JP4290245B2 - 金型ダイ用特殊密封体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、タレットパンチプレス等の板材加工機における金型ダイ用特殊密封体に関する。
【0002】
【従来の技術】
タレットパンチプレス等の下タレットに設けられた金型ダイと該金型ダイを挿入装着するダイ装着穴との間の環状溝を形成する上面環状隙間部にはダストシールが設けられているのが通例である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、上述の従来例では、ダイ等の金型の交換時に、特に自動金型交換装置(ATC)を用いて交換操作を実施する場合、タレットパンチプレス等の下タレットに設けられた金型ダイと該金型ダイを挿入装着するダイ装着穴との間の環状溝を形成する上面環状隙間部に設けられているダストシールに付着した加工ヒゲや紐状の抜きカス等の塵芥がダイ装着穴上面周縁部に再付着したりすると、新しい金型をダイ装着穴に挿入して装着する際に、咬み込み状態を引き起こし、エジェクターパイプや該エジェクターパイプの摺動面等に傷を付けたり、延ては前記エジェクターパイプやダイの上昇下降等の動作が不能になる虞が生ずる等の課題がある。
【0004】
この発明は、上述の従来例に鑑みて成されたもので、加工ヒゲや抜きカス等の塵芥混入を防ぎ、エジェクター操作の誤動作や動作不能となる状態を回避しトラブルを未然に防止できる金型ダイ用特殊密封体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、下記構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
【0006】
(1)円柱状の形状を有し、かつ外周面の所定の位置にキーを有する金属ダイと、該金属ダイが挿入される円形のダイ装着穴と、前記キーが挿入されるキー溝と、前記ダイ装着穴の直径よりも大きな直径を有する円形の凹部を上面部に有するダイホルダーとからなる板金加工機の金型において、前記金属ダイの頂上部に装着され、前記金属ダイが前記ダイホルダーに挿入された際に、前記円形の凹部と前記金属ダイの上部により形成される空間に嵌着される金属ダイ用特殊密封体であって、所定の厚みを有し中央部に穴を有する円板形状の弾性体であり、外周に、前記ダイホルダーの凹部の外周の内壁に密着する外輪突起部を有し、前記中央部の穴の縁部が、前記金属ダイの上部外周面に密着することを特徴とする金属ダイ用特殊密封体。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の一実施の形態を説明する。
【0011】
図1(a)は、この発明に係る第1実施例の金型ダイ用特殊密封体の構成を示す縦断側面図、同(b)は第2実施例の構成を示す縦断側面図、同(c)は第2実施例の作用を示す縦断側面図、図2は自動金型交換装置を備えたタレットパンチプレスの要部構成を示す正面図である。
【0012】
先ず、自動金型交換装置(ATC)を備えたタレットパンチプレスPの全体構成について図2を参照して説明する。
【0013】
上下タレットに複数のパンチp、ダイ2を夫々搭載し、上下タレットの回転により複数のパンチp、ダイ2の内所望のパンチp、ダイ2をラム下に割り出し、キャレジベース6をモータボールネジ7によりY軸方向に移動させ、また、キャレジベース6上でX軸ボールネジ8aによりキャレジ8を介してワーククランプCをX軸方向へ移動させることにより、ワーククランプCに把持されたワーク上の所望加工位置を、既にラム下に割り出されたパンチpとダイ2の間に位置決めし、続いてラムを作動させ前記パンチp、ダイ2によりワークに、例えば、穴開け加工等の操作を実施するこができる。
【0014】
尚また、図2に示すタレットパンチプレスPは、自動金型交換装置(ATC)によりダイ2の交換が容易となるように上タレットの径よりも下タレットの径を大きくし、金型交換位置では下タレットのダイ2が上タレットの外側に露出するようになっている。
【0015】
下タレットの各ステーションにエジェクターパイプ4を上下動可能に設けてその上にダイ2を搭載し、金型交換位置のエジェクターパイプ4の下部に軸心同一の持ち上げシリンダ4aを配設し、この持ち上げシリンダ4aによりエジェクターパイプ4を持ち上げるとダイ2が同時に持ち上がって跳ね出され、下タレットから前記ダイ2を外す時に容易となるように構成されている。
【0016】
金型チェンジャーKCがタレットパンチプレスP本体に隣接して設置され、パンチp用、ダイ2用チェンジャーアーム9が回転し、その先端のグリッパー5で交換の対象となるパンチp、ダイ2を掴持できるようになっており、また、両チェンジャーアーム9、9は回転支柱に対し上下動可能でもある(詳細図省略)。
【0017】
金型チェンジャーKCに隣接して金型マガジンKMが設置され、この金型マガジンKMにはパンチp用、ダイ2用タレットが回転可能に設けられている。
【0018】
以上により金型マガジンKMを回転させ、所望のパンチp、ダイ2を、金型チェンジャーKCの各グリッパー5の下に割り出し、そしてグリッパー5でそのパンチp、ダイ2を掴持し、チェンジャーアーム9を回転させ、パンチp、ダイ2をタレットパンチプレスPの金型交換位置に割り出された上下タレットの空ステーション上へ割り出し、両チェンジャーアーム9を下降させると、パンチp、ダイ2は上下各タレットに自動でセットされるように構成されている。
【0019】
