JP4284178B2 - 塔の基礎の上に取り付けられた風力タービンの電力モジュール - Google Patents

Description

本発明は、風力発電設備（wind power plant）を構築する方法と、風力発電設備それ自体の構造とに関するものである。

従来、風力発電設備を構築する場合は、まず基礎をつくり、次に風力発電設備の塔を立て、この後塔の頂部に機械室を設置し、ロータブレードを備えたロータを取り付けるようにしている。この後、変圧器、スイッチキャビネット、場合によってはインバータ、中間電圧モジュール、低電圧分配器などといった電力モジュールを実装する。これらは、ほぼ全部、風力発電設備外の特別の小さい建物内に配置されている。

特許文献１には、塔の内部に変圧器を収容し、これにより、固有の基礎を備えた特別の変圧器用の建物を構築する必要をなくした風力発電設備が開示されている。
独国特許出願公開第１９８１６４８３．１号明細書

本発明の目的は、風力発電設備の構築を、より有利に、かつとくにより迅速に行うことを可能にする方法を提供することである。

上記の目的は、請求項１にかかる特徴を備えた方法及び請求項２にかかる特徴を備えた風力発電設備によって達成される。さらに有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。

本発明によれば、従来の風力発電設備の場合とは異なり、風力発電設備の基礎（foundation）を構築した後、必須の電力モジュール（power module）、すなわち変圧器、スイッチキャビネット（switch cabinet）等を基礎の上に配置し、この後に塔を立てる。これにより、塔を立てた後、すべての電力モジュールは、塔の基礎の領域内、又は塔の低位部内で保護され、塔の基礎の上で安全な状態に保たれる。

電力モジュールは、可能な限り組み立て式（prefabricated）とされてキャリア（carrier）に搭載される。これにより、電力モジュールは、風力発電設備を構築する場合に必ず必要とされるクレーンを用いて、塔の基礎の上に設置することができる。そして、全体の準備作業（entire operational readying）、とくにケーブルの敷設や、風力発電設備の全体の準備作業（entire operational preparation）、例えば個々の制御モジュールの調整や、スイッチキャビネットの装備などは、保護された空間部内で行うことができる。これらの作業（activities）は、塔が構築された後においてのみ、開始することができる。

また、電力モジュールのキャリアは、塔の基礎の上に予め配置されたプレート（plate）の上にそれぞれ載っている支持脚（support feet）を備えているのがとくに有利である。これらのプレートは、基礎をつくる間に、決められた位置の前にすでに配置され、基礎に固定されている。これにより、この後で電力モジュールを、非常に単純な手法及び仕様で設置することができる。

最後に、風力発電設備の基礎内に、該設備から外部につながるケーブル、すなわちとくに送電ケーブルや制御ケーブルなどのための中空導管（empty conduit）の腕木（cross arm）を設け、これらの中空導管の腕木を、予め決められた位置に配置するのも非常に有利である。このため、腕木は、基礎の一部又は塔の低位部にそれぞれ固定された保持アーム（holding arm）によって保持される。これらの中空導管の腕木でもって、ケーブル配置領域を高精度で予め決定することができ、とくに電力モジュールから基礎まで伸びているケーブルを、最も短くかつ最適なケーブル経路とすることができる。

ここで、本発明においては、中空導管の腕木や電力モジュールのキャリアなどの個々のモジュールを組み立て式とすることにより、基礎の構築と同様に迅速に、風力発電設備の全体的な電気装置の装備を促進することができる。

本発明にかかる工程（step）によれば、風力発電設備の総構築時間を、大幅に短縮することができる。また、本発明によれば、どのような技術的不具合も招くことなく、風力発電設備の装置全体のコストを低減することができる。

以下、図面に示された具体例により、本発明をより詳しく説明する。
図１は、中空導管３の上に、スチール製強化材１、２を伴った、予め配列された基礎（コンクリートは充填されていない）の上面図である。ここで、中空導管は、強化材と隣接している塔最下部で、補強材４を介して支持されている。さらに、塔最下部には、保持アーム６に対して配置されたキャリアプレート５が設けられている（風力発電設備が構築されたに後はもはや見えなくなるであろう）。

