JP4293880B2 - 車載用電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、n階層(nは3以上の自然数)の階層構造で表される設定項目により各種設定を行う車載用電子機器に関する。
近年、技術の高度化を背景として、電子機器が多機能化しており、そのための設定項目も増えている。この種の設定項目は階層構造で表すことができ、一般に、上位階層の設定項目の候補を表示し、その中から設定項目が選択されると、次の階層の設定項目の候補の表示に変更し、その中から設定項目が選択されると、次の階層の設定項目の候補の表示に変更し、といった具合に階層順に設定項目を選択していく方法が採られている。また、カーオーディオやカーナビゲーション等の車載用電子機器においては、操作画面を階層的に複数用意し、表示する操作画面を、設定項目の階層順に従って遷移させて各種設定を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
特開2003−244770号公報
しかしながら、設定項目の階層順に画面を変更させる場合、変更する階層の数だけ操作が必要となる。このため、階層構造が3階層以上ある場合には、最も最下層の設定項目を表示させた状態で、その設定項目とは最上位層の項目が異なる最下層の設定項目を表示させるには、一端最上位の設定項目の画面を表示させた後、再び最下層の設定項目の画面まで画面を順に変更させる必要があり、操作がかなり煩雑となってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、階層構造を持つ複数の設定項目の中から目的の設定項目を簡易かつ迅速に探し出すことができる車載用電子機器を提供することを目的としている。
上述課題を解決するため、本発明は、表示部と、表示部の前面側に透明なタッチパネルとを備え、論理的にn階層(nは3以上の自然数)の階層構造で表される設定項目により各種設定を行う車載用電子機器において、前記タッチパネルの操作領域を囲うガイドフレームを設け、このガイドフレームに、前記タッチパネルの操作領域をn個以上に分割してなる各領域の境界で前記操作領域内に突出した部位を設けて各領域を識別可能にし、前記タッチパネルの各領域に対応する前記表示部の各表示領域に、上位階層、上位階層よりも下位の中位階層、及び、中位階層よりも下位の設定内容の各々に含まれる設定項目を同時に表示させ、前記タッチパネルの各領域への操作に応じて表示制御する表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記表示部の各表示領域に、上位階層、中位階層及び設定内容の設定項目を同時に表示させている場合に、前記タッチパネルを介して、前記ガイドフレームにより識別された上位階層の領域への項目変更操作がなされると、その項目変更操作に応じて表示される上位階層の設定項目を変更し、前記ガイドフレームにより識別された中位階層の領域への項目変更操作がなされると、表示される上位階層の設定項目に依存することなく、その項目変更操作に応じて表示される中位階層の設定項目を変更し、前記ガイドフレームにより識別された設定内容の領域への所定操作がなされると、その領域を、該設定内容の変更操作を受付可能な設定画面に変更する表示変更処理を行い、この表示変更処理を行った場合に、前記タッチパネルを介して、前記ガイドフレームにより識別された上位階層の領域への項目変更操作がなされたときは、表示される中位階層及び設定内容の設定項目を、変更後上位階層の設定項目に関連づけられた設定項目に各々変更し、前記ガイドフレームにより識別された中位階層の領域への項目変更操作がなされたときは、表示される上位階層及び設定内容の設定項目を、変更後の中位階層の設定項目に関連づけられた設定項目に各々変更することを特徴とする。この構成によれば、1〜n階層に含まれる複数の設定項目のうち、階層間で相互に関連づけられた各階層の設定項目を同時に表示させ、任意の階層の設定項目を変更する項目変更操作を行うことにより、使用者は、多数の設定項目の中から目的の設定項目を簡易かつ迅速に探し出すことができる。
本発明は、1〜n階層に含まれる複数の設定項目のうち、階層間で相互に関連づけられた各階層の設定項目を同時に表示させ、任意の階層の設定項目を変更する項目変更操作を行うことにより、使用者は、多数の設定項目の中から目的の設定項目を簡易かつ迅速に探し出すことができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる電子機器たるカーオーディオ装置10の正面図である。このカーオーディオ装置10は、装置本体(機器本体)1と、操作入力部(操作入力手段)として機能する着脱可能なコントロールパネル(以下DCP(Detachable Control Panel)という)15とから概略構成される。図2は、装置本体1の正面図である。この装置本体1の正面には、CD(Compact Disc)の挿入口2aやメモリカード(フラッシュメモリカードやコンパクトメモリカード:以下、単に「メモリ」という)の挿入口2bが形成される。なお、図1は、この装置本体1の正面にDCP15が装着された状態を示している。
