JP4290162B2 - 対称型トリグリセリドの製造方法 - Google Patents

対称型トリグリセリドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4290162B2
JP4290162B2 JP2005511502A JP2005511502A JP4290162B2 JP 4290162 B2 JP4290162 B2 JP 4290162B2 JP 2005511502 A JP2005511502 A JP 2005511502A JP 2005511502 A JP2005511502 A JP 2005511502A JP 4290162 B2 JP4290162 B2 JP 4290162B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fatty acid
reaction
chain fatty
triglyceride
medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2005511502A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2005005586A1 (ja
Inventor
聡 根岸
有里 新井
真 有本
秀隆 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Oillio Group Ltd
Original Assignee
Nisshin Oillio Group Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Oillio Group Ltd filed Critical Nisshin Oillio Group Ltd
Publication of JPWO2005005586A1 publication Critical patent/JPWO2005005586A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4290162B2 publication Critical patent/JP4290162B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23DEDIBLE OILS OR FATS, e.g. MARGARINES, SHORTENINGS, COOKING OILS
    • A23D9/00Other edible oils or fats, e.g. shortenings, cooking oils
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11CFATTY ACIDS FROM FATS, OILS OR WAXES; CANDLES; FATS, OILS OR FATTY ACIDS BY CHEMICAL MODIFICATION OF FATS, OILS, OR FATTY ACIDS OBTAINED THEREFROM
    • C11C3/00Fats, oils, or fatty acids by chemical modification of fats, oils, or fatty acids obtained therefrom
    • C11C3/04Fats, oils, or fatty acids by chemical modification of fats, oils, or fatty acids obtained therefrom by esterification of fats or fatty oils
    • C11C3/10Ester interchange
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/64Fats; Fatty oils; Ester-type waxes; Higher fatty acids, i.e. having at least seven carbon atoms in an unbroken chain bound to a carboxyl group; Oxidised oils or fats
    • C12P7/6436Fatty acid esters
    • C12P7/6445Glycerides
    • C12P7/6458Glycerides by transesterification, e.g. interesterification, ester interchange, alcoholysis or acidolysis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/64Fats; Fatty oils; Ester-type waxes; Higher fatty acids, i.e. having at least seven carbon atoms in an unbroken chain bound to a carboxyl group; Oxidised oils or fats
    • C12P7/6436Fatty acid esters
    • C12P7/6445Glycerides
    • C12P7/6472Glycerides containing polyunsaturated fatty acid [PUFA] residues, i.e. having two or more double bonds in their backbone

