JP4288943B2 - エンジンの自動停止・始動制御装置 - Google Patents

エンジンの自動停止・始動制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの自動停止・始動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トランスミッションの駆動軸側に1つのモータを配置したハイブリッド車両において、モータ走行からエンジン走行への切り替えにあたって、トランスミッションのクラッチを繋いでエンジンを始動すると、該エンジンが抵抗になって駆動力の落ち込みを生ずることが知られている。そこで、モータトルクを増大させて上記駆動力の落ち込みを補償する技術が知られているが、出力の大きなモータが必要になってコスト高になるとともに、モータトルクの応答性の問題から補償トルクのずれを招き、車速変化やトルクショックの原因となる場合がある。
【0003】
これに対して、吸気ポート噴射型のエンジンにおいて、所定気筒を膨張行程途中に位置付けてエンジンを停止させるとともに、該気筒に所定量の燃料を供給した状態にし、エンジンの始動要求時に、上記膨張行程途中にある気筒の燃料に点火してピストンを下降動させ、その後は膨張行程になる気筒に順次燃料を供給して点火することにより、スタータモータを用いることなく、エンジンを始動させることが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、気筒内に燃料を直接噴射する直接噴射型エンジンにおいて、エンジン始動時に膨張行程にある気筒に燃料を噴射し点火プラグを作動させて着火させることにより、スタータモータを用いることなくエンジンを始動することも知られている(特許文献2参照)。また、このような始動システムでは、スタータモータを用いる場合であっても、該モータを小型にすることができることが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−255558号公報
【特許文献2】
特開2002−39038号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、膨張行程にある気筒の燃焼室に供給された燃料を着火させてエンジンを始動させるようにすれば、モータ走行からエンジン走行に切り替わった際の駆動力の落ち込みを避ける上で有利になる。
【0007】
しかし、このようなエンジン始動方式では、着火性向上のために燃料をリッチ気味にする必要があり、そのために、燃料が未燃焼のまま或いは燃焼不充分な状態で排出されて、いわゆる未燃HCが多くなり、エミッションの悪化を招く、という問題がある。また、上記吸気ポート噴射の場合は、吸気ポートや吸気弁に燃料が付着することから、エンジン停止の際の燃料噴射量を多くする必要があるが、この吸気ポートや吸気弁に付着した燃料がエンジン停止中に吸気弁と吸気ポートとの隙間から気筒に入ることがあり、そのために未燃HCの排出量が多くなり易い。
【0008】
これに対して、一般に排気通路には排ガス浄化用の触媒が配置されているが、エンジンを停止させて再始動したときにはその触媒がその活性温度以下に下がっていて、上記未燃HCを浄化することができない場合がある。
【0009】
すなわち、本発明の課題は、膨張行程にある気筒の燃焼室内の燃料を最初に着火させて当該エンジンを始動させるようにしたエンジンの自動停止・始動制御装置において、上述の未燃HCの大気中への排出を防止することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題に対して、排気通路にHC吸着材を配置するようにした。
【0011】
すなわち、請求項1に係る発明は、エンジンの燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁と、
上記エンジンの所定の停止条件が成立したときに該エンジンの運転を停止する停止制御手段と、
上記エンジンの所定の始動条件が成立したときに、上記エンジン停止前に又は当該始動条件成立後に上記燃料噴射弁によって供給された、膨張行程にある気筒の燃焼室の燃料を最初に着火させて当該エンジンを始動させる始動制御手段とを備えているエンジンの自動停止・始動制御装置において、
上記燃焼室から延びる排気通路に、排ガス中のHCを吸着する機能を有し且つ温度の上昇と共に吸着していたHCを放出するHC吸着材が設けられ
上記HC吸着材の温度を検出する温度検出手段と、
上記燃焼室に吸入される空気量を調節する空気量調節弁と、
上記エンジンの停止条件が成立したときにおいて、上記温度検出手段によって検出された上記HC吸着材の温度が所定値よりも低いときは、上記エンジンの停止前に上記吸入空気量が増大するように上記空気量調節弁の作動を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
従って、膨張行程にある気筒の燃焼室内の燃料を着火・燃焼させてエンジンを始動させた際に、該燃焼室から未燃HCが排出されても、該未燃HCがHC吸着材に捕捉され、大気中への排出が防止される。すなわち、上記HC吸着材の温度が低いときは、吸入空気量を増大させることにより、エンジンを冷却して排ガス温度を下げ、それによってエンジンが停止するまでにHC吸着材の温度を更に下げ、エンジン始動時に排出される未燃HCを効率良く吸着できるようにしたものである。
【0013】
上記HC吸着材の温度検出は、温度センサによって直接検出する他、エンジンの運転状態ないしは運転履歴等に基づいて当該温度を推定する場合を含む。この点は以下に述べる発明も同じである。
【0014】
上記膨張行程にある気筒の燃焼室への燃料供給は、吸気ポート噴射の場合はエンジン停止条件成立後エンジン停止前に該当する気筒に対して行ない、直接噴射の場合はエンジン始動条件成立後に該当する気筒に対して行なうようにすればよい。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されているエンジンの自動停止・始動制御装置において、
上記排気通路にHCを酸化分解する触媒が設けられていることを特徴とする。
【0016】
すなわち、上記HC吸着材はその温度が高くなると、排ガス中のHCを吸着することができなくなるが、HC吸着材の温度が高いときは同じく触媒の温度も高くなって活性を呈する状態になっている。従って、排ガス中の未燃HCをHC吸着材では吸着することができなくても、触媒で酸化分解することができ、また、HC吸着材から放出されるHCを触媒で酸化分解することができ、大気中に未燃HCが放出されることを防止することができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載されているエンジンの自動停止・始動制御装置において、
上記HC吸着材のHC吸着量を検出する吸着量検出手段を備え、
上記制御手段は、上記エンジンの停止条件が成立したときにおいて、上記吸着量検出手段によって検出されたHC吸着量が所定値以上のときは、上記HC吸着材の温度に基づく上記空気量調節弁の制御を行なわないことを特徴とする。
【0018】
