JP4292759B2 - 基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法 - Google Patents

基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4292759B2
JP4292759B2 JP2002186058A JP2002186058A JP4292759B2 JP 4292759 B2 JP4292759 B2 JP 4292759B2 JP 2002186058 A JP2002186058 A JP 2002186058A JP 2002186058 A JP2002186058 A JP 2002186058A JP 4292759 B2 JP4292759 B2 JP 4292759B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium oxide
thin film
film
substrate
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002186058A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003080066A (ja
Inventor
茂実 大津
英一 圷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2002186058A priority Critical patent/JP4292759B2/ja
Publication of JP2003080066A publication Critical patent/JP2003080066A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4292759B2 publication Critical patent/JP4292759B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材上に抗菌・防汚・空気浄化・超親水性等の光触媒活性を持つ酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法、及び基材に酸化チタン光触媒薄膜を形成した積層体に関する。特に、フレキシブルで透明な基材に酸化チタン光触媒薄膜を設けた積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
光触媒作用あるいは光起電力作用を有する光触媒あるいは光半導体は近年その特異な応用により注目されている。たとえば光触媒(光半導体)である酸化チタンは、その光触媒作用に基づく酸化作用により、表面に付着した有機物汚れ、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、悪臭物質等の空気汚染物質、細菌等が酸化分解されるといわれており、具体的な応用例として建物等の外壁に酸化チタン光触媒を貼りつけ、太陽光のもとで空気汚染物質を除去する方法(特開平6−315614号公報)、病院内の壁や手摺等に酸化チタン触媒を貼りつけ、細菌等を死滅させる方法(特開平7−102678号公報)、排水中に酸化チタン触媒の粉末を分散させ、紫外線ランプの光を照射して水中の汚物を分解する方法(特開平5−92192号公報)、蛍光ランプあるいは照明器具の清掃メンテナンスを軽減するために光触媒による自浄作用を利用する方法(特開平9−129012号公報)等、数多くの応用が提案されている。
【0003】
また、光触媒薄膜は、その光反応に基づき、その表面が高度に親水化されることも知られており、鏡(浴室、自動車)、レンズ、ガラス窓等の防曇への応用が種々考えられている。
さらに、建物外壁、自動車ガラス、窓ガラスの表面に光触媒薄膜を形成すると、その膜の表面の親水性に基づき、疎水性の汚れが付着しにくいというほか、汚れが付着しても分解され、かつ、前記の光触媒薄膜の親水性により、その汚れあるいはその分解物が、雨あるいは水洗等により容易に洗い流されるという自浄作用が得られることも知られている。
【0004】
前記光触媒薄膜は、通常、チタンアルコキシド、チタンアセテート等のチタン化合物を加水分解し、これを基材の表面に塗布し乾燥させた後、500℃以上で燒結させてアナタース型酸化チタン膜を得る方法や、蒸着法によりアモルファスの酸化チタン層を形成した後、得られたアモルファス酸化チタン層を400℃以上でアニールしてアナタース型酸化チタンを含む層とする方法や、金属チタンの表面を500℃以上で酸化して結晶化させる方法や、基材を250℃以上に加熱した状態でRFスパッタリング法によりアナタース型酸化チタン膜を得る方法等が知られている。
前記方法において、アモルファス酸化チタン膜を焼成して光触媒薄膜を形成する方法は、基板を長時間高温に加熱する必要があり、経済的にコストアップにつながり、また、後述のプラスチック基材にこの方法で光触媒薄膜を形成することはプラスチック基板の耐熱性の観点から実際には不可能である。また、RFスパッタリング法は、光起電力の高いアナタース型酸化チタンを得る方法として優れた方法であるが、高価な装置を用いる必要があり、この方法により低価格で光触媒薄膜を作製することは困難である。さらに、プラスチック基材として250℃の耐熱性を有するものもないわけではないが、光透過性をも備えたもので250℃の耐熱性を有し、かつ合理的な価格のプラスチック基材は、現在では知られていない。
【0005】
ところで、光触媒薄膜は、前記のごときその表面の光化学反応に基づく、防汚、抗菌、防曇のごとき特性の他、その光起電力作用も注目されている。光起電力は、導電性薄膜と光触媒薄膜を設けた基板を、水または電解作用を有する液の中に浸漬し、前記光触媒薄膜に紫外線を照射すると、その照射部分に光起電力が発生する現象である。この現象を利用することにより、たとえば、照射部分に選択的に膜を形成することができる。すなわち、膜形成性の電着物質を含む電着液に、前記基板を浸漬し、前記導電性薄膜と液中に設けた対向電極との間にバイアス電圧を印加しあるいは印加しない状態で、光触媒薄膜に紫外線を照射すると、光触媒薄膜の光照射部分に光起電力が発生し、その部分に膜形成物質が電着される。光触媒薄膜の光起電力が充分大きい場合には、バイアス電圧を0にすることが可能である。