図3は、このDCP15の背面図である。DCP15の取り付け構造について詳述には、図3に示すように、このDCP15の背面には、2つの係合突起3a、3bと1つの係合受け4とが形成されると共にコネクタ接点5が設けられ、また、図1に示すように、装置本体1の正面には、上記DCP15を取り付けるための支持プレート9が設けられると共に、この支持プレート9上には2つの係合受け6a、6bと1つの係合突起7とが形成されると共にコネクタ接点8が設けられている。この構成の下、DCP15の背面の係合受け4を装置本体1の支持プレート9上の係合突起7に押し込んで、DCP15の一端側を装置本体1に係合させた後、DCP15の背面の係合突起3a、3b及びコネクタ接点5を、装置本体1の支持プレート9上の係合受け6a、6b及びコネクタ接点8に押し込んで係合させることで、DCP15を装置本体1の正面に取り付ける構造となっている。
DCP15が装置本体1に取り付けられた場合、上記コネクタ接点5、8を介してDCP15側と装置本体1との間でコマンド信号や、DCP15が有する表示部へ各種情報を表示するための信号等が送受される。
また、DCP15が装置本体1の正面に取り付けられた場合、このDCP15により、CD等の挿入口2が覆われた状態となる。この状態において、DCP15の左上端に配置されているオープンキー21aを深く押し込むと、これと連動して、図4に示すように、支持プレート9とDCP15とが、図示せぬアーム等の傾動機構により傾動し、挿入口2a、2bが露出した状態となる。このようにDCP15及び支持プレート9とを前方に傾動させた状態において、挿入口2a、2bにCDあるいはメモリカードを挿入する構成となっている。
上記のように、操作入力部たるDCP15は装置本体1から着脱自在な構成となっており、使用者が車を降りる際にDCP15を取り外して持ち出せば、盗人が装置本体1を物色しても、肝心の表示部も操作入力部もないのを見て、この装置本体1を利用も転売もできないことを悟り、盗むことをあきらめるという盗難防止効果を有する。
次いで、DCP15の構成について詳述すると、図1に示すように、DCP15は、DCPケース16と、当該DCPケース16の正面に設けられたガイドフレーム17と、当該ガイドフレーム17に嵌め込まれ、表示部として機能する液晶パネル19と、当該液晶パネル19の前面側に設けられた透明なタッチパネル20とを有する。また、DCPケース16には、複数の操作キーも設されている。これらの操作キーとしては、上記オープンキー21aの他に、装置本体1のメイン電源投入及びボリューム調整のための操作キー21bなどがある。この操作キー21bは、ボタン式の回転操作子として構成され、この操作キー21bの押下により電源投入、切断操作がなされると共に、回転操作により再生音の音量(ボリューム)調整がなされる。このDCP15においては、液晶パネル19の前面側にタッチパネル20が配置され、液晶パネル19によりタッチパネル20の領域に各種情報を表示する。
上記タッチパネル20は、一枚の透明なタッチパネルが適用される。図1に示すように、このタッチパネル20は、5つの隣接した領域に分割してなる第1〜第5領域R1〜R5を有し、これら第1〜第5領域R1〜R5の各々が1つの独立した操作部として機能する。また、このタッチパネル20は、これら第1〜第5領域R1〜R5が操作部であることを明示したり、各操作領域の境界を明示するような情報が印刷等されておらず、外観からは第1〜第5領域R1〜R5が判別不可能で、かつ、一般的な画面の保護カバーと同様のシンプルな外観に形成されている。
上記ガイドフレーム17は、このフレームに囲まれるパネル20がタッチパネルであることを知る正当な使用者にとっては、上記第1〜第5領域R1〜R5の各々を識別容易とするためのガイドとして機能する。言い換えれば、このガイドフレーム17は、パネル20がタッチパネルであることを知らない者にとっては単なる意匠部品として認識される。具体的には、このガイドフレーム17は、第1〜第5領域R1〜R5の境界付近で内側に突出して括れた形状をなし、正当な使用者がこの括れ部分にて各領域が分割されていることが視認可能で、また手探りでも確認可能としている。また、車両の運転中においては、ドライバー(使用者)はカーオーディオ装置10を操作する場合には、タッチパネル20に注視する訳にはいかず、手探りで凡その位置を把握し、タッチパネル20を操作せねばならない。このような場合であっても、本実施の形態にあっては、ガイドフレーム17の括れ箇所を手探りで見つけることで、ドライバーは第1〜第5領域R1〜R5の各々の凡その位置を容易に把握することが可能となり、タッチパネル20を見ずに適切な操作が可能となる。
