JP4284472B2 - 丸太柵 - Google Patents
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Description
一般に、設置が簡単な柵の種類においては主として木製、竹製、それらの混成などがある。しかしながら、木や竹は耐久性に難点があり、簡単である故に余りにも味気なく見苦しいものは、特にイベント会場などにおいては、そのイベント自体がみすぼらしくなるため、敬遠されているので、この兼ね合いが問題を複雑にしているのである。
そこで、間伐材である丸太材を使用してフェンス(塀)や柵を構築するのに、従来から行なわれているのは縄や針金で結束して面状に作られるが、これは手作業であるので、特定な技能を有する職人の手を要するばかりでなく、大変な手間と時間を必要とするものであった。また、木材で和風および洋風にマッチさせ、且つできるだけの高度な強度と耐久性を持たせるためには、材料の加工や施工が複雑となって、熟練した職人の作業により手間や時間を必要として、結果的には大変高価なものとなってしまうのである。
これらに関する先行技術には「丸太柵要素とその組立て工法」として、一定の長尺ボルトで丸太を並列に並べて貫通させて束ねたものを高ナットで締め付けて柵ユニットを連続的に接合して長尺な丸太柵を構築したものが開示されている。(例えば特許文献1参照。)
また、「丸太フェンス構造」として、一定の間隔で立てた支柱付き基礎コンクリートに該支柱より大きな開口部を設け、ジョイント部を上下に半カットした丸太と楔を交互に差し込んで組立て連結したものも開示されている。(例えば特許文献2参照。)
更に、丸太柵の支持具に関しては「木柵用支持具、及び木柵」として、横にした丸太を傾斜させて積み重ねられた状態で前後の枠のなかにはめて、それを支持する水平方向の枠と傾斜に向けた支持材でなるものも開示されている。(例えば特許文献3参照。)
しかしながら、前記文献1及び2のものにおいては、いずれも丸太に孔をあけたり、半カット等の加工を施さねばならず、丸太材の強度や耐久性が損なわれる欠点があり、また前記文献3のものは、確かに丸太には加工を施さなくてもよいが、この場合の支持具自体を地面にアンカー材等でしっかり固定しなければならないばかりでなく、枠材が略直角に延伸されていて、この枠の製作が困難で、嵩張るという、欠点や問題を有している。
これらの、多くの市場の要求にも応えようとするものである。
即ち、丸太に複雑な加工を施すことなく、嵩張らない簡単な構造で容易に組立て、分解、移動、再組立ての繰り返し使用することができる丸太柵および柵の構成要素を提供することである。
尚、イベントなど必要な場面に応じて、任意な色や柄などを施すことも可能である。
そして、既に設置された柵にそのまま延長追加して囲いの領域を拡大したり、一部を取り除くことによって、縮小させるなど、変化させることも容易にできる。
また、横置き材の丸太の長さを変更して、3〜5種類ほどのものを各種組み合わせることによって、多数の変化のある独自に好まれるデザインの柵とすることもできる。
更に、該独立土台に前記支柱支持具を埋没固定させることによって、より一層の作業能率の向上をすることができる。
少なくとも所定モジュールの丸太が挟まる間隔を有して対向する一対の平行した柱である支柱丸太1を所要の間隔で設置させ、該一対の平行した支柱丸太1を図のように5組設けて、中央に描かれた、丸太が交差して隣接する部分(図中の交差部21)と、両脇に描かれた、丸太が直線的に延長して隣接する部分(図中の重ね部22)においては、前記一対の平行した柱との間に所定モジュールの丸太材を横置き姿勢で(横置き丸太2を)隣接して交互に積み重ねたことである。
そして、前記両丸太1、2は木目を生かした、クレゾール液や、その他の防腐剤液を浸透させて防腐処理をしておく。これにより、当該丸太を柵として組み込んだ場合でも、経時的に曲がりや変形および割れが生じることも少ないばかりでなく、害虫などによる侵食を防止して、丸太の耐久性を著しく向上していることである。
前記支柱丸太1は地面上から地中に支柱の根元部11を直接打ち込んで設置してもよいが、本実施例の図1に示すように、予め柵の設置境界部への基礎コンクリート3を形成しておいて、その基礎上面31に(本実施例では図示していないが)支柱丸太1を直接植え込む(孔に填め込む)ことでもよい。こうした場合のほうが、設置した支柱丸太1が安定するとともに、長期間にわたって、垂直な支柱としての機能を確実に保持することができる。
従って、この基礎コンクリート3は、一時的な仮設の柵などの場合には省略することも可能である。