本発明者等は、先に、前記光起電力を利用した、カラーフィルター等に有用な、極めて微細なパターンを解像度よく形成する方法を出願した(特開平11−174790号公報、特開平11−133224号公報、特開平11−335894号公報等)。
【0006】
プラスチック基材に半導体薄膜を形成する方法としては、特開平6−11738号公報に、MIM装置の半導電性結晶性シリコン膜を作製する方法として、絶縁性シリコンベース化合物材料の薄膜表面を、レーザ光等のエネルギービームで照射し、表面層を溶融し、表面層を結晶性シリコン膜に変換し、その下層に絶縁性シリコンベース化合物材料を残す方法が記載されている。また、特開平5−315361号公報には、プラスチックフィルム上に半導体薄膜を形成する方法として、プラスチックフィルムに非晶質材料膜と酸化物絶縁膜この順に形成し、酸化物絶縁膜側からレーザ光を照射し、非晶質材料膜と酸化物絶縁膜の界面近傍において非晶質材料膜を溶融し結晶化させるという、プラスチックフィルムにレーザ光による熱的ダメージを与えず、結晶化した半導体膜を作製する方法が記載されている。さらに、特開平5−326402号公報には、同様に、プラスチックフィルムにレーザ光による熱の影響をなくすため、プラスチックフィルムに熱バリア層を形成した後、アモルファスシリコン層をこの上に形成し、次いでレーザ光を照射して多結晶シリコン層を形成する方法が記載されている。
【0007】
これらの方法は、いずれも、アモルファスの半導体膜をレーザ光でアニールすることにより結晶化させる方法であるが、レーザ光による熱(1000℃になることがある)の影響がプラスチックフィルムに及ぼさないように、アモルファス半導体層の表面だけを溶融して結晶化させるか、あるいは、熱バリア層を設ける方法である。したがって、これらの方法は、アモルファス層全体を結晶化させることは不可能であるし、また、熱バリア層を設けるという他の工程を要するほか、高価なレーザ光照射装置が必要である。その上、レーザ光スポットをフィルム全体に走査することが必要であるので、フィルムを大面積化することが難しく、また、全体を結晶化させるのに長時間かかるという不利な点もある。
【0008】
また、特開2000−68520号公報には、アモルファスシリコン薄膜を結晶性シリコン半導体薄膜にするために、短波長の紫外線レーザ光(エキシマレーザ光)を照射する方法が記載され、この方法は、基材に対する熱的影響が少ない方法ではあるが、それでも基材は600℃近傍の温度に上昇するので、基材としてはガラスが用いられているに過ぎない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のごとき問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温でかつ簡便な工程および装置により、基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法を提供すること、さらに、基材に酸化チタン光触媒薄膜を設けた積層体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の半導体薄膜の製造方法、基板およびカラーフィルターを提供することにより解決される。
(1)真空下あるいは還元性ガス雰囲気下において、結晶部分が混在するアモルファス酸化チタン薄膜を設けた基材の、基材温度を25℃以上で300℃以下の温度に維持しながら、前記薄膜に紫外線を照射する処理工程を有する、基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
)前記酸化チタン光触媒薄膜が酸素欠損を持った酸化チタン光触媒薄膜であることを特徴とする前記(1に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
)前記紫外線がエキシマランプからの光であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
【0011】
)前記基材の維持温度が50℃以上で250℃以下の温度範囲にあることを特徴とする前記(1)ないし()のいずれか1に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
)前記基材がプラスチックであり、前記基材の維持温度が50℃から該プラスチック基材の耐熱温度までの温度範囲にあることを特徴とする前記(1)ないし()のいずれか1に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
)前記プラスチック基材の耐熱温度が100〜230℃であることを特徴とする前記(1)ないし()のいずれか1に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
【0012】
)前記結晶部分が混在するアモルファス酸化チタンの薄膜の形成にスパッタリング法を用いることを特徴とする前記(1)ないし(6)のいずれか1に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
)前記結晶部分が混在するアモルファス酸化チタンの薄膜の形成に電子ビーム蒸着法を用いることを特徴とする前記(1)ないし()のいずれか1に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
【0013】
(9)前記基材と酸化チタン薄膜との間に反射防止膜を設けることを特徴とする前記(1)ないし(8)のいずれか1に基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
(10)前記反射防止膜が単層であり、その屈折率が前記基板の屈折率と酸化チタン光触媒薄膜の屈折率の間にあり、かつ、屈折率と膜厚の積であらわされる光学膜厚が、可視帯域の中心波長の1/4またはその整数倍であることを特徴とする前記(9)に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