すなわち、HC吸着材に吸着されているHC量が多くなっているときは、新たに未燃HCが供給されても、これを効率良く吸着することができない。そこで、その場合は、上記HC吸着材の温度に基づく上記空気量調節弁の制御を行なわないようにして、つまり、排ガス温度が低下しないようにして、上記触媒の温度の低下を抑制し、該触媒による未燃HCの浄化を図るようにしたものである。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載されているエンジンの自動停止・始動制御装置において、
上記排気通路から上記エンジンの吸気通路への排ガスの還流量を調節する排ガス還流量調節手段と、
上記エンジンの停止条件が成立したときにおいて、上記温度検出手段によって検出された上記HC吸着材の温度が所定値以上のときは、上記エンジンの停止前に上記排ガス還流量が増大するように上記排ガス還流量調節手段の作動を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0020】
すなわち、上記HC吸着材の温度が高いときは排ガス中のHCを効率良く吸着することができない。そこで、その場合は排ガス還流量を増大させて、高温の排ガスを燃焼室に供給することにより、排ガス温度が低下しないようにして上記触媒の温度の低下を抑制し、該触媒による未燃HCの浄化を図るようにしたものである。
【0021】
請求項5に係る発明は、エンジンの燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁と、
上記エンジンの所定の停止条件が成立したときに該エンジンの運転を停止する停止制御手段と、
上記エンジンの所定の始動条件が成立したときに、上記エンジン停止前に又は当該始動条件成立後に上記燃料噴射弁によって供給された、膨張行程にある気筒の燃焼室の燃料を最初に着火させて当該エンジンを始動させる始動制御手段とを備えているエンジンの自動停止・始動制御装置において、
上記燃焼室から延びる排気通路に、排ガス中のHCを吸着する機能を有し且つ温度の上昇と共に吸着していたHCを放出するHC吸着材が設けられ、
上記HC吸着材の温度を検出する温度検出手段と、
上記エンジンの吸気弁の開閉時期を変化させる弁開閉時期可変機構と、
上記エンジンの停止条件が成立したときにおいて、上記温度検出手段によって検出された上記HC吸着材の温度が所定値よりも低いときは、上記エンジンの停止前に上記エンジンの吸気弁と排気弁とのオーバラップ期間が長くなるように上記弁開閉時期可変機構の作動を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0022】
すなわち、上記HC吸着材の温度が低いときは、バルブオーバラップ期間を長くして吸入空気の排気通路への吹き抜けを促すことにより排ガス温度を下げ、それによってエンジンが停止するまでにHC吸着材の温度を更に下げ、エンジン始動時に排出される未燃HCを効率良く吸着できるようにしたものである。
【0023】
請求項6に係る発明は、請求項5において、
上記排気通路にHCを酸化分解する触媒が設けられ
上記排気通路から上記エンジンの吸気通路への排ガスの還流量を調節する排ガス還流量調節手段と、
上記エンジンの停止条件が成立したときにおいて、上記温度検出手段によって検出された上記HC吸着材の温度が所定値以上のときは、上記エンジンの停止前に上記排ガス還流量が増大するように上記排ガス還流量調節手段の作動を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0024】
すなわち、上記HC吸着材の温度が高いときは排ガス中のHCを効率良く吸着することができない。そこで、その場合は排ガス還流量を増大させて、高温の排ガスを燃焼室に供給することにより、排ガス温度が低下しないようにして上記触媒の温度の低下を抑制し、該触媒による未燃HCの浄化を図るようにしたものである。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、所定の停止条件が成立したときにエンジンの運転を停止し、所定の始動条件が成立したときに、膨張行程にある気筒の燃焼室内の燃料を最初に着火させて当該エンジンを始動させるようにしたエンジンの自動停止・始動制御装置において、排気通路にHC吸着材が設けられ、エンジンの停止条件が成立したとき、上記HC吸着材の温度が所定値よりも低いときには、エンジンの吸入空気量が増大するように空気量調節弁の作動を制御するようにしたから、HC吸着材の温度を更に下げることができ、膨張行程にある気筒の燃焼室内の燃料を着火・燃焼させてエンジンを始動させた際に、該燃焼室から未燃HCが排出されても、該未燃HCがHC吸着材に効率良く吸着され、大気中への排出が防止される。
【0026】
請求項2に係る発明によれば、請求項1において、さらに上記排気通路にHCを酸化分解する触媒が設けられているから、上記HC吸着材の温度が高くて未燃HCを吸着することができない場合でも、該未燃HCを触媒で酸化分解することができ、また、HC吸着材から放出されるHCを触媒で酸化分解することができ、大気中に未燃HCが放出されることを防止することができる。
【0027】
請求項3に係る発明によれば、請求項2において、エンジンの停止条件が成立したとき、HC吸着材に吸着されているHC量が所定値以上であれば、上記HC吸着材の温度に基づく上記空気量調節弁の制御を行なわないようにしたから、上記HC吸着材による未燃HCの吸着が図れないときでも、上記触媒の温度の低下を抑制して、該触媒による未燃HCの浄化を図ることができる。
【0028】
請求項4に係る発明によれば、請求項2又は請求項3において、エンジンの停止条件が成立したとき、上記HC吸着材の温度が所定値以上であれば、排ガス還流量が増大するようにようにしたから、上記HC吸着材による未燃HCの吸着が図れないときでも、高温の排ガスを燃焼室に還流させて上記触媒の温度の低下を抑制し、該触媒による未燃HCの浄化を図ることができる。
【0029】
請求項5に係る発明によれば、所定の停止条件が成立したときにエンジンの運転を停止し、所定の始動条件が成立したときに、膨張行程にある気筒の燃焼室内の燃料を最初に着火させて当該エンジンを始動させるようにしたエンジンの自動停止・始動制御装置において、排気通路にHC吸着材が設けられ、エンジンの停止条件が成立したとき、上記HC吸着材の温度が所定値よりも低いときには、バルブオーバラップ期間が長くなるようにしたから、吸入空気の排気通路への吹き抜けを促してHC吸着材の温度を更に下げることができ、未燃HCの吸着に有利になる。
【0030】
請求項6に係る発明によれば、請求項5において、上記排気通路にHCを酸化分解する触媒が設けられ、エンジンの停止条件が成立したとき、上記HC吸着材の温度が所定値以上であれば、排ガス還流量が増大するようにようにしたから、上記HC吸着材による未燃HCの吸着が図れないときでも、高温の排ガスを燃焼室に還流させて上記触媒の温度の低下を抑制し、該触媒による未燃HCの浄化を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
[ハイブリッド車両の機械的構成]
