JP4289692B2 - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクを吐出すべきノズル内に電気熱変換体等のヒータを配設し、このヒータを駆動して熱によりインクを発泡させることによりインクをノズルから吐出させるインクジェット記録方法がある。このようなインクジェット記録方法においては高画質化が求められており、そのために吐出1回あたりのインク量を少なくして小ドットを形成し、細密な記録が望まれている。高画質化のためには、インクの吐出速度を速くすることによってインクの着弾精度や吐出信頼性の向上を図ることが重要である。一方、記録の高速化に関する要求もある。高速化を達成するためには、インク吐出後のメニスカス後退からの復帰を速くすること、すなわちリフィル(インク再充填)周波数を向上させることにより、吐出の繰り返し周波数を高めることが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した通り記録の高画質化を図るために、インクの吐出速度を高めることが考えられるが、通常のインクジェット記録方法では、インク吐出量が少ないと吐出速度が遅く、インク吐出量が多いと吐出速度が速いという傾向がある。そこで、インク吐出速度を速くするためにインク吐出量が増加すると、微細なドット形成ができず、また大きなインク滴が記録紙等の記録媒体に付着する際に跳ねを上げるスプラッター現象を生じるなど、高画質化の妨げとなってしまう。
【0004】
さらに、インク吐出量が多いと、吐出後のノズル内のインクのメニスカス後退量が大きくなり、リフィル周波数が低下してしまう。このように、高画質化を図るインク吐出速度の向上と高速化を図るリフィル周波数向上とは基本的に相反するため、両立が困難であり、効果的な印字の高速化が達成されていない。
【0005】
そこで本発明の目的は、インク吐出速度の向上とリフィル周波数向上とを両立し、効果的に印字の高画質化と高速化とを達成し得るインクジェット記録方法および装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、少ない量のインク滴、つまり小インク滴を高い速度で、かつ高いリフィル周波数で吐出することが可能なインクジェット記録方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、少なくとも2つのヒータが内部に設けられているノズルを用い、前記両ヒータを駆動して前記ノズルよりインクを吐出することにより記録を行なうインクジェット記録方法であって、内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdが増加しかつ吐出速度vが減少する領域Bと、内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdおよび吐出速度vが減少する領域Aと、前記領域Aと領域Bの間に設けられ前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離に対して吐出量Vdがほぼ一定である領域Cとを備え、前記領域Aは、前記領域Bに比べて相対的に前記開口端部から離れた位置にあり、前記少なくとも2つのヒータのうち、一方のヒータを前記領域Aに、他方のヒータを前記領域Bに設け、1画素の記録に際し、前記領域Bに設けられたヒータを駆動し、その後に、前記領域Aに設けられたヒータを駆動し、前記領域Bに設けられたヒータの駆動タイミングと前記領域Aに設けられたヒータの駆動タイミングとの時間間隔を、インク吐出量が実質的に最低となるように調整することにある。
【0008】
また、本発明のもう一つの特徴は、少なくとも2つのヒータが内部に設けられているノズルを用い、前記両ヒータを駆動して前記ノズルよりインクを吐出することにより記録を行なうインクジェット記録方法であって、内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdが増加しかつ吐出速度vが減少する領域Bと、内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdおよび吐出速度vが減少する領域Aと、前記領域Aと前記領域Bの間に設けられ前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離に対して吐出量Vdがほぼ一定である領域Cとを備え、前記領域Aは、前記領域Bに比べて相対的に前記開口端部から離れた位置にあり、前記少なくとも2つのヒータのうち、一方のヒータを前記領域Aに、他方のヒータを前記領域Bに設け、1画素の記録に際し、前記領域Bに設けられたヒータを駆動し、その後に、前記領域Aに設けられたヒータを駆動し、前記領域Bに設けられたヒータの駆動によりインク中に発生した気泡の体積が実質的に最大となるときに、前記領域Aに設けられたヒータの駆動によりインク中に気泡が発生するように、前記領域Bに設けられたヒータの駆動タイミングと前記領域Aに設けられたヒータの駆動タイミングとの時間間隔を調整するところにある。
