JP2000117528A - シャーリングマシン - Google Patents

シャーリングマシン

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JP2000117528A
JP2000117528A JP29410798A JP29410798A JP2000117528A JP 2000117528 A JP2000117528 A JP 2000117528A JP 29410798 A JP29410798 A JP 29410798A JP 29410798 A JP29410798 A JP 29410798A JP 2000117528 A JP2000117528 A JP 2000117528A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剪断加工時のクリアランスを空運転時のクリ
アランスとできるだけ近い状態に保ちクリアランスの調
整を容易にし、ラム及びテーブルの軽量化を図る。 【解決手段】 上下動自在なラム17の下端に設けた上
刃15と、テーブル9の後端に設けた下刃11との協働
によりワークWを剪断加工する際、ラム17及びテーブ
ル9のエプロン部13に傾斜角αを設けているので、剪
断時の切断力の作用によって上刃15と下刃11が互い
に接近する方向へ変形され、側方力によるクリアランス
を広げる変形が相殺される。ラム17及びエプロン部1
3の傾斜角αが大きくなるほど剪断力による上刃15及
び下刃11の側方たわみ量が大きくなるが、前記各傾斜
角αが剪断力の傾斜角θより小さいので、たとえ実際の
クリアランスの設定を誤って小さくしすぎても、ジャミ
ングするおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テーブルの後端に
設けた下刃と上下動自在なラムの下端に設けた上刃との
協働によってワークの剪断加工を行なうシャーリングマ
シンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のシャーリングマシン101は、図
7に示されているように垂直に立設した左右の側板10
3を前板105により一体的に連結してシャーリング本
体107が構成されている。上記の左右の側板103の
間には板材のワークWを支持するテーブル109が水平
に設けられており、テーブル109の後端には下刃11
1が設けられ、板状のエプロン部113が垂直に一体的
に設けられている。
【0003】テーブル109に載置されたワークWは上
下動自在なラム115の下端に設けた上刃117と上記
の下刃111との協働によって剪断加工が行われる。ラ
ム115を上下動せしめる昇降駆動手段としての例えば
加圧用シリンダ119は、図8に示されているように垂
直に立設した左右の側板103にシリンダ用ブラケット
121を介して設けられており、加圧用シリンダ119
のピストンロッド123の下端にラム115の両端側が
連結されている。
【0004】上刃117と下刃111によってワークW
が剪断されるとき、上刃117には切断力Fが作用す
る。この切断力Fは垂直方向の分力として剪断力Vと、
上刃117と下刃111のクリアランスを開けようとす
る水平方向の分力として側方力Hが作用する。
【0005】剪断時に上記のクリアランスが広がると、
ワークWは剪断されずに上刃117と下刃111間に挟
まれ、曲がったり、引きちぎられたりするので、良好な
剪断面を得るには剪断時のクリアランスを保つことが肝
要である。
【0006】また、下刃111には、当然のこととして
上記の切断力Fの反力が生じるので、上記の剪断力Vと
側方力Hの反力が生じる。
【0007】上記の側方力Hは、一般的に剪断力Vに対
して15〜20%程であるが、側方力Hによるラム11
5や上刃117のたわみは、クリアランスに変動を与え
剪断精度に悪影響を与えるので、上記の側方力Hによる
上刃117のたわみを許容値に抑えるべくラム115の
剛性を高くする構成を採用しているのが一般的である。
特に、より長い板材を剪断したり、良好な剪断面を得る
ためにラム115やテーブル109が大型化している。
【0008】なお、上記の側方力Hの反力によって下刃
111も水平にたわむ傾向にあるので、当然ながら下刃
111における水平方向のたわみも剪断精度へ悪影響を
与える。
【0009】また、本出願人は特開平8−1428号公
報(以下、「先行例1」と称す)に示されているよう
に、図9に示されているように垂直に対するラム115
