JP4284572B2 - 情報処理装置および情報処置方法、並びにプログラム格納媒体 - Google Patents

情報処理装置および情報処置方法、並びにプログラム格納媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置および情報処理方法、並びにプログラム格納媒体に関し、特に、画像の状態変化の検知結果に基づいて、撮像した画像を記憶するタイミングを制御することにより、簡単な構成で、画像の記憶タイミングを正確に制御することができるようにした情報処理装置および情報処理方法、並びにプログラム格納媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラが撮像した画像データを記憶させるタイミングを示すトリガ信号を発生させる方法として、ユーザがシャッタボタンを物理的に押下したタイミングでトリガ信号を発生させることに加えて、例えば、音声または光等を検出するセンサを搭載し、そのセンサが出力する出力信号をトリガ信号とする方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した音声または光等を検知するセンサを利用した場合、雑音や散乱光などの外乱により、これらのセンサが正確なトリガ信号を出力することができず、誤動作が生じる場合があった。さらに、カメラの撮像系以外に、別途、音声または光等を検知するセンサを設けなければならず、構成が複雑になるという課題があった。
【0004】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、音声または光等を検知するセンサを利用しない簡単な構成で、画像の記憶タイミングを正確に制御することができるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報処理装置は、電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶するのか、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶するのかを、同一のアプリケーションプログラムに対するユーザの操作に応じて設定する設定手段と、撮像して得られた画像データを出力する撮像手段と、前記撮像手段から出力された画像データを遅延させる遅延手段と、電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された画像データの所定の位置の画素の輝度値を所定のフレーム数毎に抽出し、抽出した輝度値と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データから抽出した対応する画素の輝度値との差を演算し、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号を出力し、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された1フレームの画像データの全画素の画素値の総和を所定のフレーム数毎に算出し、算出した総和と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データの全画素の画素値の総和との差を演算し、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号を出力する認識手段と、前記認識手段からトリガ信号が出力されることに同期して、前記遅延手段により遅延された画像データを記憶する記憶手段とを備え、前記遅延手段による画像データの遅延時間は、電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されており、電灯がオンからオフにされたことに応じて前記認識手段からトリガ信号が出力された場合、電灯がオフにされる直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整され、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、被写体の位置の変化がある直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整される。
【0006】
本発明の情報処理方法、またはプログラム格納媒体に格納されているプログラムは、電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶するのか、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶するのかを、同一のアプリケーションプログラムに対するユーザの操作に応じて設定し、撮像して得られた画像データを撮像手段から出力し、前記撮像手段から出力された画像データを遅延させ、電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された画像データの所定の位置の画素の輝度値を所定のフレーム数毎に抽出し、抽出した輝度値と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データから抽出した対応する画素の輝度値との差を演算し、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号を出力し、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された1フレームの画像データの全画素の画素値の総和を所定のフレーム数毎に算出し、算出した総和と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データの全画素の画素値の総和との差を演算し、