(11)前記反射防止膜が多層であり、各層の屈折率が前記基板の屈折率と酸化チタン光触媒薄膜の屈折率の間にあり、かつ、各層の屈折率と膜厚の積であらわされる光学膜厚が、それぞれ、可視帯域の中心波長の1/4またはその整数倍であることを特徴とする前記(9)に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
(12)前記反射防止膜の屈折率が1.5〜2.3の間にあることを特徴とする前記(9)ないし(11)のいずれか1に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
(13)前記反射防止膜が酸化物からなることを特徴とする前記(9)ないし(12)のいずれか1に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
(14)前記反射防止膜が酸化ジルコニウムからなることを特徴とする前記(13)に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
(15)前記反射防止膜がITOからなることを特徴とする前記(13)に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
(16)前記反射防止膜の膜厚が50nm〜100nmであることを特徴とする前記(9)ないし(15)のいずれか1に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
【0014】
17)前記(9)に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法において、基材に反射防止膜を設ける代わりに、酸化チタン光触媒薄膜の屈折率と膜厚の積であらわされる光学膜厚を、可視帯域の中心波長の1/2であるかあるいはその整数倍であるようにすることを特徴とする基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
18)前記酸化チタン光触媒薄膜の膜厚を70nm〜150nmにすることを特徴とする前記(17)に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化チタン光触媒薄膜の製造は、結晶部分が混在するアモルファス酸化チタン薄膜を比較的低温で加熱しながら紫外線を照射することを特徴とする。従来法である、酸化チタン薄膜をレーザ光照射により1000℃近い温度でアニールして結晶性の酸化チタン光触媒薄膜を得る方法に比較し、加熱温度は非常に低くすることが可能で、また、レーザ光スポットを走査する必要がなく、紫外線照射装置により全面に紫外線を照射するだけでよい。そのため、従来の方法に比較して、短時間で、かつ大掛かりな装置も必要とせず酸化チタン光触媒薄膜を製造することが可能であり、その結果製造価格も格段に低くなる。
したがって、前記のごとく、従来、プラスチック基材の上に光触媒薄膜を形成するためには特別な工程や装置が必要であったのに対し、本発明により、簡便なプロセスおよび装置によって、プラスチック基材の上に半導体薄膜を作製することが可能になった。
また、従来、鏡、ガラス等の表面に防曇処理、防汚処理、親水化処理等を施すには、鏡、ガラス等の表面にアモルファス光触媒薄膜を形成した後、これを400℃以上で焼成する必要があり、煩雑な方法であったが、本発明の製造方法により、プラスチック基材に光触媒薄膜を設けた基板が容易に得られるので、防曇、防汚、親水化の処理が必要な面に、このような基板を貼ることにより、極めて簡便に所望の表面性状を得ることができるようになる。
【0017】
本発明の製造方法に用いられる基材としては、ガラス基材、プラスチックのフィルム、シートまたは板等のプラスチック基材、セラミックスシート、セラミック板等のセラミック基材、Si、GaN、GaAs、GaP等の単結晶基板が制限なく用いられる。前記プラスチック基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂(JSR社製、商品名:アートン)等のプラスチックのフィルム、シートあるいは板が挙げられ、これらはフレキシブルであることが好ましい。上記の樹脂の中でノルボルネン樹脂は、広い波長範囲において光透過率が高くかつ耐熱性に優れた樹脂として近年注目されているものである(月刊「化学経済」1997年12月号別冊)。
本発明の方法により作製された光触媒薄膜を有する基板が、光反射あるいは光透過する物品の防曇あるいは防汚等に用いられる場合は、基材も光透過性であることが必要である。
【0018】
また、光触媒効果の高い酸化チタン薄膜を形成するには、結晶部分が混在するアモルファス酸化チタン薄膜の加熱温度を比較的高くする方が好ましいため、基材としてプラスチック基材を用いる場合は、耐熱性がより高いプラスチック基材を用いることが望ましい。耐熱性が高いプラステック基材としては、ポリイミド(耐熱温度331℃)、ポリカーボネート(PC)(耐熱温度205℃)、ポリエーテルサルフォン(PES)(耐熱温度223℃)、ポリサルフォン(PS)(耐熱温度190℃)、ノルボルネン樹脂(商品名:アートン)(耐熱温度171℃)などが用いられる。特に、耐熱性PCやPESは透明性が高くて、耐熱性が220度程度まで得られ、また、光学異方性も少ない。
本発明において、プラスチック基材の耐熱温度とはガラス転移点のことで100〜230℃程度である。
基材としてプラスチック基材を用いる場合の厚さは、30〜300μmが好ましく、80〜230μmがより好ましい。
【0019】
本発明における「結晶部分が混在するアモルファス酸化チタンの薄膜」の「結晶部分」とは、アモルファス部分と種々の結晶部分、たとえばルチル型結晶またはアナタース型結晶等が混在するものをいう。前記ルチル型結晶またはアナタース型結晶とは、ルチル構造またはアナタース構造に結晶化した種結晶をさす。わずかにルチル型結晶またはアナタース型結晶等の結晶部分を含む酸化チタン薄膜に、本発明の処理を行うことにより光触媒効果が増すことが確認されている。
本発明の製造方法において、結晶部分が混在するアモルファス酸化チタンの薄膜の形成法としては、スパッタリング法、RFスパッタリング法、EB蒸着法、イオンプレーティング法等が用いられる。
