JP4291486B2 - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォースリミッタ機構を備えたウエビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シートベルト装置の主要部をなすウエビング巻取装置には、車両急減速状態を感知した場合に巻取軸のウエビング引出方向回転を阻止するためのロック手段が設けられている。近年ではウエビング巻取装置の改良が進んでおり、車両急減速時に巻取軸のウエビング引出方向回転を阻止するだけでなく、乗員への配慮から或る特定の部材を変形させることにより、ウエビングの引出しを所定量許容すると共にエネルギー吸収までも行うことができるようにしたものがある。
【0003】
この種の機構は、フォースリミッタ機構と呼ばれている。概説すると、車両急減速時に、ショルダ側のウエビング又はラップ側のウエビングへの作用荷重が或る一定値をえると、或る特定のエネルギー吸収部材を変形させる。これにより、エネルギー吸収部材の変形量に応じたウエビングの引出しが許容されると共に、エネルギー吸収部材が変形したことによるエネルギー吸収が行われる。その結果、ウエビングを介して乗員の胸部又は腰部に作用する負荷を低減しようというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のフォースリミッタ機構は、作動開始荷重が一定のものしかなかった。このため、シートベルト装置を装着する乗員には自ずと体格差があり、車両急減速時にウエビングに作用するエネルギーにもそれに応じた差が生じるにも拘わらず、画一的な作動しか得られなかった。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、フォースリミッタ機構を備えたものにおいて、乗員の体格に応じて最適なエネルギー吸収効果が得られるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、乗員拘束用のウエビングを付勢力で層状に巻取る巻取軸と、この巻取軸のウエビング引出方向回転を車両急減速時にロックするロック手段と、前記巻取軸の軸芯部に設けられて直列的に配置された二本のエネルギー吸収部材を含んで構成され、ロック手段作動時におけるウエビングへの作用荷重が一定値をえた場合に、前記エネルギー吸収部材の少なくともいずれかを変形させることにより、その変形量に応じた所定量のウエビングの引出しを許容すると共にエネルギー吸収を行うフォースリミッタ機構と、ウエビングを装着した乗員の体格に基づいてフォースリミッタ機構を作動させる作動開始荷重を増減させる作動開始荷重変更手段と、を備えている、ことを特徴としている。
【0007】
請求項1記載の本発明によれば、乗員が付勢力に抗して巻取軸からウエビングを引き出してウエビング装着状態となった場合において、車両急減速時になると、ロック手段が作動して巻取軸のウエビング引出方向回転が阻止される。このため、慣性移動する乗員から受けるウエビングへの作用荷重が増加する。この作用荷重が一定値をえると、フォースリミッタ機構が作動して二本のエネルギー吸収部材の少なくともいずれかが変形する。ここで、二本のエネルギー吸収部材は、巻取軸の軸芯部に設けられて直列的に配置されており、これらのエネルギー吸収部材の少なくともいずれかが変形することにより、当該エネルギー吸収部材の変形量に応じた所定量のウエビングの引出しが許容されると共に、当該エネルギー吸収部材の変形量に応じたエネルギー吸収がなされる。
【0008】
ところで、ウエビングを装着した乗員の体格には個人差があり、体格が大きい乗員もいれば、体格が小さい乗員もいる。体格が大きい乗員の場合にはウエビングへの作用荷重は大きくなるため、それに応じてフォースリミッタ機構の作動開始荷重も大きく設定されていることが望ましい。逆に、体格が小さい乗員の場合にはウエビングへの作用荷重が小さくなるため、それに応じてフォースリミッタ機構の作動開始荷重も小さく設定されていることが望ましい。本発明では、この点を考慮し、作動開始荷重変更手段を新たに設け、乗員の体格に基づいてフォースリミッタ機構を作動させる作動開始荷重が増減される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を用いて、本発明の一実施形態に係るウエビング巻取装置10について説明する。