図1は、本実施形態のハイブリッド車両の機械的構成を示すブロック図である。このハイブリッド車両は、トルクコンバータ付の自動変速機3を介して左右の駆動輪(前輪又は後輪)を駆動するエンジン1と、クラッチ4を介してエンジン1からの出力伝達経路途中に締結可能に配設されて補助的に駆動力を印加するモータ2とを備える。エンジン1には冷間始動のためのスタータ装置(スタータモータ)が設けられている。
【0033】
モータ2は、インバータ6を介してバッテリ5の電力により駆動されると共に、減速時及び制動時には発電機として駆動輪がモータ2を駆動して回生発電を行い、バッテリ5に蓄電する。
【0034】
駆動輪は、主にエンジン1により駆動され、クラッチ4の締結によりモータ2から駆動力が印加される。クラッチ4は、アクチュエータにより駆動される摩擦要素や遊星歯車列から構成されている。
【0035】
エンジン1は吸気ポート噴射式のガソリンエンジンであり、モータ2は補助動力源として使用され、例えば最大出力20KWのIPM同期式モータが用いられる。バッテリ5は例えば最大出力20KWのニッケル水素電池が搭載される。
【0036】
メインコントローラ10はCPU、ROM、RAM、インターフェース回路及びインバータ回路等からなり、エンジン1のスロットル弁、排ガス還流量調節弁(以下、EGR弁という。)、点火時期、燃料噴射量、自動変速機3等を制御すると共に、モータ2の出力トルクMTや回転数等をエンジン1のトルク変動や自動変速機3の変速ショックを吸収するように制御する。また、メインコントローラ10は、エンジン1の運転中にモータ2により発電された電力をバッテリ5に充電させるようにする。
【0037】
[エンジンの詳細構成]
図2は、本実施形態の吸気ポート噴射式ガソリンエンジンの概略図である。エンジン1は多気筒エンジンであり、その気筒12にはピストン14が装填されてその上方に燃焼室16が形成されている。燃焼室16には吸気ポート17と排気ポート18が形成され、各々吸気弁19、排気弁20により開閉される。吸気弁19及び排気弁20は各々の頂部に設けられたカム25,26の回転によって駆動され、吸気弁19側には、吸気弁19と排気弁20とのオーバラップ期間を変化させることができるようにカムの位相を変化させる弁開閉時期可変機構(以下、吸気VVTという。)27が設けられている。
【0038】
燃焼室16の上部には、先端スパーク部が燃焼室16に臨むように点火プラグ21が配設されている。また、シリンダヘッドには燃料噴射弁22が配設され、この燃料噴射弁22から吸気ポート17に燃料が噴射される。燃料噴射弁22は、図示しないニードル弁及びソレノイドを内蔵し、このソレノイドにパルス信号が印加されてパルス幅に応じた量の燃料を噴射する。
【0039】
吸気ポート17には、吸気通路24が接続され、該吸気通路24には吸入空気量を調節する空気量調節弁としてのスロットル弁28が設けられている。スロットル弁28は、吸気通路24の断面積(開度)を調節する弁体と、この弁体を弁軸回りに回動させるステップモータ等の電気的なアクチュエータとを有し、前記弁体の回動位置がエンジントルクET等に基づいて制御される電気スロットル弁である。
【0040】
排気ポート18には、排気通路34が接続され、その途中にHC吸着触媒35Aが配設され、HC吸着触媒35Aのさらに下流側には三元触媒35Bが配設されている。HC吸着触媒35Aは、コージェライト製のハニカム担体にHC吸着材及び酸化触媒をコーティングしたものである。HC吸着材としては、例えばZSM−5、Y型ゼオライト、β型ゼオライト、その他のゼオライトを用いることが好適である。酸化触媒は、排ガス中のHC或いはHC吸着材から放出されるHCを酸化分解する働きをする。この酸化触媒としては、アルミナに貴金属(例えばPd)を担持させたものが好適である。三元触媒35Bとしては、アルミナ及び酸素吸蔵材(例えばセリア)に貴金属(例えばPt、Ir等)を担持させたものが好適である。
【0041】
また、上記HCの酸化分解のために、Pdをアルミナに担持させた酸化触媒や、アルミナ及び酸素吸蔵材に貴金属及びNOx吸蔵材(例えばBa等のアルカリ土類金属、K等のアルカリ金属、希土類元素)を担持させたNOx吸蔵触媒を用いることもできる。NOx吸蔵触媒を用いると、エンジンが空燃比リーンで運転されているときの排ガス中のNOxを上記NOx吸蔵材に吸蔵し、空燃比がリッチになったときに該NOx吸蔵材から放出されるNOxを上記貴金属触媒によって還元浄化することができる。
【0042】
また、排気通路34におけるHC吸着触媒35Aよりも上流側には、エンジン1の空燃比をフィードバック制御するための、排ガスの酸素濃度を検出するOセンサ36が設けられている。
【0043】
排気通路34と吸気通路24との間には、排ガスの一部を吸気系に還流するEGR通路43が接続され、このEGR通路43はEGR弁44により開度調節可能になっている。EGR通路43の下流端は燃料噴射弁22の近傍の吸気通路24に開口している。なお、吸気通路24に、スロットル弁28をバイパスするバイパス通路を形成し、このパイバス通路にバイパス弁を設けて開閉することにより、吸入空気量を制御することができる。
【0044】
また、上記メインコントローラ10には、クランク角センサ36、エンジン回転数センサ37、スロットル弁開度センサ38、ブレーキペダルスイッチ39、パーキングブレーキスイッチ40、シフトレンジセンサ41、アクセルペダルスイッチ42、エンジン水温センサ43等からの検出信号が与えられるようになっている。
【0045】
また、エンジン1の燃料タンク60には、該タンク内の蒸発燃料を捕集(吸着)する吸着剤(例えば、活性炭)が充填されたキャニスタ61が接続されている。
【0046】
すなわち、燃料タンク60とキャニスタ61とは、燃料タンク60の空間部に滞留する蒸発燃料をキャニスタ61にリリーフするリリーフ通路62によって繋がっている。キャニスタ61からは、先端が大気に開放された大気開放通路63が延設されている。また、キャニスタ61と吸気通路24におけるスロットル弁28よりも下流側部位とは、キャニスタ61に吸着された蒸発燃料を吸気通路24に供給するパージ通路64によって繋がっている。
【0047】
リリーフ通路62にはリリーフ弁65が設けられ、大気開放通路63には大気開放弁66が設けられ、パージ通路64にはパージ弁67が設けられ、各々の通路を開閉するようになっている。すなわち、リリーフ弁65及び大気開放弁66を開とし、パージ弁67を閉とすると、燃料タンク60内の蒸発燃料はリリーフ通路62を通してキャニスタ61にリリーフされて吸着材に吸着され、空気のみが大気中に放たれる。大気開放弁66及びパージ弁67を開にすると、キャニスタ61から吸気通路24に蒸発燃料をパージすることができる。
【0048】
また、リリーフ弁65及びパージ弁67を開とし、大気開放弁66を閉とすると、吸気負圧を燃料タンク60に導入することができ、しかる後にパージ弁67を閉とすることにより、燃料タンク60及びキャニスタ61を負圧状態にすることができる。
【0049】
[統合トルク制御]
次に図3に示す運転モード表を参照して、主要な状態下におけるエンジン1、モータ2、クラッチ4の制御について説明する。
【0050】
(発進時)