プラスチック基材に結晶部分が混在するアモルファス酸化チタンの薄膜を作製する場合には、比較的低温、たとえば、現在、透明性のよいプラスチックとして種々知られているものの耐熱温度以下(230℃以下)においても成膜が可能で、また、基材に対する損傷が少ない、DCスパッタリング法やRFスパッタリング法が好ましく用いられる。
【0020】
本発明の製造方法における基板の加熱温度は、加熱時間にも依存するが、25℃以上、好ましくは50℃以上であれば充分にルチル型結晶あるいはアナタース型結晶等の種結晶から多結晶体に結晶化が進み、光触媒効果の高い酸化チタン薄膜を得ることができる。また、結晶化度を上げるためには加熱温度が高い方がよい。したがって、加熱の上限温度は特に制限はないが、加熱方法の選択、加熱温度の制御、エネルギーロス等の観点から、300℃程度、好ましくは250℃程度であることが好ましい。結晶化度を効率よく上げ、また、加熱条件を妥当なものとするためには、酸化チタン薄膜を持つ基板を100〜200℃程度に加熱することが好ましい。
また、基材がプラスチック基材の場合には、その加熱上限温度は、プラスチック基材の耐熱温度である。プラスチック基材の耐熱温度とは、前記に挙げたプラスチック基材の場合、最も高いもので230℃程度である。また、前記観点からプラスチック基材の場合も100〜200℃程度(ただし、プラスチック基材の耐熱温度が200℃以下の場合はその耐熱温度までの範囲)に加熱することが好ましい。
【0021】
紫外線照射は、市販の紫外線照射装置により十分可能であるが、中でもエキシマランプが好ましく用いられる。また、紫外線の波長は短い方が光エネルギーが大きく、365nm以下、好ましくは308nm以下の紫外線が好ましく用いられる(たとえば、308nm、202nm、172nmの紫外線)。
紫外線照射量は、1〜50mW/cm2程度でも充分酸化チタン薄膜を光触媒薄膜に変えることができる。また、紫外線照射時間は一般に長い方が、酸化チタン薄膜を光触媒薄膜に変換させることができる。加熱温度にもよるがたとえば加熱温度を150℃に維持する場合、10〜30分程度が適切である。
【0022】
加熱および紫外線照射時の雰囲気は、真空あるいは還元性ガス雰囲気が好ましく、特に低い酸素分圧を有する雰囲気が好ましい。酸素分圧を低くすることにより酸化チタン薄膜の加熱温度をより低温にすることができる。前記の「真空」とは、一般的に10-2Pa程度以下の真空度をさすが、他の条件を考慮することにより適宜決定することができる。用いるガスはたとえば、水素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、He、Ne、Ar等の希ガス、一酸化炭素ガスなどの1種以上が用いられ、水素ガスを含む還元性雰囲気であることが好ましい。
たとえば、水素を2〜5%(爆発限界以下)含んだ純度の高い窒素ガス還元雰囲気下(たとえば1lの内容量を有する装置を用いる場合、流量を0.5〜2l/minとする)でアニール処理を行うと、結晶部分を持った状態から結晶化が進み多結晶化するし、また酸素の格子欠陥が生じて酸化チタン薄膜のキャリアー濃度が増加し、光電流特性が大きく向上する。また光触媒特性も同様に向上する。還元性雰囲気の圧力は常圧(大気圧)でよいが、減圧条件でもよい。
【0023】
また、本発明の酸化チタン光触媒薄膜の形成方法において、基材として光透過のものを用いると、得られる積層体は光透過性の積層体となるが、前記積層体の光透過性基材と酸化チタン薄膜の間に反射防止膜を形成するか、あるいは酸化チタン薄膜の光学膜厚を特定の厚さにすることにより、光透過性基材と酸化チタン薄膜との間において光反射が生じないようにすることができ、極めて光透過率に優れた積層体を得ることができる。
反射防止膜が単層の場合、その屈折率が前記光透過性基材の屈折率と酸化チタン光触媒薄膜の屈折率の間にあり、かつ、屈折率と膜厚の積であらわされる光学膜厚が、可視帯域の中心波長の1/4またはその整数倍であることが、光透過性基材と酸化チタン薄膜との間における光反射をなくする点からみて好ましい。
【0024】
反射防止膜の屈折率はたとえば1.5〜2.3の間にすることができ、その膜厚は50nm〜100nm程度の範囲が適切である。
前記反射防止膜が多層の場合には、各層の屈折率が前記光透過性基材の屈折率と酸化チタン光触媒薄膜の屈折率の間にあり、かつ、各々の層の屈折率と膜厚の積であらわされる光学膜厚が、それぞれ、可視帯域の中心波長の1/4あるいはその整数倍にすることにより、前記の光反射を有効に防止し、透過性を改善することができる。
前記反射防止膜はたとえば酸化物誘電体で構成することができる。
反射防止膜に用いる酸化物誘電体としては、ITO、CeF3、ZnS、MgO、Gd2O3、Sc2O3、ZrO2、SiO、HfO2、CeO2などがある。特にZrO2は高屈折率誘電体薄膜材料として一般に利用されている。酸化物誘電体からなる反射防止膜は、DCスパッタ法、RFスパッタ法、電子ビーム蒸着法等により容易に薄膜形成できる。
【0025】
例えば、基材が屈折率が1.5のガラスで、酸化チタン光触媒薄膜が屈折率2.5の酸化チタンの場合に、可視光の中心波長を550nmとすると、屈折率が両者の中間の1.8〜2.0位の材料、例えば屈折率が2.0のZrO2の膜で、膜厚が69nm(550/(4×2.0)=69)、またはこの整数倍の膜を、反射防止膜として用いることが有効である。また、屈折率が1.9のITOの場合には、72nm(550/(4×1.9)=72)程度、またはこの整数倍程度の膜厚のITOを用いることが有効である。ただし、実際の反射防止膜の屈折率は、その成膜条件によって大きく変化するので、これに合わせた膜厚を決定する必要がある。
【0026】
また、基材に反射防止膜を設ける代わりに、酸化チタン薄膜の屈折率と膜厚の積であらわされる光学膜厚を、可視帯域の中心波長の1/2であるか、あるいは可視帯域の中心波長の1/2の整数倍であるようにすることによっても、酸化チタン光触媒薄膜と基材の間で光反射が起こるのを防止することができる。