【0012】
前記領域Bに設けられたヒータが、前記領域Aに設けられたヒータよりも小面積である場合もある。
【0013】
また、前記領域Bに設けられたヒータと、前記領域Aに設けられたヒータの面積が等しい場合もある。
【0014】
前記領域Bに設けられたヒータは、前記領域B内の、当該ヒータ単独によるインク吐出における吐出速度v/吐出量Vdの値が、前記距離の増加に従って減少する領域に設けられていることが好ましい。
【0015】
このような構成とすることによって、インク吐出量を少なくしつつインク吐出速度を速くし、しかもメニスカス後退量を小さくしてリフィル周波数を向上することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1には、本発明の第1の実施形態において用いられるインク吐出用のノズル1が示されている。このノズル1内には、ノズル開口端部1a側に設けられている細幅型の前側ヒータ2と、それよりも後部に位置する太幅型の後側ヒータ3とが配設されている。本実施例のインクジェット記録方法では、印字信号を受けると後述する駆動回路(ヘッドドライバ)により、まず前側ヒータ2が駆動され、その後で後側ヒータ3が駆動される。本実施例では、両ヒータ2、3の駆動タイミングは10〜15μs、好ましくは11〜14μs程度の間隔に設定される。最適には、約12μsの間隔で4μs幅の単一の電圧パルスを印加している。この駆動タイミングについて次に説明する。
【0018】
本願出願人は、両ヒータ2、3の駆動タイミングを変えた場合の、インク吐出速度v、吐出量Vd、リフィル周波数frについて測定を行ない、さらに、また、発泡後の気泡の体積変化を観測し、その結果を図2(a)〜(d)に示している。
【0019】
これによると、先に駆動されるヒータ2に対して後に駆動されるヒータ3の遅延タイミング(間隔)が、10〜15μsの範囲、特に12μsでは、インク吐出量Vdがおおよそ最小値(10pl)に保たれつつ、吐出速度vが比較的大きく(約8m/s)、リフィル周波数frがおおよそ最高値(13.5〜13.8kHz程度)となる。したがって、この範囲内にタイミングを設定することにより、インク量の少ない微細なドット形成を高吐出速度かつ高リフィル周波数で行なえる。
【0020】
これに対し、タイミングが0μsの場合(二つのヒータを同時に駆動する場合)は、吐出速度vが速い(約12m/s)ものの、インク吐出量Vdが大きく(約40pl)、周波数frが非常に低い(約10kHz)。すなわち、吐出後のメニスカスの後退量が大きく再充填に時間がかかり、インク吐出間隔を長くとる必要があり、高速印字は不可能である。また、タイミングが0μsより大きく10μs程度までは、インク吐出量Vdが徐々に少なくなるものの、吐出速度vおよび周波数frが低いのであまり効果的でない。一方、タイミングが15μsを越えると吐出量Vdが急激に大きくなり、周波数frが低くなるので、やはり高速印字は達成されない。
【0021】
なお、前側ヒータ2だけを駆動させた場合は、約10plの吐出量、約6m/sの吐出速度、約10kHzのリフィル周波数で、後側ヒータ3だけを駆動させた場合は、約30plの吐出量、約10m/sの吐出速度、約14kHzのリフィル周波数であった。このことから、約12μsずらして駆動した場合の吐出速度約8m/sは、前側ヒータ2だけを駆動した場合よりも速くなっていることが分かるが、これは後側ヒータ3のサイズが大きめであったためと考えられる。
【0022】
これらの点を考慮すると、タイミングが10〜15μsの範囲で、吐出量Vdを実質的に最低に抑え、かつ高速印字可能であることがわかる。特に、タイミングが11〜14μsの範囲で、この効果が顕著に表れる。
【0023】
図2(d)には、前側ヒータ2を駆動した後、気泡の発生時点以降の気泡の成長と収縮における体積の比が示してある。これによると、気泡の体積が最大となる(Vb/Vbmax=1)のが、やはり前側ヒータ2駆動後およそ10〜15μsの範囲である。この点について以下に考察する。
【0024】
まず、先のヒータ(ここでは、前側ヒータ2)が駆動されて発生した気泡によりインク吐出が行われた後に、気泡の収縮(消泡)に伴い気泡周囲のインクが引き寄せられる。この時、本実施形態のように後のヒータ(ここでは、後側ヒータ3)の駆動により気泡が発生すると、先の気泡の収縮・消泡が後の気泡の発生・成長によって相殺される。すなわち先の気泡の収縮と同期して後の気泡が成長することによって、ある期間に関しては気泡の総体積は一定に保たれ、その間インクの流動はほとんど生じない。したがってインクがノズル内部に引き込まれるメニスカス後退は小さくなる。
