の窓用ガラス戸18,20が装着されている。残りの壁部17には、引戸、窓などは設けられていない。尚、入口及び窓は、設計者の好みに応じて壁部構造6の適宜の部位に設けることができる。
壁部構造の構成
次に、主として図4〜図11を参照して、上述した建造物本体4の壁部構造6について説明する。図4は、図3の壁部構造の一部を、図3において矢印Aで示す方向から見た部分断面図であり、図5は、図3の壁部構造の一部を、図3において矢印Bで示す方向から見た部分断面図であり、図6は、図4の壁部構造における第1木部材の重なり部位を拡大して示す部分拡大断面図であり、図7は、図4の壁部構造における第1木部材の一端部を示す部分斜視図であり、図8は、図7の第1木部材の端部を示す正面図であり、図9は、図7の第1木部材の右側面図であり、図10は、第1木部材の上側に第2木部材を組み付けるときの状態を示す部分斜視図であり、図11は、第2木部材の上側に第1木部材を組み付けるときの状態を示す部分斜視図である。
図4及び図5(図4及び図5においては、理解を容易にするために、第1木部材22及び第2木部材24の数を少なくして示している)において、この壁部構造6は、第1木部材22と第2木部材24とを隅の組手としてのアリ組をダホ打ち込んで組み合わせている。この実施形態では、図3から理解されるように、第1木部材22は第2木部材24よりも長く、従って、壁部構造6は図2及び図3において左右方向に長くなっている。第1木部材22の全長は例えば4m程度に形成され、また第2木部材24の全長は例えば約3m程度に形成される。第1及び第2木部材22,24は、例えば間伐材を製材加工して製作することができ、長さが長いものについては、二つの木部材を後述する如く接ぐことによって製作することができる。
この実施形態では、第1木部材22及び第2木部材24の基本的構造は実質上同一で、それらの長さが異なるのみであり、それ故に、以下に第1木部材22(第2木部材24)の構成について説明する。図7〜11をも参照して、図示の第1木部材22(第2木部材24)の一端部には、長手方向に延びる第1組付突部26(第2組付突部28)が設けられている。このような第1組付突部26(第2組付突部28)は、第1木部材22(第2木部材24)の一端部の上部及び下部に第1上切欠き部30(第2上切欠き部32)及び第1下切欠き部34(第2下切欠き部36)を設けることによって形成され、かく形成された第1組付突部26(第2組付突部28)は、第1木部材22(第2木部材24)の上下方向中間部から長手方向外方に延びている。
第1組付突部26(第2組付突部28)は、先端側に向けて、即ち図7及び図8において右端側に向けて(図10及び図11において左下側に向けて)厚さがテーパ状に大きくなるように形成されており、従って、第1組付突部26(第2組付突部28)の長手方向に対して垂直な第1断面の厚みは、一端に向けて漸増するように構成されている。また、この第1組付突部26(第2組付突部28)は、図7及び図8において手前側であって、図10及び図11において左下側(図10及び図11において右下側)の側端に向けて、即ち図4及び図5に示すように組み合わされた状態において外側に位置する側端に向けて厚さがテーパ状に小さくなるように形成されており、従って、第1組付突部26(第2組付突部28)の幅方向に対して垂直な第2断面の厚みは、上記一側端に向けて漸減するように構成されている。
第1木部材22の第1組付突部26と第2木部材24の第2組付突部28とは、だほ構造により連結されるように構成されている。第1木部材22(第2木部材24)の第1組付突部26(第2組付突部28)の上面には第1上組付凹部38(第2上組付凹部40)が設けられ、またその第1組付突部26(第2組付突部28)の下面には第1下組付凹部42(第2下組付凹部)が設けられている。この実施形態では、第1上組付凹部38(第2上組付凹部40)及び第1下組付凹部42(第2下組付凹部)は断面が正方形状となるように形成されているが、断面が円形状、三角状になるように形成してもよい。後述するように、第1組付突部26の第1下組付凹部42と第2組付突部28の第2上組付凹部40には固定用下だほ部材46(図11参照)(所謂、ダホ)が打ち込まれれ、また第1組付突部26の第1上組付凹部38と第2組付突部28の第2下組付凹部(図示せず)には固定用上だほ部材48(図10参照)(所謂、ダホ)が打ち込まれる。
第1木部材22(第2木部材24)の上面及び下面には、その幅方向略中央部に、第1組付突部26(第2組付突部28)を除いてその一端から他端にわたって長手方向に直線状に延びる上収容凹部50(52)及び下収容凹部54(56)が設けられている。第1木部材22(第2木部材24)は上下方向に重ねて組み立てられ、かく組み立てられた状態においては、上下方向に隣接する下側の第1木部材22(第2木部材24)の上収容凹部50(52)と上側の第1木部材22(第2木部材24)の下収容凹部54(56)とが上下方向に整合する。第1木部材22(第2木部材24)の上収容凹部50(52)に第1流入阻止部材58(第2流入阻止部材60)(所謂、目地)が打ち込まれ、かく打ち込まれた第1流入阻止部材58(第2流入阻止部材60)の上側部が上側の第1木部材22(第2機部材24)の下収容凹部54(56)に、図4(図5)に示すように挿入される。この実施形態では、第1木部材22(第2木部材24)の上収容凹部50(52)に第1流入阻止部材58(第2流入阻止部材60)を打ち込んでいるが、このような構成に代えて、木部材の加工によって、第1流入阻止部材58(第2流入阻止部材60)を第1木部材22(第2木部材24)の上面に一体的に設けるようにしてもよい。
