JP4286514B2 - 半導体製造装置及び温度制御方法、半導体製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、拡散装置やCVD装置など、温度制御を行いながら半導体ウエーハ等の基板を処理する熱処理装置を備えた半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
拡散装置やCVD装置などのような半導体製造装置によって半導体ウエーハ(以下、単にウエーハという)等の基板に熱処理を施し、薄膜形成、不純物ドーピング、および表面処理などの成膜処理を行う場合は、反応管の温度を予め設定した目標温度に追従させて、適切な温度に維持している。従って、反応管の温度は、外乱が生じたときの補償や目標温度の変化に対して追従ができるように制御が行われている。たとえば、公知例(例えば特許文献1参照)には、外乱が生じたときや目標値が変動したときには、フィードバック制御系からオープンループ制御系に切り替え、外乱や目標値の変動が収まったときには、再びフィードバック系に切り替える温度制御システムが開示されている。このような温度制御システムによれば、外乱が発生しても、外乱による温度制御の不安定要因を避けた制御系によって安定した温度制御を行うことができる。また、他の公知例(特許文献2参照)には、通常の昇温工程の過程において外乱が生じたときに、フィードバック制御系から近似関数に基づいて算出された制御パターン系に切り替えることにより外乱を回避する技術が開示されている。この技術によれば、昇温工程時に発生した突発的且つ一時的な外乱を回避して温度制御を行うことができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−305805号公報
【特許文献2】
特開2000−183072号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された技術のように、外乱発生時に一時的といえどもオープンループ制御系に切り替える場合は、もはやフィードバックループ制御系による優れた高精度な温度制御を行うことができなくなる。また、特許文献2の技術は、ウエーハのボートロード時や昇温工程時などのように、温度変化速度が比較的緩慢な場合における外乱発生においては、所定の制御パターン系に切り替えることによって一時的に外乱を回避し、所望の温度制御を行うことができる。しかし、ウエーハのプロセス処理時間を短縮するために、急速冷却を行うような場合に発生する大きな外乱に対しては、直前のフィードバック系から所定の制御パターン系に切り替えても、不安定な温度変動を吸収することができず、もはや安定した温度制御を行うことができない。
【0005】
急速冷却(強制冷却)は、外部から炉(反応管)内に空気を送り込むと同時に炉内の排気ブロアを回転させて急速に空気を排気することにより、ヒータ近傍に急速な空気の流れを作ってヒータ温度を降下させるものである。このように温度変動の外乱が極めて大きい場合は、フィードバック系では応答速度が遅くて所望の温度制御を行うことができず、一方このときにフィードバック系からオープンループ系や所定の制御パターン系に切り替えても、外乱による温度変動が大きくて温度変動分を吸収できるような制御は困難となり、結果的に安定した温度制御を行うことはできない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、基板の生産性を向上させるために、反応管の温度を急速冷却させても、安定したフィードバック制御が行えるような半導体製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の半導体製造装置は、反応管と、前記反応管を加熱するヒータと、前記反応管の温度を検出する第1の温度検出手段(カスケード熱電対)と、前記ヒータの温度を検出する第2の温度検出手段(ヒータ熱電対)と、前記第1の温度検出手段の検出情報と前記第2の温度検出手段の検出情報とに基づいて前記反応管の温度制御を行うパターンと、前記ヒータの温度下降時において前記第1の温度検出手段の検出情報のみによって温度制御を行うパターンとを切替えて温度制御を行う制御手段(温度コントローラ108、第1のPID調節部202、第2のPID調節部204、及び切替制御部602)とを備えるものである。
