JP4284894B2 - スピーカ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種音響機器および情報通信機器に使用されるスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話の小型化に対応するために、従来は丸型スピーカが主流であったが、図7、図8に示すような略角型をしたスリムタイプが最近では注目されつつある。
【0003】
つまり、図8に示すごとく、角型のマグネット1を図7のような四角枠形のヨーク3と、四角板形の上部プレート2により挟持して磁気回路4を構成している。この磁気回路4のヨーク3をフレーム6に圧入するとともに、両者間に接着剤を介在させて結合している。そして、このフレーム6の周縁部に振動板7を接着し、この振動板7にこれを駆動させるためのボイスコイル8を結合し、このボイスコイル8を磁気ギャップ5にはまり込むように結合して完成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のスピーカは、ヨーク3を多段フォーマープレス加工や切削加工により形状加工して得ているため、ヨーク3の生産に多大な時間と工程が必要であり、その生産性を低下させるものであった。このため、今後はスピーカの生産性の向上を実現することが課題であった。
【0005】
そこで本発明は、ヨークおよびスピーカの生産性を向上することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そしてこの目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
【0007】
本発明の請求項1に記載の発明は、ヨークを一枚のシート状の金属材料を折り曲げ加工して、少なくとも2箇所以上の曲げ起こし部を設けて多角形状に構成したものである。これにより、ヨークの材料ロス低減とヨークおよびスピーカの生産性向上を図ることができる。
【0008】
本発明の請求項2に記載の発明は、ヨーク外周部のフレームとの結合部の一部に、少なくとも1箇所以上の凹部を設けたものである。そしてこのヨークを前記フレームに圧入するとともに、両者間に接着剤を介在させたものである。これにより、ヨーク外周部の凹部に接着剤がたまることにより、ヨークとフレームの接着力の強化を図ることができる。
【0009】
本発明の請求項3に記載の発明は、フレームのヨークとの結合部の一部に、少なくとも1箇所以上の凹部を設けたものである。このフレームに前記ヨークを圧入するとともに、これら両者間に接着剤を介在させたものである。これにより、フレームの凹部に接着剤がたまることにより、ヨークとフレームの接着力の強化を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態1〜3について図面を用いて説明する。なお、各実施の形態の説明については、実施の形態1と同様のものはその説明を簡略化する。
【0011】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について説明する。図1は、本発明の一実施形態のヨークの斜視図であり、図2はそれを使用したスピーカの断面図を示したものである。
【0012】
図1に示すヨーク23はあらかじめ外形抜きを実施した一枚のシート状の金属材料を折り曲げ加工して、曲げ起こし部23Aを4箇所設けて有底状の4角枠形に形成したものである。また、この曲げ起こし部23Aは4箇所以上に設定することもできる。さらに、2段階以上に曲げ加工することにより、より高性能な磁気回路を構成することも可能である。これにより、ヨーク23の材料ロス低減とヨーク23の生産性向上を図ることができる。
【0013】
図2は、図1にて得られたヨーク23を使用して組立てられたスピーカの断面図を示したものである。図2に示すごとく角型のマグネット21を前記ヨーク23と四角板形の上部プレート22により挟持して磁気回路24を構成している。この磁気回路24のヨーク23をフレーム26に圧入するとともに、この両者間には接着剤を介在させて結合している。このフレーム26の周縁部に振動板27を接着し、この振動板27にこれを駆動させるためのボイスコイル28を結合し、このボイスコイル28を磁気ギャップ25にはまり込むように結合して完成していた。
【0014】
以上の構成によれば、ヨーク23は板体の折り曲げ加工によって形成することができるので、その生産性を向上することができる。
【0015】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。図3は、本発明の一実施形態のヨーク23aの斜視図を示したものであり、曲げ起こし部23Aのフレーム26との結合部の一部に、図3、図4のごとく凹部23bを設けている。
【0016】
図4は、図3にて得られたヨーク23aを使用して組立てられたスピーカの断面図を示したものである。実施の形態1との違いは、このヨーク23aを使用して組立てられた磁気回路24を前記フレーム26に圧入する際、接着剤の一部が凹部23bにたまることにより、接着剤層が厚くなり、ヨーク23aとフレーム26の接着力の強化を図ることができる。
【0017】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項3に記載の発明について説明する。
【0018】
図5は、本発明の一実施形態のフレーム26aの斜視図を示したものである。このフレーム26aのヨーク23との結合部の一部には図5、図6に示すごとく凹部26bを設けている。
【0019】
図6は、図5にて得られたフレーム26aを使用して組立てられたスピーカの断面図を示したものである。実施の形態1との違いは、組立てられた磁気回路24をフレーム26aに圧入するとともに両者間に接着剤を塗布して、その時にフレーム26aの凹部26bに接着剤がたまることであり、接着剤層が厚くなり、ヨーク23とフレーム26aの接着力の強化を図ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明はヨークを一枚のシート状の金属材料を折り曲げ加工し、少なくとも2箇所以上の曲げ起こし部を設けて多角形状に構成しており、ヨークの材料ロス低減とヨークおよびスピーカの生産性向上を実現することができる。
【0021】
また、ヨーク外周部やフレームの一部に凹部を設ければこの凹部に接着剤の一部がたまることにより、接着剤層が厚くなり、ヨークとフレームの接着力強化も実現することができる。
【0022】
よって本発明は高生産性を実現できる優れたスピーカを提供することができ、その工業的価値は非常に大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるヨークの斜視図
【図2】本発明の実施の形態1におけるスピーカの断面図
【図3】本発明の実施の形態2におけるヨークの斜視図
【図4】本発明の実施の形態2におけるスピーカの断面図
【図5】本発明の実施の形態3におけるフレームの斜視図
【図6】本発明の実施の形態3におけるスピーカの断面図
【図7】従来例のヨークの斜視図
【図8】従来のスピーカの断面図
【符号の説明】
21 マグネット
22 上部プレート
23 ヨーク
23a ヨーク
23b 凹部
24 磁気回路
25 磁気ギャップ
26 フレーム
26a フレーム
26b 凹部
27 振動板
28 ボイスコイル

Claims (3)

  1. マグネットを上部プレートとヨークとで挟持されてなる磁気回路に結合されたフレームと、このフレームの外周部に結合された振動板と、この振動板に結合されるとともに、その一部が前記磁気回路の磁気ギャップに配置されたボイスコイルとからなるスピーカであって、前記ヨークは一枚のシート状の金属材料を折り曲げ加工して、少なくとも2箇所以上の曲げ起こし部を設けて多角形状に構成したスピーカ。
  2. ヨーク外周部のフレームとの結合部の一部に、少なくとも1箇所以上の凹部を設け、このヨークとフレーム間に接着剤を塗布した請求項1記載のスピーカ。
  3. フレームのヨークとの結合部の一部に、少なくとも1箇所以上の凹部を設け、前記フレームと前記ヨーク間に接着剤を塗布した請求項1記載のスピーカ。
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