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号を出力し、トリガ信号が出力されることに同期して、遅延された画像データを記憶手段に記憶するステップを含み、画像データの遅延時間は、電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されており、電灯がオンからオフにされたことに応じてトリガ信号が出力された場合、電灯がオフにされる直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整され、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、被写体の位置の変化がある直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整される。
【0008】
本発明の情報処理装置、情報処理方法、またはプログラム格納媒体に格納されているプログラムにおいては、電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶するのか、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶するのかが、同一のアプリケーションプログラムに対するユーザの操作に応じて設定され、撮像して得られた画像データを撮像手段から出力され、前記撮像手段から出力された画像データが遅延される。電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された画像データの所定の位置の画素の輝度値が所定のフレーム数毎に抽出され、抽出された輝度値と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データから抽出された対応する画素の輝度値との差が演算され、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号が出力される。また、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された1フレームの画像データの全画素の画素値の総和が所定のフレーム数毎に算出され、算出された総和と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データの全画素の画素値の総和との差が演算され、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号が出力される。トリガ信号が出力されることに同期して、遅延された画像データを記憶手段に記憶される。画像データの遅延時間は、電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されており、電灯がオンからオフにされたことに応じてトリガ信号が出力された場合、電灯がオフにされる直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整され、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、被写体の位置の変化がある直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1乃至図6は、本発明を適用した携帯型パーソナルコンピュータの構成例を表している。このパーソナルコンピュータ1は、ミニノート型のパーソナルコンピュータとされ、基本的に、本体2と、本体2に対して開閉自在とされている表示部3により構成されている。図1は、表示部3を本体2に対して開いた状態を示す外観斜視図、図2は、図1の平面図、図3は、表示部3を本体2に対して閉塞した状態を示す左側側面図、図4は、表示部3を本体2に対して180度開いた状態を示す右側側面図、図5は、図3の正面図、図6は、図4の底面図である。
【0012】
本体2には、各種の文字や記号などを入力するとき操作されるキーボード4、マウスカーソルを移動させるときなどに操作されるトラックポイント5が、その上面に設けられている。また、本体2の上面には、音を出力するスピーカ8と、表示部3に設けられているCCDビデオカメラ23で撮像するとき操作されるシャッタボタン10がさらに設けられている。
【0013】
表示部3の上端部には、ツメ13が設けられており、図3に示すように、表示部3を本体2に対して閉塞した状態において、ツメ13に対向する位置における本体2には、ツメ13が嵌合する孔部6が設けられている。本体2の前面には、スライドレバー7が前面に平行に移動可能に設けられており、スライドレバー7は孔部6に嵌合したツメ13と係合してロックし、またロック解除することができるようになっている。ロックを解除することにより、表示部3を本体2に対して回動することができる。ツメ13の隣りには、マイクロホン24が取り付けられている。このマイクロホン24は、図6にも示すように、背面からの音も収音できるようになされている。
【0014】
本体2の正面にはまた、プログラマブルパワーキー(PPK)9が設けられている。本体2の右側面には、図4に示すように、排気孔11が設けられており、本体2の前面下部には、図5に示すように、吸気孔14が設けられている。さらに、排気孔11の右側には、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カード(PCカード)を挿入するためのスロット12が設けられている。
【0015】
表示部3の正面には、画像を表示するLCD(Liquid Crystal Display)21が設けられており、その上端部には、撮像部22が、表示部3に対して回動自在に設けられている。すなわち、この撮像部22は、LCD21と同一の方向と、その逆の方向(背面の方向)との間の180度の範囲の任意の位置に回動することができるようになされている。撮像部22には、CCDビデオカメラ23が取り付けられている。