【0008】
この構成によれば、通常の昇温工程や目標温度の維持工程においては第2の温度検出手段(ヒータ熱電対)と第1の温度検出手段(カスケード熱電対)とを用いたカスケード制御ループによって温度制御を行い、ヒータの温度下降時には第1の温度検出手段(カスケード熱電対)のみを用いた炉内直接制御ループによって温度制御を行うことができる。これによって、ヒータの温度下降時に生じる外乱による温度不安定時には、ヒータ温度の検出情報を制御ループから外して炉内温度を直接制御することができる。したがって、外乱による制御の不安定さを低減して安定した温度制御を行うことができるので、半導体ウエーハ等の基板の製品歩留りを向上させることができる。
【0009】
また、本発明の半導体製造装置においては、ヒータの温度下降時に、このヒータの表面部分に冷却媒体を流通させて冷却効率を向上させる冷却手段(急冷システム)を備えるものである。
【0010】
この構成によれば、急冷システムを設けることにより、炉内温度を降下させる工程時には、ヒータを急速冷却させて短時間で所定の温度に降下させることができる。これによって、例えばウエーハの熱処理工程の時間を短縮することができるので、ウエーハの生産性を向上させることができる。しかも、ヒータの急速冷却時のようにヒータに冷却エアを流しているときは、この冷却エアが、ヒータに直接接触しているヒータ熱電対も冷却されてしまうので、外乱が発生して正確な温度制御ができなくなるが、本発明では、ヒータ熱電対を制御ループから除くことにより、温度制御の不安定要因を取り除いて正確な温度制御を行うことができる。これにより、例えばウエーハの処理プロセスの時間を短縮して生産性の向上を図ることができると共に、ウエーハの製品歩留りを向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明における半導体製造装置の実施の形態を詳細に説明する。尚、以下の実施の形態では、半導体製造装置の一般的なウエーハの成膜処理プロセスについては周知の技術であるのでその説明は省略し、半導体製造装置の炉内温度を直接制御する温度制御技術について説明する。また、以下の実施の形態では、半導体製造装置として縦型拡散炉を例に挙げて説明することにする。
【0012】
図1は、一般的な縦型拡散炉の構造を示す概念図である。図1に示す縦型拡散炉は、炉本体100、均熱管103、および反応管104の三重構造になっており、ボート106にウエーハ107を搭載して反応管104に収納することによりウエーハ107を熱処理しながら、薄膜形成、不純物ドーピング、および表面処理などの成膜処理を行う。このとき、炉内は、炉本体100と均熱管103の間にほぼ均一に配置されたヒータ101によってむらなく加熱される。ヒータ101の温度は複数箇所に配置されたヒータ熱電対102によって検出され温度コントローラ108へフィードバックされる。さらに、均熱管103と反応管104の間の温度は、均熱管103と反応管104の間で複数箇所に配置されたカスケード熱電対105によって検出され温度コントローラ108へフィードバックされる。温度コントローラ108は、ヒータ熱電対102およびカスケード熱電対105からの検出温度情報と目標温度Yとに基づいてヒータ101へ供給する電力量(操作量)Zを制御してヒータ101の温度制御を行う。
【0013】
ヒータ101は、炉内温度をより高精度に制御するためにゾーン分割されており、例えば、4ゾーン分割の場合には、上部から順にU,CU,CL,Lゾーンなどと呼ばれる。また、それぞれのゾーンごとにヒータ熱電対102とカスケード熱電対105が設置されている。このような縦型拡散炉においては、ウェーハに比較的近い場所に設置してあるカスケード熱電対105の検出温度を目標温度Yに一致させるような温度制御が行われ、ウェーハに最適な熱処理が施される。
【0014】
図2は、カスケード制御ループによる温度制御系の構成図である。通常、図1のような縦型拡散炉においては、図2に示すようなカスケード制御ループを構成して温度制御が行われている。カスケード制御ループは、目標温度Yとカスケード熱電対105からの検出温度との偏差を出力する第1の加算器201と、第1の加算器201の出力レベルに応じてPID(比例、積分、微分)演算し、ヒータ熱電対102からの検出温度が追従すべき値に制御する第1のPID調節部202と、第1のPID調節部202の出力レベルとヒータ熱電対102からの検出温度の偏差を出力する第2の加算器203と、第2の加算器203の出力レベルに応じてPID演算し、ヒータ101へ供給する電力量Zを制御する第2のPID調節部204とによって構成されている。