上述した構成に関連して、第1木部材22(第2木部材24)の上面には、上収容凹部50(52)から上記一側部、即ち図4及び図5に示すように組み付けた状態において外側に位置する側面に向けて下方に傾斜する上傾斜面62(64)が設けられている。また、第1木部材22(第2木部材24)の下面には、下収容凹部54(56)から上記一側部に向けて上方に傾斜する下傾斜面66(68)が設けられている。このように構成されるので、図4及び図5に示すように組み付けられた状態においては、上下方向に隣接する一対の第1木部材22(第2木部材24)の間隔は、下収容部54(56)及び上収容部50(52)から上記一側部に向けてテーパ状に拡がっており、このようなテーパ状の空間を設けることによって、雨水が溜まることが回避することができる。
上下方向に隣接する第2木部材24間に第2流入阻止部材60が介在されることに関連して、第1木部材22の第1組付突部26の側面に第1挿入凹部70(図7、図8及び図9参照)が設けられ、この第1挿入凹部70は第1組付突部26の上面から下面まで伸びている。また、第1木部材22の上記第1挿入凹部70に対応して、第2木部材24の上収容凹部52の一端から第2組付突部28まで第2上挿入連結凹部75が設けれるとともに、その下収容凹部56の一端から第2組付突部28まで第2下挿入連結凹部(図示せず)が設けられている。そして、かかる第1挿入凹部70の中央部に第2流入阻止部材60が挿入されるとともに、この第2流入阻止部材60の上側にて第1挿入凹部70と第2上挿入連結凹部75との間に第2連結部材83(図10参照)が挿入固定され、この第2連結部材83の上部は第1挿入凹部70から上方に突出し、またこの第2流入阻止部材60の下側にて、第1挿入凹部70と第2下挿入連結凹部(図示せず)との間に、下側の第1木部材22の第1挿入凹部70から上方に突出する第2連結部材83の上部が挿入される。
また、上下方向に隣接する第1木部材22間に第1流入阻止部材58が介在されることに関連して、第2木部材24の第2組付突部28の側面に第2挿入凹部79(図10及び図11)が設けられ、この第2挿入凹部79は第2組付突部28の上面から下面まで伸びている。また、第2木部材24の上記第2挿入凹部79に対応して、第1木部材22の上収容凹部50の一端から第1組付突部26まで第1上挿入連結凹部71が設けれるとともに、その下収容凹部54の一端から第1組付突部26まで第1下挿入連結凹部73が設けられている。そして、かかる第2挿入凹部71の中央部に第1流入阻止部材58が挿入されるとともに、この第1流入阻止部材58の上側にて第2挿入凹部79と第1上挿入連結凹部71との間に第1連結部材81(図11参照)が挿入固定され、この第1連結部材81の上部は第2挿入凹部79から上方に突出し、またこの第1流入阻止部材58の下側にて、第2挿入凹部79と第1下挿入連結凹部73との間に、下側の第2木部材24の第2挿入凹部79から上方に突出する第1連結部材81の上部が挿入される。このように組み合わされるので、第1木部材22及び第2木部材24は所謂アリ組されて強固に組み合わされる。
図4及び図5を参照して、壁部構造6の壁部14,16においては、第1木部材22が上下方向に重なるように組み合わされることに関連して、これら第1木部材22を強固に固定するための第1締結手段74が設けられている。第1木部材22の一端部には、上収容凹部50及び下収容凹部54に隣接して貫通孔76が設けられ、第1木部材22が上下方向に重ね合わされた状態においては、これら貫通孔76が第1連結貫通孔78(図4参照)を規定する。第1締結手段74は細長い第1通し部材80を備え、この第1通し部材80が第1連結貫通孔76を通して挿入される。壁部14,16として組み立てた状態において最下位に位置する第1木部材22には、貫通孔76に連通する横貫通孔82が設けられ、また第1通し部材80の下端部には下貫通孔84が設けられ、横貫通孔82及び下貫通孔84を通して第1連結部材86が挿入される。第1通し部材80の上端部は最上位の第1木部材22から上方に突出し、この突出端部に挿入口88が設けられ、かかる挿入口88に第1くさび部材90が挿入固定される。このように挿入固定した状態では、積み重ねられた第1木部材22は、第1締結部材74の第1連結部材86と第1くさび部材90との間に挟持され、強固に締結保持される。尚、第1通し部材80の下端部を第1連結部材86を介して最下位の第1木部材22に固定することに代えて、その上端部を連結したと同様に、第1通し部材80の下端部を最下位の第1木部材22を通して下方に突出させ、この突出端部に形成した挿入口にくさび部材を挿入固定するようにしてもよい。
