JP4292439B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば、ステアリングホイールなどの操作手段の操作に対する舵取り車輪の転舵の関係を変更しうる車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステアリングホイールと舵取り車輪を転舵するための舵取り機構との機械的な結合を無くし、ステアリングホイールの操作方向および操作量を検出するとともに、その検出結果に基づいて、舵取り機構に電動モータ等のアクチュエータからの駆動力を与えるようにした車両用操舵装置が提案されている(たとえば、特開平9−142330号公報参照)。
【0003】
このような構成を採用することにより、舵取り機構とステアリングホイールとを機械的に連結する必要がないので、衝突時におけるステアリングホイールの突き上げを防止できるとともに、舵取り機構の構成を簡素化および軽量化することができる。また、ステアリングホイールの配設位置の自由度が増し、さらには、ステアリングホイール以外のレバーまたはペダル等の他の操作手段の採用をも可能とすることができる。
【0004】
上記のような構成の車両用操舵装置においては、ステアリングホイールの操作と舵取り機構の動作との関係を電気的制御によって、自由に変更することができるので、車両の運転性能を飛躍的に向上できるものと期待されている。
たとえば、ステアリングホイールの操作トルクまたは操作角に対応する目標ヨーレートまたは目標横加速度を求め、これらに基づいて舵取り機構の動作を制御することによって、車両の姿勢制御を行うことができ、操舵に対する車両の運動特性を最適化できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ステアリングホイールの操作角を検出する操作角センサや舵取り車輪の転舵角を検出する転舵角センサがオフセット誤差(中点ずれ)を有していると、平坦な路面でステアリングホイールを中立位置に保持していても車両を直進させることができなくなる。
また、車両のヨーレートおよび横加速度をそれぞれ検出するヨーレートセンサおよび横加速度センサがオフセット誤差を有していれば、不要な姿勢制御が実行されるおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、操作角センサおよび転舵角センサのオフセット誤差を補正することにより、適切な舵取り制御を可能とした車両用操舵装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、ヨーレートセンサおよび/または横加速度センサのオフセット誤差を補正することにより、姿勢制御などのための適切な舵取り制御を可能とした車両用操舵装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、操作手段(1)の操作に応じて、この操作手段とは機械的に切り離された舵取り機構(2,3)を駆動する車両用操舵装置であって、操作手段の操作角を検出する操作角センサ(11)と、舵取り機構における転舵角を検出する転舵角センサ(13)と、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ(16)と、車両の横加速度を検出する横加速度センサ(15)と、前記操作角センサ、転舵角センサ、ヨーレートセンサおよび横加速度センサの出力信号に基づいて前記舵取り機構を駆動制御する舵取り制御手段(20)と、車両の走行中に、前記ヨーレートセンサにより検出されるヨーレートがほぼ零であり、かつ、前記横加速度センサにより検出される横加速度がほぼ零であることを条件に、前記操作角センサおよび転舵角センサの各オフセット誤差をキャンセルする操作角・転舵角オフセット補正手段(20,S1,S4,S11,S12)と、車両の停止状態において、前記ヨーレートセンサのオフセット誤差をキャンセルするヨーレートオフセット補正手段(20,S1,S2)と、車両の走行中に、前記ヨーレートセンサが検出するヨーレートがほぼ零であり、かつ、前記転舵角センサが検出する転舵角が定常状態であるときに、前記横加速度センサのオフセット誤差をキャンセルする横加速度オフセット補正手段(20,S1,S4,S6,S9)とを含み、前記横加速度オフセット補正手段は、前記転舵角センサが検出する転舵角の時間微分値が一定時間にわたってほぼ零に保持されるかどうかを調べることによって前記転舵角が定常状態であるかどうかを調べるものであり、前記操作角・転舵