【0015】
図2は、図1におけるヒータ分割ゾーン(U,CU,CL,Lゾーン)のうちの何れか1つのゾーンのみのカスケード制御ループを示しているが、ヒータ101が4ゾーンに分割される場合は、図2と同様な構成のカスケード制御ループがそれぞれのゾーンごとに存在することになる。このようにして、比較的応答速度の速いヒータ熱電対102の検出温度と、比較的応答速度の遅いカスケード熱電対105の検出温度とを使用して、図2に示すようなカスケード制御ループを構成することにより、カスケード熱電対105の検出温度を素早くかつ安定的に目標の温度に制御できることは一般に知られている。
【0016】
次に、図1の縦型拡散炉で一般に使用される処理シーケンスについて説明する。図3(a)は縦型拡散炉で行われるプロセス処理の一例のフローチャートを示し、図3(b)はプロセス処理の各ステップにおける炉内の温度変化の概略を示したものである。尚、図3(b)中の符合S1〜S6は、図3(a)の各ステップS1〜S6に対応するものである。
【0017】
ステップSlは、炉内の温度を比較的低い温度T0で安定させる処理である。ステップSlではボート106はまだ炉内の反応管104へ挿入されていない。ステップS2は、ウエーハ107を保持しているボート106を反応管104へ挿入する処理(ボートロード)である。ウエーハ107の温度は、通常、温度T0より低いので、ボート106を反応管104へ挿入した結果、炉内の温度は一時的にT0より低い温度になるが、前述した温度制御によって炉内の温度は若干の時間を経て再び温度T0に安定する。
【0018】
ステップS3は、温度T0からウェーハ107に成膜処理等のプロセス処理を施すための目標温度Tlまで、徐々に炉内の温度を上昇させる処理(ランプアップ)である。ステップS4は、ウェーハ107にプロセス処理を施すために炉内の温度を目標温度Tlで維持して安定させる処理である。ステップS5は、プロセス処理終了後に目標温度Tlから再び比較的低い温度T0まで徐々に炉内の温度を下降させる処理(ランプダウン)である。ステップS6は、プロセス処理が施されたウェーハ107を搭載しているボート106を反応室104から引き出す処理である。その後、ボート106上の処理済ウエーハ107は未処理のウエーハ107と入れ替えられる。これら一連の処理(つまり、ステップS1からステップS6)が全てのウェーハ107について施される。
【0019】
通常、ステップSlからステップS6の処理は繰り返し行われるため、1つ1つのステップを短時間で行うことが生産性向上につながる。特に、ヒータ101の温度は、熱しやすく冷めにくい性質のため、ステップS5のランプダウンのステップに要する時間をいかに短縮するかが生産性向上のポイントとなる。そのため、図4に示すような急冷システムが設けられている。即ち、図4は急冷システムを備えた縦型拡散炉の構造を示す概念図である。
【0020】
図4に示す急冷システムは、強制空冷の駆動部となる排気ブロア401と、装置下部の冷却エアー導入口402と装置上部の排気口403の部分に、強制空冷のための空気の流れを調節するために設けた複数のシャッタ404と、排気を冷却するための水冷ラジェータ405によって構成されている。
【0021】
図4の縦型拡散炉において、通常は、排気ブロア401を停止して各シャッタ404を閉じた状態で温度制御を行い、ランプダウンのステップ(図3(b)のステップS5)になると排気ブロア401を駆動し、各シャッタ404を開けて図中の矢印のような空気の流れにより、ヒータ101を強制的に冷却する。これにより、急冷システムが無い自然冷却の場合に比べて、図3(b)のランプダウンのステップS5に要する時間を飛躍的に短縮することができる。
【0022】