また、壁部構造6の壁部10,17においては、第2木部材24が上下方向に重なるように組み合わされることに関連して、これら第2木部材24を強固に固定するための第2締結手段92が設けられ、この第2締結手段92は、第1締結手段74と同様の構成を有している。第2木部材24の一端部には、上収容凹部52及び下収容凹部56に隣接して貫通孔94が設けられ、第2木部材24が上下方向に重ね合わされた状態においては、これら貫通孔94が第2連結貫通孔96(図5参照)を規定する。第2締結手段92は細長い第2通し部材98を備え、この第2通し部材98が第2連結貫通孔96を通して挿入される。壁部10,17として組み立てた状態において最下位に位置する第2木部材22には、貫通孔94に連通する横貫通孔100が設けられ、また第2通し部材98の下端部には下貫通孔102が設けられ、横貫通孔100及び下貫通孔102を通して第2連結部材104が挿入される。第2通し部材98の上端部は最上位の第2木部材24から上方に突出し、この突出端部に挿入口106が設けられ、かかる挿入口106に第1くさび部材108が挿入固定される。このように挿入固定した状態では、積み重ねられた第2木部材24は、第2締結部材92の第2連結部材104と第2くさび部材108との間に挟持され、強固に締結保持される。尚、この第2締結手段92においても、上述した第1締結手段90と同様に、第2通し部材98の下端部を最下位の第2木部材24を通して下方に突出させ、この突出端部に形成した挿入口にくさび部材を挿入固定するようにしてもよい。
図5に示すように、第1木部材22を上下方向に強固に連結するために、第1締結手段74に加えて、だほ構造が作用されている。第1木部材22には、上下方向に貫通してだほ用貫通孔110が設けられ、このだほ用貫通孔110にだほ部材112が挿入される。だほ部材112は、その一端部(図5において下端部)に凹部114を有し、その他端部(図5において上端部)に突部116を有し、上下方向に重なった状態においては、下側のだほ部材112の突部116が上側のだほ部材112の凹部114に係合して上下方向に連結される。このようなだほ部材110は、上下方向に重ねられた一対の第1木部材22の間に位置して両者を固定して相対的な移動を阻止する。
このだほ構造は、第1木部材22の長手方向に間隔をおいて2個所以上設けることもできる。また、図示してないが、第2木部材24を上下方向に強固に連結するために、第2締結手段92に加えて、上述したと同様の構成のだほ構造を採用することができる。
上述した壁部構造4は、例えば、次の通りにして組み立てることができる。図4、図5、図10及び図11を参照して、束石基礎構造2の上に壁部構造4を組み付けるには、まず、最下位の第2木部材24a(この第2木部材24aは、通常の第2木部材24の上部半分の形状になっている)を束石基礎構造2の上側に取り付け、この第2木部材24aの貫通孔94に第2通し部材98を挿入し、第2木部材24aの横貫通孔100及び第2通し部材98の下貫通孔102を通して第2連結部材104を挿入固定する。
次いで、第2木部材24aの第2組付突部28aの上側に、この第2木部材24aに対して垂直となるように第1木部材22を位置付け、第1木部材22の第1組付突部26を載置して組み付けて束石基礎構造2の上側に取り付ける。かく組み付ける際には、第2組付突部28aの第2上組付凹部40に固定用下だほ部材46の下部を挿入し、かく挿入した状態にて、第1木部材22の第1組付突部26の第1下組付凹部42に固定用下だほ部材46の上部が挿入されるように組み付ける。そして、かく組み付けた第1木部材22の貫通孔76に第1通し部材80を挿入し、第1木部材22の横貫通孔82及び第1通し部材80の下貫通孔84を通して第1連結部材86を挿入固定する。
このようにして最下位の第1木部材22及び第2木部材24aの取付けが行われ、このように組み付けられた第1木部材22に第2木部材22を組み付けるときには、図10に示すように行われる。即ち、第1木部材22の第1組付突部26の第1上組付凹部38に固定用上だほ部材48を挿入し、また第2木部材24a(24)の上収容凹部52に第2流入阻止部材60を挿入し、この第2流入阻止部材60の一端部を第1組付突部26の第1挿入凹部70(図8参照)に挿入し、この第2流入阻止部材60の上側に第2連結部材83を装着する。そして、このような状態にて、第2木部材24の貫通孔94に第2通し部材98を挿通させながら下側の第2木部材24に載置する。かく載置すると、図10から理解されるように、第1木部材22の第1組付突部26の上側にこの第2木部材24の第2組付突部28が組み付けられ、第1組付突部26の第1上組付凹部38に挿入された固定用上だほ部材48の上部が第2木部材24の第2組付突部28の第2下組付凹部に挿入され、第2流入阻止部材60の上部が第2木部材24の下収容凹部56に挿入され、また第2連結部材83の上部が上側の第2木部材24の第2下挿入連結凹部(図示せず)に挿入され、このようにして下側の第2木部材24の上側に上側の第2木部材24が載置される。
また、このように組み付けられた第2木部材24a(24)に第1木部材22を組み付けるときには、図11に示すように行われる。即ち、第2木部材24a(24)の第2組付突部28の第2上組付凹部40に固定用下だほ部材46を挿入し、また第1木部材22の上収容凹部50に第1流入阻止部材58を挿入し、この第1流入阻止部材58の一端部を第2組付突部28の第2挿入凹部(図示せず)に挿入し、この第1流入阻止部材58の上側に第1連結部材81を装着する。そして、このような状態にて、第1木部材22の貫通孔76に第1通し部材80を挿通させながら下側の第1木部材22に載置する。かく載置すると、図11から理解されるように、第2木部材24a(24)の第2組付突部28の上側にこの第1木部材22の第1組付突部26が組み付けられ、第2組付突部28の第2上組付凹部40に挿入された固定用下だほ部材46の上部が第1木部材22の第1組付突部26の第1下組付凹部42(図8参照)に挿入され、、第1流入阻止部材58の上部が第1木部材22の下収容凹部54に挿入され、また第1連結部材81の上部が上側の第1木部材22の第1下挿入連結凹部73に挿入され、このようにして下側の第1木部材22の上側に上側の第1木部材22が載置される。
