JP4286609B2 - ポリオール組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオール組成物の製造方法に関する。本発明の方法により得られるポリオール組成物は、塗料、接着剤、合成皮革・人工皮革、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマーおよび活性エネルギー線硬化性樹脂などの原料などとして有用である。
従来から、ポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオールなどのポリオールは、塗料、接着剤、合成皮革・人工皮革、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、活性エネルギー線硬化性樹脂などの分野において有効に利用されている。これらポリオールの製造において、原料の多価アルコールとポリカルボン酸類またはカーボネート化合物とを反応させる際、エステル化またはエステル交換触媒としてチタン系化合物を使用することが多く、通常、反応終了後にかかる触媒を除去しないため、得られたポリオール中にはチタン系化合物が残存する。かかるチタン系化合物が残存しているポリオールを用いて、例えばウレタン化反応を行なう場合、その反応の制御が困難となる問題や、得られるポリウレタンエラストマーが着色するなどの問題が生じる。そのため、ポリオール中に残存しているチタン系化合物の触媒活性能を、リン酸、亜リン酸により失活させる方法(特許文献1参照)、リン酸エステルにより失活させる方法(特許文献2参照)、または水により失活させる方法(特許文献3参照)などが提案されてきた。さらに、これらの方法では、例えばウレタン化反応におけるポリオール中のチタン系化合物の影響を十分に低減することができないとして、水を加えて加熱後、さらにリン酸、亜リン酸、リン酸エステルまたは亜リン酸エステルを添加する方法(特許文献4参照)が提案されている。
特開平11−269245号公報 特開昭63−128017号公報 特開平8−325346号公報 特開平5−239201号公報
特許文献1に記載の方法では、チタン系化合物の触媒活性能を失活させる手段として、リン酸または亜リン酸の使用が好ましいとされているが、リン酸または亜リン酸を使用した場合、ポリオールをウレタン化反応に付す際の反応制御が困難であるという問題点を有する。特許文献2に記載の方法では、リン酸エステル自体がウレタン化反応触媒として働くため、ポリオールをウレタン化反応に付す際、生成ポリマーがゲル化することがあり、反応制御が困難であるという問題点を有する。特許文献3および特許文献4に記載の方法では、チタン系化合物を水で失活させると、酸化チタンなどの副生により、ポリオールが白濁するという問題点を有する。
しかして、本発明の目的は、上記問題を解決し、ポリオール中に残存するチタン系化合物の触媒活性能を確実に失活させて、例えばウレタン化反応に付す際において、反応の制御が容易なポリオール組成物を製造し得る方法を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、[1]チタン系化合物の存在下、多価アルコールとポリカルボン酸類またはカーボネート化合物を反応させてポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオール(以下、「ポリオール」と総称する。)を得、得られたポリオールに水を加えることなく、亜リン酸ジエステルを添加することを特徴とするポリオール組成物の製造方法、[2]チタン系化合物の存在下、多価アルコールとポリカルボン酸類またはカーボネート化合物を反応させてポリオールを得、得られたポリオールに水を加えることなく、亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルを添加することを特徴とするポリオール組成物の製造方法、を提供することによって達成される。




本発明の方法により得られるポリオール組成物は、例えばウレタン化反応を行なう場合においてその反応制御が容易であり、該ポリオール組成物を使用して、安定した品質を有する塗料、接着剤、合成皮革・人工皮革、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、活性エネルギー線硬化性樹脂などの原料などを製造することができる。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、多価アルコールとポリカルボン酸類またはカーボネート化合物を
反応させることにより、ポリオールを製造する工程(以下、「工程1」と称する。)およ
び工程1で得られたポリオールに水を加えることなく、亜リン酸ジエステル、または亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルを添加してポリオール組成物を製造する工程(以下、「工程2」と称する。)からなる。

まず、工程1について説明する。