ところが、ここで問題となるのは、図4の縦型拡散炉に示すような急冷システムでは、ヒータ101を強制空冷によって直接冷却するために、ヒータ熱電対102の検出温度と、反応管104の内部に設置されたカスケード熱電対105の検出温度との温度変動差が非常に大きくなり、図2に示したようなカスケード制御ループによる温度制御が困難になることである。つまり、図4のような急冷システムを構成した縦型拡散炉では、カスケード熱電対105の検出温度をできるだけ速く降下させようとするが、強制冷却によってヒータ熱電対102の検出温度がそれよりも急激に降下する。このため、図2の第2のPID調節部204における微分動作が強く働き、ヒータ101に電力量Zを多く供給しようとする結果、カスケード熱電対105の検出温度の降下速度が遅くなることがある。このため、排気ブロア401を動作させた強制冷却時には、強制冷却用の特別なPIDパラメータを調整して使用する場合があるが、そのための調整作業に要する時間が必要となり、結果的に図3(b)のステップS5におけるランプダウンの時間を短くすることができない。
【0023】
また、カスケード熱電対105の検出温度が目標の温度に近づいたために、排気ブロア401を止め、強制冷却を停止して通常の温度制御に切り替えるような場合においては、より複雑な調整作業が必要になる場合がある。そのような調整作業を短時間で行うことには限界があり、また所望する温度制御性能を実現することができない場合もある。このため、強制冷却時でも特別な調整時間を必要とせず、良好な温度制御を実現することができるような制御方法が求められている。
【0024】
そこで、本発明では、半導体製造装置の温度制御システムにおいて、カスケード制御ループによる温度制御を生かしながら、強制冷却時には、ヒータ温度の検出系統(つまり、ヒータ熱電対のフィードバック系統)を制御ループから外すような制御方法を提供し、ウエーハの生産時間の短縮化と製品歩留りの向上を図り生産性を改善している。つまり、通常の昇温工程および目標温度維持時においてもヒータの強制冷却時においても、常にフィードバック系を維持することとし、昇温工程時および目標温度維持時には、カスケード熱電対とヒータ熱電対とを用いたカスケード制御ループによって温度制御を行う一方、強制冷却時には、カスケード熱電対のみによる炉内温度直接制御ループに切り替えて、ヒータの強制冷却による制御系の不安定要因を取り除くようにしている。
【0025】
図5は、本発明の半導体製造装置における炉内温度直接制御ループの構成例を示す図である。つまり、図5は、図2のカスケード制御ループの構成例から、第2の加算器203と第2のPID調節部204を省いたものである。図2では、第1のPID調節部202の出力レベルとヒータ熱電対102からの検出温度の偏差を第2のPID調節部204で演算して電力量Zを求めていたが、図5では、目標温度Yとカスケード熱電対105からの検出温度の偏差を第1の加算器201が出力し、それを第1のPID調節部202で演算した結果を電力量Zとして直接ヒータ101へ出力している。これにより、強制冷却時においてヒータ熱電対102の検出温度が急激に降下しても、ヒータ熱電対102の検出温度情報はフィードバックされていないので、図2に示すような第2のPID調節部204における微分動作が強く働くことはなくなり、結果的に、カスケード熱電対105の検出温度の降下速度が遅くなることを防ぐことができる。
【0026】
尚、強制冷却時以外においては、図2のようなカスケード制御ループによる制御が応答性や安定性において優れていることが多いので、現実的には、図6に示すように、カスケード制御ループと炉内温度直接制御ループの切り換えが行えるような制御系を構成することが望ましい。つまり、図6は、本発明の半導体製造装置において、カスケード制御ループと炉内温度直接制御ループの切り替えが行える制御系の構成例である。
【0027】
図6の回路構成が図2の回路構成と異なるところは、第1のPID調節部202の出力からの電力量Zを直接ヒータ101へ出力するか、第1のPID調節部202と第2のPID調節部204を接続して、第2のPID調節部204の出力からの電力量Zをヒータ101へ出力するかを切り替えるための切替器601と、処理シーケンス情報などの制御ループ切替情報Xを入力し、切替器601へ切り換え信号を出力する切替制御部602とを追加した点である。
【0028】