【0025】
本発明の駆動方式の作用は、リフィル周波数を後駆動ヒータのみを駆動したときのリフィル周波数に調整することとも言うことができる。上述の通り、本方式では後駆動ヒータによるメニスカスがリフィル周波数を支配しているからと考えられるからである。
【0026】
特に、前側ヒータ2を先に駆動し、後側ヒータを後で駆動すると、前側ヒータ2の前方のイナータンス(流路抵抗)が小さく、後方のイナータンスが大きいため、前側ヒータ2駆動時には速い吐出速度でインク滴が吐出され、後方へのインク逆流は生じにくい。また、後側ヒータ3の前方のイナータンスが大きく、後方のイナータンスが小さいため、後側ヒータ3の駆動による気泡が収縮・消泡する際には、前方のインクを引き寄せるよりも後方のインクを引き寄せる方が大きい。したがって、前方のインクを引き寄せることにより生じるメニスカスの後退は小さく抑えられ、後方のインクを引き寄せることによるリフィル(インク再充填)の効率が向上する。これによって、前側のヒータ2のみを用いてインク吐出を行なう場合と比較しても、リフィル周波数が向上し高速印字可能になる。なお、逆に、後方の気泡の発生・成長の影響は前方の気泡の縮小・消泡によって吸収されるため、後側ヒータ3の駆動時にインク滴がノズル開口端部から外部へ吐出することはない。
【0027】
本発明では、このような原理に基づいて高速印字を達成しているため、前側の気泡の収縮・消泡と後側の気泡の発生・成長とが同調している必要がある。そのためには、先に発生した気泡が実質的に最大体積となり後は収縮するだけという状態で、後のヒータを加熱して気泡を発生するというタイミングとすることが望ましい。こうして、両ヒータをタイミングをずらして駆動することにより、インク吐出量を少なく保ちながらリフィル周波数を向上させ高画質・高速印字が可能になる。
【0028】
なお、図3にはノズルの他の実施形態が示してあり、このノズル11には、前後に並列された小型の前側ヒータ12および大型の後側ヒータ13が配置されている。この場合は、図1の場合とほぼ同様な結果となる。また、図4にはノズルのさらに他の実施形態が示してあり、このノズル21には、同形状の前側ヒータ22および後側ヒータ23が一部ずらして配置されている。この場合は、図1の場合ほど吐出速度vは大きくは変化しない。
【0029】
また、駆動パルスは上述のシングル(単一)パルスだけでなく、ダブルパルスであってもよく、その複合であってもよい。
【0030】
図1、図3、図4に示すそれぞれのヒータは独立に駆動でき、同一の駆動電圧が印加できるように、その発泡開始電圧をそろえるのが好ましい。そのため、それぞれのヒータの長さは、ほぼ同一にしている。
【0031】
ヒータのサイズは、前側(吐出口に近い側)の方を後側(吐出口から遠い側)に対して小さくしておくか、ほぼ同一が好ましい。
【0032】
図5は、1つのヒータを単独で駆動した場合についての、ヒータの吐出口からの距離OHに対する、インクの吐出量Vdおよび吐出速度vの関係を、吐出口面積Soと距離OHとの積とともに示すグラフである。
【0033】
図5では、特異点a,bを規定し、距離OHを、a以上の領域A、b以下の領域B、およびaとbとの間となる領域Cの3つの領域に分割している。各領域の特有の傾向として、領域Aでは距離OHの増加にしたがって吐出速度vと吐出量Vdとがほぼ比例関係にあり、v/Vdがほぼ一定となることが挙げられる。また、領域Bでは吐出量Vdが吐出口面積Soと距離OHの積にほぼ比例し、吐出速度vが反比例するので、v/Vdが距離OHの増加にしたがって減少する。領域Cでは吐出量Vdがほぼ一定であることが挙げられる。以上のことから、例えば吐出量Vdに着目して1つの流路内に2つのヒータを配置する場合、吐出量Vdがほぼ同じになるように、前側のヒータを領域Bに配置し、後側のヒータを領域Aに配置するのが好ましい。
【0034】
また、上記の各領域A〜Cは吐出量Vd、吐出速度vのそれぞれに着目して考えると、以下のように定義することもできる。
〈吐出量Vdから見た場合〉
領域A:吐出量Vdが距離OHの増大に伴って減少する区間
領域B:吐出量Vdが距離OHにほぼ比例して増加する区間
領域C:吐出量Vdが距離OHに対してほぼ一定となる区間
〈吐出速度vから見た場合〉
全ての区間にわたって距離OHの増加に伴って吐出速度vは低下するが特に領域Cではその変化量は緩やかなものとなる。
【0035】
ヒータの位置は、前側ヒータが領域Bにあることが好ましい。これにより、より小さい液滴をより速い吐出速度で吐出することが可能となる。
【0036】
【実施例】