の傾斜角をαとし、垂直な剪断力Vに対する切断力Fの
傾斜角をθとしたとき、θ<α<3θの関係にあるよう
にラム115の傾斜角αを設定した構成とすることによ
り、剪断時の側方力Hをラム115の傾斜角よる水平分
力によって相殺しようとする構成がある。
【0010】なお、先行例1においては図9における符
号説明をすると、ラムは115、ラム115と一体の昇
降部材は125で、127はガイドローラ、129は、
昇降駆動装置となっている。
【0011】左右の側板107にはモータ(図示省略)
によって回転される偏心軸131が回転自在に支承され
ており、この偏心軸131により駆動されるコネクティ
ングロッド133の先端部は駆動連結ピン135を介し
て昇降部材125に枢支連結されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のよう
にラム115やテーブル109の剛性を高くする構成に
おいては、ラム115の大型化により可動部分が大重量
になり、ガイド装置への負担が増大したり、振動の騒音
が大きくなり、また上記の大型化に伴ってシャーリング
マシン101の製作コストが高くなるという問題点があ
った。
【0013】また、左右の側板103に取り付けられた
加圧用シリンダ119では、図8の2点鎖線に示されて
いるように加圧用シリンダ119には剪断時に上刃11
7にかかる垂直方向の剪断力Vにより上方へ負荷がかか
るために側板103が外側に変形されるという問題点が
あった。
【0014】また、先行例1のような構成においては、
垂直に対するラム115の剪断時の傾斜角αを大きく設
けたことから、剪断時における剪断力Vがラム115の
下部を図9の紙面上において時計回り方向に撓ませて、
クリアランスを狭める効果を生じさせる。この側方のた
わみ量は上刃117の両端部より中央部の方が大きくな
り、ラム115の傾斜角αが大きくなるほど前記側方た
わみ量は大きくなるので、剪断時の側方力Hによって生
じるクリアランスを広げる力を相殺する効果がある。
【0015】しかしながら、先行例1では上記のラム1
15の傾斜角αと切断力Fの傾斜角θとの関係はθ<α
<3θであることが好ましいとしているが、実際のクリ
アランスの設定を誤って小さくしすぎた場合には剪断時
に上下刃117,111の長手方向の両端部より中央付
近の方がクリアランスが小さくなりすぎて剪断精度が低
下したり、ムラが生じてしまうという問題点があった。
【0016】一方、図9に示されているようなシャーリ
ングマシン101では、昇降部材125は切断時にクラ
ンク軸129で斜め後方に引っ張られるので、ガイドロ
ーラ127に引っ張り力の水平分力がかかる。
【0017】従って、後方下部のガイド部材には剪断時
の側方力ばかりでなく駆動力そのものが加わって、ガイ
ドローラ時のガイド部材に強大な力が加わっていた。ガ
イド部材はクリアランスが広がらない様に強固に作られ
ているが、それでも加わる力によって後方への撓みを生
じ、その分クリアランスが拡大することを余儀なくされ
ていた。
【0018】また、シャーリングマシンの上刃117が
レーキ角を有するということは、上刃117の左右方向
の取付位置に高低差が生じるということである。ラム1
15がほぼ垂直に設置されているときには問題がない
が、ラム115を傾斜させたときこの垂直に生じていた
高低差が水平方向差となるので、単純にラム115を寝
かせていたのではレーキ角の大きさに応じて、上刃11
7と下刃111のクリアランスの左右位置での量が大き
く異なることになる。このクリアランスの差を生じさせ
ないためにはラム115を傾斜せしめると同時に下刃1
11からより離れた上刃117側を下刃111に接近す
るように前方へずらして、左右のクリアランスが均一に
なるようにしてやる必要がある。これは3次元的なラム
位置の設定を行うことになる。または、ラム115は従
来のままで、ラム115に取り付けた上刃117を3次
元的にずらした位置に取付けなくてはならない。このよ
うな設置は製造上の難易度が高く、メンテナンスも容易
ではない。また意図的に逆方向に撓み生じさせるための
傾斜構造のラムの特徴はクリアランス変動を押さえるこ
とにあるが、その基本的なクリアランスの調整をも複雑
なものにしかねない。
【0019】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、剪断加工時のクリアランスを
空運転時のクリアランスとできるだけ同じ程度に保つと
ともにクリアランスの調整を容易にすると共にラム及び