図6に示すような制御系の構成により、図3のステップS1からステップS4までの通常の定温、昇温工程においては、切替器601をb接点側に切り替えて、第1のPID調節部202と第2のPID調節部204のカスケード制御ループによる制御を行い、第2のPID調節部204の出力からの電力量Zによってヒータ101の制御を行う。また、図3のステップS5の強制冷却時の工程においては、切替器601をa接点側に切り替えて、第1のPID調節部202のみによる炉内温度直接制御ループに切り替えて制御を行い、第1のPID調節部202の出力からの電力量Zによってヒータ101の制御を行う。
【0029】
このとき、図3に示すステップS1〜ステップS4の昇温工程および目標温度維持工程の処理シーケンス情報が、制御ループ切替情報Xとして切替制御部602へ入力されると、切替器601はb接点側に切り替えられてカスケード制御ループとなる。また、ステップS5の温度降下工程の処理シーケンス情報が制御ループ切替情報Xとして切替制御部602へ入力されると、切替器601はa接点側に切り替えられて炉内温度直接制御ループとなる。
【0030】
また、図5に示すような第1のPID調節部202のみによる炉内温度直接制御ループは、カスケード熱電対105の検出温度がヒータ熱電対102の検出温度に比べて応答が速い場合には有効である。これはヒータが高出力な場合などに見られる現象である。このような場合、カスケード制御ループによる制御効果が失われ、逆に制御性能が悪くなる場合がある。したがって、このような場合には、図5または図6の制御ループの構成で炉内温度直接制御ループを使用することにより制御性能を改善することができる。
【0031】
さらに、図1、図4及び図6を用いて本発明の半導体製造装置における温度制御システムを説明する。本発明の半導体製造装置における温度制御システムは、ウエーハの加熱源であるヒータ101の近傍に設置された外部温度センサ(つまり、ヒータ熱電対102)の温度と、炉本体100の均熱管103内に設置された内部温度センサ(つまり、カスケード熱電対105)の温度とを検出し、カスケード熱電対105の検出温度フィードバックによって温度制御を行う第1のPID調節部202とヒータ熱電対102の検出温度フィードバックによって温度制御を行う第2のPID調節部204とによってカスケード制御ループを構成して炉内温度を制御する温度制御システムに関するものである。そして、このような温度制御システムにおいて、ヒータ101を冷却するなどして、温度制御系に外乱が発生するような温度制御状態のときは、内部温度センサであるカスケード熱電対105のみを用いて、第1のPID調節部202のみによる炉内温度直接制御ループによって温度制御を行うようにしたことを特徴としている。
【0032】
また、ヒータ101を冷却する場合は、自然冷却以外の方法、例えば排気ブロア401によって炉内の空気を循環排気しながら強制冷却するなどの冷却方法によって、制御対象であるヒータ101の温度を降下させる強制冷却システムを持つ制御系において、排気ブロア401によって炉内の強制冷却を行う工程のときのみ、上記の炉内温度直接制御ループによる温度制御系に切り替えることを特徴とする。つまり、温度降下工程においては、図4に示すように、強制冷却システム(急冷システム)における排気口403の各シャッタ404を開放して冷却エア導入口402から空気を取り込むと同時に、排気ブロア401を運転して急速に空気を排気する。これによって、ヒータ101の近傍に急速な空気が流れてヒータ101を強制冷却させる。尚、ヒータ101によって加熱された空気は水冷ラジエータ405によって冷却されてから排気ブロア401より外部へ排気される。このとき、急激に温度が変化するヒータ101の温度を制御ループから外して、炉内温度を直接制御することによって制御の不安定さを低減させると共に温度降下時間を短縮させる。
【0033】
また、本発明の半導体製造装置における温度制御システムは、加熱源(つまり、ヒータ101)の近傍に設置された外部温度センサ(ヒータ熱電対102)と、炉本体100の均熱管103内に設置された内部温度センサ(つまり、カスケード熱電対105)の温度とを検出し、カスケード制御ループを構成して炉内温度を制御する温度制御システムにおいて、内部温度センサ(カスケード熱電対105)の検出温度の変化速度が、外部温度センサ(ヒータ熱電対102)の検出温度の変化速度と比較して速くなるような場合には、カスケード制御ループによる温度制御の代わりに炉内温度直接制御ループによる温度制御を行うことを特徴とする。つまり、カスケード熱電対105の検出温度の変化速度がヒータ熱電対102の検出温度の変化速度より速ければ、図5のようなカスケード熱電対105と第1のPID調節部202による炉内温度直接制御ループによる制御系によって充分に精度の高い温度制御を行うことができる。