本実施例では、印字信号を受けると図示しない駆動回路により、まず前側ヒータ2が駆動され、その後12μs経過してから後側ヒータ3が駆動される。図6に、本実施例の時間経過に伴うノズル1内のインクおよび気泡の様子が模式的に示されている。この図6には、前側ヒータ2の駆動開始時からの経過時間が記してある。図7には、前側ヒータ2の駆動パルスAと後側ヒータ3の駆動パルスBとが示してある。
【0037】
まず、前側ヒータ2が駆動されると、熱によりインクが沸騰し気泡4aが発生する(図6(a)参照)。この気泡4aの発生時の圧力によってインク滴5の吐出が始まり(図6(b)参照)、気泡も成長していく。
【0038】
図6には示されていないが、気泡4aが実質的に最大体積に保たれているタイミング12μsの時点で、後側ヒータ3が駆動される。その後、前側ヒータ2による気泡の成長が修まり、気泡4aが収縮を開始すると同時に後側ヒータ3の加熱により生成された気泡4bが増大する(図6(c)参照)。この時、ノズル1から吐出中であるインク滴5は後退することなく前方へ向かって進む。気泡4aは収縮を開始しており周囲のインクを引き込もうとする力が作用するが、気泡4bの発生圧力によってその周囲のインクを外側へ押し出すような力が作用して、両者が相殺される。すなわち、両気泡4a、4bの間隙のごく限られた空間内のみではインクの移動があっても、前側ヒータ2の前方および後側ヒータ3の後方のインクにはあまり影響を及ぼすことなくあまり変動が生じない。この時点ではメニスカスの後退はほとんどない。図6(d)に示すように、気泡4aがほとんど消泡し気泡4bがほとんど最大体積となった状態でも同様である。
【0039】
それから、図6(e)、(f)に示すように、気泡4aが消泡した後、気泡4bが縮小・消泡して周囲のインクを引き込むように作用するが、前記した通り、後側ヒータ3の前方のイナータンスが後側ヒータ3の後方のイナータンスよりも大きいため、気泡4bの収縮・消泡によるインク吸引力はノズル前方部よりもノズル後方部に作用する。つまり、気泡4bの収縮・消泡によるインク吸引力は、メニスカスの後退よりも、むしろリフィル(インク再充填)の促進効果をもたらす。このように、本実施例によるとリフィル周波数が向上し、高速印字可能になる。また、後側ヒータ3前後のイナータンスが前記した関係にあるので、後側ヒータ3による発泡はノズル開口端部からのインク吐出に直接にはあまり寄与しない。
【0040】
図8は、本発明のインクジェット記録装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0041】
このインクジェット記録装置は、記録ヘッドとインクタンクとが一体となったヘッドカートリッジ271を着脱自在に搭載するキャリッジ270を有し、このキャリッジ270の往復走査と、これに直交する方向への被記録媒体の所定ピッチでの搬送を交互に繰り返しながら、記録ヘッドからインクを吐出し、被記録媒体に記録を行なうものである。記録ヘッドは、先に示したような、1つのインク流路に対して2つのヒータを有するものである。また、記録ヘッドのインク流路は、360dpiの密度で配列されている。
【0042】
図8において、主制御部をなすコントローラ200は、マイクロコンピュータ形態のCPU201と、その手順に対応したプログラムやテーブル、ヒートパルスの電圧値、パルス幅、その他の固定データを格納したROM203と、画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM205とを有する。このコントローラ200で、同じ流路内の2つのヒータを駆動する場合に、記録ヘッドのヒータの駆動タイミングをずらしたりするといった制御を行なう。
【0043】
210は画像データ等の供給源をなすホスト装置(画像読み取りのためのリーダであってもよい)であり、画像データその他のコマンド、ステータス信号等は、インターフェース(I/F)を介してコントローラ200との間で送受信される。
【0044】
操作パネル102には、後述されるように各種のモードを選択するためのモード選択スイッチ220、電源スイッチ222、記録開始を指令するためのプリントスイッチ224、および吐出回復処理の起動を指示するための回復スイッチ226を有し、操作者による指令入力を受容する部分である。230はホームポジションやスタートポジション等、キャリッジ270の位置を検出するためのキャリッジ位置検出センサ232、およびリリーフスイッチを含むポンプの位置を検出するためのポンプ位置検出センサ234等を備えた、この記録装置の状態を検出するためのセンサ群である。
【0045】
240は、コントローラ200から送られる記録データに応じて記録ヘッドのヒータを駆動するためのヘッドドライバである。また、ヘッドドライバ240の一部は、記録ヘッドの保温制御を行なう温度ヒータ272を駆動することにも用いられる。さらに、記録ヘッドの温度を検出する温度センサ273からの検出値は、コントローラ200に入力される。