このようにして最上位の第2木部材24を組み付けた後、最上位の第2木部材24から上方に突出する突出端部の挿入口106に第2くさび部材108を挿入固定する。その後、最上位の第1木部材22a(この第1木部材22aは、通常の第1木部材22の下部半分の形状になっている)を組み付けた後、最上位の第1木部材22aから上方に突出する突出端部の挿入口88に第1くさび部材90を挿入固定し、このようにして新校倉造の壁部構造4を所要の通りに組み付けることができる。
尚、上述した実施形態では、第1木部材22及び第2木部材24の一端部に関する構成について説明したが、それらの他端部の構成もそれらの一端部と同様に構成されており、従って、それらの他端部も上述したと同様にして組み付けられる。
木部材の接ぎ構造の一形態
次ぎに、図12〜図14を参照して、木部材の接ぎ構造の一形態について説明する。図12は、木部材の接ぎ構造の一部を示す部分斜視図であり、図13は、相互に接続される一対の木部材の一部を示す平面図であり、図14は、図12の次ぎ構造を分解して示す分解斜視図である。
図12〜図14において、図示の形態では、第1木部材202と第2部材204とを長手方向に接ぐのに接ぎ構造206が採用されている。この実施形態では、第1木部材202と第2木部材204は実質上同一に形成され、図13及び図14から理解されるように、第1木部材202を反対側にすることによって第2木部材204として用いることができる。
第1木部材202(第2木部材204)の一端部には一側端部、具体例では図13において下側であって、図14において手前側の側端部(図13において上側であって、図14において背面側の側端部)に第1切欠き部208(第2切欠き210部)を形成することによって第1組付突部212(第2組付突部214)が設けられ、この第1組付突部212(第2組付突部214)は第1木部材202(第2木部材204)の一端他側部から長手方向に延びている。この第1組付突部210(第2組付部材212)の先端部はくさび状に形成され、第1くさび状部216(第2くさび状部218)は、上端側が一端、この具体例では図12〜図14において右端(図12〜図14において左端)に向けて突出するように構成されているとともに、この第1くさび状部216(第2くさび状部218)の下面は、上記一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第1下向き傾斜面220(第2下向き傾斜面222)に形成されており、この第1下向き傾斜面220(第2下向き傾斜面222)は、第1木部材202(第2木部材204)の一側面側からは見えないが、他側面側からは見えるようになる。
また、第1木部材202(第2木部材204)の第1切欠き部208(第2切欠き部210)の底部は、他端、この具体例では図12〜図14において左端(図12〜図14において右端)に向けてその上端側が延びるくさび状に形成され、この第1切欠き部208(第2切欠き部210)の底部上面は、上記一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第1上向き傾斜面224(第2上向き傾斜面226)が設けられている。
この実施形態では、第1木部材202の第1組付突部212の形状は、第2木部材204の第2切欠き部210の形状に対応し、その第1くさび状部216の第1下向き傾斜面220の傾斜は、第2切欠き部210の第2上向き傾斜面226の傾斜に対応しており、また第2木部材204の第2組付突部214の形状は、第1木部材202の第1切欠き部208の形状に対応し、その第2くさび状部218の第2下向き傾斜面222の傾斜は、第1切欠き部208の第1上向き傾斜面224の傾斜に対応している。
この第1木部材202(第2木部材204)の第1組付突部212(第2組付突部214)の一側面には第1凹部228(第2凹部230)が設けられ、この第1凹部228(第2凹部230)は、第1木部材202(第2木部材204)の上面から下面まで延びている。第1凹部228(第2凹部230)は断面が矩形状に形成され、両端に一対の第1作用面232(第2作用面234)が設けられている。
第1木部材202及び第2木部材204を後述するように組み合わせると、第1木部材202の第1凹部228と第2木部材204の第2凹部230とが相互に協働して組付貫通孔240(図12)を規定する。この組付貫通孔240は断面形状が矩形状となり、第1及び第2組付突部212,214の一方の第1及び第2作用面232,234が片側の作用面として機能し、第1及び第2組付突部212,214の他方の第1及び第2作用面232,234が他側の作用面として機能する。
接ぎ構造206は、更に、組付貫通孔240に挿入固定される組付挿入部材244を備え、組付挿入部材244の断面形状は、組付貫通孔240に対応して矩形状に形成されている。