【0016】
表示部3の下側の本体側には、電源ランプPL、電池ランプBL、メッセージランプML、その他のLEDよりなるランプが設けられている。なお、図3に示す符号40は、本体2の左側面に設けられた電源スイッチであり、図5に示す符号25は、CCDビデオカメラ23のフォーカスを調整する調整リングである。さらに、図6に示す符号26は、本体2内に増設メモリを取り付けるための開口部を被覆する蓋であり、符号41は、蓋26のロックツメを外すためのピンを挿入する小孔である。
【0017】
図7は、パーソナルコンピュータ1の内部の構成を表している。内部バス51には、図7に示すように、CPU(Central Processing Unit)52、必要に応じて挿入されるPCカード53、RAM(Random Access Memory)54、およびグラフィックチップ81が接続されている。この内部バス51は、外部バス55に接続されており、外部バス55には、ハードディスクドライブ(HDD)56、I/O(入出力)コントローラ57、キーボードコントローラ58、スティック式ポインティングデバイスコントローラ59、サウンドチップ60、LCDコントローラ83、モデム50、ドライブ201などが接続されている。
【0018】
CPU52は、各機能を統括するコントローラであり、PCカード53は、オプションの機能を付加するとき適宜装着される。
【0019】
RAM54の中には、起動が完了した時点において、電子メールプログラム(アプリケーションプログラム)54A、オートパイロットプログラム(アプリケーションプログラム)54B、そしてOS(基本プログラム)54Cが、HDD56から転送され、記憶される。
【0020】
電子メールプログラム54Aは、電話回線のような通信回線などからネットワーク経由で通信文を授受するプログラムである。電子メールプログラム54Aは、特定機能としての着信メール取得機能を有している。この着信メール取得機能は、メールサーバ93に対して、そのメールボックス93A内に自分(利用者)宛のメールが着信しているかどうかを確認して、自分宛のメールがあれば取得する処理を実行する。
【0021】
オートパイロットプログラム54Bは、予め設定された複数の処理(またはプログラム)などを、予め設定された順序で順次起動して、処理するプログラムである。
【0022】
OS(基本プログラムソフトウェア)54Cは、Windows98(商標)に代表される、コンピュータの基本的な動作を制御するものである。
【0023】
一方、外部バス55側のハードディスクドライブ(HDD)56には、電子メールプログラム56A、オートパイロットプログラム56B、OS(基本プログラムソフトウェア)56Cが記憶されている。ハードディスクドライブ56内のOS56C、オートパイロットプログラム56B、および電子メールプログラム56Aは、起動(ブートアップ)処理の過程で、RAM54内に順次転送され、格納される。
【0024】
I/Oコントローラ57は、マイクロコントローラ61を有し、このマイクロコントローラ61には、I/Oインタフェース62が設けられている。このマイクロコントローラ61は、I/Oインタフェース62、CPU63、RAM64、ROM69が相互に接続されて構成されている。このRAM64は、キー入力ステイタスレジスタ65、LED(発光ダイオード)制御レジスタ66、設定時刻レジスタ67、レジスタ68を有している。設定時刻レジスタ67は、ユーザが予め設定した時刻(起動条件)になると、起動シーケンス制御部76の動作を開始させる際に利用される。レジスタ68は、予め設定された操作キーの組み合わせ(起動条件)と、起動すべきアプリケーションプログラムの対応を記憶するもので、その記憶された操作キーの組み合わせがユーザにより入力されると、その記憶されたアプリケーションプログラム(例えば電子メール)が起動されることになる。
【0025】
キー入力ステイタスレジスタ65は、ワンタッチ操作用のプログラマブルパワーキー(PPK)9が押されると、操作キーフラグが格納されるようになっている。LED制御レジスタ66は、レジスタ68に記憶されたアプリケーションプログラム(電子メール)の立ち上げ状態を表示するメッセージランプMLの点灯を制御するものである。設定時刻レジスタ67は、所定の時刻を任意に設定することができるものである。
【0026】
なお、このマイクロコントローラ61には、バックアップ用のバッテリ74が接続されており、各レジスタ65,66,67の値は、本体2の電源がオフとされている状態においても保持されるようになっている。
【0027】
マイクロコントローラ61内のROM69の中には、ウェイクアッププログラム70、キー入力監視プログラム71、LED制御プログラム72が予め格納されている。このROM69は、例えばEEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)で構成されている。このEEPROMはフラッシュメモリとも呼ばれている。さらにマイクロコントローラ61には、常時現在時刻をカウントするRTC(Real-Time Clock)75が接続されている。
【0028】
ROM69の中のウェイクアッププログラム70は、RTC75から供給される現在時刻データに基づいて、設定時刻レジスタ67に予め設定された時刻になったかどうかをチェックして、設定された時刻になると、所定の処理(またはプログラムなどの起動)をするプログラムである。キー入力監視プログラム71は、PPK9が利用者により押されたかどうかを常時監視するプログラムである。LED制御プログラム72は、メッセージランプMLの点灯を制御するプログラムである。
【0029】
