JP4286609B2 - ポリオール組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の製造方法は、多価アルコールとポリカルボン酸類またはカーボネート化合物を
反応させることにより、ポリオールを製造する工程(以下、「工程1」と称する。)およ
び工程1で得られたポリオールに水を加えることなく、亜リン酸ジエステル、または亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルを添加してポリオール組成物を製造する工程(以下、「工程2」と称する。)からなる。
工程1において使用する多価アルコールに特に制限はなく、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,7−オクタンジオール、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール、2,8−ジメチル−1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3,8−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、3,9−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,8−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンなどの脂環式ジオール;1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)テレフタレートなどの芳香環含有ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコールなどのエーテルグリコール;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオールなどのトリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの、好ましくは数平均分子量が1000以下のポリアルキレングリコールなどが挙げられる。これらの多価アルコールは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
工程2では、亜リン酸ジエステルを添加することによりポリオール中に残存するチタン系化合物の触媒活性能を充分に失活させることができる。工程2で使用する亜リン酸ジエステルは、一般式(HO)P(OR1)(OR2)またはHPO(OR1)(OR2)(式中、R1およびR2はアルキル基またはアリール基を表す)で示される(但し、これらは溶液中では平衡にある)。亜リン酸ジエステルとしては、例えば亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジイソブチル、亜リン酸ジ(2−エチルヘキシル)、亜リン酸ジデシル、亜リン酸ジドデシル、亜リン酸ジオレイル、亜リン酸ジオクタデシル、亜リン酸ジフェニルなどが挙げられる。これらの中でも亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジイソブチル、亜リン酸ジ(2−エチルヘキシル)、亜リン酸ジデシル、亜リン酸ジドデシル、亜リン酸ジオレイルが好ましい。亜リン酸ジエステルの使用量は、チタン系化合物中のチタン原子に対して、1〜30倍モルの範囲であるのが好ましく、2〜20倍モルの範囲であるのがより好ましい。1倍モル未満ではチタン系化合物の触媒活性能を失活させる効果が小さく、一方、20倍モルを超えてもチタン系化合物を失活させる効果は変わらず、コストが増大する。
無機リン系化合物としては、例えばリン酸、亜リン酸、次亜リン酸が挙げられる。酸性リン酸エステルとしては、例えばリン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジイソプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジイソブチル、リン酸ジ(2−エチルヘキシル)、リン酸ジデシル、リン酸ジドデシル、リン酸ジオレイル、リン酸ジオクタデシル、リン酸ジフェニルなどのリン酸ジエステルなどが挙げられる。無機リン系化合物を添加する場合、その使用量は、生成ポリオールに残存しているチタン原子に対して0.01〜3倍モルの範囲であるのが好ましく、0.1〜1.5倍モルの範囲であるのがより好ましい。また、酸性リン酸エステルを添加する場合、その使用量は、生成ポリオールに残存しているチタン原子に対して0.01〜5倍モルの範囲であるのが好ましく、0.1〜3倍モルの範囲であるのがより好ましい。
チタン系化合物の触媒活性能を失活させるために、亜リン酸ジエステルのほかに、無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルを添加する場合、該無機リン系化合物または酸性リン酸エステルは、亜リン酸エステルと一緒に上記ポリオールに加えることができるが、無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルを加えてから、次いで亜リン酸エステルを添加することもできるし、またはその逆の添加順序で添加することもできる。亜リン酸ジエステル、または亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルは、ポリオールに室温下で添加してもよいが、より充分な失活効果を得る観点からは、添加時または添加後に50〜200℃で10分〜3時間加熱するのが好ましい。
JIS K 1557に準じて水酸基価を測定した。
[ヘイズ]
ヘイズ・透過・反射率計 HR−100(商品名、村上色彩技術研究所製)を用いて、後述の実施例および比較例で得られたポリオール組成物のヘイズを測定した。ヘイズが高くなるにつれ、ポリオール組成物の透明性が低下することを意味する。
[反応速度定数]
後述の実施例および比較例で得られたポリオール組成物15mmolと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略称する。)3.75g(15mmol)を50℃で30分間反応させ、系内のイソシアネート基の減少量を追跡して反応速度定数(kg・mol−1・min−1)を求めた。反応速度定数が高くなるにつれ、反応制御が困難になることを表す。
[増粘時間]
後述の実施例および比較例で得られたポリオール組成物150mmolとMDI37.5g(150mmol)を80℃にて混合し、粘度が20Pa・s(200poise)に達するまでの時間(秒)を測定した。増粘時間が短くなるにつれ、反応制御が困難になることを表す。
<参考例1>
<実施例1>
<実施例2>
<実施例3>
<比較例1>
<比較例2>
<比較例3>
<比較例4>
一方、比較例1では、水のみをポリオールに添加しており、ヘイズおよび反応速度定数が大きくなり、また増粘時間が非常に短くなっている。よって、比較例1で得られたポリオール組成物の透明性が低下してしまい、さらに該ポリオール組成物をウレタン化反応などに使用する場合、その反応制御が困難であるといえる。比較例2では、水および亜リン酸ジエステルをポリオールに添加している。水を使用したことにより、ヘイズが大きくなり、比較例2で得られたポリオール組成物の透明性は低くなった。比較例3では、リン酸のみをポリオールに添加しており、この場合には増粘時間が短くなった。よって、比較例3で得られたポリオール組成物をウレタン化反応などに使用する場合、その反応制御が困難であるといえる。また、比較例4では、リン酸ジエステルのみをポリオールに添加しており、この場合には反応速度定数が大きくなり、増粘時間が非常に短くなった。よって、比較例4で得られたポリオール組成物をウレタン化反応などに使用する場合、その反応制御が困難であるといえる。
Claims (2)
- チタン系化合物の存在下、多価アルコールとポリカルボン酸類またはカーボネート化合物を反応させてポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオールを得、得られたポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオールに水を加えることなく、亜リン酸ジエステルを添加することを特徴とするポリオール組成物の製造方法。
- チタン系化合物の存在下、多価アルコールとポリカルボン酸類またはカーボネート化合物を反応させてポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオールを得、得られたポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオールに水を加えることなく、亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルを添加することを特徴とするポリオール組成物の製造方法。
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