JP4292467B2 - 舗装材への融雪剤の注入方法及び融雪剤を注入した舗装材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は表面及び内部に空隙を有する舗装材への融雪剤の注入方法、ならびに冬季は凍結抑制作用を有し冬季以外は透水性を確保する舗装材、または凍結抑制作用及び融雪作用に関する道路維持管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から路面上の凍結防止、融雪に関する道路維持管理手法としては、一定場所に装置を設置して当該箇所を集中的に凍結防止、融雪を行ういわゆる定置式の方法、車両等に融雪剤の散布装置を搭載し必要箇所に融雪剤を散布する移動散布式、及び降雪時の除雪作業がある。また、開粒度アスコンの空隙に融雪剤を含有させた吸水性ポリマーを注入してセメントミルクで固定化する方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
いわゆる定置式は、熱源により直接路面の加熱を行う路面融雪装置で、対象とする路面直下にヒートパイプを埋設して熱交換用の温水や不凍液等の流体を前記ヒートパイプ内を循環させることにより路面の加熱を行う。或いは、電熱線を路面に埋設して直接加熱を行い、路面温度を上昇させて該路面上の凍結防止及び融雪を行うものである。又、定置式における他の例として、温水等を直接路面に散布する路面融雪装置は、前記のヒートパイプと同様に路面直下に温水散布パイプを埋設し、当該パイプ内に温水等を送水すると共にパイプに設けられた散水孔により直接路面上に温水を噴出させ路面上の凍結防止及び融雪を行うものである。又、降雪状況や路面状況を関知する各種センサーを設置し、この情報によりポンプ等の制御を行い、融雪剤の溶液を直接路面に散布する装置も提案されている。
【0004】
埋設したヒートパイプや電熱線による該路面への加熱は、これらの装置の建設費や運転維持費が高額となり、経済面で設置個所が限定されている。又、路面上に直接温水等を散水し融雪を行う定置式の装置では、大量の融雪水を必要とし、さく井を伴う場合は周辺の地下水位の低下をきたす場合もある。又、散水停止後には、散水した融雪水が周辺部に塩害等の影響を及ぼすおそれがある。更に路面上に残った融雪水が急激な気象の変化により凍結するおそれもある。一方、ポンプや電気的な設備を用いた装置の場合、例えば山間部等での設置であれば電気配線が必要になり割高となる。
【0005】
一方、車両等に融雪剤を搭載して直接路面に該融雪剤の散布を行う移動式の散布装置、及び降雪時に行う除雪作業は簡便であるが、夜間や早朝に行われる為に人的な負担が大きく、それに急激な気象の変化に対応しにくい。また、ポーラスコンクリートや排水性舗装等、表面或いは内部に空隙を有する舗装は降雪が車の荷重により圧雪となり易く、しかも圧雪となった雪が舗装の空隙に食い込んで除雪作業の妨げとなったりする。
【0006】
また、開粒度アスコンの空隙に融雪剤を吸収させた吸水性ポリマーを注入しセメントミルクで固定化する方法では、融雪剤を長期間保持することはできるが、空隙がセメントミルクで充填される為に透水性が低下する。また、冬季以外も吸水性ポリマー及び融雪剤が道路面に流出するおそれがある。この為に冬季に凍結抑制及び融雪機能を果たし、冬季以外は十分な透水性を確保する舗装材は従来存在していない。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点を解決する為になされたものであって、その解決すべき課題は、冬季は経済的かつ維持管理上の問題のない凍結抑制及び融雪機能を有し、冬季以外は排水性舗装として機能する舗装材及び凍結抑制または融雪方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決する為に本発明が採った手段は、低温下で融雪剤を溶解または混入した寒天溶液を多孔質な舗装材の空隙に注入し、寒天溶液が舗装材の中で固定化することにより舗装材と一体化し、降雨時には融雪剤が流出するのを防ぎ、凍結或いは降雪時には融雪剤が凍結抑制または融雪作用を促進するものである。そして、降雪期間終了後は、路面温度が高くなることにより自動的に寒天が溶けて融雪剤とともに流出するか又は、温熱水を噴射することにより寒天を溶かして融雪剤を流出させることにより、透水性舗装材として用いるものである。