更に、支柱丸太1の先端部12を図のように円錐形にしておくと、洋風のイメージとすることもできる。
勿論、上記と反対に、これらも前述の仮設柵の場合などによっては省略することも可能である。
図2において、(a)は横置き丸太が直角に交差する場合であり、一般的な設置場所の角部に最も多く用いられている。(b)は横置き丸太が鋭角に交差する場合であり、(c)は横置き丸太が鈍角に交差する場合であり、そして(d)は横置き丸太が直線的に水平に近い僅かな角度で交差する場合である。これらの図で示すように、いずれの場合でも支柱丸太1は一対の対向した組み合わせになっていて、横置き丸太2を挟持している状態になる。そして、どの交差角においても横置き丸太2が支柱丸太1の位置から延伸して交差部21を有し、相互に重なり合っていることが大きな特徴である。こうした柵の構築状態が丸太柵の最も美しい外観であるとともに、柵の組み立て強度的にも好ましいものとなる。横置き丸太2が重なり合った位置より延伸している距離は任意に設定してもよい。原則として、丸太柵の各角部においては、4本の支柱丸太1を至近距離で設置させているが、柵を直線的に延長する場合や、(d)に示すような横置き丸太が水平に近い僅かな角度で交差する場合には支柱丸太を2本とする。
これらは丸太柵の横置き丸太2の左右端23の切断部を直線的に一列にしないでバリエーションを変化させた場面の斜視図で(a)は波形模様を成し、(b)は傾斜模様を成したものである。
図3(a)は同寸法の横置き丸太2を、組み込む時に、丸太の両端の位置を一定の距離を持たせて交互に設置させていくことにより、構築できる。
また、図3(b)は同寸法の横置き丸太2を、組み込む時に、丸太の両端の位置を一定の距離だけ徐々にずらせ(オフセットさせて)交互に設置させることにより、構築できる。
このように横置き丸太の端部の揃え方によって、柵の面に波形模様や傾斜模様をつけることができるので、単調な丸太柵に変化をつけるのに効果的である。
例えば鋳鉄など金属類その他の、高い強度を有し、溶解して成型することが可能な材質によって一体成型にて形成して製作されるものであって、図4で示すように、支柱丸太1をはめ込むにはきつい寸法(丸太より僅かに小さな直径)の丸太挿入筒A41と丸太挿入筒B42は円筒の上端部の一部を靴べら状の山形に、円筒の内壁面を一致させて延伸させた形状の補強へら部41a、42bを形成し、当該丸太挿入筒A41と丸太挿入筒B42を対向させて、所定の間隔(対向する円筒内壁間の距離)としての、先述の三種類の丸太直径のモジュールである、60mm、50mm、および40mmの距離を保持した状態で両円筒軸を結ぶ線と平行に略矩形板状の連結縦板43で連結しているとともに、当該連結縦板43の下端部中央に、太さがフェンス用の鉄筋コンクリート用の鉄筋太さを越え、且つ、長さが前記円筒を超えるほどの、アンカーシャフト44を形成し、合せて当該アンカーシャフト44に一定の間隔で5個、アンカーシャフト44の直径の2倍程度の径の円板状アンカーシャフト鍔45を一体形成しているものである。
また、円筒部を短めにしたのは、組立作業を容易にして、能率を上げるためでもある。
また、前記アンカーシャフト44は従来の鉄筋コンクリート用の鉄筋状のものでもよく、
上記アンカーシャフト鍔45はアンカーシャフト44を基礎コンクリート3や独立土台6への埋め込み(植え込み)を穴のモルタルとしっかりと噛合って、確実な固定ができる作用がある。従って、アンカーシャフト鍔45の鍔補強リブ46は、それらを補強補助しているものである。
そして、前記略矩形板状の連結縦板43の上端面は図のように円弧状に凹ませた凹端面48にすると良い。これによって、最下部まで横置き丸太材を組み込むことができる。
さらに、必要に応じて前記丸太挿入筒A41と丸太挿入筒B42の側壁中央付近または両円筒の延伸したへら部上端付近に丸太の抜け止め用ネジの止め孔49を設けている。
これによって、より一層の支柱丸太1および2の強力な固定と安心感が得られる。
図5(a)で示すように、支柱丸太1をはめ込む直径の短円筒状の円環A51と、同様の円環B52を先述の支柱丸太1の一対の対向する間隔の距離を連結できる長さの接続長ナットA53と同様の接続長ナットB54が対称的に同心となる関係位置にそれぞれの円環51、52の高さ幅の略中央に溶接で固着されている。そして、それぞれの接続長ナット53、54には対称となるように雌の右ネジ、左ネジが所定深さで形成されていて、これらのネジに嵌合するボルトを両端に形成した中央部が板状の調整板ボルト55で組み立て構成されているものである。
この調整によって、横置き丸太2を支柱丸太1のサイドから締め付け固定することになり、横置き丸太2の位置の移動や抜けの防止をしている。