角オフセット補正手段は、前記ヨーレートオフセット補正手段によるヨーレートセンサのオフセット誤差のキャンセル、および前記横加速度オフセット補正手段による横加速度センサのオフセット誤差のキャンセルが完了した後に、前記操作角センサおよび転舵角センサのオフセット誤差をキャンセルするものであり、前記横加速度オフセット補正手段は、前記ヨーレートオフセット補正手段によってヨーレートセンサのオフセット誤差がキャンセルされた後に、前記横加速度センサのオフセット誤差をキャンセルするものであることを特徴とする車両用操舵装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0008】
前記操作手段と舵取り機構との間には機械的な結合が無く、操作手段の操作に対応して舵取り機構が電気的に制御されるようになっていることが好ましい。
請求項1記載の発明によれば、車両の走行中に、ヨーレートがほぼ零であり、かつ、横加速度がほぼ零であることを条件に、操作角センサおよび転舵角センサの各オフセット誤差がキャンセルされる。すなわち、ヨーレートがほぼ零で、かつ、横加速度がほぼ零であれば、車両が車幅方向に関して水平な路面を直進していると見なすことができ、このときには、操作角および転舵角はいずれも中立位置に対応した値をとるはずである。そこで、車両の走行中に、上述の条件が満たされたときに、操作角センサおよび転舵角センサのオフセット補正を実行することとしている。
【0009】
オフセット補正後は、操作角および転舵角の正確な検出が可能になるので、これらに基づいて舵取り機構の駆動制御を適切に行うことができる。
【0010】
また、この発明では、車両が停止状態のときに、ヨーレートセンサのオフセット誤差が補正される。これにより、姿勢制御などのための舵取り制御を適切に行うことが可能となる。
【0011】
さらに、この発明では、車両の走行中に、前記ヨーレートセンサが検出するヨーレートがほぼ零であり、かつ、前記転舵角センサが検出する転舵角が定常状態であるときに、前記横加速度センサのオフセット誤差がキャンセルされる。この場合に、転舵角センサによって検出される転舵角の時間微分値が一定時間にわたってほぼ零に保持されるかどうかを調べることによって転舵角が定常状態であるかどうかが調べられる。こうして、横加速度センサのオフセット補正を行えるので、姿勢制御などのための舵取り制御をより適切に行うことができるようになる。
横加速度オフセット補正手段は、ヨーレートがほぼ零であり、かつ、転舵角が定常状態である条件が一定時間にわたって継続されたことを条件に、横加速度センサのオフセット誤差をキャンセルするものであることが好ましい(S7,S8)。
【0012】
また、横加速度オフセット補正手段は、ヨーレートがほぼ零であり、かつ、転舵角が定常状態であることを条件に横加速度センサのオフセット誤差をキャンセルする操作を複数回実行し、これにより横加速度センサのオフセット補正を完了するものであってもよい。
【0013】
また、この発明においては、前記横加速度オフセット補正手段は、ヨーレートセンサのオフセット誤差がキャンセルされた後に、横加速度センサのオフセット誤差をキャンセルする。また、前記操作角・転舵角オフセット補正手段は、前記ヨーレートオフセット補正手段によるヨーレートセンサのオフセット補正、および前記横加速度オフセット補正手段による横加速度センサのオフセット補正が完了した後に、操作角センサおよび転舵角センサのオフセット補正を実行する(S3,S5)。
【0014】
この構成により、操作角センサおよび転舵角センサのオフセット補正をより正確に行うことが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の基本的な構成を説明するための概念図である。この車両用操舵装置は、ステアリングホイール(操作手段)1の回転操作に応じて駆動される操舵用アクチュエータ2の動作をステアリングギア3によって前部左右車輪4(舵取り車輪)の転舵運動に変換することによって、ステアリングホイール1とステアリングギア3とを機械的に連結することなく、操舵を達成している。この場合に、操舵用アクチュエータ2およびステアリングギア3などにより、舵取り機構が構成されている。
【0016】
操舵用アクチュエータ2は、たとえば公知のブラシレスモータ等の電動モータにより構成することができる。ステアリングギア3は、操舵用アクチュエータ2の出力シャフトの回転運動をステアリングロッド7の軸方向(車幅方向)の直線運動に変換する運動変換機構(ボールねじ機構など)を有する。ステアリングロッド7の運動は、タイロッド8を介してナックルアーム9に伝達され、このナックルアーム9の回動を引き起こす。これにより、ナックルアーム9に支持された車輪4の転舵が達成される。