ROM69には、さらにBIOS(Basic Input/Output System)73が書き込まれている。このBIOSとは、基本入出力システムのことをいい、OSやアプリケーションソフトウェアと周辺機器(ディスプレイ、キーボード、ハードディスクドライブなど)の間でのデータの受け渡し(入出力)を制御するソフトウェアプログラムである。
【0030】
外部バス55に接続されているキーボードコントローラ58は、キーボード4からの入力をコントロールする。スティック式ポインティングデバイスコントローラ59は、トラックポイント5の入力を制御する。
【0031】
サウンドチップ60は、マイクロホン24からの入力を取り込み、あるいは、スピーカ8に対して音声信号を供給する。
【0032】
モデム50は、公衆電話回線90、インターネットサービスプロバイダ91を介して、インターネットなどの通信ネットワーク92やメールサーバ93などに接続することができる。
【0033】
内部バス51に接続されているグラフィックチップ81には、CCDビデオカメラ23で取り込んだ画像データが、処理部82で処理された後、入力されるようになされている。グラフィックチップ81は、処理部82を介してCCDビデオカメラ23より入力されたビデオデータを、内蔵するVRAM81に記憶し、適宜、これを読み出して、LCDコントローラ83に出力する。LCDコントローラ83は、グラフィックチップ81より供給された画像データをLCD21に出力し、表示させる。バックライト84は、LCD21を後方から照明するようになされている。
【0034】
電源スイッチ40は、電源をオンまたはオフするとき操作される。半押しスイッチ85は、シャッタボタン10が半押し状態にされたときオンされ、全押しスイッチ86は、シャッタボタン10が全押し状態にされたときオンされる。反転スイッチ87は、撮像部22が180度回転されたとき(CCDビデオカメラ23がLCD21の反対側を撮像する方向に回転されたとき)、オンされるようになされている。
【0035】
さて、本実施の形態においては、上述したように、CCDビデオカメラ23で取り込んだ画像データが、グラフィックチップ81が内蔵するVRAM81Aに記憶されるようになされている。このVRAM81Aに記憶された画像データがキャプチャされる(ハードディスクドライブ56に記憶される)タイミングは、ハードウェアスイッチとしてシャッタボタン10がユーザに全押しされたとき(全押しスイッチ86がオンされたとき)、およびソフトウェアスイッチとして稼働中の画像認識アプリケーションにより、VRAM81Aに記憶された画像データから所定の情報が検知されたときである。
【0036】
図8は、上述した画像認識アプリケーションとしての機能も含む撮像アプリケーションプログラムの具体的な表示例を説明する図である。ここでは、CCDビデオカメラ23により画像を取り込むための撮像アプリケーションプログラムとしてのSmart Capture(商標)を一例として説明する。
【0037】
このSmart Captureが起動された状態において、CPU52は、CCDビデオカメラ23から取り込まれた画像をLCD21に表示させる処理を、グラフィックチップ81に実行させる。すなわち、CCDビデオカメラ23より取り込まれた画像データは、処理部82で所定の処理が施された後、図示しないZVポートを介してグラフィックチップ81に供給される。グラフィックチップ81は、取り込まれた画像データをVRAM81Aに一時記憶すると共に、一旦記憶した画像データを読み出し、LCDコントローラ83に出力する。LCDコントローラ83は、入力された画像データをLCD21(ファインダ画面121)に出力し、表示させる。これにより、Smart Captureのウインドウ111には、例えば、図8に示すようなCCDビデオカメラ23で取り込まれた画像が動画像として表示される。
【0038】
図8に示すように、ウインドウ111には、ファインダ画面121が設けられており、その領域にCCDビデオカメラ23により撮像された画像が表示される。ステータス表示部122には、ファインダ画面121に表示されている画像のステータス情報が表示される。例えば、静止画撮影モード時は、画質モード(FINE)、画像サイズ(320×240)、ハードディスクドライブの空き容量(Remain 1.51GB)などが表示される。動画撮影時には、最大録画可能時間、現在の録画時間、画像サイズが表示される。
【0039】
オプションボタン123は、撮影モードなどを指定するとき操作される。エフェクトボタン124は、撮影画像にエフェクトをかけたいとき操作される。キャプチャボタン125は、機械的なボタンとしてのシャッタボタン10(図1)と同等の機能を有するボタンであり、撮影時操作される。このキャプチャボタン125の中の文字は、静止画撮影時「STILL」となり、動画撮影時「VIDEO」とされる。
【0040】
アプリケーション切り替えメニュー126には、撮影した画像を処理するアプリケーション名が表示される。図8に示す状態においては、静止画像を再生するアプリケーションプログラムであるStill Viewer(商標)が選択されており、Smart Captureは、取得した画像データをStill Viewerに供給する状態にある。これにより、アプリケーション切り替えメニュー126には、「Still Viewer」の文字が表示されている。アプリケーション切り替えメニュー126の右側のボタン127は、対応するアプリケーションを切り替えるとき操作される。
【0041】
図9は、画像認識アプリケーションの機能的な構成を示している。撮像部141(図7のCCDビデオカメラ23に対応する)は、撮像した画像データを、画像認識部142、および遅延部143に出力するようになされている。
【0042】