図5は、カーオーディオ装置10の機能的構成を示すブロック図である。同図に示すように、装置本体1は、大別すると、マスターマイコン100と、ラジオ受信部110と、再生部120と、記録媒体読取部130とを備えている。なお、図示を省略しているが、この記録本体1は、車両のバッテリーに直結されたバックアップ電源と、車のキースイッチを介してバッテリーに接続されたACC電源とが接続される。
マスターマイコン(制御手段)100は、装置本体1の各部と、DCP15との制御を実行するものであり、ROMやRAM等の記憶媒体を内蔵しており、当該ROMには、CD再生処理やラジオ受信処理、後述するスクリーンセーバ画面表示処理等を行うためのプログラム(スクリーンセーバ)等の制御用プログラム等が格納されている。また、マスターマイコン100は、装置本体1にDCP15が装着されたか否かを検出する装着検出手段、及び液晶パネル19の表示内容を制御する表示制御手段としても機能する。詳述すると、マスターマイコン100は、コネクタ接点8の電圧を監視し、このコネクタ接点8とDCP15のコネクタ接点5とが係合した際の電圧変化を検出することによって、DCP15が装着されたことを検出する。なお、マスターマイコン100が装置本体1内の後述する表示マイコン152と通信を行うことによって、DCP15が装着されたことを検出してもよく、上記以外の従来方法で装着及び脱着を検出するようにしてもよい。
ラジオ受信部110は、AM/FM波のラジオ電波を受信するものであり、アンテナ111と、チューナ回路112とを備え、チューナ回路112は、マスターマイコン100の指令に基づいてラジオ電波を受信し、再生部120に出力する。
再生部120は、マスターマイコン100、ラジオ受信部110及び記録媒体読取部130の各々からの出力信号に基づいて音の再生を行うものであり、電子ボリューム回路121と、ミュート回路122と、アンプ123とを備えている。電子ボリューム回路121は、マスターマイコン100の指令に基づいて再生音量を調整すべく、入力信号をD/A変換した後に信号レベルを調整してミュート回路122に出力する。ミュート回路122は、外部サウンド装置160が装置本体に接続された場合などにマスターマイコン100の指令に基づいてアンプ123からの再生音の信号出力を遮断するものである。アンプ123は、電子ボリューム回路121からの出力信号を所定の増幅比で増幅して外部スピーカSPに出力し音を再生させるものである。
上記電子ボリューム回路121には、例えば2線の同軸ケーブルからなるRCAコネクタを介して外部サウンド装置160の外部サラウンドデコーダ161が接続され、この電子ボリューム回路121は当該外部サラウンドデコーダ161が接続されている場合に、ミュート回路122への信号出力と共に、外部サラウンドでコーダ160へも信号を出力する。
外部サラウンドデコーダ161は、電子ボリューム回路121から出力されるアナログ信号を受け取り、サラウンド効果を高めるために音響効果(例えば残響音)等を付与して外部アンプユニット162に出力するものである。外部アンプユニット162は、接続される外部スピーカSP’の数だけのアンプ回路(図示せず)を備え、外部サラウンドデコーダ161からの出力信号を増幅して外部スピーカSP’に出力する。また、外部サラウンドデコーダ161は、電子ボリューム回路121とデジタル光ケーブルなどで接続され、当該電子ボリューム回路121からデジタル信号を受け取ることも可能となっており、当該デジタル信号にドルビーデジタル信号などのサラウンド信号が含まれている場合には、その信号をデコードした後に外部アンプユニット162にアナログ信号を出力することになる。
また、外部サウンド装置160を装置本体に接続する際には、電子ボリューム回路121と外部サラウンドデコーダ161との接続の他に、外部サラウンドデコーダ161とマスターマイコン100とのバス接続もなされる。このバス接続は、表示マイコン152とマスターマイコン100との接続と同様に、図示せぬコネクタ接点同士の結合により行われ、このバス接続を介してマスターマイコン100と外部サラウンドデコーダ161との間で各種信号の授受が行われる。
例えば、外部サウンド装置160が装置本体と接続されると、バス接続を介して、外部サラウンドデコーダ161からマスターマイコン100に対して、自装置の識別IDや装置の種類、外部アンプユニットの有無などの情報が出力される。マスターマイコン100は、かかる情報に基づいて、外部装置として、外部アンプユニット162を備える装置(あるいは、外部アンプユニット162の接続が必須の装置)が接続されたと判断した場合には、ミュート回路122を制御して、装置本体内部のアンプ123からの信号出力を遮断する。
ここで、ミュート回路122がアンプ123からの信号出力を遮断する場合には、アンプ123への電源供給を遮断しアンプ123の動作を停止させるか、あるいは、アンプ123を動作させつつもアンプ123からの信号出力を遮断するかのいずれかが行われ、どちらを実行するかはマスターマイコン100により指示される。