【0017】
ステアリングホイール1は、車体に対して回転可能に支持された回転シャフト10に連結されている。この回転シャフト10には、ステアリングホイール1に操舵反力を与えるための反力アクチュエータ19が付設されている。具体的には、反力アクチュエータ19は、回転シャフト10と一体の出力シャフトを有するブラシレスモータ等の電動モータにより構成することができる。
回転シャフト10のステアリングホイール1とは反対側の端部には、渦巻きばねなどからなる弾性部材30が車体との間に結合されている。この弾性部材30は、反力アクチュエータ19がステアリングホイール1にトルクを付加していないときに、その弾性力によって、ステアリングホイール1を直進操舵位置に復帰させる。
【0018】
ステアリングホイール1の操作入力値を検出するために、回転シャフト10の回転角に対応する操作角δhを検出するための操作角センサ11が設けられている。また、回転シャフト10には、ステアリングホイール1に加えられた操作トルクTを検出するためのトルクセンサ12が設けられている。
一方、操舵用アクチュエータ2の出力値を検出するための出力値センサとして、車輪4の転舵角δを検出する転舵角センサ13が設けられている。この転舵角センサ13は、操舵用アクチュエータ2によるステアリングロッド7の作動量を検出するポテンショメータなどで構成することができる。
【0019】
操作角センサ11、トルクセンサ12および転舵角センサ13は、コンピュータを含むステアリング系制御装置20(舵取り制御手段)に接続されている。この制御装置20には、さらに、車両の横加速度Gyを検出するための横加速度センサ15と、車両のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ16と、車速Vを検出する速度センサ14とが接続されている。なお、横加速度Gyおよびヨーレートγに相関する変量として、操作角δhと車速V以外に、たとえば、車輪速を検出するセンサを制御装置20に接続してもよい。
【0020】
制御装置20は、駆動回路22,23を介して操舵用アクチュエータ2と反力アクチュエータ19とを制御する。
より具体的には、制御装置20は、操作角センサ11が検出する操作角δhに対応した転舵角δが達成されるように操舵用アクチュエータ2を制御するための舵取り制御を実行する。さらに、制御装置20は、ヨーレートセンサ16および横加速度センサ15によってそれぞれ検出される車両のヨーレートγおよび横加速度Gyに基づいて、車両の挙動の安定化のための姿勢制御を、操舵用アクチュエータ2の駆動による舵取り制御によって実現する。すなわち、たとえば、車両がスピンしそうになったような場合に、操舵用アクチュエータ2の制御によってすみやかにカウンターステア状態に導くなどして、車両姿勢の立て直しを図る。
【0021】
図2は、この実施形態の特徴を説明するためのフローチャートであり、操作角センサ11、転舵角センサ13、横加速度センサ15およびヨーレートセンサ16のオフセット誤差を補正するために制御装置20が実行する処理を示している。制御装置20は、図2に示す処理を所定の制御周期(たとえば、約10ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
制御装置20は、速度センサ14が検出する車速Vが零か否か(あるいは、所定の低速走行状態(たとえば、時速5km/h未満)かどうか。)を調べることにより、車両が実質的に停止中かどうかを判断する(ステップS1)。車両が停止状態であることが検出されると、ヨーレートセンサ16のオフセット誤差を補正する(ステップS2)。すなわち、車両が停止中であれば、ヨーレートγは零であるので、車両停止中のヨーレートセンサ16の出力データに対して値「0」を割り当てる。これにより、以後、ヨーレートセンサ16はオフセット誤差を含まないヨーレートγを出力することになる。
【0022】
車両が停止中でないと判断されると、ヨーレートセンサ16のオフセット誤差の補正が完了しているかどうかが判断される(ステップS3)。ヨーレートセンサ16のオフセット誤差の補正が未了であれば、後述する計数値Cを零にリセットして(ステップS10)、当該制御周期の処理を終了する。