上述した接ぎ構造206では、第1木部材202及び第2木部材204は、次のようにして接合される。まず、第1木部材202に対して第2木部材204を長手方向に相対的に移動させて第1木部材202の一端部と第2木部材204の一端部とを相互に組み合わせる。かく組み合わせると、第1木部材202の第1組付突部212が第2木部材204の第2切欠き部210に組み合わされるとともに、第2木部材204の第2組付突部214が第1木部材202の第1切欠き部208に組み合わされ、第1組付突部212の第1下向き傾斜面220が第2切欠き部210の第2上向き傾斜面226に食い込むように作用するとともに、第2組付突部214の第2下向き傾斜面222が第1切欠き部208の第1上向き傾斜面224に食い込むように作用し、第1木部材202と第2木部材204とを確実に組み合わせることができ、かく組み合わせると、第1木部材202の第1凹部228と第2木部材204の第2凹部230とは組付貫通孔2540を規定する。
次いで、組付貫通孔240に組付挿入部材244を挿入固定する。かくすると、組付挿入部材244の片側面が第1及び第2凹部228,230の片側の第1及び第2作用面232,234に作用するとともに、その他側面が第1及び第2凹部228,230の他側の第1及び第2作用面232,234に作用し、かかる組付挿入部材244の作用によって、第1組付突部212の第1下向き傾斜面220が第2切欠き部210の第2上向き傾斜面226により強く食い込むように作用するとともに、第2組付突部214の第2下向き傾斜面222が第1切欠き部208の第1上向き傾斜面224により強く食い込むように作用し、このようにして第1木部材202と第2木部材204とをより確実に組み合わせることができる。
上述したように接合された木部材は、図1〜図11の壁部構造6における第1木部材22及び/又は第2木部材24として、即ち校木として用いることができ、校木に限定されず、木造建造物の梁、桁などとしても用いることができる。
木部材の接ぎ構造の他形態
次いで、図15〜図17を参照して、木部材の接ぎ構造の他の形態について説明する。図15は、木部材の他の形態の接ぎ構造の一部を示す部分斜視図であり、図16は、図15の接ぎ構造における一対の木部材の一部を示す平面図であり、図17は、図15の次ぎ構造を分解して示す分解斜視図である。
図15〜図17において、この実施形態においても、第1木部材302と第2木部材304は実質上同一に形成され、図16及び図17から理解されるように、第1木部材302を反対側にすることによって第2木部材304として用いることができる。
接ぎ構造306の第1木部材302(第2木部材304)の一端部には、下部を除く部位に第1組付突部308(第2組付突部310)及び第1組付凹部312(第2組付凹部314)が設けられ、第1組付突部308(第2組付突部310)の一側面側、即ち図15及び図17において手前側(図15及び図17において背面側)に第1組付凹部312(第2組付凹部314)が配設されている。第1組付突部308(第2組付突部310)は長手方向一端側に突出し、第1組付凹部312(第2組付凹部314)は長手方向他端側に延びている。
この実施形態では、第1木部材302の第1組付突部308の形状は、第2木部材304の第2組付凹部314の形状に対応し、また第2木部材304の第2組付突部310の形状は、第1木部材302の第1組付凹部312の形状に対応している。
この第1木部材302(第2木部材304)には第1組付凹部316(第2組付凹部318)が設けられ、この第1組付凹部316(第2組受け凹部318)は、第1木部材302(第2木部材304)の上面から下面まで延びている。第1組付凹部316(第2組付凹部318)は断面が三角状に形成され、第1組付突部308(第2組付突部310)の一側面から第1組付凹部320(第2組付凹部322)の側面にわたって設けられ、その一端側に第1作用面320(第2作用面322)が設けられている。
第1木部材302及び第2木部材304を後述するように組み合わせると、第1木部材302の第1組付凹部318と第2木部材304の第2組付凹部320とが相互に協働して組付貫通孔324(図15)を規定する。この組付貫通孔324は断面形状が平行四辺形状となり、この組付貫通孔324の一端面が第1作用面320として機能し、その他端面が第2作用面322として機能する。
接ぎ構造306は、更に、組付貫通孔324に挿入固定される組付挿入部材326を備え、組付挿入部材326の断面形状は、組付貫通孔324に対応して平行四辺形状に形成されている。
上述した接ぎ構造306では、第1木部材302及び第2木部材304は、次のようにして接合される。まず、第1木部材302に対して第2木部材304を長手方向に相対的に移動させて第1木部材302の一端部と第2木部材304の一端部とを相互に組み合わせる。かく組み合わせると、第1木部材302の第1組付突部308が第2木部材304の第2組付凹部314に組み合わされるとともに、第2木部材304の第2組付突部310が第1木部材302の第1組付凹部312に組み合わされ、第1組付突部308は、第2組付凹部314を規定する第2木部材304の下部304aによって支持され、第2組付突部310は、第1組付凹部312を規定する第1機部材302の下部302aによって支持される。
次いで、組付貫通孔324に組付挿入部材326を挿入固定する。かくすると、組付挿入部材326の片側面が第1組付凹部316の第1作用面320に作用するとともに、その他側面が第2組付凹部318の第2作用面322に作用し、かかる組付挿入部材326によって、第1組付突部308が第2組付凹部314に食い込むように作用するとともに、第2組付突部310が第1組付凹部314に食い込むように作用し、第1木部材302と第2木部材304とを強固に組み合わせることができる。このように接合された木部材も校木、梁、桁などとして用いることができる。