中空導管３は、この後、電力ケーブルなどのケーブルを収容するのに役立ち、これにより、風力発電設備の全電気エネルギが、グランドケーブル（ground cable）を介してネットワークに送られる。この場合、しばしば、１本のパイプを設けるよりも、数本のパイプが設けられる。

図２は、コンクリートが充填された後における基礎部分を示している。中空導管が予め固定された位置にとどまり、かつキャリアプレートもまたコンクリートで覆われている。コンクリート充填時には、キャリアプレートがちょうど構造コンクリートの上に位置し、表面上に荷重支持の広がり（load support spread out）を生じさせることが重要である。コンクリートがキャリアプレートの上側縁部に到達すれば、プレートの縁部では注意深く作業が行われる。

コンクリートが硬化した後、キャリアプレートを保持するための保持アーム、及び、中空導管を取り付けるための腕木は取り外され、他の設備を構築する際に再使用される。

コンクリートが硬化した後、風力発電設備の残部を構築するときに、塔は、該塔の基礎の最下部には配置されず（従来は常にそうであった）、まずキャリアプレート５の上に電力モジュール７が配置される（図２、３、４）。

図３には、このような電力モジュール７が、２つのパーツ（parts）に分けられた仕様で示されている。ただし、この電力モジュールは、追加のパーツであってもよい。

電力モジュール７の２つのパーツは、図示された例では、一方が他方の上に位置するように配置されている。そして、電力モジュール全体は、２つの合体式（fitted-together）のキャリア８（carrier）を備えている。このキャリアは、それぞれ、電力モジュールの重要なパーツ、すなわち変圧器、インバータ、スイッチキャビネット、中間電圧レイアウトなどを支持する。

合体式のキャリア８は、フレームの形態に形成され、正確に合体し、これにより信頼性の高い相互の固定が確実化される。

個々のキャリアは、ともに底部に結合された４つの鉛直方向を向くスパー（spar）を有している（矩形の範囲を定める）。これらのスパーは、それらの下端部及び上端部でともにねじ留めされている（screwed）。

基礎の上に電力モジュールを取り付けた後、塔９が立てられ（図４）、電力モジュールの上にはめられる（slipped）。このため、電力モジュールの外形寸法は、塔の低位領域及び／又は基礎の領域においては、幅及び長さに関して、塔の内直径よりも小さい。

塔を立てた後、風力発電設備は、従来どおりに、機械室が配設され、ロータが搭載され、発電機と電力モジュール７との間に適当な電気接続が形成されて操作可能となり、電力モジュール（変圧器の出力）は電力供給ネットワークに接続される。

上記の中空導管又はケーブルを敷設するために設けられた装置が、とくに決められた位置に予め固定されたときには、電力モジュールとネットワークとの間の接続もまた、最小の全体ケーブル長でもって、極めて迅速かつ有利に行うことができる。なぜなら、中空導管は、それらが電力モジュールの対応するパーツと正確に対応する位置に配置されるからである。

本発明にかかる風力発電設備においては、風力発電設備への出入り（access）は、基礎の固定された領域（fixed region of the foundation）の従来のドアを通って行うことが不要となるので有利である。この場合、代わりに、高電圧又は中間電圧がかかっている電力モジュールのパーツの上の領域に配置されたドア（出入り）を通ることになる。このため、対応する梯子又は階段は、塔の外部に設けることができる。出入りドアのこの配置は、頻繁にこの設備を訪れる人員が、設備が稼動しているときに高電圧又は中間電圧（medium voltage）がかかっている電力モジュールのパーツのそばを通って歩く必要がなくなるといった利点を有する。これはまた、風力発電設備の稼動時に、事故又は過ちにより電力モジュールの直近に何者かが入り込み、重大な事故を引き起こすおそれがある電圧又は電流がかかっているパーツに接触することを確実に防止する。

塔の出入りドアの領域には、この後、適当な中間プラットホームが設けられる。このプラットホームは、塔に入る人員が使用することができる。これにより、この人員は、塔の内側で風力発電設備のより高いところに移動することができ、又は種々の制御装置の調整を行うことができ、又は測定データを読み取ることができる。