ヨーレートセンサ16のオフセット誤差の補正が完了している場合には(ステップS3のYES)、次に、横加速度センサ15のオフセット誤差の補正を行う。すなわち、ヨーレートセンサ16が検出するヨーレートγがほぼ「0」かどうかが調べられる(ステップS4)。ヨーレートγ=0でなければ、後述する計数値Cを零にリセットして(ステップS10)、当該制御周期の処理を終了する。
【0023】
ヨーレートγ=0の場合には(ステップS4のYES)、横加速度センサ15のオフセット補正が完了しているかどうかが判断される(ステップS5)。横加速度センサ15のオフセット補正が未了である場合には、転舵角δが定常状態かどうかが調べられる(ステップS6)。この判断は、転舵角δの時間微分値δ′が一定時間(たとえば、1秒間)にわたってほぼ零に保持されるかどうかを調べることによって行える。
【0024】
転舵角δが定常状態であると判断されると(ステップS6のYES)、このような判断が行われた回数を表す計数値Cを1だけインクリメントする(ステップS7)。そして、この計数値Cが予め定める定数TH(たとえば、TH=5)に達したかどうかが判断される(ステップS8)。計数値Cが定数THに達していない場合には、横加速度センサ15のオフセット誤差の補正を行わずに、当該制御周期の処理を終了する。また、計数値Cが定数THに達している場合には、横加速度センサ15のオフセット誤差の補正を行う(ステップS9)。すなわち、制御装置20は、横加速度センサ15の出力データに対して値「0」を割り当て、これにより、横加速度センサ15のオフセット誤差をキャンセルする。
【0025】
車両のヨーレートγが零で、かつ、転舵角δの変化がなければ、車両は直進していることになる。このとき、路面が車幅方向に関して水平であれば横加速度Gyは零となるが、車幅方向に傾斜した路面を直進している場合には、横加速度Gyは、零以外の値をとる。そこで、この実施形態では、ヨーレートγ=0で、かつ、転舵角δが定常状態である状態が、一定回数分の時間(TH回の制御周期分の時間)以上にわたって継続した場合に、車両が車幅方向に関して水平な路面を直進している蓋然性が高いと判断して、横加速度センサ15のオフセット誤差を補正することとしている。
【0026】
ステップS6において、転舵角δが定常状態でないと判断されると、計数値Cを零にリセットして(ステップS10)、当該制御周期における処理を完了する。
一方、ステップS5において、横加速度センサ15のオフセット補正が完了していると判断されると、横加速度センサ15により検出される横加速度Gyがほぼ零かどうかが判断される(ステップS11)。比較的大きな横加速度Gyが検出されている場合には、その後の処理を行わずに、当該制御周期の処理を完了する。
【0027】
横加速度Gyがほぼ零であると判断されると(ステップS11のYES)、操作角センサ11および転舵角センサ13のオフセット誤差がキャンセルされる(ステップS12)。すなわち、そのときの操作角センサ11および転舵角センサ13の出力が、それぞれ、操作角および転舵角の中点の値(通常は「0」)に割り当てられる。このようにして、ヨーレートセンサ16および横加速度センサ15のオフセット誤差が除去された後に、ヨーレートγ=0、かつ、横加速度Gy=0の条件が満たされた場合に、操作角センサ11および転舵角センサ13のオフセット補正が行われることになる。
【0028】
ヨーレートγ=0、かつ、横加速度Gy=0の場合には、車両は車幅方向に傾斜のない路面を直進していると言える。この場合、ステアリングホイール1は中立状態にあるはずであり、また、舵取り車輪4の転舵角は零であるはずである。したがって、上記のような条件が満足される場合に、操作角センサ11および転舵角センサ13のオフセット誤差を適切にキャンセルすることができる。
なお、ヨーレートγがほぼ零でない場合は、車両は旋回していることになる。そして、たとえヨーレートγ=0の場合であっても、横加速度Gyがほぼ零に等しくない場合には、路面が車幅方向に傾斜している可能性があり、舵取り車輪4は、進行方向に対して一定の転舵角で斜面の上方側に向けられているおそれがある。
【0029】
以上のように、この実施形態によれば、次の▲1▼▲2▼▲3▼の処理をこの順序で行うことによって、ヨーレートセンサ16、横加速度センサ15、操作角センサ11および転舵角センサ13の各出力のオフセット誤差を補正している。
▲1▼車両の停止状態において、ヨーレートセンサ16のオフセット誤差をキャンセルする。
▲2▼走行時にヨーレートγ=0で、かつ、転舵角δが定常状態であるという条件が、所定時間(TH回の制御周期分の時間)以上にわたって継続したときに、横加速度センサ15のオフセット誤差をキャンセルする。