【0010】
図1及び図2には本実施形態に係るウエビング巻取装置10の要部が斜視図にて示されており、又図3には当該ウエビング巻取装置10の概略的な縦断面図が示されている。
【0011】
図3に示されるように、ウエビング巻取装置10は、平面視でコ字形に形成されたフレーム12を備えている。ウエビング巻取装置10は、当該フレーム12の中間部(図示省略)をボルトで車体に結合させることにより、センタピラーの下部等に固定されている。
【0012】
フレーム12は互いに平行に配置された一対の脚板14を備えており、これらの脚板14間には「巻取軸」としてのスプール16が配置されている。スプール16は、乗員拘束用のウエビング18の一端部が係止されたスプール軸16Aと、当該スプール軸16Aの両端部に形成された一対の円板状のフランジ部16Bとによって構成されており、全体としては略鼓形状をなしている。なお、スプール16は、一方の脚板14側に設けられた図示しないぜんまいばねの付勢力を受けてウエビング巻取回転方向へ付勢されている。
【0013】
図2及び図3に示されるように、上述したスプール16の軸芯部には、六角穴形状のシャフト挿通孔20が形成されている。このシャフト挿通孔20内へは、第1トーションシャフト22及び第2トーションシャフト24が互いに反対方向から挿入されている。第1トーションシャフト22の一端部22Aは、シャフト挿通孔20内へ挿入可能な六角ナット形状に形成されている。また、第1トーションシャフト22の他端部22Bは、一方のフランジ部16Bの軸芯部に形成された円板状の凹部26内へ嵌合される円板状の基部22B1 と、当該基部22B1 の中心部から突出形成され二股に分かれた係合部22B2 とによって構成されている。さらに、第1トーションシャフト22の一端部22Aと他端部22Bとを繋ぐ中間部22Cは、真直棒状に形成されている。なお、第2トーションシャフト24についても同様に構成されているため、第1トーションシャフト22と同様の符号の振り方をすることで重複する説明は割愛することにする。
【0014】
上述した第1トーションシャフト22の基部22B1 の括れた部分には、半月板状の一対の第1ロックプレート28が遊嵌されている。第1ロックプレート28の外周部の所定範囲にはロック歯28Aが形成されており、当該ロック歯28Aはフレーム12の一方の脚板14に一体形成された又は別体で設けられた図示しない内歯ラチェットホイールのラチェット歯と対向した状態で配置されている。
【0015】
さらに、第1トーションシャフト22の他端部22B側には、当該第1トーションシャフト22と同軸上に第1Vギヤ30が配設されている。なお、第1Vギヤ30のボス30Aと第1トーションシャフト22の他端部22Bとの間には図示しない爪付きのキャップ等の樹脂部品によって取付けられた捩じりコイルスプリング等の付勢手段が介在されており、通常は第1トーションシャフト22に対して第1Vギヤ30が追従回転するようになっている。また、第1Vギヤ30のボス30Aの周囲には、四つの第1ガイド孔32並びに第1トーションシャフト22の係合部22B2 が挿入される逃げ用の開口33が形成されている。これらの第1ガイド孔32内へは第1ロックプレート28から立設された一対の突起28Bがそれぞれ挿入されている。
【0016】
また、第1Vギヤ30のロック歯30Bの下方側には、第1加速度センサ34が配置されている。第1加速度センサ34は、側面視でL字形状の台座34Aと、この台座34Aの底部中央に形成された凹面上に載置された第1ボール34Bと、一端部が台座34Aの縦壁の上端部に揺動自在に軸支されかつ他端部が第1ボール34Bの上面に載置された第1パウル34Cとによって構成されている。第1パウル34Cの他端部側の上端には三角形状の第1係合爪36が一体に形成されており、当該第1係合爪36は第1Vギヤ30のロック歯30Bと対向した状態で配置されている。
【0017】