屋根構造の構成
次に、図18及び図19を参照して、建造物本体4の屋根構造8について説明する。図18は、板葺きの屋根構造の一部を示す部分斜視図であり、図19は、図18の屋根構造の屋根本体部及びそれに関連する構成を示す部分斜視図である。
図18及び図19において、この屋根構造8においては、建造物本体4の壁部構造6の上方開口を覆うように野地板402が設けられる。野地板402は細長い木板から構成され、その一側部(図18において左側部)に突部404が設けられ、その他側部(図18において右側部)に凹部406が設けられ、突部404と凹部406とを組み合わせながら取り付けられる。
この実施形態では、野地板402の上面全域に杉の皮408が敷き詰められ、杉の皮408の上面に、横方向(図18において左右方向)に間隔をおいて複数の縦部材410が配設され、これら縦部材410を釘などにより野地板402に取り付けることによって、杉の皮408が野地板402の表面に取り付けられる。これら縦部材410は屋根の傾斜方向に延び、縦部材410の上側に、屋根の傾斜方向(縦部材410の長手方向)に間隔をおいて複数の横部材412が設けられ、横部材412は釘などにより縦部材410に取り付けられ、これら横部材412の上側に、図18に一点鎖線で示すように屋根本体部414が取り付けられる。
この屋根本体部414は、複数の木製プレート416から構成される。木製プレート416の両側面には接続凹部418が設けられ、これら接続凹部418は長手方向にその一端から他端まで延びている。この実施形態では、横方向に隣接する一対の木製プレート416間に接続部材420が介在され、これら接続部材420の両側部にも、木製プレート416の接続凹部418に対応して、接続凹部422が設けられ、これら接続凹部422は長手方向に一端から他端まで延びている。木製プレート416と接続部材420は、それらの接続凹部418,422に細長い接続具424を挿入することによって相互に接続固定される。尚、上述した構成に代えて、細長い接続金具などを用いて木製プレート416と接続部材420とを固定的に接続するようにしてもよい。
木製プレート416と接続部材420との接続部を覆うように木製上プレート426が設けられている。この形態では、接続部材420の厚さは木製プレート416の厚さよりも大きく、この接続部材420の上部が木製プレート426の上面より上方に突出している。一方、木製上プレート426の下面には、この接続部材420に対応して受入凹部428が設けられ、かかる受入凹部428に接続部材420の上部が受け入れられるように構成される。従って、木製上プレート426は、接続部材420によって横方向の位置決めが行われ、その両側部によって、隣接する一対の木製プレート416と接続部材420との接続部を覆い、かかる接続部からの雨水の侵入を防止することができる。これら木製プレート416、接続部材420及び木製上プレート426は、図19において左から右に向けて順に組み合わせ、釘434,436を打ち付けて固定することによって取り付けることができる。
木製プレート416及び木製上プレート426の上面には、幅方向に間隔をおいて複数の雨水流れ用凹部430,432が設けられ、雨水流れ用凹部430,432は長手方向に一端から他端まで直線状に延びている。このようなプレート416,426を用いることによって、屋根に降った雨水は、雨水流れ用凹部430,432に流入して流れ、降った雨水の流下が促進される。尚、これら雨水流れ用凹部430,432は、プレート416、426の木目方向に設けるのが望ましい。
このような木製プレート416は、横方向においては接続部材420を介して並べて配設され、また屋根の傾斜方向においては屋根の傾斜方向上側の木製プレート416の下端部が傾斜方向下側の木製プレート416の上端部の上面に重なるように配設され、釘434を用いて横部材412に固定される。また、木製上プレート426は、接続部材420の内側から釘436を打ち付けることによって接続部材420に取り付けられ、この木製上プレート426によって、木製プレート416に打ち付けた釘434を外側から覆うようにする。このように構成することによって、図19から理解される如く、プレート416,426を固定するための釘434,436が外部から見えず、建造物本体4の外観をきれいにすることができる。
以上、本発明に従う木造建造物の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
一実施形態の木造建造物を示す正面図。 図1の木造建造物の側面図。 図2におけるIII−III線による断面図。 図3の壁部構造の一部を矢印Aで示す方向から見た部分断面図。 図3の壁部構造の一部を矢印Bで示す方向から見た部分断面図。 図4の壁部構造における第1木部材の重なり部位を拡大して示す部分拡大断面図。 図4の壁部構造における第1木部材の一端部を示す部分斜視図。 図7の第1木部材の端部を示す正面図。 図7の第1木部材の右側面図。 第1木部材に第2木部材を組み付けるときの状態を示す部分斜視図。 第2木部材に第1木部材を組み付けるときの状態を示す部分斜視図。 木部材の接ぎ構造の一部を示す部分斜視図。 相互に接続される一対の木部材の一部を示す平面図。 図12の次ぎ構造を分解して示す分解斜視図。 木部材の他の形態の接ぎ構造の一部を示す部分斜視図。 図15の接ぎ構造における一対の木部材の一部を示す平面図。 図15の次ぎ構造を分解して示す分解斜視図。 板葺きの屋根構造の一部を示す部分斜視図。 図18の屋根構造における屋根本体部及びそれに関連する構成を示す部分斜視図。