工程1において使用する多価アルコールに特に制限はなく、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,7−オクタンジオール、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,9−ノナンジオール、2,8−ジメチル−1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3,8−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、3,9−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,8−ジヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンなどの脂環式ジオール;1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)テレフタレートなどの芳香環含有ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコールなどのエーテルグリコール;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオールなどのトリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの、好ましくは数平均分子量が1000以下のポリアルキレングリコールなどが挙げられる。これらの多価アルコールは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
工程1で使用するポリカルボン酸類としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸およびこれらのエステル;コハク酸無水物、アジピン酸無水物などの脂肪族ジカルボン酸無水物;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸およびこれらのエステル;エタン−1,1,2−トリカルボン酸、ヘキサン−2,3,5−トリカルボン酸、トリメリト酸などのトリカルボン酸およびこれらのエステルなどが挙げられる。これらのポリカルボン酸類は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
工程1で使用するカーボネート化合物としては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。これらのカーボネート化合物は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
工程1で使用するチタン系化合物は、通常のエステル化またはエステル交換反応に触媒として用いる化合物であれば特に制限はなく、例えばテトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラ(オクタデシル)チタネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、ポリイソプロポキシチタンステアレート、チタンアセチルアセトネート、トリエタノールアミンチタネート、チタンアンモニウムラクテート、チタンエチルラクテート、チタンオクチレングリコレートなどが挙げられる。チタン系化合物の使用量に特に制限はないが、多価アルコールに対して、通常、0.5〜500ppmの範囲であるのが好ましく、1〜100ppmの範囲であるのがより好ましい。チタン系化合物の使用量が少なすぎると、ポリオールの形成に時間がかかり、得られるポリオールが着色することがある。一方、チタン系化合物の使用量が多すぎても、特にポリオールの形成に有利になるわけではなく、チタン系化合物の触媒活性能の失活に要する亜リン酸ジエステル、または亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルの使用量が徒に増えてしまうことになる。
工程1は、溶媒の存在下でも非存在下でも実施できる。溶媒としては、例えばオクタン、ノナン、デカン、シクロオクタン、デカリンなどの飽和脂肪族炭化水素;キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、1−フェニルペンタン、1−p−トリルペンタン、クメン、1,3,5−トリメトキシベンゼン、ナフタレン、テトラリンなどの芳香族炭化水素;テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテルなどが挙げられる。工程1の実施の簡便性の観点からは、これらの溶媒を使用せずに反応を行なうのが好ましい。
工程1の反応温度は、150〜250℃の範囲であるのが好ましく、180〜230℃の範囲であるのがより好ましい。工程1は、常圧下でも、減圧下でも実施できる。また、工程1は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で実施するのが好ましい。
工程1は、公知のポリカーボネートポリオールまたはポリエステルポリオールの製造方法をそのまま採用できる。例えば、ポリカルボン酸類またはカーボネート化合物、多価アルコール、チタン系化合物、および必要に応じて溶媒を反応容器に仕込み、好ましくは窒素雰囲気下において徐々に加熱して反応させ、生成したポリオールの水酸基価の測定により数平均分子量を確認しつつ、適宜所定圧力に減圧して過剰の多価アルコールを除去することにより、所望の数平均分子量を有するポリオールを製造できる。