テーブルの軽量化を図り得るシャーリングマシンを提供
することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1によるこの発明のシャーリングマシンは、上
下動自在なラムの下端に設けた上刃とテーブルの後端に
設けた下刃との協働によりワークを剪断加工するシャー
リングマシンにおいて、垂直面に対して前記ラム及びテ
ーブルを後方に傾斜させるとともに、垂直面に対するラ
ムの傾斜角α及びテーブルの傾斜角αを、ワーク剪断時
に発生する切断力Fの傾斜角θ以下(α≦θ)に設けて
なることを特徴とするものである。
【0021】請求項2によるこの発明のシャーリングマ
シンは、上下動自在なラムの下端に設けた上刃とテーブ
ルの後端に設けた下刃との協働によりワークを剪断加工
するシャーリングマシンにおいて、前記ラムを駆動する
流体圧シリンダを、左右の側板を前方で繋ぐ前板の左右
端と側板で構成されるコーナー部に前板と側板の両方に
接して固定して設け、前記ラム及びテーブルを垂直面に
対して後方に傾斜させたことを特徴とするものである。
【0022】請求項3によるこの発明のシャーリングマ
シンは、上下動自在なラムの下端に設けた上刃とテーブ
ルの後端に設けた下刃との協働によりワークを剪断加工
するシャーリングマシンにおいて、前記ラムの駆動機構
を駆動連結ピン、コネクティングロッド、偏心軸より構
成し前記駆動連結ピンと前記偏心軸の回転中心を垂直線
上位置に設けるとともに、前記ラム及びテーブルを垂直
面に対して後方に傾斜させたことを特徴とするものであ
る。
【0023】請求項4によるこの発明のシャーリングマ
シンは、請求項2又は3のシャーリングマシンにおい
て、垂直面に対するラムの傾斜角α及びテーブルの傾斜
角αを、ワーク剪断時に発生する切断力Fの傾斜角θ以
下(α≦θ)に設けてなることを特徴とするものであ
る。
【0024】請求項5によるこの発明のシャーリングマ
シンは、上下動自在なラムの下端にレーキ角をもって設
けられた上刃とテーブルの後端に設けた下刃との協働に
よりワークを剪断加工するシャーリングマシンにおい
て、前記ラム及びテーブルを垂直面に対して後方に傾斜
させるとともに、前記ラムは、傾斜ラム部と、レーキ角
により高低差のある上刃の取付位置全体を含む垂直ラム
部とより構成されていることを特徴とするものである。
【0025】請求項6によるこの発明のシャーリングマ
シンは、請求項5のシャーリングマシンにおいて、ラム
は、傾斜ラム部と、ラムの左右両端部の切欠部に各々設
けられラムとラム駆動用流体圧シリンダを連結するラム
固定垂直部材と、レーキ角により高低差のある上刃の取
付位置全体を含む垂直ラム部とより構成されていること
を特徴とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明のシャーリングマシ
ンの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0027】図1〜図3を参照するに、本実施の形態に
係わるシャーリングマシン1は、垂直に立設した左右の
側板3を前板5により一体的に連結してシャーリング本
体7が構成されている。上記の左右の側板3の間には板
材のワークWを支持するテーブル9が水平に設けられて
おり、テーブル9の後端には左右方向(図2において左
右方向)に延伸した下刃11が設けられ、下方前方側に
傾斜する板状のエプロン部13が一体的に設けられてい
る。つまり、このエプロン部13は図4に示されている
ように垂直面CLに対して下部側が前方側へ離反するよ
うに、垂直に対して角度αだけ傾斜して設けられてい
る。
【0028】なお、エプロン部13の傾斜角αは、垂直
な剪断力Vに対する切断力Fの傾斜角をθとしたとき、
θ≧αの関係にあるように設定されている。
【0029】上記の下刃11と協働してワークWの剪断
加工を行う上刃15は、上下動自在なラム17の下端に
設けられている。ラム17は図4に示されているように
垂直面CLに対して上部側が後方側へ離反するように、
垂直に対して角度αだけ傾斜して設けられている。
【0030】なお、ラム17の傾斜角もαであるので、
上記のテーブル9のエプロン部13と同様に垂直な剪断
力Vに対する切断力Fの傾斜角をθとしたとき、θ≧α
の関係になる。
【0031】また、ラム17の背面には、図1〜図3に
示されているように後端側が高くなるように傾斜した板
状のブレース19の基部側が溶接等によって一体的に取
り付けられている。このブレース19とラム17の背面