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

発明の背景
本発明は、sn(stereo−specific numbering)−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリドの製造方法に関するものである。特には、高純度なsn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリドを工業的に効率良く製造できるようにしたものである。
sn−1,3位の脂肪酸がA、sn−2位の脂肪酸がBである対称型トリグリセリドの製造方法については、基礎研究分野において多くの報告がなされている。長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とする対称型トリグリセリドの製造方法として、例えば、sn−2位にオレイン酸が結合したトリグリセリドにsn−1,3位特異性リパ−ゼを作用させて、sn−2位の位置にオレイン酸が結合したトリグリセリドを製造する方法、すなわちカカオ代用脂の製造方法が挙げられる(例えば、特公平07−83718号公報、特公昭57−27159号公報及び特公平11−243982号公報参照。)。また、sn−2位に多価不飽和脂肪酸を有する対称型トリグリセリドの製造方法として、例えば、多価不飽和脂肪酸を多量に含む多価不飽和脂肪酸含有油脂と飽和脂肪酸及び/又は飽和脂肪酸アルコ−ルエステルとをsn−1,3位特異性リパ−ゼを用いて反応させる方法が挙げられる(例えば、特公平07−89944号公報参照。)。しかしながら、これらの方法では、高純度のsn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリドを得ることはできない。
sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリド(以下、MLM型トリグリセリドという。M:中鎖脂肪酸、L:長鎖脂肪酸)の製造方法として、例えば、岩崎雄吾、山根恒夫「オレオサイエンス」、2001、第一巻、8号、825−833に、以下の方法が記載されている。
(1)中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドをsn−1,3位特異性リパ−ゼの存在下でエステル交換する方法。
(2)長鎖脂肪酸トリグリセリドと過剰量の中鎖脂肪酸のアシドリシス反応による方法、又は長鎖脂肪酸トリグリセリドと過剰量の中鎖脂肪酸のエチルエステルとエステル交換する方法。
また、二段階の反応によって、例えば、特開2000−270885号公報に記載されているように、以下のようにMLM型トリグリセリドを製造する方法もある。
(3)第一反応として、グリセリン及び高度不飽和脂肪酸あるいはその低級アルコ−ルエステルに、位置特異性のないリパ−ゼを作用させ、脱水しながら高度不飽和脂肪酸トリグリセリドを合成する。ついで、第二反応として、その高度不飽和脂肪酸トリグリセリドおよび炭素数12以下の脂肪酸あるいはその低級アルコ−ルエステルに、sn−1,3位に特異的に作用するリパ−ゼを作用させて、目的物であるsn−1位及びsn−3位に結合する脂肪酸の炭素数が12以下であり、かつ、sn−2位に結合する脂肪酸の組成の90質量%以上が高度不飽和脂肪酸である構造油脂の製造方法。
しかしながら、(1)の方法によると、MLM型トリグリセリド以外に種々のトリグリセリド(LML、MLL、LMM、MMM、及びLLL型トリグリセリド)も同時に合成されるため、MLM型トリグリセリドの含有量の高い油脂を得ることは難しい。ここで、LML型トリグリセリドとは、sn−1,3位が長鎖脂肪酸、sn−2位が中鎖脂肪酸である対称型トリグリセリドのことをいい、MLL型トリグリセリドとは、sn−1位が中鎖脂肪酸、sn−2,3位が長鎖脂肪酸である非対称型トリグリセリドのことをいい、LMM型トリグリセリドとは、sn−1位が長鎖脂肪酸、sn−2,3位が中鎖脂肪酸である非対称型トリグリセリドのことをいい、MMM型トリグリセリドとは、sn−1,2,3位のすべてが中鎖脂肪酸であるトリグリセリドのことをいい、LLL型トリグリセリドとは、sn−1,2,3位のすべてが長鎖脂肪酸であるトリグリセリドのことをいう。
そして、(2)の方法によると、反応後に脂肪酸や脂肪酸エチルエステルを取り出すことで、MLM型トリグリセリドの含量を高めることができても、取り出した物質を有効に再利用することはできず、実製造を考えると大きなコスト負荷となり、いまだに対称型トリグリセリドが汎用的に実用生産されていないのが現状である。
また、(2)の方法においては、反応後MLM型トリグリセリドとMLL型トリグリセリドが得られるが、この2種類のトリグリセリドはともに高沸点油脂であり事実上分別は不可能である。分別処理を避けて高純度のMLM型トリグリセリドを得るには、アシドリシス反応において大量の中鎖脂肪酸のエチルエステルを反応に用いなければならず、生産性が低下し、さらにコストアップの大きな原因となってしまう。
(3)の方法によると、第一反応は、脱水反応であるためカラムなどに酵素を充填できず連続化は困難である。また、高純度の対称型トリグリセリドを製造するために、第二反応において、大過剰の低級アルコ−ルエステルを反応に用いなければならないなどの欠点を有する。
したがって、本発明は、MLM型トリグリセリドを高純度で製造することができる方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、製造時に発生する廃棄物量を減少させ、MLM型トリグリセリドを工業的に効率良く、かつ高純度で製造する方法を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、第一反応で特定の原料を用いてランダムエステル交換反応を行い、第二反応でsn−1,3位特異的エステル交換反応を行えば、高純度なMLM型トリグリセリドが製造できることを見出した。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、第一反応でランダムエステル交換反応を行い、第二反応でsn−1,3位特異的エステル交換反応を行えば、高純度なMLM型トリグリセリドが製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、第一反応において、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドとを、酵素又は化学触媒を用いてランダムエステル交換反応して中鎖脂肪酸及び長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドを含有する反応物を得て、第二反応として、該反応物と中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルとを、sn−1,3位特異性酵素を用いてエステル交換反応し、次いで第二反応で得られた反応物から中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを取り出し(一部又は全部取り出し)、sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリドを得ることを特徴とする対称型トリグリセリドの製造方法を提供する。
また、本発明は、第一反応後に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを取り出す(一部又は全部取り出す)上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第二反応で得られた反応物から中鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを取り出し(一部又は全部取り出し)、第一及び/又は第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸トリグリセリドを第一反応の原料として再利用し、第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを第二反応の原料として再利用する上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第一反応において、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルとを、酵素又は化学触媒を用いてランダムエステル交換反応して、中鎖脂肪酸及び長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドを含有する反応物を得、該反応物から中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル、長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び中鎖脂肪酸トリグリセリドを取り出した(一部又は全部取り出した)トリグリセリド含有物を得、第二反応として、該トリグリセリド含有物と中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルとを、sn−1,3位特異性酵素を用いてエステル交換反応し、次いで第二反応で得られた反応物から中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを取り出し(一部又は全部取り出し)、sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリドを得ることを特徴とする対称型トリグリセリドの製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第二反応後に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを取り出す(一部又は全部取り出す)上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸トリグリセリドを、第一反応の原料として再利用する上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第二反応後に取り出した長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを、第一反応の原料として再利用する上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを、第二反応の原料として再利用する上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第一反応後に取り出した中鎖脂肪酸トリグリセリドを、第一反応の原料として再利用する上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第一反応後に取り出した長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを、第一反応の原料として再利用する上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第一反応後に取り出した中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを、第二反応の原料として再利用する上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第一反応後及び/又は第二反応後に取り出した長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び中鎖脂肪酸トリグリセリドを第一反応の原料として再利用し、第一反応後及び/又は第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを第二反応の原料として再利用する上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第一反応において、(a)中鎖脂肪酸トリグリセリドと、(b)長鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル、及び長鎖脂肪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を、酵素又は化学触媒を用いてランダムエステル交換反応して、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とする第1のトリグリセリドを含有する反応物を得、第二反応として、該反応物中の第1のトリグリセリドと、(c)中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び中鎖脂肪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を、sn−1,3位特異性酵素を用いてエステル交換反応して、sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリドを得ることを特徴とする対称型トリグリセリドの製造方法を提供する。