▲3▼走行時にヨーレートγ=0、かつ、横加速度Gy=0の条件が満たされたときに、操作角センサ11および転舵角センサ13のオフセット誤差をキャンセルする。
【0030】
これにより、操作角δhに基づく操舵用アクチュエータ2の制御(舵取り制御)を良好に行うことができ、また、ヨーレートセンサ16および横加速度センサ15の出力に基づく操舵用アクチュエータ2の制御(姿勢制御のための舵取り制御)についても良好に行うことができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態でも実施することができる。たとえば、上述の実施形態では、走行時にヨーレートγ=0で、かつ、転舵角δが定常状態であるという条件が所定時間にわたって継続したときに、横加速度センサ15のオフセット誤差をキャンセルすることとしているが、ヨーレートγ=0で、転舵角δが定常状態であるという条件が満たされたときに、横加速度センサ15のオフセット誤差をキャンセルすることとして、このような横加速度センサ15のオフセット誤差のキャンセル操作が所定回数行われた後に、横加速度センサ15のオフセット補正が完了したものと見なすようにしてもよい。
【0031】
また、上述の実施形態では、四輪車両の2つの車輪が舵取り車輪として転舵可能な場合について説明したが、4つの車輪の全てが転舵される四輪操舵システムにこの発明を適用してもよい。
また、上述の実施形態では、操作手段としてステアリングホイール1が用いられる例について説明したが、この他にも、レバーやペダルなどの他の操作手段が用いられてもよい。
【0032】
これらの他にも、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の基本的な構成を説明するための概念図である。
【図2】ヨーレートセンサ、横加速度センサ、操作角センサおよび転舵角センサのオフセット誤差を補正するための処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 操舵用アクチュエータ
11 操作角センサ
13 転舵角センサ
14 速度センサ
15 横加速度センサ
16 ヨーレートセンサ
20 ステアリング系制御装置
Claims (1)
- 操作手段の操作に応じて、この操作手段とは機械的に切り離された舵取り機構を駆動する車両用操舵装置であって、
操作手段の操作角を検出する操作角センサと、
舵取り機構における転舵角を検出する転舵角センサと、
車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサと、
車両の横加速度を検出する横加速度センサと、
前記操作角センサ、転舵角センサ、ヨーレートセンサおよび横加速度センサの出力信号に基づいて前記舵取り機構を駆動制御する舵取り制御手段と、
車両の走行中に、前記ヨーレートセンサにより検出されるヨーレートがほぼ零であり、かつ、前記横加速度センサにより検出される横加速度がほぼ零であることを条件に、前記操作角センサおよび転舵角センサの各オフセット誤差をキャンセルする操作角・転舵角オフセット補正手段と、
車両の停止状態において、前記ヨーレートセンサのオフセット誤差をキャンセルするヨーレートオフセット補正手段と、
車両の走行中に、前記ヨーレートセンサが検出するヨーレートがほぼ零であり、かつ、前記転舵角センサが検出する転舵角が定常状態であるときに、前記横加速度センサのオフセット誤差をキャンセルする横加速度オフセット補正手段と
を含み、
前記横加速度オフセット補正手段は、前記転舵角センサが検出する転舵角の時間微分値が一定時間にわたってほぼ零に保持されるかどうかを調べることによって前記転舵角が定常状態であるかどうかを調べるものであり、
前記操作角・転舵角オフセット補正手段は、前記ヨーレートオフセット補正手段によるヨーレートセンサのオフセット誤差のキャンセル、および前記横加速度オフセット補正手段による横加速度センサのオフセット誤差のキャンセルが完了した後に、前記操作角センサおよび転舵角センサのオフセット誤差をキャンセルするものであり、
前記横加速度オフセット補正手段は、前記ヨーレートオフセット補正手段によってヨーレートセンサのオフセット誤差がキャンセルされた後に、前記横加速度センサのオフセット誤差をキャンセルするものである
ことを特徴とする車両用操舵装置。
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