にはリブ21が溶接等によって一体的に取り付けられて
いる。
【0032】ラム17の左右両端部には図2に示されて
いるように切欠部23が設けられている。ラム17は傾
斜ラム部17Aと、傾斜ラム部17Aの左右両端部で切
欠部23を有するラム端部17Bと、ラム駆動用の流体
圧シリンダー25のピストン27に連結したラム固定垂
直部17Cと、レーキ角により高低差の生じた上刃15
の取付位置全体を含む垂直ラム部17Dとにより構成さ
れている。各流体圧シリンダー25は前板5の左右両端
部にシリンダ用ブラケット29は使用するが、ほぼダイ
レクトに接して取り付けられている。すなわち、流体圧
シリンダー25は左右の側板3を前方で繋ぐ前板5の左
右端と側板3で構成されるコーナー部に前板5と側板3
の両方に接する位置に固定して設けられている。したが
って、剪断時に上刃15にかかる垂直方向の剪断力Vは
各流体圧シリンダー25に対して上方へかかる負荷とな
るが、この負荷は前板5に分散されるので、従来のよう
に側板3を変形するような荷重がかかることがなく側板
3への荷重が軽減される。
【0033】なお、前板5両端部に固定してもいいし、
前板5と側板3の両方に強固に固定してもいい。本例で
は、前板5の左右端上方を切欠き、内側は前板5のブラ
ケット29に、外側は、側板3の内側面にブラケット3
0を介して強固に固定されている。
【0034】このような取付方をしているので、流体圧
シリンダー25の中央のピストン27は上刃15よりや
や後端側を押圧するに留まり、傾斜角の浅いラム17を
ほぼ真下へ加圧駆動する。したがって、ラム17の上下
動をガイドするガイド装置などの他の部材への余分な荷
重の負担が軽減される。
【0035】また、左右の側板3の内側にはラム17の
上下動の軌跡を安定した状態にして上下刃15,11の
クリアランスを調整、維持するためのクリアランス調整
装置31があるが、一般的な構成であるので、ここでは
省略する。また、前板5の下端の33は板押え装置であ
る。
【0036】上記構成において、テーブル9上にワーク
Wを載置し位置決めした後に、左右の流体圧シリンダー
25を作動してラム17を下降せしめることにより、テ
ーブル9に設けた下刃11とラム17に設けた上刃15
との協働によってワークWの剪断が行われる。
【0037】上刃15と下刃11によってワークWが剪
断されるとき、上刃15には切断力Fが作用し、この切
断力Fは垂直方向の分力として剪断力Vと、上刃15と
下刃11のクリアランスを開けようとする水平方向の分
力として側方力Hが上刃15に作用する。
【0038】上記側方力Hの作用によりラム17には側
方向(後方向)の変形が生じ、また、当然のこととして
下刃11も上記の切断力Fの反力が生じるので、下刃1
1と上刃15との間のクリアランスが増大することは良
く知られている。
【0039】しかし、本実施の形態では、垂直に対する
ラム17の剪断時の傾斜角α並びにテーブル9のエプロ
ン部13の剪断時の傾斜角αを設けたことから、以下の
ように作用する。
【0040】例えば、ラム17の垂直面に対する傾斜角
αが変化すると、ラム17の側方たわみ量が次第に減少
し、ついには零になり、かつ(−)になる現象が生じ
る。
【0041】図5を参照するに、ワークWの剪断時に上
刃15、ラム17に作用する側方力Hによってラム17
の下部に側方のたわみが生じる。このたわみはクリアラ
ンスを拡大する方向に作用するものであるが、拡大する
量は左右端より中央部が大きいものとなる。
【0042】一方、ワーク剪断時に生じるもう一つの分
力である剪断力Vは、傾斜したラム17に対しては図5
(B)においてラム17の下部を時計回り方向に回動せ
しめるべく作用し、ラム17の下部に同方向の側方たわ
み、換言すればクリアランスを狭める方向の側方たわみ
を生じさせる。この剪断力Vに起因するラム17の側方
たわみ量は、やはり両端部より中央部の方が大きくな
り、かつ上記の側方力Hによるたわみ方向とは逆方向の
たわみとなる。したがって、剪断力Vによるラム17の
たわみと側方力Hによるラム17のたわみは、相殺可能
な関係にある。
【0043】なお、上記の剪断力Vによるラム17の側
方たわみ量は、ラム17の垂直面に対する傾斜角αが大
きくなるほど上記の剪断力Vに対するラム17の抗力が
小さくなるのでラム17はよりたわみを生じ易くなる。
【0044】テーブル9のエプロン部13における傾斜
角αの作用も、上記のラム17の傾斜角αの作用と同様
である。