本発明のタイプの風力発電設備は、一般に、１００ｋＷの定格電力より高出力で、好ましくは５００ｋＷ、１ＭＷ、１．５ＭＷ又はこれよりかなり高出力の範囲の定格電力で用いることが可能である。好ましく、中間プラットホームは、人員が電力モジュールの低位領域に入るために通り抜けることができるロックプレート（locking plate）を備えている。ハッチ（hatch）のロックは、無権限者の出入りに対する電力モジュールの低位部のさらなる保護を可能にする。

基礎の領域内における塔の内直径は数メートルであり、これによりその全表面積は１００ｍ^２又はこれより大きくなり、したがって電力モジュールを収容するのに十分な大きさの領域を確保することができる。本出願において、「電力モジュール」との語は、風力発電設備の中間電圧及び高電圧がかかっているパーツを意味するものとして用いられている。これらは、とくに、変圧器又はインバータ又は緊急スイッチなどのユニット、及び、中間電圧スイッチキャビネット又は低電圧配電器（low voltage distributor）である。

予め配置された基礎の上面図である。 コンクリート充填後における基礎部分の図である。 パワーモジュールの図である。 電気パワーモジュール及び塔の図である。

符号の説明

１ スチール製補強材、２ スチール製補強材、３ 中空導管、４ 腕木、５ キャリアプレート、６ 保持アーム、７ 電力モジュール、８ キャリア、９ 塔。

Claims (5)

1. 塔（９）を備えた風力発電装置を構築する方法であって、
   基礎を構築するステップと、
   上記基礎の構築時に取り付けられ上記基礎に固定されるプレートを、上記基礎の上に予め配置するステップと、
   変圧器を必須で含み、かつ、インバータと、上記風力発電設備を制御し、及び／又は、上記風力発電設備の発電機により供給されてネットワークに供給される電力を管理するその他の電気装置とのうちの少なくとも１つを含む電力モジュール（７）であって、該電力モジュールの上記各電気装置を受け入れる支持脚付きのキャリアを備えている電力モジュールを予め組み立てるステップと、
   上記塔の構築前に上記電力モジュール（７）が上記基礎の上に配置され、かつ、上記基礎の上に予め配置された上記プレートの上に上記電力モジュールの上記キャリアの支持脚が載るように、上記基礎の上に上記電力モジュールを配置するステップと、
   上記塔の構築後に上記電力モジュール（７）が上記基礎の領域内又は上記塔の低位部内で保護されるように、上記塔を構築するステップとを含んでいて、上記塔のドアを、高電圧又は中間電圧がかかっている電力モジュールのパーツの上の領域に配置することを特徴とする風力発電装置を構築する方法。
2. 基礎の上に配設された塔と、電力モジュールとを備えた風力発電設備であって、
   上記電力モジュールは、風力発電設備の発電機により供給される電気エネルギを中間電圧又は高電圧に変圧する変圧器を有し、
   上記電力モジュールは、風力発電設備の発電機によって供給される電気エネルギを制御し、及び／又は、管理する装置を含み、
   上記電力モジュールは、風力発電設備の基礎の上に配設されたキャリアを有し、該キャリアが、電力モジュールの電気装置を受け入れていて、
   上記電力モジュールの幅及び長さが、基礎の領域における風力発電設備の塔の直径より小さく、
   かつ、該風力発電設備が、高電圧又は中間電圧がかかっている電力モジュールのパーツの上の領域に配置されたドアを備えている風力発電設備。
3. 上記電力モジュールが２つのパーツで構成され、これらの２つのパーツは、一方が他方の上に位置するように配置され、第１のパーツと第２のパーツとの間の遷移領域にキャリアが設置され、これにより両パーツがともに整合して相互に固定されていることを特徴とする、請求項２に記載の風力発電設備。
4. 上記電力モジュールが、変圧器と、インバータと、風力発電設備の電気制御装置を収容するための少なくとも１つのスイッチキャビネットとを備えていることを特徴とする、請求項２又は３に記載の風力発電設備。
5. ケーブルを収容するための中空導管（３）が風力発電設備の基礎内に配設されて固定されていることを特徴とする、請求項２〜４のいずれか１つに記載の風力発電設備。

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