【0046】
250は、キャリッジ270を往復走査させるための主走査モータであり、この主走査モータ250はモータドライバ252によって駆動される。260は被記録媒体を搬送するための副走査モータであり、この副走査モータ260はモータドライバ254によって駆動される。
【0047】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、インク吐出量を少なくし、しかも吐出速度を速くリフィル周波数を高くすることができるので、高画質と高速印字とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態において用いられるノズルの概略図である。
【図2】(a)は図1の実施形態におけるヒータ加熱タイミングと吐出速度との関係図、(b)はヒータ加熱タイミングと吐出量との関係図、(c)はヒータ加熱タイミングとリフィル周波数との関係図、(d)は発泡後の経過時間と発泡体積との関係図である。
【図3】本発明の第2の実施形態において用いられるノズルの概略図である。
【図4】本発明の第3の実施形態において用いられるノズルの概略図である。
【図5】ヒータの吐出口からの距離OHに対するインクの吐出量Vdおよび吐出速度vの関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第1の実施例におけるノズル部の様子を示す模式図である。
【図7】本発明の実施例におけるヒータ駆動パルスを示す線図である。
【図8】本発明に適用されるインクジェット記録装置のブロック図である。
【符号の説明】
1、11、21 ノズル
1a、11a、21a ノズル開口端部
2、12、22 前側ヒータ
3、13、23 後側ヒータ
4a、4b 気泡
5 インク滴
102 操作パネル
200 コントローラ
201 CPU
203 ROM
205 RAM
220 モード選択スイッチ
222 電源スイッチ
224 プリントスイッチ
226 回復スイッチ
230 センサ群
232 キャリッジ位置検出センサ
234 ポンプ位置検出センサ
240 ヘッドドライバ
250 主操作モータ
252 モータドライバ
254 モータドライバ
260 副走査モータ
270 キャリッジ
271 ヘッドカートリッジ
272 温度ヒータ
273 温度センサ
Claims (10)
- 少なくとも2つのヒータが内部に設けられているノズルを用い、前記両ヒータを駆動して前記ノズルよりインクを吐出することにより記録を行なうインクジェット記録方法であって、
内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdが増加しかつ吐出速度vが減少する領域Bと、内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdおよび吐出速度vが減少する領域Aと、前記領域Aと前記領域Bの間に設けられ前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離に対して吐出量Vdがほぼ一定である領域Cとを備え、
前記領域Aは、前記領域Bに比べて相対的に前記開口端部から離れた位置にあり、
前記少なくとも2つのヒータのうち、一方のヒータを前記領域Aに、他方のヒータを前記領域Bに設け、
1画素の記録に際し、前記領域Bに設けられたヒータを駆動し、その後に、前記領域Aに設けられたヒータを駆動し、
前記領域Bに設けられたヒータの駆動タイミングと前記領域Aに設けられたヒータの駆動タイミングとの時間間隔を、インク吐出量が実質的に最低となるように調整することを特徴とするインクジェット記録方法。 - 少なくとも2つのヒータが内部に設けられているノズルを用い、前記両ヒータを駆動して前記ノズルよりインクを吐出することにより記録を行なうインクジェット記録方法であって、
内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdが増加しかつ吐出速度vが減少する領域Bと、内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdおよび吐出速度vが減少する領域Aと、前記領域Aと前記領域Bの間に設けられ前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離に対して吐出量Vdがほぼ一定である領域Cとを備え、
前記領域Aは、前記領域Bに比べて相対的に前記開口端部から離れた位置にあり、
前記少なくとも2つのヒータのうち、一方のヒータを前記領域Aに、他方のヒータを前記領域Bに設け、