記録媒体読取部130は、CDの読み取り、及び、メモリ(メモリカード等)の読み書きを行うものであり、DSP(Digital Signal Processor)131とメカマイコン132とを備えている。DSP131は、CD及びメモリから読み出した音楽データ等をデコードして再生部120に出力すると共に、メモリへの書込み時には、エンコードしたデータをメモリに書き込むものである。メカマイコン132は、CDのディスク回転数制御やトラッキング制御などを、図示せぬディスク回転モータの回転に同期したパルス信号及び図示せぬ光ピックアップからの信号に基づいたフィードバック制御により実行するものである。
DCP15は、上記のように、液晶パネル19とタッチパネル20と操作キー(21a、21b等)とを備える他、更に、DCP15の各部を制御する表示マイコン152と、当該表示マイコン152の指示に基づいて液晶パネル19に各種情報表示を行うLCDドライバ151とを有している。DCP15が装置本体1に装着された場合には、DCP15の表示マイコン152と装置本体1のマスターマイコン100とが上記コネクタ接点5、8により電気的に接続され、各種信号の授受を行う。例えば操作キー21の一つである操作キー21b(図2参照)が回転操作され、使用者によりボリューム調整が行われた場合には、かかる回転操作量が図示せぬロータリーエンコーダにより検出され、表示マイコン152からマスターマイコン100に送信される。この結果、マスターマイコン100は、再生音量が操作キー21bの回転操作量に応じたボリュームとなるように電子ボリューム回路121を制御することとなる。
また、表示マイコン152は、タッチパネル20のタッチ操作位置を検出する操作位置検出手段としても機能する。実施の形態では、このタッチパネル20には抵抗膜方式のタッチパネルが用いられ、その表面を手等が触れると、その接触点の位置座標に応じた電圧の信号が出力され、表示マイコン152は、その信号に基づいて接触点座標を特定する。このタッチパネル20における上記第1〜第5領域R1〜R5の各々は1枚のタッチパネル20を次のように仮想的に分割することで設定される。すなわち、タッチパネル20の図中左上端をXY原点(0、0)とし、右下端のXY座標を(255、255)とした場合に、
第1領域R1:0≦X<80、かつ、0≦Y≦255
第2領域R2:80≦X<150、かつ、0≦Y≦255
第3領域R3:150≦X<220、かつ、0≦Y≦255
第4領域R4:220≦X<255、かつ、0≦Y<128
第5領域R5:220≦X<255、かつ、128≦Y≦256
である。
かかる構成の下、使用者(運転手等)が手などでタッチパネル20をタッチした場合には、DCP15の表示マイコン152が押下点をXY座標として検出し、かかる押下点座標を装置本体1のマスターマイコン100に出力する。そして、マスターマイコン100は、表示マイコン152からの出力に基づいて、使用者により操作された箇所が上記第1〜第5領域のいずれの場所かを特定する。すなわち、マスターマイコン100は、タッチパネル20の第1〜第5領域R1〜R5のいずれが操作されたかを特定する操作特定手段としても機能する。この結果、マスターマイコン100によって、押下点座標を含む領域が操作されたとみなされ、この領域の操作に予め対応付けられた機能が実行されることとなる。
上記のように、タッチパネル20を第1〜第5領域R1〜R5といったように複数の領域に分割する際に、各々の領域が少なくとも他のいずれかの1の領域と接するように分割することで、限られたタッチパネル20の全領域において、各領域の面積を最大とすることが可能となる。これら第1〜第5領域R1〜R5の各々は、独立した1つの操作子として機能するものであり、このように各操作子を大型化することで、操作性を向上させることが可能となる。特に、カーオーディオ装置等の車載用電子機器にあっては、運転中のドライバーによって操作されることが多く、このように1つ1つの操作子を大型化することで、運転中であっても各操作子の配置箇所の識別を容易とし、車載用電子機器の操作の際に運転に支障をきたしてしまうのを防止することが可能となる。
次いでタッチパネル20の操作の実例について説明する。図7は、液晶パネル19にCD再生にかかる情報が表示されている場合の表示例を示す図である。この図に示すように、液晶パネル19において、上記第1の領域R1に属する箇所には、CDを模式的に示した図と共に、現在再生中である場合には、再生中のCDトラック及びそのトラックの再生時間が表示される。上記第2領域R2に属する箇所には、再生中である場合に、再生中の楽曲のタイトルが表示される。上記第3領域R3には、再生中の楽曲のアーティスト名が表示されると共に、外部接続されたCDチェンジャー(不図示)に格納された複数枚のCDのいずれかを再生する場合に現在選択あるいは再生中のCDが何枚目のCDであるかが識別可能な表示がなされる。上記第4領域R4には、当該第4領域R4が、音量調整画面やスピーカSPの設定画面などの各種設定モードを呼び出し操作領域であることを示す「MODE」という表示がなされる。また上記第5領域R5には、当該第5領域R5が、CDの切り換え操作領域であることを示す「DISC UP」という表示がなされる。