次いで、工程2について説明する。
工程2では、亜リン酸ジエステルを添加することによりポリオール中に残存するチタン系化合物の触媒活性能を充分に失活させることができる。工程2で使用する亜リン酸ジエステルは、一般式(HO)P(OR)(OR)またはHPO(OR)(OR)(式中、RおよびRはアルキル基またはアリール基を表す)で示される(但し、これらは溶液中では平衡にある)。亜リン酸ジエステルとしては、例えば亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジイソブチル、亜リン酸ジ(2−エチルヘキシル)、亜リン酸ジデシル、亜リン酸ジドデシル、亜リン酸ジオレイル、亜リン酸ジオクタデシル、亜リン酸ジフェニルなどが挙げられる。これらの中でも亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジイソブチル、亜リン酸ジ(2−エチルヘキシル)、亜リン酸ジデシル、亜リン酸ジドデシル、亜リン酸ジオレイルが好ましい。亜リン酸ジエステルの使用量は、チタン系化合物中のチタン原子に対して、1〜30倍モルの範囲であるのが好ましく、2〜20倍モルの範囲であるのがより好ましい。1倍モル未満ではチタン系化合物の触媒活性能を失活させる効果が小さく、一方、20倍モルを超えてもチタン系化合物を失活させる効果は変わらず、コストが増大する。
また工程2では、亜リン酸ジエステルのほかに、無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルを添加することができる。
無機リン系化合物としては、例えばリン酸、亜リン酸、次亜リン酸が挙げられる。酸性リン酸エステルとしては、例えばリン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジイソプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジイソブチル、リン酸ジ(2−エチルヘキシル)、リン酸ジデシル、リン酸ジドデシル、リン酸ジオレイル、リン酸ジオクタデシル、リン酸ジフェニルなどのリン酸ジエステルなどが挙げられる。無機リン系化合物を添加する場合、その使用量は、生成ポリオールに残存しているチタン原子に対して0.01〜3倍モルの範囲であるのが好ましく、0.1〜1.5倍モルの範囲であるのがより好ましい。また、酸性リン酸エステルを添加する場合、その使用量は、生成ポリオールに残存しているチタン原子に対して0.01〜5倍モルの範囲であるのが好ましく、0.1〜3倍モルの範囲であるのがより好ましい。
工程2で使用する亜リン酸ジエステル、または亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルは、工程1で得られたポリオールにそのまま添加するのが好ましい。
チタン系化合物の触媒活性能を失活させるために、亜リン酸ジエステルのほかに、無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルを添加する場合、該無機リン系化合物または酸性リン酸エステルは、亜リン酸エステルと一緒に上記ポリオールに加えることができるが、無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルを加えてから、次いで亜リン酸エステルを添加することもできるし、またはその逆の添加順序で添加することもできる。亜リン酸ジエステル、または亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルは、ポリオールに室温下で添加してもよいが、より充分な失活効果を得る観点からは、添加時または添加後に50〜200℃で10分〜3時間加熱するのが好ましい。
亜リン酸ジエステル、または亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルは、チタン系化合物の触媒活性能を失活させるために、工程1の反応終了直後に得られたポリオールに添加してもよいし、該ポリオールを用いた次の反応、例えばポリオールとイソシアネートを反応させてポリウレタンを製造するなどの反応の開始時または反応中に添加してもよい。
本発明では、上記した亜リン酸ジエステル、または亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルに加え、本発明の効果が損なわれない範囲で、上記で得られたポリオール組成物に他の添加剤をさらに添加してもよい。他の添加剤としては、例えばリン酸トリエステル、亜リン酸トリエステル、コンプレクサン、フェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物などが挙げられる。リン酸トリエステルとしては、例えばリン酸トリエチル、リン酸トリイソプロピル、リン酸トリデシル、リン酸トリドデシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリス(ノニルフェニル)、リン酸トリオレイル、リン酸ジフェニルモノデシルなどが挙げられる。