1例を挙げると、可視光の中心波長が550nmであるとすると、酸化チタン光触媒薄膜として屈折率2.5の酸化チタンを用いる場合、たとえば、550/(2×2.5)=110(nm)程度またはこの整数倍程度を酸化チタン薄膜の光学膜厚とすることができる。(厳密にこの値にする必要はない。)
【0027】
次に、本発明の酸化チタン光触媒形成方法に用いる実験装置の一例を説明する。
図1は、還元性ガス雰囲気下において結晶化を行うアニール装置の一例を示す模式的概念図であり、アニール装置20は、結晶部分が混在するアモルファス酸化チタン薄膜を設けた基材(以下においてこれを基板ということがある。)を収容するチャンバー21、紫外線照射手段22、加熱手段24、加熱手段からの熱を伝導するための熱伝導板26、図示しない雰囲気ガス導入および排出手段、雰囲気ガス導入路27、雰囲気ガス排出路28、真空排気手段40を有している。10は基材に前記酸化チタン薄膜を設けた基板である。また、図示していないが、基板10と熱伝導板26の間には、温度検知手段が設けられ、図示しない温度制御手段により基板の温度(前記酸化チタン薄膜の温度)が制御される。また、この装置を用いる際、チャンバー内の酸素分圧を下げるが、酸素分圧を下げるのに、真空排気手段を用いず還元性ガスを一定時間流すことにより酸素分圧を下げることも可能であるので、この場合には、真空排気手段を設けない構造とすることができる。紫外線照射手段としては、エキシマランプが好ましく、加熱手段としては電気的に加熱するヒーターが、また、熱伝導板としては、たとえば、熱伝導性セラミック板が用いられ、温度検知手段として、たとえば熱電対が用いられる。真空排気手段としてはたとえばターボ分子ポンプが用いられる。
真空排気手段を用いる場合は、基板10を熱伝導板26の上に置き、その後真空排気手段40によりチャンバー内を一度真空にし、内部の酸素分圧を下げる。加熱手段24により熱伝導板26を加熱し、基板の温度を上昇させる。基板温度がアニール温度に達したら、水素−窒素混合ガス等の還元性ガスをアニール装置
に導入し、充分に還元性ガスを流して置換した後、紫外線照射を開始する。
また、本発明の半導体薄膜製造を真空下で行う場合のアニール装置では、図1のアニール装置における雰囲気ガス導入および排出手段に代えて、装置内のガスを排気する真空排気手段、たとえばターボ分子ポンプを設ければよい。
本発明の半導体薄膜製造方法は、低温アニールが可能であるので、加熱手段、温度制御手段などに特別な仕様のものを用いる必要がなく、安価な手段でよいというメリットがある。
【0028】
図2に、一部アナタース型に結晶化した酸化チタン薄膜に、アニール時間を10分、15分および30分に変えてアニール処理を行った場合に得られる光触媒薄膜の光電変換効率を、アニール処理前のもの(ref.)とともに示す。アニール処理の温度は125℃であった(雰囲気・光照射条件は実施例1を参照)。図2から明らかなように、アニール後では、光電流密度が著しく上昇しており、アニール処理により、酸化チタンの結晶化が進んだことが裏付けられる。また、アニール時間を長くすることにより光電流密度がより増加することが分かる。さらに、X線回折装置により、2θが25.260でd=3.52ÅのところにX線の回折ピークが観察された。このことは、アナタース型の(1、0、1)面を示す。
本発明の方法により得られる光触媒薄膜は、たとえば、酸化チタンの場合、アナタース型結晶、あるいはアナタース型とルチル型の混晶である。
【0029】
また、本発明の方法により作製される、少なくとも基材および酸化チタン光触媒薄膜をこの順に有する積層体は、前記基材がフレキシブルプラスチック基材の場合には、ロール状に巻くことができ、建物外壁等の防汚の目的に好適に用いることができる。また、前記基材が光透過性のプラスチック基材あるいは光透過性のフレキシブルプラスチック基材の場合には、この積層体は光透過性であり、ガラス窓、鏡などの防曇および防汚などに好適に用いることができる。
また、前記積層体において、基材と酸化チタン光触媒薄膜の間に前記のごとき反射防止膜を設けた場合には、光透過性が改善されるので、光反射あるいは光透過する物品には特に好ましい。
また、前記のごとき積層体において、上記のごとく、反射防止膜を設ける代わりに、酸化チタンの屈折率と膜厚の積であらわされる光学膜厚を、可視帯域の中心波長の1/2であるかあるいはその整数倍であるようにすることによっても積層体の光透過率を向上させることができる。
前記積層体の例として、図3に光透過性のフレキシブルプラスチック基材を用いた例を示す。図3(A)は、PESフィルム(膜厚125μm)に反射防止膜としてZrO2(膜厚65nm)と酸化チタン光触媒薄膜(膜厚200nm)を設けた積層体を示し、図3(B)は、アートンフィルム(膜厚188μm)に反射防止膜としてITO(膜厚75nm)と酸化チタン光触媒薄膜(膜厚200nm)を設けたものを、また、図3(C)は、PESフィルム(膜厚150μm)に110nm厚みの酸化チタン光触媒薄膜を設けた積層体を表し、酸化チタン膜は反射を最低限に抑えた最適膜厚になっている。なお、これらの酸化チタン光触媒薄膜の屈折率は2.5である。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板(コーニング1737ガラス)に、RFスパッタリング法を用い、基板温度180℃で、一部アナタース型に結晶化した二酸化チタンを110nmの膜厚になるように成膜した。次いで、図1に示すような実験装置(内容積およそ1l)を用い、あらかじめ真空処理(10-2Pa)をして酸素を除去した後、水素ガスを3%含む高純度窒素ガス雰囲気下(流量:1l/min、大気圧)で、前記の酸化チタンを形成したガラス基板が150℃になるように加熱し、その温度を保ちながら、エキシマランプ(ウシオ電機(株)製)により、紫外線(波長:172nm、光強度:10mW/cm2)を10分間照射した。
得られたアニール処理被膜のX線回折強度を調べたところ、2θが25.260のところに回折ピークが観察された。また、前記被膜の接触角を調べた結果、1.5°であり、強い親水性表面であることが観察された。
この結果から、前記アニール処理により、光触媒活性が向上したことが裏付けられる。
得られた二酸化チタン光触媒薄膜の屈折率は2.5であった。
【0031】