クラッチ4を締結し、モータ2を作動させ車両の出力要求トルクTRに応じたモータトルクMTを生成して車両を発進させる。車速Vが所定値V1(例えば10km/h)未満の間はエンジン1は停止状態とし、車速Vが所定値V1になった時点で、エンジン1を始動させ、モータ2は停止させる。
【0051】
エンジン冷間時(エンジン水温Twが所定値Two未満)は、スタータ装置を作動させてエンジン1を始動し、車両の出力要求トルクTRに応じたエンジントルクETを生成して車両を駆動する。
【0052】
エンジン温間時(エンジン水温Twが所定値Two以上のとき。例えば、車両走行を一旦停止して再発進するとき)は、車速Vが所定値V1になった時点で、スタータ装置を用いることなく後述するダイレクトスタート方式でエンジン1を始動させ、車両の出力要求トルクTRに応じたエンジントルクETを生成して車両を駆動する。
【0053】
ダイレクトスタート方式でのエンジンの始動条件は、イグニッションスイッチオン、エンジン水温Twが所定値Two以上、ブレーキペダルスイッチオフ又はパーキングブレーキスイッチオフ、前進走行レンジ、アクセルペダルスイッチオン、及び車速V1以上となる。
【0054】
(定常走行時)
車両の出力要求トルクTRが所定閾値Trefより大きい状態(TR≧Tref)ならば、クラッチ4が締結され、エンジン1及びモータ2が出力要求トルクTRに応じたエンジントルクET及びモータトルクMTを出力する。自動変速機3は前進走行レンジである。エンジントルクET及びモータトルクMTは、出力要求トルクTRが大きいほど大きな値に設定される。
【0055】
出力要求トルクTRが所定閾値Trefより小さい状態(T<Tref)ならば、クラッチ4が締結されるが、モータ2からは駆動トルクMTを出力せず、エンジン1が出力要求トルクTRに応じたエンジントルクETを生成する。自動変速機3は前進走行レンジである。
【0056】
(減速中)
車両の減速中は、燃料カットにより、エンジントルクETは零とし、モータ2は発電機として電力を回生し、バッテリ5を充電する。自動変速機3は、前進走行レンジであるが、エンジン回転数Neが500rpm以上のときはエンジン回転数を上昇させて燃料カット領域を拡大(燃費向上)すべく、ロックアップスリップ制御が実行され、エンジン回転数Neが500rpm未満になると、ダイレクトスタートのためにエンジン1の停止位置を規制すべく、ロックアップクラッチ制御が実行される。
【0057】
(アイドルストップ時)
ブレーキペダルスイッチ39又はパーキングブレーキスイッチ40がオン、且つシフトレンジセンサ41が前進走行レンジを示しているときには、アイドルストップ時と判定され、クラッチ4は締結されているが、エンジン1及びモータ2は停止される。但し、エンジン水温Twが所定値Two未満のときは、後述するダイレクトスタートを実行することが困難であるため、エンジン1はアイドリング運転状態にされる(そのことを明確にすべく、表1の該当欄に(*)を付記している。)。
【0058】
(停車時)
ブレーキペダルスイッチ39又はパーキングブレーキスイッチ40がオフ、且つシフトレンジセンサ41がニュートラルレンジ又はパーキングレンジを示したときには、停車時と判定され、クラッチ4は解放され、エンジン1及びモータ2は停止される。
【0059】
図4は、本実施形態のハイブリッド車両のエンジン及びモータの制御を示すフローである。フローは所定時間毎にスタートする。
【0060】
ステップA1では、各種のセンサ及びスイッチ類からデータを入力する。ステップA2では、乗員のアクセル操作、車両の走行状況等に基づいて当該車両の要求トルクTRを設定する。車速V及びアクセル開度αと、要求トルクTRとの関係は図5に示すようなマップで表すことができる。コントローラ10は、図5に示すマップに格納されている情報に基づき、且つ現在の車両の運転状況、その他の要因を加味して要求トルクTRを設定する。
【0061】
ステップA3では、要求トルクTR、車速V、バッテリ蓄電量等に基づいて図3に示す運転モードを設定する。ステップA4では、設定された運転モードを達成するために必要なエンジントルクET及びモータトルクMTを設定する。ステップA5では、設定されたET、MT、変速段、クラッチ制御を実現すべくエンジン1、モータ2及び自動変速機3に信号を出力する。
【0062】
[モータ制御]
モータ2の制御について図6のフローを参照しつつ説明する。フローは所定時間毎にスタートする。コントローラ10は、ステップB1で制御用データを入力し、ステップB2でモータ2の目標トルクMTが正であるか負であるかどうかを判断する。正の場合には、ステップB3に進んで、その目標トルクMTを達成するべく所定電力をモータ2に供給する。負である場合には、ステップB4に進んで、バッテリ5の充電量SOCが所定値SOCoより大きいかどうかを判断する。充電量SOCが所定値SOCoより大きい場合には、回生する必要がないため、ステップB5に進んで、インバータ6を制御してパッテリ3に回生電流が充電されないよう設定し、回生を抑制する制御を行なう。また、充電量が所定値より小さい場合には、ステップB7に進んで、回生するための制御を行なう。
【0063】
[エンジン制御]
エンジン制御について図7のフローを参照しつつ説明する。フローは所定のクランク角毎(各気筒が排気行程の所定クランク角にあるとき)にスタートする。
【0064】
ステップC1で制御用データを入力し、ステップC2でエンジントルクETが零よりも大か(エンジンを運転すべきか)否かを判断する。「ET>0」のときはステップC3に進み、前回のエンジントルクETは零か(エンジンを停止していたか)否かを判断する。「ET=0」のときはステップC4に進み、エンジン水温Twが所定値Two以上か否かを判断する。
【0065】
「Tw≧Two」のときは、ダイレクトスタート条件が成立したとして、ステップC5に進み、ダイレクトスタートを示すフラグFesを1に設定する。そうして、膨張行程にあり且つ混合気を有する気筒を検出し(ステップC6)、スロットル弁28の開度Tvをダイレクトスタート用の低開度Tvesに設定し(ステップC7)、EGR弁44の開度をダイレクトスタート用の低開度EGResに設定し(ステップC8)、吸気VVT27をバルブオーバラップ期間が短い始動位置に設定し(ステップC9)、上記膨張行程にある気筒で最初の点火が行なわれ、続いて圧縮行程から膨張行程に移行する気筒(この気筒も混合気を有する)において2番目の点火が行なわれるように、点火プラグ21を作動させて(ステップC10)リターンする。なお、上記の2板面に点火が行なわれる気筒の点火時期は、圧縮行程上死点付近或いは膨張行程のいずれでもよいが、膨張行程での点火も上死点近傍であることが好ましい。
【0066】
一方、ステップC4において、エンジン水温Twが所定値Twoよりも低いと判断されたときは、スタータ装置によってエンジンを始動すべきであるとしてステップC11に進み、スタータ装置による始動を示すフラグFssを1に設定する。そうして、スロットル弁28の開度Tvをスタータ装置用の低開度Tvssに設定し(ステップC12)、EGR弁44の開度をスタータ装置用の低開度EGRssに設定し(ステップC13)、吸気VVT27をバルブオーバラップ期間が短い始動位置に設定し(ステップC14)、スタータ装置を作動させる(ステップC15)。さらに各気筒の吸気行程で吸気ポートに燃料が噴射されるように燃料噴射弁22を作動させ、各気筒の圧縮行程上死点付近で混合気に対する点火が行なわれるように点火プラグ21を作動させて(ステップC16,C17)リターンする。