【0045】ワークWの材質や板厚等の加工条件によっ
て剪断時に作用する切断力Fは異なってくるので、この
切断力Fの分力である側方力Hと剪断力Vの大きさの差
も加工条件により異なる。つまり、切断力Fが大きくな
るほど側方力Hより剪断力Vの方が大きくなる割合が大
であるので、−方向のたわみ量も大きくなる。したがっ
て、上刃15と下刃11のクリアランスの設定の仕方に
よっては上記の加工条件によりジャミングが発生するこ
とがある。この傾向は傾斜角αが大きくなるほど大きく
なる。
【0046】従来例としての先行例1では上記のラム1
7の傾斜角αと切断力Fの傾斜角θとの関係はθ<α<
3θであることが好ましいとしているが、本実施の形態
ではラム17及びテーブル9のエプロン部13の傾斜角
αはθ≧αの関係にあるように設定されているので、た
とえ実際のクリアランスの設定を誤って小さくしすぎて
も、ジャミングするおそれがない。
【0047】また、上記の理由から、傾斜角αが大きく
なるほど空運転時のクリアランスと剪断加工時のクリア
ランスの差が大きくなるので、この差が大きくなるとク
リアランスの調整は難しくなる。しかし、本実施の形態
では上記の傾斜角αはθ≧αの関係にあるように設定さ
れているので、ラム17のたわみ量のバラツキが小さい
ものとなり、実験値と実測値の誤差も小さくなるのでク
リアランスの調整がし易くなる。
【0048】流体圧シリンダー25は側板3の内側面と
前板5の後方面で形成されるコーナー部に接して設けら
れている。流体圧シリンダー25は前板5にボルト等で
強固に面固定されるか、またはブラケット29を介して
前板5とブラケット30を介して側板3の両方にボルト
等で強固に固定されているので、剪断加工時に生じる切
断力Fを受けても前後または左右にかかるモーメントを
押え込むことが出来る。従って、流体圧シリンダー25
の発生するトルクが効率よくラムに伝わるので、同じ発
生トン数に対して流体圧シリンダー25の大きさを小さ
くできる。また側板3が左右の外側方向へ撓んでシリン
ダ本体が左右の外側方向に押されることを抑制できるの
でレーキ角の加工中の変化量を小さくすることができ
る。また、ラム17の傾斜は慎重に決定されているにも
かかわらず、ラム取付位置が前後方向に撓んでラム17
の傾斜の意味が損なわれることを防ぐことができる。更
には、流体圧シリンダー25をほぼダイレクトにコーナ
ー部に設けたから取付金具等の部品点数を減らすことが
でき製造コストの削減を可能にすることができる。
【0049】更には流体圧シリンダー25を取付けるラ
ム17側の部材(両端切欠部23に溶接固定)を垂直状
に設けそこに流体圧シリンダー25を固定することにし
たので、上記と同様の効果に加えてラム17の傾斜に合
わせてシリンダ取付を傾斜させる必要がなく、前板5及
び側板3の垂直壁に取付けることが可能となり、流体圧
シリンダー25を固定する余分な部材が不要なばかり
か、流体圧シリンダー25の取付安定性が増し、発生す
るトルクを効率よくラム17に伝える事ができる。
【0050】図6は、駆動機構の異なる他の実施の形態
のシャーリングマシン1の例である駆動機構以外のラム
17の形状等は前述のものとほぼ同様である。ラム17
の左右両側部には昇降部材35が一体的に取り付けられ
ており、各昇降部材35は左右の側板3に設けた複数の
ガイドローラ37等によりなるガイド装置によって上下
方向に案内されている。
【0051】左右の側板3には昇降部材35を上下動す
るために昇降駆動手段としてのクランク軸としての偏心
軸39が設けられている。偏心軸39はモータ(図示省
略)によって回転されるよう左右の側板3に回転自在に
支承されており、この偏心軸39により駆動されるコネ
クティングロッド41の先端部は駆動連結ピン43を介
して昇降部材35に枢支連結されている。しかも、駆動
連結ピン43と偏心軸39の回転中心は垂直線上位置に
設けられている。
【0052】テーブル9のエプロン部13は前述した実
施の形態のシャーリングマシン1と同様に傾斜角αが設
けられているので、下部テーブル傾斜分、ラム下方部の
スペースが大きくなるのでラム駆動部の偏心軸39の中
心を駆動連結ピン43の真下に設けることができる。
【0053】従って、後方下部のラムガイドが受けるの
は剪断加工時の側方力に限定され、受ける力が弱まりそ
の部分の撓み量が抑制されて、クリアランスの変動量を
抑制せしめることができる。
【0054】なお、この発明は前述した実施の形態に限
定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他