(第1実施例) 図1(a)において1は弾性体、2はダイ、3はダイホルダー、4はエジェクターパイプであって、環状を形成する合成ゴムまたは合成樹脂等の軟質系の弾性体1を、ダイ2とダイホルダー3に穿設されたダイ装着穴3aとの間の環状溝を形成する上面環状隙間部に嵌着し、その内輪部がダイの頂部に密着し、外輪部は上面に巻き込むように折り返し、その折り返し部の内側にステンレススティール等の金属製ワイヤーリングを、ダイホルダー3の上面且つダイ装着穴3aの周縁部に設けられた前記環状溝の外径公差よりもやや大き目に作製し、外側に広がる様に付勢して添着しダイ装着穴3aの上端部の前記環状溝に密着可能に構成してある。
【0020】
上記の構成により、前記ダイ装着穴3aやエジェクターパイプ4等の周辺に加工時の抜きカス等の塵芥を付着させることなく、前記抜きカス等の塵芥を前記合成ゴムまたは合成樹脂等の軟質系の弾性体1の上面凹部内に捕獲することが出来る。
【0021】
(第2実施例) 図1(b)及び(c)において、1は弾性体、2はダイ、3はダイホルダー、4はエジェクターパイプであって、外周断面形状をU字形として抜きカス等の塵芥を捕獲して溜めることができるポケットと成し、全体形状として中心部に穴の開いた浅い容器に似たトレーの如き形状を呈した弾性体1を、ダイ2とダイホルダー3に穿設されたダイ装着穴3aとの間の環状溝を形成する上面環状隙間部に嵌着した時に、その内輪部がダイ2の頂部に冠着して所謂帽子を被せた状態となり、ダイ金型の交換時には該ダイ金型と共に一体となって移動可能に構成されている。
【0022】
上述の構成に基ずいて作用を説明する。
【0023】
尚、全体の構成及び第1実施例と同様の部分については省略する。
【0024】
図1(c)に示すように、自動金型交換装置の金型チェンジャーKCのチェンンジャーアームの先端に設けられたグリッパー5により交換の対象となる所望のダイ2を掴持し、前記チェンジャーアーム9の上昇作用により前記ダイ2を持ち上げるが、この時同時にエジェクターパイプ4の同軸心下部に設けられた持ち上げシリンダ4aにより前記ダイ2が上方へダイホルダ3に穿設されたダイ装着穴3aから持ち上がって跳ね出されるので前記チェンジャーアーム9は容易に上昇動作を行い、次いで金型チェンジャーKCの支柱を軸として回転し、割り出された金型マガジンKMの所定の位置に前記抜き出し後の古いダイ2を載置し、そして新しいダイ2を所定のチェンジャーアーム9のグリッパー5により掴持して金型チェンジャーKCの支柱を軸として回転し、下タレットのダイ用空ステーション上方所定位置へ前記新しいダイ2を位置決めし、次いで前記チェンジャーアーム9が下降して所定のダイ装着穴3aに挿入装着することが出来る。
【0025】
また、金型マガジンKMに保管された取り出し後の古いダイ2は、外周断面形状をU字形として抜きカス等の塵芥を捕獲して溜めることができるポケットと成し、全体形状として中心部に穴の開いた浅い容器に似たトレーの如き形状を呈した弾性体1を、その頂部に冠着して所謂帽子を被せた状態を保って前記古いダイ2と一体となって保管されているので、保管中に前記ポケットに溜まっている抜きカス等の塵芥を取り除き清掃して次回の使用に対処することができる。
【0026】
【発明の効果】
この発明によれば、加工ヒゲや抜きカス等の塵芥混入を防ぎ、エジェクター操作の誤動作や動作不能となる状態を回避しトラブルを未然に防止できるという効果を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) この発明に係る第1実施例の金型ダイ用特殊密封体の構成を示す縦断側面図、同(b)第2実施例の構成を示す縦断側面図、同(c)第2実施例の作用を示す縦断側面図
【図2】 自動金型交換装置を備えたタレットパンチプレスの要部構成を示す正面図
【符号の説明】
1 弾性体
2 ダイ
3 ダイホルダ
3a ダイ装着穴
4 エジェクターパイプ
4a 持ち上げシリンダ
5 グリッパー
6 キャリジベース
7 モータボールネジ
8 キャリジ
8a X軸ボールネジ
9 チェンジャーアーム
C ワーククランプ
p パンチ
KC 金型チェンジャー
KM 金型マガジン
P タレットパンチプレス
Claims (1)
- 円柱状の形状を有し、かつ外周面の所定の位置にキーを有する金属ダイと、
該金属ダイが挿入される円形のダイ装着穴と、前記キーが挿入されるキー溝と、前記ダイ装着穴の直径よりも大きな直径を有する円形の凹部を上面部に有するダイホルダーとからなる板金加工機の金型において、
前記金属ダイの頂上部に装着され、前記金属ダイが前記ダイホルダーに挿入された際に、前記円形の凹部と前記金属ダイの上部により形成される空間に嵌着される金属ダイ用特殊密封体であって、
所定の厚みを有し中央部に穴を有する円板形状の弾性体であり、
外周に、前記ダイホルダーの凹部の外周の内壁に密着する外輪突起部を有し、
前記中央部の穴の縁部が、前記金属ダイの上部外周面に密着することを特徴とする金属ダイ用特殊密封体。
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JP25392298A JP4290245B2 (ja) | 1998-09-08 | 1998-09-08 | 金型ダイ用特殊密封体 |
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- 1998-09-08 JP JP25392298A patent/JP4290245B2/ja not_active Expired - Fee Related
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