画像認識部142は、撮像部141から入力された画像データに対して画像認識を行い、所定の情報を検知した場合、画像取込部144に画像取り込みを指令するトリガ信号を出力するようになされている。例えば、画像認識部142は、画面を人が横切るような物体の動きベクトル、電灯がオンまたはオフされたような光の強度変化、または人の顔のような特定の画像パターンを検知する。画像認識部142がどのような情報を検知するかは、予めユーザによって設定される。
【0043】
遅延部143は、撮像部141から入力された画像データに対して、画像認識部142による画像認識にかかる時間に対応する遅延を補償し、画像取り込み部144に出力するようになされている。画像取込部144は、画像認識部142から入力されたトリガ信号に同期して、遅延部143から入力された画像データを取り込み、画像記憶部145(図7のハードディスクドライブ56に対応する)に出力するようになされている。画像記憶部145は、画像取込部144が出力した画像データを記憶するようになされている。
【0044】
次に、図10のフローチャートを参照して、画像認識部142が光の強度変化を検知するように設定される場合の撮像処理について説明する。
【0045】
例えば、ある部屋の電灯がオンまたはオフされたときにその部屋を撮像した画像データを記憶する場合、ユーザは、図8を用いて説明した撮像アプリケーションプログラムとしてのSmart Captureの設定を変更して、画像認識部142が光の強度変化を検知するように設定する。
【0046】
ステップS1において、撮像部141は、その部屋の撮像を開始し、撮像した画像データを画像認識部142および遅延部143に出力する。したがって、画像認識部142および遅延部143には、その部屋を撮像したリアルタイムの画像データが連続して入力される。
【0047】
ステップS2において、画像認識部142は、撮像部141から入力された画像データから所定のフレーム数(例えば、10フレーム)毎に所定の位置の画素の光度(輝度値)を抽出し、時間的に10フレーム分だけ前のフレームの対応する画素の輝度値との差を演算する。
【0048】
ステップS3において、画像認識部142は、ステップS2で演算した輝度値の差が所定の値以上であるか(電灯がオン、またはオフされたか)否かを判定し、輝度値の差が所定の値以上であると判定するまで、ステップS2,S3の処理を繰り返す。ステップS2で演算した輝度値の差が所定の値以上であると判定された場合、処理は、ステップS4に進む。
【0049】
一方、遅延部143は、ステップS2,S3における画像認識部142の処理にかかる時間だけ、撮像部141から入力された画像データを遅延して画像取込部144に出力する。さらに、遅延部143は、画像認識部142が検出する情報に対応して遅延時間を調節する。
【0050】
ステップS4において、画像認識部142は、トリガ信号を画像取込部144に出力する。画像取込部144は、画像認識部142から入力されたトリガ信号に同期して、遅延部143から入力された画像データを取り込み、その画像データを画像記憶部145に出力する。ステップS5において、画像記憶部145は、画像取込部144から入力された画像データを記憶し処理が終了される。
【0051】
なお、遅延部143は、画像認識部142が検出する情報の種類にも対応して遅延時間を調節する。例えば、画像認識部142が光の強度を検出する場合、電灯がオンからオフにされたことによりトリガ信号が出力されるが、電灯がオフとされた真っ暗な部屋の画像データを記憶しても意味がない。そこで、電灯がオフとされる直前の画像データが記憶されるように遅延時間が調整される。
【0052】
次に、画像認識部142が、被写体の状態(例えば、位置など)の変化を検知するように設定される場合の、撮像処理について説明する。なお、この場合の処理は、図10に示した場合と同様となるので、以下では、上述したステップS1乃至ステップS5を、ステップS1a乃至ステップS5aとして説明する。
【0053】
例えば、CCDビデオカメラ23の前で被写体(例えば、ユーザ)が、頭部などを動かしたときにそのユーザの上半身の姿を撮像した画像データを記憶する場合、ユーザは、図8を用いて説明した撮像アプリケーションプログラムとしてのSmart Captureの設定を変更して、画像認識部142が被写体の状態変化を検知するように設定する。
【0054】
ステップS1aにおいて、撮像部141は、ユーザの上半身の姿の撮像を開始し、撮像した画像データを画像認識部142および遅延部143に出力する。したがって、画像認識部142および遅延部143には、そのユーザの上半身の姿を撮像したリアルタイムの画像データが連続して入力される。
【0055】
ステップS2aにおいて、画像認識部142は、撮像部141から入力された画像データから所定のフレーム数(例えば、10フレーム)毎に、1フレーム分の画像データの全画素の画素値の総和を算出する。そして、時間的に10フレーム前(所定時間前)に取り込まれた1フレーム分の画像データの全画素の画素値の総和の値と、現時点で取り込まれた1フレーム分の画像データの全画素の画素値の総和の値との差分値を算出する。
【0056】
ステップS3aにおいて、画像認識部142は、ステップS2aで算出した差分値が、予め設定されている基準値以上であるか否か(ユーザが頭部を動かしたか否か)を判定し、差分値が所定の基準値以上であると判定するまで、ステップS2a,S3aの処理を繰り返す。ステップS2aで算出した差分値が所定の基準値以上であると判定された場合、処理は、ステップS4aに進む。
【0057】
一方、遅延部143は、ステップS2a,S3aにおける画像認識部142の処理にかかる時間だけ、撮像部141から入力された画像データを遅延して画像取込部144に出力する。さらに、遅延部143は、画像認識部142が検出する情報に対応して遅延時間を調節する。
【0058】
