JP4289465B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
この車両用操舵装置は、ハンドルのハンドル角に対する操向車輪の転舵角への伝達特性を、車両の走行状態に応じて変化させている。
また、目標転舵角と、副操舵角重畳機構の機械的構成から決定される特性とに基づいて、目標副操舵角が算出される。
ロータリーエンコーダは、「0」、「1」の組合せからなる2相のパルス信号を出力し、これらのパルス信号をカウントすることにより角度を算出している。そのため、起動時の絶対角を検出することができない。
そこで、上記特許文献1の従来装置は、絶対角として検出されてメモリに記憶され、かつ装置の停止中には変化しない副操舵角と、伝達特性とに基づいて、起動時のハンドル角および転舵角の絶対角を推定して、制御を開始している。
なお、伝達特性が非線形特性を示すとは、操向車輪の中立位置付近におけるハンドル角の変化に対する転舵角の変化の比率と、操向車輪の中立位置から離れた位置におけるハンドル角の変化に対する転舵角の変化の比率とが異なる場合を示している。
また、この補正量を「0」に向けて変化させることにより、操向車輪の急激な転舵を抑制するとともに、ハンドルの中立位置と操向車輪の中立位置とを一致させている。
しかしながら、上記の補正が終了するまでの間は、車両挙動の左右差が継続するという問題点があった。
また、上記特許文献2に記載の車両用制御装置では、転舵角目標値と検出された転舵角との偏差に相当する補正量を用いて、転舵角目標値を補正している。
しかしながら、転舵角目標値が補正された場合には、操向車輪が、中立位置から補正量に相当する角度分ずれるので、車両挙動の左右差が発生するという問題点があった。
そのため、例えば装置の停止中にハンドルが操舵されて、ハンドルの中立位置が変化した場合であっても、制御開始時から操向車輪の中立位置を保って車両挙動の左右差を抑制することができる。
図1は、この発明の実施の形態1に係る車両用操舵装置を示すブロック構成図である。
図1において、車両用操舵装置は、車両に装着されているハンドル1と、2つの遊星ギア機構21、22を含み、電気的に制御される副操舵角重畳機構2と、ハンドル1および副操舵角重畳機構2によって車両の操向車輪5a、5bを転舵する操舵機構3と、操舵機構3と操向車輪5a、5bとを連結するナックルアーム4a、4bと、操向車輪5a、5bとを備えている。
ハンドル角検出手段6は、ハンドル角検出部14と、ハンドル角補正部15とを含んでいる。また、副操舵角検出手段10は、副操舵角検出部16と、副操舵角補正部17とを含んでいる。
ここで、伝達特性設定手段8と、目標副操舵角算出手段9と、駆動制御手段11と、起動時角度設定手段13と、ハンドル角補正部15と、副操舵角補正部17とは、プログラムを格納した記憶部とCPUとを有するマイクロプロセッサ(図示せず)で構成されている。
第1の遊星ギア機構21は、ハンドル1に連結されたサンギア201と、シャフト210の一端に接続されたキャリア203に回転可能に支持されたプラネタリギア202a、202bと、シャフト210の周りを回転可能に支持されるとともに、ウォームホイール205が設けられたリングギア204とを有している。
駆動部23は、リングギア204を回転させるためのウォームホイール205に噛合するウォームギア211と、ウォームギア211を回転させる電動モータ212とを有している。
伝達特性設定手段8は、ハンドル角θHと操向車輪5a、5bの転舵角θPとの間の伝達特性f(θH)を車両の走行状態に応じて設定する。本実施の形態による伝達特性設定手段8は、車速に応じて選択される複数の非線形特性を含む伝達特性をマップとして記憶している。
副操舵角検出手段10は、副操舵角重畳機構2により重畳される副操舵角θSを検出する。