符号の説明
4 建造物本体
6 壁部構造
8 屋根構造
22 第1木部材
24 第2木部材
26 第1組付突部
28 第2組付突部
50,52 上収容凹部
54,56 下収容凹部
58,60 流入阻止部材
62,64 上傾斜面
66,68 下傾斜面
74 第1締結手段
92 第2締結手段
202,302 第1木部材
204,304 第2木部材
208 第1切欠き部
210 第2切欠き部
212,308 第1組付突部
214,310 第2組付突部
244,326 組付挿入部材
312 第1組付凹部
314 第2組付凹部

Claims (13)

  1. 第1木部材の一端部と第2木部材の一端部とを上下方向に組み合わせて構成される壁構造を備えた木造建造物において、
    前記第1木部材の一端部には、その上部及び下部に第1上切欠き部及び第1下切欠き部を形成することによって長手方向に延びる第1組付突部が設けられ、前記第1組付突部の長手方向に対して垂直な第1断面の厚みは一端に向けてテーパ状に漸増するとともに、その幅方向に対して垂直な第2断面の厚みは一側端に向けてテーパ状に漸減しており、
    また、前記第2木部材の一端部には、その上部及び下部に第2上切欠き部及び第2下切欠き部を形成することによって長手方向に延びる第2組付突部が設けられ、前記第2組付突部の長手方向に対して垂直な第1断面の厚みは一端に向けてテーパ状に漸増するとともに、その幅方向に対して垂直な第2断面の厚みは一側端に向けてテーパ状に漸減しており、
    前記第1木部材の前記第1組付突部の下側に、この第1木部材に関連して上下方向に隣接して配設された一対の第2木部材の下側の前記第2木部材の前記第2組付突部が組み付けられ、前記第1木部材の前記第1組付突部の上側に、前記一対の第2木部材の上側の前記第2木部材の前記第2組付突部が組み付けられることを特徴とする新校倉造の木造建造物。
  2. 前記第1木部材の前記第1組付突部の下面には第1下組付凹部が設けられ、下側の前記第2木部材の前記第2組付突部の上面には第2上組付凹部が設けられ、前記第1下組付凹部及び前記第2上組付凹部に固定用下だほ部材が挿入され、また前記第1木部材の前記第1組付突部の上面には第1上組付凹部が設けられ、上側の前記第2木部材の前記第2組付突部の下面には第2下組付凹部が設けられ、前記第1上組付凹部及び前記第2下組付凹部には固定用上だほ部材が挿入されることを特徴とする請求項1に記載の新校倉造の木造建造物。
  3. 前記第1木部材は上下方向に重ねて配設され、上下方向に隣接する一対の第1木部材の下側の前記第1木部材の上面には長手方向に延びる上収容凹部が設けられ、前記一対の第1木部材の上側の前記第1木部材の下面には長手方向に延びる下収容凹部が設けられ、前記第1木部材の前記上収容凹部及び前記下収容凹部に第1流入阻止部材が装着され、また前記第2木部材は上下方向に重ねて配設され、上下方向に隣接する一対の第2木部材の下側の前記第2木部材の上面には長手方向に延びる上収容凹部が設けられ、また前記一対の第2木部材の上側の前記第2木部材の下面には長手方向に延びる下収容凹部が設けられ、前記第2木部材の前記上収容凹部及び前記下収容凹部に第2流入阻止部材が装着されることを特徴とする請求項1に記載の新校倉造の木造建造物。
  4. 前記第1木部材及び前記第2木部材の上面には、前記上収容凹部から外側に向けて下方に傾斜する上傾斜面が設けられ、またそれらの下面には、前記下収容凹部から外側に向けて上方に傾斜する下傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の新校倉造の木造建造物。
  5. 前記第1木部材の前記第1組付突部の側面には、前記一対の第2木部材の前記上収容凹部及び下収容凹部に対応して第1挿入凹部が設けられ、前記一対の第2木部材の前記上収容凹部及び前記下収容凹部に挿入された前記第2流入阻止部材の端部が前記第1挿入凹部に挿入され、また前記第2木部材の前記第2組付突部の側面には、前記一対の第1木部材の前記上収容凹部及び下収容凹部に対応して第2挿入凹部が設けられ、前記一対の第1木部材の前記上収容凹部及び前記下収容凹部に挿入された前記第1流入阻止部材の端部が前記第2挿入凹部に挿入されることを特徴とする請求項3又は4に記載の新校倉造の木造建造物。
  6. 上下方向に重ねられた複数の前記第1木部材には、これらを上下方向に貫通して伸びる第1連結貫通孔が設けられ、前記第1連結貫通孔に第1通し部材が挿入され、最下位の前記第1木部材と前記第1通し部材の下端部とが第1連結部材により連結固定され、また前記第1木部材の上端部は最上位の前記第1木部材から上方に突出し、この突出端部に設けられた挿入口に第1くさび部材が挿入固定され、複数の前記第1木部材は前記第1連結部材と前記第1くさび部材との間に挟持されることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の新校倉造の木造建造物。