ステップS4aにおいて、画像認識部142は、被写体に状態変化が生じた(ユーザが頭部を動かした)とみなしてトリガ信号を発生し、このトリガ信号を画像取込部144に出力する。画像取込部144は、画像認識部142から入力されたトリガ信号に同期して、遅延部143から入力された画像データを取り込み、その画像データを画像記憶部145に出力する。ステップS5aにおいて、画像記憶部145は、画像取込部144から入力された画像データを記憶し、処理が終了される。
【0059】
なお、遅延部143は、画像認識部142が検出する情報の種類にも対応して遅延時間を調節する。例えば、画像認識部142が、ユーザの頭部の移動など、被写体に生じた状態変化を検出する場合、ユーザが頭部を移動した後、トリガ信号が出力されるが、例えば、ユーザの姿がフレームから外れた状態の画像データを記憶しても意味がない。そこで、ユーザが頭部を移動する直前の画像データが記憶されるように遅延時間が調整される。
【0060】
以上説明した実施の形態においては、画像情報から検出した任意の情報に基づいて、画像の記憶を制御できるので、例えば、防犯用の監視カメラに適用することが可能である。
【0061】
また、これらの実施の形態においては、トリガ信号に同期して静止画像データを記憶するようにしたが、トリガ信号に同期して、所定の時間だけ動画像データを記憶するようにしてもよい。
【0062】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウエアとしての情報処理装置に組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ(例えば、図1乃至図7のパーソナルコンピュータ1)などにプログラム格納媒体からインストールされる。
【0063】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム格納媒体は、図7に示すように、磁気ディスク211(フロッピーディスクを含む)、光ディスク212(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク213(MO(Magneto-Optical)を含む)、もしくは半導体メモリ214などよりなるパッケージメディア、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM69やハードディスクドライブ56などにより構成される。プログラム格納媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースを介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0064】
なお、本明細書において、プログラム格納媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0065】
以上の如く、本発明によれば、撮像手段以外の新たなセンサを用いることなく、簡単な構成で画像データの記憶タイミングを正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したパーソナルコンピュータ1の斜視図である。
【図2】図1のパーソナルコンピュータ1の平面図である。
【図3】図1のパーソナルコンピュータ1の側面図である。
【図4】図1のパーソナルコンピュータ1の側面図である。
【図5】図1のパーソナルコンピュータ1の正面図である。
【図6】図1のパーソナルコンピュータ1の底面図である。
【図7】図1のパーソナルコンピュータ1の電気的な構成を示すブロック図である。
【図8】撮像アプリケーションプログラムの具体的な表示例を説明する図である。
【図9】図1のパーソナルコンピュータ1の撮像処理を行う部分の構成を示すブロック図である。
【図10】撮像処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ, 2 本体, 3 表示部, 10 シャッタボタン, 22 撮像部, 23 CCDビデオカメラ, 24 マイクロホン, 25 フォーカス調整リング, 56 ハードディスクドライブ, 63 CPU, 141 撮像部, 142 画像認識部, 143 遅延部, 144画像取込部, 145 画像記憶部

Claims (4)

  1. 電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶するのか、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶するのかを、同一のアプリケーションプログラムに対するユーザの操作に応じて設定する設定手段と、
    撮像して得られた画像データを出力する撮像手段と、
    前記撮像手段から出力された画像データを遅延させる遅延手段と、
    電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された画像データの所定の位置の画素の輝度値を所定のフレーム数毎に抽出し、抽出した輝度値と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データから抽出した対応する画素の輝度値との差を演算し、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号を出力し、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された1フレームの画像データの全画素の画素値の総和を所定のフレーム数毎に算出し、算出した総和と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データの全画素の画素値の総和との差を演算し、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号を出力する認識手段と、
    前記認識手段からトリガ信号が出力されることに同期して、前記遅延手段により遅延された画像データを記憶する記憶手段と