の態様で実施し得るものである。
【0055】
【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態から理解
されるように、請求項1の発明によれば、剪断時の側方
力の作用によって上刃と下刃との間のクリアランスが増
大する方向へ変形されるが、ラム及びテーブルのエプロ
ン部が後方へ傾斜して設けられているので、剪断時の切
断力の作用によって上刃と下刃との間のクリアランスが
減少する方向へ変形されて、側方力によるクリアランス
を増大する変形力を相殺できる。その結果、クリアラン
スを抑えるためにラム、テーブルの剛性を大きくする必
要がないのでラム、テーブルを軽量化できる。
【0056】ラム及びエプロン部の垂直面に対する傾斜
角αが大きくなるほど切断力による上刃及び下刃の側方
たわみ量が大きくなるが、ラムの垂直面に対する傾斜角
αとテーブルのエプロン部の垂直面に対する傾斜角α
を、剪断時における切断力の傾斜角θより小さく(α≦
θ)設けられているので、たとえ実際のクリアランスの
設定を誤って小さくしすぎても、ジャミングするおそれ
がない。
【0057】請求項2の発明によれば、請求項1のラム
及びテーブルが後方へ傾斜して設けた構成については同
様の効果を奏する。さらに、流体圧シリンダーは側板の
内側面と前板の後方面で形成されるコーナー部に接して
強固に固定されているので、剪断加工時に生じる力を受
けても前後または左右にかかるモーメントを押え込むこ
とが出来る。従って、流体圧シリンダーの発生するトル
クが効率よくラムに伝わるので、同じ発生トン数に対し
て流体圧シリンダーの大きさを小さくできる。また側板
が左右の外側方向へ撓んで流体圧シリンダーが左右の外
側方向に押されることを抑制できるのでレーキ角の加工
中の変化量を小さくすることができる。また、ラムの傾
斜は慎重に決定されているにもかかわらず、ラム取付位
置が前後方向に撓んでラムの傾斜の意味が損なわれるこ
とを防ぐことができる。更には、流体圧シリンダーの取
付金具等の部品点数を減らすことができ製造コストの削
減を可能にすることができる。
【0058】請求項3の発明によれば、請求項1のラム
及びテーブルが後方へ傾斜して設けた構成については同
様の効果を奏する。さらに、ラム及び下部テーブルを傾
斜させることにより、下部テーブル傾斜分、ラム下方部
のスペースが大きくなるのでラム駆動部の偏心軸の中心
を駆動連結ピンの真下に設けることができる。従って、
後方下部のラムガイドが受けるのは剪断加工時の側方力
に限定され、受ける力が弱まりその部分の撓み量が抑制
されて、クリアランスの変動量を抑制せしめることがで
きる。
【0059】請求項4の発明によれば、請求項1におけ
る垂直面に対するラム及びテーブルの傾斜角αを、ワー
ク剪断時に発生する切断力Fの傾斜角θ以下(α≦θ)
に設けた構成と同様の効果を奏する。
【0060】請求項5の発明によれば、ラムの構成を傾
斜ラム部と垂直ラム部に分けて構成し、ラム下端の上刃
が取付けられる部分をほぼ垂直に設けられた垂直ラム部
としたのでラムの傾斜を設定する場合、レーキ角の垂直
方向の高低差を分離して考えることができ製造上やメン
テナンスの難易度が下がり、クリアランスを維持するた
めに調整機構も従来とかえる必要はない。ブレード(上
刃,下刃)もラムに対して従来と同じ位置に設けること
で用が足りる。
【0061】請求項6の発明によれば、流体シリンダー
を取付けるラム側の部材(両端切欠部に溶接固定)を垂
直状に設けそこに流体シリンダーを固定することにした
ので、ラムの傾斜に合わせて流体圧シリンダー取付を傾
斜させる必要がなく、前板及び側板のコーナ部に取付け
ることが可能となり、流体圧シリンダーを固定する余分
な部材が不要なばかりか、流体圧シリンダーの取付安定
性が増し、発生するトルクを効率よくラムに伝える事が
できる。また側板が左右の外側方向への撓んで流体圧シ
リンダー本体が左右の外側方向に押されることも抑制で
きる等の効果は、前述と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すもので、シャーリン
グマシンの側面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すもので、シャーリン
グマシンの正面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示すもので、シャーリン
グマシンの平面図である。