【0067】
次にステップC2において、前回ET≠0と判断されたときは、図8に示すフロー(始動から通常運転への移行)へ進む。まず、ステップC21でスタータ装置による始動を示すフラグFssが1に設定されているか否かを判断する。Fss=1であれば、ステップC22に進んで完爆したか(エンジン回転数Ne>500rpmか)否かを判断し、完爆しているときはステップC23に進んでFssを0に設定する。
【0068】
続くステップC24でエンジントルクETが得られる基本燃料噴射量Qbを設定し、続くステップC25でOセンサ36の出力に基づいて空燃比を所定値に制御するためのフィードバック噴射量Qfbを設定し、続くステップC26でQbとQfbとに基づいて、その時点で最先に燃料噴射を噴射を実行すべき気筒の燃料噴射量Q(=Qb+Qfb)を算出して設定する。なお、フィードバック噴射量Qfbは、エンジン始動開始から所定時間(例えば1秒間)は0に設定する。
【0069】
次いでステップC27では上記燃料噴射量Qを算出した気筒の次に点火を実行すべき気筒の点火時期を設定し、続くステップC28で該当する気筒に対する燃料噴射を実行し、続くステップC29で前のサンプリングタイムで点火時期が決定された気筒に対してその時期に至ったときに点火を実行する。すなわち、図9に示すように#1〜#4の4気筒を有するエンジンにおいて、#1→#3→#4→#2の順で点火が進むとき、#2気筒に対する燃料噴射を実行したときは、#3気筒の点火を実行することになる。
【0070】
続くステップC30でダイレクトスタートフラグFes=1か否かを判断し、Fes=1のときはステップC31に進んで完爆した(Ne>500rpm)か否かを判断し、完爆したときはステップC32に進んでFes=0とする。完爆していないときはリターンする。完爆したときのステップC32に続くステップC33、C34及びC35では、エンジン始動後の通常運転用のスロットル開度Tv、EGR開度及び吸気VVTを設定する。
【0071】
通常運転用のスロットル開度Tvは、図10に示すように、エンジン回転数Neが高くなるほど、また、エンジントルクETが高くなるほど、大きくなるように設定される。通常運転用のEGR開度は、図11に示すように、エンジン回転数Neが高くなるほど、また、エンジントルクETが高くなるほど、大きくなるように設定される。通常運転用の吸気VVTは、図12に示すように、エンジン中回転ないしは中負荷(中トルクET)の領域ではオーバラップ期間が長くなり(O/L大)、他の領域、すなわち、エンジン低回転ないしは低負荷の領域及びエンジン高回転ないしは高負荷の領域ではオーバラップ期間が短くなる(O/L小)ように設定される。
【0072】
また、ステップC22のスタータ装置による始動で完爆していないと判断されたときは、図7のステップC16に進み、スロットル開度Tv、EGR開度及び吸気VVT27をバルブオーバラップ期間は、スタータ装置による始動状態のまま変更されない。
【0073】
次に図7のステップC2においてET>0でない(すなわち、ET=0)と判断されたときは図13に示すフロー(エンジン減速又は停止)に進む。尚、このときのスロットル開度Tvは零であり(図10参照)、スロットル弁28は全閉とされている。まず、ステップC41において現在の車速Vが零が否かを判断し、零でないときはステップC42に進み、前回のエンジントルクETが零か否かを判断する。前回のエンジントルクETが零でないときは、車両は減速運転に入った直後であるということになる。その場合はステップC43に進んでHC吸着触媒35Aの温度THCを検出する。この検出は、エンジン運転状態の履歴に基づいて行なう(推定する)ことができる。なお、温度センサによって当該触媒温度を測定してもよい。
【0074】
続くステップC44において、HC吸着触媒35Aの温度THCが所定値THCoよりも低い(HC吸着材が排ガス中のHCを吸着することができる)か否かを判断する。低いときはステップC45に進んでHC吸着触媒35AのHC吸着量QHCをエンジン運転状態の履歴に基づいて検出(推定)する。続くステップC46において、HC吸着量QHCが所定値QHCoよりも少ない(HC吸着材が排ガス中のHCを吸着することができる)か否かを判断する。少ないときは、ステップC47において、HC吸着可を示すフラグFHCを1に設定する。
【0075】
続くステップC48において現在の車速Vが所定値Voよりも低いか否かを判断し、未だ車速Vが所定値Vo未満になっていないときは、ステップC49に進んでスロットル弁28を全閉にし、続くステップC50ではEGR弁44を全閉にし、さらに、続くステップC51では吸気VVT27を最大遅角位置に設定する。スロットル弁28及びEGR弁44を全閉にし、吸気VVT27を最大遅角位置(オーバラップ期間最小)に設定するのは、エンジンブレーキを効かせるためである。
【0076】
一方、ステップC48で車速Vが所定値Voよりも低い(低車速)のときはステップC52に進んで吸気VVT27を最大進角位置に設定する。すなわち、オーバラップ期間を最大とする。これは、吸入空気の吸気ポートから排気ポートへの吹き抜けを図り、HC吸着触媒35Aの温度を低下させるものである。また、エンジンブレーキの効きを小さくして電力回生量を多くするものである。
【0077】
続くステップC53でエンジン回転数Neが所定値、例えば500rpm以下か否かを判断する。未だ500rpm以下になっていないときは、ステップC54に進んでスロットル弁28を全開にし、続くステップC55ではEGR弁44を全開にする。すなわち、スロットル弁28を全開にするのは多量の新気を燃焼室16に吸入して排ガス温度を下げ、それによってHC吸着触媒35Aの温度を下げてHC吸着材のHC吸着能を高めるものである。また、EGR弁44を全開にするのは高温の排ガスがHC吸着触媒35Aへ流れることを抑制してその温度上昇を避けるものである。
【0078】
一方、エンジン回転数Neが500rpm以下のときは、ステップC56に進んで、エンジンが停止するまでのクランク角変化を予測し、続くステップC57では、上記クランク角変化の予測に基づいて、エンジンが停止した時点で膨張行程になる気筒#Aと、圧縮行程になる気筒#Bを設定する。この#A,#Bがエンジン1の運転停止直前に予め始動用(ダイレクトスタート用)の燃料を供給しておく始動用の気筒となる。すなわち、エンジン停止条件は、ET=0、且つエンジン回転数Neが低下して所定値(500rpm)以下になることである。なお、このクランク角変化の予測に基づく#A,#Bの設定については後述する。
【0079】
続くステップC58では、上記気筒#A,#Bのそれぞれに対する始動用燃料の第1及び第2の噴射時期(噴射開始の時期)I#A,I#Bを設定する。この噴射時期I#A,I#Bは、図9に示すように、クランク角変化の予測後における各気筒(この例では#1,#3)のエンジン停止直前の吸気行程とすればよい。続くステップC59では、上記クランク角変化の予測に基づいてスロットル弁28及びEGR弁44の閉時期を設定する。この閉弁時期は、上記噴射時期I#Bによる気筒#Bに対する燃料噴射の終了時点に設定する。
【0080】
上記ステップC59に続くフローを図14に示す。すなわち、ステップC61でスロットル弁28及びEGR弁44の閉時期か否かを判断し、弁閉時期であれば、ステップC62でスロットル弁28を閉とし、ステップC63でEGR弁44を閉とする。続くステップC64で気筒#Aに対する始動用燃料の噴射時期I#Aが否かを判断し、噴射時期I#Aであれば、続くステップC65で当該気筒への燃料噴射を実行する。続くステップC66で気筒#Bに対する始動用燃料の噴射時期I#Bが否かを判断し、噴射時期I#Bであれば、続くステップC67で当該気筒への燃料噴射を実行し、リターンする。
【0081】
次に図13のステップC42で前回ETが零のときは、ステップC71に進んでHC吸着可能フラグFHCが1に設定されているか否かを判断し、FHC=1に設定されている場合はステップC48に進む。FHC=1に設定されていない場合はステップC72に進んでスロットル弁28を全閉にし、さらにステップC73でEGR弁44を全開にする。ステップC44でHC吸着触媒温度THCが所定値THCo以上のとき、ステップC46でHC吸着量QHCが所定値QHCo以上のときも同様にステップC72,C73に進む。
【0082】
スロットル弁28を全閉にするのは温度が低い吸入空気によってHC吸着触媒35A及び三元触媒35Bの温度が低下することを防止するためであり、EGR弁44を全開にするのは、排ガスを吸気系に還流させて低温の吸入空気がスロットル弁28の隙間からエンジン1に吸入されることを抑制するためである。すなわち、HC吸着触媒35AのHC吸着材によるHCの吸着が望めないことから、該HC吸着触媒35A及び三元触媒35Bの温度を維持して、HCの触媒反応による浄化を図るものである。
【0083】
続くステップC74では、エンジン回転数Neが500rpmよりも低いか否かを判断し、低くなっている場合は、ステップC75〜C77に進んで、先に説明したステップC56〜C58と同じく、クランク角変化の予測、始動用気筒#A,#Bの設定、当該気筒に対する始動用燃料の噴射時期I#A,I#Bの設定を行なう。ステップC77からは図14に示すフローのステップC64以下へ進み、噴射時期I#A,I#Bになったときに当該気筒#A,#Bに対する始動用燃料の噴射を実行する。
【0084】
また、図13のステップ41で車速V=0が判断されたときは、ステップ81に進んでHC吸着可能フラグFHCを0に設定し、続くステップC82でスロットル弁28を全閉にし、続くステップC83でEGR弁44を全開にし、続くステップC84で吸気VVT27をオーバラップ期間が短くなるように設定し、リターンする。
【0085】
[クランク角変化の予測,#A,#Bの設定]
メインコントローラ10は、気筒#1の吸気行程上死前6゜CAの位置を0として、クランク角が90゜進む毎に+1を与えることによって気筒判別信号を生成している(当該数値に基づいて気筒を判別するようになっている)。そこで、図15に示すように、エンジン回転数Neを監視し、500rpm以下になった時点で、そのときに膨張行程にある気筒#X及びそのクランク角位置(圧縮行程の上死点後(ATDC)のクランク角)Y゜CAを、気筒判別信号及びクランク角センサ36の出力に基づいて検出する。
【0086】
上記Yが所定値Yo以下ときは、当該気筒#Xの1サイクル後の膨張行程中期(例えばATDC90゜)を、エンジンを停止させる目標停止クランク位置と設定し、当該クランク角変化の予測軌跡を作製する。一方、上記Yが所定値Yoよりも大きいときは、当該気筒#Xの次に点火される気筒の1サイクル後の膨張行程中期(例えばATDC90゜)を、エンジンを停止させる目標停止クランク位置と設定し、当該クランク角変化の予測軌跡を作製する。所定値Yoは、気筒#X及びそのクランク角位置を検出する時点のエンジン回転数Neの変化度合ΔNeに応じて変更し、ΔNeが大きいほどYoを小さくする。
【0087】
例えば、当該検出時点のエンジン回転数低下率ΔNeが小さいときは所定値Yoとして例えば160゜CAを与え、ΔNeが大きいときはYoとして140゜CAを与える。従って、検出された膨張行程気筒が#1であり、Y=ATDC150゜CAであったとき、ΔNeが小(Yo=160゜CA)であるときは、Y<Yoであるから、気筒#1が1サイクル後のATDC90゜CAのクランク角位置になったときを目標停止クランク位置とする。つまり、この場合は気筒#1を始動用気筒#Aとし、次の点火気筒#3を始動用気筒#Bとして設定することになる。
【0088】
一方、ΔNeが大(Yo=140゜CA)であるときは、Y>Yoであるから、気筒#1の次の点火気筒#3が1サイクル後の圧縮行程上死点後(ATDC)90゜CAのクランク角位置になったときを目標停止クランク位置とする。従って、この場合は、始動用気筒#Aとして#3を与え、始動用気筒#Bとして#3の次の点火気筒である#4を与えることになる。
【0089】
次に上述の如く#A,#Bを設定した後、予測クランク角に対する実際のクランク角の偏差(進み量)Dを監視し、偏差Dが所定値Doよりも大になったときは、目標停止クランク位置を、気筒#Xの膨張行程中期から、当該気筒#Xの次の気筒の膨張行程中期に変更する。例えば、気筒#1の膨張行程中期にエンジンを停止させる予定を、気筒#3の膨張行程中期にエンジンを停止させるように変更する。所定値Doは、図16に示すように、目標停止クランク位置になるまでの残り時間Δtが小さくなるほど小さくなるように設定する。
【0090】
[自動変速機の制御]
上記目標クランク位置での停止のために自動変速機3のロックアップクラッチ制御を行なう。図17は自動変速機3の制御フローを示す。この制御フローは所定時間毎にスタートし、ステップD1で上述の運転モードに基づくシフトレンジを入力し、続くステップD2で前進レンジか否かを判断し、前進レンジであるときはステップD3に進んでエンジントルクETと車速Vとに応じた適正変速段を設定し、続くステップD4で変速制御を実行する。
【0091】
続くステップD5で車両が減速中か否かを判断し、減速中であるときはステップD6に進んでエンジン回転数Neが500rpm以下か否かを判断する。Neが500rpm以下であるときはステップD7に進み、エンジン制御フローにおいて説明した予測クランク角に対する実際のクランク角の偏差(進み量)Dを入力する。
【0092】
続くステップD8において、偏差Dに基づいてロックアップクラッチ油圧Pを設定する。このクラッチ油圧Pは、偏差Dが大きくなるほど高くなるように設定される。そうして、続くステップD9においてクラッチ油圧Pのフィードバック制御により、ロックアップクラッチ制御を実行し、リターンする。このロックアップクラッチ制御によりエンジンに負のトルクを与えて、エンジンを目標クランク位置で停止させるようにしている。
【0093】