亜リン酸トリエステルとしては、例えば亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリイソプロピル、亜リン酸トリデシル、亜リン酸トリドデシル、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、亜リン酸トリオレイル、亜リン酸ジフェニルモノデシルなどが挙げられる。コンプレクサンとしては、例えばエチレンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ニトリト三酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸などが挙げられる。フェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物としては、例えば2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジペンチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−(t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオンなどの片ヒンダードフェノール系化合物;ビス−(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどの2−ヒドロキシベンゾフェノン系化合物;2,2’−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]}などの2−ヒドロキシベンゾトリアゾール系化合物;4−t−ブチルフェニルサリチル酸などのサリチル酸系化合物;4−t−ブチルパラオキシ安息香酸フェニルなどのオキシ安息香酸系化合物;3,4−ジヒドロキシ安息香酸オクチルなどのカテコール系化合物;3,5−ジヒドロキシ安息香酸オクチルなどのレゾルシノール系化合物;4,4’−オクチル−2,2’−ビフェノールなどの2,2’−ビフェノール系化合物;2,2’−ビナフトールなどのビナフトール系化合物;チャイナタンニン、ケブロタンニン、トルコタンニン、ジデプシド、カテキン、エピ−アチエカテキン、ケブラコカテキン、エピ−ガロカテキンなどが挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はかかる実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における物性値の測定は、下記の方法により行なった。
[水酸基価の測定]
JIS K 1557に準じて水酸基価を測定した。
[ヘイズ]
ヘイズ・透過・反射率計 HR−100(商品名、村上色彩技術研究所製)を用いて、後述の実施例および比較例で得られたポリオール組成物のヘイズを測定した。ヘイズが高くなるにつれ、ポリオール組成物の透明性が低下することを意味する。
[反応速度定数]
後述の実施例および比較例で得られたポリオール組成物15mmolと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略称する。)3.75g(15mmol)を50℃で30分間反応させ、系内のイソシアネート基の減少量を追跡して反応速度定数(kg・mol−1・min−1)を求めた。反応速度定数が高くなるにつれ、反応制御が困難になることを表す。
[増粘時間]
後述の実施例および比較例で得られたポリオール組成物150mmolとMDI37.5g(150mmol)を80℃にて混合し、粘度が20Pa・s(200poise)に達するまでの時間(秒)を測定した。増粘時間が短くなるにつれ、反応制御が困難になることを表す。
<参考例1>
電磁攪拌装置を備えた内容積5Lの反応容器に、ジエチルカーボネート1807g(15.3mol)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1776g(15.0mol)、1,6−ヘキサンジオール197g(1.7mol)およびテトライソプロピルチタネート0.14g(0.49mmol)を入れ、常圧、窒素雰囲気下において徐々に200℃まで加熱し、副生するエタノールを系外に留去しながら20時間反応を行なった。ついで、放冷後、0.4kPa下で再び200℃まで加熱し、適宜サンプリングして生成したポリカーボネートポリオールの水酸基価を測定しながら、反応容器内のジオール成分を留去することにより、数平均分子量1990のポリカーボネートジオール2580gを得た。得られたポリカーボネートジオールのチタン原子含有量は9ppmであった。また、該ポリカーボネートジオールのヘイズは0.7%であった。
<実施例1>
内容積1Lのセパラブルフラスコに、参考例1で得られたポリカーボネートジオール500gおよび亜リン酸ジドデシル250mg(0.6mmol)を入れ、100℃で1時間攪拌することによりポリオール組成物(以下、「ポリオール組成物A」と称する。)を得た。得られたポリオール組成物Aのヘイズ、反応速度定数および増粘時間に関するデータを表1に示す。
<実施例2>
内容積1Lのセパラブルフラスコに、参考例1で得られたポリカーボネートジオール500gおよび85%リン酸11mg(0.095mmol)を入れ、100℃で1時間攪拌した。次いで、亜リン酸ジドデシル250mg(0.6mmol)を加え、100℃でさらに1時間攪拌し、ポリオール組成物(以下、「ポリオール組成物B」と称する。)を得た。得られたポリオール組成物Bのヘイズ、反応速度定数および増粘時間に関するデータを表1に示す。