上述した構成は、第2トーションシャフト24側についても全く同様に採用されている。よって、第2トーションシャフト24側の部品についての詳細な説明は省略するが、説明の便宜上、以下の説明においては第2トーションシャフト24側の部品については第1トーションシャフト22側の部品と同一番号を付した上で「’」を付けると共に部品名称中に「第1」とあるのは「第2」と置き換えることで、両者を区別することにする。
【0018】
ここで、上述した第1加速度センサ34の第1パウル34C及び第2加速度センサ34’の第2パウル34C’の上方には、軸方向移動可能に支持されたストッパシャフト40が配置されている。ストッパシャフト40の長手方向の所定位置には、各々矩形状に形成された第1ストッパ片42と第2ストッパ片44とが同一方向に突出されている。第1ストッパ片42は第1加速度センサ34における第1パウル34Cの第1係合爪36に対応して設けられており、第2ストッパ片44は第2加速度センサ34’における第2パウル34C’の第2係合爪36’に対応して設けられている。しかし、第1ストッパ片42と第2ストッパ片44との距離は、第1加速度センサ34の第1係合爪36と第2加速度センサ34’の第2係合爪36’との距離よりも大きく設定されている。
【0019】
さらに、ストッパシャフト40の一端部は、圧縮コイルスプリング46を介してソレノイド48と接続されている。ソレノイド48はコントローラ50と接続されており、その作動が制御されるようになっている。また、コントローラ50は、ウエビング18を装着した乗員の体格を検出するための体格検出センサ52と接続されている。なお、体格検出センサ52及びその用い方としては、種々のタイプが適用可能である。例えば、車両用シートのシートクッション内にシート状の圧力センサを配設し、乗員の体重を検出してそれに基づいて乗員の体格を想定判断するタイプや、スプール16の回転数をロータリーエンコーダ等で検出することでウエビング18の引出し長さを演算し、それに基づいて乗員の体格を想定判断するタイプや、シートスライドの位置を検出してそれに基づいて乗員の体格を想定判断するタイプや、ルーフヘッドライニング等の所定位置に乗員側へ投光又は照射されるように赤外線センサ又は超音波センサ等を配設し、直接的に乗員の体格を検出するタイプなどが適用可能である。
【0020】
また、上述した第1トーションシャフト22の中間部22Cの変形強度と第2トーションシャフト24の中間部24Cの変形強度とは、異なる強度に設定されている。ちなみに、本実施形態では、第1トーションシャフト22のFL荷重(フォースリミッタ荷重のことであり、本発明における「作動開始荷重」に相当)は150〔kgf〕に設定されており、第2トーションシャフト24のFL荷重は350〔kgf〕に設定されている。
【0021】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0022】
乗員がウエビング18に挿通された図示しないタングプレートを持ってぜんまいばねの付勢力に抗してウエビング18を引き出し、当該タングプレートを図示しないバックル装置に係合させることにより、乗員は三点式シートベルト装置のウエビング装着状態となる。すなわち、センタピラーの上部に配設された図示しないショルダアンカからタングプレートまでのウエビング18がショルダ側のウエビングとなり、タングプレートからアンカプレートまでのウエビング18がラップ側のウエビングとなる。
【0023】
なお、ウエビング18の通常の引出し操作及び巻取り操作を行う際には、スプール軸16Aにおける六角穴形状のシャフト挿通孔20内へ第1トーションシャフト22、第2トーションシャフト24の六角ナット形状の一端部22A、24Aが両側から挿入されているため、スプール16の回転に伴って第1トーションシャフト22及び第2トーションシャフト24更には第1Vギヤ30及び第2Vギヤ30’は共に回転する。
【0024】
ここで、乗員が車両用シートに着座してウエビング18を装着すると、まず体格検出センサ52によって当該乗員の体格を判定するための判断材料が検出され、コントローラ50に出力される。コントローラ50では、体格検出センサ52による検出結果に基づいて所定の演算を行い、当該乗員の体格を判定する。乗員の体格は、例えば、「標準体格」、「大きい体格」、「小さい体格」といった三段階に判定される。