さらに、本発明は、前記長鎖脂肪酸が、長鎖不飽和脂肪酸である上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、前記長鎖不飽和脂肪酸が、炭素数18の脂肪酸、EPAエイコサペンタエン酸)、及びDHA(ドコサヘキサエン酸)からなる群から選ばれる1種又は2種以上の脂肪酸である上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第一反応及び/又は第二反応に用いる酵素が、粉末状であり、90質量%以上が1〜100μmの粒子径であるリパ−ゼであって、酵素反応を無溶剤かつ無水系で行う上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、第一反応及び/又は第二反応の酵素反応を、粉末状リパ−ゼをろ過助剤とともにろ過機内に封入し、該ろ過機へ反応原料を通液する方法により行う上記製造方法を提供する。
図1は、本発明の中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセドを用いた対称型(MLM型)トリグリセリドの製造方法を模式的に示したフロ−チャ−トである。
図2は、本発明の中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを用いた対称型(MLM型)トリグリセリドの製造方法を模式的に示したフロ−チャ−トである。
本発明に使用される中鎖脂肪酸トリグリセリドとは、構成脂肪酸が炭素数2〜12、好ましくは8〜10の中鎖脂肪酸からなるトリグリセリドである。この中鎖脂肪酸トリグリセリドは、例えば、グリセリンと一種又は複数種の中鎖脂肪酸を無触媒で脱水合成反応を行ったり、グリセリンと、一種又は複数種の中鎖脂肪酸のアルコ−ルエステルとをエステル交換反応したりすることにより得られる。また、前記脱水合成反応又はエステル交換反応の際、リパーゼなどの酵素を触媒に用いても同様に合成できる。
中鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでも良い。具体的には、例えば、デカン酸、オクタン酸等が挙げられる。
このような中鎖脂肪酸を構成脂肪酸とする中鎖脂肪酸トリグリセリドは、市販品を容易に入手することができ、市販されているものとしてODO(日清オイリオ(株)社製)等が挙げられる。
本発明に使用される長鎖脂肪酸トリグリセリドとは、構成脂肪酸が炭素数14〜28、好ましくは炭素数16〜22、より好ましくは16〜18の長鎖脂肪酸からなるトリグリセリドである。この長鎖脂肪酸トリグリセリドは、例えば、グリセリンと一種又は複数種の長鎖脂肪酸を無触媒で脱水合成反応を行ったり、グリセリンと一種又は複数種の長鎖脂肪酸のアルコ−ルエステルとをエステル交換反応したりすることにより得られる。また、前記脱水合成反応又はエステル交換反応の際、酵素を触媒に用いても同様に合成できる。
長鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでも良い。炭素数が14〜28である長鎖脂肪酸の例として、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、パルミトレイン酸、ヘキサデカトリエン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸、リノ−ル酸、リノレン酸、γ−リノレン酸、オクタデカテトラエン酸、エイコセン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコセン酸、ドコサジエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。これらのうち、炭素数16〜22の長鎖脂肪酸が好ましい。
長鎖脂肪酸は、融点が低く操作性の点で長鎖不飽和脂肪酸であることが好ましく、さらに、汎用性、機能性の点で、炭素数18の不飽和脂肪酸、EPA及びDHAから選ばれる1種又は2種以上の脂肪酸であることが好ましい。
上記長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とする長鎖脂肪酸トリグリセリドは、市販品を容易に入手することができ、市販されているものとして大豆油、菜種油、高オレイン酸菜種油、ゴマ油、コ−ン油、綿実油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、カカオ油、米糠油、落花生油、オリ−ブ油、シソ油、エゴマ油、亜麻仁油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘ−ゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、ボラ−ジ油、綿実油、小麦胚芽油、藻類油、牛脂、豚脂、鶏油、魚油、ラ−ド、アザラシ油、品種改良によって低飽和化されたこれらの油脂およびこれらの水素添加油脂等が挙げられる。これらのうち、EPA及び/又はDHAを多く含むものとして、魚油等が挙げられる。
本発明に使用される長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルとは、炭素数14〜28、好ましくは炭素数16〜22、より好ましくは20〜22の長鎖脂肪酸と、炭素数1〜28、好ましくは炭素数1〜4のアルコ−ルのエステルである。長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを構成するアルコ−ルは、水酸基の数が1であるモノアルコ−ルである。また、アルコ−ルは1級、2級、3級アルコ−ルのいずれでも良く、さらに、飽和脂肪族アルコ−ルや不飽和脂肪族アルコ−ルでも良い。長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを構成するアルコ−ルの例として、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパン−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ−ル等が挙げられるが、炭素数1〜4のアルコ−ルが好ましく、特に安全性の点でエタノ−ルが好ましい。炭素数14〜28の長鎖脂肪酸としては、前述したものを挙げることができる。
長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルは、例えば動植物油をエタノ−ル中で酸やアルカリ触媒を用いてアルコリシス反応を行うことで得ることができる。また、市販品を容易に入手することができ、市販されているものとして日本化学飼料社製のDHA−90E(ドコサヘキサエン酸エチルエステル)や日本化学飼料社製のEPA−90E(エイコサペンタエン酸エチルエステル)等が挙げられる。
本発明に使用される長鎖脂肪酸及び中鎖脂肪酸としては、長鎖脂肪酸トリグリセリド及び中鎖脂肪酸トリグリセリドの項で説明したものがあげられる。
本発明で行うランダムエステル交換反応は、酵素又は化学触媒を用いて行われる。反応原料を構成する脂肪酸が高度不飽和脂肪酸である場合、化学触媒を用いて反応すると副反応を引き起こすため、酵素を用いて反応するのが望ましい。
酵素を用いて前記ランダムエステル交換反応を行う場合、用いる酵素は非特異性リパ−ゼが好ましい。非特異性リパ−ゼとしては動物、植物、および微生物いずれの起源のものでもよく、例えばキャンディダ シリンドラセ(Candida cylindracea)、アルカリゲネス エスピ−(Alcaligenes sp.)、アルカリゲネス ファエカリス(Alcaligenes faecalis)など由来のリパ−ゼを挙げることができる。
前記酵素、好ましくはリパ−ゼは、粉末のまま、又は固定化したものを使用することができるが、反応効率をより高めるために、粉末粒子の90%以上が1〜100μmの粒子径である粉末状リパ−ゼであることが最も好ましい。
酵素粉末粒子の粒子径測定は、例えば、HORIBA社製のレ−ザ−型粒度分布測定装置LA−500を用いて行うことができる。粉末粒子の90%の粒子径が1〜100μmである粉末酵素としては、例えば、リパ−ゼQLM(名糖産業社製)等が挙げられる。
ランダムエステル交換反応に使用する酵素の量は、反応原料の全質量に対して、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
酵素を用いる場合の反応温度は、耐久性の点から好ましくは20〜100℃、より好ましくは40〜80℃である。
ランダムエステル交換反応において化学触媒を用いる場合、ナトリウムメチラ−ト等のアルカリ性化学触媒や硫酸等の酸性化学触媒等を使用することができる。これらは、市販品として容易に入手することができ、例えば、市販されているナトリウムメチラートとして、ソジウムメチラート(日本曹達社製)、ナトリウムメトキシド(和光純薬工業株式会社)等が挙げられる。また、反応に使用する化学触媒の量は、反応原料の全質量に対して、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%である。
化学触媒を用いた場合の反応時間は、好ましくは0.5〜20時間、より好ましくは2〜5時間である。
本発明で行うsn−1,3位特異性酵素を用いたエステル交換反応は、トリグリセリドのsn−1,3位に特異性を有するエステル交換反応である。前記sn−1,3位特異性酵素として、例えば、ブタ膵臓リパ−ゼ、大豆、米ヌカ、ヒマ種子など由来のリパ−ゼ、アスペルギルス ニガ−(Aspergillus niger)、リゾプス デレマ−(Rhizopus delemar)、リゾプス ジャバニカス(Rhizopus javanicus)、ムコ−ル ミ−ハイ(Mucor miehei)、シュ−ドモナス フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)等が挙げられる。
前記sn−1,3位特異性酵素、好ましくはリパーゼは、粉末状のもの、又は固定化したもののいずれをも用いることができる。これら酵素として、例えば、リパーゼPL(名糖産業社製)、リポザイムTL(ノボ社製)、Rhizomucor miehei由来の酵素粉末等が挙げられる。粉末状の酵素としては、粉末粒子の90%以上が1〜100μmの粒子径である粉末状リパーゼを使用することができる。酵素粉末粒子の粒子径は、前述した方法により測定することができる。
sn−1,3位特異性酵素の量は、反応原料の全質量に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
sn−1,3位特異性酵素を用いる場合の反応温度は、耐久性の点から好ましくは20〜90℃、より好ましくは30〜60℃である。
酵素を用いたランダムエステル交換反応及びsn−1,3位特異性酵素を用いたエステル交換反応は、作業性の点から無溶剤かつ無水系で行うことが好ましい。また、効率の点で、酵素反応は、粉末状リパ−ゼをろ過助剤とともにろ過機内に封入し、該ろ過機へ反応原料を通液することにより行うことが好ましい。このようにすることで、反応後の残存酵素と反応物を分離するなどの効果がある。酵素を用いてバッチ式でランダムエステル交換反応又はsn−1,3位特異的エステル交換反応を行う際の反応時間については、後段で詳しく述べる。
以下、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドを用いてMLM型トリグリセリドを製造する本発明の対称型トリグリセリドの製造方法を、順を追って説明する。なお、図1は、該対称型トリグリセリドの製造方法を模式的に示したフローチャートである。
前記対称型トリグリセリドの製造方法において、第一反応として、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドを、酵素又は化学触媒を用いてランダムエステル交換反応を行う。酵素を用いてバッチ式で行う場合の反応時間は、好ましくは1〜50時間、より好ましくは15〜25時間である。
第一反応の原料として用いる中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドの混合質量比は、特に限定されないが、反応物中の長鎖脂肪酸トリグリセリドの比率を抑え、反応効率等を考慮すると、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは1:4〜1:1である。
第一反応において、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドをランダムエステル交換反応させると、sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸であるMLM型トリグリセリドの外に、LML、MLL、LMM、MMM、及びLLL型トリグリセリドが得られる。
第一反応において、反応原料の中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドの比率が上記範囲を逸脱すると、第一反応後の反応物中に多量のLLL型トリグリセリドが存在するようになる。すると、後述する第二反応において、目的とするMLM型トリグリセリドを得るには、多量の中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルが必要となってしまい、反応効率が低下するという問題が生じる。
