JP4287342B2 - ウォータージェット推進艇 - Google Patents
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Description
このウォータージェット推進艇は、推進速度を検出するために艇体後部の船底プレートに速度検出装置を備える(例えば、特許文献1参照。)。
図8は従来の基本構成を説明する図である。
ウォータージェット推進艇100は、艇体101の後部に水ジェットポンプ(図示せず)を設け、この水ジェットポンプの下方で、かつ吸込み口102の後方に船底プレート103を設け、この船底プレート103の左側の前端103aに切欠き部104を設け、切欠き部104に速度検出装置105を配置し、この切欠き部104を避けて、左右の案内溝106,106を船底プレート103の前端103aから後端103bに向けて設けたものである。
左右の案内溝106,106に沿って水を艇体101の後方に流すことで、艇体101の直進性を確保する。
同時に、切欠き部104に配置した速度検出装置105を作動することにより艇体101の推進速度を検出する。
そこで、左案内溝106の外側近傍に、切欠き部104を形成し、この切欠き部104に速度検出装置105を設けた。
このため、切欠き部104に流れる水は乱れが生じている。流れが乱れた水で、速度検出装置105を作動させると、速度検出装置105を好適に作動させることが難しい。
前記船底プレートのうち、少なくとも前部を除いた部位に、前記艇体の後方に向けて水を案内する案内溝を前後方向に向けて設け、前記案内溝の前部で、該案内溝より前であって、溝が存在しない部分に平坦面を形成し、該平坦面であって、該案内溝の前端部から離れた部分に前記開口孔を形成したことを特徴とする。
よって、平坦面に開口孔を形成することで、乱れのない水の流れを開口孔に導くことが可能になる。
これにより、乱れのない水で速度検出装置を作動させることが可能になり、速度検出装置を好適に作動させることができる。
これにより、開口孔の制約を受けずに、案内溝の形状を決めることができる。
これにより、左旋回中に、艇体の後部が外側に横滑りすることを防ぎ、運転者の感覚に合わせて左旋回させることができる。
これにより、右旋回中に、艇体の後部が外側に横滑りすることを防ぎ、運転者の感覚に合わせて右旋回させることができる。
水を後方に円滑に導くことで、水による抵抗を小さく抑えることができる。
請求項4は、請求項1又は請求項3において、前記案内溝は、溝幅が、前端部から後端部に向かって一定であることを特徴とする。
請求項5は、請求項1、請求項3、請求項4の何れか1項において、前記案内溝は、両側の側壁及びフラットな頂部からなる断面略コ字状であることを特徴とする。
直進性を確保するとともに、旋回中に艇体の後部が外側に横滑りすることを防ぎ、好適な操作性を確保することができるという利点がある。
第1実施の形態のウォータージェット推進艇10は、艇体11の前部12に燃料タンク13を取り付け、この燃料タンク13の後方にエンジン14を設け、このエンジン14後方の艇尾(艇体の後部)15にジェットポンプ室16を設け、このジェットポンプ室16に水ジェットポンプ17を設け、この水ジェットポンプ17の下方に船底プレート18を設け、船底プレート18の上面18aに速度検出装置20を設け、この速度検出装置20の前方に開口孔21(図2,図3も参照)を設けたものである。
艇体11の推進の際に、開口孔21から水を取り入れ、取り入れた水で速度検出装置20を作動することにより艇体11の推進速度を検出する。
ウォータージェット推進艇10は、船底28の幅方向の中央に船首31から船尾15まで延びるキール33を備えるとともにキール33を艇体11の幅方向に円弧状に形成し、このキール33の左右側33a、33bから幅方向外側に延びる左右の傾斜面35,36と、左右の傾斜面35,36の外側から略鉛直に延ばした左右の壁面37(右壁面は図示せず)とで構成したものである。
さらに、船底プレート18は、左右の案内溝45,46の前部42で、かつ該案内溝45,46より前であって、該溝が存在しない部分(面42a)に平坦面47が形成され、この平坦面47に開口孔21が形成され、開口孔21の後方の上面18a(図1、図4も参照)に速度検出装置20が設けられている。
ここで、開口孔21を右側に寄せた理由は、平坦面47の幅方向中央には水ジェットポンプ17が設けられているので、速度検出装置20を取り付ける空間を確保することが難しいからである。
この左案内溝45は、内外の側壁45c、45cおよび頂部45dで断面が略コ字状に形成され、頂部45dはフラット状に形成されている。