実施例2
厚さ0.15mmのプラスチックシート(住友ベークライト製 PESフィルム)に、実施例1とは、アニール処理温度を130℃にする他は、同様にして、プラスチックシートの上にアニール処理被膜を形成した。
得られたアニール処理被膜のX線回折強度を調べたところ、図4に示すように、2θが25.260のところに回折ピークが観察された。また、前記被膜の接触角を調べた結果、2.5°であり、強い親水性表面であることが観察された。
この結果から、前記アニール処理により、光触媒活性が向上したことが裏付けられる。
得られた酸化チタン光触媒薄膜の屈折率は2.5であった。
【0032】
実施例3
アニール温度を180℃に、アニール時間を5分に変更する他は、実施例2と同様にして酸化チタン光触媒薄膜を作製した。実施例2と同様な結果が得られた。
【0033】
実施例4
アニール温度を50℃に、アニール時間を120分に変更する他は、実施例2と同様にして酸化チタン光触媒薄膜を作製した。実施例2と同様な結果が得られた。
【0034】
実施例5
この例では、基板として、光透過性のプラスチック基材に光透過性の導電性薄膜および光触媒薄膜を有する光触媒基材の作製例を挙げる。
厚さ188μmのアートンフィルムを用意し、水洗した後、前記フィルムの温度を130℃に保持しつつRFスパッタリング法により、ITOを72nm形成し、さらに膜厚200nmの一部アナタース型に結晶化した二酸化チタン(TiO2)膜を形成した。次に、図1に示したアニール装置を用いて、3%の水素を含む高純度窒素ガスを1l/minの流量で流しながら、アートンフィルムの温度を150℃にコントロールし、エキシマランプ(ランプ:ウシオ電機製、波長:172nm、光強度:10mW/cm2)を10分間照射した。加熱処理後の二酸化チタンの屈折率は2.5で、また、ITOの屈折率は1.9であった。
アニール処理前後の二酸化チタン薄膜について、紫外光(1KWHg−Xeランプ、365nm、50mW/cm2)を照射し、その時の電流電圧特性を調べた。図2と同様な結果が得られた。
また、X線の回折ピークを調べたところ、2θが25.260のところにX線の回折ピークが観察されアナタース型に結晶構造が変化したことが確認された。
【0035】
比較例1
厚さ0.15mmのプラスチックシート(住友ベークライト製 PESフィルム)に、ターゲットとしてルチル型の酸化チタンを用いたRFスパッタリング法で、基板温度120℃で、酸素分圧を減らしてアモルファスの二酸化チタンを110nmの膜厚になるように成膜した。(このときX線回折装置では、この薄膜にアナタース型結晶やルチル型結晶のピークが検出されなかった。)
次に、実施例1とはアニール処理温度を130℃にする他は、同様にして、プラスチックシートの上にアニール処理被膜を形成した。
得られたアニール処理被膜のX線回折強度を調べたところ、2θが25.260のところのアナタース型結晶の回折ピークが観察されず、アニール処理前後において被膜はアモルファス構造を有し変化は見られなかった。
この結果から、酸化チタン薄膜の結晶化を進めるにはアナタース型やルチル型等の結晶部分が必要であることが分かった。
【0036】
【発明の効果】
本発明の酸化チタン光触媒薄膜の形成方法は、従来法である、酸化チタン薄膜をレーザ光照射により1000℃近い温度でアニールして結晶性の酸化チタン光触媒薄膜を得る方法に比較し、加熱温度は非常に低くすることが可能で、また、レーザ光スポットを走査する必要がなく、紫外線照射装置により全面に紫外線を照射するだけでよい。そのため、従来の方法に比較して、短時間で、かつ大掛かりな装置も必要とせず酸化チタン光触媒薄膜を製造することが可能であり、その結果製造価格も格段に低くなる。
したがって、前記のごとく、従来、プラスチック基材の上に光触媒薄膜を形成するためには特別な工程や装置が必要であったのに対し、本発明により、簡便なプロセスおよび装置によって、プラスチック基材の上に半導体薄膜を作製することが可能になった。
また、従来、鏡、ガラス等の表面に防曇処理、防汚処理、親水化処理等を施すには、鏡、ガラス等の表面にアモルファス光触媒薄膜を形成した後、これを400℃以上で焼成する必要があり、煩雑な方法であったが、本発明の製造方法により、プラスチック基材に光触媒薄膜を設けた基板が容易に得られるので、防曇、防汚、親水化の処理が必要な面に、このような基板を貼ることにより、極めて簡便に所望の表面性状を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いるアニール装置の一例を示す模式図である。
【図2】一部アナタース型に結晶化した二酸化チタン薄膜のアニール前後での電流電圧特性を示すグラフである。
【図3】本発明の方法により作製される積層体の層構成の例を示す模式図である。
【図4】実施例2で形成された光触媒薄膜のX線回折強度を示すグラフである。
【符号の説明】
10 基板
20 アニール装置
21 チャンバー
22 紫外線照射手段
24 加熱手段
40 真空排気手段

Claims (18)

  1. 真空下あるいは還元性ガス雰囲気下において、結晶部分が混在するアモルファス酸化チタン薄膜を設けた基材の、基材温度を25℃以上で300℃以下の温度に維持しながら、前記薄膜に紫外線を照射する処理工程を有する、基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  2. 前記酸化チタン光触媒薄膜が酸素欠損を持った酸化チタン光触媒薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  3. 前記紫外線がエキシマランプからの光であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  4. 前記基材の維持温度が50℃以上で250℃以下の温度範囲にあることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  5. 前記基材がプラスチックであり、前記基材の維持温度が50℃から該プラスチック基材の耐熱温度までの温度範囲にあることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  6. 