第一反応において、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドをランダムエステル交換反応させた後、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MMM型)を反応物から取り出す(一部又は全部取り出す)ことが好ましい。この際、取り出し処理後のトリグリセリド含有物中、中鎖脂肪酸トリグリセリド含有率が好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜6質量%、最も好ましくは0〜3質量%になるようにするのが良い。中鎖脂肪酸トリグリセリド(MMM型)とその他のトリグリセリドを分別するには、蒸留法を用い、例えば、200℃、30Paで留出する成分(中鎖脂肪酸トリグリセリド含量が多いもの)と残留成分(その他のトリグリセリド含量が多いもの)に分けることができる。前記蒸留法としては、バッチ式、連続式、薄膜式、及び流下膜式等が挙げられる。
蒸留法によって取り出された中鎖脂肪酸トリグリセリドは、第一反応における反応原料として再利用することができ、効率的である。
つぎに、第一反応後の反応物、又は該反応物から中鎖脂肪酸トリグリセリドを取り出した(一部又は全部取り出した)トリグリセリド含有物を、第二反応において、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルとsn−1,3位特異性酵素を用いてエステル交換する。このエステル交換反応をバッチ式で行う場合の反応時間は、好ましくは1〜50時間、より好ましくは15〜30時間である。
ここで、第二反応における中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とする(第1の)トリグリセリドと、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び/又は中鎖脂肪酸の使用比率(質量)を1:0.5〜1:20とするのが好ましく、より好ましくは1:2〜1:7である。
この第二反応後に、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを取り出すことで、最終的に得られる製品中のMLM型トリグリセリドの純度を高めることができる。さらには、中鎖脂肪酸トリグリセリドも取り出すのが好ましい。これらの物質の取り出しは、バッチ式などの蒸留処理により行うことができる。
第二反応で得られた反応物からの中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル、長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル、及び中鎖脂肪酸トリグリセリドの取り出しは、最終製品中の対称型トリグリセリド含量を高めるために、取り出し処理後に得られるトリグリセリド含有物中の前記各物質含有量が少なくなるように行うのが好ましい。
具体的には、取り出し処理後に得られるトリグリセリド含有物中の中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量は0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がさらに好ましく、0〜1質量%が最も好ましい。また、取り出し処理後に得られるトリグリセリド含有物中の長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量は、0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がさらに好ましく、0〜1質量%が最も好ましい。取り出し処理後に得られるトリグリセリド含有物中の中鎖脂肪酸トリグリセリド含量は、0〜15質量%が好ましく、0〜10質量%がさらに好ましく、0〜8質量%が最も好ましい。
ただし、対称型トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドの混合物を最終品として得ようとする場合には、取り出し処理後に得られるトリグリセリド含有物中の中鎖脂肪酸トリグリセリドは先に説明した含量にまで取り除く必要はなく、取り出し処理後に得られるトリグリセリド含有物中の中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルのみを先に説明した含量となるように取り出せば良い。
第二反応後の中鎖脂肪酸のアルコールモノエステル、長鎖脂肪酸のアルコールモノエステル及び中鎖脂肪酸トリグリセリドの取り出しは、それらの反応原料への再利用を考えると、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量の多い成分と、中鎖脂肪酸トリグリセリド及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量の多い成分の2つに分別して取り出すことが好ましい。この分別は、蒸留の温度、減圧度、及び蒸留時間を調整することで行うことができ、例えば、蒸留前半工程(50℃、100Pa)に留出する成分(中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量が多いもの)と蒸留後半工程(230℃、1Pa)に留出する成分(中鎖脂肪酸トリグリセリド及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量が多いもの)に分けることができる。
また、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量の多い成分、長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量の多い成分、及び中鎖脂肪酸トリグリセリド含量の多い成分の3つに分別して取り出すこともできる。この分別は、蒸留の温度、減圧度、及び蒸留時間を調整することで行うことができ、例えば、蒸留前半工程(25℃、30Pa)に留出する成分(中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量の多いもの)、蒸留中盤工程(180℃、1Pa)に留出する成分(長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量の多いもの)と蒸留後半工程(230℃、1Pa)に留出する成分(中鎖脂肪酸トリグリセリド含量の多いもの)に分けることができる。
第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸トリグリセリドは、第一反応の原料として再利用することができる。同様に、第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルは、第二反応の原料として再利用することができる。また、第二反応後に取り出した長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルは、後述する本発明の中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを用いた対称型トリグリセリドの製造方法における第一反応の原料として利用することができる。
このように、本発明の中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドを用いた対称型(MLM型)トリグリセリドの製造方法は、目的とする生成物MLM型トリグリセリド以外の副生物を全て活用することができ、効率的である。
次に、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを用いてMLM型トリグリセリドを製造する本発明の対称型トリグリセリドの製造方法を、順を追って説明する。なお、図2は、該対称型トリグリセリドの製造方法を模式的に示したフローチャートである。
前記対称型トリグリセリドの製造方法において、第一反応として、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを、酵素又は化学触媒を用いたランダムエステル交換反応を行う。なお、長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルは、前述した中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドを用いた対称型トリグリセリドの副生物である長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを用いることもできる。また、前記ランダムエステル交換反応を酵素を用いてバッチ式で行う場合の反応時間は、好ましくは1〜100時間、より好ましくは15〜80時間である。
第一反応の原料として用いる中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルの混合質量比は、特に限定されないが、反応物中の長鎖脂肪酸トリグリセリドの比率を抑え、反応効率等を考慮すると、好ましくは8:1〜1:8、より好ましくは2:1〜1:5である。長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルの代わりに、長鎖脂肪酸を用いる場合も同様である。
第一反応において、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルをランダムエステル交換反応させると、反応物として、1,3位が中鎖脂肪酸、2位が長鎖脂肪酸であるMLM型トリグリセリドの外に、LML、MLL、LMM、MMM、及びLLL型トリグリセリドと長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルが得られる。
第一反応において、反応原料の中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルの比率が上記範囲を逸脱すると、第一反応後の反応物中に多量のLLL型トリグリセリドが存在するようになる。すると、後述する第二反応において、目的とするMLM型トリグリセリドを得るには、大量の中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルが必要となってしまい、反応効率が低下するという問題が生じる。
ここで、後述する第二反応の反応効率を高めるために、第一反応で得られた上記反応物から中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル、長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル、及び中鎖脂肪酸トリグリセリドを一部又は全部バッチ式などの蒸留処理によって取り出す。この際、第二反応での反応率を高めるために、取り出し処理後に得られるトリグリセリド含有物中の前記各物質含量が少なくなるように行うのが好ましい。
具体的には、取り出し処理後のトリグリセリド含有物中の中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量は0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がさらに好ましく、0〜2質量%が最も好ましい。また、取り出し処理後のトリグリセリド含有物中の長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量は、0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がさらに好ましく、0〜2質量%が最も好ましい。取り出し処理後のトリグリセリド含有物中の中鎖脂肪酸トリグリセリド含量は、0〜15質量%が好ましく、0〜10質量%がさらに好ましく、0〜8質量%が最も好ましい。
第一反応後の中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル、長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び中鎖脂肪酸トリグリセリドの取り出しは、それらの反応原料への再利用を考えると、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量の多い成分と、長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び中鎖脂肪酸トリグリセリド含量の多い成分の2つに分別して取り出すことが好ましい。この分別は、蒸留の温度、減圧度、及び蒸留時間を調整することで行うことができ、例えば、蒸留前半工程(50℃、100Pa)に留出する成分(中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量が多いもの)と蒸留後半工程(230℃、1Pa)に留出する成分(長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量及び中鎖脂肪酸トリグリセリド含量が多いもの)に分けることができる。
また、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量の多い成分、長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量の多い成分、及び中鎖脂肪酸トリグリセリド含量の多い成分の3つに分別して取り出すことも可能である。この分別は、蒸留の温度、減圧度、及び蒸留時間を調整することで行うことができ、例えば、蒸留前半工程(25℃、30Pa)に留出する成分(中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量の多いもの)、蒸留中盤工程(180℃、1Pa)に留出する成分(長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル含量の多いもの)と蒸留後半工程(230℃、1Pa)に留出する成分(中鎖脂肪酸トリグリセリド含量の多いもの)に分けることができる。