【図4】上刃及び下刃へかかる荷重の状態を示す説明図
である。
【図5】ラムの+方向、−方向の相殺機能を示す説明図
である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示すもので、シャー
リングマシンの側面図である。
【図7】従来のシャーリングマシンのラム及びテーブル
付近の機構を示す概略説明図である。
【図8】従来のシャーリングマシンの側板に取り付けら
れた加圧用シリンダの部分的な概略説明図である。
【図9】従来例を示す他のシャーリングマシンの側面図
である。
【符号の説明】 1 シャーリングマシン 3 側板 5 前板 9 テーブル 11 下刃 13 エプロン部 15 上刃 17 ラム 25 流体シリンダー 29 シリンダ用ブラケット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下動自在なラムの下端に設けた上刃と
    テーブルの後端に設けた下刃との協働によりワークを剪
    断加工するシャーリングマシンにおいて、垂直面に対し
    て前記ラム及びテーブルを後方に傾斜させるとともに、
    垂直面に対するラムの傾斜角α及びテーブルの傾斜角α
    を、ワーク剪断時に発生する切断力Fの傾斜角θ以下
    (α≦θ)に設けてなることを特徴とするシャーリング
    マシン。
  2. 【請求項2】 上下動自在なラムの下端に設けた上刃と
    テーブルの後端に設けた下刃との協働によりワークを剪
    断加工するシャーリングマシンにおいて、前記ラムを駆
    動する流体圧シリンダを、左右の側板を前方で繋ぐ前板
    の左右端と側板で構成されるコーナー部に前板と側板の
    両方にほぼ接して固定して設け、前記ラム及びテーブル
    を垂直面に対して後方に傾斜させたことを特徴とするシ
    ャーリングマシン。
  3. 【請求項3】 上下動自在なラムの下端に設けた上刃と
    テーブルの後端に設けた下刃との協働によりワークを剪
    断加工するシャーリングマシンにおいて、前記ラムの駆
    動機構を駆動連結ピン、コネクティングロッド、偏心軸
    より構成し前記駆動連結ピンと前記偏心軸の回転中心を
    垂直線上位置に設けるとともに、前記ラム及びテーブル
    を垂直面に対して後方に傾斜させたことを特徴とするシ
    ャーリングマシン。
  4. 【請求項4】 垂直面に対するラムの傾斜角α及びテー
    ブルの傾斜角αを、ワーク剪断時に発生する切断力Fの
    傾斜角θ以下(α≦θ)に設けてなることを特徴とする
    請求項2又は3記載のシャーリングマシン。
  5. 【請求項5】 上下動自在なラムの下端にレーキ角をも
    って設けられた上刃とテーブルの後端に設けた下刃との
    協働によりワークを剪断加工するシャーリングマシンに
    おいて、前記ラム及びテーブルを垂直面に対して後方に
    傾斜させるとともに、前記ラムは、傾斜ラム部と、レー
    キ角により高低差のある上刃の取付位置全体を含む垂直
    ラム部とより構成されていることを特徴とするシャーリ
    ングマシン。
  6. 【請求項6】 ラムは、傾斜ラム部と、ラムの左右両端
    部の切欠部に各々設けられラムとラム駆動用流体圧シリ
    ンダを連結するラム固定垂直部材と、レーキ角により高
    低差のある上刃の取付位置全体を含む垂直ラム部とより
    構成されていることを特徴とする請求項5記載のシャー
    リングマシン。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011088235A (ja) * 2009-10-21 2011-05-06 Kurimoto Ltd 押切プレス
CN104384594A (zh) * 2014-11-25 2015-03-04 江苏大学 超大型剪板机板料剪切边缘变形量自动补偿系统及方法
CN107309486A (zh) * 2017-08-10 2017-11-03 马凯 一种方便收集和固定剪切物的剪切机
CN113752316A (zh) * 2021-09-16 2021-12-07 苏州京通光电科技有限公司 一种用于光学胶加工的oca切片设备
CN115152448A (zh) * 2022-07-19 2022-10-11 江苏东成工具科技有限公司 修枝剪

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