【0025】
例えば、コントローラ50によって「小さい体格」と判定された場合には、第1モードに設定される。すなわち、コントローラ50からソレノイド48へ所定電流が通電され強励磁される。ソレノイド48が強励磁されると、圧縮コイルスプリング46が所定量縮められ、ストッパシャフト40が「第1保持位置」に保持される。ストッパシャフト40が「第1保持位置」に保持された状態では、第2ストッパ片44が第2加速度センサ34’の第2係合爪36’の上方に位置されている。しかし、第1ストッパ片42は第1係合爪36の上方には位置していない。
【0026】
上記の如く第1モードに設定された場合において、車両急減速時になると、第1ボール34B及び第2ボール34B’はいずれも慣性力によって台座34A、34A’上を転動し、第1パウル34C、第2パウル34C’を押し上げる。第1パウル34Cの第1係合爪36の上方には第1ストッパ片42が存在しないため、第1係合爪36は第1Vギヤ30のロック歯30Bに係合される。このため、第1Vギヤ30のウエビング引出方向回転が阻止され、第1Vギヤ30とスプール軸16Aとの間に相対回転が生じる。両者の間に相対回転が生じると、第1ガイド孔32に案内されて第1ロックプレート28が半径方向へ移動し、当該ロック歯28Aが内歯ラチェットホイールのラチェット歯に係合される。これにより、第1トーションシャフト22ひいてはスプール軸16Aのウエビング引出方向回転が阻止されてロック状態となる。
【0027】
しかし、このときには、第2パウル34C’の第2係合爪36’の上方には第2ストッパ片44が存在するため、第2係合爪36’は第2Vギヤ30’のロック歯30B’に係合することはない。従って、第2トーションシャフト24についてはロック状態にはならず、スプール軸16Aと一体になって回転可能な状態にある。
【0028】
上記の如くして第1トーションシャフト22によってスプール軸16Aのウエビング引出方向回転が阻止されると、乗員は車両前方側へ慣性移動しようとするため、ウエビング18への作用荷重が増加する。この作用荷重が一定値(即ち、第1モードの場合は150〔kgf〕:図4参照)をえると、フォースリミッタ機構が作動を開始する。具体的には、第1トーションシャフト22の中間部22Cに捩じれによる塑性変形が生じ、当該塑性変形量に応じた長さだけウエビング18の引出しが許容されると共に、当該塑性変形量に応じた量だけエネルギー吸収がなされる。
【0029】
一方、コントローラ50によって「標準体格」と判定された場合には、第2モードに設定される。すなわち、コントローラ50からソレノイド48へ所定電流が通電され弱励磁される。ソレノイド48が弱励磁されると、圧縮コイルスプリング46が所定量(第1モードの場合よりも少ない量)縮められ、ストッパシャフト40が「第2保持位置」に保持される。ストッパシャフト40が「第2保持位置」に保持された状態では、第1ストッパ片42が第1加速度センサ34の第1係合爪36の上方に位置されている。しかし、第2ストッパ片44は第2係合爪36’の上方には位置していない。
【0030】
上記の如く第2モードに設定された場合において、車両急減速時になると、第1ボール34B及び第2ボール34B’はいずれも慣性力によって台座34A、34A’上を転動し、第1パウル34C、第2パウル34C’を押し上げる。第2パウル34C’の第2係合爪36’の上方には第2ストッパ片44が存在しないため、第2係合爪36’は第2Vギヤ30’のロック歯30B’に係合される。このため、第2Vギヤ30’のウエビング引出方向回転が阻止され、第2Vギヤ30’とスプール軸16Aとの間に相対回転が生じる。両者の間に相対回転が生じると、第2ガイド孔32’に案内されて第2ロックプレート28’が半径方向へ移動し、当該ロック歯28A’が内歯ラチェットホイールのラチェット歯に係合される。これにより、第2トーションシャフト24ひいてはスプール軸16Aのウエビング引出方向回転が阻止されてロック状態となる。
【0031】