前記プラスチック基材の耐熱温度が100〜230℃であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  7. 前記結晶部分が混在するアモルファス酸化チタンの薄膜の形成にスパッタリング法を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  8. 前記結晶部分が混在するアモルファス酸化チタンの薄膜の形成に電子ビーム蒸着法を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  9. 前記基材と酸化チタン薄膜との間に反射防止膜を設けることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  10. 前記反射防止膜が単層であり、その屈折率が前記基板の屈折率と酸化チタン光触媒薄膜の屈折率の間にあり、かつ、屈折率と膜厚の積であらわされる光学膜厚が、可視帯域の中心波長の1/4またはその整数倍であることを特徴とする請求項9に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  11. 前記反射防止膜が多層であり、各層の屈折率が前記基板の屈折率と酸化チタン光触媒薄膜の屈折率の間にあり、かつ、各層の屈折率と膜厚の積であらわされる光学膜厚が、それぞれ、可視帯域の中心波長の1/4またはその整数倍であることを特徴とする特徴とする請求項9に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  12. 前記反射防止膜の屈折率が1.5〜2.3の間にあることを特徴とする請求項ないし請求項11のいずれか1項に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  13. 前記反射防止膜が酸化物からなることを特徴とする請求項ないし請求項12のいずれか1項に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  14. 前記反射防止膜が酸化ジルコニウムからなることを特徴とする請求項13に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  15. 前記反射防止膜がITOからなることを特徴とする請求項13に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  16. 前記反射防止膜の膜厚が50nm〜100nmであることを特徴とする請求項ないし請求項15のいずれか1項に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  17. 前記請求項9に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法において、基材に反射防止膜を設ける代わりに、酸化チタン光触媒薄膜の屈折率と膜厚の積であらわされる光学膜厚を、可視帯域の中心波長の1/2であるかあるいはその整数倍であるようにすることを特徴とする基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
  18. 前記酸化チタン光触媒薄膜の膜厚を70nm〜150nmにすることを特徴とする請求項17に記載の基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法。
JP2002186058A 2001-06-28 2002-06-26 基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法 Expired - Fee Related JP4292759B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002186058A JP4292759B2 (ja) 2001-06-28 2002-06-26 基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-196562 2001-06-28
JP2001196562 2001-06-28
JP2002186058A JP4292759B2 (ja) 2001-06-28 2002-06-26 基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003080066A JP2003080066A (ja) 2003-03-18
JP4292759B2 true JP4292759B2 (ja) 2009-07-08

Family

ID=26617755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002186058A Expired - Fee Related JP4292759B2 (ja) 2001-06-28 2002-06-26 基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4292759B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105866397A (zh) * 2016-03-14 2016-08-17 陆书华 一种用于检验科的防污染检验装置

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2868770B1 (fr) * 2004-04-09 2006-06-02 Saint Gobain Substrat, notamment substrat verrier, portant une couche a propriete photocatalytique modifiee pour pouvoir absorber des photons du visible
FR2929938B1 (fr) * 2008-04-11 2010-05-07 Saint Gobain Procede de depot de couche mince.