転舵角検出手段12は、操向車輪5a、5bの転舵角θPを絶対角で検出する。このとき、ピニオンギア301の回転角は、操向車輪5a、5bの転舵角θPと一対一に対応するので、本実施の形態による転舵角検出手段12は、ピニオンギア301の回転角を絶対角で検出し、この回転角を操向車輪5a、5bの転舵角θPとして検出している。
起動時角度設定手段13で設定された起動時ハンドル角θH0は、ハンドル角検出部14に入力され、起動時副操舵角θS0は、副操舵角補正部17に入力される。
ハンドル角補正部15は、副操舵角重畳機構2の制御開始時には、ハンドル角補正量ΔθHの初期値(起動時ハンドル角補正量ΔθH0)を「0」に設定し、制御開始後は、ハンドル角θH、副操舵角θSおよび転舵角θPが、副操舵角重畳機構2の機械的特性を満たすようにハンドル角補正量ΔθHを設定する。
副操舵角補正部17は、起動時副操舵角θS0および副操舵角検出値θSRに基づいて副操舵角補正量ΔθSの初期値(起動時副操舵角補正量ΔθS0)を設定するとともに、副操舵角補正量ΔθSを「0」に向けて漸増あるいは漸減する。
まず始めに、副操舵角重畳機構2において、ウォームギア211を固定した状態で、ハンドル1を回転させた場合について説明する。
サンギア201の回転は、プラネタリギア202a、202bに伝達されるが、このとき、リングギア204が固定されているので、サンギア201の回転は、プラネタリギア202a、202bを支持しているキャリア203の公転運動に変換される。
続いて、シャフト210の回転は、第2遊星ギア機構22のキャリア208に伝達される。キャリア208が回転することにより、プラネタリギア207a、207bは、サンギア206の周囲を公転する。
このとき、第2の遊星ギア機構22は、シャフト210から見て、増速機として動作することになり、ハンドル1の回転は、操舵機構3内のピニオンギア301に機械的に伝達されることになる。
すなわち、図1に示した副操舵角重畳機構2の構成において、ウォームギア211の回転を停止させれば、ハンドル角θHと転舵角θPとが、一対一に対応した通常の操舵系となることが分かる。
ウォームギア211が回転すると、ウォームホイール205を介して、リングギア204が回転する。
シャフト210が回転すると、上述したように、第2の遊星ギア機構22を介して操舵機構3が駆動され、操向車輪5a、5bが転舵される。
ここで、ハンドル1と副操舵角重畳機構2とによって操向車輪5a、5bが転舵される。そのため、副操舵角重畳機構2の機械的特性は、ハンドル1のハンドル角θhと、ウォームギア211の回転角θmと、操向車輪5a、5bの転舵角θpと、ウォームギア211からピニオンギア301への速度比GSとに基づいて、次式(1)で表される。
図2は、図1の車両用操舵装置を用いて可変ギアレシオ機構を構成した際の、ハンドル角θHに対する目標転舵角θPREFを算出するための伝達特性f(θH)を例示する説明図である。また、図3は、図1の車両用操舵装置を用いて可変ギアレシオ機構を構成した際の、ハンドル角θHと目標副操舵角θSREFとの関係を例示する説明図である。
目標副操舵角算出手段9は、ハンドル角θHと伝達特性f(θH)とに基づいて、図2に示す伝達特性にしたがい、目標転舵角θPREFを算出する。目標転舵角θPREFは、次式(3)で表される。
なお、ハンドル角θHと、目標転舵角θPREFと、目標副操舵角θSREFとの間には、上記式(2)から、次式(4)の関係が成立する。
θSREF=θPREF−θH・・・(5)
図4は、図1の車両用操舵装置におけるハンドル角θHと転舵角θPとの間の伝達特性f(θH)と、副操舵角重畳機構2の機械的特性との関係を例示する説明図である。また、図5は、図1の車両用操舵装置におけるハンドル角θHと副操舵角θSとの関係を例示する説明図である。なお、図5に示した副操舵角θSは、図4に示したハンドル角θHおよび転舵角θPに基づいて、上記式(2)から求められた値である。