しかし、このときには、第1パウル34Cの第1係合爪36の上方には第1ストッパ片42が存在するため、第1係合爪36は第1Vギヤ30のロック歯30Bに係合することはない。従って、第1トーションシャフト22についてはロック状態にはならず、スプール軸16Aと一体になって回転可能な状態にある。
【0032】
上記の如くして第2トーションシャフト24によってスプール軸16Aのウエビング引出方向回転が阻止されると、乗員は車両前方側へ慣性移動しようとするため、ウエビング18への作用荷重が増加する。この作用荷重が一定値(即ち、第2モードの場合は350〔kgf〕:図4参照)をえると、フォースリミッタ機構が作動を開始する。具体的には、第2トーションシャフト24の中間部24Cに捩じれによる塑性変形が生じ、当該塑性変形量に応じた長さだけウエビング18の引出しが許容されると共に、当該塑性変形量に応じた量だけエネルギー吸収がなされる。
【0033】
また、コントローラ50によって「大きい体格」と判定された場合には、第3モードに設定される。すなわち、コントローラ50によってソレノイド48への通電状態が解除され消磁される。ソレノイド48が消磁されると、圧縮コイルスプリング46の付勢力によってストッパシャフト40が伸び出され、当該ストッパシャフト40は「第3保持位置」に保持される。ストッパシャフト40が「第3保持位置」に保持された状態では、第1ストッパ片42は第1加速度センサ34の第1係合爪36の上方には位置されていなく、第2ストッパ片44も第2加速度センサ34’の第2係合片36’の上方には位置されていない。
【0034】
上記の如く第3モードに設定された場合において、車両急減速時になると、第1ボール34B及び第2ボール34B’はいずれも慣性力によって台座34A、34A’上を転動し、第1パウル34C、第2パウル34C’を押し上げる。第1係合爪36及び第2係合爪36’の上方には第1ストッパ片42及び第2ストッパ片44はいずれも存在しないため、前述した第1モードにおける作動並びに第2モードにおける作動のいずれも行われる。このため、第1トーションシャフト22及び第2トーションシャフト24のいずれもウエビング引出方向回転が阻止され、両者によってスプール軸16Aのウエビング引出方向回転が阻止されてロック状態となる。
【0035】
上記の如くして第1トーションシャフト22及び第2トーションシャフト24によってスプール軸16Aのウエビング引出方向回転が阻止されると、乗員は車両前方側へ慣性移動しようとするため、ウエビング18への作用荷重が増加する。この作用荷重が一定値(即ち、第3モードの場合は500〔kgf〕:図4参照)をえると、フォースリミッタ機構が作動を開始する。具体的には、第1トーションシャフト22の中間部22C及び第2トーションシャフト24の中間部24Cに捩じれによる塑性変形がそれぞれ生じ、当該塑性変形量に応じた長さだけウエビング18の引出しが許容されると共に、当該塑性変形量に応じた量だけエネルギー吸収がなされる。
【0036】
このように本実施形態によれば、ウエビング18を装着した乗員の体格に基づいてフォースリミッタ機構を作動させる作動開始荷重を増減させる構成としたので、乗員の体格に応じて最適なエネルギー吸収効果を得ることができる。
【0037】
また、本実施形態では、第1トーションシャフト22のFL荷重と第2トーションシャフト24のFL荷重とを異なる値に設定したので、第1モードから第3モードまでの組み合わせを作ることができる。
【0038】
さらに、本実施形態では、ロック手段の構成並びにフォースリミッタ機構の構成を左右対称に構成したので、部品点数自体は増えても部品種類は増加しない。このため、低コスト化に資することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、第1トーションシャフト22のFL荷重と第2トーションシャフト24のFL荷重とを異なる値に設定したが、これに限らず、同一の値に設定してもよい。この場合には、二種類のモードとなる。
【0040】
また、本実施形態では、部品点数の削減、構造の簡素化等の観点から、単一のソレノイド48で一本のストッパシャフト40を軸方向移動させ、モードの切り換えを行うようにいたが、第1加速度センサ34及び第2加速度センサ34’に対して別個独立に作動開始荷重変更手段を設定してもよい。この場合には、FL荷重が0〔kgf〕というモード(即ち、フォースリミッタ機構不作動というモード)も作ることができ、モードの種類を増やすことができる。