JP6189876B2 (ja) * 2015-01-09 2017-08-30 株式会社イリス 酸化チタンの塗布方法及びフィルターの製造方法並びに同製造方法で製造されたフィルターを用いた空気清浄機
JP5907517B2 (ja) * 2015-04-30 2016-04-26 国立研究開発法人産業技術総合研究所 光触媒高機能化技術

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU718733B2 (en) * 1995-03-20 2000-04-20 Toto Ltd. Method for photocatalytically rendering a surface of a substrate superhydrophilic, a substrate with a superhydrophilic photocatalytic surface, and method of making thereof
JP2000068520A (ja) * 1997-12-17 2000-03-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体薄膜、その製造方法、および製造装置、ならびに半導体素子、およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105866397A (zh) * 2016-03-14 2016-08-17 陆书华 一种用于检验科的防污染检验装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003080066A (ja) 2003-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4116300B2 (ja) 酸化チタン光触媒薄膜および該酸化チタン光触媒薄膜の製造方法
US6793980B2 (en) Method of forming photo-catalytic film made of titanium oxide on base material and laminated material thereof
KR100789870B1 (ko) 플라스틱 기재 상에 결정성 반도체 박막을 형성하는 방법, 및 결정성 반도체 박막이 형성된 적층체
JP5766778B2 (ja) 冷蔵庫
JP4823321B2 (ja) 光触媒体の製造装置
JP2005507974A (ja) 可視光応答性の光活性の被膜、被覆物品およびその製法
JP4292759B2 (ja) 基材上に酸化チタン光触媒薄膜を形成する方法
JP2005139498A (ja) 薄膜の処理方法、結晶性薄膜、結晶性酸化チタンフィルム、光触媒フィルム、色素増感型太陽電池用半導体電極、及び薄膜の処理装置
JP4096529B2 (ja) アニール装置
JP2003311157A (ja) 金属酸化物光触媒体及びその製造方法
JP4082008B2 (ja) シート基材に結晶性化合物薄膜を形成する方法およびそのための装置
JP4446067B2 (ja) 光触媒性能とヒートミラー性能を併せ持つ透明基材及びその製造方法
JP2009066497A (ja) 光触媒酸化チタン薄膜及びその製造方法
JP3925179B2 (ja) 防曇防汚物品とその製造方法
JP2002348665A (ja) 結晶性酸化チタン薄膜の高速成膜方法
TW202345972A (zh) 光觸媒構件
Takeuchi et al. Preparation of Highly Functional TiO 2‐Based Thin‐Film Photocatalysts by Ion Engineering Techniques, Photocatalysis, and Photo‐Induced Superhydrophilicity
JP2008110320A (ja) 光触媒体及び光触媒体の製造方法
CN1555919A (zh) 在可见光下具有光催化性能的碘掺杂光催化多晶体材料
JP2010070400A (ja) 酸素欠損部を含む高光活性チタニアの製造方法
JP4837226B2 (ja) 光触媒体及び光触媒体の製造方法
Prashanth et al. Influence of Calcination Temperature for Optical and Photo Catalytic Properties of TiO2 Thin Films Prepared by EB-Gun and Sol-Gel Method
JP2007230812A (ja) 光触媒酸化チタン薄膜
Maldonado et al. Titanium dioxide thin films deposited by the sol‐gel technique starting from titanium oxy‐acetyl acetonate: gas sensing and photocatalyst applications
JP4463356B2 (ja) アナターゼ型酸化チタン薄膜製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080715

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090330

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120417

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130417

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140417

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees