JP4287926B2 - シャーリングマシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーブルの後端に設けた下刃と上下動自在なラムの下端に設けた上刃との協働によってワークの剪断加工を行なうシャーリングマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のシャーリングマシン101は、図7に示されているように垂直に立設した左右の側板103を前板105により一体的に連結してシャーリング本体107が構成されている。上記の左右の側板103の間には板材のワークWを支持するテーブル109が水平に設けられており、テーブル109の後端には下刃111が設けられ、板状のエプロン部113が垂直に一体的に設けられている。
【0003】
テーブル109に載置されたワークWは上下動自在なラム115の下端に設けた上刃117と上記の下刃111との協働によって剪断加工が行われる。ラム115を上下動せしめる昇降駆動手段としての例えば加圧用シリンダ119は、図8に示されているように垂直に立設した左右の側板103にシリンダ用ブラケット121を介して設けられており、加圧用シリンダ119のピストンロッド123の下端にラム115の両端側が連結されている。
【0004】
上刃117と下刃111によってワークWが剪断されるとき、上刃117には切断力Fが作用する。この切断力Fは垂直方向の分力として剪断力Vと、上刃117と下刃111のクリアランスを開けようとする水平方向の分力として側方力Hが作用する。
【0005】
剪断時に上記のクリアランスが広がると、ワークWは剪断されずに上刃117と下刃111間に挟まれ、曲がったり、引きちぎられたりするので、良好な剪断面を得るには剪断時のクリアランスを保つことが肝要である。
【0006】
また、下刃111には、当然のこととして上記の切断力Fの反力が生じるので、上記の剪断力Vと側方力Hの反力が生じる。
【0007】
上記の側方力Hは、一般的に剪断力Vに対して15〜20%程であるが、側方力Hによるラム115や上刃117のたわみは、クリアランスに変動を与え剪断精度に悪影響を与えるので、上記の側方力Hによる上刃117のたわみを許容値に抑えるべくラム115の剛性を高くする構成を採用しているのが一般的である。特に、より長い板材を剪断したり、良好な剪断面を得るためにラム115やテーブル109が大型化している。
【0008】
なお、上記の側方力Hの反力によって下刃111も水平にたわむ傾向にあるので、当然ながら下刃111における水平方向のたわみも剪断精度へ悪影響を与える。
【0009】
また、本出願人は特開平8−1428号公報(以下、「先行例1」と称す)に示されているように、図9に示されているように垂直に対するラム115の傾斜角をαとし、垂直な剪断力Vに対する切断力Fの傾斜角をθとしたとき、θ<α<3θの関係にあるようにラム115の傾斜角αを設定した構成とすることにより、剪断時の側方力Hをラム115の傾斜角よる水平分力によって相殺しようとする構成がある。
【0010】
なお、先行例1においては図9における符号説明をすると、ラムは115、ラム115と一体の昇降部材は125で、127はガイドローラ、129は、昇降駆動装置となっている。
【0011】
左右の側板107にはモータ(図示省略)によって回転される偏心軸131が回転自在に支承されており、この偏心軸131により駆動されるコネクティングロッド133の先端部は駆動連結ピン135を介して昇降部材125に枢支連結されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のようにラム115やテーブル109の剛性を高くする構成においては、ラム115の大型化により可動部分が大重量になり、ガイド装置への負担が増大したり、振動の騒音が大きくなり、また上記の大型化に伴ってシャーリングマシン101の製作コストが高くなるという問題点があった。
【0013】
また、左右の側板103に取り付けられた加圧用シリンダ119では、図8の2点鎖線に示されているように加圧用シリンダ119には剪断時に上刃117にかかる垂直方向の剪断力Vにより上方へ負荷がかかるために側板103が外側に変形されるという問題点があった。
【0014】
また、先行例1のような構成においては、垂直に対するラム115の剪断時の傾斜角αを大きく設けたことから、剪断時における剪断力Vがラム115の下部を図9の紙面上において時計回り方向に撓ませて、クリアランスを狭める効果を生じさせる。この側方のたわみ量は上刃117の両端部より中央部の方が大きくなり、ラム115の傾斜角αが大きくなるほど前記側方たわみ量は大きくなるので、剪断時の側方力Hによって生じるクリアランスを広げる力を相殺する効果がある。
【0015】
しかしながら、先行例1では上記のラム115の傾斜角αと切断力Fの傾斜角θとの関係はθ<α<3θであることが好ましいとしているが、実際のクリアランスの設定を誤って小さくしすぎた場合には剪断時に上下刃117,111の長手方向の両端部より中央付近の方がクリアランスが小さくなりすぎて剪断精度が低下したり、ムラが生じてしまうという問題点があった。
【0016】
一方、図9に示されているようなシャーリングマシン101では、昇降部材125は切断時にクランク軸129で斜め後方に引っ張られるので、ガイドローラ127に引っ張り力の水平分力がかかる。
【0017】
従って、後方下部のガイド部材には剪断時の側方力ばかりでなく駆動力そのものが加わって、ガイドローラ時のガイド部材に強大な力が加わっていた。ガイド部材はクリアランスが広がらない様に強固に作られているが、それでも加わる力によって後方への撓みを生じ、その分クリアランスが拡大することを余儀なくされていた。
【0018】
また、シャーリングマシンの上刃117がレーキ角を有するということは、上刃117の左右方向の取付位置に高低差が生じるということである。ラム115がほぼ垂直に設置されているときには問題がないが、ラム115を傾斜させたときこの垂直に生じていた高低差が水平方向差となるので、単純にラム115を寝かせていたのではレーキ角の大きさに応じて、上刃117と下刃111のクリアランスの左右位置での量が大きく異なることになる。このクリアランスの差を生じさせないためにはラム115を傾斜せしめると同時に下刃111からより離れた上刃117側を下刃111に接近するように前方へずらして、左右のクリアランスが均一になるようにしてやる必要がある。これは3次元的なラム位置の設定を行うことになる。または、ラム115は従来のままで、ラム115に取り付けた上刃117を3次元的にずらした位置に取付けなくてはならない。このような設置は製造上の難易度が高く、メンテナンスも容易ではない。また意図的に逆方向に撓み生じさせるための傾斜構造のラムの特徴はクリアランス変動を押さえることにあるが、その基本的なクリアランスの調整をも複雑なものにしかねない。
【0019】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、剪断加工時のクリアランスを空運転時のクリアランスとできるだけ同じ程度に保つとともにクリアランスの調整を容易にすると共にラム及びテーブルの軽量化を図り得るシャーリングマシンを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、ワーク(W)を支持する水平なテーブル(9)に、左右方向に長い下刃(11)を備えると共に垂直面(CL)に対して下部側が前方へ離反するように傾斜したエプロン部(13)を備え、前記下刃(11)と協働してワーク(W)の剪断加工を行う上刃(15)を備えたラム(17)を上下動自在に備えると共に、垂直面(CL)に対して上部側が後方へ離反するように前記ラム(17)を傾斜して備えたシャーリングマシンにおいて、前記上刃(15)より後側でかつ前記上刃(15)より上側において前記ラム(17)を真下に加圧駆動する構成であることを特徴とするものである。
【0021】
また、前記シャーリングマシンにおいて、前記ラム(17)を上下動するための左右の流体圧シリンダー(25)は、シャーリングマシンにおけるシャーリング本体(7)に備えた左右の側板(3)及び左右の側板(3)を一体的に連結した前板(5)の両方に固定してあることを特徴とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシャーリングマシンの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
図1〜図3を参照するに、本実施の形態に係わるシャーリングマシン1は、垂直に立設した左右の側板3を前板5により一体的に連結してシャーリング本体7が構成されている。上記の左右の側板3の間には板材のワークWを支持するテーブル9が水平に設けられており、テーブル9の後端には左右方向(図2において左右方向)に延伸した下刃11が設けられ、下方前方側に傾斜する板状のエプロン部13が一体的に設けられている。つまり、このエプロン部13は図4に示されているように垂直面CLに対して下部側が前方側へ離反するように、垂直に対して角度αだけ傾斜して設けられている。
【0028】
なお、エプロン部13の傾斜角αは、垂直な剪断力Vに対する切断力Fの傾斜角をθとしたとき、θ≧αの関係にあるように設定されている。
【0029】
上記の下刃11と協働してワークWの剪断加工を行う上刃15は、上下動自在なラム17の下端に設けられている。ラム17は図4に示されているように垂直面CLに対して上部側が後方側へ離反するように、垂直に対して角度αだけ傾斜して設けられている。
【0030】
なお、ラム17の傾斜角もαであるので、上記のテーブル9のエプロン部13と同様に垂直な剪断力Vに対する切断力Fの傾斜角をθとしたとき、θ≧αの関係になる。
【0031】
また、ラム17の背面には、図1〜図3に示されているように後端側が高くなるように傾斜した板状のブレース19の基部側が溶接等によって一体的に取り付けられている。このブレース19とラム17の背面にはリブ21が溶接等によって一体的に取り付けられている。
【0032】
ラム17の左右両端部には図2に示されているように切欠部23が設けられている。ラム17は傾斜ラム部17Aと、傾斜ラム部17Aの左右両端部で切欠部23を有するラム端部17Bと、ラム駆動用の流体圧シリンダー25のピストン27に連結したラム固定垂直部17Cと、レーキ角により高低差の生じた上刃15の取付位置全体を含む垂直ラム部17Dとにより構成されている。各流体圧シリンダー25は前板5の左右両端部にシリンダ用ブラケット29は使用するが、ほぼダイレクトに接して取り付けられている。すなわち、流体圧シリンダー25は左右の側板3を前方で繋ぐ前板5の左右端と側板3で構成されるコーナー部に前板5と側板3の両方に接する位置に固定して設けられている。したがって、剪断時に上刃15にかかる垂直方向の剪断力Vは各流体圧シリンダー25に対して上方へかかる負荷となるが、この負荷は前板5に分散されるので、従来のように側板3を変形するような荷重がかかることがなく側板3への荷重が軽減される。
【0033】
なお、前板5両端部に固定してもいいし、前板5と側板3の両方に強固に固定してもいい。本例では、前板5の左右端上方を切欠き、内側は前板5のブラケット29に、外側は、側板3の内側面にブラケット30を介して強固に固定されている。
【0034】
このような取付方をしているので、流体圧シリンダー25の中央のピストン27は上刃15よりやや後端側を押圧するに留まり、傾斜角の浅いラム17をほぼ真下へ加圧駆動する。したがって、ラム17の上下動をガイドするガイド装置などの他の部材への余分な荷重の負担が軽減される。
【0035】
また、左右の側板3の内側にはラム17の上下動の軌跡を安定した状態にして上下刃15,11のクリアランスを調整、維持するためのクリアランス調整装置31があるが、一般的な構成であるので、ここでは省略する。また、前板5の下端の33は板押え装置である。
【0036】
上記構成において、テーブル9上にワークWを載置し位置決めした後に、左右の流体圧シリンダー25を作動してラム17を下降せしめることにより、テーブル9に設けた下刃11とラム17に設けた上刃15との協働によってワークWの剪断が行われる。
【0037】
上刃15と下刃11によってワークWが剪断されるとき、上刃15には切断力Fが作用し、この切断力Fは垂直方向の分力として剪断力Vと、上刃15と下刃11のクリアランスを開けようとする水平方向の分力として側方力Hが上刃15に作用する。
【0038】
上記側方力Hの作用によりラム17には側方向(後方向)の変形が生じ、また、当然のこととして下刃11も上記の切断力Fの反力が生じるので、下刃11と上刃15との間のクリアランスが増大することは良く知られている。
【0039】
しかし、本実施の形態では、垂直に対するラム17の剪断時の傾斜角α並びにテーブル9のエプロン部13の剪断時の傾斜角αを設けたことから、以下のように作用する。
【0040】
例えば、ラム17の垂直面に対する傾斜角αが変化すると、ラム17の側方たわみ量が次第に減少し、ついには零になり、かつ(−)になる現象が生じる。
【0041】
図5を参照するに、ワークWの剪断時に上刃15、ラム17に作用する側方力Hによってラム17の下部に側方のたわみが生じる。このたわみはクリアランスを拡大する方向に作用するものであるが、拡大する量は左右端より中央部が大きいものとなる。
【0042】
一方、ワーク剪断時に生じるもう一つの分力である剪断力Vは、傾斜したラム17に対しては図5(B)においてラム17の下部を時計回り方向に回動せしめるべく作用し、ラム17の下部に同方向の側方たわみ、換言すればクリアランスを狭める方向の側方たわみを生じさせる。この剪断力Vに起因するラム17の側方たわみ量は、やはり両端部より中央部の方が大きくなり、かつ上記の側方力Hによるたわみ方向とは逆方向のたわみとなる。したがって、剪断力Vによるラム17のたわみと側方力Hによるラム17のたわみは、相殺可能な関係にある。
【0043】
なお、上記の剪断力Vによるラム17の側方たわみ量は、ラム17の垂直面に対する傾斜角αが大きくなるほど上記の剪断力Vに対するラム17の抗力が小さくなるのでラム17はよりたわみを生じ易くなる。
【0044】
テーブル9のエプロン部13における傾斜角αの作用も、上記のラム17の傾斜角αの作用と同様である。
【0045】
ワークWの材質や板厚等の加工条件によって剪断時に作用する切断力Fは異なってくるので、この切断力Fの分力である側方力Hと剪断力Vの大きさの差も加工条件により異なる。つまり、切断力Fが大きくなるほど側方力Hより剪断力Vの方が大きくなる割合が大であるので、−方向のたわみ量も大きくなる。したがって、上刃15と下刃11のクリアランスの設定の仕方によっては上記の加工条件によりジャミングが発生することがある。この傾向は傾斜角αが大きくなるほど大きくなる。
【0046】
従来例としての先行例1では上記のラム17の傾斜角αと切断力Fの傾斜角θとの関係はθ<α<3θであることが好ましいとしているが、本実施の形態ではラム17及びテーブル9のエプロン部13の傾斜角αはθ≧αの関係にあるように設定されているので、たとえ実際のクリアランスの設定を誤って小さくしすぎても、ジャミングするおそれがない。
【0047】
また、上記の理由から、傾斜角αが大きくなるほど空運転時のクリアランスと剪断加工時のクリアランスの差が大きくなるので、この差が大きくなるとクリアランスの調整は難しくなる。しかし、本実施の形態では上記の傾斜角αはθ≧αの関係にあるように設定されているので、ラム17のたわみ量のバラツキが小さいものとなり、実験値と実測値の誤差も小さくなるのでクリアランスの調整がし易くなる。
【0048】
流体圧シリンダー25は側板3の内側面と前板5の後方面で形成されるコーナー部に接して設けられている。流体圧シリンダー25は前板5にボルト等で強固に面固定されるか、またはブラケット29を介して前板5とブラケット30を介して側板3の両方にボルト等で強固に固定されているので、剪断加工時に生じる切断力Fを受けても前後または左右にかかるモーメントを押え込むことが出来る。従って、流体圧シリンダー25の発生するトルクが効率よくラムに伝わるので、同じ発生トン数に対して流体圧シリンダー25の大きさを小さくできる。また側板3が左右の外側方向へ撓んでシリンダ本体が左右の外側方向に押されることを抑制できるのでレーキ角の加工中の変化量を小さくすることができる。また、ラム17の傾斜は慎重に決定されているにもかかわらず、ラム取付位置が前後方向に撓んでラム17の傾斜の意味が損なわれることを防ぐことができる。更には、流体圧シリンダー25をほぼダイレクトにコーナー部に設けたから取付金具等の部品点数を減らすことができ製造コストの削減を可能にすることができる。
【0049】
更には流体圧シリンダー25を取付けるラム17側の部材(両端切欠部23に溶接固定)を垂直状に設けそこに流体圧シリンダー25を固定することにしたので、上記と同様の効果に加えてラム17の傾斜に合わせてシリンダ取付を傾斜させる必要がなく、前板5及び側板3の垂直壁に取付けることが可能となり、流体圧シリンダー25を固定する余分な部材が不要なばかりか、流体圧シリンダー25の取付安定性が増し、発生するトルクを効率よくラム17に伝える事ができる。
【0050】
図6は、駆動機構の異なる他の実施の形態のシャーリングマシン1の例である駆動機構以外のラム17の形状等は前述のものとほぼ同様である。ラム17の左右両側部には昇降部材35が一体的に取り付けられており、各昇降部材35は左右の側板3に設けた複数のガイドローラ37等によりなるガイド装置によって上下方向に案内されている。
【0051】
左右の側板3には昇降部材35を上下動するために昇降駆動手段としてのクランク軸としての偏心軸39が設けられている。偏心軸39はモータ(図示省略)によって回転されるよう左右の側板3に回転自在に支承されており、この偏心軸39により駆動されるコネクティングロッド41の先端部は駆動連結ピン43を介して昇降部材35に枢支連結されている。しかも、駆動連結ピン43と偏心軸39の回転中心は垂直線上位置に設けられている。
【0052】
テーブル9のエプロン部13は前述した実施の形態のシャーリングマシン1と同様に傾斜角αが設けられているので、下部テーブル傾斜分、ラム下方部のスペースが大きくなるのでラム駆動部の偏心軸39の中心を駆動連結ピン43の真下に設けることができる。
【0053】
従って、後方下部のラムガイドが受けるのは剪断加工時の側方力に限定され、受ける力が弱まりその部分の撓み量が抑制されて、クリアランスの変動量を抑制せしめることができる。
【0054】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。
【0055】
【発明の効果】
以上のごとき発明の実施の形態から理解されるように、本発明によれば、剪断時の側方力の作用によって上刃と下刃との間のクリアランスが増大する方向へ変形されるが、ラム及びテーブルのエプロン部が後方へ傾斜して設けられ、前記上刃より後側でかつ前記上刃より上側において前記ラムを真下に加圧駆動する構成であるから、剪断時の切断力の作用によって上刃と下刃との間のクリアランスが減少する方向へ変形されて、側方力によるクリアランスを増大する変形力を相殺できる。その結果、クリアランスを抑えるためにラム、テーブルの剛性を大きくする必要がないのでラム、テーブルを軽量化できる。
【0057】
また、ラムを上下動するための流体圧シリンダーは側板の内側面と前板の後方面で形成されるコーナー部に接して強固に固定されているので、剪断加工時に生じる力を受けても前後または左右にかかるモーメントを押え込むことが出来る。従って、流体圧シリンダーの発生するトルクが効率よくラムに伝わるので、同じ発生トン数に対して流体圧シリンダーの大きさを小さくできる。また側板が左右の外側方向へ撓んで流体圧シリンダーが左右の外側方向に押されることを抑制できるのでレーキ角の加工中の変化量を小さくすることができる。
また、ラムの傾斜は慎重に決定されているにもかかわらず、ラム取付位置が前後方向に撓んでラムの傾斜の意味が損なわれることを防ぐことができる。更には、流体圧シリンダーの取付金具等の部品点数を減らすことができ製造コストの削減を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すもので、シャーリングマシンの側面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すもので、シャーリングマシンの正面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示すもので、シャーリングマシンの平面図である。
【図4】上刃及び下刃へかかる荷重の状態を示す説明図である。
【図5】ラムの+方向、−方向の相殺機能を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示すもので、シャーリングマシンの側面図である。
【図7】従来のシャーリングマシンのラム及びテーブル付近の機構を示す概略説明図である。
【図8】従来のシャーリングマシンの側板に取り付けられた加圧用シリンダの部分的な概略説明図である。
【図9】従来例を示す他のシャーリングマシンの側面図である。
【符号の説明】
1 シャーリングマシン
3 側板
5 前板
9 テーブル
11 下刃
13 エプロン部
15 上刃
17 ラム
25 流体シリンダー
29 シリンダ用ブラケット
Claims (2)
- ワーク(W)を支持する水平なテーブル(9)に、左右方向に長い下刃(11)を備えると共に垂直面(CL)に対して下部側が前方へ離反するように傾斜したエプロン部(13)を備え、前記下刃(11)と協働してワーク(W)の剪断加工を行う上刃(15)を備えたラム(17)を上下動自在に備えると共に、垂直面(CL)に対して上部側が後方へ離反するように前記ラム(17)を傾斜して備えたシャーリングマシンにおいて、前記上刃(15)より後側でかつ前記上刃(15)より上側において前記ラム(17)を真下に加圧駆動する構成であることを特徴とするシャーリングマシン。
- 請求項1に記載のシャーリングマシンにおいて、前記ラム(17)を上下動するための左右の流体圧シリンダー(25)は、シャーリングマシンにおけるシャーリング本体(7)に備えた左右の側板(3)及び左右の側板(3)を一体的に連結した前板(5)の両方に固定してあることを特徴とするシャーリングマシン。
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