第一反応後に取り出した長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び中鎖脂肪酸トリグリセリドは、第一反応の原料として再利用することができる。また、第一反応後に取り出した中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルは、第二反応の原料として再利用することができ、効率的である。
つぎに、中鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを取り出した(一部又は全部取り出した)トリグリセリド含有物を、第二反応において、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルと前述したsn−1,3位特異性酵素を用いてエステル交換する。バッチ式で該エステル交換を行う場合の反応時間は、好ましくは1〜100時間、より好ましくは15〜80時間である。
ここで、第二反応における中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とする(第1の)トリグリセリドと中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び/又は中鎖脂肪酸の使用比率(質量)を1:0.5〜1:20とするのが好ましく、より好ましくは1:2〜1:7である。
この第二反応後に、前述した中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドを用いた対称型トリグリセリドの製造方法における第二反応後と同様にして、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを取り出すことで、最終的に得られる製品中のMLM型トリグリセリドの純度を高めることができる。さらには、中鎖脂肪酸トリグリセリドも取り出すことによってMLM型トリグリセリドの純度を高めることができる。これらの取り出し方法は、前述した通りである。また、MLM型トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドの混合物を最終品として得ることも可能である。
第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸トリグリセリド及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルは、第一反応の原料として再利用することができる。同様に、第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルは、第二反応の原料として再利用することができる。
このように、本発明の中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを用いた対称型(MLM型)トリグリセリドの製造方法は、目的とする生成物MLM型トリグリセリド以外の副生物を全て活用することができ、効率的である。
中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸を用いてMLM型トリグリセリドを製造する本発明の対称型トリグリセリドの製造方法において、第一反応終了後、中鎖脂肪酸及び長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするトリグリセリド、及び長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするトリグリセリド以外の成分を取り出し、第二反応後、目的物であるsn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリド以外の成分を取り出すことにより、高純度の対称型トリグリセリドを効率良く製造することができる。
さらに、第一反応後に取り出した成分の中で、第一反応原料と同じ成分については第一反応原料として再利用することができ、第二反応原料と同じ成分については第二反応原料として再利用することができる。また、第二反応後に取り出した成分の中で、第一反応原料と同じ成分については第一反応原料として再利用することができ、第二反応原料と同じ成分については第二反応原料として再利用することができる。
例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド及び長鎖脂肪酸を出発原料として、対称トリグリセリドを製造した場合について説明をする。
又、第一反応終了後、反応物から中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸、及び中鎖脂肪酸を取り出し、トリグリセリド含有物を得る。該トリグリセリド含有物と中鎖脂肪酸を原料として第二反応を行い、第二反応終了後、反応物から中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸、及び中鎖脂肪酸を取り出し、sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリドを得ることができる。このとき、第一反応終了後、及び第二反応終了後に取り出した中鎖脂肪酸トリグリセリド、及び長鎖脂肪酸は、第一反応原料として再利用することができ、第一反応終了後、及び第二反応終了後に取り出した中鎖脂肪酸は、第二反応原料として再利用することができる。
さらに、先にも説明したが、融点が低く、操作性の点から原料として長鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸のモノエステル、及び長鎖脂肪酸は、不飽和のものを用いることが好ましい。しかし、これらを原料としても、水添処理をさらに実施することで、長鎖飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする対称型トリグリセリドを得ることができる。
すなわち、本発明の製造により得られた不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする対称型トリグリセリドを、さらに水添処理することで、長鎖飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする対称型トリグリセリドを得ることができる。このようにして製造すれば、反応及び精製の段階で、融点の高い長鎖飽和脂肪酸トリグリセリド、長鎖飽和脂肪酸のモノエステル、及び長鎖飽和脂肪酸を原料として使用しないため、その操作が容易となる。
具体的には、本発明により製造されたsn−1,3位がオクタン酸、sn−2位がオレイン酸である対称型トリグリセリドを、水添処理することにより、sn−1,3位がオクタン酸、sn−2位がステアリン酸である飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする対称型トリグリセリドを得ることができる。水添処理は、公知の方法を用いることができる。
このようにして得られたsn−1,3位がオクタン酸、sn−2位がステアリン酸である対称型トリグリセリドは、チョコレート用代用脂として好適に使用することができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例において、DHAエチルエステルはドコサヘキサエン酸エチルエステルのことであり、EPAエチルエステルはエイコサペンタエン酸エチルエステルのことである。
[実施例1]
sn−1,3位がオクタン酸、sn−2位がDHAの対称型トリグリセリドの製造
<第一反応>
トリカプリリン(商品名:トリカプリリン、シグマ−アルドリッチジャパン株式会社製)500g、DHAエチルエステル(商品名:DHA−90E、日本化学飼料株式会社製)500g、及び非特異性リパ−ゼ(商品名:リパ−ゼQLM、名糖産業社製)20gを2000ml反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら50℃で72時間酵素反応を行い、反応物980gを得た。反応後、遠心式分子蒸留装置(日本車両株式会社製)を用いて、前記反応物からオクタン酸エチルエステル、DHAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出し、トリグリセリド含有物350gを得た。薄膜蒸留では、以下の条件で各成分を取り出した。
(1) 蒸留前半工程:25℃、30Pa;成分(A)150g
(2) 蒸留中盤工程:180℃、1Pa;成分(B)270g
(3) 蒸留後半工程:230℃、1Pa;成分(C)200g
また、各成分(A)〜(C)をGLC(アジレント製、6890 Series GC System)で分析したところ、以下のような主成分が判明した。
(A)オクタン酸エチルエステル含量;99質量%
(B)DHAエチルエステル含量;93質量%
(C)トリカプリリン含量;98質量%
<第二反応>
上記トリグリセリド含有物350g、オクタン酸エチルエステル(商品名:オクタン酸エチル、井上香料株式会社製)1750g、及びsn−1,3位特異性リパ−ゼ(商品名:リポザイムTL、ノボ社製)40gを5000ml反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら50℃で72時間酵素反応を行い、反応物2000gを得た。反応後、遠心式分子蒸留装置(日本車両株式会社製)を用いて、反応物からオクタン酸エチルエステル、DHAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出し、トリグリセリド含有物130gを得た。薄膜蒸留では、以下の条件で各成分を取り出した。
(4) 蒸留前半工程:25℃、30Pa;成分(A’)1500g
(5) 蒸留中盤工程:180℃、1Pa;成分(B’)120g
(6) 蒸留後半工程:230℃、1Pa;成分(C’)100g
次に、各成分(A’)〜(C’)をGLCで分析したところ、以下のような主成分が確認された。
(A’)オクタン酸エチルエステル含量;99質量%
(B’)DHAエチルエステル含量;90質量%
(C’)トリカプリリン含量;99質量%
また、第二反応後、オクタン酸エチルエステル、DHAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出したトリグリセリド含有物をGLC及びHPLC(島津製作所社製、LC−9A LIQUID CHOROMATOGRAPH)で分析すると、sn−1,3位がオクタン酸、sn−2位がDHAである対称型トリグリセリドの含量は93質量%であった。
[実施例2]
取り出したオクタン酸エチルエステル、DHAエチルエステル、及びトリカプリリンを反応原料に用いることによるsn−1,3位がオクタン酸、sn−2位がDHAの対称型トリグリセリドの製造
<第一反応>
実施例1で得られた取り出し成分(B)、(C)、(B’)、(C’)、トリカプリリン(商品名:トリカプリリン、シグマ−アルドリッチジャパン株式会社製)及びDHAエチルエステル(商品名:DHA−90E、日本化学飼料株式会社製)を用いて、DHAエチルエステル含量が約50質量%、トリカプリリン含量が約50質量%となるように混合したもの1000g、及びリパ−ゼQLM(名糖産業社製)20gを2000ml反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら50℃で72時間酵素反応を行い、反応物980gを得た。反応後、遠心式分子蒸留装置(日本車両株式会社製)を用いて、前記反応物からオクタン酸エチルエステル、DHAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出し、トリグリセリド含有物350gを得た。
薄膜蒸留では、以下の条件で各成分を取り出した。
(1) 蒸留前半工程:25℃、30Pa;成分(D)150g
(2) 蒸留中盤工程:180℃、1Pa;成分(E)270g
(3) 蒸留後半工程:230℃、1Pa;成分(F)200g
各成分(D)〜(F)をGLCで分析したところ、以下の結果になった。
(D)オクタン酸エチルエステル含量;99質量%
(E)DHAエチルエステル含量;93質量%
(F)トリカプリリン含量;98質量%
<第二反応>
上記トリグリセリド含有物350g、実施例1で得られた取り出し成分(A)、(A’)、及びオクタン酸エチルエステル(商品名:オクタン酸エチル、井上香料株式会社製)の混合物1750g、及びsn−1,3位特異性リパ−ゼ(商品名:リポザイムTL、ノボ社製)40gを5000ml反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら50℃で72時間酵素反応を行い、反応物2000gを得た。反応後、遠心式分子蒸留装置(日本車両株式会社製)を用いて、前記反応物からオクタン酸エチルエステル、DHAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出し、トリグリセリド含有物130gを得た。