このとき、ハンドル1が操舵されると、車両用操舵装置が停止状態にあるので、ハンドル角θHおよび転舵角θPは、伝達特性f(θH)ではなく、副操舵角重畳機構2の機械的特性にしたがって変化する。すなわち、図4に示すように、転舵角θPは、伝達特性f(θH)の線上から逸脱して、副操舵角重畳機構2の機械的特性を示す線上の点Bに移動する。
一方、副操舵角θSは、車両用操舵装置が停止状態にあるので変化せず、図5の点Aから移動しない。
起動時転舵角θP0が検出されると、起動時角度設定手段13は、起動時転舵角θP0と伝達特性f(θH)の逆特性とに基づいて、起動時ハンドル角θH0を推定する。すなわち、伝達特性f(θH)の逆特性をf−1(θP)と表すと、起動時ハンドル角θH0は、次式(6)で表される。
また、起動時角度設定手段13は、図5に示すように、推定された起動時ハンドル角θH0と伝達特性f(θH)とに基づいて、上記式(2)から起動時副操舵角θS0を推定する。すなわち、起動時副操舵角θS0は、次式(7)で表される。
副操舵角補正部17は、前述のように、副操舵角検出値θSRに副操舵角補正量ΔθSを加算して、副操舵角θSを出力するものであり、加算される起動時副操舵角補正量ΔθS0は、起動時副操舵角θS0と起動時副操舵角検出値θSR0とに基づいて、次式(8)で表される。
図6において、ハンドル角検出値θHSの0点と、実際のハンドル角(実ハンドル角θHR)の0点とが異なっており、その差は、「θHR0−θH0」となる。
ハンドル角補正部15は、前述のように、ハンドル角検出値θHSにハンドル角補正量ΔθHを加算して、ハンドル角θHを出力する。なお、起動時ハンドル角補正量ΔθH0は「0」なので、ハンドル角補正部15から出力されるハンドル角θHは、起動時角度設定手段13で推定された起動時ハンドル角θH0と等しくなる。
起動時ハンドル角θH0および起動時副操舵角θS0と、起動時転舵角θP0との間には、上記式(2)から、次式(10)の関係が成立する。
目標副操舵角算出手段9は、前述のように、ハンドル角補正部15から出力されるハンドル角θHと、伝達特性設定手段8で設定された伝達特性f(θH)とに基づいて、副操舵角重畳機構2により重畳すべき目標副操舵角θSREFを算出する。
よって、車両用操舵装置が起動した直後には、ハンドル1が自転することがなく、運転者に違和感を与えることがない。
このとき、上記式(14)において、ハンドル角検出値θHSが「0」となり、次式(16)が得られる。
一方、実ハンドル角θHRとハンドル角補正部15から出力されるハンドル角θHとの間には、上記式(14)に示したずれが生じているので、実ハンドル角θHRに対しては、図6に示したように、中立位置がずれた形で制御が実行される。
しかしながら、転舵角θPの中立位置は、式(18)に示したように正しく制御されるので、相対的なハンドル1の操舵に対する車両挙動に左右差が生じることはない。
ハンドル1および操向車輪5a、5bの中立位置を互いに一致させるためには、ハンドル角補正部15から出力されるハンドル角θHと実ハンドル角θHRとを一致させるとともに、副操舵角補正部17から出力される副操舵角θSと副操舵角検出値θSRとを一致させる必要がある。
すなわち、上記式(14)に示したように、ハンドル角補正部15で加算されるハンドル角補正量ΔθHを起動時副操舵角補正量ΔθS0に設定し、副操舵角補正部17で加算される副操舵角補正量ΔθSを「0」に設定すればよい。
以下、ハンドル角補正量ΔθHおよび副操舵角補正量ΔθSを互いに同期させながら変化させる動作について説明する。
そこで、式(20)のハンドル角θHに「0」を代入することにより、次式(22)が得られる。
∴ΔθH=ΔθS0−ΔθS ・・・(24)
そのため、補正量を変化させている途中であっても、相対的なハンドル1の操舵に対する車両挙動に左右差が生じない。