また、前記接続長ナット53、54と調整板ボルト55は剛性の高い薄板金属のバンドなどに代えることもできる。
尚、対向する支柱丸太の間隔が精度良く揃う場合には、当保持具は、極めて簡単に二つの円環を所定間隔にて連結したものとすることもできる。
この独立土台6は、木柵を設置するのに十分な大きさと重さを有する重量材で成る立体で、該立体の底面中央部に略半球形状の凹曲部(窪み)を形成したことを特徴としている。
図6(a)で示すように、上下の角が丸みを帯びた曲面で成る上面が下面より、少し大きめの略円柱状のコンクリートまたは各種の石材で土台本体61が作成されている。この土台本体61の大きさや重さは、設置する丸太柵の大きさや高さに対応して、適宜決めればよく、形状も略円柱に限らないで、立方形や長方形などでもよい。
土台本体1に先述の丸太用支持具4を上面の中央に設けた孔にモルタルで一体的に埋め込んで硬化させて、固着したものである。この土台本体61はアンカーシャフト44を埋没し、且つ重量的にも支持具4と支柱丸太1を安定的に保持するに十分な大きさとしてあり、更に土台本体61の略円柱形の上角曲面62と下角曲面63を有すると共に、底外壁の中心には半球状の底中心凹部(窪み)64が形成されている。この半球状の底中心凹部(窪み)64も、前記のように設置する丸太柵の大きさや高さに対応して、適宜選定された土台本体61に相似的に深さや大きさも最適な形状に変化させると好ましい。
特に、設置する丸太柵が仮設の場合などには、一度設置した後、容易に撤去したり、移動や再設置が繰り返しできるので、この独立土台6が大変便利である。
(a)は不整地の場合を示す図で、(b)は傾斜したコンクリート地でのコンクリート面に垂直となる使用状態を示す図である。
図に示すように、特に傾斜している不正地の地面などに丸太柵の支柱を垂直や任意の角度に設定して構築する場合に優れた機能を発揮するものである。その理由は独立土台6の土台本体61の底面中央に設けた半球状の底中心凹部(窪み)64が半球形なので、二次元的に180度の領域を、容易にあらゆる方向の角度が微妙に調整することができる。
尚、この球粘土71は次に述べるモルタルの球でもよい。
また、図示していないが丸太柵の設置面の状態や整地の程度をも問題視することなく、平面な場所に垂直な支柱や傾斜させた支柱、そして傾斜面の場所にも垂直な支柱や傾斜させた支柱をと、任意に各種の地形や地面の状態にでも丸太柵を設置することが可能となる。
11 根元部
12 先端部
2 横置き丸太
21 交差部
22 重ね部
23 左右端
3 基礎コンクリート
31 基礎上面
4 支持具
41 丸太挿入筒A
41a 補強へら部
42 丸太挿入筒B
42b 補強へら部
43 連結縦板
44 アンカーシャフト
45 アンカーシャフト鍔
46 鍔リブ
47 アンカーシャフト連結部
48 凹端面
49 止め孔
5 保持具
51 円環A
52 円環B
53 接続長ナットA
54 接続長ナットB
55 調整板ボルト
56 円環スリット
6 独立土台
61 土台本体
62 上角曲面
63 底角曲面
64 底中心凹部(窪み)
7 傾斜不整地
71 球粘土
72 盛り土
8 傾斜コンクリート面
81 球モルタル
82 盛コンクリート
Claims (3)
- 少なくとも丸太が挟まる間隔を有して対向する一対の平行した柱を所要の間隔で設置させ、該一対の平行した柱を少なくとも二組設けて、隣接する前記一対の平行した柱との間に丸太材を横置き姿勢で挟持させながら、隣接して交互に積み重ねる丸太柵であって、溶解して成型することが可能な材質によって一体成型にて形成され、円筒の上端部の一部を円筒内壁曲面に沿った略山形に、円筒の内壁画を一致させて延伸させた形状の丸太挿入筒を一対設け、当該丸太挿入筒を左右対称位置に対向させて、所定の間隔を保持した状態で両円筒軸を結ぶ線と平行に略矩形板状の連軸縦板で連結するとともに、当該連結縦板の下端部中央に、所定長さのアンカーシャフトを設け、丸太柵の基礎または独立土台に安定して固定する手段を有する支柱丸太材の支持具を設けた丸太柵。
- 少なくとも丸太が挟まる間隔を有して対向する一対の平行した円環を設け、該両円環の間隔を中央の調整部材一箇所で同時に左右均等に調整できる手段を介して連結する丸太材の保持具を設けた請求項1に記載の丸太柵。
- 丸太柵を支持する重量材で成る立体で、該立体の底面中央部に略半球形状の凹曲部(窪み)を形成した独立土台を設けた請求項1または請求項2に記載の丸太柵。
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