    を備え、
    前記遅延手段による画像データの遅延時間は、電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されており、電灯がオンからオフにされたことに応じて前記認識手段からトリガ信号が出力された場合、電灯がオフにされる直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整され、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、被写体の位置の変化がある直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整される
    情報処理装置。
  2. 前記撮像手段を構成するCCDビデオカメラと、前記認識手段および前記記憶手段を構成するハードウェアモジュールおよびソフトウェアモジュールとが、携帯可能な筐体内に一体化されている
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶するのか、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶するのかを、同一のアプリケーションプログラムに対するユーザの操作に応じて設定し、
    撮像して得られた画像データを撮像手段から出力し、
    前記撮像手段から出力された画像データを遅延させ、
    電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された画像データの所定の位置の画素の輝度値を所定のフレーム数毎に抽出し、抽出した輝度値と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データから抽出した対応する画素の輝度値との差を演算し、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号を出力し、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された1フレームの画像データの全画素の画素値の総和を所定のフレーム数毎に算出し、算出した総和と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データの全画素の画素値の総和との差を演算し、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号を出力し、
    トリガ信号が出力されることに同期して、遅延された画像データを記憶手段に記憶する
    ステップを含み、
    画像データの遅延時間は、電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されており、電灯がオンからオフにされたことに応じてトリガ信号が出力された場合、電灯がオフにされる直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整され、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、被写体の位置の変化がある直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整される
    情報処理方法。
  4. 電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶するのか、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶するのかを、同一のアプリケーションプログラムに対するユーザの操作に応じて設定し、
    撮像して得られた画像データを撮像手段から出力し、
    前記撮像手段から出力された画像データを遅延させ、
    電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された画像データの所定の位置の画素の輝度値を所定のフレーム数毎に抽出し、抽出した輝度値と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データから抽出した対応する画素の輝度値との差を演算し、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号を出力し、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、前記撮像手段から出力された1フレームの画像データの全画素の画素値の総和を所定のフレーム数毎に算出し、算出した総和と、時間的に前記所定のフレーム数だけ前のフレームの画像データの全画素の画素値の総和との差を演算し、所定の値以上の差があるとき、トリガ信号を出力し、
    トリガ信号が出力されることに同期して、遅延された画像データを記憶手段に記憶する
    ステップを含み、
    画像データの遅延時間は、電灯がオンからオフにされたときに撮像した画像データを記憶することが設定されており、電灯がオンからオフにされたことに応じてトリガ信号が出力された場合、電灯がオフにされる直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整され、被写体の位置の変化があったときに撮像した画像データを記憶することが設定されている場合、被写体の位置の変化がある直前の画像データが前記記憶手段に記憶されるように調整される
    処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納されているプログラム格納媒体。
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