  7. 上下方向に重ねられた複数の前記第2木部材には、これらを上下方向に貫通して伸びる第2連結貫通孔が設けられ、前記第2連結貫通孔に第2通し部材が挿入され、最下位の前記第2木部材と前記第2通し部材の下端部とが第2連結部材により連結固定され、また前記第2木部材の上端部は最上位の前記第2木部材から上方に突出し、この突出端部に設けられた挿入口に第2くさび部材が挿入固定され、複数の前記第2木部材は前記第2連結部材と前記第2くさび部材との間に挟持されることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の新校倉造の木造建造物。
  8. 第1木部材と第2木部材とを接いで一つの校木、梁又は桁として用いる木造建造物において、
    前記第1木部材の一端部には、一側部に第1切欠き部を形成することによって長手方向に延びる第1組付突部が設けられ、前記第1組付突部の先端部は、一端に向けてその上端側が突出する第1くさび状部が設けられ、前記第1くさび状部の下面は、前記一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第1下向き傾斜面が設けられ、また前記第1切欠き部の底部は、他端に向けてその上端側が延びるくさび状に形成され、その底部上面は、前記一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第1上向き傾斜面が設けられており、
    また、前記第2木部材の一端部には、一側部に第2切欠き部を形成することによって長手方向に延びる第2組付突部が設けられ、前記第2組付突部の先端部は、一端に向けてその上端側が突出する第2くさび状部が設けられ、前記第2くさび状部の下面は、前記一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第2下向き傾斜面が設けられ、また前記第2切欠き部の底部は、他端に向けてその上端側が延びるくさび状に形成され、その底部上面は、前記一側端に向けて長手方向一端側に傾斜する第2上向き傾斜面が設けられており、
    前記第1木部材の一端部と前記第2木部材の一端部とを相互に組み合わせると、前記第1組付突部の前記第1くさび状部の第1下向き傾斜面が前記第2木部材の前記第2切欠き部の前記第2上向き傾斜面に食い込むように作用するとともに、前記第2組付突部の前記第2くさび状部の前記第2下向き傾斜面が前記第1木部材の前記第1切欠き部の前記第1上向き傾斜面に食い込むように作用することを特徴とする木造建造物。
  9. 前記第1木部材の前記第1組付突部の一側面には矩形状の第1凹部が設けられ、前記第1凹部は一対の第1作用面を有し、また前記第2木部材の前記第2組付突部の一側面には矩形状の第2凹部が設けられ、前記第2凹部は一対の第2作用面を有し、前記第1凹部と前記第2凹部とは相互に協働して組付貫通孔を規定し、前記組付貫通孔に組付挿入部材が挿入されることを特徴とする請求項8に記載の木造建造物。
  10. 第1木部材と第2木部材とを接いで一つの校木、梁又は桁として用いる木造建造物において、
    前記第1木部材の一端部には、その下部を除く部位に長手方向に延びる第1組付突部及び第1組付凹部が設けられ、前記第2木部材の一端部には、その下部を除く部位に長手方向に延びる第2組付突部及び第2組付凹部が設けられており、
    前記第1木部材の一端部と前記第2木部材の一端部とを相互に組み合わせると、前記第1木部材の第1組付突部が前記第2木部材の前記第2組付凹部に組み付けられるとともに、前記第2木部材の前記第2組付突部が前記第1木部材の前記第1組付凹部に組み付けられることを特徴とする木造建造物。
  11. 前記第1木部材には、前記第1組付突部から前記第1組付凹部にわたって第1凹部が設けられ、前記第1凹部は第1作用面を有し、また前記第2木部材には、前記第2組付突部から前記第2組付凹部にわたって第2凹部が設けられ、前記第2凹部は第2作用面を有し、前記第1凹部と前記第2凹部とは相互に協働して組付貫通孔を規定し、前記組付貫通孔に組付挿入部材が挿入されることを特徴とする請求項10に記載の木造建造物。
  12. 木製プレートを屋根の傾斜方向及び横方向に並べて取り付けた板葺き屋根構造を備えた木造建造物において、
    前記板葺き屋根構造は、前記木製プレートを組み合わせて構成される屋根本体部を備え、前記屋根本体部は、隣接する一対の木製プレート間に介在される接続部材を備えており、
    前記屋根本体部の上側には、前記一対の木製プレートと前記接続部材との接続部を覆うように木製上プレートが設けられ、前記木製プレート及び前記木製上プレートには、幅方向に間隔をおいて複数の雨水流れ用凹部が設けられており、
    前記接続部材の上部は前記一対の木製プレートより上方に突出し、前記木製上プレートの下面には、前記接続部材の上部を受け入れる受入凹部が設けられていることを特徴とする木造建造物。
  13. 屋根の野地板の上面に杉の皮が敷き詰められるとともに、前記杉の皮を介して、屋根の傾斜方向に伸びる縦部材が横方向に間隔をおいて前記野地板に取り付けられ、更に前記縦部材に、横方向に延びる横部材が屋根の傾斜方向に間隔をおいて取り付けられ、前記屋根本体部が前記横部材に取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の木造建造物。
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