液晶パネル19にかかる表示がなされている場合に、使用者が「DISC UP」と表示されている箇所を押下すると、このときの押下点座標が表示マイコン152からマスターマイコン100に出力される。そして、マスターマイコン100は、上記第1〜第5領域R1〜R5の座標設定に基づいて押下点座標が第5領域R5に属することを特定し、CDチェンジャーに対して指示を与えるなどしてCDの切り替え制御を実行することとなる。
さて、上記のように、本実施の形態にかかるDCP15にあっては、タッチパネル20の全領域が第1〜第5領域R1〜R5といったように複数の領域に分割されているものの、液晶パネル19には、第1〜第5領域R1〜R5の各々の境界を明示する境界線などを表示せずに、各々の凡その位置を示すだけの表示を行っている。さらに、第1〜第5領域R1〜R5の各々は、領域面積を最大とすべく他の領域と必ず接するようになっている。従って、例えば、ドライバー(運転手)が運転中に手探りでタッチパネル20を操作する場合に領域間の境界付近を押下し、この押下位置によっては隣の領域に属したときに、ドライバーが意図せぬ動作が実行されてしまう。
そこで、本実施の形態にあっては、第1〜第5領域R1〜R5の各々の境界付近にデッドゾーンZを設定し、押下された箇所がデッドゾーンZである場合には、その操作自体を無効なものと見なす構成となっている。この構成について詳述には、図6に示すように、デッドゾーンZとしては、第1領域R1と第2領域R2との境界Aを含むデッドゾーンZaと、第2領域R2と第3領域R3との境界を含むデッドゾーンZbと、第3領域R3と第4及び第5領域R4、R5との境界Cを含むデッドゾーンZcと、第4領域R4と第5領域R5との境界Dを含むデッドゾーンZdが設定されている。これらのデッドゾーンZの領域幅は、第1〜第5領域R1〜R5の領域をいたずらに狭めることのないように設定されている。
この構成の下、例えば、使用者によりタッチパネル20が押下されると、表示マイコン152からマスターマイコン100に対して押下点座標(押下点座標が複数の場合はその重心座標)が出力される。そして、マスターマイコン100は、押下点座標が上記第1〜第5領域R1〜R5のいずれかの領域、あるいは、上記デッドゾーンZa〜Zdのいずれかに属するかを判別し、押下点座標がデッドゾーンZa〜Zdに属する場合には、今回の押下操作を無効とする。一方、押下点座標が第1〜第5領域R1〜R5のいずれかに属する場合には、その属する領域が操作されたと考えられるため、その領域に予め対応付けられた動作を実行することとなる。
このように、第1〜第5領域R1〜R5の各々の境界付近にデッドゾーンZ(Za、Zb、Zc)が設定された構成により、使用者が境界付近を押下したために意図に反した動作が実行されてしまうのが防止される。
また、本実施の形態にあっては、上記第1〜第5領域R1〜R5のいずれかの領域が操作された場合において、さらに、その場合の操作態様の違いによって、装置本体1が実行する処理が異なるように構成されている。タッチパネル20を操作する際の操作態様としては、上記押下操作を含め、図8に示すように、次の6つの操作態様が規定されている。すなわち、短時間押下操作と、長時間押下操作と、右スライド操作、左スライド操作、右スライド操作+長時間押下操作と、左スライド操作+長時間押下操作の6つである。
具体的には、短時間押下操作は、タッチパネル20の1回の押下を素早く行う操作である。長時間押下操作は、タッチパネル20を押下した際に、しばらく押した状態を維持した後、手を離すという操作である。すなわち、短時間押下操作と長時間押下操作とは、1点を押されている時間の長さによって区別される。右スライド操作とは、タッチパネル20の表面を右方向になぞる操作であり、左スライド操作とは、左方向になぞる操作である。また、右スライド操作+長時間押下操作とは、タッチパネル20の表面を右方向になぞった後、そのまま手を放さずに、なぞった終点を長時間押下し続ける操作である。左スライド操作+長時間押下操作は、右スライド操作+長時間押下操作におけるスライド操作方向が逆(左方向)になったものである。