薄膜蒸留では、以下の条件で各成分を取り出した。
(4) 蒸留前半工程:25℃、30Pa;成分(D’)1500g
(5) 蒸留中盤工程:180℃、1Pa;成分(E’)120g
(6) 蒸留後半工程:230℃、1Pa;成分(F’)100g
各成分(D’)〜(F’)をGLCで分析したところ、以下の結果になった。
(D’)オクタン酸エチルエステル含量;99質量%
(E’)DHAエチルエステル含量;90質量%
(F’)トリカプリリン含量;99質量%
また、第二反応後オクタン酸エチルエステル、DHAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出したトリグリセリド含有物をGLC及びHPLCで分析すると、sn−1,3位がオクタン酸、sn−2位がDHAである対称型トリグリセリドの含量は91質量%であった。
[実施例3]
sn−1,3位がオクタン酸、sn−2位がEPAの対称型トリグリセリドの製造
<第一反応>
トリカプリリン(商品名:トリカプリリン、シグマ−アルドリッチジャパン株式会社製)500g、EPAエチルエステル(商品名:EPA−90E、日本化学飼料株式会社製)500g、リパ−ゼQLM(名糖産業社製)20gを2000ml反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら50℃で72時間酵素反応を行い、反応物980gを得た。反応後、遠心式分子蒸留装置(日本車両株式会社製)を用いて、前記反応物からオクタン酸エチルエステル、EPAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出し、トリグリセリド含有物350gを得た。
薄膜蒸留では、以下の条件で各成分を取り出した。
(1) 蒸留前半工程:25℃、30Pa;成分(G)150g
(2) 蒸留中盤工程:180℃、1Pa;成分(H)260g
(3) 蒸留後半工程;230℃、1Pa;成分(I)200g
各成分(G)〜(I)をGLCで分析したところ、以下の結果になった。
(G)オクタン酸エチルエステル含量;99質量%
(H)EPAエチルエステル含量;93質量%
(I)トリカプリリン含量;98質量%
<第二反応>
上記トリグリセリド含有物340g、オクタン酸エチルエステル(商品名:オクタン酸エチル、井上香料株式会社製)1750g、及びsn−1,3位特異性リパ−ゼ(商品名:リポザイムTL、ノボ社製)40gを5000ml反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら50℃で72時間酵素反応を行い、反応物2000gを得た。反応後、遠心式分子蒸留装置(日本車両株式会社製)を用いて、前記反応物からオクタン酸エチルエステル、EPAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出し、トリグリセリド含有物120gを得た。
薄膜蒸留では、以下の条件で各成分を取り出した。
(4) 蒸留前半工程:25℃、30Pa;成分(G’)1600g
(5) 蒸留中盤工程:180℃、1Pa;成分(H’)110g
(6) 蒸留後半工程:230℃、1Pa;成分(I’)100g
次に、各成分(G’)〜(I’)をGLCで分析したところ、以下の結果になった。
(G’)オクタン酸エチルエステル含量;99質量%
(H’)EPAエチルエステル含量;90質量%
(I’)トリカプリリン含量;99質量%
また、第二反応後、オクタン酸エチルエステル、EPAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出したトリグリセリド含有物をGLC及びHPLCで分析すると、sn−1,3位がオクタン酸、sn−2位がEPAである対称型トリグリセリドの含量は93質量%であった。
[実施例4]
取り出したオクタン酸エチルエステル、EPAエチルエステル、及びトリカプリリンを反応原料に用いることによるsn−1,3位がオクタン酸、sn−2位がEPAの対称型トリグリセリドの製造
<第一反応>
実施例3で得られた取り出し成分(H)、(I)、(H’)、(I’)、トリカプリリン(商品名:トリカプリリン、シグマ−アルドリッチジャパン株式会社製)及びEPAエチルエステル(商品名:EPA−90E、日本化学飼料株式会社製)をトリカプリリン含量が約50質量%、EPAエチルエステル含量が約50質量%となるように混合したもの1000g、及びリパ−ゼQLM(名糖産業社製)20gを2000ml反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら50℃で72時間酵素反応を行い、反応物980gを得た。反応後、遠心式分子蒸留装置(日本車両株式会社製)を用いて、前記反応物からオクタン酸エチルエステル、EPAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出し、トリグリセリド含有物350gを得た。
薄膜蒸留では、以下の条件で各成分を取り出した。
(1) 蒸留前半工程;25℃、30Pa;成分(J)150g
(2) 蒸留中盤工程;180℃、1Pa;成分(K)260g
(3) 蒸留後半工程;230℃、1Pa;成分(L)200g
次に、各成分(J)〜(L)をGLCで分析したところ、以下の結果となった。
(J)オクタン酸エチルエステル含量;99質量%
(K)EPAエチルエステル含量;93質量%
(L)トリカプリリン含量;98質量%
<第二反応>
上記トリグリセリド含有物340g、実施例3で得られた取り出し成分(G)、(G’)、及びオクタン酸エチルエステル(商品名:オクタン酸エチル、井上香料株式会社製)の混合物1750g、及びsn−1,3位特異性リパ−ゼ(商品名:リポザイムTL、ノボ社製)200gを5000ml反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら50℃で72時間酵素反応を行い、反応物2000gを得た。反応後、遠心式分子蒸留装置(日本車両株式会社製)を用いて、反応物からオクタン酸エチルエステル、EPAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出し、トリグリセリド含有物120gを得た。
薄膜蒸留では、以下の条件で各成分を取り出した。
(4) 蒸留前半工程;25℃、30Pa;成分(J’)1500g
(5) 蒸留中盤工程;180℃、1Pa;成分(K’)120g
(6) 蒸留後半工程;230℃、1Pa;成分(L’)100g
次に、各成分(J’)〜(L’)をGLCで分析したところ、以下の結果となった。
(J’)オクタン酸エチルエステル含量;99質量%
(K’)EPAエチルエステル含量;90質量%
(L’)トリカプリリン含量;99質量%
また、第二反応後、オクタン酸エチルエステル、EPAエチルエステル、及びトリカプリリンをそれぞれ取り出したトリグリセリド含有物をGLC及びHPLCで分析すると、sn−1,3位がオクタン酸、sn−2位がEPAである対称型トリグリセリドの含量は91質量%であった。
[実施例5]
sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が炭素数18の不飽和脂肪酸である対称型トリグリセリドの製造
<第一反応>
ハイオレイックひまわり油(商品名:オレインリッチ、昭和産業(株)製)700gと中鎖脂肪酸トリグリセリド(商品名:ODO、日清オイリオ(株)製)300gにリパ−ゼQLM(名糖産業社製)10gを2000ml反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら50℃で17時間酵素反応を行い、濾過処理することにより残存酵素を除去し、反応物980gを得た。
<第二反応>
前記反応物980gに、オクタン酸エチルエステル(商品名:オクタン酸エチル、井上香料株式会社製)3675g、デカン酸エチル(商品名:n−カプリックアシッドエチルエステル、東京化成(株)製)1225g及びリポザイムTL(ノボ社製)120gを101反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら40℃で26時間酵素反応を行い、反応物5600gを得た。反応後、遠心式分子蒸留装置(日本車両株式会社製)を用いて、前記反応物からオクタン酸エチルエステル、デカン酸エチル、オレイン酸エチルエステル、中鎖脂肪酸トリグリセリドをそれぞれ取り出し、トリグリセリド含有物300gを得た。
薄膜蒸留では、以下の条件で各成分を取り出した。
(1)蒸留前半工程;25℃、30Pa;成分(M)4600g
(2)蒸留中盤工程;150℃、1Pa;成分(N)370g
(3) 蒸留後半工程;200℃、1Pa;成分(O)160g
次に、各成分(M)〜(O)をGLCで分析したところ、以下の結果となった。
(M)オクタン酸エチルエステル含量;75質量%
デカン酸エチル含量;25質量%
(N)オレイン酸エチルエステル含量;93質量%
(O)中鎖脂肪酸トリグリセリド含量;70質量%
(構成脂肪酸:オクタン酸;75質量%、デカン酸;25質量%)
また、第二反応後、オクタン酸エチルエステル、デカン酸エチル、オレイン酸エチルエステル、中鎖脂肪酸トリグリセリドをそれぞれ取り出したトリグリセリド含有物をGLC及びHPLCで確認したところ、sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位がオレイン酸である対称型トリグリセリドの含量は95質量%であった。なお、構成脂肪酸組成は、オクタン酸50質量%、デカン酸17質量%、オレイン酸33質量%であった。
[実施例6]
sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が炭素数18の不飽和脂肪酸である対称型トリグリセリドの製造
<第一反応>
ハイオレイックひまわり油(商品名:オレインリッチ、昭和産業(株)製)700gと中鎖脂肪酸トリグリセリド(商品名:ODO、日清オイリオ(株)製)300gにナトリウムメチラ−ト(商品名:ナトリウムメトキシド、和光純薬工業株式会社製)10gを2000ml反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら50℃で2時間反応を行い、水洗することにより残存ナトリウムメチラ−トを除去し、反応物970gを得た。
<第二反応>
前記反応物970gに、オクタン酸エチルエステル(商品名:オクタン酸エチル、井上香料株式会社製)3675g、デカン酸エチル(商品名:n−カプリックアシッドエチルエステル、東京化成(株)製)1225g及びリポザイムTL(ノボ社製)120gを101反応フラスコに加えて、プロペラ攪拌を行いながら40℃で26時間酵素反応を行い、反応物5600gを得た。反応後、遠心式分子蒸留装置(日本車両社製)を用いて、前記反応物からオクタン酸エチルエステル、デカン酸エチル、オレイン酸エチルエステル、中鎖脂肪酸トリグリセリドをそれぞれ取り出し、トリグリセリド含有物300gを得た。
薄膜蒸留では、以下の条件で各成分を取り出した。
(1)蒸留前半工程;25℃、30Pa;成分(P)4600g
(2) 蒸留中盤工程;150℃、1Pa;成分(Q)370g
(3) 蒸留後半工程;200℃、1Pa;成分(R)160g
次に、各成分(P)〜(R)をGLCで分析したところ、以下の結果となった。
(P)オクタン酸エチルエステル含量;75質量%
デカン酸エチル含量;25質量%
(Q)オレイン酸エチルエステル含量;93質量%
(R)中鎖脂肪酸トリグリセリド含量;70質量%
(構成脂肪酸:オクタン酸;75質量%、デカン酸;25質量%)
また、第二反応後、オクタン酸エチルエステル、デカン酸エチル、オレイン酸エチルエステル、中鎖脂肪酸トリグリセリドをそれぞれ取り出したトリグリセリド含有物をGLC及びHPLCで確認したところ、sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位がオレイン酸である対称型トリグリセリドの含量は95質量%であった。なお、構成脂肪酸組成は、オクタン酸50質量%、デカン酸17質量%、オレイン酸33質量%であった。
このようにして得られた対称型トリグリセリド300gを耐圧反応タンクに入れ、Ni触媒900mg加え、水素圧0.3MPaにして、180℃に加温し、5時間撹拌後、触媒を除去し、生成物300gを得る。この生成物をGLC及びHPLCで分析を行うと、sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位がステアリン酸である対称型トリグリセリドの含量は95質量%であり、構成脂肪酸は、オクタン酸50質量%、デカン酸17質量%、ステアリン酸33質量%である。
[実施例7]
第二反応で用いるリポザイムTL(ノボ社製)120gの代わりに、
Rhizomucor miehei由来の酵素粉末12gを用いて、実施例5及び6を行ったところ、同様の結果が得られた。
以上説明したように、本発明の対称型(MLM型)トリグリセリドの製造方法は、高純度のMLM型トリグリセリドが製造できる。また、目的とする対称型トリグリセリド以外の副生物、すなわち中鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル、長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを反応原料として有効に再利用することで廃棄物量を減少させ、工業的に効率良く、高純度のMLM型トリグリセリドが製造できる。