一方、ステップD5で減速中でないと判断されたとき、並びにステップD6でエンジン回転数Neが500rpmよりも高いと判断されたときは、ステップD10に進んでエンジントルクETと車速とに基づいて通常のロックアップ制御を実行し、リターンする。
【0094】
また、ステップD2で前進レンジでないと判断されたときはステップD11に進み、N(ニュートラル)レンジか否かを判断し、Nレンジの場合はステップD12に進んでニュートラル制御を実行し、リターンする。NレンジでないときはステップD13に進んでP(パーキング)レンジか否かを判断し、Pレンジの場合はステップD14に進んでパーキング制御を実行し、リターンする。PレンジでないときはステップD15に進んでリバース制御を実行し、リターンする。
【0095】
図17に示すフローのステップD6〜D9により、エンジン1の所定の停止条件が成立したときに、該エンジン1の運転を少なくとも1つの気筒が膨張行程となるように停止させる停止制御手段が構成されている。
【0096】
また、図7に示すフローのステップC10により、ダイレクトスタート方式でのエンジン1の始動条件が成立したときに、膨張行程にある気筒の燃焼室の燃料を最初に着火させて、エンジン1を始動させる始動制御手段が構成されている。
【0097】
[エンジン自動停止・始動のタイムチャート]
以上に説明した制御によるエンジン1の自動停止・始動の態様をタイムチャートで表すと図18のようになる。
【0098】
すなわち、アクセル開度α(エンジントルクET)の減少により電気式スロットル弁28が閉作動されると車両は減速状態に入り、エンジン回転数Neも低下する。また、EGR開度も小さくなっていく。アクセル開度αが零になると、燃料カットが実行されるとともに、点火は行なわれなくなる。また、アクセル開度αが零になった時点でHC吸着触媒35Aの温度検出及びHC吸着量の検出が行なわれる。
【0099】
図18は、HC吸着触媒温度THCが所定値THCo未満、HC吸着量QHCが所定値QHCo未満であるときのタイムチャートであり、アクセル開度αが零になると、車速Vが所定値Voになるまでは、スロットル開度及びEGR開度は全閉とされ、吸気VVT27を最大遅角位置(オーバラップ期間最小)に設定される。これにより、エンジンブレーキ効果が高くなる。
【0100】
車速Vが所定値Voよりも低くなるとスロットル開度は全開になる。これにより、多量の新気が燃焼室16に吸入されるため、排ガス温度が下がり、従って、HC吸着触媒35Aの温度が下がり、HC吸着材のHC吸着能が高まる。よって、ダイレクトスタート時に排出される未燃HCの吸着に有利になる。また、EGR開度も全開になり、高温の排ガスがHC吸着触媒35Aへ流れることを抑制され、HC吸着触媒35Aの温度上昇を避ける上で有利になる。
【0101】
また、車速Vが所定値Voよりも低くなると、吸気VVTは最大進角位置にされ、すなわち、バルブオーバラップ期間が最大とされる。これにより、吸気ポートから排気ポートへの吹き抜ける吸入空気量が増大し、HC吸着触媒35Aの温度が低下する。このため、HC吸着材のHC吸着能が高くなり、ダイレクトスタート時に排出される未燃HCの吸着に有利になる。また、エンジンブレーキの効きが小さくなり、電力回生に有利になる。
【0102】
エンジン回転数Neが500rpm以下になると、クランク角変化の予測に基づいてダイレクトスタート用気筒#A,#Bが設定され、それら気筒に対するダイレクトスタート用燃料の噴射時期I#A,I#Bが設定される。そして、目標クランク位置でエンジンが停止するように、予測クランク角と実際のクランク角との偏差Dに基づいてクラッチ油圧Pが制御され、また、噴射時期I#A,I#Bに至ったときには各気筒#A,#Bへの燃料噴射が実行される。
【0103】
スロットル開度Tv及びEGR開度は気筒#Bへの始動用燃料の噴射が終了するころに全閉となる。これは、エンジン停止直前にエンジン回転数が極めて低くなると、ピストンの往復運動による振動を体感しやすくなるが、そのときに吸気(還流排ガス)が流入して吸気充填量が大きくなると、その圧縮・膨張のために、エンジン振動が大きくなり、好ましくないからである。
【0104】
次に車両が一旦停止した後、発進するときはモータ2が作動され、車速が所定値V1になると、膨張行程にある気筒#Aに対し最初の点火が行なわれ、続いて気筒#Bが膨張行程になったときに該気筒#Bに対する点火が行なわれる。これにより、エンジン1がスムースに始動される。以後は通常のエンジン運転、すなわち、各気筒に対する吸気ポート噴射及び圧縮行程上死点での点火が行なわれることになる。
【0105】
また、このダイレクトスタート時は、始動性の向上のために、スロットル開度Tvは低開度Tvesに、EGR開度は低開度EGResに、吸気VVT27はバルブオーバラップ期間が短い始動位置に、それぞれ設定される。
【0106】
そうして、上記ダイレクトスタートでは膨張行程での着火であり、且つ空燃比もリッチ気味であるから、比較的多くの未燃HCが排出されるが、上述の如く、HC吸着触媒35Aの温度を低下させているから、その未燃HCはHC吸着触媒35AのHC吸着材に効率良く吸着され、大気中への排出が避けられることになる。
【0107】
図19は、HC吸着触媒温度THCが所定値THCo以上であるとき、又はHC吸着量QHCが所定値QHCo以上であるときのタイムチャートである。すなわち、スロットル開度Tvは、アクセル開度αが零になった時点で全閉とされ、EGR開度は、アクセル開度αが零になった時点から車速零になるまで全開とされ、吸気VVT27は、バルブオーバラップ期間が短くなるように設定される。
【0108】
このように、スロットル弁28が全閉になることにより、温度が低い吸入空気によってHC吸着触媒35A及び三元触媒35Bの温度が低下することを防止される。また、EGR弁44が全開になることにより、排ガスが吸気系に還流するため、低温の吸入空気がスロットル弁28の隙間からエンジン1に吸入されることが抑制される。また、バルブオーバラップ期間は短くなっているから、スロットル弁28が全閉になるまでに吸気ポートから排気ポートへの吸入空気の吹き抜けも殆どない。よって、HC吸着触媒35A及び三元触媒35Bは活性を呈する状態に保たれ、ダイレクトスタートに伴って発生する未燃HCはHC吸着触媒35A及び三元触媒35Bの触媒反応による浄化されることになる。
【0109】
<その他>
本発明の構成は上記実施形態のものに限定されることはなく、その他の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、エンジン1の運転停止後にそれぞれ膨張行程及び圧縮行程になる気筒#A、#Bの燃焼室に燃料が残存することになるように、エンジン1の停止直前に第1及び第2燃料噴射を行うようにしているが、これに限らず、エンジン停止時に第1の燃料噴射のみを行って膨張行程にある気筒#Aのみに燃料を供給しておき、圧縮行程にある気筒#Bには燃料を供給しないようにしてもよい。
【0110】