前掲図8には、上記操作態様と併せ、CD再生時における操作として第1領域R1を操作した際に実行される処理を例示する。この図8に示すように、当該第1領域R1に対して短時間押下操作がなされた場合には、音源ソースの切り換え動作が行われ、例えば、短時間押下操作がなされる度に、CD→メモリ→ラジオと循環的な切り換えが行われる。また、長時間押下操作がなされた場合には、操作モードの切り替え動作が行われる。この操作モードの切り替えが行われると、タッチパネル操作の他に、タッチパネル20に併設されている各操作キーによる従来と同様な操作が可能となる。右スライド操作がなされた場合には、再生しているCDトラックを1つだけトラックアップする動作が行われ、これとは逆に、左スライド操作がなされると、再生しているCDトラックを1つだけトラックダウンする動作が行われる。また、右スライド操作+長時間押下操作がなされた場合には、押下されている間、再生しているCDトラックが順次トラックアップする動作が行われ、また、左スライド操作+長時間押下操作がなされた場合には、押下されている間、再生しているCDトラックが順次トラックダウンする動作が行われる。
上記のように、このDCP15にあっては、タッチパネル20によって各種操作を行うため、操作キーの数を少なくすることができ、その分、従来の同サイズのカーオーディオ装置に比してタッチパネル20及び表示部の面積を広く採ることができる。そこで、本実施の形態では、この広い表示面積を利用して、タッチパネル20及び操作キーが所定期間(例えば30秒間)、何ら操作されない場合、動画像若しくは静止画を含む画像、つまり、スクリーンセーバ画面を表示させることとしている。
すなわち、マスターマイコン100のROM等の記憶媒体には、スクリーンセーバ画面を表示させるためのプログラム及びパターンの異なる複数のスクリーンセーバ用ファイル(以下、SS用ファイル)が記憶される。そして、この構成の下、マスターマイコン100が無操作時間を計測し、所定期間経過したことを検出した際に、一つのSS用ファイルを読み出して実行することにより、液晶パネル19にスクリーンセーバ画面を表示させる。なお、スクリーンセーバ画面を表示させるためのプログラムは、カーオーディオ装置10のOS(Operation System)用のプログラムに組み込まれていてもよいし、このOS用のプログラムによる制御下で実行される別のプログラムであってもよい。
本実施形態にあっては、スクリーンセーバ画面表示中は、スクリーンセーバ画面の切替スイッチを示すスイッチ画像30を表示するようになされている。ここで、図9はスクリーンセーバ画面の一例を示す図である。図示のように、スクリーンセーバ画面は、タッチパネル20の第1〜第3領域R1〜R3に対応する領域に表示され、スイッチ画像30は、第4領域R4及び第5領域R5に対応する領域に表示される。より具体的には、第4領域R4には、前パターンのスクリーンセーバ画面への切替を指示するスイッチ画像30A(図中「PREV」)が表示され、第5領域R5には、後パターンのスクリーンセーバ画面への切替を指示するスイッチ画像30B(図中「NEXT」)が表示される。この画面の場合、マスターマイコン100は、タッチパネル20の操作領域が第1〜第3領域R1〜R3の場合はスクリーンセーバ画面の表示を中止し、その前に表示していた画面を表示する一方、タッチパネル20の操作領域がスイッチ画像30の表示領域である第4領域R4又は第5領域R5の場合、その操作に応じてスクリーンセーバ画面の切替を行い、スクリーンセーバ画面の表示を継続するようになされている。なお、図示の例では、さらに現在時刻を表示した態様を示している。
ところで、このカーオーディオ装置10にあっては、動作モードとして、CDやラジオ電波を受信する動作モードに加えて、各種設定を行う設定モードを具備している。本実施形態にあっては、設定項目が、「大項目」、「中項目」、「設定内容」、という具合に論理的に3階層の階層構造をなしており、設定モード時は、各階層の設定項目が液晶パネル19に表示される。
図10は、この3階層の階層構造で表される設定項目の具体的内容を示す図である。詳述すると、本実施形態において、「大項目」としては、表示に関する設定項目「DISPLAY」と、見かけに関する設定項目「APPEARANCE」と、音に関する設定項目「SOUND」と、チューナに関する設定項目「TUNER」と、その他に関する設定項目「SETTING」とがある。そして、各大項目に、その「大項目」に関連づけられた一又は複数の「中項目」と、各「中項目」に関連づけられた「設定内容」とがある。具体的には、大項目「DISPLAY」には、「中項目」として、時計に関する設定項目「CLOCK」、スクリーンセーバに関する設定項目「SUCREEN SVR」等があり、設定項目「CLOCK」には、「設定内容」として、現在時刻の設定を行う項目「EDIT」があり、設定項目「SUCREEN SVR」には、「設定内容」として、スクリーンセーバのオン/オフの設定を行う項目「OFF,ON」がある。
図11は、設定モードの表示例を示す図である。同図に示すように、設定モードの場合、液晶パネル19の第1領域R1に、設定モードであることを模式的に示す図と共に「大項目」の1つの設定項目が表示され、第2領域R2に「中項目」の1つの設定項目が表示され、第3領域R3に「設定内容」の一つの内容が表示される。また、第4領域R4には、設定モードから他の動作モードへの移行操作であることを示す情報「EXIT」が表示され、第5領域R5には、第3領域R3に表示された「設定内容」に応じて異なる操作を示す情報が表示され、例えば、時刻設定を行う場合に時刻決定操作であることを示す情報「SET」が表示される。