【0041】
さらに、本実施形態では、シャフト挿通孔20内へ第1トーションシャフト22及び第2トーションシャフト24を挿入させてフォースリミッタ機構を構成したが、これに限らず、種々の構成を採ることが可能である。
【0042】
本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係について補足すると、第1ロックプレート28、第1Vギヤ30、第1加速度センサ34並びに第2ロックプレート28’、第2Vギヤ30’、第2加速度センサ34’が「ロック手段」に相当する。また、第1トーションシャフト22及び第2トーションシャフト24が本発明における「エネルギー吸収部材」に相当し、これらの要素とシャフト挿通孔20を加えたものが本発明における「フォースリミッタ機構」に相当する。さらに、ストッパシャフト40(第1ストッパ片42、第2ストッパ片44を含む)、圧縮コイルスプリング46、ソレノイド48、コントローラ50、及び体格検出センサ52が、本発明における「作動開始荷重変更手段」に相当する。なお、広義には、コントローラ50は「制御手段」として把握される要素であり、又体格検出センサ52は「体格検出手段」として把握される要素である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、ウエビングを装着した乗員の体格に基づいてフォースリミッタ機構を作動させる作動開始荷重を増減させる作動開始荷重変更手段を設けたので、乗員の体格に応じて最適なエネルギー吸収効果を得ることができるという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るウエビング巻取装置における要部(第1加速度センサ及び第2加速度センサ並びにストッパシャフト等)を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係るウエビング巻取装置の分解斜視図である。
【図3】図2に示されるウエビング巻取装置が組付けられた状態における概略縦断面図である。
【図4】本実施形態に係るウエビング巻取装置の作動を説明するための表である。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置
16 スプール(巻取軸)
18 ウエビング
20 シャフト挿通孔(フォースリミッタ機構)
22 第1トーションシャフト(エネルギー吸収部材、フォースリミッタ機構)
24 第2トーションシャフト(エネルギー吸収部材、フォースリミッタ機構)
28 第1ロックプレート(ロック手段)
30 第1Vギヤ(ロック手段)
34 第1加速度センサ(ロック手段)
28’ 第2ロックプレート(ロック手段)
30’ 第2Vギヤ(ロック手段)
34’ 第2加速度センサ(ロック手段)
40 ストッパシャフト(作動開始荷重変更手段)
46 圧縮コイルスプリング(作動開始荷重変更手段)
48 ソレノイド(作動開始荷重変更手段)
50 コントローラ(作動開始荷重変更手段)
52 体格検出センサ(作動開始荷重変更手段)

Claims (1)

  1. 乗員拘束用のウエビングを付勢力で層状に巻取る巻取軸と、
    この巻取軸のウエビング引出方向回転を車両急減速時にロックするロック手段と、
    前記巻取軸の軸芯部に設けられて直列的に配置された二本のエネルギー吸収部材を含んで構成され、ロック手段作動時におけるウエビングへの作用荷重が一定値をえた場合に、前記エネルギー吸収部材の少なくともいずれかを変形させることにより、その変形量に応じた所定量のウエビングの引出しを許容すると共にエネルギー吸収を行うフォースリミッタ機構と
    エビングを装着した乗員の体格に基づいてフォースリミッタ機構を作動させる作動開始荷重を増減させる作動開始荷重変更手段と、
    を備えている、
    ことを特徴とするウエビング巻取装置。
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