図7において、時刻t1でハンドル角補正量ΔθHおよび副操舵角補正量ΔθSの変化が開始される。副操舵角補正量ΔθSは、起動時副操舵角補正量ΔθS0から「0」に向けて漸増され、ハンドル角補正量ΔθHは、上記式(24)に示した関係を保って変化される。ハンドル角補正量ΔθHおよび副操舵角補正量ΔθSの変化は、時刻t2で終了される。
また、図7においては、運転者に違和感を与えないように、ハンドル角補正量ΔθHおよび副操舵角補正量ΔθSの変化の割合が設定される。
このとき、ハンドル角補正部15から出力されるハンドル角θHは、上記式(20)に「ΔθH=ΔθS0」を代入して、次式(27)で表される。
図8において、ハンドル角補正量ΔθHおよび副操舵角補正量ΔθSの変化が開始された時刻t1では、ハンドル1の中立位置と、操向車輪5a、5bの中立位置とが互いに異なっている。しかしながら、ハンドル角補正量ΔθHおよび副操舵角補正量ΔθSの変化が終了された時刻t2では、ハンドル1の中立位置と、操向車輪5a、5bの中立位置とが互いに一致している。
そのため、装置の停止中にハンドル1が操舵されて、ハンドル1の中立位置が変化した場合であっても、副操舵角重畳機構2の制御開始時から、操向車輪5a、5bの中立位置を保って車両挙動の左右差を抑制することができる。
そのため、ハンドル1の相対的な操舵に対する車両挙動の左右差を生じさせることなく、ハンドル1の中立位置と、操向車輪5a、5bの中立位置とを互いに一致させることができる。
図9は、この発明の実施の形態2に係る車両用操舵装置を示すブロック構成図である。
図9において、車両用操舵装置は、図1に示したハンドル角検出手段6、副操舵角検出手段10、および起動時角度設定手段13に代えて、ハンドル角検出手段6Aと、副操舵角検出手段10Aと、起動時角度設定手段13Aとを備えている。
ハンドル角検出手段6Aは、ハンドル角検出部14Aと、ハンドル角補正部15Aとを含んでいる。また、副操舵角検出手段10Aは、副操舵角検出部16Aと、副操舵角補正部17Aとを含んでいる。
副操舵角検出手段10Aは、副操舵角重畳機構2により重畳される副操舵角θSを検出する。
起動時角度設定手段13Aは、上記実施の形態1と同様に、起動時転舵角θP0と、伝達特性f(θH)とに基づいて、起動時ハンドル角θH0および起動時副操舵角θS0を設定する。なお、起動時角度設定手段13Aで設定された起動時ハンドル角θH0は、ハンドル角検出部14Aに入力され、起動時副操舵角θS0は、副操舵角検出部16Aに入力される。
ハンドル角補正部15Aは、副操舵角重畳機構2の制御開始時には、ハンドル角補正量ΔθHの初期値(起動時ハンドル角補正量ΔθH0)を「0」に設定し、所定ハンドル角θHREFが検出された際に、所定ハンドル角θHREFおよびハンドル角検出値θHRELに基づいて、ハンドル角θHの補正目標角度を設定するとともに、ハンドル角補正量ΔθHを補正目標角度に向けて漸増あるいは漸減する。
副操舵角補正部17Aは、副操舵角重畳機構2の制御開始時には、副操舵角補正量ΔθSの初期値(起動時副操舵角補正量ΔθS0)を「0」に設定し、制御開始後は、ハンドル角θH、副操舵角θSおよび転舵角θPが、副操舵角重畳機構2の機械的特性を満たすように副操舵角補正量ΔθSを設定する。
その他の構成については、前述の実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
なお、実施の形態1と同様の動作については、その説明を省略する。
車両用操舵装置が起動されると、転舵角検出手段12は、起動時転舵角θP0を絶対角で検出する。起動時転舵角θP0が検出されると、起動時角度設定手段13Aは、起動時転舵角θP0と伝達特性f(θH)の逆特性とに基づいて、起動時ハンドル角θH0および起動時副操舵角θS0を推定する。
ここで、起動時ハンドル角補正量ΔθH0が「0」なので、ハンドル角補正部15Aから出力されるハンドル角θHの初期値は、起動時角度設定手段13Aで推定された起動時ハンドル角θH0と等しくなる。