次いで、設定モード時の操作について説明する。この設定モードにおいて、タッチパネル20の第1領域R1に対して予め定めた項目変更操作が行われた場合、マスターマイコン100は、操作態様及び操作領域を判別した後、液晶パネル19の第1領域R1に表示する「大項目」の変更を行う。詳述すると、マスターマイコン100は、右スライド操作がなされる度に、第1領域R1に表示する設定項目を、「DISPLAY」→「APPEARANCE」→「SOUND」→「SETTING」→「TUNER」→「DISPLAY」の順で循環的に変更し、これとは逆に、左スライド操作がなされると、右スライド操作の場合とは逆の順で循環的に項目を変更する。また、右スライド操作+長時間押下操作がなされた場合には、押下されている間、右スライド操作の場合の順で所定時間毎に項目変更を行い、また、左スライド操作+長時間押下操作がなされた場合には、押下されている間、右スライド操作の場合の順で所定時間毎に項目変更を行う。これにより、タッチパネル20の第1領域R1の操作だけで、「大項目」の設定項目を全て表示できるようになされている。
また、タッチパネル20の第2領域R2に対して予め定めた項目変更操作が行われた場合、マスターマイコン100は、操作態様を判別した後、液晶パネル19の第2領域R2に表示する「中項目」の変更を行う。詳述すると、マスターマイコン100は、右スライド操作がなされる度に、第2領域R2に表示する設定項目を、「CLOCK」→「SCREEN SVR」→…→「S/A SENS」→「DIMMER IN」→「DMR LEVEL」→…→「AC-PROIII」→…→「AUX/TEL」→…→「TUNER AREA」の順で循環的に変更し、これとは逆に、左スライド操作がなされると、右スライド操作の場合とは逆の順で循環的な項目変更を行う。また、右スライド操作+長時間押下操作がなされた場合には、押下されている間、右スライド操作の場合の順で所定時間毎に項目変更を行い、また、左スライド操作+長時間押下操作がなされた場合には、押下されている間、右スライド操作の場合の順で所定時間毎に項目変更を行う。
すなわち、「中項目」の項目変更は、第2領域R2に表示中の「中項目」の設定項目の上位階層の設定項目(「大項目」)に依存することなく、言い換えれば、上位階層の設定項目(「大項目」)をまたぐように、上位階層の項目である「大項目」の全ての設定項目に関連づけられた全ての設定項目に所定順で変更するようになされている。これにより、タッチパネル20の第2領域R2の操作だけで、「中項目」の設定項目を全て表示できるようになされている。
また、マスターマイコン100は、上記項目変更操作に従って液晶パネル19に表示する「大項目」又は「中項目」の設定項目を変更した場合、他の階層の設定項目を、変更後の「大項目」又は「中項目」の設定項目に関連づけられた設定項目に変更するようになされている。詳述すると、マスターマイコン100は、上記項目変更操作に従って「大項目」の設定項目を変更した場合、液晶パネル19に表示する「中項目」を、変更後の「大項目」に関連づけられた設定項目に変更し、液晶パネル19に表示する「設定内容」を、変更後の「中項目」に関連づけられた設定項目に変更する。
より具体的には、図11の表示例において、「大項目」の設定項目が「DISPLAY」から「APPEARANCE」に変更された場合、「中項目」の設定項目を「CLOCK」から「DIMMER IN」に変更すると共に、「設定内容」を「EDIT」から「ILLUMI,AUTO」に変更する。これにより、表示中のいずれかの階層の設定項目の項目変更操作が行われると、その階層の設定項目の変更に加えて、その他の階層の設定項目が、変更された設定項目に関連づけれた設定項目に変更され、使用者の操作によって変更された「大項目」又は「中項目」に関連する「設定内容」を表示させることができるようになされている。
第3領域R3に表示される「設定内容」は、現在時刻の設定を行う「EDIT」の場合、この「EDIT」に対応する領域が操作(短時間押下操作)されると、第3領域R3に、時分の設定画面を表示させ、所定操作により時分の変更操作を受け付け、第5領域R4に表示される時刻決定操作であることを示す「SET」が操作(短時間押下操作)されると、現在時刻が新たに設定し直される。また、第3領域R3に、スクリーンセーバのオン/オフの設定を行う項目「OFF,ON」を表示する場合は、現在の設定(OFFかON)が判るようにカーソル表示等されると共に、所定操作(例えば短時間押下操作)されると、現在の設定を変更する。このようにして、使用者は最も最下層となる「設定内容」の各種設定項目を設定することが可能となっている。