<実施例3>
内容積1Lのセパラブルフラスコに、参考例1で得られたポリカーボネートジオール500gを取り、リン酸ジ(2−エチルヘキシル)50mg(0.16mmol)を加え、100℃で1時間攪拌した。次いで、亜リン酸ジドデシル250mg(0.6mmol)を加え、さらに100℃で1時間攪拌し、ポリオール組成物(以下、「ポリオール組成物C」と称する。)を得た。得られたポリオール組成物Cのヘイズ、反応速度定数および増粘時間に関するデータを表1に示す。
<比較例1>
亜リン酸ジドデシル250mg(0.6mmol)の代わりに水10g(0.5mol)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行ない、ポリオール組成物(以下、「ポリオール組成物D」と称する。)を得た。得られたポリオール組成物Dのヘイズ、反応速度定数および増粘時間に関するデータを表1に示す。
<比較例2>
85%リン酸11mg(0.095mmol)の代わりに水10g(0.5mol)を使用する以外は、実施例2と同様の操作を行ない、ポリオール組成物(以下、「ポリオール組成物E」と称する。)を得た。得られたポリオール組成物Eのヘイズ、反応速度定数および増粘時間に関するデータを表1に示す。
<比較例3>
亜リン酸ジドデシル250mg(0.6mmol)の代わりに85%リン酸を11mg(0.095mmol)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行ない、ポリオール組成物(以下、「ポリオール組成物F」と称する。)を得た。得られたポリオール組成物Fのヘイズ、反応速度定数および増粘時間に関するデータを表1に示す。
<比較例4>
亜リン酸ジドデシル250mg(0.6mmol)の代わりにリン酸ジ2−エチルヘキシルを50mg(0.16mmol)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行ない、ポリオール組成物(以下、「ポリオール組成物G」と称する。)を得た。得られたポリオール組成物Gのヘイズ、反応速度定数および増粘時間に関するデータを表1に示す。
Figure 0004286609
実施例1〜3では、亜リン酸ジエステル、または亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルをポリオールに添加しており、この場合、ヘイズおよび反応速度定数が小さく、また同時に増粘時間が長くなっている。よって、実施例1〜3で得られたポリオール組成物は透明性に優れ、また該ポリオール組成物をウレタン化反応などに使用する場合、その反応制御が容易であるといえる。
一方、比較例1では、水のみをポリオールに添加しており、ヘイズおよび反応速度定数が大きくなり、また増粘時間が非常に短くなっている。よって、比較例1で得られたポリオール組成物の透明性が低下してしまい、さらに該ポリオール組成物をウレタン化反応などに使用する場合、その反応制御が困難であるといえる。比較例2では、水および亜リン酸ジエステルをポリオールに添加している。水を使用したことにより、ヘイズが大きくなり、比較例2で得られたポリオール組成物の透明性は低くなった。比較例3では、リン酸のみをポリオールに添加しており、この場合には増粘時間が短くなった。よって、比較例3で得られたポリオール組成物をウレタン化反応などに使用する場合、その反応制御が困難であるといえる。また、比較例4では、リン酸ジエステルのみをポリオールに添加しており、この場合には反応速度定数が大きくなり、増粘時間が非常に短くなった。よって、比較例4で得られたポリオール組成物をウレタン化反応などに使用する場合、その反応制御が困難であるといえる。
本発明は、例えばウレタン化反応において、その反応制御が容易なポリオール組成物の製造方法であり、かかる方法により得られるポリオール組成物は、塗料、接着剤、合成皮革・人工皮革、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマーおよび活性エネルギー線硬化性樹脂などの原料などとして有用である。

Claims (2)

  1. チタン系化合物の存在下、多価アルコールとポリカルボン酸類またはカーボネート化合物を反応させてポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオールを得、得られたポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオールに水を加えることなく、亜リン酸ジエステルを添加することを特徴とするポリオール組成物の製造方法。
  2. チタン系化合物の存在下、多価アルコールとポリカルボン酸類またはカーボネート化合物を反応させてポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオールを得、得られたポリエステルポリオールまたはポリカーボネートポリオールに水を加えることなく、亜リン酸ジエステル並びに無機リン系化合物および/または酸性リン酸エステルを添加することを特徴とするポリオール組成物の製造方法。
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