この右案内溝46は、左案内溝45と同様に、内外の側壁46c、46cおよび頂部46dで断面が略コ字状に形成され、頂部46dはフラット状に形成されている。
これにより、開口孔21の制約を受けずに、左右の案内溝45,46の形状を決めることができる。
速度検出装置20は、船底プレート18の前部42の上面18aにケース51を介してパドル52をシャフト53を介して回転自在に配置し、センサ収容部54内にセンサ本体55を配置し、このセンサ本体55をハーネス56を介して速度計(図示しない)に接続したものである。
パドル52の羽根52a・・・に水が当たることにより、パドル52をシャフト53を中心にして反時計回り方向に回転させる。
一方、艇体11の推進(滑走)速度が遅い場合には、導水通路58内の水の流れが遅くなりパドル52をゆっくり回転させる。
図1に戻って、ウォータージェット推進艇10のエンジン14で水ジェットポンプ17を駆動することにより、船底28の吸込み口29から水を吸い込む。
吸い込んだ水を、水ジェットポンプ17のステアリングノズル24から後方に噴射させることで艇体11を推進(滑走)させる。
艇体11の推進中に、船底プレート18の開口孔21から水を矢印aの如く取り入れ、取り入れた水を導水通路58に導き、導水通路58を通過した水を、導水通路58の出口から後方に矢印bの如く流し、この水をパドル52の羽根52a…に当てる。
パドル52がシャフト53を中心に回転して磁界が変化し、この磁界の変化に基づいてセンサ本体55がパドル52の回転数を検出する。
検出した信号をセンサ本体55から速度計に伝え、艇体11の推進速度を速度計に表示する。
これにより、乱れのない水を速度検出装置20に導いて、速度検出装置20を好適な条件で作動させることで、速度検出精度を確保することができる。
ウォータージェット推進艇10を推進(滑走)させることで、左右の案内溝45,46に沿って水が矢印dの如く流れる。
左右の案内溝45,46に沿って水が矢印dの如く流れることで、艇体11の後方に水を確実に流し、艇体11の直進性を確保することが可能になる。
よって、左右の案内溝45,46に流入した水を、後端部45b,46bに向かって円滑に流すことが可能になる。
これにより、水による抵抗を小さく抑えて、推進性能を高めることができる。
第2実施の形態のウォータージェット推進艇70は、船底プレート18の少なくとも前部42を除いた部位43に、艇体11の後方に向けて水を案内する左案内溝(案内溝)71および右案内溝(案内溝)72が、それぞれ前後方向に向けて設けられ、左案内溝71および右案内溝72の前部42で、かつ該案内溝71,72より前であって、該溝が存在しない部分(面42a)に平坦面47を形成し、この平坦面47に開口孔21を形成し、開口孔21の後方の上面18aに速度検出装置20(図1、図4参照)を取り付けた部材である。
この左案内溝71は、溝の深さD2が前端部71aから後端部71bに向けて漸次深くなるように形成されるとともに、溝の幅W2が前端部71aから後端部71bに向けて漸次大きくなるように形成されている。
この右案内溝72は、溝の深さD2が前端部72aから後端部72bに向けて漸次深くなるように形成されるとともに、溝の幅W2が前端部72aから後端部72bに向けて漸次大きくなるように形成されている。
Claims (5)
- 艇体の後部に水ジェットポンプを設け、この水ジェットポンプの下方に船底プレートを設け、この船底プレートに開口孔を設け、この開口孔に速度検出装置を設け、水ジェットポンプで艇体を推進させた際に、開口孔の速度検出装置を水で作動することにより艇体の推進速度を検出するウォータージェット推進艇において、
前記船底プレートのうち、少なくとも前部を除いた部位に、前記艇体の後方に向けて水を案内する案内溝を前後方向に向けて設け、
前記案内溝の前部で、該案内溝より前であって、溝が存在しない部分に平坦面を形成し、該平坦面であって、該案内溝の前端部から離れた部分に前記開口孔を形成した、
ことを特徴とするウォータージェット推進艇。 - 前記船底プレートの左右側に、それぞれ前記案内溝を設けたことを特徴とする請求項1記載のウォータージェット推進艇。
- 前記案内溝を、前端部から後端部に向かって溝の深さが漸次深くなるように形成したことを特徴とする請求項1記載のウォータージェット推進艇。
- 前記案内溝は、溝幅が、前端部から後端部に向かって一定であることを特徴とする請求項1又は請求項3記載のウォータージェット推進艇。
- 前記案内溝は、両側の側壁及びフラットな頂部からなる断面略コ字状であることを特徴とする請求項1、請求項3、請求項4の何れか1項に記載のウォータージェット推進艇。
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