また、前記実施形態では、前記第1及び第2の燃料噴射の量を略同じにしているが、これに限らず、第1燃料噴射の量を第2燃料噴射よりも多くしてもよい。すなわち、ダイレクトスタートのときに最初に点火される気筒#Aは、膨張行程途中の非常に燃焼し難い状態にあるから、燃料の量を増やすことによって燃焼性を高める必要があるが、2番目に点火される気筒#Bは圧縮上死点近傍の十分に圧力及び温度の高い状態で点火されることから、燃料はあまり多くなくても十分な燃焼安定性が得られる。それ故に、2番目に点火される気筒#Bに対する燃料供給量を相対的に少なくすることで、燃料の無駄を軽減するとともに、未燃燃料の排出に起因する排気状態の悪化をより確実に抑制することができる。
【0111】
また、上記実施形態では、エンジン停止時に気筒#A,#Bに燃料を供給しておくようにしたが、始動時に供給するようにしてもよい。
【0112】
また、上記実施形態では吸気ポート噴射方式を採用したが、マニホールド噴射方式を採用してもよい。
【0113】
また、6気筒エンジンの場合は、ダイレクトスタートのために3つの気筒に燃料を供給しておくようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の駆動系の構成を示すブロック図。
【図2】 同車両のエンジン系の構成を示す図。
【図3】 同車両の基本運転モードを表にした図。
【図4】 同車両の基本制御のフロー図。
【図5】 同車両の車速とアクセル開度とにより設定される要求トルクをマップに表した図。
【図6】 同車両のモータ制御のフロー図。
【図7】 同車両のエンジンの始動制御を示すフロー図。
【図8】 同エンジンの始動から通常運転への移行制御を示すフロー図。
【図9】 同エンジン始動時の燃料噴射及び点火時期をクランク角とピストン位置との関係で表した図。
【図10】 同エンジンのエンジン回転数とエンジントルクとより設定されるスロットル開度をマップで表した図。
【図11】 同エンジンのエンジン回転数とエンジントルクとより設定されるEGR開度をマップで表した図。
【図12】 同エンジンのエンジン回転数とエンジントルクとより設定される吸気VVTによるバルブオーバラップ(O/L)期間をマップで表した図。
【図13】 同エンジンの減速・停止制御のフロー図。
【図14】 同エンジンの減速・停止制御の続きを示すフロー図
【図15】 同エンジン停止時のクランク角変化の予測軌跡を示す図。
【図16】 同エンジンの目標停止クランク位置を変更するための基準値(所定値)Doと、目標停止クランク位置になるまでの残り時間Δtとの関係を示す特性図。
【図17】 同車両の自動変速機の制御を示すフロー図。
【図18】 同エンジンのHC吸着材がHC吸着可能である場合の制御のタイムチャート。
【図19】 同エンジンのHC吸着材がHC吸着不能である場合の制御のタイムチャート。
【符号の説明】
1 エンジン
2 モータ
3 自動変速機
4 クラッチ
5 バッテリ
12 気筒
14 ピストン
16 燃焼室
17 吸気ポート
18 排気ポート
19 吸気弁
20 排気弁
21 点火プラグ
22 燃料噴射弁
24 吸気通路
27 吸気VVT
28 スロットル弁
34 排気通路
35A HC吸着触媒
35B 三元触媒
43 EGR通路
44 EGR弁

Claims (6)

  1. エンジンの燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁と、
    上記エンジンの所定の停止条件が成立したときに該エンジンの運転を停止する停止制御手段と、
    上記エンジンの所定の始動条件が成立したときに、上記エンジン停止前に又は当該始動条件成立後に上記燃料噴射弁によって供給された、膨張行程にある気筒の燃焼室の燃料を最初に着火させて当該エンジンを始動させる始動制御手段とを備えているエンジンの自動停止・始動制御装置において、
    上記燃焼室から延びる排気通路に、排ガス中のHCを吸着する機能を有し且つ温度の上昇と共に吸着していたHCを放出するHC吸着材が設けられ
    上記HC吸着材の温度を検出する温度検出手段と、
    上記燃焼室に吸入される空気量を調節する空気量調節弁と、
    上記エンジンの停止条件が成立したときにおいて、上記温度検出手段によって検出された上記HC吸着材の温度が所定値よりも低いときは、上記エンジンの停止前に上記吸入空気量が増大するように上記空気量調節弁の作動を制御する制御手段とを備えていることを特徴とするエンジンの自動停止・始動制御装置。
  2. 請求項1において、
    上記排気通路にHCを酸化分解する触媒が設けられていることを特徴とするエンジンの自動停止・始動制御装置。
  3. 請求項2において、
    上記HC吸着材のHC吸着量を検出する吸着量検出手段を備え、
    上記制御手段は、上記エンジンの停止条件が成立したときにおいて、上記吸着量検出手段によって検出されたHC吸着量が所定値以上のときは、上記HC吸着材の温度に基づく上記空気量調節弁の制御を行なわないことを特徴とするエンジンの自動停止・始動制御装置。
  4. 請求項2又は請求項3において、
    上記排気通路から上記エンジンの吸気通路への排ガスの還流量を調節する排ガス還流量調節手段と、
    上記エンジンの停止条件が成立したときにおいて、上記温度検出手段によって検出された上記HC吸着材の温度が所定値以上のときは、上記エンジンの停止前に上記排ガス還流量が増大するように上記排ガス還流量調節手段の作動を制御する制御手段とを備えていることを特徴とするエンジンの自動停止・始動制御装置。
  5. エンジンの燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁と、
    上記エンジンの所定の停止条件が成立したときに該エンジンの運転を停止する停止制御手段と、
    上記エンジンの所定の始動条件が成立したときに、上記エンジン停止前に又は当該始動条件成立後に上記燃料噴射弁によって供給された、膨張行程にある気筒の燃焼室の燃料を最初に着火させて当該エンジンを始動させる始動制御手段とを備えているエンジンの自動停止・始動制御装置において、
    上記燃焼室から延びる排気通路に、排ガス中のHCを吸着する機能を有し且つ温度の上昇と共に吸着していたHCを放出するHC吸着材が設けられ、
    上記HC吸着材の温度を検出する温度検出手段と、
    上記エンジンの吸気弁の開閉時期を変化させる弁開閉時期可変機構と、
    上記エンジンの停止条件が成立したときにおいて、上記温度検出手段によって検出された上記HC吸着材の温度が所定値よりも低いときは、上記エンジンの停止前に上記エンジンの吸気弁と排気弁とのオーバラップ期間が長くなるように上記弁開閉時期可変機構の作動を制御する制御手段とを備えていることを特徴とするエンジンの自動停止・始動制御装置。
  6. 請求項5において、
    上記排気通路にHCを酸化分解する触媒が設けられ
    上記排気通路から上記エンジンの吸気通路への排ガスの還流量を調節する排ガス還流量調節手段と、
    上記エンジンの停止条件が成立したときにおいて、上記温度検出手段によって検出された上記HC吸着材の温度が所定値以上のときは、上記エンジンの停止前に上記排ガス還流量が増大するように上記排ガス還流量調節手段の作動を制御する制御手段とを備えていることを特徴とするエンジンの自動停止・始動制御装置。
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