1画素の記録に際し、前記領域Bに設けられたヒータを駆動し、その後に、前記領域Aに設けられたヒータを駆動し、
前記領域Bに設けられたヒータの駆動によりインク中に発生した気泡の体積が実質的に最大となるときに、前記領域Aに設けられたヒータの駆動によりインク中に気泡が発生するように、前記領域Bに設けられたヒータの駆動タイミングと前記領域Aに設けられたヒータの駆動タイミングとの時間間隔を調整することを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記領域Bに設けられたヒータが、前記領域Aに設けられたヒータよりも小面積であることを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記領域Bに設けられたヒータと、前記領域Aに設けられたヒータの面積が等しいことを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記領域Bに設けられたヒータは、前記領域B内の、当該ヒータ単独によるインク吐出における吐出速度v/吐出量Vdの値が、前記距離の増加に従って減少する領域に設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
- 少なくとも2つのヒータがノズルの内部に設けられており、前記ノズルよりインクを吐出することにより記録を行なうインクジェット記録装置であって、
内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdが増加しかつ吐出速度vが減少する領域Bと、内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdおよび吐出速度vが減少する領域Aと、前記領域Aと前記領域Bの間に設けられ前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離に対して吐出量Vdがほぼ一定である領域Cとを備え、
前記領域Aは、前記領域Bに比べて相対的に前記開口端部から離れた位置にあり、
前記少なくとも2つのヒータのうち、一方のヒータを前記領域Aに、他方のヒータを前記領域Bに設け、
1画素の記録に際し、前記両ヒータを駆動する駆動手段と、
前記駆動手段により、前記領域Bに設けられたヒータを駆動するタイミングと、その後に、前記領域Aに設けられたヒータを駆動するタイミングとの間隔を、インク吐出量が実質的に最低となるように制御する制御手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 少なくとも2つのヒータがノズルの内部に設けられており、前記ノズルよりインクを吐出することにより記録を行なうインクジェット記録装置であって、
内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdが増加しかつ吐出速度vが減少する領域Bと、内部に位置する1つのヒータのみを駆動してインクを吐出した場合に、前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離の増加に従って吐出量Vdおよび吐出速度vが減少する領域Aと、前記領域Aと前記領域Bの間に設けられ前記ノズルの開口端部から該ヒータまでの距離に対して吐出量Vdがほぼ一定である領域Cとを備え、
前記領域Aは、前記領域Bに比べて相対的に前記開口端部から離れた位置にあり、
前記少なくとも2つのヒータのうち、一方のヒータを前記領域Aに、他方のヒータを前記領域Bに設け、
1画素の記録に際し、前記両ヒータを駆動する駆動手段と、
前記駆動手段により、前記領域Bに設けられたヒータを駆動するタイミングと、その後に、前記領域Aに設けられたヒータを駆動するタイミングとの間隔を、前記領域Bに設けられたヒータの駆動によりインク中に発生した気泡の体積が実質的に最大となるときに、前記領域Aに設けられたヒータの駆動によりインク中に気泡が発生するように制御する制御手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記領域Bに設けられたヒータが、前記領域Aに設けられたヒータよりも小面積であることを特徴とする、請求項6または7に記載のインクジェット記録装置。
- 前記領域Bに設けられたヒータと、前記領域Aに設けられたヒータの面積が等しいことを特徴とする、請求項6または7に記載のインクジェット記録装置。
- 前記領域Bに設けられたヒータは、前記領域B内の、当該ヒータ単独によるインク吐出における吐出速度v/吐出量Vdの値が、前記距離の増加に従って減少する領域に設けられていることを特徴とする、請求項6または7に記載のインクジェット記録装置。
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