【0034】
また、本発明の半導体製造装置における温度制御システムは、図3に示すような処理シーケンス情報が制御ループ切替情報Xとして切替制御部602へ入力されると、切替器601が自動的に制御系を切り替えて、炉内温度直接制御ループによる温度制御系と、カスケード制御ループによる温度制御系とを随時切り替えることを特徴とする。
【0035】
以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。上記の実施の形態は縦型拡散炉における温度制御システムを例に挙げて説明したが、これに限ることはなく、本発明は、枚葉装置などあらゆる半導体製造装置において、基板の成膜処理時における熱処理工程での温度制御システムに適用できることは云うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大きな外乱発生時にもその外乱の影響を小さく抑えてフィードバック制御系を維持することができ、もって、常に精度良く制御を行うことができる。これにより、ウエーハの生産時間の短縮して生産性を向上させることができると共に、ウエーハの生産品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な縦型拡散炉の構造を示す概念図である。
【図2】 カスケード制御ループによる温度制御系の構成図である。
【図3】 (a)は縦型拡散炉で行われるプロセス処理の一例のフローチャート、(b)はプロセス処理の各ステップにおける炉内の温度変化特性を示す。
【図4】 急冷システムを備えた縦型拡散炉の構造を示す概念図である。
【図5】 本発明の半導体製造装置における炉内温度直接制御ループの構成例を示す図である。
【図6】 本発明の半導体製造装置において、カスケード制御ループと炉内温度直接制御ループの切り替えが行える制御系の構成例である。
【符号の説明】
101 ヒータ、102 ヒータ熱電対、103 均熱管、104 反応管、105 カスケード熱電対、106 ボート、107 ウエーハ、108 温度コントローラ、201 第1の加算器、202 第1のPID調節部、203 第2の加算器、204 第2のPID調節部、401 排気ブロア、402 冷却エア導入口、403 排気口、404 シャッタ、405 冷却ラジエータ、601 切替器、602 切替制御部、X 制御ループ切替情報、Y 目標温度、Z 電力量。
Claims (3)
- 反応管と、
前記反応管内の温度を検出する第1の温度検出手段と、
ヒータの温度を検出する第2の温度検出手段と、
前記第1の温度検出手段の検出情報と昇温工程又は定温工程中の前記第2の温度検出手段の検出情報とに基づいて前記反応管内の温度制御を行う第一パターンと、前記第2の温度検出手段の検出情報を用いずに前記第1の温度検出手段の検出情報に基づいて前記反応管内の温度制御を行う第二パターンとを切替えて温度制御を行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記ヒータの温度降下時には、前記第二パターンにて温度制御を行うことを特徴とする半導体製造装置。 - 反応管内の温度を検出する第1の温度検出手段の検出情報と、ヒータの温度を検出する第2の温度検出手段の検出情報とに基づいて前記ヒータを制御し、基板が収納された前記反応管内の温度を昇温又は定温維持する工程と、
前記第2の温度検出手段の検出情報を用いずに前記第1の温度検出手段の検出情報に基づいて前記ヒータを制御し、基板が収納された前記反応管内の温度を降下する工程と、
を有する温度制御方法。 - 反応管内の温度を検出する第1の温度検出手段の検出情報と、ヒータの温度を検出する第2の温度検出手段の検出情報とに基づいて前記ヒータを制御し、基板が収納された前記反応管内の温度を昇温又は定温維持する工程と、
前記第2の温度検出手段の検出情報を用いずに前記第1の温度検出手段の検出情報に基づいて前記ヒータを制御し、基板が収納された前記反応管内の温度を降下する工程と、
を有する半導体製造方法。
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