【0009】
またその後、降雪期間が来たときは再び融雪剤入りの寒天を注入することにより融雪効果を持たせるものである。この場合、融雪剤は凍結抑制或いは融雪機能を果たす。また、寒天は融雪剤の流出を抑制する為に冬季間だけの固化材の役割を果たす。なお、寒天とともに保水材を充填することによりその効果を向上させることもできる。
【0010】
請求項2に記載しているように、寒天は低温下で固化することから、舗装材の温度が低い場合には舗装材の表面で寒天が固化して舗装材の空隙にうまく注入できないことから、上記融雪剤を溶解または混入した寒天溶液が舗装材の空隙に注入させ易くする為に、寒天をゲル状としたり、空隙を有する舗装材をあらかじめ温水或いはバーナー等で加温した後に寒天溶液を注入するものである。
【0011】
請求項3に記載しているように、上記融雪剤の濃度が7.5〜20%で寒天粉の濃度が0.5〜1.5%であること、あるいはあらかじめ加温する温水の温度が50℃以上であることにより、15%〜25%の空隙率を有する舗装材の空隙に注入し易くするものである。
【0012】
請求項4に記載しているように、低温下で融雪剤を溶解または混入した寒天溶液を15%〜25%の空隙率を有する舗装材の空隙に注入し一体化して構成している。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。本発明は、融雪剤を溶解した寒天溶液をポーラスコンクリートの空隙に充填して一体化し、地面に設置した。図1はポーラスコンクリートの空隙に融雪剤を溶解した寒天溶液に充填されている一部拡大図をモデル化して示した具体例である。ポーラスコンクリートは同図に示すように、骨材1,1・・がモルタル2にて結合され、間には僅かな間隙が連続して形成され、この間隙に融雪剤を溶解した寒天3が充填される。
【0014】
融雪剤としては塩化カルシウムを用いた。融雪剤の溶液を90℃程度に加温した後、寒天を添加し、寒天は融雪剤の溶液に溶解し、一様な濃度になった後に用いた。また、寒天を注入しないポーラスコンクリート及び空隙のない通常のコンクリート面と比較してその性能を評価した。寒天及び融雪剤の配合条件、及び降雪時の雪の深さを表−1に表す。なお、融雪剤を充填したポーラスコンクリートの敷設は12月上旬に行った。
【0015】
[表−1]寒天及び融雪剤の配合条件及び降雪時の雪の深さ
【0016】
表−1に示すようにポーラスコンクリートだけを設置した場合は空隙のない通常のコンクリート面より降雪時の積雪深さが大きいが、融雪剤を溶解した寒天をポーラスコンクリートの空隙に注入一体化することにより、降雪時の積雪深さを小さくすることができる。また、寒天の濃度が高いほど、融雪剤の濃度が高いほど降雪時の積雪深さを小さくすることができる。また、寒天の濃度を1%程度とすることにより寒天注入後3ヶ月程度も効果を持続することができる。このように融雪剤を溶解または混入した寒天を空隙に充填一体化したポーラスコンクリートは降雪時の凍結抑制或いは融雪を促進することができる。
【0017】
なお、寒天としては伊那食品工業(株)社製のE−45を用いたが、他のものを用いることもできる。またゼラチンや蒟蒻芋等でんぷん含有物を用いることもできる。
【0018】
ポーラスコンクリートの空隙率と融雪剤と寒天の配合及びポーラスコンクリートの温度を変えてポーラスコンクリートの空隙への融雪剤を配合した寒天の注入状況を調べた。 なお、6号砕石を用いたポーラスコンクリートの連続空隙率は21.9%、7号砕石を用いたポーラスコンクリートの連続空隙率は20.6%であった。また、ポーラスコンクリートの加温は、温水をあらかじめ注入する方法と、バーナーで加温する方法の2つの方法で行った。