ここで、起動時副操舵角補正量ΔθS0が「0」なので、副操舵角補正部17Aから出力される副操舵角θSの初期値は、起動時角度設定手段13Aで推定された起動時副操舵角θS0と等しくなる。
目標副操舵角算出手段9は、前述のように、ハンドル角補正部15Aから出力されるハンドル角θHと、伝達特性設定手段8で設定された伝達特性f(θH)とに基づいて、副操舵角重畳機構2により重畳すべき目標副操舵角θSREFを算出する。
したがって、副操舵角θSと目標副操舵角θSREFとが一致するので、駆動制御手段11は、副操舵角重畳機構2内の電動モータ212を駆動させない。
よって、車両用操舵装置が起動した直後には、ハンドル1が自転することがなく、運転者に違和感を与えることがない。
このとき、ハンドル角検出部14Aが検出したハンドル角検出値θHRELと所定ハンドル角θHREFとに基づいて、ハンドル1の中立位置のずれ量ΔθHTAG(補正目標角度)は、次式(30)で表される。
ここで、ハンドル角補正部15Aから出力されるハンドル角θH、および副操舵角補正部17Aから出力される副操舵角θSは、上記式(20)および式(21)から、それぞれ次式(32)および式(33)で表される。
θS=θSREL+ΔθS・・・(33)
図10において、時刻t3でハンドル角補正量ΔθHおよび副操舵角補正量ΔθSの変化が開始される。ハンドル角補正量ΔθHは、「0」から中立位置のずれ量ΔθHTAGまで漸増され、副操舵角補正量ΔθSは、上記式(34)に示した関係を保って変化される。ハンドル角補正量ΔθHおよび副操舵角補正量ΔθSの変化は、時刻t4で終了される。
また、図10においては、運転者に違和感を与えないように、ハンドル角補正量ΔθHおよび副操舵角補正量ΔθSの変化の割合が設定される。
そのため、上記実施の形態1と同様に、ハンドル1の相対的な操舵に対する車両挙動の左右差を生じさせることなく、ハンドル1の中立位置と、操向車輪5a、5bの中立位置とを互いに一致させることができる。
この場合も、上記実施の形態1および2と同様の効果を奏することができる。
この場合には、運転者に対する違和感の発生を抑制することができる。
Claims (5)
- 車両に装着されているハンドルと、電気的に制御される副操舵角重畳機構とにより前記車両の操向車輪を転舵する操舵機構を有する車両用操舵装置であって、
前記ハンドルの操舵角をハンドル角として検出するハンドル角検出手段と、
前記副操舵角重畳機構により重畳される副操舵角を検出する副操舵角検出手段と、
前記操向車輪の転舵角を絶対角で検出する転舵角検出手段と、
前記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
前記ハンドル角と前記転舵角との間の伝達特性を前記車両の走行状態に応じて設定する伝達特性設定手段と、
前記ハンドル角および前記伝達特性に基づいて、前記副操舵角重畳機構により重畳すべき目標副操舵角を算出する目標副操舵角算出手段と、
前記副操舵角が前記目標副操舵角と一致するように前記副操舵角重畳機構の駆動を制御する駆動制御手段と、
前記副操舵角重畳機構の制御開始時に、前記転舵角および前記伝達特性に基づいて、前記ハンドル角検出手段により検出される前記ハンドル角の初期値を起動時ハンドル角として設定するとともに、前記副操舵角検出手段により検出される前記副操舵角の初期値を起動時副操舵角として設定する起動時角度設定手段と
を備え、
前記ハンドル角検出手段は、前記起動時ハンドル角に対する前記ハンドルの操舵角をハンドル角検出値として検出するハンドル角検出部と、前記ハンドル角検出値にハンドル角補正量を加算して前記ハンドル角を出力するハンドル角補正部とを含み、
前記副操舵角検出手段は、前記副操舵角重畳機構により重畳される角度を副操舵角検出値として絶対角で検出する副操舵角検出部と、前記副操舵角検出値に副操舵角補正量を加算して前記副操舵角を出力する副操舵角補正部とを含み、