Claims (17)

  1. 第一反応において、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸トリグリセリドとを、酵素又は化学触媒を用いてランダムエステル交換反応して中鎖脂肪酸及び長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドを含有する反応物を得て、第二反応として、該反応物と中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルとを、sn−1,3位特異性酵素を用いてエステル交換反応し、次いで第二反応で得られた反応物から中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを取り出し、sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリドを得ることを特徴とする対称型トリグリセリドの製造方法。
  2. 第一反応後に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを取り出す請求項1記載の製造方法。
  3. 第二反応で得られた反応物から中鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを取り出し、第一及び/又は第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸トリグリセリドを第一反応の原料として再利用し、第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを第二反応の原料として再利用する請求項2記載の製造方法。
  4. 第一反応において、中鎖脂肪酸トリグリセリドと長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルとを、酵素又は化学触媒を用いてランダムエステル交換反応して、中鎖脂肪酸及び長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドを含有する反応物を得、該反応物から中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル、長鎖脂肪酸のアルコールモノエステル及び中鎖脂肪酸トリグリセリドを取り出したトリグリセリド含有物を得、第二反応として、該トリグリセリド含有物と中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルとを、sn−1,3位特異性酵素を用いてエステル交換反応し、次いで第二反応で得られた反応物から中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを取り出し、sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリドを得ることを特徴とする対称型トリグリセリドの製造方法。
  5. 第二反応後に、中鎖脂肪酸トリグリセリドを取り出す請求項1又は4記載の製造方法。
  6. 第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸トリグリセリドを、第一反応の原料として再利用する請求項1又は4記載の製造方法。
  7. 第二反応後に取り出した長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを、第一反応の原料として再利用する請求項4〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  8. 第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを、(第二反応の原料として再利用する請求項1、4〜7のいずれか1項記載の製造方法。
  9. 第一反応後に取り出した中鎖脂肪酸トリグリセリドを、第一反応の原料として再利用する請求項1、4〜8のいずれか1項記載の製造方法。
  10. 第一反応後に取り出した長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを、第一反応の原料として再利用する請求項4〜9のいずれか1項記載の製造方法。
  11. 第一反応後に取り出した中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを、第二反応の原料として再利用する請求項4〜10のいずれか1項記載の製造方法。
  12. 第一反応後及び/又は第二反応後に取り出した長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び中鎖脂肪酸トリグリセリドを第一反応の原料として再利用し、第一反応後及び/又は第二反応後に取り出した中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステルを第二反応の原料として再利用する請求項4記載の製造方法。
  13. 第一反応において、(a)中鎖脂肪酸トリグリセリドと、(b)長鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル、及び長鎖脂肪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を、酵素又は化学触媒を用いてランダムエステル交換反応して、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸を構成脂肪酸とする第1のトリグリセリドを含有する反応物を得、第二反応として、該反応物中の第1のトリグリセリドと、(c)中鎖脂肪酸のアルコ−ルモノエステル及び中鎖脂肪酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を、sn−1,3位特異性酵素を用いてエステル交換反応して、sn−1,3位が中鎖脂肪酸、sn−2位が長鎖脂肪酸である対称型トリグリセリドを得ることを特徴とする対称型トリグリセリドの製造方法。
  14. 前記長鎖脂肪酸が、長鎖不飽和脂肪酸である請求項1〜13のいずれか1項記載の製造方法。
  15. 前記長鎖不飽和脂肪酸が、炭素数18の脂肪酸、EPAエイコサペンタエン酸)、及びDHA(ドコサヘキサエン酸)からなる群から選ばれる1種又は2種以上の脂肪酸である請求項14記載の製造方法。
  16. 第一反応及び/又は第二反応に用いる酵素が、粉末状であり、90質量%以上が1〜100μmの粒子径であるリパ−ゼであって、酵素反応を無溶剤かつ無水系で行う請求項1〜15のいずれか1項記載の製造方法。
  17. 第一反応及び/又は第二反応の酵素反応を、粉末状リパーゼをろ過助剤とともにろ過機内に封入し、該ろ過機へ反応原料を通液する方法により行う請求項16記載の製造方法。
JP2005511502A 2003-07-09 2004-06-24 対称型トリグリセリドの製造方法 Expired - Lifetime JP4290162B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003194322 2003-07-09
JP2003194322 2003-07-09
PCT/JP2004/009307 WO2005005586A1 (ja) 2003-07-09 2004-06-24 対称型トリグリセリドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005005586A1 JPWO2005005586A1 (ja) 2006-08-24
JP4290162B2 true JP4290162B2 (ja) 2009-07-01