以上説明したように、このカーオーディオ装置10においては、設定モードの場合に、論理的に階層構造で表される各階層の複数の設定項目のうち、階層間で相互に関連づけられた各階層の設定項目を同時に表示すると共に、任意の階層の設定項目の変更操作を受付可能とすることにより、使用者は、多数の設定項目の中から目的の設定項目を簡易かつ迅速に探し出すことができる。
なお、上述した実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。例えば、上述した実施形態では、設定項目が3階層の階層構造で表されている場合について述べたが、本発明は、任意の階層の設定項目を上位の階層の設定項目に依存することなく変更操作できるため、階層構造が多いほど効果があり、4階層以上の階層構造をもつ場合にも好適である。
また、上述した実施形態では、タッチパネル20に抵抗膜方式のタッチパネルを使用する場合について説明したが、静電容量方式、赤外線方式、超音波方式等の他の方式のタッチパネルを使用してもよい。また、上述した実施形態では、パネル20を一枚のタッチパネルで構成する場合について述べたが、必ずしも一枚のタッチパネルで構成する必要はない。例えば、タッチパネル20を上記複数の操作部(第1〜第5領域R1〜R5)の各々に対応する複数のタッチパネルで構成し、操作されたタッチパネルに対応する領域に表示中の情報を、該タッチパネルと異なるタッチパネルに対応する領域に表示させてもよい。この場合、各タッチパネルを間隔を空けて配置することもでき、各操作部の位置を自由に設定することも可能である。
また、上述の実施形態では、本発明をカーオーディオ装置に適用する場合について説明したが、それ以外のカーナビゲーション等の車載用電子機器や、車載以外のパーソナルコンピュータ等の電子機器に広く適用することができる。
本実施の形態にかかる電子機器たるカーオーディオ装置の正面図である。 カーオーディオ装置の装置本体の正面図である。 カーオーディオ装置のDCPの背面図である。 DCPが装置本体に取り付けられた場合のDCPの動きを示す図である。 カーオーディオ装置の機能的構成を示すブロック図である。 DCPのタッチパネルを説明するための図である。 液晶パネルの表示例を示す図である。 タッチパネルの操作態様と、実行される処理との対応関係を示す図である。 スクリーンセーバ画面の一例を示す図である。 設定項目の階層構造の具体例を示す図である。 設定モードの表示例を示す図である。
符号の説明
1 装置本体
10 カーオーディオ装置
15 DCP
17 ガイドフレーム
19 液晶パネル
20 タッチパネル
30、30A、30B スイッチ画像
100 マスターマイコン
110 ラジオ受信部
120 再生部
130 記録媒体読取部
150 表示マイコン

Claims (1)

  1. 表示部と、表示部の前面側に透明なタッチパネルとを備え、論理的にn階層(nは3以上の自然数)の階層構造で表される設定項目により各種設定を行う車載用電子機器において、
    前記タッチパネルの操作領域を囲うガイドフレームを設け、このガイドフレームに、前記タッチパネルの操作領域をn個以上に分割してなる各領域の境界で前記操作領域内に突出した部位を設けて各領域を識別可能にし、
    前記タッチパネルの各領域に対応する前記表示部の各表示領域に、上位階層、上位階層よりも下位の中位階層、及び、中位階層よりも下位の設定内容の各々に含まれる設定項目を同時に表示させ、前記タッチパネルの各領域への操作に応じて表示制御する表示制御手段を備え、
    前記表示制御手段は、
    前記表示部の各表示領域に、上位階層、中位階層及び設定内容の設定項目を同時に表示させている場合に、前記タッチパネルを介して、前記ガイドフレームにより識別された上位階層の領域への項目変更操作がなされると、その項目変更操作に応じて表示される上位階層の設定項目を変更し、前記ガイドフレームにより識別された中位階層の領域への項目変更操作がなされると、表示される上位階層の設定項目に依存することなく、その項目変更操作に応じて表示される中位階層の設定項目を変更し、前記ガイドフレームにより識別された設定内容の領域への所定操作がなされると、その領域を、該設定内容の変更操作を受付可能な設定画面に変更する表示変更処理を行い、
    この表示変更処理を行った場合に、前記タッチパネルを介して、前記ガイドフレームにより識別された上位階層の領域への項目変更操作がなされたときは、表示される中位階層及び設定内容の設定項目を、変更後上位階層の設定項目に関連づけられた設定項目に各々変更し、前記ガイドフレームにより識別された中位階層の領域への項目変更操作がなされたときは、表示される上位階層及び設定内容の設定項目を、変更後の中位階層の設定項目に関連づけられた設定項目に各々変更することを特徴とする車載用電子機器。
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