前記副操舵角補正部は、前記起動時副操舵角および前記副操舵角検出値に基づいて前記副操舵角補正量の初期値を設定するとともに、前記副操舵角補正量を零に向けて変化させ、
前記ハンドル角補正部は、前記副操舵角重畳機構の制御開始時には、前記ハンドル角補正量の初期値を零に設定し、制御開始後は、前記ハンドル角、前記副操舵角および前記転舵角が、前記副操舵角重畳機構の機械的特性を満たすように前記ハンドル角補正量を設定することを特徴とする車両用操舵装置。 - 前記副操舵角補正部は、前記副操舵角補正量を零に向けて漸増あるいは漸減することを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
- 車両に装着されているハンドルと、電気的に制御される副操舵角重畳機構とにより前記車両の操向車輪を転舵する操舵機構を有する車両用操舵装置であって、
前記ハンドルの操舵角をハンドル角として検出するハンドル角検出手段と、
前記副操舵角重畳機構により重畳される副操舵角を検出する副操舵角検出手段と、
前記操向車輪の転舵角を絶対角で検出する転舵角検出手段と、
前記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
前記ハンドル角と前記転舵角との間の伝達特性を前記車両の走行状態に応じて設定する伝達特性設定手段と、
前記ハンドル角および前記伝達特性に基づいて、前記副操舵角重畳機構により重畳すべき目標副操舵角を算出する目標副操舵角算出手段と、
前記副操舵角が前記目標副操舵角と一致するように前記副操舵角重畳機構の駆動を制御する駆動制御手段と、
前記副操舵角重畳機構の制御開始時に、前記転舵角および前記伝達特性に基づいて、前記ハンドル角検出手段により検出される前記ハンドル角の初期値を起動時ハンドル角として設定するとともに、前記副操舵角検出手段により検出される前記副操舵角の初期値を起動時副操舵角として設定する起動時角度設定手段と
を備え、
前記ハンドル角検出手段は、前記起動時ハンドル角に対する前記ハンドルの操舵角をハンドル角検出値として検出するとともに、前記ハンドルの操舵角が所定の角度になったことを所定ハンドル角として検出するハンドル角検出部と、前記ハンドル角検出値にハンドル角補正量を加算して前記ハンドル角を出力するハンドル角補正部とを含み、
前記副操舵角検出手段は、前記起動時副操舵角を基準として、前記副操舵角重畳機構により重畳される角度を副操舵角検出値として検出する副操舵角検出部と、前記副操舵角検出値に副操舵角補正量を加算して前記副操舵角を出力する副操舵角補正部とを含み、
前記ハンドル角補正部は、前記副操舵角重畳機構の制御開始時には、前記ハンドル角補正量の初期値を零に設定し、前記所定ハンドル角が検出された際に、前記所定ハンドル角および前記ハンドル角検出値に基づいて前記ハンドル角の補正目標角度を設定するとともに、前記ハンドル角補正量を前記補正目標角度に向けて変化させ、
前記副操舵角補正部は、前記副操舵角重畳機構の制御開始時には、前記副操舵角補正量の初期値を零に設定し、制御開始後は、前記ハンドル角、前記副操舵角および前記転舵角が、前記副操舵角重畳機構の機械的特性を満たすように前記副操舵角補正量を設定することを特徴とする車両用操舵装置。 - 前記ハンドル角補正部は、前記ハンドル角補正量を前記補正目標角度に向けて漸増あるいは漸減することを特徴とする請求項3に記載の車両用操舵装置。
- 前記伝達特性は、非線形特性を含むことを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の車両用操舵装置。
Priority Applications (5)
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