Family

ID=34055660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005511502A Expired - Lifetime JP4290162B2 (ja) 2003-07-09 2004-06-24 対称型トリグリセリドの製造方法

Country Status (13)

Country Link
US (1) US7442531B2 (ja)
EP (1) EP1642959B1 (ja)
JP (1) JP4290162B2 (ja)
KR (1) KR101011161B1 (ja)
CN (1) CN1816614B (ja)
AT (1) ATE468384T1 (ja)
CA (1) CA2530123C (ja)
DE (1) DE602004027250D1 (ja)
HK (1) HK1092834A1 (ja)
MY (1) MY143864A (ja)
NO (1) NO20060633L (ja)
TW (1) TWI318237B (ja)
WO (1) WO2005005586A1 (ja)

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004019472A1 (de) * 2004-04-22 2005-11-17 Bayer Healthcare Ag Phenylacetamide
MY142954A (en) 2005-05-13 2011-01-31 Nisshin Oillio Group Ltd Intermolecular compounds of fatty acid triglycerides
AU2007276093A1 (en) * 2006-07-19 2008-01-24 The Nisshin Oillio Group, Ltd. A process for preparing a hard butter suitable for chocolate products
MY148943A (en) 2006-08-28 2013-06-14 Univ Putra Malaysia Production of acylglycerol esters
KR100684642B1 (ko) * 2006-09-14 2007-02-22 주식회사 일신웰스 어유 유래 글리세라이드 유지 조성물 및 이의 제조방법
UA97127C2 (uk) * 2006-12-06 2012-01-10 Бандж Ойлз, Инк. Спосіб безперервної ферментативної обробки композиції, що містить ліпід, та система для його здійснення
US20090004715A1 (en) 2007-06-01 2009-01-01 Solazyme, Inc. Glycerol Feedstock Utilization for Oil-Based Fuel Manufacturing
CN101485364B (zh) * 2009-02-11 2013-05-01 罗盖特生物营养品(武汉)有限公司 酶法酯交换生产含二十二碳六烯酸的食用油脂的方法
CA2801057C (en) 2010-05-28 2019-06-18 Solazyme, Inc. Tailored oils produced from recombinant heterotrophic microorganisms
CA3024641A1 (en) 2010-11-03 2012-05-10 Corbion Biotech, Inc. Microbial oils with lowered pour points, dielectric fluids produced therefrom, and related methods
CN101979625B (zh) * 2010-11-03 2013-07-17 江南大学 一种酶法催化酯交换合成中/长链结构甘油三酯的方法
MX351063B (es) 2011-02-02 2017-09-29 Terravia Holdings Inc Aceites adaptados producidos a partir de microorganismos oleaginosos recombinantes.
ES2744868T3 (es) 2012-04-18 2020-02-26 Corbion Biotech Inc Aceites hechos a medida
EP3052636A2 (en) 2013-10-04 2016-08-10 Solazyme, Inc. Tailored oils
CN104543045A (zh) * 2013-10-12 2015-04-29 中粮营养健康研究院有限公司 一种油脂组合物、其制备方法及其用途
US11718577B2 (en) 2013-12-18 2023-08-08 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Lipid compositions comprising triacylglycerol with long-chain polyunsaturated fatty acids
SG11201604871VA (en) * 2013-12-18 2016-07-28 Commw Scient Ind Res Org Lipid comprising long chain polyunsaturated fatty acids
CN103897811A (zh) * 2014-04-02 2014-07-02 河北康睿达脂质有限公司 一种中长链脂肪酸油脂的生产方法
ES2764273T3 (es) 2014-07-10 2020-06-02 Corbion Biotech Inc Nuevos genes de cetoacil ACP sintasa y uso de los mismos
CN106536696B (zh) * 2014-07-22 2023-12-29 日清奥利友集团株式会社 粉末油脂组合物、包含粉末油脂组合物的食品及它们的制造方法
CN105638927B (zh) * 2014-11-13 2020-11-10 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 油脂组合物以及油脂组合物的制备方法
WO2017051910A1 (ja) 2015-09-24 2017-03-30 日清オイリオグループ株式会社 粉末油脂組成物及びその製造方法
EP3356539A1 (en) * 2015-09-28 2018-08-08 Corbion Biotech, Inc. Triglyceride oils having asymmetric triglyceride molecules
JP6208921B1 (ja) 2016-01-21 2017-10-04 日清オイリオグループ株式会社 液状成分の増粘剤
JP6178950B1 (ja) 2016-01-21 2017-08-09 日清オイリオグループ株式会社 液状成分の増粘剤
JP6649094B2 (ja) * 2016-01-21 2020-02-19 日清オイリオグループ株式会社 調味料用粉末油脂組成物
US11241020B2 (en) 2016-01-21 2022-02-08 The Nisshin Oillio Group, Ltd. Powderizing agent for liquid component
EP3406695A4 (en) 2016-01-21 2019-09-11 The Nisshin OilliO Group, Ltd. POWDER TRANSFORMATION AGENT FOR LIQUID COMPONENT
CN107549332A (zh) * 2017-09-11 2018-01-09 江南大学 增强婴儿长链多不饱和脂肪酸生物利用率的方法及其产品
CN111893143B (zh) * 2020-07-23 2021-10-26 广州福汇食品科技有限公司 一种可定制sn-2位脂肪酸的油脂的制备方法及其应用
CN116458645A (zh) * 2023-04-20 2023-07-21 重庆第二师范学院 Sn-2长链多不饱和脂肪酸结构脂及其制备方法和应用

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5571797A (en) * 1978-11-21 1980-05-30 Fuji Oil Co Ltd Manufacture of cacao butter substitute fat
US4364868A (en) * 1980-02-07 1982-12-21 Lever Brothers Company Cocoabutter replacement fat compositions
GB2170506B (en) * 1984-12-17 1989-08-23 Unilever Plc Edible fats
JP2749034B2 (ja) * 1986-03-04 1998-05-13 名糖産業株式会社 高分子量リパーゼによる対称型トリグリセリドの製造法
JPH0783718B2 (ja) 1986-05-21 1995-09-13 日清製油株式会社 1,3−ジステアロ−2−オレインの製造法
JPH0789944B2 (ja) * 1986-12-23 1995-10-04 旭電化工業株式会社 製菓用油脂組成物の製法
GB8925352D0 (en) * 1989-11-09 1989-12-28 Unilever Plc Fats
US5149642A (en) * 1990-04-20 1992-09-22 The Procter & Gamble Company Process for preparing 2-acylglycerides or 1,2 or 2,3-diacylglycerides
EP0519561A1 (en) 1991-06-18 1992-12-23 Unilever N.V. Enzymic triglyceride conversion
US5304427A (en) * 1992-07-02 1994-04-19 General Electric Company Composite structure with NBTIA1CRHF alloy matrix and niobium base metal reinforcement
US6369252B1 (en) * 1998-02-26 2002-04-09 The University Of Georgia Research Foundation, Inc. Structured lipids
JPH11243982A (ja) 1998-03-03 1999-09-14 Asahi Denka Kogyo Kk エステル交換油脂の製造方法
JP2000270885A (ja) 1999-03-26 2000-10-03 Nippon Suisan Kaisha Ltd 高度不飽和脂肪酸を含有する構造油脂の製造方法
CN1129365C (zh) * 1999-03-30 2003-12-03 不二制油株式会社 发泡巧克力及其生产方法

Also Published As

Publication number Publication date
HK1092834A1 (en) 2007-02-16
JPWO2005005586A1 (ja) 2006-08-24
CN1816614B (zh) 2010-04-21
EP1642959B1 (en) 2010-05-19
EP1642959A4 (en) 2007-04-18
KR20060027403A (ko) 2006-03-27
TW200504200A (en) 2005-02-01
WO2005005586A1 (ja) 2005-01-20
TWI318237B (en) 2009-12-11
KR101011161B1 (ko) 2011-01-26
ATE468384T1 (de) 2010-06-15
NO20060633L (no) 2006-04-07
CA2530123A1 (en) 2005-01-20
MY143864A (en) 2011-07-15
CN1816614A (zh) 2006-08-09
US20060115882A1 (en) 2006-06-01
CA2530123C (en) 2012-05-01
US7442531B2 (en) 2008-10-28
EP1642959A1 (en) 2006-04-05
DE602004027250D1 (de) 2010-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4290162B2 (ja) 対称型トリグリセリドの製造方法
EP1300470B1 (en) Process for the prodcution of glycerides with lipases
US9476008B2 (en) Process for separating polyunsaturated fatty acids from long chain unsaturated or less saturated fatty acids
US10119098B2 (en) Concentration of fatty acid alkyl esters by enzymatic reactions with glycerol
JP2020513750A (ja) グリセリドの形態におけるn−3脂肪酸の酵素的濃縮
JP4079516B2 (ja) トリグリセリドの製造方法
JP2019214740A (ja) 2位がパルミチン酸に富む油脂組成物の製造方法
JP6645804B2 (ja) 構造油脂の製造方法
EP1749099B1 (en) Process for enzymatic production of triglycerides

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090316

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090331

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4290162

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150410

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term