【0019】
[表−2]ポーラスコンクリートの空隙への融雪剤を配合した寒天の注入状況
注)寒天の注入状況(×:寒天がポーラスコンクリートの上で固まって中へ入らない。○:うまく注入できポーラスコンクリートの中で固まる。△:×と○の中間程度、下:寒天がポーラスコンクリートの下へ流れる。)
【0020】
これより、ポーラスコンクリートをあらかじめ加温しない場合は、融雪剤の濃度が25〜20%程度で寒天の濃度が1〜1.5%程度の時うまく注入できることがわかる。しかし、融雪剤の濃度が低くなってくると寒天の濃度も低くしないとうまく注入できない。なお、融雪剤の濃度が低い場合は表−1の実験によりその効果が長期間持続しない。
【0021】
また、これより上記融雪剤の濃度が7.5〜25%で寒天粉の濃度が0.5〜1.5%の場合には上記融雪剤を溶解または混入した寒天が舗装材の空隙に注入し易く、またポーラスコンクリート内にとどまって一体化することがわかる。
【0022】
これに対し、ポーラスコンクリートをあらかじめバーナーあるいは温水等で加温すると、寒天の濃度を高くしても、寒天が舗装材の空隙に注入しやすくなることがわかる。
【0023】
この場合、上記融雪剤の濃度が25%で寒天粉の濃度が2〜3%の場合でも、融雪剤を溶解または混入した寒天が舗装材の空隙に容易に注入でき、また、ポーラスコンクリート内にとどまって一体化することがわかる。なお、融雪剤の濃度及び寒天の濃度はこれより低くしても、加温しない場合の結果から容易に注入が可能である。
【0024】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。たとえば、空隙を有する舗装材としてはポーラスコンクリートに限らずアスファルト舗装材でもよい。内部に繊維を混入したり、あらかじめ工場で製品として製造するだけでなく、現場で施工することもできる。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のポーラスコンクリートへの融雪剤の注入方法は、融雪剤を溶解又は混入した寒天を舗装材の空隙に注入して一体化するものである。そこで降雨時には融雪剤が流出するのを防ぎ、凍結或いは降雪時には融雪剤が凍結を抑制し、融雪作用をするものである。これにより、冬季に凍結抑制及び融雪作用を有する舗装材となり、降雪時にも道路の効率的な維持管理ができるとともに冬季以外の季節では透水性舗装材として利用できる。
【0026】
冬季が過ぎて気温が上昇するならば、路面温度が上がって注入されている寒天が溶けて融雪剤と共に流出し、その結果、透水性が確保される。そして、又冬季になると、再び融雪剤を溶解又は混入した寒天溶液を注入することで凍結及び融雪効果をもたらすことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポーラスコンクリートの間隙に融雪剤を溶解した寒天が充填されている状態。
【符号の説明】
1 骨材
2 モルタル
3 融雪剤を溶解した寒天
Claims (4)
- 表面及び内部に空隙を有す道路の舗装材に融雪剤を注入する方法において、融雪剤の溶液に寒天を加えて寒天溶液を作り、これを15%〜25%の空隙率を有す舗装材の表面を加温して該空隙に注入することを特徴とする舗装材への融雪剤の注入方法。
- 上記寒天溶液が空隙に注入されて舗装材と一体化し易くする為に、寒天をゲル状とした請求項1記載の舗装材への融雪剤の注入方法。
- 上記融雪剤の濃度が7.5〜25%で、寒天溶液の濃度が0.5〜3%とし、さらに舗装材を加温する温度を50℃以上とした請求項1、又は請求項2記載の舗装材への融雪剤の注入方法。
- 表面及び内部の空隙に融雪剤が注入された道路表面の舗装材において、上記空隙の空隙率を15%〜25%とし、この空隙に融雪剤を溶かした寒天溶液を注入して一体化したことを特徴とする融雪剤を注入した舗装材。
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